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2023年1月10日に発生した、護衛艦「いなづま」座礁事故の報告書が公表されました。
予想以上の単純な凡ミス連鎖により、重大事故になったことが判明しています。
図1 護衛艦いなづま
引用wiki
海図を見てなかったって?!標識を認識できないってなんだよ!
本気で水上艦の練度が心配になる結果でした。
(前回記事):『 ロシアがICBMを使いやがったか?! 』
\こちらもご参考にPR!/
結論から言うと、護衛艦「いなづま」は暗岩の存在を知らずに突っ込んだことです。
図2 暗岩
引用URL:https://blog.canpan.info/oprf/img/sima-setu.jpg
船乗りとしてありえんミスを、実際にやってしまったことになります。
1.1 ありえんミスが起きてしまった
以前の記事で、機器のミスかな?という感じで書いていました。
(関連記事):『 「いなづま」の修理費があ!修理費がああ!!【海上自衛隊】 』
船務士として護衛艦に乗ってた経験から、暗岩を認識できないなんてないだろう?と思っていました。
図3 副直士官
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/bosyusien/semaru/yamagiri/hirashiro.jpg
海図を見てる副直士官が、海図から暗岩を見つけて報告するはずです。
だけども、暗岩を最高速力で突っ切るという事故が起きてしまいました。
1.2 予定航路を変更したミスが出た!
国交省事故調査報告書を見ると、いくつもの凡ミスが重なっていることがわかります。
(JTSB事故調査報告書): https://jtsb.mlit.go.jp/ship/rep-acci/2024/MA2024-11-7_2023hs0004.pdf
図4 事故調査報告書
引用URL:https://jtsb.mlit.go.jp/ship/rep-acci/2024/MA2024-11-7_2023hs0004.pdf
?@予定航路は航海長が作成して、艦長承認したが事前研究会が開かれていなかった。(第1のミス)
?A事故1時間前に、速力試験の予定航路変更を艦長が指示。電子海図変更を確認せず。(第2のミス)
?B事故10分前に進路変更、電子海図を確認せず速力アップ(第3のミス)
?CCICや副直士官から再三にわたり標識の報告があるが試験中止せず(第4のミス)
?D事故2分前に針路変更(決定打となった第5のミス)
中間報告などで示された、謎の針路反転の理由がようやくわかりました。
試験予定航路を変更したため、妙な航跡となったのです。
図5 航跡図
引用URL:https://jtsb.mlit.go.jp/ship/rep-acci/2024/MA2024-11-7_2023hs0004.pdf
予定海域で試験を続行していれば、事故は起こらなかったでしょう。
1.3 マジに海上自衛隊は大丈夫か?
海上保安庁は、航行に支障がある暗岩に「孤立障害標識」を設置しています。
図6 孤立障害標識
引用UURL:https://www.kaiho.mlit.go.jp/04kanku/safety/item/navi_koritu1.jpg
海図にもちゃんと記載され、事故発生前に標識があることが艦橋に何度も報告されています。
候補生学校で、徹底的に航行標識の見方を叩き込まれたはずが何で最高速力でぶっちぎるかなあ!
信じられない凡ミスの嵐で、事故が起きてしまいました。
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感想(0件)
正規分の正規という言葉があるのに、全く守られていない現状です。
図7 ミサイル艇
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2005/2005/image/17p31404.png
最高速力を出す試験なのに、事前研究会さえ開いていなかったとは!
2.1 艦橋音響等情報記録装置の情報が無いのはなぜ?
今回の護衛艦「いなづま」の事故調査報告書について、少し疑問に思ったことがあります。
2008年の護衛艦「あたご」の事故以降、全艦艇に「艦橋音響等情報記録装置」が設置されました。
図8 あたご事故
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ddg/atago/img/main_177.jpg
2020年の掃海艇「のとじま」事故では、衝突に至るまでのエグイ情報が公表されています。
図9 のとじま事故
引用URL:https://jtsb.mlit.go.jp/ship/rep-acci/2020/MA2020-11-2_2019tk0015.pdf
結果として、掃海艇「のとじま」は損傷が激しく早期退役となります。
図10 損傷写真
引用URL:https://jtsb.mlit.go.jp/ship/rep-acci/2020/MA2020-11-2_2019tk0015.pdf
しかしながら、今回の事故では音響情報の公表がありませんでした。
聞くに堪えない罵声が飛び交う状況だったのか、だれも会話してない異様な状況だったのか?
(まさか装置を作動させていなかったなんてことは・・・)
2.2 幹部中級艦艇用兵課程の弊害が出てきたか?
艦長の指揮能力低下の裏には、幹部中級艦艇用兵課程の弊害が徐々に表れたと考えています。
現在は、幹部中級艦艇用兵課程は廃止済みです。
平 成の時代に10〜15年ほど教育課程としてありましたが、弊害が大きかったと考えます。
江田島1術校の歴史からも、艦艇用兵課程は闇に葬られてしまったんですよね。
今度書いていようかと思います。
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海上自衛隊は、2000年代のような不祥事の連鎖となりました。
どこかで負の連鎖を止めないと、また事故が起きるでしょう。
海外派遣・展開訓練が日常となり、変革をしなくてはいけません。
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