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2024年10月31日

陸自輸送艦「にほんばれ」進水したけどこれから大変!

『よかった!レーダーはちゃんと2個付いてる!』
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2024年10月29日に、自衛隊海上輸送群用の輸送艦「にほんばれ」が進水しました。

艦船技術者として心配していた、航海レーダーはちゃんと2個付いていました!
(関連記事):『 陸自小型級船舶がついに進水する!
図1 進水式
図1 進水式.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GbGwYcybQAIZ-Yj?format=jpg&name=4096x4096

船の装備と運航技量・機関など、陸自の常識が通用しない世界に適応できるか?

とりあえずは進水おめでとうございます!
(前回記事):『 06陸演マジで情報が流れないねぇ!
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(1)とりあえずは一安心だけどまだ不安だな!

進水式も無事に終えることが出来て、関係者一同ほっとしてるでしょう。
図2 香取進水式
図2 香取進水式.jpg
引用URL:https://static.ow.ly/photos/original/bx0ih.jpg

軍艦香取のように進水式で危うく事故寸前とならず、幸運といえます。
(船乗りは進水式で不幸が付かないよう気を遣う)

1.1 レーダー2個付いてる!内海造船の勝利!

以前の記事で心配して、いつも見ていてくれてるHMSさまが教えてくれた「航海レーダー騒動」は決着がついたようです。

図3 レーダー2機搭載
図3 レーダー2機.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GbCPcoAaMAAfRdJ?format=jpg&name=4096x4096

船舶設備規則で「独立した2つのレーダー」として、ちゃんと航海用レーダー2機があります。

はたから見るとんでも何でもないようですが、海自や造船会社にしてみれば命を救う装備なので真剣になります。

レーダー1機でいいなんて言った、おか自事業部との激しいバトルの苦労が伺えます。

防衛装備庁の今吉海将(艦船装備官)は、マジに苦労したんだろうなあ・・・
(艦船調達の総責任者です。)

1.2 進水式の画像からもおか自の自意識がにじみ出てる!

進水式の写真構図からも、陸自がワイのフネ!という感じがにじみ出ています。

図4 防衛省写真
図4 防衛省写真.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GbGwSfeaIAAu2Vx?format=jpg&name=large

防衛副大臣が命名してるときのアングルですが、陸自と背広の人が写っています。

陸自だけが出席してるようにも見えますが、別アングルが陸自Twitterにあります。

図5 陸自Twitter
図5 陸自Twitter.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GbCO-7xaoAA3O78?format=jpg&name=4096x4096

こちらは、海自や空自の人間も映っており陸海空がそろっています。
(防衛装備庁や中国四国防衛局所属の幹部でしょう)

まだ陸自には海空自衛隊との意識の差があり、共同部隊用の艦船である意識が薄いのでしょう。

印象操作も良くないよ!

1.3 みうら型の近代化ともいえるね

以前の記事で、陸自輸送艦には近代化したみうら型輸送艦が良い!と書きました。
(関連記事):『 揚陸艦導入!陸自の要求を満たせる「みうら型」輸送艦!
図6 みうら型輸送艦
図5 みうら型輸送艦.png
引用wiki
艦首についても、常識的なバウドア方式となりホットしております。
(ラミーニード級を踏襲して、凌波性が低下するかも?と思ってました)

図7 輸送艦「ゆら」のバウドア
図6 ゆらバウドア.JPG
引用wiki

だいたいこんな感じで、船首が観音開きとなりランプドアが出る感じです。

何とか船舶の良識的な設計に収まり、ホットしています。
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(2)真水・軽油・給養と問題は多いぞ〜!

就役までにクリアすべき問題は、かなり多いと言えます。

図8 厨房
図7 厨房.jpg
引用URL:https://www.kaiho.mlit.go.jp/09kanku/soumubu/konnsyuunoitimai/H30/H30/10021.jpg

フネでまずいメシを出すと、士気が駄々下がりだぞ〜!

2.1 真水造水と供給管理できるかな?

陸自輸送艦では、機関科要員も陸自隊員を海自術科学校に入れて教育をしています。

船が陸上と違うところとして、真水は造水装置で作る必要があることです。

図9 造水装置
図8 造水装置.jpg
引用iki

陸自も造水装置を需品科が使用していますが、フネでは機関科の管轄です。

商船用造水装置であれば、1日30〜50トンの造水能力を持つ者もあります。
(最近の逆浸透方式造水装置すげえエ!)

補給拠点ともなる、小型級船舶なら必要な装置ですがちゃんと管理できるかな?

真水の1滴は血の1滴!水が無けりゃあ、メシも炊けない!

2.2 燃料の軽油管理は大丈夫か?

陸自も軽油だからって、いきなり特1号軽油を燃料タンクに入れないよね(汗)!!
(関連記事):『 海上自衛隊の燃料なめてんじゃねーよ(激怒)!
SF後方幕僚のとき、マジで陸自燃料の混載を経験した身としてはコワいぜ!

図10 軽油一覧
図9 軽油一覧.jpg
引用URL:https://www.paj.gr.jp/sites/default/files/inline-images/軽油使用ガイドライン.jpg

陸自の車両に使う軽油と、艦船用軽油は少し違いがあります。

2号軽油(艦船用)は、JIS規格(JIS K 2204)をベースにした特製品です。

もし特1号(夏用)や特3号(寒冷地用)を、不用意にエンジンに入れたなら?

エンジンブロックが吹っ飛ぶ、大惨事になるでしょう。

2.3 給養は海自から派出かな?

フネのメシについては、真剣に考えないと言えません。
(戦艦ポチョムキンの反乱は、まずいメシからでした)

図11 給養
図10 給養.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/F6mbUesbUAAr1At?format=jpg&name=large
船舶料理士の配置も考えると、海自で人員派出を続けた方がいい分野かもしれません。

乗員乗艦者多数の中で、的確な量と栄養を供給するのは経験が必要です。

ここは陸自任せにしない方が賢明でしょう。
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(3)来島海峡を突破しよう(汗)!

陸自輸送艦が直面するのは、海峡通過の技量を持てるかどうかです。

図12 音戸の瀬戸
図11 音戸の瀬戸.jpg
引用URL:https://cf.kazi-online.com/public/95dac766-dd20-4863-bd8a-7607eb5373a8.jpg

広島呉市の音戸の瀬戸通過なんて、序の口だぜ!

3.1 来島海峡・関門海峡を突破しようよ!

呉に母港を置くなら、来島海峡と関門海峡の通過は必須です。

図13 来島海峡
図12 来島海峡.jpg
引用URL:https://www6.kaiho.mlit.go.jp/kurushima/info/tab/guide/guide_j/tenryuba.JPG

ただし、「順中逆西」かつ外力10ノット(時速18キロ)の抵抗があるけどな!(潮の流れで水路が変わる特殊な海峡)

練習船(最大速度13ノット)で、全速力なのに前に進まないという恐怖体験を候補生学校でしています。
(後から迫りくるタンカーあああああ!\(゜ロ\)(/ロ゜)/)

関門海峡も通教が難しく、2009年に護衛艦「くらま」が事故ったとき造補所当直士官室で膝から崩れ落ちた経験があります。

図14 くらま事故
図13 くらま事故.jpg
引用URL:https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zyesuta/20091027/20091027222710.jpg

さあ陸自さん!来島海峡や関門海峡を突破しよう(汗)!

