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鳥友と一緒に手賀沼とその沿岸を見て歩きました。その折、手賀沼にはゴイサギの餌であるウグイ、オイカワなどの魚は姿を消したと聞いているが、日中に水面の杭に止まっているのはどうしてかと質問をもらいました。大坪(2005)が述べているように、吐き戻された餌のうち、個体数の多い魚類に着目すると夜間に比べて昼間の方が、水田よりも河川で採餌している個体が多いと述べています。これは、水田に生息しているドジョウは夜間に活動が活発となるが、河川や湖沼に生息する魚類は昼行性であり手賀沼の水面で休むゴイサギもこうしたことで杭に止まり、魚の動きを察知しているのではないかとやりとりをしました。沼でゴイサギが採餌していたか、何を捕獲していたかと丁寧に記録していく必要があります。ゴイサギのほか、アオサギ、ダイサギ、コサギも沼の浅瀬で歩き餌を物色していました。魚はもちろんですが、昆虫、エビなとも採餌しますのでその行動に注目してみたいものです。アップした写真は、サギのほか、水面を移動していたコブハクチョウです。なお、例年この時期に飛来するクロハラアジサシはまだ姿を確認するには至りませんでした。(写真)2023年8月30日撮影(引用)大坪瑞樹.2005.ゴイサギの採餌生態にみる鳥類の採餌環境の使い分け.地域環境計画広報誌.第25号.p2-5.
2023.08.30
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東京湾や内陸の湖沼ではほぼ通年ミサゴの姿を見かけます。鳥友から雌雄をどのように識別したらよいかと問い合わせをもらいました。森岡ほか(1995)は、日本のワシタカ類の分布、野外での見分け、生態などについての知見を整理し報告しています。ミサゴの雌雄については、「成鳥の雄と雌はほとんど同じ羽色を持つが、大きさと胸帯にわずかな性差があり繁殖つがいが並んだ時には識別できることが多い。平均的には雌の方が15%強大きい。雄では前頸に斑がないかわずかしかなく、胸帯の幅が狭くかつ黒色斑が少ない。雌では前頸に羽央が暗褐色で幅の広い白色羽縁がある羽毛が並び胸は一様な暗褐色または暗茶褐色である。(中略)時には胸の中央にほとんど黒色斑がなく茶褐色のシミのように見える雄や胸側に黒色斑が少しあるだけの雄やまったく斑がない雄がいるがこのように極端なものは常に性の識別が可能」と記しています。また、幼鳥については「すでに胸帯の大きさに成鳥同様の性差が現れているものと思われる」と記しています。多くの図鑑は、雌雄同色と記していますが、いくつかの図鑑と文献では胸の帯の太さまたは濃さについて言及しています。永井(2014)は、「雄の胸の褐色帯は雌より細く淡い。雌の胸の褐色帯は雄より濃く太い。若鳥は雌でも胸の褐色帯が淡く雌雄の識別は困難」と報告しています。叶内(2020)は、「雄成鳥の胸の帯は細く目立たない。雌成鳥の胸の帯は太い。幼鳥の胸の褐色部は多少ある」榊原・森・佐藤(2021)が「成鳥は後頸から上尾筒までの体の上面と雨覆は暗褐色で、頭頸部と体の下面が白い。雌は胸の黒斑が濃く、雄は胸の黒斑が薄い傾向がある。しかし黒斑の濃い雄もいるため、雌雄の判定には注意が必要」と指摘しています。(図鑑・文献の記述から)ミサゴ成鳥雄にはいくつかのタイプが存在していると整理することができます。(1)胸の中央にほとんど黒色斑がなく茶褐色のシミのように見える雄(2)胸側に黒色斑が少しあるだけの雄(3)胸側に斑がまったくない雄また、ミサゴ成鳥雌については、胸は一様な暗褐色または暗茶褐色と整理することができます。最後に若鳥については、胸の褐色部は多少ある、雌でも胸の褐色帯は淡く雌雄の識別は困難と見解が分かれるので決め手にかけます。これからも野外で丁寧に観察していく必要があると痛感しました。(写真について)一枚目の写真は2017年9月3日の茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。永井(2014)、叶内(2020)で雌と記されているものと同様に褐色帯は濃く太い個体です。二枚目の写真は、2022年10月24日に谷津干潟で観察・撮影した個体です。ほぼ一枚目と同様ですが、頭が白く目立ちますので雌若鳥ではないかと思われます。三枚目は2015年3月28日に茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。胸の褐色帯は二枚目の個体に比べると細い感じがします。四枚目は、2017年7月8日に茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。胸の帯は淡く若鳥ではないかと思われます。(引用)森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p10-21.文一総合出版.永井真人.2014.野鳥図鑑670.p28.文一総合出版.叶内拓哉.2020.フィールド図鑑日本の野鳥.p210-211.文一総合出版.榊原貴之・森 航大・佐藤和人.2021.ミサゴ.Bird Research News.2021年5月.p1-2.
