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2023.01.19
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カテゴリ: 中国
東・南シナ海で無法とも言える覇権をふるう中国であるが、その歴史を知ろうではないか・・・

・・・ということで 『東アジア中世海道』 を、以下のとおり復刻します。

***********************************************************
図書館で『東アジア中世海道』という本を、手にしたのです。
おお 古来、良しにつけ悪しきにつけ東シナ海あたりは気になる海域でおます。



東

民博編、毎日新聞社、2005年刊

<民博サイト>より
世界の海は、それを共有する多くの国と地域を結びつけ、人、もの、文化、技術などの相互交流の場として、歴史の揺籃となり、原動力となってきました。この展示では、特に12世紀から16世紀の東アジアの海を舞台にして、中国、高麗・朝鮮、日本、琉球などの国や地域、人々が相互に影響を与えながら育んだ交流の歴史と文化の煌めきを、考古、文献、美術、民俗資料など、多様な展示品を通して描こうと企画しました。

<読む前の大使寸評>
古来、 良しにつけ悪しきにつけ東シナ海あたりは気になる海域でおます。

rekihaku 東アジア中世海道

倭寇倭寇と明官兵との接戦

東シナ海海域の中世の歴史を概観してみましょう。
p52~53
<海に生きた地域と人々>
■中国人海商の活躍
 中世の東アジア諸地域の交流は、海商や僧侶たちが主導したことに大きな特徴がある。 9世紀以降、大宰府の管理下にあるコウロ館には新羅や唐の商人が来航し貿易をおこなった。11世紀中頃にコウロ館が衰退すると、貿易の中心地は博多に移る。宋の海商が来航して、白磁や青磁などの中国陶磁器や銭貨などが持ち込まれた。博多には、中国人が居住する唐房がつくられ、中国人が海外の港において、倉庫・店舗・住居を構えて貿易をおこなう住蕃貿易が展開した。

 また商船に同乗して宋に渡る巡礼僧もおり、13世紀には日本や南宋・元の禅僧が、商船に便乗して頻繁に往来した。2度の蒙古来襲で博多は大きな打撃を受けるが、その後に復興した。14世紀前半、鎌倉幕府や建長寺・称名寺などの寺社が、中国商船をチャーターして、寺社の造営費用を調達することを目的とする寺社造営料唐船を派遣した。新安沈没船は、東福寺と箱崎宮が派遣した寺社造営料唐船とみられる。

■前期倭寇と海禁
 14世紀後半になると、このような活発で平和的な民間の交流を抑制する動きが起きた。民衆の内部からは倭寇(前期倭寇、14~15世紀の倭寇)が出現し、朝鮮半島や中国大陸で米や人などを掠奪した。対馬・壱岐・松浦地方の人々がその主力とみられ、高麗の支配に抵抗する人々や賎民も加わっていたとの見解もある。明や高麗・朝鮮は、倭寇を軍事的に制圧するのとあわせて、日本に倭寇の禁圧や被虜人の送還を求めた。

 1368年に明を建国した朱元請ショウ(洪武帝)は、一般の中国人が海上に進出することを一切禁止する海禁政策をとった。その一方、洪武帝は周辺諸国の国王に朝貢を呼びかけた。貿易は、明皇帝の冊封を受けた国王使のみに許した。こうして国家間で使節を派遣し、あわせて貿易をおこなう通交関係が形成されていく。

■通交関係の展開
 日本では、南朝の征西将軍懐良親王が洪武帝によって日本国王に封じられた。だが、九州探題今川了俊に博多を制圧され、実質的な交渉はほとんどなされなかった。1401年、足利義満は、祖阿・肥富を明の建文帝に派遣し、翌年日本国王に封じられ、日明貿易が開始された。1404年、義満は永楽帝から「日本国王之印」と勘合を与えられた。兵庫・境や博多は、遣明船の出航地としても栄えていく。

 足利氏は、朝鮮や琉球との交渉を行っているが、朝鮮に対しては、ほかに守護や国人、商人・僧侶やもと倭寇だった人々などが、おれぞれ使節を派遣した。琉球船は畿内のほか、博多や薩摩にも来航いている。使節は京都五山などの禅僧が多く、外交文書の作成も彼らが担当した。商人は使節一行に加わることで、明や朝鮮との貿易をおこなった。日本海交通の発達により、中国陶磁器や蝦夷島などの産物が交易され、安藤氏の拠点である十三湊が栄えた。

■後期倭寇の登場
 国家や地域権力による通交関係は、16世紀になると衰退する。朝鮮における三浦の乱(1510年)や、明における寧波の乱(1523年)が、その契機になった。

 かわって台頭するのが、中国人を中心とする後期倭寇(16世紀の倭寇)であり、彼らは密貿易をおこなった。16世紀になると、日本列島内では、石見銀山をはじめとする鉱山の採掘が進んでいた。倭寇は、銀の獲得を主たる目的として来航し、中国産の生糸や鉄砲などを日本に持ち込んでいる。このような倭寇のルートに、ポルトガル人、スペイン人も加わり、南蛮貿易がおこなわれ、境や豊後府内には、ベトナム産の陶磁器など東南アジアや中国の製品が持ち込まれた。

■対馬と琉球
 14世紀以降、上記の通交関係の中で台頭したのが対馬と琉球である。
 朝鮮半島にもっとも近い対馬は、古くから朝鮮との関係が密接であった。朝鮮の成立後、対馬からは島主の宋氏らが多数の使船を送り、図書を入手したり、宋氏が文引の発行権を得るなど、さまざまな通交特権を得た。島民の中には、朝鮮半島南岸の海域において漁業をしたり、三浦の恒居倭のように朝鮮領内に居留する者も多かった。

 対馬にとって、朝鮮との関係は命綱であり、15世紀後半~16世紀、宋氏らは偽使を派遣し、通交権の維持・拡大に腐心する。

 明の朝貢要請にいち早くこたえたのが琉球である。按司たちがグスク(城)をつくり抗争している中で、沖縄本島では、中山・山北・山南という三つの勢力が形成されつつあった。1377年、中山王察度が明に朝貢したのを皮切りに、山南王・山北王が相次いで朝貢使を明に派遣した。その後、三山を統一した中山王尚巴志にはじまる第一尚氏や、クーデターによって国王になった第二尚氏の使節が頻繁に明に入貢し貿易をした。

 このように明との密接な関係を背景に、琉球は、高麗や朝鮮・日本、シャム・マラッカなどの東南アジア諸国にも使節を派遣し、中継貿易によって栄えていく。

 15世紀後半には彼らによる偽の琉球使節が朝鮮を訪れて貿易をしている。16世紀には後期倭寇やポルトガル人の台頭により、東南アジア諸国との交渉は衰退し、明や島津氏との貿易に依存するようになる。


対馬・壱岐・松浦地方の民衆から、このような荒っぽい前期倭寇が生まれたのか。
現在のこの海域には、日中韓それぞれが主張する領土問題があるが・・・
国境を線引きするのが、どだい無理な話であり、棚上げしておくのがよいのでしょうね。





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Last updated  2023.01.19 06:49:31
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