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2012.10.25
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カテゴリ: 経済
<今日の渡邊さん語録3>
iPadmini発売開始とのこと・・・・
アップルが中国人を搾取できているのは・・・アメリカ・台湾連合の経済合理性があるわけで、その裏にはアメリカ金融の謀略が潜んでいるのだろう。

歯軋りするような経済状況であるが、「10年後に食える仕事、食えない仕事」著者:渡邊さんの最新ツイートを見てみましょう。

渡邉 正裕


【10月25日】
@masa_mynews: 週刊誌や記者クラブ新聞(朝日毎日読売)がどんどん没落してくのは、紙の問題じゃなくて、コンテンツの中途半端さによる。「短文の速報か、長文の専門記事か」という時代にどんどんなっていく。うちは後者で最後まで勝ち残る自信がある/コンテンツの時代 http://agora-web.jp/archives/1496358.html

@masa_mynews: これはリクナビがビジネスにしたいだけ。現地採用とすることで日本の最低賃金以下で雇って人件費を抑えたい、というのが企業の狙い。日本で海外赴任を前提に採用されることを目指すべし。新卒は国境なき「セカ就」に?リクルート2012年のトレンド http://www.mentor-diamond.jp/blog/student/?p=25874

【10月21日】
@masa_mynews: 世界の下請け部品メーカーとして人件費下げて「高級なホンハイ」として利益トントンで生き残るのが日本のメーカーの末路かな。10年後はトヨタよりデンソーやアイシンのほうが世界で生き残ってるのかも。/シャープ、スマホ向け最新液晶、天理でも生産へ http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121021/biz12102117310003-n1.htm …


このところ、鼻息の荒いアップル、サムスンであるが・・・・
渡邉さんの本「10年後に食える仕事、食えない仕事」の用語を使えば・・・・
日本が開発した技術でうまく立ち回り「ジャパンプレミアム」になるはずであったのに、アップル、サムスンの集中スピードに負けて「重力の世界」に引き込まれてしまったのです。
10年後に食える仕事とは何でしょうね?

【10年後に食える仕事、食えない仕事 】
10年後
渡邉 正裕著、東洋経済新報社、2012年刊

<内容紹介より>
 グローバル化やIT化の進展によって、日本人の職の72%が急速に価値を失いつつある。世界経済の悪化が、その変化のスピードをさらに早めるだろう。失業は増え、給料の下落は止まらない。本書は、この困難な時代に立ち向かうために書かれた「仕事・職の航海図」だ。
 あらゆる仕事・職を4つに分類、日本から消えゆく職業、逆に最後まで残る仕事などを豊富なカラー図版やチャートを使って分析しながら、では私たちはどのように対処すべきかを明快に論じる。
 職の本で定評のある著者が放つ衝撃の一冊。就活中の学生も、現状に不安を感じているビジネスパースンも、定年後の再就職先に悩んでいる世代も必読です。
 さあ、あなたの選んだ仕事は10年後もあると言えますか?

<大使寸評>
グローバル化、IT化が進んだ昨今、韓国や中国に伍して日本の強みを生かす仕事とは何か?
外国人にとってハンディとなる日本語が、日本人の強みであるとする著者の切り口など、気に入っています。

Amazon 10年後に食える仕事、食えない仕事


この本から、エッセンス部分を紹介します。

<ニッサンとトヨタで法人税率が同じであっていいはずがない>
米中相手に、ニッサンのゴーンCOEの手腕はたいしたものではあるが・・・・
ニッサンとトヨタで法人税率が同じであっていいはずがないと渡邊さんが説いているので拝聴しましょう。


<“負の雇用貢献税”で雇用を国内化する> p207~208より
 トヨタ自動車は、中国江蘇省に、次世代エコカーの研究開発拠点の建設を始めた。中国で開発したハイブリッド車を現地生産し、2015年に中国に投入する方針で、開発陣は一千人規模だという。日本人を赴任させると莫大なコストがかかるため、その多くは中国人になる。
 政府が無策だと、開発拠点も海外にしか作らなくなるのは当然の流れだ。特に新興国では、マーケットに近いところで開発し、生産するほうが効率的で低コストになる。開発拠点や量産工場を国内に置いてまっさらな状態で戦うとハンデ戦になり、中国・韓国勢に勝てない。もはや国内に必用なのは、世界展開の拠点となるマザー開発拠点、マザー工場だけだ。これは半導体やPDPの敗戦史から明らかである。

