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2014.01.27
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カテゴリ: 歴史
朝鮮系の在日は阪神地区に数多く住んでいるが・・・・
この本で歴史をさかのぼれば、日朝交流を示す話や史跡が身近にあることがわかるのです。


【兵庫のなかの朝鮮】
朝鮮

『兵庫のなかの朝鮮』編集委員会 (著)、明石書店、2001年刊

<「BOOK」データベース>より
「人権と共生の世紀」の21世紀に、忘れ去られようとしている朝鮮との正しい関係の記録を残す意図で製作。近代の朝鮮人関係資料を調査研究している「兵庫朝鮮関係研究会(兵朝研)」、三十数年日朝・日韓関係を学習研究・調査している「むくげの会」と、学校の教員が中心となって在日韓国朝鮮人をはじめとする外国人の教育課題の解決をめざしている「兵庫県在日外国人教育研究協議会(兵庫県外教)」の三団体で企画・編集された。

<大使寸評>
全国各地に朝鮮との交流を示す史跡があるようで、明石書店のシリーズではこの本の他に東京、神奈川、京都、奈良が出版されています。

とにかく、在日韓国人によってレポートされている部分は目からウロコであり、歴史認識を改めている大使でおます。

amazon 兵庫のなかの朝鮮


この本から、不肖ドングリが馴染みのある地域について紹介します。
大倉山には、わりと頻繁に通っているのだが、ここが伊藤博文ゆかりの地であることがわかりました。

<大倉山公園と湊川神社:高龍弘>p77~85より
●尊王攘夷
 「楠公様のように」というのが、勤皇の志士たちのスローガンでもあった。
楠木正成

 この先頭に立ったのが長州の水戸学の強い影響を受けた兵法家吉田松陰であった。
 1840年のアヘン戦争で中国を破ったイギリスのことは、日本の幕府や知識階級ではかなり知られた事実である。欧米列強が軍事力で日本に開港を迫るのも時間の問題である。そして地図を開くと、鎖国しているのは日本と朝鮮。兵法家でなくても、軍事的にみて朝鮮が欧米に植民地化されたらどうなるか、と誰もが考える。
 そのような松蔭の軍事思想は、そのまま門下生に受け継がれる。彼らはどこまでも軍事的にしか朝鮮を見なかった。そこに国があり、人が住んでいるということはむろん眼中にない。そして、それが後代の「征韓論」にまで引き継がれていくのである。
 松蔭の松下村塾は、高杉晋作や桂小五郎など多くの幕末の志士を生み出した。そしてその塾のなかに狂介、利助という若者も混じっていた。涙を流して激しい口調で楠木正成の最後を語る吉田松陰の授業を、彼らも聞いていたのである。狂介、利助は後の明治の元勲である山形有朋、伊藤博文である。

●大倉山の銅像
 かつて、神戸の中心であった現在のJR神戸駅周辺。すぐ北には湊川神社があり、その東隣りには神戸地方裁判所がある。ここは昔、伊藤博文も執務していた兵庫県庁であった。そしてその北には、わずか55mながら、神戸港が一望できる大倉山がある。もともと大倉喜八郎が所有しており、豪華な別荘を建てていた山である。この別荘を、伊藤は自分専用のごとく使い、福原や花隈から芸妓を呼び寄せ、壮大な宴会を催していたという。

 韓国統監の伊藤は、東京に帰る際、必ず神戸で下船してこの別荘に寄ったというから、韓国最高責任者の韓国最新情報が、この別荘にまっ先にもたらされたのであろう。
 1909年8月16日の伊藤の大倉宛の手紙に、「松方伯爵来訪」とある。元大倉大臣であり、首相でもあった松方正義である。彼の三男が松方幸次郎。神戸の川崎造船所の社長であり、今も「松方ホール」など、神戸に名を残す人物である。この別荘には、ひんぱんに政財界の大物が訪れていた。

