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2024年5月21日から、ロシアは戦術核兵器使用を想定した軍事演習を開始しました。
すぐさま核兵器使用とはなりませんが、ロシアは準備をしているということでしょう。
図1 戦術核航空機
引用URL:https://twitter.com/nukestrat/status/1792945231244963967/photo/4
問題は、戦術核演習の中でイスカンデルMミサイルが登場してきたことです。
イスカンデルMミサイルに搭載する戦術核兵器は、本当に完成しているのか?
(前回記事):『 追悼ジェームズ・アワー元米海軍中佐 』
\こちらもご参考にPR!/
(1)イスカンデル弾頭にモザイクが!
今回の戦術核使用演習において、今までにない動きがありました。
図2 イスカンデルモザイク
引用URL:https://twitter.com/nukestrat/status/1792945231244963967/photo/2
イスカンデルMミサイルの弾頭に、モザイク処理をしてロシア国防省が動画を公開しました。
1.1 イスカンデルMに戦術核?
ウクライナ戦争にて、すっかり評判を落としてしまったイスカンデルMミサイルはロシアの短距離弾道ミサイルです。
図3 イスカンデルM
引用wiki
2006年に登場して、2008年のグルジア紛争にて実戦使用されました。
その後第二次ナゴルノ・カラバフ紛争でも使用され、強力な兵器と思われていました。
(関連記事):『 イスカンデルミサイル使用と各所紛争頻発!【世界情勢】 』
しかし戦術核が搭載可能とされながら、今まで戦術核搭載型が披露されたことはありません。
今回の核兵器軍事演習にて、搭載可能なように報道が行われています。
1.2 INF条約により中距離戦術核が無かった!
1987年に発効した中距離核戦力全廃条約(INF)により、米ロ共に核搭載中距離弾道ミサイルを破棄していました。
図4 署名
引用wiki
射程500kmから5500kmまでの、核搭載可能な弾頭ミサイル・巡航ミサイルを破棄するものです。
双方とも、多数の戦術核とミサイルを破棄しています。
図5 SS-23
引用URL:https://twitter.com/halmiso1/status/1052193199630901256/photo/1
ただロシアが核搭載可能な巡航ミサイル9M729(イスカンデルK)を開発し、条約は破棄されました。
普通に考えると、イスカンデルMミサイルに搭載可能な戦術核兵器は存在しないはずです。
1.3 核搭載可能を匂わせる写真
2018年にロシアでの展示会「アルミヤ2018」にて、イスカンデルMが核搭載可能であると匂わせる展示がありました。
図6 弾頭展示
引用URL:https://twitter.com/halmiso1/status/1051565203039637505/photo/1
ソ連最初の核兵器RSD-1と並べるように、イスカンデルMの弾頭部と戦術核を展示しています。
ただ情報が修正され、真ん中の核弾頭とされたのはSS-20用核弾頭の模型とされています。
図7 SS-20
引用URL:https://photo.weaponsystems.net/image/s-lightbox/n-RSD-10%20missile/--/img/ws/ar_ssm_rsd10_m4.jpg
ロシアが新規に小型戦術核弾頭を開発できたとは思えないので、謎が残るところです。
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(2)核弾頭は何を再利用したのか?
ウクライナ戦争では、核搭載可能な巡航ミサイルKh-55が使用され弾頭部部品が回収されています。
図8 弾頭部の部品
引用URL:https://mil.in.ua/wp-content/uploads/2022/12/Polish_20221202_111828025.jpg
ロシアは、核搭載可能ミサイルにて脅しをかけているといえます。
2.1 SS-23の弾頭部を再利用?
イスカンデルMへの核搭載可能性の一つとしては、INF条約で廃棄されたSS-23「スパイダー」の弾頭部を再利用するものです。
図9 SS-23
引用wiki
INF条約で規制された、射程500kmを下回るミサイルでしたがソ連が自主的に廃棄を決めたものです。
ミサイルについては、イスカンデルMミサイルとほぼ同規模であり弾頭部を流用出来ます。
図10 SS−23弾頭部
引用URL:https://english.sawtbeirut.com/wp-content/uploads/2021/04/Ukraine-800x549.jpg
ただ米ソの核査察で、核弾頭は全て解体されていることから可能性は低いといえます。
2.2 SS−21「トーチカ」の核弾頭を流用?
可能性として高いのは、SS-21「トーチカ」の核弾頭9B79をイスカンデルMに流用した可能性です。
図11 SS−21
引用wiki
SS-21については、ウクライナ戦争で双方が使用しているほど便利な短距離弾頭ミサイルです。
射程については、最大約185kmでありINF条約の対象外となっています。
図12 9M79B
引用wiki
特に核弾頭搭載の9M79Bシリーズは、現在でもロシアが予備弾頭として保有しています。
2.3 イスカンデルには十分搭載できる
SS-21は、イスカンデルM(9K720)ミサイルの原型となっています。
核兵器の開発が、米露とも停滞している状況から考えて十分可能性があります。
図13 モザイク映像
引用URL:https://twitter.com/nukestrat/status/1792945231244963967/photo/2
弾頭部にモザイクを掛けたのは、弾頭部の形状からSS-21弾頭部を流用していると悟られないためではないかと推測されます。
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(3)ロシアの核戦力はいまだナゾが多いねえ!
米国は比較的に、核弾頭の写真を公開することが多くなっています。
図14 B-61爆弾
引用wiki
それに比べ、ロシアはいまだ秘密のヴェールに包まれています。
3.1 形状も未だ不明のものが多い
ロシアの核弾頭については、形状についても不明であることが多くなっています。
図15 R-27
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Fs4-GpSXwAYXMQi?format=jpg&name=900x900
R-27の核弾頭は、1986年のK-219の事故によりようやく弾頭形状が判明します。
なかなか秘密の扉が開かず、憶測を呼ぶところがあります。
ただ今でも、イスカンデルMミサイルに核弾頭が搭載できるか怪しいところがあります。
今後の情報に注意していきましょう。
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