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最近防衛装備庁が与那国島にて、新型レーダーの試験場を整備していることが話題になりました。
令和5年度に、行政評価を受けたOTHレーダーです。
図1 レーダー
引用URL:https://www.soumu.go.jp/main_content/000191485.pdf
冷戦期の超兵器OTHレーダーが現代に蘇るとは、想像もしていませんでした。
MIMOレーダーと組みわせて、本土防空の切り札となるか!
(前回記事):『 韓国レーダー照射事件は玉虫色の決着! 』
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(1)OTHレーダーとは何ぞや?
いきなりOTHレーダーと言っても、何のことか分からないかもしれません。
図2 防空レーダー
引用wiki
空自のJ/FPS-5(ガメラ)レーダーを、引き合いに出して説明していきましょう。
1.1 レーダーは水平線より遠くは見えない!
FPS-5ガメラレーダーは、BMDの切り札として活躍しています。
図3 ミサイル探知
引用URL:https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10953661/www.mod.go.jp/e/d_act/bmd/bmd.pdf
強力なレーダ—ですが、水平線の先にある物体までは探知できません。
これは電波が直進するため、通常のレーダーでは水平線より下の超遠距離の探知は難しいのです。
(北朝鮮弾道ミサイルの発射の瞬間を、日本が探知できない理由!)
図4 水平線
引用wiki
1.2 冷戦期のOTHレーダー
そんな中でも冷戦期に弾道ミサイルの早期探知を目指して、OTH(超水平線)レーダーが開発されました。
図5 原理
引用wiki
短波が電離層で跳ね返り遠距離に到達する原理を利用したのが、OTHレーダーの基礎となっています。
冷戦期には、米ソ両国がOTHレーダーを建設して弾道ミサイル探知を目指していました。
図6 ドゥーガ2
引用wiki
ソ連のOTHレーダーは、巨大な鉄格子となり強力な電波を出していたそうです。
1.3 中国のOTHレーダー
OTHレーダーについては、中国も配備を進めています。
図7 巨大レーダー
引用URL:https://k.sinaimg.cn/www/dy/slidenews/8_img/2017_04/400_34714_206076.jpg/w640slw.jpg
アメリカの攻撃を遠距離から探知するために、中国内陸部に巨大レーダーを設置しています。
既に九州沖縄列島を監視下に置き、ASBM(対艦弾頭ミサイル)と組合わせてA2ADを計画しています。
図8 探知距離
引用URL:https://k.sinaimg.cn/www/dy/slidenews/8_img/2017_04/400_34709_430163.jpg/w640slw.jpg
OTHレーダーは、冷戦の亡霊ながら現代でも使用し続けられている物です。
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(2)日本のOTHレーダー計画
現在与那国島で試験が始まったのは、短波帯表面波レーダ(固定式)の研究という物です。
図9 研究
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/seisaku/2023/pdf/jizen_04_honbun.pdf
対中国を睨んだ、早期探知レーダーとなるでしょう。
2.1 1980年代にもOTHレーダー計画はあった!
実は1980年代の日本でも、OTHレーダー導入が計画されていたことがありました。
図10 防衛白書
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/1986/w1986_03021.gif
1986年(昭和61年)の防衛白書では、本土防空・洋上防空に最適であるとして導入検討開始をしています。
当時はソ連爆撃機による日本本土攻撃が危惧されており、米国製OTHレーダーを導入しようとしていました。
ただ冷戦崩壊と共に、OTHレーダー導入計画は立ち消えになっています。
巨大施設と広大な敷地、多額の費用が掛かるためです。
2.2 NICTの海洋レーダー研究が転機!
転機となったのは、NICT(情報通信研究機構)の海洋レーダー研究です。
図11 海洋レーダー
引用URL:https://www.soumu.go.jp/main_content/000191485.pdf
平成19年(2007年)に海洋基本法が制定され、海洋状況把握(MDA)が求められるようになりました。
総務省のNICTが研究を進めていた海洋レーダー研究が、与那国島で長期間実施されました。
この間に台湾有事をめぐる動きが活発化して、OTHレーダーを駆使した海洋状況把握(MDA)と中国沿岸の状況探知を考慮する形になります。
図12 海洋状況把握
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/yamazaki.pdf
防衛省でも似たような研究を進めていたため、統合してMDAのために研究を行ことになりました。
冷戦期に立ち消えとなった、OTHレーダーが復活したのです。
さらに防衛省が研究していた新技術を利用して、より小型化を目指しています。
2.3 MIMO技術をOTHレーダーに使用!
平成23年以降に研究が始まり、革新的技術と言われたMIMOレーダーという物があります。
図13 運用構想図
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/gaibuhyouka/pdf/MIMO_27.pdf
警戒管制用のFPS−7の後継として、小型分散型レーダー(バイスタティックレーダー)の開発が進んでいます。
対空用としては現在開発が難航していますが、各種技術をOTHレーダーに転用しようとしています。
図14 小型アレイ
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/gaibuhyouka/pdf/MIMO_27.pdf
巨大になりがちだった短波用アンテナと管制装置を、MIMO技術により小型化しようという物です。
開発が難航するFPS-Xの技術を、海洋監視に転用することで技術的熟成を図ることが出来ます。
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(3)OTHレーダーを活用せよ!
OTHレーダーは、水平線外の遠距離探知を可能にするものです。
図15 極超音速誘導弾
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/seisaku/2022/pdf/jizen_02_honbun.pdf
極超音速誘導弾の目標選定にも、十分役立つでしょう。
冷戦期の亡霊OTHレーダーが、日本を救う!
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