3.2 就役までの苦労は続く!

就役までいろんな物資搭載や、公試などが待っています。

頑張って就役に間に合わせて!
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posted by sstd7628 at 15:49| Comment(23) | TrackBack(0) | 防衛省

2024年07月19日

防衛白書でミサイル写真が出たよ!!

『なかなかカッコイイミサイルじゃん!』
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2024年7月12日に、令和6年度防衛白書が公表されました。

数々の不祥事発表の最中であったため、ちょっと注目度が下がっています。

図1 12SSM
図1 12SSM.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf

12式地対艦誘導弾能力向上型について、より詳細な写真が出てきています。

防衛白書は、読み込むと結構いろんな発見があるよ!
(前回記事):『 潜水艦裏金?B終:チャンネルダッシュ作戦と今後どうなる!
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(1)カッコイイミサイルやんけ!

前倒しで開発が進む12式能力向上型は、2022年に一部の写真が公開されました。

図2 風洞実験
図2 風洞実験.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2022/pdf/DOJ2022_Digest_jp.pdf

令和4年に公開された風洞実験モデルから、かなり進歩しているのが見えます。

1.1 陸海空ファミリーモデルがよくわかる!

12式SSM能力向上型については、陸海空どこからでも打てるように開発が進んでいます。

図3 運用
図3 運用図.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf

製造数量が増加すれば、量産コストも下がり国民の税金を大切に使うことが出来ます。

2025年には、最初の地上発射型配備を開始するものです。

今回公表された写真では、かなりミサイルの外観が分かるようになりました。

1.2 防衛白書は情報戦の意味もある。

新型ミサイルを配備前に広報してどうする!なんて意見もあるかもしれません。

図4 12SSM
図4 12SSM.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf

防衛白書は政府公表資料であるので、関係各国も情報を分析します。

開発中のミサイルを掲載することで、抑止力としての情報戦にもなります。

意外と防衛白書は、バカにできない資料です。

1.3 GPIミサイルも登場したよ!

令和6年防衛白書には、GPIミサイルのイメージ図も登場しました。

図5 GPI
図5 GPI.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf

令和5年度に情報がでていましたが、今回正式に概要図が登場しています。

新たな脅威となったHGVに対処するため、SM-3Block?UAに続く日米共同開発です。

正確な資料を得るには、やはり防衛白書は役立ちます。
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(2)パトリオット用LTAMDSの情報も!
イージス・システム搭載艦の情報など、目に映るものが数多くあります。

図6 イージス・システム搭載艦
図6 イージスシステム搭載艦.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf
しかし意外と注目されていないのが、LTAMDS(エルタムズ)導入の話です。
2.1 パトリオットミサイル用レーダーの換装

ウクライナ戦争でも供与が始まり、防空システムの要となっているパトリオットミサイルです。
図7 パトリオットミサイル
図7 パトリオット.jpg
引用wiki
日本では、BMDで有名になりましたが本来は野戦防空システムです。

アメリカでは1961年に設計がスタートして、1982年に最初の部隊配備となっています。

ミサイルは改良型が次々と出てきましたが、レーダーそのものは換装が遅れていました。
図8 レーダー
図8 レーダー.jpg
引用wiki
航空自衛隊のパトリオットは、AN/MPQ-53という古いレーダーのままです。

1989年から導入を開始しており、早期換装が求められます。

そんな中で、ついにLTAMDSへの換装が令和4年度以降から明記されました。

2.2 LTAMDSとは何か?

LTAMDSは、レイセオン社が新世代のパトリオット用レーダーとして開発したものです。
図9 LTAMDS
図9 LTAMDS.jpg
引用URL:https://prd-sc102-cdn.rtx.com/-/media/rtx/news-images/2024/07/dust2_stmta_peo-23-004_xl_retouch_02_1920x1080.jpg?rev=40635c2975ee4f59b87ce1a4f250d9df&w=1600&hash=73344988CB09ED619E8BB0B0B2E14F69

従来はレーダー1面のみでしたが、3面のレーダーにて同時対処が可能になりまます。

米国では、SM-6の誘導管制にも成功するなど革新的なレーダーです。

2024年度中にアメリカで正式配備となり、日本でも早期換装が望まれます。

2.3 費用がいくらになるかな?

革新的なレーダーとなるLTAMDSですが、費用がいくらになるかはまだ不明です。
(レーダー車両1両でも、10億円以上はするでしょう)
図10 外観
図10 外観.jpg
引用URL:https://militarycabinet.com/wp-content/uploads/2020/02/EG2JnOuXkAIVGDW-1.jpg

これだけ巨大なレーダーを動かす為には、さらなる大電力供給装置が必要になります。

今後換装にどれだけ費用が使えるか、検証が必要です。
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(3)防衛白書は宝物が一杯!

あまり読まれることのない防衛白書ですが、意外と宝物が多くあります。

図11 ASM-1発射
図11 ASM-1.gif
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/1979/w1979_03011.gif

1979年(昭和54年)防衛白書には、開発中のASM-1の発射シーンがあります。

古い防衛白書から、思わぬ写真を発見するかも?!
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posted by sstd7628 at 14:18| Comment(14) | TrackBack(0) | 防衛省

2024年04月26日

軍転法による仁義なき戦い呉編!

『仁義なき戦い日鉄跡地編開幕になってしまうで!』
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日本製鉄呉工場跡地をめぐり、広島県や呉市・日鉄・防衛省の協議が難航しているようです。
(関連記事):『 防衛省日鉄呉工場跡取得と毒まんじゅうの不安!
このままだと、仁義なき戦い広島編が再開しそうな勢いです。

図1 仁義なき戦い
図1 仁義なき戦い.jpg
引用URL:https://morikawa.blog/wp-content/uploads/2019/11/z0.jpg

このままだと、仁義なき戦い広島編が再開しそうな勢いです。

軍転法があるため、県知事という叔父貴のメンツを潰すわけにはいかんのじゃ・・・
(前回記事):『 Kawasakiは電動偵察バイクの夢を見るか?
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(1)軍転法という魔窟の法律

日本製鉄呉工場跡地を防衛省に売却する話で、広島県庁が口出しすることに反発の声が出ています。

図2 反発の声
図2 意見.png
引用URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/05eb8687a846e820129f025b9394b764f2a23f5d/comments

ただこの話は、軍転法(旧軍港都市転換法)により県知事の同意が必要ということが知られていません。

1.1 軍転法という旧軍資産処分の方針

今回の日本製鉄呉工場跡地については、軍転法の対象都市ということが問題となっています。

以前の記事でも書きましたが、横須賀・呉・佐世保・舞鶴の4都市のみが対象です。

図3 呉総監部
図3 呉総監部.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/kure/img/top.jpg

軍港都市については、基本的に旧軍資産(土地)は民間又は県有地・私有地に分配されるという制度です。

防衛省が土地購入をする場合、軍転法審議会で財務省・県知事・市長の了解を得る必要があります。

1.2 行政にとっては広大な土地が入手できる機会!