2023.08.29
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昨日、都内でサンコウチョウの姿を見かけたと鳥友からニュースをもらい、現地に出かけました。シジュウカラ、コゲラと一緒に行動していた聞いていましたので声がする都度双眼鏡で探索しましたが姿を目撃できず。しかし、帰り道の途中、実のなっている木のあるエリアでシジュウカラ7羽、エナガ2羽、コゲラ1羽と一緒に移動しているシジュウカラよりもやや大きく尾が短い小鳥を発見しましたが、双眼鏡で捕捉できず。サンコウチョウとは同定できず、残念でした。昼もすぎて最寄り駅まで移動しようと歩きだすと、水上を飛行し穂先に止まるトンボを発見しました。腹部の先端にうちわを広げたような突起があるサナエトンボです。自分の縄張りのパトロールを見晴らしのよい場所で行うトンボだと聞いています。さらに、水面の杭で休むカワウ、水際で魚をねらっているアオサギ、ダイサギ。ダイサギのねらいを定めてえいっと水の中に嘴を突っ込み採餌ショーは見事でした。(写真)2023年8月28日撮影
2023.08.28
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アメリカウズラシギはシベリア北部や北アメリカ大陸の北部で繁殖し、南アメリカ大陸南部やオーストラリアで越冬するとされています。秋、ごく少数が日本に立ち寄ります。かつて茨城県南部の水田地帯にあった休耕田に2011年7月に飛来しました。どこかで再会できたらと思いつつ、特徴とウズラシギとの違いを整理してみました。(観察したアメリカウズラシギの特徴)一枚目から三枚目の写真は、2011年7月23日に茨城県河内町古河林で観察・撮影した個体です。喉から胸まで密に縦斑がありました。腹以下は斑はなく、境界線ははっきりとしていました。また、肩羽の羽縁に白色が目立ちました。眉斑には褐色斑が入っており、ウズラシギの眉斑のような白さは目立ちません。前記のことからアメリカウズラシギ幼鳥と思われました。(ウズラシギの羽衣)四枚目は2021年9月24日に茨城県稲敷市で観察撮影した個体です。上面の各羽に黒褐色の軸斑があり灰褐色の羽縁があることから冬羽に換羽しているものと思われます。五枚目は、2021年10月18日に茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。白い眉斑、胸に赤褐色味があること、下腹に縦斑があることから若鳥と思われます。六枚目は、2019年9月24日に茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。胸が明るい橙褐色で縦斑が少ないので若鳥と思われます。
2023.08.27
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23日にコウノトリ2羽の放鳥がありましたが直後に雌のココが高圧鉄塔付近に落下し、死亡するという痛ましい事故がありました。しかし、雌のマメは無事に飛び立ちその後どうしているかと思い、現地に出かけました。現地に到着すると、稲が熟し始めており、その一角にコウノトリの姿を見つけました。距離200m以上あり、なかなか個体識別まで至りませんでした。しかし、マメであれば風切が褐色がかっているはずですが、真っ黒で成鳥でした。足環も左が黄色と黒色、右が黄色と黄色の組み合わせに見えたので2017年6月に放鳥されたヤマトではないかと思われました。このほか、サシバ若鳥、トビ、鳴き交わしながら上空を旋回していたチョウゲンボウも目撃しました。帰り道、柏の葉キャンパス駅近郊の調整池に立ち寄ったところ、クサシギ夏羽の姿を発見。酷暑で水の中に全身を浸している姿を観察。胸の縦斑、上面の白い斑が素敵でした。(写真)2023年8月26日撮影
2023.08.26
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オフィスのある柏市内の公園を散策し木陰で休んでいましたら、木の切り株に黄緑色のハラビロカマキリが近寄ってきました。暖かい地方に多い種類と聞いていたのでまさか柏市内で目撃するとは思いませんでした。帰宅後、フィールドノートを見返し、カマキリを捕食する鳥類の記録を復習。オフィスの近くの公園でカマキリの卵を食べていたシジュウカラ、手賀沼沿岸の谷津田でサシバ成鳥が捕食していたこと、ヒヨドリがヒナに与える餌としてカマキリを食べやすくするのに砕いていたことなどが記されていました。カマキリ類の卵をスポンジ状の保護材で包んだ卵嚢を捕食する鳥類について文献を調べてみました。赤塚(2006)は、岐阜県南部および愛知県で2005年3月から6月の間で調査結果と文献に報告されている結果を報告しています。それによると、捕食鳥類ではシジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、ハシボソガラス、カケスの報告があると記しています。くわえて、赤塚(2006)は、鳥類と卵雲や繭における捕食被捕食関係は、特別な事例ではないものの研究は少ないと指摘しています。フィールドで見かける鳥たちの行動、もっと注目したいと思いました。(引用)赤塚隆幸.2006.鳥類によるオオカマキリの卵雲に対する捕食.Strix.第24巻.pp69-75.日本野鳥の会.(写真:カマキリの捕食とは直接関連はありません)カマキリ:2023年8月25日撮影サシバ:2023年6月手賀沼沿岸、シジュウカラ:2023年1月柏市内、ヤマガラ:2023年2月柏市内で観察・撮影
2023.08.25
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子育てが終了した後に再びイソヒヨドリ雄が東葛地区の駅前に帰還しました。雌の姿はありませんが、その縄張り防衛の様子を観察してきました。駅前に到着すると、雄が高さ30M前後の商業施設の屋上の一角で囀りをしていました。ヒーリーリーと涼しい声が響き渡っていました。縄張りを宣言した後は、丁寧に羽づくろいを行い今度は駅をはさんで反対側にある商業施設のテレビアンテナに移動して囀り、さらに駅上空を飛翔し反対側の商業施設の携帯電話基地局のアンテナに移動。天敵のカラスがいないかを点検しているようてでした。(写真)2023年8月24日撮影
2023.08.24
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今朝、オフィスの近郊の公園に散策にでかけた時、ムクドリ60羽前後の群れが芝生の上に飛来したと思ったら、何羽かが座りこむもの、横たわるもの、翼や尾を広げて太陽の光に当てている光景を目撃しました。一般的には暖まることによって体温を調節する、太陽光線の働きでビタミンDを作る、羽毛を暖め脂を行き渡りやすくする、皮膚の健康に役立つと言われています。本当のところは?(写真)2023年8月23日撮影
2023.08.23
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中型のシギの中でスマートなアオアシシギとコアオアシシギはファンの多い種類です。画像とその特徴をアップしたものを提供します。(アオアシシギ)(1)夏羽一枚目の写真は、2017年5月17日に千葉県印西市、二枚目は2017年7月31日に茨城県稲敷市で観察・撮影した夏羽です。上面は軸斑などの黒色が多く、胸から喉まで斑が密にあります。長い嘴はすこし上方向に反っています。(2)冬羽三枚目の写真は、2016年9月10日に茨城県稲敷市で観察・撮影した冬羽です。上面は灰褐色で羽縁が白く、丸みがあるのが特徴です。(3)幼羽四枚目の写真は、2018年8月26日に千葉県印西市で観察・撮影した幼羽です。上面は灰黒褐色で各羽に白い羽縁があります。各羽の先端が尖り気味に見え成鳥のような丸みがありません。(コアオアシシギ)嘴は針のように細く尖り、アオアシシギのように嘴が上方向には反っていません。(1)幼羽五枚目の写真は、2018年8月26日に千葉県印西市で観察・撮影した幼羽です。上面は黒褐色の軸斑が目立ちます。褐色味が強いことから幼羽初期の個体ではないかと思われます。六枚目の写真は、2019年9月15日に茨城県稲敷市で観察・撮影した幼羽です。下面の白さが目立ちます。(2)幼羽から換羽している個体七枚目の写真は、2017年9月3日に茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。上面が灰色味が強く、下面は白く見えました。(3)幼羽から第一回冬羽に換羽中の個体八枚目の写真は、2018年10月6日に茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。三列風切に幼羽が残っていることから幼羽から第一回冬羽に換羽中のものと思われます。