 その伊藤が、1909年10月26日、安重根義士の銃弾によって死ぬ。
 ここで4年前、神戸の群衆によって引き倒された、伊藤の銅像の再建話が持ち上がる。再建は神戸の名士である神田兵衛門らが進め、当初は諏訪山公園に建立する計画が決定していた。

 しかし、この時神戸を訪れた大倉喜八郎が自ら諏訪山に登り、「ここは急な坂で、この地に訪れる人も少ないであろう。銅像は、私の別荘のある大倉山に高い台座をつくり、その上に建てて港に入る船からも見えるようにしてはどうか。そして大倉山を丸ごと神戸に寄付してもよい」と述べた。山を一つ丸ごと寄付とは、いかにも豪快な話である。もちろん政治がらみもあったのであろう。当時の写真を見ると、なるほど神戸港を行き交う船からもよく見えるくらい銅像は大きい。もちろん現在は神戸市立中央体育館、神戸大学医学部校舎、文化ホールなどが遮ってしまい、見えなくなっている。いや、見えないはずだ。伊藤の銅像は太平洋戦争中、金属不足のために取り壊されて供出されてしまい、今は台座のみがフェンスに囲まれて残っているだけである。

朝鮮人は、もちろん伊藤博文を嫌っている。
このところ、中韓に対して戦略的に突出する安部さんであるが・・・
タカ派の長州人的資質を過不足なく評価する必要性があるのではないかと思うわけです。

三木市は神戸市の北となりであるが、ここも古くから朝鮮との関わりが深かったようですね。

<三木の伽耶院:藤原史郎>p143~144より
 筆者の生まれ故郷、旧美嚢郡(三木市、吉川町)一帯のなかで「朝鮮」を間接直接に表記しているものが五つある。一つは、「百済」家の表札であり、二つ目は三木の金物の起源を示す金物資料館の「韓鍛冶」の説明文であり、三つ目は「伽耶院」の標識の「伽耶」であり、四つ目は「高麗橋」(吉川町)であり、もう一つは、藤原惺窩生誕の地の説明文に出てくる朝鮮朱子学者「カンハン」である。

●百済家
 「朝鮮」に関心をもったのが筆者の高校生時代。高一のころ、筆者の座席の後ろに百済君がいた。ある日、意を決して「おまえは朝鮮人か」と聞いた。彼は顔を真赤にして「おれは日本人なんやけど」と答えた。陸上の長距離選手で県下では名をなしていた。親父に聞いた「淡河から百済というのが来ている。彼は朝鮮人か」。父が答えた「もとは朝鮮やろが、ここらではえらい旧家や。裏に住んどった朝鮮人一家とはわけが違う」。親父のこの言葉に、日本人の「朝鮮」に対する見方が端的に現れている。古代の百済家は偉大で、日本の植民地支配以降、日本に来た朝鮮人はダメという価値観である。後者が朝鮮民族に対する今日の差別の意識の因である。筆者は、後年このことに気づいた。

 金達寿さんは『日本の中の朝鮮文化』で、この百済家にふれて「石峰寺」の僧の末裔では、と推測をしておられる。石峰寺は大化の改新の折の孝徳天皇の勅願で651年渡来系の法道仙人が建てたという。段煕麟さんは、百済聖明王の王子恵の開基の伝承が残る丹生山明要寺建立に随行し、土着した僧の末裔ではと推測しておられる。後、李進煕さんにお会いした機会に、百済家のことを説明し、いつごろからの家かと聞いた。「おそらく飛鳥時代でしょうね」という返事だった。

