p60~65 <Homer sometimes nods>
ホラティウス(前1世紀)の『詩論』からもう一つ諺を拾ってみよう。先ほどの『オックスフォード英語諺辞典』が“Homer sometimes nods”という形で挙げているものだ。私がこの諺にはこめて出会ったのは中学生の時である。教科書に出てきたのだ。Homerの前に“Even”がついていたと記憶している。
あんまり嬉しかったから、今度は自分が、教室でそのことを得意になって話した(むろん教科書に“shook his head”という英語が出てきたからだが、事のついでに、日本語ではこういう“head”のことはふつう「頭」とはいわない、「首」というのだと、これも得意になってしゃべった)。あんまりこっちが得意になったせいだろう、生徒の中から、「じゃあ斜めに振るのは何ていうんですか」と質問するのが出てきた。仕方がないから、「君、その首を斜めに振ってみたまえ」とやり返した。