2023.08.23
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三番瀬はシギ・チドリファンに大人気のフィールドですが、ウミネコの羽衣のいろいろを観察できる探鳥地でもあります。昨日も幼羽、第一回冬羽、夏羽、夏羽から冬羽に換羽中の個体を見かけました。昨日と過去の画像の写真をアップし、特徴をおさらいしてみました。なお、撮影地はいずれも三番瀬です。(幼羽)一枚目の写真は、昨日観察した幼羽です。全身が黒褐色で上面には鱗状の模様があります。虹彩は黒いです(成鳥は黄白色、第二回冬羽はやや暗さのある黄色)(第一回冬羽)二枚目の写真は、昨日観察した幼羽が第一回冬羽に換羽中と思われる個体です。嘴がピンクがかっており先端が黒色です。全体に褐色がかりますが、肩羽に変化があり少したつと灰色に変化するのではないかと思います。(成鳥)三枚目の写真は、2021年8月11日に観察した成鳥です。嘴の先端から赤、黒、黄色となり、虹彩は黄白色、頭が白くなっています。四枚目の写真は、2020年8月10日に観察した成鳥です。後頭が灰色がかっていて夏羽から冬羽に換羽がはじまった個体と思われます。五枚目の写真は2017年8月6日に観察した成鳥です。ほぼ三枚目の個体と同様ですが、後頭がそばかす状で成鳥冬羽に換羽中ではないかと思われます。六枚目の写真は2018年8月11日に観察した成鳥で、四枚目と同様に後頭が灰色っぽく変化していますので冬羽に換羽中の個体と思われます。
2023.08.22
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中潮で干潮が13時すぎ。それにあわせて船橋市潮見町の三番瀬を訪ねました。干潟と海の境目で水の中に入って水浴びをしているダイゼンとの出会いでスタート。ダイゼンは上面の各羽の羽縁が白色の第一回冬羽、上面がまだら模様の成鳥、続いてメダイチドリの成鳥、夏羽から冬羽に換羽中の個体、第一回冬羽を発見。嘴が長く見えた個体もよく見ると頭が平べったくオオメダイチドリとは違いがありました。このほか、波打ち際で餌を物色していたオオソリハシシギ、ミヤコドリ、ダイサギ、ソリハシシギ、キアシシギ、干潟で羽をやすめていたウミネコ幼羽、第一回冬羽を観察しました。(写真)2023年8月21日撮影
2023.08.21
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鳥友から8月に入って商業施設の屋上付近からイソヒヨドリ雄が囀っているとニュースをもらいショッピングを兼ねて先週現地に立ち寄ってみました。15日午後、16日午前とヒーリーリーと囀りを観察しました。今シーズンも子育てを行い、7月には一旦姿を見なくなったので移動したものと思っていました。ところが酷暑が続く中、イソヒヨドリは全くお構いなしで涼し気囀り。商業施設の高いところをソングポストとし、高い位置で囀ることでなわばり防衛に当たっているものと思われます。なお、今回は雌は見かけずでした。伊澤・松井(2011)はイソヒヨドリの生態、習性などの知見や観察結果を整理し報告しています。その中で、「オスは周年なわばりを維持する.なわばりの維持は,さえずり(テリトリーコール),実際の追い掛け,追い出し行動によってなされる」と報告していますから珍しいことではないものと思われますが、まさかこの酷暑下で遭遇するとは思いませんでした。(引用)伊澤雅子・松井 晋.2011.イソヒヨドリ 周年維持されるオスのなわばり.Bird Research News Vol.8 No.8.p5.(写真)2023年4月、2022年4月いずれも柏市内で撮影
2023.08.20
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昨日、谷津干潟で遭遇したオオメダイチドリと過去で出会った個体の復習です。一枚目と二枚目は、昨日観察した個体です。頭頂にの丸みがあり、嘴と足がメダイチドリより明らかに長く、上面の羽縁が白いので第一回冬羽と思われました。三枚目は2020年9月5日に三番瀬で観察・撮影した第一回冬羽です。頭頂の丸み、嘴と足の長さ、上面の羽縁の白さにくわえて足が黄緑色です。(メダイチドリは、頭頂が平たく足は黒色で嘴は短く太い)四枚目(2020年8月21日三番瀬)、五枚目(2017年8月11日谷津干潟)は成鳥夏羽が冬羽に換羽中の個体です。
2023.08.19
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先月27日にその姿を目撃して以来、姿を見かけずじまいりヒメアマツバメ、三カ所ある巣(寝床?)は補修されており、造巣を継続中です。しかし、主がその中に入っている姿は確認できずにいます。一枚目、二枚目は同じエリアで造巣中、三枚目は隣の町会にある造巣中のもの。造巣期間は著しく長く,1歳のペアで約5か月、2歳以上のペアで約2か月かかるとは聞いているけれどいつになったら使うのだろうと思っています。(写真)一枚目から三枚目は2023年8月19日、四枚目は2023年6月10日撮影
2023.08.19
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16日に引き続き、谷津干潟を訪ねました。というのも前回干潟に飛来していると耳にしていたオオメダイチドリと出会えず、リベンジのためです。観察センター内のカフェで昼食をとった後、遊歩道をすすみ探索していましたら、他のコチドリ、メダイチドリと比べて足早の干潟を移動しているチドリを発見。その姿を捕捉すると、嘴と足がメダイチドリより明らかに長く、上面の羽縁が白いオオメダイチドリ第一回冬羽でした。このほか、メダイチドリ、コチドリ、ダイゼン、キョウジョシギ、キアシシギ、ウミネコを観察。(写真)2023年8月18日撮影
2023.08.18
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そろそろ、谷津干潟、三番瀬、茨城県南部の水田地帯などにキリアイが姿を見せる時期になります。その羽衣のいろいろを復習していました。(1)独特の顔つき頭側線が眉斑と上の白線の間にあり白い眉斑が2つに分かれるように見えます。嘴は長くて幅の広く、先端付近で下に曲がります。五枚目(2012年9月1日谷津干潟)、六枚目(2016年8月14日谷津干潟)の写真は、眉斑、頭側線、頭央線の特徴を理解していただくためにアップしました。(2)成鳥夏羽一枚目の写真は2021年8月28日に茨城県稲敷市、二枚目は2015年9月12日に谷津干潟で観察・撮影した成鳥です。夏羽は軸斑が黒褐色で白い羽縁と赤褐色の羽縁があります。背にV字に見える白線があります。8月後半で見かける夏羽後期の個体では羽縁が摩耗し全体に黒ずんでいきます。三枚目の写真(2016年9月3日三番瀬で観察・撮影)のように成鳥は胸から脇にかけて縦斑があります。(3)幼羽から第一回冬羽に換羽中写真は2021年9月24日に茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。肩羽に灰白色の羽が出ています。
2023.08.17