 今から9年前、百済君の本家筋にあたる百済八十雄氏宅を訪ねた。市立尼崎高校の文化祭に「兵庫の中の朝鮮文化」を展示するためだった。氏は、江戸時代の巻物ふうの古文書を数点見せてくださった。古文書は税の軽減を求める明石藩への上申書のようなものだった。百済家は名字帯刀を認められて、その地の庄屋を務め、当時は百済ではなく加島家だった。いつから百済の姓になったのかと聞くと、明治になって創氏令が出された時という。このことで地元ではよくとも、徴兵で軍隊に入隊した時は、「チョウセン」とよくいじめられたという。百済とした明確な理由は聞けなかったが、代々百済と因縁のあるなにがしかの家伝があり、新しい時代となり創氏令を出たので、この時とばかりに家伝の百済を新姓にされたのであろう。創氏令を出した明治天皇制国家は、その後、朝鮮侵略を進め、百済家に対しても苦渋を強いることになる。


大洋漁業の発祥の地が明石であったとは初めて知ったが、大洋漁業の前身「林兼」が朝鮮で発展を遂げたことも、この本で初めて知ったわけです。

<大洋漁業と朝鮮:伊地知紀子>p146~148より
 「大洋漁業」とは、現在「あけぼの」や「ニッスイ」と並ぶ水産加工食品の大手メーカー「マルハ」の前身だ。かつての大洋ホエールズを所有していたのが、この大洋漁業だった。その前身は「林兼」という。〇(〇の中にはの字の記号)というのが林兼のしるしだった。


 「林兼」発祥の地は、明石である。林崎村出身の中部兼松は林屋の屋号で、生魚運搬を営んでいた。林兼を受け継ぎ、後に大洋漁業の創始者となったのが、兼松の二男・中部幾次郎である。幾次郎の面影を見ることはさほど難しくはない。JR明石駅の北側、明石公園大手門入口に、銅像の中部幾次郎が立っている。この銅像は1928年にされた(戦時中に供出され、1951年再建)。日本水産の先駆者と呼ばれる藍綬褒章を受けた幾次郎に対し、明石市は市議会の決議に基いてこの銅像を建てた。まさに、国家のお墨付きの地元の名士であった。そして、その財産は幾次郎が朝鮮の海に進出することで築かれた。

 私が「林兼」という言葉を初めて耳にしたのは、1997年済州島の大坪里においてであった。当時93歳の李さんは私に、大坪里に乗り込んできた林兼の様子を教えてくれた。済州島の南西に位置する大坪里には、昔、唐の使者がやって来たことから「唐浦」という名の波の静かな浦口がある。日帝時代、林兼はこの浦口に居座り「松港」と改名した。村には100人以上の日本人が住み、村の人々も日本人相手の商売を始めた。
(中略)
 幾次郎は、1910年慶尚南道方魚津に朝鮮事業の根拠地を置き操業地を広げた。13年には本拠を下関竹崎町に置き、同族経営で漁船、漁具をどんどん改良し事業を展開していった。方魚津では、漁業のみならず鉄工造船所、商事会社、自動車会社、電燈事業までおこし、小学校や一般住宅を建設した。さらに、漁夫の米を自給しようと農場経営に踏み出し、金海の未開墾地350町歩を買収、蔚山、東ネ、慶州にも手を広げ、2000町歩以上の水田を所有した。
 方魚津近海ではアジ、サバを取り尽し漁場は荒廃した。そこで北上しマイワシ漁に着手。18年には土佐捕鯨の株過半数を買収して捕鯨業に乗り出し、21年九竜浦で定置漁業を直営した。

 林兼は25年株式会社となり、朝鮮の海で築いた財を基に、北樺太、沿海州での北洋漁業、南洋捕鯨、そして軍需に応えるべく台湾、満州、南方へとさらに勢力を拡張していった。
 日本の敗戦直後、幾次郎は大洋漁業と社名変更し、南氷洋捕鯨出漁方針を命じ、1946年81歳でその生涯を閉じた。彼の墓碑は明石市の光明寺にある、中部幾次郎について綴られた華々しい軌跡からは、朝鮮の人々の姿は一切見えない。これこそは、植民地支配のありようを示すといえよう。






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Last updated  2014.01.28 09:29:42
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