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2016.01.21
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カテゴリ: アート
<『マグリット事典』>
図書館に予約していた『マグリット事典』という本をゲットしたのです。
横尾忠則が推しているし、見て楽しい事典のようであるということで、借りたのだが…
予想にたがわず、見て楽しいのである♪



マグリット

クリストフ・グリューネンベルク、ダレン・ファイ著、創元社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
「Absence(不在)」から「Zwanzeur(無意味なことをする人)」まで148語のキーワードを総数約250点の図版・写真とともに一挙掲載!シュルレアリスムの大家、ルネ・マグリットの作品と彼の世界観を明らかにする百科事典の初邦訳。世界各国の美術館に所蔵されている作品や資料をもとに、国際的なマグリット研究家たちがキーワードを丁寧に解説。レファレンスとしてきわめて有用な一冊であり、マグリットを中心に当時の文化状況を理解するうえで必携の書。

<読む前の大使寸評>
横尾忠則が推しているし、見て楽しい事典のようである。

<図書館予約:(1/07予約、1/12受取)>

rakuten マグリット事典


この事典から気になる言葉を、アトランダムに挙げてみます。

【Chance 偶然】 p38
 シュールレアリストが呪文によって不思議の世界を呼び出したり、潜在意識のメカニズムを解明する鍵となる技法。

 この概念はイジドール・デュカロスがロートレアモン伯爵というペンネームで、「解剖台の上でミシンと傘が偶然出会うような美しさ」と表現した常套句によく現れている。マグリットにとっては、日常的なものや身体の一部、場所を、ありえないかたちでミステリアスな世界を立ち上がらせる鍵となる方式であった。

 たとえば、空に浮かぶ巨大なカメ、室内にある大きすぎるものたち、木の前に置かれた三日月などがある。しかしながら、偶然それ自体は、マグリットが技術を疎外することの蓄積において限定的な役割を果たしている。

 マグリットにとっての偶然は、たまたまの出会いというよりは、論理学や物理学の法則を一時的に宙づりにしたり、形而上学的に日用品を変容させたり、現実の予想を転覆することに慣れているような、さまざまな要素を上手に混在させたりすることであった。

 マグリットにとって最も重要なことは、意味するものと意味されたもの、そして日用品とその言語学的な名称との関係性を破壊することであり、論理的で秩序のある世界という考え方に対して異論を唱えることであった。

 一見偶然を装って併置する方法でマグリットが結合しているのは、たとえば1930年の作品『夢の解釈』では、日常的にいつもあるものと、そもそも調和しない説明文とである。
夢夢の解釈

 それはたとえば、女性の靴が「月」であったり、コップが「稲妻」、ロウソクが「天井」、そしてタマゴが「アカシア」であったりという具合である。また同様に、マグリットはどうやら手当たり次第にそもそも調和しないイメージと題名を結合させて、その結果生じる詩的な摩擦を有効的に作りだしているようである。



【Salvador Dali サルバドール・ダリ】 p52
 マグリットとダリは、シュルレアリストの美術を、自動作用による技術に力点がおかれていたものから、描かれるイメージを重視する作品づくりへ方向転換させたもっとも重要な作家である。

 マグリットは1929年の夏に招かれてダリのカダケスの別荘に滞在する一団に参加するが、こうした歓待がその後の運動へと結実していった。しかしふたりの見解と目的はとても対照的であった。

 ダリが突飛な神仏を登場させて無意識のドラマを入念につくりあげることについて、マグリットは関心がなかった。マグリットが関心を共有していたのは、1930年代に多くのシュルレアリストが制作した、明らかに時代遅れになっていたアカデミックな技法や、観衆を挑発したり魅了したりするための能力であった。



【Drawing 素描】 p60
 マグリットにとって、素描は視覚芸術の基礎となる必要不可欠なものであった。シュルレアリストが考えていた自動作用のような、作家の意思が認められない非自発的な行為としての素描を彼は拒否していた。マグリットは注意を怠らずに没頭する心構えが、作家としての制作物にとても重要だと考えていたのである。

 マグリットの絵画作品は注意深く構成が考えぬかれていて、自発的な思考のプロセスから生じている。マグリットはこの「必然的な偶然」から生じるプロセスを「インスピレーション」と呼んでいた。