地方自治体にとって軍転法は、広大な土地を無償で分配してくれるまたとない機会となります。

図4 舞鶴
図4 舞鶴土地.png
引用URl:https://lfb.mof.go.jp/kantou/kanzai/singikai/43setsumeisiryou.pdf

写真は、令和4年に決定した6000平方メートルの旧海軍土地を無償譲渡する審議会のものです。

民間から買収しようとしたら、相当な価格を払う必要があるでしょう。

軍転法は、民間への売却または県有地・私有地にすることが優先されます。

防衛省への売却は、徹底的に後回しとなっています。

1.3 土地の恨みは怖いよ〜!

かつて宮古島警備隊を配備するため、宮古島駐屯地を急速整備するためゴルフ場を買収して建設が行われました。

図5 宮古島駐屯地
図5 宮古島駐屯地.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/miyakosta/img/zairyo/16.png

その過程で2018年に、土地売買をめぐる町長とゴルフ場経営者との汚職事件が発生しています。

けっこう防衛施設の土地取引をめぐっては、ドロドロとしたものが渦巻いています。

しかも日鉄呉工場跡地は、広島県庁が民間企業誘致を検討していました。

そこに防衛省が、横取りしてきたのでメンツを潰された形になります。
『軍転法があるのにワイのメンツつぶす気かあ?』
図6 メンツ
図6 メンツ.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2016/10/blog-post_623.html

軍転法審議会で県知事がごねだすと、今回の買収劇はこじれることになります。

県知事の叔父貴から、鉄砲玉を撃ち込まれたら大変です。
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(2)県知事:誠意見せたらんかい!

広島県庁にしてみたら、日鉄呉工場跡地は金の生る土地です。

図7 名言
図7 名言.jpg
引用URL:https://i.pinimg.com/originals/11/86/93/118693411d81fda045b22fa3b4f0e0c8.jpg

仁義なき戦いのように、防衛省や財務省をゆする鉄砲玉はいくらでもあります。

2.1 建設許可を遅らせる嫌がらせ!

沖縄県知事が辺野古代替飛行場建設許可を遅らせて、徹底的に工事を妨害することも手法としてはあります。

図8 辺野古
図8 辺野古.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/frf/img/frf_q4-01.jpg

呉市にとっても、駅前再開発に連動して日鉄呉工場跡地で何か作るという方法も考えられます。

図9 再開発案
図9 呉駅再開発.png
引用URL:https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/image/26822.png

これを納得させるには、相当の代償が必要です。

2.2 呉教育隊敷地を差し出すしかないかな?

広島県庁を納得させるには、呉市街地の一等地にある海自呉教育隊の敷地を差し出すべきかもしれません。

図10 呉教育隊
図10 呉教育隊.jpg
引用URL:https://www.hiroshimapeacemedia.jp/blog/wp-content/uploads/2014/09/bf530223c3e868e7289f2161181d2663-300x176.jpg

約10万平方メートルの敷地は、住宅地に転換できれば相当な人気物件となるでしょう。

149万平方メートルの日鉄呉工場よりも、市街地に近く利用しやすい土地です。

教育隊式地を差し出すことで、県庁と呉市との間で手打ちとすべきかもしれません。

2.3 固定資産税を補う努力を!

県庁や当該都市にしてみると、防衛施設により固定資産税(土地)の収入が見込めないからキライ!というのが本音です。

一応固定資産税を代替するための、基地交付金及び調整交付金という物があります。

図11 交付金
図11 交付金.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/approach/chouwa/sesaku/images/shisaku.jpg

しかし基地交付金は、固定資産税よりも減額されて支給されているのが現状です。

県庁への交付金額の増額が、手打ちの良いところかもしれません。
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(3)本気で軍転法を見直した方が・・・

台湾有事が近づく中で、軍転法などの旧軍資産処理関係法が邪魔することが多くなってきました。

そろそろ、法律を見直すべき時なのかもしれません。

3.1 国交省に買い上げてもらうのも一案かもね?

日鉄呉工場跡地は、防衛省が用地買収をしようとするから話がもつれる結果になっているかもしれません。

図12 海上保安庁
図12 海上保安庁.jpg
引用URL:https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/report2010/html/shigoto/images/110_01.jpg

国土交通省や海上保安庁に買い上げてもらい、共同利用というのも一つの手でしょう。

仁義なき戦いが勃発するか、今後の動向に注目です。
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posted by sstd7628 at 15:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 防衛省

2024年03月30日

AAM-6開発着手と見ていいのかな?

『ついにAAM-4の後継ミサイル開発に乗り出すか!』
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令和6年(2024年)度防衛予算が成立して、各種の装備品が登場してきます。

その中で気になったのが、次期中距離空対空誘導弾の開発開始です。

図1 次期中距離空対空誘導弾
図1 次期中距離空対空誘導弾.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240328.pdf

現用のAAM-4B(99式空対空誘導弾B)の後継として、次期戦闘機に搭載されるのかな?

JNAAAMを超える性能を、たたき出すことが出来るか?!
(前回記事):『 イスカンデルはおそロシア!
\こちらもご参考にPR!/
(1)AAM-6になるという認識でいいかな?

概算要求の段階から登場していた、次期中距離空対空誘導弾の開発が正式に決定しました。

現有ミサイルの装備優先で削られるかと思い、今まで言及を見送ってきました。

1.1 AAM-4Bの後継になるのか〜!

現有の国産中距離空対空ミサイルと言えば、AAM-4B(99式空対空誘導弾B)になっています。

図2 AAM-4B
図2 AAM-4B.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/asdf/adtw/adm/shiken/missile/AAM-4_kai.jpg

1999年に制式化されたAAM-4の改善型で、2008年に調達が開始されました。

2024年度防衛予算でも、備蓄弾薬増加のために多数の調達が行われています。

1.2 2030年代を考えると開発開始は妥当!

しかしながら元のAAM-4開発開始が1980年代であることから、2030年代に次期戦闘機が登場するころには性能の陳腐化が想定されます。

図3 次期戦闘機
図3 次期戦闘機.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/defense/nextfighter/images/nextfighter_06.jpg

ステルス戦闘機にふさわしい、新型の機能を持つミサイルを開発するには2024年に開発を進めるのが一番良いのでしょう。

AIM-120D(AMRAAM)がF-35戦闘機用に導入されていますが、やはり国産弾を持っておくのも重要です。

図4 AIM-120
図4 AIM-120.jpg
引用wiki

次期戦闘機は、米国が参加しないのでAIM-120の供給がいつ止まるか分かりません。

1.3 2030年までの開発計画!

対空ミサイルの開発については、近年の開発ラッシュにより令和6年度から令和12年度までの開発線表が発表されております。

図5 開発線表
図5 開発線表.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/seisaku/2023/pdf/jizen_14_honbun.pdf

順調にいけば2031年(令和13年)に、AAM-6(31式空対空誘導弾)として登場するでしょう。

AAM-4Bを超える、長射程・巡航ミサイル対処能力・ステルス性を見せてくれるでしょう。

AIM-120に負けるな!
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(2)JNAAM研究終了は残念!

