(2018年投稿記事です。)
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最近になって、陸自に揚陸艦を導入しようという話が飛び出ています。
陸上自衛隊の水陸機動団向けの揚陸手段として、必要な装備です。
導入するとしたら、どんなタイプになるのか?陸自の要求は?
ここで、改めて検討してみましょう!
(前回記事):『 空自千歳基地航空祭の攻略方法はこれだ! 』
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(1)陸自が水陸機動団用に求める揚陸艦の要求性能を検討!
もし陸自が揚陸艦を、水陸起動団の輸送用に持ちたいとなったらどんな要求性能が求められるでしょうか?
任務分析を行い、そこから必要な揚陸艦の要求性能を導き出します。
1.1 水陸起動団の任務
水陸機動団の任務は、
『我が国の領土を、他国に侵略された際に海上から迅速に機動展開し奪回すること』
となります。
図1 水陸機動団の攻撃イメージ
引用URL:http://livedoor.blogimg.jp/kouichi31717/imgs/5/a/5a552440.jpg
最初は、偵察部隊による潜入・目標評定の上に、空海部隊による上陸支援攻撃を行います。
その後、水陸両用車(AAV7)による上陸となります。
1.2 水陸両用車の発進拠点は輸送艦から
攻撃の主体となる水陸両用車(装甲車)の発進は、大型の輸送艦から発進することになります。
一個中隊分の車両を搭載、輸送するには、おおすみ型や多用途輸送艦クラスが必要になります。
1.3 水陸起動団が本当に求める揚陸艦の運用性能は?
AAV7などの水陸両車は、従来の輸送艦からの発進が適しています。
それでは現在海自に不足しており、水陸機動団の所要を満たすものは何か?
大目標:『上陸部隊への継続した輸送・補給能力を持つ艦』
上陸した機動連隊に続いて、特科大隊・通信中隊・施設中隊・後方支援大隊を送る必要があります。
図2 水陸機動団の編成
引用URL:http://www.mod.go.jp/gsdf/gcc/ardb/hensei/hensei.png
継続して戦闘を続けるためには、これらの部隊を揚陸する必要があります。
さらに水陸機動団全体への、燃料・弾薬・需品を輸送する必要があります。
陸自の用語でいう、段列を編成する必要があります。
中目標:『上陸部隊の補給拠点となる艦』
水陸機動団は、将来的に3,000人ほどの部隊となります。
この部隊を、揚陸して継続的に戦闘させるには、相当な量の燃料・弾薬・需品が必要です。
この水陸機動団を、3か所同時に揚陸させるとなると、補給拠点として陸自揚陸艦が必要になってきます。
陸自への補給諸元は保全事項なので申し上げられませんが、相当量になります。
それらを満たすために、ある程度の揚陸艦は必要です。
大隊戦闘団規模にて検討すると、2000tクラスの揚陸艦が必要になります。
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(2)近代化みうら型輸送艦(2000t)9隻が欲しい!
単刀直入に言うと、近代化したみうら型輸送艦(2000t)が必要です。
平成13年ごろにも、1900t型輸送艦(LSU)が計画されました。
平成15年度に建造を計画しましたが、当時の防衛予算削減のあおりを食らって建造できていません。
(資料:「平成13年度政策評価調書(1900t型LSU)」)
引用URL: http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/13/jizen/honbun/05.pdf
情勢が激変した、現代においては近代化みうら型輸送艦が水陸機動団向けにあっています。
図3 みうら型輸送艦(退役した艦)
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/みうら型輸送艦#/media/File:Miura-class_landing_ship_tank.png
手頃な大きさの船体と、ビーチング能力を持った輸送艦でした。
武装や機関などを現代にあった物に再設計する必要がありますが、水陸機動団向けとして最適な輸送艦です。
2.1 燃料・弾薬・需品補給をバカにするな!
揚陸艦というと戦車がダーっと出てくるイメージがありますが、補給拠点としての輸送艦をバカにしてはいけません!