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台風6号の影響で昨日まではフィールドに出かけるのを断念していましたが、朝から青空が広がり千葉県習志野市の谷津干潟に出かけました。干潮の一時間前の10時に現地に到着し、干潟を見ると津田沼高校前に干潟が登場しはじめており、メダイチドリ、ダイゼン、キョウジョシギ、キアシシギ、ソリハシシギの群れが降り立つのが見えました。特に楽しかったのが、メダイチドリの羽衣のいろいろを観察できたことです。頭上から後頸から胸がオレンジ色の成鳥夏羽、夏羽らしさが残っているものの摩耗が進行し色味が薄く、頸の部分の色の境界線もなくなっている摩耗した夏羽、後頸部が白く抜けなていない若鳥、左脚に青色のフラッグを装着していた成鳥夏羽から冬羽に換羽がはじまった個体とそれはいろいろな羽衣を観察。このほか、ダイゼン、キョウジョシギ、カルガモ、越夏したと思われるススガモを観察。(写真)2023年8月16日撮影
2023.08.16
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三番瀬で姿を観察できるミヤコドリ、1970年代までは限られた個体が日本に飛来していましたが東京湾、伊勢湾を中心に飛来する個体数がふえ、三番瀬では越夏するものも観察されています。澤(2016)は、ミヤコドリの形態、羽色、分布、興味深い生態などについて知見や文献に報告されている内容を整理し報告しています。中でも興味深いのが、個体による嘴の形状の違いで採餌方法や餌を特化させていること、オスの方が嘴が太く、二枚貝を採餌する割合が高いこと、内陸部で繁殖する個体では尖った形状の嘴を持つと指摘している点です。澤(2016)は、「二枚貝を主食としているが,その採餌方法は多彩である。個体により嘴の形状が異なっており,採餌方法や餌を特化させていると考えられている。例えば,嘴の先端が細く尖った形状をしている個体は、砂や干潟をつついてゴカイ類や砂の深場に潜っている貝殻の比較的柔らかい二枚貝を採餌するのに適しており、先端が鈍く幅が太い嘴を持った個体は、貝殻を嘴で叩いて突き破り、そこから嘴を差し込んで閉殻筋(貝柱)を裁断する採餌方法に適していて、そのような採餌をおこなうことが多い」と述べ、さらに「オスのほうが嘴が太く、メスよりも二枚貝を採餌する割合も高いことや,内陸部で繁殖する個体は尖った形状の嘴を持つものが多い」と述べています。(引用)澤 祐介.2016.ミヤコドリ 嘴の形状と食性の関係は.Bird Research News Vol.13 No.12.p1-2.(写真)一枚目:2019年8月31日三番瀬で観察・撮影:嘴が太く雄と思われます。二枚目:2017年3月5日三番瀬で観察・撮影:一枚目に比べて嘴が細く雌と思われます。三枚目:2018年8月1日三番瀬で観察・撮影上面の羽縁が白っぽく若鳥と思われます。四枚目:2017年8月6日三番瀬で観察・撮影手前の個体は上面が褐色を帯び、羽縁が白っぽいので若鳥だと思います。五枚目:2023年3月11日三番瀬で観察・撮影成鳥で干潟に勢いよく嘴を突き刺していた光景です。
2023.08.15
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フィールドでカワウが翼を広げているのを指して、ポーズをとっていると市民の方が話しをしていらっしゃるのを耳にしました。しかし、その行動は、翼を広げて乾かしている行動です。カワウは潜水を繰り返して魚を捕獲しますが、羽はあまり水をはじきません。カワウは尾脂腺があまり発達していないので羽毛が水を吸いやすく羽毛のなかには空気を溜められないという特徴があります。山本(2008)が述べているように、水のしみこみやすい性質は体に働く浮力が減少し潜水する時のエネルギー量が少なくてすむというメリットがあります。その反面、水がしみこみやすい羽毛は保温性が悪いので水中での体温維持のため1日500gもの餌を必要となっています。(引用)山本麻希.2008.カワウってどんな鳥..全国内水面漁業協同組合連合会.pp49.(写真)2018年8月18日谷津干潟、2020年5月5日水元公園、2021年2月22日銚子市で撮影
2023.08.14
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これから秋になると、サルハマシギが単独か数羽で干潟に渡来します。ハマシギとサルハマシギは、嘴が長くて下方に湾曲しているなど、似ているので識別がむずかしいと耳にします。ハマシギ第一回冬羽とサルハマシギ幼羽を比較し、特徴を復習してみます。(1)サルハマシギ幼羽一枚目から三枚目の写真は、2014年4月29日に谷津干潟で観察・撮影したサルハマシギ幼羽です。上面は灰色でハマシギよりも足が長く見えます。サルハマシギの嘴はハマシギに比べると緩やかに下方に湾曲し、先端部分がより細いのが特徴です。(2)ハマシギ第一回冬羽四枚目は2014年9月14日三番瀬、五枚目は2020年12月28日浦安市で観察した第一回冬羽です。上面は灰褐色で各羽縁が白色です。サルハマシギに比べると嘴の湾曲は小さく、足も短く見えます。なお、ハマシギでも嘴の長い個体を見かけると耳にしたこともあるので嘴の長さでなく形状に注意するのが大切だと思います。
2023.08.13
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昨日、埼玉県越谷市の大相模調整池を訪ねました。池の北側にはビオトープがあり、水鳥たちが子育てをしています。クイナ科バンの若鳥が岸に近いエリアで鳴き声をあげながら草陰を移動している姿を見せたと思ったら、成鳥ペアは近くの水面を仲睦まじく移動。市民の方からどうしてあの鳥は、前のめりでぎこちない感じで移動するのでしようかと質問をもらいました。バンの足には水かきがないので泳ぎは苦手で、前のめりで反動をつけるように頭を前後に振って泳ぐので他の水鳥と比べるとぎちちない動きに見えるのですとお話しすると納得いただけた様子でした。このほか、カワウの成鳥、若鳥の姿や酷暑の中でも餌を探して移動するハクセキレイの姿を観察しました。先月、姿があったコアジサシは、今日は確認できずでした。(写真)2023年8月12日撮影(バンのうち2枚は2021年7月撮影のもの))
2023.08.12
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今月下旬頃から公園などにカッコウ科の鳥類が姿を見せ始めます。よく見かけるツツドリの成鳥と幼鳥の識別のポイントを紹介します。(1)幼鳥頭部から上面が黒灰色で淡色の羽縁があります。体下面は白くて黒褐色の横縞があります。光彩は暗黄褐色。一枚目の写真は2012年10月6日柏市内、二枚目は2018年10月18日水元公園で撮影(2)成鳥写真は、2015年9月2日千葉県野田市で観察・撮影した成鳥です。頭部は濃い青灰色で黄色のアイリングがあります。虹彩は黄色または黄褐色。嘴は黒褐色で下嘴基部に黄色味があります。(カッコウは基部に黄色味、ホトトギスは下嘴基部に黄色味)
2023.08.11
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8月に入り、茨城県南部のシギ・チドリを探しに出かけました。例年と比べると空いている蓮田がほとんどなく、いたるところに防鳥ネットがはられていてシギ・チドリが降り立つ場所がほとんどない状態でした。そんな状態でも、コチドリが鳴きながら移動したり、クサシギ夏羽が蓮田の水面を泳いでいる光景を目撃しました。また、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、アオサギが60羽前後の群れで餌を物色する姿を目撃。クサシギは、胸に縦斑がある夏羽でした。他のフィールドではなかなかお目にかかれないのですが、ここでは頻繁に出会うことができます。参考までに、夏羽から冬羽に換羽している個体の写真をアップします。頭から胸が遠目には一様な暗色に見えます(接近してみると縦斑なのですが、遠目には一様に見えます)(写真)2023年8月10日撮影(クサシギ夏羽から冬羽に換羽中は2017年9月3日撮影)