空対空ミサイルと言えば、夢のミサイルともてはやされたJNAAMがありました。

図6 JNAAM
図6 JNAAM.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/nishiyama_kobayashi.pdf

しかし2024年3月をもって研究が終了し、量産化しないことが決まっています。

2.1 研究には意義があった。

JNAAMは2014年から日英研究開発が始まり、野心的なものでした。

図7 概要
図7 概要.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/nishiyama_kobayashi.pdf

西側で唯一ダクテッドロケット搭載のミーテイアに、AAM-4Bの誘導部分を小型高性能化したものを搭載しました。

当時としては最高の研究となりましたが、量産を目的としていないため予定通りの終了といえます。

2.2 GaN素子誘導部が出来たから良いかな?

日本側としては、GaN素子を使用したミサイル誘導部の先行研究が出来たから十分良い結果と言えるでしょう。

図8 ミサイル誘導部
図8 ミサイル弾頭部.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EmMxt7aU4AAETUz.jpg

各国でもアクテイブ誘導ミサイルの高性能化が進み、ミサイル弾頭部にGaN素子を使用することが当たり前になっています。

日本も遅れずに、先行研究が出来て実用化のめどが立ったから日英共同研究には意義がありました。

2.3 長射程が確保できれば良い

JNAAMの研究に着手したときは、ダクテッドロケットの長射程が非常に魅力でした。

図9 F-35
図9 F-35.jpg
引用URL:https://d3lcr32v2pp4l1.cloudfront.net/Pictures/780xany/8/1/4/81814_f35bmeteorcjamiehunter_mbda_623851.jpg

しかしながら固体燃料での長射程化が可能になり、ダクテッドロケットにこだわる必要性が薄れました。

長射程さえ確保できれば、技術的に安全な固体燃料方式でも十分でしょう。
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(3)PL-17に勝てるかな?


中国は新型対空ミサイルPL-17を、早々に登場させてきました。

図10 PL-17
図10 PL-17.jpg
引用URL:https://p1-tt.byteimg.com/origin/tos-cn-i-qvj2lq49k0/3d995e1d27f24935a69e39f5a44eec0d.jpg

射程300km以上と言われ、AWACSキラーとも言われています。

3.1 射程400kmは欲しいねえ!

AAM−6となる次期中距離空対空誘導弾は、長距離での射撃も要求されるでしょう。

図11 A-50
図11 A-50.jpg
引用URL:https://theaviationgeekclub.com/wp-content/uploads/2024/02/A-50-Shot-Down.jpg

ウクライナ戦争を見ると、長距離AAMの重要性が良くわかります。

今後も注目していきましょう!
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2024年03月08日

防衛省日鉄呉工場跡取得と毒まんじゅうの不安!

『跡地利用はいいけど毒まんじゅうになるかも?』
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防衛省が広島県呉市にある、日本製鉄呉工場跡地について用地取得の検討に入ったと報道があります。

かつて呉海軍工廠製鋼部があった場所であり、戦艦大和の鋼鉄を供給した場所です。

図1 戦艦大和
図1 戦艦大和.jpg
引用wiki

防衛複合施設として広大な土地は魅力的ですが、下手をすると毒まんじゅう(不良債権)になりかねません。

軍転法と土壌汚染で、施設完成にはかなりの時間がかかるかも?
(前回記事):『 靖国参拝って毎年やってるやつやんけ!【海上自衛隊】
\こちらもご参考にPR!/
(1)軍転法と毒まんじゅう

海自呉基地のすぐそばに広がる、日本製鉄呉工場跡地は施設として魅力的です。

図2 呉工場跡地
図2 日鉄呉工場.jpg
引用URL:https://stat.ameba.jp/user_images/20230904/13/poruporu2/81/cf/p/o0838076815333859751.png?caw=800

ただ軍転法の対象地域なので、すんなり取得できるか不安が残ります。

1.1 軍転法とは?

イメージとして、呉工場跡地を防衛省がすぐに取得して複合防衛施設建築が始まると思うかもしれません。

現実には、軍転法(旧軍港市転換法)により厄介な手続きが必要になります。

図3 海軍工廠跡地の呉製鉄所
図3 呉製鉄所.jpg
引用URL:https://www.hiroshimapeacemedia.jp/blog/wp-content/uploads/2021/09/22f19d4ba73a12aa36d9e483140da422.jpg

軍転法は1950年(昭和25年)に制定されたもので、
(目的)
第一条 この法律は、旧軍港市(横須賀市、呉市、佐世保市及び舞鶴市をいう。以下同じ。)を平和産業港湾都市に転換することにより、平和日本実現の理想達成に寄与することを目的とする。

となっています。

現在でも有効な法律であり、旧海軍関連施設買収に立ちはだかる大きな障壁です。

1.2 財務省・県知事・市長の許可が必要!

日鉄呉工場跡地は民間施設ではありますが、この土地を防衛省に売る場合は軍転法による審議会で許可が求められます。

図4 佐世保新バース
図4 佐世保新バース.png
引用:https://lfb.mof.go.jp/kantou/content/list/20210412.pdf

水陸機動団の隣りに建設することが決まった、佐世保基地の新しい岸壁も軍転法審議会を受けて防衛省が使用できるようになりました。

いったん国有地(財務省理財局)管轄となり、知事や市町村長の許可を受けるというかなり厄介な手続きがあります。

呉工場の場合は政府と県が積極的なので早期に土地供与が出来るかもしれませんが、10年単位で時間が経過してしまう可能性もあります。

1.3 問題は毒まんじゅう込みになる可能性も!

呉工場跡地利用については、情勢緊迫化と公共インフラ強化のため早期に進むかもしれません。

問題は、 毒まんじゅう(土地に瑕疵があるという比喩) が存在しても取得に動くかどうかです。

図5 工場解体
図5 工場解体.jpg
引用URL:https://jmd.ismcdn.jp/mwimgs/4/4/-/img_44fee3c1ae22447c8cbaf51179958b47154206.jpg

2023年に呉工場が閉鎖となり、すでに日本製鉄は解体工事に着手しています。

日本製鉄の計画では、10年をかけて解体する予定となっています。

解体途中でも、土地の早期取得・国が代理で解体工事を早急に実施するのが適切なのか?

土地の土壌汚染が見つかっても、日鉄側に損害請求せずに工事を行う覚悟があるかな?
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(2)海軍工廠の重金属汚染が出たら?

問題は呉工場跡地を取得した後に、海軍工廠時代の土壌汚染が判明した場合の対応です。

図6 土壌汚染
図6 土壌汚染.JPG
引用wiki

海軍工廠跡地は、土壌汚染されている前提で対策をする必要があります。

2.1 1895年(明治28年)からの操業

呉海軍工廠は、1889年(明治22年)に造船部が出来て1895年には海軍工廠として操業を開始しています。

図7 工廠内部写真
図7 工廠内部.jpg
引用wiki

環境対策なんて考えていない時代から鋼鉄の製造を行っているため、どんな土壌汚染が起きているか分かりません。

製鉄所では加工工程にて、いろんな有毒物質が発生したり精錬のために使用をしています。

排液処理はかつて、海に垂れ流すのが当たり前でした。

2.2 地中から重金属が出たら最悪だぞ〜!

クロムなどの重金属は、製鉄工程にて重要な役割を果たしますが地中に漏れると大変です。
図8 クロム鉱石
図8 クロム鉱石.jpg
引用wiki

ましてや海軍工廠跡地なら、何が埋まっていても不思議ではありません。

2.3 土壌改良で5年遅延なんて珍しくない!