 となると、雇用政策として、ハンデ分を国が補填しないかぎり、失業率は跳ね上がる。そこで、“負の雇用貢献税”が必要となる。簡単に言うと、『マーチ』をタイで生産して世界中に売るなどして国内生産比率が3割を切っている日産自動車と、国内生産比率が45%で業界一高いトヨタが同じ税率ではいけない。トヨタにとって減税となり、日産にとって増税となり、全体で中立となるような税制にしないと、雇用は流出する一方である。
 現状は、「日本のメーカーとして国内100万台生産を維持したいが、この円高では・・・」とゴーンCOEが政府にプレッシャーをかけ、政府のほうは「日本のためになんとか空洞化させないようお願いしたい、立地補助金を拡充するかも・・・」という状況で、両者が精神論の域から出ていない。国が恣意的に個別企業や個別地域に補填すると企業活動の自由が制限されるため、単純に平均よりも雇用に貢献している企業には減税を行う、つまり負の雇用貢献税をかけるほうが合理的だ。

ベーシックインカムという馴染まない手法、英単語よりは、渡邊さんが提唱する「負の雇用貢献税」のほうが皆の理解が得やすいし、導入のハードルは低いのではないか?と思うわけです。


半導体、プラズマパネルの敗戦のあたりを見てみましょう。

<コモディティー化で拡大する「重力の世界」> p197~200より
 典型例が半導体で、1980年代は日本の製品が強すぎて、パソコンに内臓するDRAMでは世界シェアが8割超にもなり、日米半導体交渉(1992年)で「日本市場に占める外国系半導体のシェアを20%以上に」と約束させられたことまであった。つまり、かっては付加価値の高い製品だったので、「無国籍ジャングル」な研究者が世界に先駆けて発明し、「グローカル」な開発者が製品開発を手がけ、「ジャパンプレミアム」な技能職が国内で生産して隆盛を極めていたわけだ。

 それが2000年代以降、技術的にキャッチアップした韓国で低コストの半導体が量産されるようになると、一気にコモディティー化(汎用品化)が進み、重力の世界に引き込まれた。日立製作所とNECが1999年に設立したDRAM専業メーカーであるエルピーダメモリは韓国勢に敗れ、一時はシェア5%を切るまでに凋落。2009年に産業再生法適用を受け、公的資金の注入も受けた。
 日立、三菱、NECから再編されたルネサスエレクトロニクスも2010年にグループ4千人規模のリストラを発表し、本体でも希望退職により約1500人を削減。都内の半導体組立て工場(青梅市)は2012年3月に閉鎖される。また、三洋電機の半導体事業も大幅リストラのうえ米国企業に事業ごと売却された。この間、10年余りである。
 そして現在、絶望的なスピードで進んでいるのが、薄型テレビのコモディティー化だ。ソニーのテレビ事業は2011年3月期まで7期連続の営業赤字。パナソニックも薄型テレビ事業が2009年3月期から3期連続の営業赤字となり、2010年1月に本格稼動したばかりの、世界最大の生産能力を誇るプラズマパネル工場(尼崎市)を、2011年度中に停止することを決めた。最新鋭の工場が、なんと2年と持たなかったのだ。
(中略)
 その薄型テレビの次に「重力の世界」に向かっているのが、シャープや京セラが圧倒的に強かった太陽電池だ。中国勢にシェアを奪われ、半導体やPDPと同じ流れにある。最後の砦として踏みとどまっているのが自動車産業であるが、電気自動車の時代に移ると、一気にPCのようにコモディティー化が進み、同じ轍を踏む、とも言われている。この流れのスピードは誰にも見通すことはできないが、その方向は変らないだろう。「自動車の一本足打法」とも言われる日本の製造業は破滅の瀬戸際で、そうなると、失業率も一気に上がる可能性がある。

とにかく、エルピーダの買収先は中国の国家ファンドとか韓国企業でなかったのがせめてもの救いであるが・・・・日の丸ファンドに望むのは、too little too lateという役人根性に陥らないことだと思うのです。

今日の渡邊さん語録2





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Last updated  2012.10.26 23:08:37
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