2023.08.10
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鳥友より暮らす町に飛来するツバメの仲間について姿、巣の形、鳴き声などについて問い合わせをもらいました。ツバメ科のツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ、アマツバメ科ヒメアマツバメをツバメ類と括り整理したものを提供します。これから、8月から9月は渡りの途中のショウドウツバメ、ツバメの塒入りを見かける時期でもあり参考となったら幸いです。(1)外観a.ツバメ:喉とおでこが赤く、尾が長い、お腹が白いのが特徴です。(亜種:アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)は胸から腹にかけて薄茶から茶色までバリーエーションがあります)b.イワツバメ:腰の部分が白く、尾が短い。お腹が白く、羽が短いのが特徴です。c.ヒメアマツバメ:喉と腰が白く、尾が短い。お腹が黒く、羽が長いのが特徴です。d.コシアカツバメ:腰と目の後ろが赤茶色で尾が長い。お腹と胸に縦斑があります。e.ショウドウツバメ:喉から体下面は白く、胸に褐色の帯状の斑があります。(2)巣a.ツバメ:お椀型です。b.イワツバメ:お椀型です。c.ヒメアマツバメ:羽毛を壁面に唾液で貼り付けた作ります。d.コシアカツバメ:とっくり型です。e.ショウドウツバメ:繁殖している北海道では崖に巣穴を作ります。(3)鳴き声a.ツバメ:チィチュロリ、チュリチュリ、ジュリb.イワツバメ:ジュリジュリ、ピィピィ(早口で濁った声です)c.ヒメアマツバメ:止まっている時はチュリリリリ、チュリリリリdコシアカツバメ:ジョイジョイ、チュリチュリイ、ジョイジュイe.ショウドウツバメ:ジュジュ、ジュクジュク(にぎやかな声)(写真)ツバメ:2023年5月30日、6月6日柏市内で撮影イワツバメ:2018年6月24日柏市内、2019年4月21日柏市内ヒメアマツバメ:2023年5月30日柏市内で撮影コシアカツバメ:2023年5月24日茨城県筑波山麓で撮影ショドウツバメ:2019年7月28日茨城県稲敷市で撮影
2023.08.09
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ホームグランド手賀沼沿岸を探索しました。今日のお目立ては、先月29日以降、姿を見かけている亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)の沿岸での個体数の把握です。29日に観察した谷津田の一角に1羽の姿があり、亜種ツバメ(Hirundo rusutica gutturalis)が群れで電線に止まっているのに一羽だけ離れて止まっていました。胸から腹にかけて薄茶でした。一昨年2021年8月22日に観察した個体が胸から腹が赤茶だったのに比べると色が薄い個体でした。この谷津田では、今シーズン子育てをしたカワセミが鳴きながら登場。その後立ち寄った谷津田で、びっくりする光景を目にしました。電線にツバメ32羽が止まっている姿を見ていたら、その下の道路に12羽のツバメが横たわっているのを発見。完全にお腹を見せてひっくり返っている個体もいて暑さで集団熱中症かと思ったら、起き上がり12羽とも飛翔し電線に戻っていきました。(写真)2023年8月8日撮影(1枚は2021年8月22日観察の亜種アカハラツバメ)
2023.08.08
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ツミの若鳥たちが誕生した林が宅地造成で木が伐採され、帰る場所を失ったツミ家族は、近郊の公園の一角に移動しました。その様子を見守ってきましたが、先月25日以降姿が確認できないままとなっています。若鳥4羽の命をつなぐ獲物を獲得するには無理だったようで移動したものと思います。さて、公園内を散策してみると、野鳥たちが好む実のなる木があるのを発見。モクレン科コブシ(握りこぶし状の実がつきます。袋果の集合体で熟すと破れ赤い手指が垂れ下がります。アオゲラ、ヒヨドリ、カラス類が好むとされています)、ミズキ科ヤマボウシ(赤く熟しムクドリ、オナガがつつく)、ニレ科エノキ(茶色に熟しツグミ類、メジロ、アトリ類が採食するとされています)などを見つけました。自分で餌をとるようになったシジュウカラ幼鳥が、幼鳥だけの5羽程度の群れを作り、木々を移動し、小さな木の実をついばんでいました。また、ムクドリ約40羽前後の群れが地面でセミや昆虫を採食する姿を見つけました。これから秋到来となってどんな鳥たちが立ち寄っていくのか、楽しみです。(写真)2023年8月7日撮影(ツミは2023年7月25日撮影、アオゲラは2016年12月に栃木県で撮影)
2023.08.07
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鳥友からキアシシギの成鳥と若鳥などのの識別について質問があり、画像と識別のポイントを整理しました。(1)成鳥夏羽写真は2020年8月10日に三番瀬で観察・撮影した成鳥夏羽です。頭から上面が灰褐色で過眼線は黒褐色、眉斑と下面は白くて額と頚には灰褐色の横斑があります。嘴基部は黒褐色ですが、下嘴は淡色です。翼は尾を突出しない個体が多いと解説している図鑑もありますが、同長のような印象でした。(2)若鳥写真は2021年9月6日に谷津干潟で観察・撮影した幼鳥です。上面が成鳥に比べて灰色味があり小さな白斑が点在しています。眉斑が成鳥に比べて白く見えました。(3)第一回夏羽と思われれる個体写真は2021年9月6日に谷津干潟で観察・撮影した個体です。雨覆に摩耗した幼羽があり、上面に白斑が点在していないことから幼羽から第一回夏羽に換羽中の個体ではないかと思われます。(4)嘴の溝の長さ写真は2023年8月3日谷津干潟で観察・撮影した個体です。キアシシギの嘴の鼻孔から続く溝の長さは、嘴の二分の一程度です。適切な写真がないのでアップできませんが、メリケンキアシシギは嘴の三分の二程度の溝の長さがあります。両種の識別では確認しておきたいポイントです。
2023.08.06
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そろそろ、干潟でハマシギと出会える時期を迎えます。ハマシギで日本に渡ってくる亜種は主に亜種ハマシギ( Calidris alpina sakhalina )とされ、その他にもいくつかの亜種が少数渡来していると言われています。主な羽衣の画像と特徴を整理してみました。(1)夏羽一枚目は、2014年5月4日に谷津干潟で記録した夏羽です。ハマシギ成鳥夏羽は腹部に大きな黒斑が出るのが他種との違いです。また、頭と背に赤褐色の地に黒褐色の斑があり、顔から胸にかけて白っぽく細い縦斑があります。(2)夏羽から冬羽に換羽中二枚目は2016年9月3日に三番瀬で観察した個体です。腹が黒く、肩羽に赤褐色の羽が残り、肩羽に黒褐色の軸斑がないので夏羽から冬羽に換羽中の個体と思われます。(3)第一回冬羽2010年2月6日に千葉県片貝海岸で記録した個体です。写真ではわかりにくいと思いますが、雨覆と三列風切に幼羽が残っており、冬羽にある灰褐色で細い淡色の羽縁がないので、第一回冬羽と思われます。(4)冬羽2015年2月11日に三番瀬で観察した個体です。上面は一様に灰褐色で、下面は白くて斑はありません。
2023.08.05