現代では環境アセスメントで評価されるため、重金属などの汚染が有ったら汚染除去が求められます。

図9 豊洲市場土壌改善工事
図9 土地改良.jpg
引用URL:https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/toyosu/images/inquiry/images/img01.jpg

東京豊洲市場での、土壌汚染と改良工事でかなりの時間と苦労があったことが知られています。

最悪の場合は、呉工場跡地全部の土壌を地中深くまで総入れ替えすることにもなるでしょう。

工期が5年〜10年延長されて、工事費だけかかるお荷物敷地になる可能性もあります。
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(3)どこまで急ぐか?取得をあきらめるか?


日鉄呉工場跡地は広大な土地であり、防衛省にとっては夢の土地です。

しかしかなりのリスクを承知の上で、取得すべきか検討すべきでしょう。

3.1 有事に間に合うか?

2030年代までに予測される有事に間に合わせるため、一刻も早く防衛移設建築をしたいところです。

しかし土壌汚染などで、間に合わない場合も考慮しなくていけません。

防衛予算は無限ではないため、どこかで見切りをつける必要があります。

3.2 護衛艦ひゅうが流転の悲劇を繰り返すな!

海上自衛隊横須賀基地には、2010年(平成22年)に逸見岸壁が新設されました。

図10 逸見岸壁
引用wiki

本来ならば2009年(平成21年)の、護衛艦「ひゅうが」就役と同時に運用開始する予定でした。

しかし海底地形改良や土壌汚染改善で工期が伸び、護衛艦「ひゅうが」は1年ほど米軍基地に間借りする羽目になってしまいました。

アノ時の悲劇を繰り返してはいけないでしょう。

日鉄呉工場跡地取得に、十分な考慮が求められます!

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2023年09月29日

装備品の改修は難しいよねえ〜特におかじ部事業は!【防衛省】

『メーカーに文句言うだけじゃ改修は進まないのよ!』
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自衛隊装備品に関わると、良く現場からこれ何とか改修しろ!なんてよく罵倒の声が上がります。

しかしながら、現場の声を実際に改修作業まで持っていくには結構煩雑な手続きが必要になります。

図1 64式小銃
図1 64式小銃.jpg
引用wiki

64式自動小銃は、あれだけ文句を言われたのに大改修せずに来ています。

おかじ事業部の組織内の論理や、改修上申までの手続きが長すぎるんですよ!
(前回記事):『 キャハ?!T-14アルマータ戦車を全○にしてみました?【軍事技術】
\こちらもご参考に!PR/

(1)装備品改修要求制度はあるけど途中で途切れるのよね

〇〇は使い物にならね〜!製造業者はクソだ!なんてのが世間をにぎわせています。

図2 M2洋上射撃
図2 M2洋上射撃.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/sf/news/images/y1099.jpg

海自にいたペンギンも、M2機関銃の銃架でえらい目に遭いました。

1.1 装備改善提案制度はあるけど上層部で立ち消えになる

陸海空自衛隊にも、ちゃんと現場から装備改善提案を受け付ける制度は存在します。

図3 装備改善提案に関する達
図3 装備改善に関する達.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/f_fd/2009/fy20100301_00061_010.pdf

一例として陸自の装備改善に関する達では、隊員及び部隊から装備改善提案を出すことができるとなっています。

陸士個人でも、装備改善提案を部隊に提出してゆくことが可能なんです。

現場部隊からの提案は、ここが使いづらい!このように直して!と簡単な内容で上級部隊に提出できます。

図4 装備改善提案書
図4 装備改善提案書.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/f_fd/2009/fy20100301_00061_010.pdf

経費などの話は、小隊長以上の幹部が調べて書き添えておくだけで十分提案書になります。

しかしながら、師団・旅団・大隊長などの上級部隊を経由していくといつの間にか提案書が立ち消えになっているのが多すぎるといえます。

部隊からの改善提案書は陸自補給統制本部にも通知されますが、師団・旅団から正式提案が無いと正式に動けません。

合議の合間に、いつの間にか立ち消えとなり結果として製造メーカーへの罵詈雑言しか残らない状況です。

おかじ事業部やうみじ水上事業部は、そんな装備改善提案が数多くあります。
(そらじ事業部は、改善提案がすぐに審査・改善する傾向があります)

1.2 ECP(技術変更提案)も嫌う組織体質は改善しないといけない

〇防関連企業の方にも見ていたく事の多い本サイトですが、あのECP(技術変更提案)がなかなか通らないなんて経験も多いかと思います。

図5 軽装甲機動車
図5 軽装甲機動車.jpg
引用wiki

軽装甲機動車なんて、市販部品が多いためECPでの製造中止品対策が連発した装備品です。

企業側はいろんなECPを提案して、整備保守体制をしてくれるのに防衛省側があんまり乗り気ではありません。

担当者のヤル気と、変化を嫌う組織の論理(金が無い!でごまかせる)も問題と言えます。

1.3 装備改善提案をもう少し真剣にやろうよ!

概算要求にて、装備品の不稼働という醜態をさらしたのは組織として恥じるべきことでしょう。

図6 装備品不稼働
図6 装備品不稼働.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2023/yosan_20220831.pdf

本来なら、しっかりと予備品を確保して活動できるようにするのが正常な組織です。

装備改善提案を毛嫌いして、予備品の確保もおぼつかない状況になっていたわけです。

P-1はおろか、P-3C哨戒機のエンジン数が足らなくて可動哨戒機が減少していたのがようやく表に出たといえます。

マジに装備改善提案に真剣に向き合おう!
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(2)防大の期別なんか装備改善に役立たねえんだよ!!

装備改善が進まない組織的な欠陥は、防大出身幹部が面子を気にして行動しないところにあると思います。

図7 防衛大学校
図7 防衛大学校.jpg
引用wiki

私ペンギンも防大出身者が原因で、装備改善が進まない体験をしたことがあります。
2.1 地雷の磁気センサー改修が進まない?!

防衛省に出向して、装備関連業務に従事していた時の話です。

ある時担当していた防衛装備製造企業から、陸自対戦車地雷の装備改善について相談を受けました。

図8 対戦車地雷
図8 72式対戦車演習地雷.jpg
引用wiki

写真は72式演習用対戦車地雷の写真ですが、92式対戦車地雷には磁気センサーが装着されています。

そんな対戦車地雷について、磁気センサーを製造する企業が〇防産業から撤退することになりました。

主契約会社からの相談は、磁気センサーを自社生産品に置き換えるECPを提出したけど装備本部(現防衛装備庁)の担当者が取り合ってくれないという物でした。
(海自の機雷磁気センサーについてはすでにECP適用済み)

図9 レールガンおじさん
図9 レールガン.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/D_bKPTXU0AUC-az?format=jpg&name=medium

どうやら装備本部の担当者が、銀英伝の「レールガンおじさん」のように聞く耳をもってくれないようです。

私ペンギンの仕事にも関わるため、製造企業と共に市ヶ谷の装備本部にて担当者と会議をするとにしました。

そこでまあ、防大出身陸自幹部のわがまま非理性的な行動に直面します。

2.2 お前防大何期よ?それ装備改善に必要ありますかぁ?