 マグリットは「私は完璧なイメージが思い浮かぶまで描くことができません。イメージはゆっくりと形を結びます。私はスケッチブックを手にとる。するとインスピレーションが私にイメージを与えてくれます。私は雲を描きたいという気持ちに満たされ、そうして私は雲を100個ほど描くのです。私はその雲に隠れたところで、何が進行しているかを知ることになるのです」と述べている。



【Legacy 遺産】 p104~106
家族大家族

 人気があり、摸倣され、社会的な影響力があり、文化的な重責も担っていた近代の作家のひとりであるマグリットの遺産は、さまざまな局面に見ることができる。

 まず、マグリットの桁違いの衝撃は、広告とデザインの分野で現在も続いている。マグリットは仕事に就いてまもなく、広告関連の仕事をしていた。そして1930年代の初めに、また生涯を通じて適宜続けていた。多くのポスター、楽譜や雑誌の表紙絵などが1910年代後半から1930年代中頃につくられたが、比較的限られた発行部数であったため、あまり影響力はなかった。

 ところが、1965年12月にサベナ航空はマグリットに対してエンブレムの制作を委託し、それを受けて1966年に描かれた『空の鳥』の絵は、「評価の高い広告」キャンペーンに組み込まれ、「告知、ポスター、リーフレット、プラカード、ラベル」など一連のものが『空の鳥』を宣伝するためにデザインされた。

 その後は「宣伝パンフレットやショーウィンドウ陳列などの促販広告」によって徹底された。2003年に『空の鳥』には約230万ポンドの売値がついたがサベナ航空はすでに2年前に倒産。マグリットが「ホウレンソウに添えるバター」ほどだと言及していた作品の価値が急騰したために、『空の鳥』の絵は、単に航空会社のロゴマークとして高度に可視化されたものではなく、むしろある種の国民のアイコンと見なされていた。

 マグリットの描いたイメージが、無断で使用ないし流用されている例は無数にある。1937年の作品『臨床医』はそのひとつである。

臨床医臨床医
(後略)



【The Petrified Image 石化したイメージ】 p138
マグリットは1950年に「石化」をテーマにした作品を制作しはじめた。その主題は生活や不思議な生き物、静物や風景といったものが含まれ、広範囲に及んでいる。これらの作品で描かれているのは、あらゆるものが石へと変容する状況のなかにある、世界と個人的な要素である。

 これらの作品はマグリットの初期作品で見られる、変容の経過と関連がある。しかしこの石化したイメージが描かれた作品では、変容は終わっていて、すでに石となって固まっているという筋書きである。
(中略)

 数多くの石化が描かれるなかでマグリットが好んで描いたものに、単独で表現された巨石があるが、それは比喩的にも、また象徴的にも意味の欠如があるからであった。つまり意味がないということによる中立性を表現しているのが、1959年の作品『ガラスの鍵』である。

石ガラスの鍵

(後略)



【Zwanaeur 無意味なことをする人】 p200
 ブリュッセルで最も古い地域のひとつであるマロール地区では、ドイツ語とフランス語が融合した「ブリュッセル人」特有の方言が使われている。ブリュッセル人にとって「zwanaeur」とは、道化芝居や冗談、「無意味なこと」をつくりだす反抗的な状態、あるいは「おどけ者」を意味する。

 ときには自分をあざ笑ったり、自らすすんで誇張したり、また事実を増幅したりするようなことも含まれる。これはベルギーが歴史的にさらされてきた相次ぐ占領に対する、とりわけ中世の宗教裁判のあった時代からの抵抗の表れであると考えられる。

 マグリットと共作者との関係に、この精神の特徴が示されているのだとしたら、たとえばルイ・スキュトネールやポール・コリネや、そしてマグリットが子供のときから加わっているいたずら友達との交遊を見てみればよい。マグリットは自宅の居間に自分の棺を飾って友達を招き反応を観察していたことがあったり、マルセル・マリエンと一緒にピカソのスタジオの階段に硬貨と紙幣を置き去りにしてみたりといったように、近現代のベルギーではユーモアを表現することすべてが、どうも「シュルレアリスト」が行うようなことだと捉える傾向が強い。

 私たちが心に留めておくべきことは、シュルレアリストのユーモアには暗く道徳的な特徴が加味されているということであり、今日の商業的な広告や美学的な目的のために使い古された手順を繰り返すような追随者の身振りからは、最もかけ離れているということである。






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Last updated  2016.01.21 07:02:26
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