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子育て中のバン、ホシゴイと呼ばれるゴイサギの幼鳥、などをじっくり観察しようと都内浮間公園に出かけました。現地に到着し水面に目をやると、鳴きながら親鳥を探して懸命に水面を移動しているバンのヒナが餌をねだる様子を目撃しました。また、日陰となっているエリアの水際に全体が褐色で白や黄褐色の斑が入るゴイサギの幼鳥「ホシゴイ」の姿を見つけました。(ササゴイ幼鳥とは虹彩の色の違い、背の色の違いがあります)ホシゴイの斑点模様は第一回夏羽(2年目の夏)まで、その後はほぼ成鳥と同じ様な羽衣に移行するとされ第三回冬羽で完全な成鳥となると言われています。虹彩の色も黄色から成鳥では赤く変化していきます。このほか、一昨年の繁殖期にも姿があったホシハジロエクリプス雄を見つけました。胸が褐色となり、嘴は黒っぽくなっていて冬の青灰色とは大違い。(写真)2023年8月4日撮影(ササゴイは6月26日同地で撮影)
2023.08.04
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干潮が昼過ぎなのでその時間帯にあわせ、千葉県習志野市の谷津干潟を訪ねました。到着直後は、三番瀬方面からメダイチドリ、キアシシなどが干潟に降り立ったばかりでした。酷暑の直射日光を避けることができるポイントからひたすら干潟中央に降り立ったシギ・チドリが接近してくれるのを待機。上面は白い羽縁が目立ち、胸から腹はバフ色のコオバシギ若鳥2羽を発見しました。このほか、メダイチドリ、ダイゼン、キアシシギの姿もその近くに。このうち、比較的近い距離まで移動してくれたのは、キアシシギのみでした。観察していた習志野市側にはボラの群れを狙って視線をむけていたアオサギ、三番瀬方面から干潟に降り立ったウミネコ、観察センター側から飛翔してきたカワセミが観察ポイント近くに登場してくれたのみでした。(写真)2023年8月3日撮影(コオバシギの拡大したものは2013年9月撮影のもの)
2023.08.03
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先月末に姿を目撃したヒメアマツバメの様子を見に柏の葉キャンパス駅近郊に出かけました。でも、今朝はその姿は確認できず。しかし、ツバメの群れ40羽程度の中に腹部の赤いツバメを発見しました。腹部すべてが赤いのではなく脇腹が赤さび色を帯びていました。手賀沼沿岸で姿を観察したアカハラツバメのような印象でした。このほか、調整池で魚を捕獲し、飲み込むに四苦八苦していたダイサギ、涼しい水に浸かって凛とした姿勢でいたカワウの姿を観察しました。(写真)2023年8月2日撮影
2023.08.02
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手賀沼沿岸や柏の葉キャンパス近郊などで何度も子育てをしているツバメのペアを見ていると、雄の喉部の赤い毛の面積がある個体がほとんどです。雌に好まれる雄の特徴にはどんなものがあるのかと文献を調べてみました山口(2012)は、ツバメの配偶者防衛行動、交尾行動、雌の浮気のモチベーションを反映した行動について観察・調査を行った結果を報告しています。雌ら好まれる雄の形質として、太り具合(体調がよい)、喉部の赤い羽毛の面積を持つ雄がつがい相手としての雌に好まれることが明らかになったと述べています。注目されるのは、雌は喉部の赤い羽毛の面積が小さい雄と番となった際に雄による配偶者防衛行動からよく逃げ出し、つがい外配偶行動を求めることが明らかになったと報告している点です。このような雌はつがい外子を残していること、つがい外配偶をより多く求める雌とつがいとなった雄は給餌努力を減らすことが確認されたとも記しています。研究者の間では、雌雄間の対立が影響しあうことを示したはじめての研究と評されています。(引用)山口 典之.2012.つがい外配偶に起因する繁殖時期決定に関する雌雄間の対立.科学研究費助成事業研究報告書.pp6.(写真)2021年8月22日手賀沼沿岸、2007年6月2日柏市内で撮影
2023.08.01
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一昨日ホームグランド手賀沼と沿岸地区を探索し、コムクドリ17羽に出会いました。時間帯をかえて見てみようと同じポイントに出向きました。到着直後はツバメ30羽程度が電線に止まっているのみでしたがコムクドリ若鳥が登場。嘴は黒く基部の肉色、胸に縦斑があるのがよくわかりました。圧巻は、翼付け根の肉厚なこと。ムクドリのそれと比べても別物の迫力でした。(写真)2023年7月31日撮影
2023.07.31
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昨日、手賀沼沿岸でコムクドリ17羽の群れを目撃しました。帰宅後、亭主と2005年長野県で開催された日本鳥学会で北海道東海大学の竹中万紀子さんが口頭発表なさったコムクドリ雄の頭部栗色斑の大きさ、模様、形状の講演内容を思い出していました。竹中さんは、2004年までコムクドリ雄の頭部羽色の追跡調査を実施しとの結果を報告しています。それによると、頭部栗色斑は加齢と共に頭部栗色斑が拡大する可能性は低いが、栗色斑は雄の繁殖行動の特徴を示している可能性が高いと述べています。具体的には、栗色部分が最も小さく、両頬に斑状に分布する個体のほうが一夫二妻になる個体が多く、逆に頬斑の面積が広く頭全体をえりまきのようにとりまいている個体では一夫二妻となる個体は観察されなかったとするものでした。また、抱卵期と育雛初期に着目してみると、両頬に栗色斑が分布している個体は営巣への貢献度が低く、頬斑が広い個体は配偶相手と同等の時間を抱卵に割いていたと興味深い内容を指摘しています。あわせて、コムクドリでは雄が2番目の配偶者を得る時期は1番目の巣の抱卵期が多く、第一雌に抱卵を任せ第ニ雌を得ることに時間を割いている可能性があるとしています。これらのことは、頭部羽色パターンが子育ての協力度合いを示している可能性があると結んでいます。(引用)竹中万紀子.2005.コムクドリ雄の変異と繁殖行動.2005年日本鳥学会学会報告.(写真)2023年7月29日手賀沼沿岸で撮影
2023.07.30
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ホームグランド手賀沼と沿岸地区を探索しました。複数箇所の谷津田を中心に探索すると、サシバが上空を旋回する姿や三年連続でアカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)の姿、電線に17羽のコムクドリが飛来する姿を目撃しました。コムクドリは、若鳥主体で成鳥雄、雌数羽で構成されていました。頭部が淡いクリーム色で耳羽後方に茶色の斑がある成鳥雄、頭部がクリーム色で背と肩羽、腰が灰褐色の雌、嘴が黒く基部が肉色で胸に縦斑のある若鳥をしっかり観察できました。若鳥は後ろを振り返ったときの感じがツバメチドリ似のスタイルでした。(写真)2023年7月29日撮影(コムクドリとアカハラツバメ、ムクドリをアップします。コムクドリとムクドリの嘴を対比して御覧ください)
2023.07.29
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今朝、公園を探索していたら、2羽のハシブトガラスが木陰で長時間休んでいる姿を目撃しました。過日もハシボソガラスが地面に横ばいになっている姿を見ていたお子さんがカラスが死んでると教えてもらいました。でも、覗き込み撮影をしていたらすぐに立ち上がり生きているよとばかりに鳴き声をあげてくれました。獣医師の鳥友に聞くと、鳥類の体温は一般に40~42度の範囲で、多くの哺乳類より数度高いのだそうです。体温が高いのは、新陳代謝を促進させて空を飛ぶという激しい運動に伴う大きなエネルギーを得るためなのだそうです。自動車に例えると直ちに高速回転できるように常時アイドリング状態を保つ役割なのだそうです。鳥類は、パンティング(あえぎ呼吸)で熱を蒸発させるので口をあけて浅く早い呼吸を行い、気道からの蒸発を活発して熱の発散を行っているのだと教えてもらいました。なお、パンティング以外にも体温を下げるさまざまな機構があり、羽毛におおわれていない足の表面温度はぐっと低く、コウノトリの場合、体温40度に対して足は15度程度で足は放熱に重要な役割を果たしているのだそうです。(写真)2023年7月28日、7月17日撮影
