わしはわしのやり方でいきたい
「知らんとは言わさんぞ」という鹿門に「いいます、その代わり・・・そのかわり、俺はどうなってもいい、子分達の命だけは助けてやってください」との陳赤竜の言葉に、
鹿門「よーし、 助けてやるからいえ
」
陳が ほんとに助けてくれるのか
と、うれしそうな顔をします。
鹿門「 八幡船の男に二言はない
」
黒白斎にも促され、陳が話し始めます。十日程前五島の沖で、瀬戸内海を荒していた明の船から 日本人達を買ったと
いうと、鹿門は陳に近づき、
鹿門「その日本人達を 何処へ売った
」
まだ右衛門太夫の船にいる
という陳、・・・鹿門は、その中に 小静という女がいなかったか
、五 兵衛という男はいなかったか
、と迫ります 。
陳が、 堺の娘がいたことは確か
だ、と聞いた鹿門は「 それだ
」と、黒白斎も「 小静さんに違いない
」と、希望が見えたのです。
そんな中、右衛門太夫の船を追う前に、陳をたたき斬るのが先決とめくら船に上って来た新蔵人を、 鹿門が止めます
。
鹿門「 斬るにはおよばん
」
新蔵人「 なに
、貴様初めての海戦でのぼせ上がったな」
鹿門「 のぼせてはおらん
。すでに降伏した者を切ることは、 八幡船の男のすること
ではない
」
新蔵人「たわいもない盗賊達の命越えに、心を動かしたか。あはっはっは、先代の
めくら船の首領とは大した違いだ」
鹿門「違うかもしれん。 わしはわしのやり方でいきたい
。めくら船のことは、俺に
まかしてもらいたい」
「勝手にしろ」と怒った新蔵人に次いで、寿賀が鹿門にまた皮肉をいいますが、・・・そんな寿賀を鹿門はうとましく思わなくなっていました。
寿賀「 お情け深い頭領どの
、・・・ お気をつけなさいね
」
また寿賀も言葉とは違い、鹿門に対する気持ちの変化が生じていました。
右衛門太夫の船を追っていた住吉丸が戻ってきました。 残念ながら
逃げられてしまったようです。
陳赤竜は、頭領に惚れた 手下にして欲しい
と、いってきます。
続きます
。
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そのため 今掲載を始めた「海賊八幡船」から、一つの作品を一枠内に綴っていくようにして、作品1つずつに対してはページ内リンクして見られるように試みました。
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