装備本部の担当者は陸自特科の若い1尉でしたが、開口一番ケンカ腰の発言が出ます。

(装本1尉)
『ペンギン1尉は防大何期だよ、俺は〇〇期だけどお前見たことないな?』
(ペンギン)
ああん?ワイが防大出身に見えるか?海の一般大院卒入隊組だワレぇ!』
『ついでに言うなら、おみゃ〜さんの3期上の扱いだコラぁ!』

図9ー2 怒り顔
図9 怒り顔.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2020/07/blog-post_408.html


装備本部(防衛装備庁)は、陸海空や内局などすべての防衛省の装備調達を取り仕切る組織です。

それなのにいきなり防大期別の話をして、会話の主導権を握ろうという姿勢にあ然としました。

事前に装本担当者の経歴を調べていて正解だったぜ!

防大の期別が上か下なのかが、装備改善につながるとおもってんのかあ!

2.3 コスト増の説明責任を会計検査院に説明できるんか?

その後、話し合いはつつがなく進み決定打となったのは、
『ECPをしないと調達コスト増加になるけど、会計検査院への説明は装備本部は説明できるんですね?』
というダメ押しが聞きました。

図10 磁気センサー
図10 磁気センサ.jpg
引用wiki

磁気センサー自体はどこでも作れるけど、地雷や機雷用のセンサーとなると耐圧など特殊仕様になります。

どうもその辺の技術的な話を理解しないまま、担当者としての権限を振り回していたようです。

陸自特科の装備に、磁気センサーを使う物なんてないわな。
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(3)製造企業へのヘイトはやめて!改善提案書を出して!

装備品の悪評をよく聞くことがありますが、意外と改善提案を出したという人はいなかったりします。

図11 89式小銃
図11 89式小銃.jpg
引用wiki

あれだけ酷評された89式小銃でも、改善提案でセレクタがアンビ化(左右両利き)になったのよ!

せめて改善提案書の怒涛の提出をしてから、文句を言ってください!

3.1 防衛局検査官に文句を言うという方法もある

意外な裏技として、地方防衛局の検査官に装備の苦情を言うという物があります。

図12 U-36定期修理完了
図12 U-36完了.jpg
引用URL:https://twitter.com/KinkichubuDB/status/1694575551082893787/photo/2

そらじ事業部やうみじ航空事業部の装備改善提案が次々と行われるのは、防衛局検査官に素早く改善要求が伝わるという部分があります。

防衛局検査官は、防衛装備庁の担当部署に対してすぐに連絡調整して装備改善改修を要求できます。

あんまり全国にいないけど、防衛局検査官は素早く装備改善に対応してくれますよ。

なお検査官と言っても防衛施設を専門とする検査官もいるので、要領よく文句を言いましょう。
(関連記事):『 【防衛省】知られざる地方防衛局・防衛事務所という組織のお仕事!
装備改善の方法は、担当者のやる気次第では素早くできますので根気よく見ていきましょう。
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2023年09月04日

せ戦争じゃあ・・令和6年度概算要求を見た感想【防衛省】

『どえらいこっちゃ!マジに準備を始めたな』
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令和6年度概算要求が2023年8月末に提出され、防衛省の概算要求も登場しました。

皆さんの感想は、まさにこんな気分でしょう。

図1 戦争じゃあ
図1 戦争じゃあ.jpg
引用:野望の王国(雁屋哲原作:日本文芸社)

謎の精密誘導弾は結局、スタンドオフミサイルの一つとして登場するようです。

なかなか思い切った予算編成になったといえます。
(関連記事):『 【防衛省】令和3年度予算案決定!ASM-3Aも調達!
\こちらもご参考に!PR/

(1)精密誘導弾はミサイルか〜

前回の記事にて、ナゾの精密誘導弾について考察いたしました。

(前回記事):『 精密誘導弾ってなんやろなあ?【防衛省】
図2 XGCS-2
図2 XGCS-2.png
引用URL:https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11339364/www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/16/jigo/sankou/11.pdf

XGCS-2の超射程ロケット型を予想していましたが、外れだったようです。

1.1 スタンドオフミサイルになるのか〜

令和6年度概算要求において、事前情報のあった精密誘導弾の概要が判明します。

図3 精密誘導弾
図3 精密誘導弾.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20230831.pdf

結局はスタンドオフ防衛能力の中で、新たなミサイルを開発することになったようです。

XGCS-2を改良した、和製GLSDBが見てみたかったです。

1.2 先進対艦・対地弾頭技術の量産かな?

2015年から研究されていた、先進対艦・対地弾頭技術の研究が量産化に進むのでしょう。

図4 先進対艦・対地弾頭技術の研究
図4 先進対艦対地弾頭技術.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/img/rikusouken/img2022_rikusouken08.png

この技術研究もなかなか強力でしたが、うまく量産化に進めたようです。

1.3 詳細は政策評価事業で出るかな?

今回の概算要求については、精密誘導弾(新地対艦・地対地精密誘導弾)の外観イメージは登場しませんでした。

図5 155mm多目的弾
図5 155mm多目的弾.png
引用URL:https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11339364/www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/14/jigo/sankou/04.pdf

03式155mm多目的弾のように、あまり詳細が公表されなかった装備についても政策評価事業に登場します。

まあ、政策評価を待ってどんな装備になるか待っていましょう。
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(2)パトリアAMV810両?!新型FFM4880t?!

令和6年度概算要求と共に、いろんな情報が雪崩のように襲ってきています。

図6 パトリアAMV
図6 パトリアAMV.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20230831.pdf

令和5年度から調達が始まった、パトリアAMV装輪装甲車は衝撃の情報です。

2.1 パトリアAMVを810両も導入?!

96式装輪装甲車の後継として、パトリアAMVの導入が始まり年間28両というハイペースな調達が進んでいます。

総計どのくらい導入するのか不明でしたが、プロジェクト管理プログラムにて予定調達数が判明してびっくりです。

「810両」

ふぇ?810両?!96式装輪装甲車(361両)より多いじゃん!

まあある意味、最大の驚愕要素と言えます。

ライセンス国産を日本製鋼所(JSW)が行うというニュースが吹っ飛ぶくらい、大量調達です。

本気で有事に向けて準備をするようになったと言えます。

2.2 新型FFMは4880t!
さらにビックニュースと言えば、もがみ型を改良した新型FFMが4880tまで大型化しました。
図7 新型FFM
図7 新型FFM.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/pinup/pinup050825.pdf

むらさめ型護衛艦(基準排水量4550t)より増量するとは、なかなか思い切ったといえます。

1隻800億ほどになるようですが、まあDDの更新用である以上高騰は避けられません。

年間2隻の建造ペースを落とさずに、連続して建造できれば最高でしょう。

2.3 新型補給艦はやはりデカくなるか!

海自向けでいえば、とわだ型補給艦の代替となる新型補給艦が出てきました。

図8 新型補給艦
図8 新型補給艦.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20230831.pdf

ましゅう型などの形状に見慣れた人にとっては、驚きのデザイン変更となるでしょう。

ただ元々補給艦の運航において、視界を改善して欲しいと要望が出ていました。

さらにいずも型護衛艦への補給を考えると、船腹が大きくとれる形状への変更は納得です。
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(3)維持整備費の大幅増額は素晴らしい!