2023.07.28
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三番瀬や谷津干潟にオオメダイチドリが飛来する時期になります。干潟でメダイチドリの違いを整理してみました。(嘴と足の長さ)真横から見て嘴の長さに注目してみるのが見分けのポイントです。真横から見ないと嘴が短くみえ誤認する可能性が高いものと思います。足についても明らかにメダイチドリに比べて長いのが特徴です。(その他)オオメダイチドリの頭頂には丸みがあります。メダイチドリの頭頂は平たいので嘴と足の長さを観察した後は確認したいポイントです。(オオメダイチドリの写真から)一枚目から三枚が2016年8月7日に三番瀬で観察したオオメダイチドリです。上面の羽縁が白いので幼羽から第一回冬羽に換羽中の個体と思われます。四枚目は2019年8月31日三番瀬で観察したオオメダイチドリです。上面の羽縁が白いないことから第一回冬羽と思われます。(メダイチドリ)五枚目の写真は、2020年9月5日に三番瀬で観察したメダイチドリです。翼の羽縁がバフ色で鱗状に見えるので若鳥と思われます。頭頂は平たいのがおわかりいただけるものと思います。
2023.07.28
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二か月ぶりに柏の葉キャンパス駅近郊のヒメアマツバメの様子を見に出かけました。造巣しているのは三ヶ所ありましたが一ヶ所のみ塒として使っているほかは作りかけの状態でした。上空を一羽は飛翔していて待機していると、巣に端にへばりついて休憩する姿を目撃しました。一枚目、二枚目の写真がその時のものです。5月に巣に入り座り込んでいたので産卵かと思いきや、そのあと一向に産卵の気配はないまま推移しています。近くの商業施設ではツバメの三番子が誕生しもう少しで巣立ちのもの、巣立ちして施設の軒下で休んでいる幼鳥、電線にとまり我が子たちを見守る成鳥といろいろなタイプの姿を見つけました。このほか、カワラヒワの成鳥と下面に縦斑のある若鳥の姿を目撃しました。(写真)2023年7月27日撮影
2023.07.27
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鳥友からサギ科のヒナで成長の差が大きいのはどうしてかと質問をもらいました。チュウサギ、コサギ、ヨシゴイなどは非同時孵化の鳥類として知られています。第1卵から完全抱卵を開始するため、育雛初期は雛間の成長の差が大きく一腹の雛数が多い場合には、遅く孵化した雛が育たない場合もあります。アップした画像は、埼玉県越谷市で撮影したものですが、一枚目の右端の個体はほかのヒナたちよりも一回り以上小さいものでした。また、二枚目の写真の生まれたばかりのヒナ3羽の右端の個体が最も小さく、こんなに差があるのかと思いました。益子(2014)は、チュウサギの生態や行動に関する知見などを整理し報告しています。それによると、孵化日にずれが生じる非同時孵化の巣では、後に孵化したヒナは,先に孵化したヒナとの体サイズ差により、親からの餌をめぐる競争において孵化直後から不利な状況に置かれると記しています。さらに、非同時孵化は、親の餌供給量に見合ったヒナ数を生き残らせてヒナの全滅を回避する戦略と考えられコサギやアマサギでも同様のことがあると紹介しています。(引用文献)益子美由希.2014.チュウサギ 餌を巡る兄弟間の競争.Bird Research News Vol.11 No.3.p4-5.
2023.07.26
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若鳥たちが誕生した林が宅地造成で木が伐採され、帰る場所を失ったツミ家族は、近郊の公園の一角に移動しました。移住四日目の様子を見に出かけました。現地に到着すると、今朝は若鳥がセミを捕獲している光景からスタート。木の幹に飛来したセミを10分にみ満たない間隔でゲット。親鳥から餌をもらうだけだったのにその成長ぶりに目を見張ります。セミを食べる様子を見ていると、羽根をはずしその胴体から食べ始め、最後の足をたいらげて終了。お腹が満たされると木の幹に腰をおろしてウトウト。最後にアップした画像は、セミの羽が2枚、スズメの風切部分が1枚です。スズメを解体するときには羽毛をむしりそれから風切部分をむしり落とすのを発見しました。(写真)2023年7月25日撮影
2023.07.25
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シラサギは水辺の立姿が涼しげで、その繁殖期から夏の季語となっています。茨城県南部の広大な水田地帯を探索し、シラサギの姿を求めて歩きました。過日コウノトリ3羽の姿を目撃した水田の隣町にある利根町の水田ではシラサギ類、アオサギの姿を見つけました。一枚目はアマサギの夏羽から冬羽に換羽がスタートしている個体、二枚目は頭にオレンジ色がまばらに残っている夏羽から冬羽に換羽中の個体です。三枚目、四枚目はチュウサギ。三枚目の右が夏羽、左が嘴全体が黄色の若鳥と思われる個体。四枚目は羽づくろいをしていた光景です。五枚目は、コサギとアマサギの若鳥。アマサギ若鳥は額にオレンジ色はなく嘴の色が淡いのが特徴です。六枚目、七枚目はアオサギです。六枚目は全体が灰色で冠羽がある成鳥です。七枚目は冠羽はほとんどなく頚が灰色の若鳥です。八枚目は、途中で立ち寄った道の駅の電線に止まっていたツバメの若鳥です。(写真)2023年7月24日撮影
2023.07.24
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若鳥たちが誕生した林が宅地造成で木が伐採され、帰る場所を失ったツミ家族は、近郊の公園の一角に移動した旨を昨日リポートしました。移動三日目の様子を見に出かけました。今朝は、幼鳥たちは餌を捕獲し食べた後の様子で、お日様をさけるために木陰で休んでいました。それぞれ、お気に入りの木の幹に腰をおろしうとうとしており、邪魔しないようにそっと記録をして現地を後にしました。(写真)2023年7月23日撮影
2023.07.23
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コゲラの頭部にある赤い羽について、図鑑ではいろいろに記載があります。鳥友から斑点なのか、羽毛なのかと質問をもらいました。というのも、千葉県柏市内でコゲラが木の幹で巣穴をほっており、その際に見えたとのこと。現地に出向いて撮影したのが一枚目の写真です。二枚目の写真は、2013年4月に柏市内で撮影したものです。(主な図鑑、文献の記載)高野(1980)は、雄では目の後方に橙赤色の小斑があるが野外では普通の場合見えないと述べています。永井(2014)は、雄は後頭部側面に赤い羽。2-4月の求愛の季節や警戒時によく見られるが見えないことが多いと述べています。石田(2005)は、後頭には赤い羽がある。普段はほかの羽に隠れて見えない。興奮するなどして頭部の羽毛を逆立てると見えることもあると記し、頭部と赤い羽根のを図示し全長は7.5mm程度と述べています。叶内(2020)は、雄の後頭部両脇には赤い羽があるが、興奮したときや風が吹いたときなど以外は見えないことが多いと述べています。(結論)赤色の斑と記載しているものがありますが、石田(2005)が述べているように赤い羽が5-10枚存在していると理解するのが妥当だと思います。また、興奮した時や風が吹いた時以外は見えないとの記載がありますが、一枚目の写真を撮影した際は巣穴を掘っていたので興奮状態とも考えられますが、二枚目の写真の個体では無風で、興奮していた様子もありませんでした。(引用)高野伸二.1980.野鳥識別ハンドブック.p213.日本野鳥の会.石田 健.2005.コゲラ 分類と形態.Bird Research News Vol.2 No.5.p4永井真人.2014.比べて識別野鳥図鑑670.p64.文一総合出版.叶内拓哉.2020.フィールド図鑑 日本の野鳥.p260.
