1.はじめに
河北新報 に東日本大震災で被災した「くみ取り和式トイレ」を、「くみ取り和式」のまま原型復旧したことに関する記事が掲載されていました。
非常にくだらない内容ですが、復旧の対象物がトイレではなく、コレが道路であれば、大問題になります。
2.トイレの復旧の内容
新聞の記事を要約して、このトイレ工事について、以下のとおりまとめます。
・被災トイレの内容:宮城県気仙沼市の公衆トイレ工事
・工事の内容:「原型復旧の原則」に基づき、男女共用で電気もないくみ取りの和式トイレを約560万円かけて新築した。
・何が問題か:「時代に合わせてほしい」との不満や要望が住民から上がり、水洗トイレに模様替えするための追加工事には、約180万円を要した。
という内容です。
3.原型復旧の原則
まず、災害復旧は原形復旧が原則です。これは法律に基づくものです。「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和26年3月31日制定)」という法律です。
簡単に記述すると、災害で被災した施設を国の補助金を用いて復旧させる場合、災害報告に基づいて、災害査定が行われます。この査定に基づき、施設の復旧に充てる費用が決定され、施設を復旧します。
4.被災トイレの原型復旧の問題(私の想像)
気仙沼の被災トイレの何が問題なのかということですが、復旧しようとした方(公務員)が大変真面目な方でトイレの復旧工事行う際に、上記の「原型復旧の原則」を厳格に適用してしまったことです。
私は公務員ではないので、補助金の仕組みは役人ほど詳しくありません。このため、以下に関する内容は、私の想像の範疇で記載します。
厳しい役人であれば、「原型復旧の原則」を盾にして、地元の意見は無視し、水洗トイレへのグレードアップはしません。
問題なのは、水洗トイレへの改良工事の際に、無駄な税金が使われたことです。追加工事に約180万円かかっています。
宮城県知事は議会で「原型復旧の原則に従った判断だが、追加工事が発生したのは無駄。今後はより柔軟に考えたい」という発言を行っていますが、壊れたものを直す場合は「原型復旧の原則」が筋です。
柔軟な判断は不要です。以下のようなことを検討すればよいと私は考えています。
・「くみ取り和式トイレ」を復旧させる前に、地元と調整する。
・法に基づいて「原型復旧の原則」に従い、改修は「くみ取りトイレ」にて復旧すると地元等に報告。
・「時代に合わせてほしい」という不満が出るのではあれば、「くみ取りトイレ」から「水洗トイレ」へ改修する際の工事費の差を算出する。
・その差が僅かであれば、利用者である地元への費用負担を求める。
・「くみ取り和式トイレ」を作るよりその後の維持管理費も含めて「水洗トイレ」が安い場合は、「くみ取り和式トイレ」を「水洗トイレ」に変更してもよいか、補助金の負担元と交渉する。
今回は対象物がトイレで「くみ取り和式」ということで、話題になりましたが、道路で例えると、「元々の道路の幅員が狭いので、追加工事で広くしてくれよ。税金で。」という住民の要望に安易に答えるようなものです。
今回のケースが他の公共事業の復旧工事に波及しないことを祈るばかりです。私の無駄な仕事が増えます。
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