後方支援を行っていたものとしては、整備維持費の倍増は素晴らしいの一言です。

図9 整備維持費
図9 整備維持費.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20230831.pdf

これでもう、ニコイチ整備をしなくて済むかも?

3.1 部品不足は昔から言われてきた

部品不足は、最近始まったことではありません。

図10 部品不足
図10 部品不足.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2023/yosan_20220831.pdf

「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」と後方は虐げられてきましたが、ウクライナ戦争でようやく尻に火が付いたといえます。

正面装備優先のツケを、今になってやっと支払う結果となりました。

何とかこれで部品不足の解消が、進んで欲しいと思います。

3.2 兵站の充実が進むか?

兵站軽視が続いた自衛隊も、ようやく兵站補強を行えるようになりました。

弾薬燃料の他にも、医療体制の強化がもっと行われるべきでしょう。

図11 医療体制
図11 医療体制.jpg
引用URL:https://static01.nyt.com/images/2022/05/30/multimedia/30Firsov-inyt/28Firsov_3-articleLarge.jpg?quality=75&auto=webp&disable=upscale

ウクライナ戦争で見せつけられた、大量の戦傷者への治療体制を構築できるか?

今後の準備が大切といえます!
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2023年08月23日

精密誘導弾ってなんやろなあ?【防衛省】

『まさかXGCS-2の魔改造になるかもしれんな』
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2023年8月になり、令和6年度概算要求の話が飛び交ってきました。

そんな中で、ナゾの精密誘導弾開発320億円なんてのが出てきました。

図1 GCS-1
図1 GCS-1.jpg
引用wiki

対艦・対地の精密誘導弾という表記だと、GCS-1のように思えるけど初年度開発費が高いなあ

まさか米軍のような、地上発射機から発射するつもりなのかな?
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(1)精密誘導弾というとXGCS-2を思い出す

精密誘導弾というと、どうしてもかつてのXGCS-2を思浮かべてしまいます。

図2 XGCS-2
図2 XGCS-2.png
引用URL:https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11339364/www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/16/jigo/sankou/11.pdf

試作完了したものの、量産が見送られたものです。

1.1 XGCS-2とは何か?

航空自衛隊に配備されているGCS-1(91式爆弾誘導装置)の後継として、平成16年(2005年)には試作研究が終了していたものです。

当時の流行だった滑空型爆弾の国産弾として開発されていました。

図3 JDAM
図3 JDAM.jpg
引用wiki

ポピュラーになったJDAMも、滑空誘導爆弾として有名です。

ただ、XGCS-2は赤外線とGPS誘導の併用でより精密誘導ができるようになっていました。

1.2 当時の情勢で量産化が見送られる

私ペンギンも、空自岐阜基地にて試験中のXGCS-2を見たことがあり採用されると思っていました。

しかしながら、当時は防衛費削減が続きBMD関連装備が優先されていました。

図4 SM-3blk?UA
図4 SM-3.jpg
引用wiki

日米共同開発のSM-3ブロック?UAの開発費が最優先の状況で、XGCS-2の量産化が見送られてしまいます。

結構いい装備だったのに、惜しいことをしました。

1.3 2000ポンドの破壊力は魅力的!

XGCS-2の魅力としては、2000ポンド(約1トン)の炸薬量を持ち破壊力がデカいことです。

図5 クイックシンク
図5 クイックシンク.jpg
引用URL:https://statics.cedscdn.it/photos/MED_HIGH/58/08/6665808_03192839_nuova_bomba_usa.jpg

最近米軍が開発してる、JDAMの対艦攻撃「クイックシンク」を先取りしていました。

あの時装備していれば、もっと楽になったかも?
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(2)長射程精密誘導弾を作るには?

長距離誘導弾については、12SSM改善型などいろいろすでに開発しています。

図6 12SSM改善型
図6 12SSM.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/news/2023/01/23e.pdf

いまさら新規に、対艦対地用精密誘導弾を作るとしたらどんなことを要求するのか?

2.1 XGCS-2をロケットアシストするGLSDB化?

一つ思い浮かぶ方法は、XGCS-2をさらに長射程化させることです。

図7 GLSDB
図7 GLSDB.jpg
引用URL:https://aviationweek.com/sites/default/files/styles/crop_freeform/public/uploads/2015/03/nocangl-sdb-scenefinal.jpg?itok=cev8Cxj9

2022年にボーイング社がMLRSに、SDB(小口径爆弾)を搭載して射程を延伸する構想を出しています。

もしかすると、このアイデアを日本でもヤル気なのかもしれません。

2.2 07VLAロケットモーターという便利なものがある

一見すると航空用爆弾にロケットモーターを搭載するというのは、無謀かもしれません。

しかし不可能ではないでしょう。

そして日本には、07VLAロケットモーターという便利な国産品があります。

図8 07VLA
図8 07VLA.png
引用wiki

開発当初は対潜魚雷を100km遠方(第2CZ)まで、超音速で投射する目的で開発されています。

07VLAの直径450mmという幅は、XGCS-2を搭載するにはおそらく十分な直径です。

2.3 航空機発射機能も搭載するのかな?

開発費が320億円と高額になっていますが、いろんな発射機から撃てるようにするためかもしれません。

図9 航空機搭載
図9 ASM-3.jpg
引用wiki

ASM-3は、ちょうど07VLAに近い大きさとなっています。

こんな感じで、航空機搭載も考慮に入れるとやはり実験経費が掛かります。

XGCS-2の開発は、約18億円で実施されましたがロケットモーター付きだと再試験でかなりの価格になるでしょう。
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(3)陸上発射機はどうしよう?

そうなると、陸自での運用はどうしようかという問題が出てきます。

MLRSから発射できる直径ではないので、かなり困ったことになります。

3.1 米軍に習い高機動車にランチャーを載せよう!

米軍は陸上発射トマホークを搭載するのに、驚くべき方法を用いました。

図10 米軍トマホーク
図10 米軍トマホーク.jpg
引用URL:https://d1ldvf68ux039x.cloudfront.net/thumbs/photos/2307/7931712/1000w_q95.jpg

米軍はハンビーの後継であるJLTVを無人化して、そこにトマホークランチャーを搭載してしまいました。

この手法だ!発射機が有人である必要はない!

この際、徹底的な省人化を追求すべきでしょう。

3.2 詳細は8月末に出るかね?

まあ変な妄想を掻き立てられる、精密誘導弾なるナゾ装備の情報が今年の目玉でしょう。

概算要求が出そろう、20203年8月末にはイメージ図が出てくるでしょう。

それまでのお楽しみです!
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posted by sstd7628 at 09:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 防衛省

2023年07月16日

経済的徴兵制の話が盛り上がらないねぇ?【防衛省】

『日本版GI BiLLが始まったのに誰も話題にしてないね?』
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2015年ごろに、経済的徴兵制の話で世の中が盛り上がったことがありました。

まあよく研究された本が出版されましたが、日本の実情に合わないことを結び付けていました。

図1 予備自衛官招集訓練
図1 予備自衛官招集訓練.jpg
引用URL:https://twitter.com/jgsdf_RUMOI/status/1469139365368844288/photo/1

あれから時間がたち、より経済的徴兵制度に近い制度が開始されたのに誰も話題にしません。

貸費学生を、経済的徴兵制の懸念というには無理があったのでは?
(関連記事):『 【拝啓】経済的徴兵制が実施される!と叫ぶ皆様方へ
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(1)任期制自衛官退職時進学支援給付金をご存知ですか?

