いつもの作業をこなす。
午後、盛大な壮行会を開いてくれた後、
またいつもの作業をこなす。
お菓子と、お礼のメッセージを置く。
15時40分、
一日のスケジュールが終わり、
みんなが帰宅していく。
作業部屋に残るは僕一人、
あっという間だった7ヶ月間を思い出し、
ゆっくりと名残を惜しむ。
突然、何か抑え切れないものが込み上げる。
感情の正体がわかる間もなく、
涙が次々と溢れ出す。
廊下を挟んだ事務作業部屋に
声が漏れないように、
持っていたひざ掛けを目に押し当てる。
こんなところで泣いておいて言うのも変だけど、
誰にも見せない涙になりますように、
誰も来ませんようにと願う。
「よかったね、ここに出逢えて…。」
泣きながら、
自分の中に居る自分に向けて
繰り返し声をかける。
仕事の問題、生活の問題、そして親の問題、
1年くらい前の僕なら一人で立ち向かうとして
誰にも頼るまいと意地を張って潰れていただろう。
人に気を許したり、自分の深い話をすることが
今以上に下手だったろう。
自分が抱える問題は一人で解決できなきゃいけない、
そう思っていたのは自分だけだったことに気づかされた。
明日から新しい職場。新しい仕事。
今後もし働く場所が変わっても、
僕が本当の自分の人生をスタートさせた場所は
変わらずここ。
明日からは「就労定着支援」として、
スタッフさんには引き続きお世話になるから、
会えなくなるわけではない。
毎月の「OBの集い」でまた来れる。
なのに泣いたってことは、
それだけあたたかくて大切な場所だから。
感謝の気持ちをありふれた、短い言葉で言う。
「このご恩は、一生忘れません。」
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