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2024年9月から陸上自衛隊は、06陸演を実施中です。
2021年にも03陸演が実施されましたが、参加部隊情秘匿が徹底されています。
図1 03陸演
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcT04sKYRdXrpqxOK9rJbde5Ls2U5bMvxCzpiQ&s
ウクライナ戦争の戦訓から、部隊行動秘匿が徹底されてきたと言えます。
SNS時代の情報拡散の検証も、検討項目に入っているかな?
(前回記事):『 第三次世界大戦を阻止した軍人の追悼 』
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(1)部隊識別も外す徹底ぶり!
今回の06陸演は、03陸演のフォローアップの意味もあるようです。
図2 03陸演揚陸
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FCnGNcIVcAI3ozY?format=jpg&name=small
03陸演の一部で行われていた、部隊識別の秘匿を全面的に行っているようです。
1.1 部隊識別マーク全面秘匿とは?
部隊識別マークの秘匿と言っても、ピンとこないかもしれません。
一例として、災害派遣中の陸自車両を見てみましょう。
図3 災害派遣
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GaihTR_bcAANSFk?format=jpg&name=large
第43普通科連隊第2中隊が、宮崎豪雨被害での災害派遣に向かうところです。
一見すると何でもないですが、部隊識別マーク「43普-2」と車両ナンバーが見えます。
この何でもない情報を重視して、06陸演では部隊識別マークが徹底的に消されています。
図4 06陸演
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GajPKrPbEAEPEWh?format=jpg&name=4096x4096
陸自公式Twitterに掲載される写真は、徹底的に部隊識別マークが消されています。
防衛省としては、車両ナンバーも隠したいでしょうが道路交通法の問題がかかってきます。
1.2 部隊識別マークは管理用であり表示義務ではない
部隊識別マークが入った車両を見慣れていますが、本来は管理目的で入れているだけです。
図5 ミサイル一杯
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GauWCdIaAAQianv?format=jpg&name=4096x4096
地対艦ミサイル発射装置の集団に至っては、車両ナンバーも修正して写真掲載しています。
防衛省や陸自としては、有事にはこのあたりの情報を秘匿したいという意図が見えます。
1.3 断片情報は塵も積もれば宝となる!
今ブームになっているOSINTですが、写真1枚だけで全てが分かるわけではありません。
それまでの基礎情報として、車両ナンバー・部隊識別マークなどいくつもの断片情報が必要です。
『インテリジェンス(情報資料)≠インフォメーション(断片情報)』
意外とこの差が理解されずに、インフォメーションを「真実(笑)」としてしまうことが多くあります。
ウクライナ戦争において、部隊行動情報がSNSにて把握されることへの検証をしていると言えます。
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(2)OSINTのコワさを見せつけたウクライナ戦争!
ウクライナ戦争は、戦争序盤からSNSに情報が溢れました。
図6 2月24日
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FNCoVN9VQAMnF4o?format=jpg&name=large
開戦前には、部隊展開情報が丸裸になり今もOSINTにより情報が丸見えです。
2.1 部隊行動の秘匿は作戦準備の基本
準備作業と部隊行動の秘匿は、作戦用務の基本中の基本なのが軍事的常識です。
図7 ウクライナ軍
引用URL:https://ichef.bbci.co.uk/ace/ws/800/cpsprodpb/52ef/live/f2bf46e0-05c6-11ef-82e8-cd354766a224.jpg.webp
ロシア軍が舐めプで、その常識をぶち壊してしまいましたが!
部隊行動秘匿に、どれだけ手間をかけることが出来るか作戦準備の要点です。
2.2 いいね!戦争はこれからの戦争
SNSの発達により、情報が世界中にすぐに拡散するようになりました。
図8 北朝鮮参戦
引用URL:https://fnnews.jp/wp-content/uploads/2024/10/KakaoTalk_20241021_215107438.png
撮影禁止のはずのロシア軍事基地内で、北朝鮮兵士の姿がロシア軍装備を受け取る姿が流れています。
SNSは、使い方次第で敵にも味方にも被害や恩恵をもたらすと言えます。
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2.3 日本ではかなり厳しいなあ
日本では、自衛隊の行動撮影を禁止する法律はありません。
有事でもお願いベースで、SNSアップの自粛を期待するしかないでしょう。
最悪は刑法第82条(外患援助)の、「その他これに軍事上の利益を与えた者」の適用になるかもしれません。
有事法制の見直しも、今後必要かもしれません。
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(3)有事の国民保護と認知戦への関心
SNSでの情報漏洩に対しては、認知戦で対抗するしかないでしょう。
図9 認知戦
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/approach/defense/infowarfare/images/01.jpg
日本人は、認知戦に弱いからなあ・・・
3・1 呼びかけを続けるしかない
現状では、有事でもお願いベースで自衛隊の行動写真をSNSに上げないように注意喚起するしかありません。
06陸演の検証結果で、敵にターゲットを絞らせない情報発信法規制も検討すべきかも?
図10 空挺軍高機動車
引用URL:https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20240620-01046185-autocar-000-1-view.jpg?exp=10800
高機動車が、ロシア空挺軍にて運用されていることもあり対策は急務といえます。
情報戦・認知戦で有事でも戦えるかな?!
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防衛・軍事ランキング
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SNSに部隊車両がアップされると、情報の蓄積で部隊兵力まで算出できる恐ろしさがウクライナ戦争で明らかになりました。
原稿法令では撮影を規制出来る根拠がないので、ホントに悩みどことと言えます。
有事発生時には、良心にまかせるしかないのが現状です。