2021年(令和3年度)から、ある制度が開始されましたがほとんど知られていません。

任期制自衛官退職時進学支援給付金という、大学進学支援の資金助成です。

1.1 任期制隊員の大学進学支援制度

この制度は、任期制隊員が任期満了後に大学進学をするとき給付金を支給する制度です。

図2 任期制自衛官退職時進学支援給付金
図2 給付金.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/new/img/index/topics/shingaku.pdf

・即応予備自衛官に登録:年27.1万円
・予備自衛官に登録:年5.4万円


という形で、年間46人を限度に2021年から制度が始まりました。

ようやく任期満了後の隊員への進学支援制度が、人手不足の中で始まりました。

1.2 日本版GI BILLやんけ!

この制度が始まったと聞いたときに真っ先に思い浮かんだのが、

『日本版のGIビルやんけ!』

という物です。

図3 GIBILL
図3 GIBILL.jpg
引用URL:https://images05.military.com/sites/default/files/styles/full/public/media/money/2013/07/gibillbanner.jpg

GIビルは、米国で兵役を終えた軍人が大学進学を希望すると進学支援金を給付する制度です。

経済的徴兵制を論じた本において、まさに象徴として指摘されていた制度です。

とりあえずは、日本でも開始となりましたが支給金額の低さが気になります。

1.3 誰もこの話を経済的徴兵制として話していない?

しかしながら気になったのは、あれだけ経済的徴兵制が始まる!と叫んでいた人たちがこの制度については沈黙していることです。

おそらく知名度が低いので、誰も興味を示していないのでしょう。

もしくは、任期制隊員に興味が無いから無視しているのかもしれません。
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(2)貸費学生は経済的徴兵制じゃねえよ!

経済的徴兵制を叫ぶ人たちにとっては、ニュースに出てきた貸費学生の方が分かりやすいのかもしれません。

図4 貸費学生
図4 貸費学生.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EqDOiPBU8AAIuxz?format=jpg&name=large

勘違いしてるようだけど、貸費学生は経済的徴兵制にならねえよ!

2.1 貸費学生拡大の話が出てきたけど・・・

令和5年7月になり、防衛省の人的基盤強化に関する提言が提出され貸費学生制度拡大の話が出てきました。

理工系の大学3年生以上が対象だったものを、文系も含めて大学1年生から奨学金を出す制度に変更するようです。

ただこの話については、
・幹部自衛官になる人間を増やしても、人手不足解消にはならないのでは?
・本当に必要なのは、任期制自衛官を増やす取り組みじゃないの?
・組織の中軸となる防大出身者が不足するほど、ヤバい状況なの?

防大が抱える問題を現役教官が実名で告発するほどヤバい状況ならば、穴埋めのために貸費学生を充てるというなら問題をはき違えているといえます。

図5 任期制隊員
図5 任期制自衛官.jpg
引用wiki

本来取り組むべきは、志願者が減少している任期制隊員のの募集強化と待遇改善です。

2.2 わかりやすい貸費学生が批判の対象となってる
経済的徴兵制は、運動団体にとってはいい批判対象なのでしょう。

だからこそ、何かそれっぽい貸費学生をやり玉にして経済的徴兵制ガ〜!!とやっている状況です。

任期制自衛官退職時進学支援給付金は、よくわからんから放置されているといえます。

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(3)執筆者の現在の意見を聞いてみたい!

日本版GIビル制度が始まったところで、経済的徴兵制を論じた執筆者の意見が聞いてみたいところです。

(関連記事):『 【自衛隊】自衛隊幹部の低学歴が問題?大学側の傲慢のせいでしょ

ぜひとも、続編を書いて欲しいと思う次第です。
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posted by sstd7628 at 09:48| Comment(6) | TrackBack(0) | 防衛省

2023年02月11日

【防衛省】陸自さん特定秘密漏洩してませんか?!

『陸自さんこの情報漏洩はヤバすぎね?』
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2022年12月下旬に、海上自衛隊にて特定秘密漏洩事件が公表され懲戒免職者が出る事態となりました。

特定秘密はそれくらい、扱いが厳しくなるものです。

図1 10式戦車
図1 10式戦車.jpg
引用URL:https://live.staticflickr.com/4607/26066139848_ed4d87f043.jpg?id=https://www.flickr.com/photos/90465288@N07/26066139848/in/set-72157632230398938/

陸自の10式戦車でも、装甲など特定秘密に我当するものが結構あります。

けど陸自さん?とんでもない特定秘密レベルの情報を漏洩させていませんか?
(関連記事):『 【海上自衛隊】特定秘密漏洩の先陣を切ってどうする!
(前回記事):『 【自衛隊】新型狙撃銃はHK417ベースか〜!
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(1)階級別人員定数って特定秘密なんじゃなかったっけ?

今回気付いた情報は、防衛省のハラスメント防止委員会にて配布された資料です。

図2 配布資料
図2 陸幕配布資料.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/meeting/harassment/pdf/shiryou02.pdf

陸海空自衛隊が、ハラスメント対策で色々説明していましたがその中でヤバい情報が修正なしで記載されているようです。

1.1 階級別人員定数は特定秘密に該当しないか?

委員会配布資料は、陸上自衛隊の構成と階級・人員について触れている部分がありました。

ただ私が現職時代には、絶対外に出ないはずの 「階級別人員数」 が記載されていたのです。

図3 階級別人員定数
図3 階級別人員定数.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/meeting/harassment/pdf/shiryou02.pdf

防衛省ホームページには、修正なしの情報が記載されています。(自己判断で黒塗り修正しました)

この数字は、ぜったい表に出しちゃいけない数字じゃなかったっけ?

1.2 現職時代には絶対表に出すなと言われた。

私ペンギンは、海上自衛隊におりましたが「絶対に表に出すな!」と厳しく指導された「階級別人員定数」が何で記載されているのか不思議です。

この数字は、自衛隊の人員配置や能力・組織図の推察の元資料として使用できてしまう「金の卵」ともいえる情報だったはずです。

図4 防衛白書人員数
図4 防衛白書人員数.gif
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2020/image/siryo564_02.gif

防衛白書では、幹部・曹・士の総数までしか公表しておらずこれ以上は秘密だったはずですが・・・

陸幕担当者の秘密情報取り扱い不備かな?こういう数字は黒塗りで公表すべきだったはず?

1.3 この情報はヤバくね?

現職を離れて時間がたっていることもあり、最新の秘密保全基準がどうなっているかは分からないところがあります。

図5 1977年の防衛白書
図5 1977年防衛白書.gif
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/1977/w1977_9118001.gif

冷戦時代に発行した1977年(昭和52年)防衛白書にて、学歴別人員数を掲載してたものの情報保全上の問題で翌年から掲載しなくなったという経緯を聞いたことがあります。

詳細は不明ながら、2023年2月6日の委員会資料をそのまま掲載し続けることは危険だと思われます。

今回は、取り急ぎの記事として書いてみました。

どうなってんでしょう?海自ばかりでなく防衛省全体の秘密保全態勢は大丈夫か?
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posted by sstd7628 at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 防衛省
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