冗談抜きで、燃料・弾薬・需品補給は重要です。
陸自車両にはディーゼルエンジン燃料、機器の発動機用としてガソリン燃料が必要です。
海自の現有輸送艦には、陸自用の燃料所要量を全部用意できるスペースがありません。
※陸自と海自の燃料の違い
陸自用ディ—ゼル燃料(軽油)と、海自艦艇用燃料(軽油)は違うものを使ってます。
緊急時には、双方の燃料で動かせますが、故障のリスクが高まります。
ガソリンは海自艦艇にはあまり搭載していないため、陸自に提供できません。
弾薬についても馬鹿にならない量です。
図4 弾薬補給のイメージ
引用URL:wiki
2.2 艦艇だと、補給が容易になる。
ヘリコプターなどで弾薬燃料等を補給するのは、効率が悪くなります。
艦艇であれば、大量の燃料・弾薬・需品補給がしやすくなります。
また戦闘時に発生する負傷者や、損傷装備の回収なども効率的に行えます。
効率的に常時待機態勢の艦艇を3隻用意するとなると、9隻が必要です。
この部分についての論議が必要でしょう。\PR!/
(3)第2陣以降の輸送手段として陸自揚陸艦は機能する!
陸上自衛隊の水陸機動団に輸送艦を用意するとなると、思ったよりも大ごとになります。
(2000t型輸送艦9隻ほどが必要)
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感想(0件)
議論は、部内で進んでいるでしょうが、運航要員をどうするのかなど、まだまだ議論は必要です。
今後の情勢と、防衛予算をにらみながらの準備が必要でしょう!
議論は部内で進んでいるでしょうが、運航要員をどうするのかなど、まだまだ議論は必要です。
今後の情勢と、防衛予算をにらみながらの準備が必要でしょう!
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一度入札中止となったのが、こんなに早く復活するとは思ってもいりませんでした。
納期が1年延期となったのは、やはり工期が厳しかったのかもしれません。応札予定の造船所から「こんな工期じゃ無理やで!」との抗議が大きかったのかもしれません。
(入札公示の時は、応札希望業者が仕様書閲覧できるようになっています。)
ttps://www.mod.go.jp/atla/cals_koukoku/kokok/45-55/announcement20220810162641.pdf
ttps://www.mod.go.jp/atla/cals_koukoku/kokok/45-56/announcement20220810165154.pdf
納期が延びているようなのでやらかし案件?なのかそれとも算出間違い発見なのかは何とも言えませんが何があったのやら
6月に入って急遽入札中止広告が出た、陸自輸送艦(LSV・LCU)ですがいくつかの要員があるのではないかと思います。
?@予算組み合えに伴う中止
弾薬などの別物件調達予算確保のため予算科目を組変による中止もあり得ます。
?A陸自のポカによる予算示達遅れによる中止
予算年度の1/四半期(4月〜6月)ということで、早期に
契約用の予算示達をしなければいけないのですが、陸自経理部門の示達要求が遅れたために契約に必要な予算が下りてこなかったという可能性もあります。
(示達遅れは結構あります)
?B材料費・人件費などの算出間違い発見による中止
これが一番可能性の高い話ですが、陸自の予算で輸送艦建造が行われるため陸自が要求元として予定価格原案を作ります。
そんな中で、原価計算部門にて材料費や人件費の高騰、その他各種の計算ミス多発発見によりとても入札できる状況でなくなったのでやむなく中止になった可能性もあります。(造船所の計算は独特ですからね〜)
防衛装備庁から今後の続報が出るでしょうけど、本来なら去年入札すべきものが遅れたための弊害かもしれません。
ttps://www.cals.atla.mod.go.jp/tyotatsu/koukoku
此方の公告番号甲-3/甲-4が該当だったのですが中止公告が出たようで
例の大綱・中期防改定作業で巻き添え食って吹っ飛んだ……とみるべきなのでしょうかはて
今回陸自予算にてLSVとLCUの入札が出ましたが、それほど短いというわけではありません。
今回原型艦がはっきりしているので、建造自体はそれほど難しいものではありません。
まあ陸自の仕様書が、がちがちに書きすぎて変なことにならなかければすんなり行けると思います。
(陸自の仕様書は、変なところまで自前の仕様書にこだわりすぎて製造会社が困ることが結構あったりします。)
地方防衛局の造船所を管轄知る海自検査官がその辺をしっかりフォローするでしょう。
水密性が求められる装備なのに、水密性の基準が全く書いていない陸自仕様書が来たときは、頭を抱えたものです。
(結局仕様変更契約で、水密性を追記して変更契約をしました。)
防衛装備庁の一般競争入札公告をみていると、中型級船舶(LSV)と小型級船舶(LCU)の入札日が令和4年6月21日、納期が令和6年3月29日となっており、2会計年度での履行期間になっています。
海上自衛隊が船舶を取得する際の履行期間(おおよそ、4会計年度から5会計年度)と比較して、かなり短い期間となっています。
受注会社と防衛省との間の書類手続きに要する時間や、現場での建造工程を考えても、今回の履行期間がかなり短いという印象です。
ペンギン様はどのようにお考えになりますか?