2023.07.22
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若鳥たちが誕生した林が宅地造成で木が伐採され、帰る場所を失ったツミ家族は、近郊の公園の一角に移動した旨を昨日リポートしました。移動二日目の様子を見に出かけました。今朝は、幼鳥たちは独力でセミを捕獲し、解体して食べている様子を目撃しました。ただし、末っ子だけは飛翔力は十分なものの、捕獲するには至らず捕獲できる幼鳥の後追いに徹していました。餌にありつけたかは確認できませんでしたが、日光を避けることができる木陰で30分以上休み餌にありつけた可能性が高いものと思います。若鳥を見守るため、成鳥雄が住宅のテレビアンテナや電線にとまり、周囲を警戒する姿があり、ハシブトガラスが幼鳥に接近すると直ちに追い払っていました。(写真)2023年7月22日撮影
2023.07.22
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今朝はとうとう宅地造成の工事がスタートしました。工事着工予定が7月末となっていたのですが、大幅に繰り上がりました。プルドーザーで次々に林の木が伐採されていきます。あの木は何年前にツミが営巣した木、この木はあの年の営巣木と思い出が次々と思い浮かんできました。ツミの幼鳥が誕生し48日齢前後ですのでまだ単独で狩りができないはずなので、家族の姿が近郊にあるはずと思い、探索。広大な公園の一角で成鳥雌雄各1羽、幼鳥4羽が鳴きながら地面に降りたり、枝に移動したりを繰り返していました。若鳥たちのターゲットはセミで、セミを追い詰めて地面に落下したものを食べているのとがわかりました。近くには成鳥雄がテレビアンテナに止まにらみを利かせ幼鳥たちの行動を見守っていました。本来は、誕生した林でセミの捕獲をする時期なのですが、今シーズンは親鳥に連れられて移住をせざるを得なかったので不憫でなりません。(写真)2023年7月21日撮影
2023.07.21
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来月お盆明けになると、早くもトケン類の渡りがスタートします。中でも見かけることの多いツツドリ、その識別についての参考情報を提供します。図鑑には雌の胸に褐色味があると記されているものが多く見受けられます。過去、フィールドで撮影した画像を復習するとともに文献ではどのように解説されているのかを見返してみました。中村(2009)は、大分県豊後大野市で拾得したツツドリについて報告しています。それによると、ツツドリは頭部と体上面が灰色で、喉も灰色であるが上胸に達していない。上胸に多数の横斑があり、錆色を帯びていたと述べています。図鑑で雌の胸に褐色味がとあるのはこのことを指しているものと思われます。古くは山階(1941)にもこのような羽色は雌の特徴であったとありました。(引用・参考文献)山階芳麿1941. 日本の鳥類と其生態第 2 巻.岩波書店中村茂.2009.大分県におけるホトトギスとツツドリの換羽について.日本鳥類標識協会誌第21巻.第1号.p31–34(写真)私のライブラリーより2016年9月4日千葉県野田市、2017年9月11日千葉県野田市、2022年9月7日都内(雄個体)で撮影
2023.07.20
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高野(1980)が述べているように、1972年5月に青森県小川湖でシベリアオオハシシギ夏羽が飛来したのが国内初の飛来記録で、その後大阪湾、熊本県、愛知県、東京湾、長崎県、兵庫県、鹿児島県、北海道で記録されたシギ科の鳥類です。東京近郊では1991年8月31日に谷津干潟(幼鳥冬羽)、1996年8月25日多摩川河口(幼鳥冬羽)、2013年7月7日葛西臨海公園(成鳥夏羽)に飛来した際に出会えました。多くの図鑑類には、ごく少数が渡来するのみと記されているものがほとんどですが、愛知県(2020)を閲覧すると、1975年以降23例の観察記録があると記され、大半が秋の幼鳥とあります。ただし、沿岸部の汽水や淡水の湿地環境が激減しており、2013年7月26日以降は渡来していない模様です。2013年7月に葛西臨海公園に飛来した個体の特徴と写真、類似種のオオハシシギとの比較をしてみました。どこかで再会できるとよいのですが。(シベリアオオハシシギの特徴)葛西に飛来した折は足の長い鳥との第一印象でした。足は黒く、嘴がまっすぐで長く、頭長の2倍より長い感じがしました。頭から胸が赤褐色、上面は黒く白い羽縁があり肩羽と雨覆の一部は軸斑が黒い。(オオハシシギとの違い)類似するオオハシシギは、足の色は黄色または黄緑色で、眉斑は頬、頸の赤みはありません。上面に黒班がありますが、シベリアオオハシシギの形状とは違いがあります。(シベリアオオハシシギは背と肩羽の軸斑は黒いのですが、形状はオオハシシギよりも複雑ではありません.オオハシシギ写真:2013年4月28日、同年5月3日いずれも茨城県稲敷市で撮影(引用)高野伸二.1980,野鳥識別ハンドブック.p151.愛知県レッドデータブック.2020.鳥類.p102.シベリアオオハシシギ.愛知県環境調査センター.
2023.07.19
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シギ・チドリの秋の渡りは繁殖を終えた成鳥が越冬地に向かって渡り始め、少し遅れて若鳥、幼鳥が旅立つとされています。茨城県稲敷市内では、オグロシギの成鳥、冬羽、幼鳥といろいろな羽色の個体と出会うことがあります。個体数も2018年9月には13羽の群れが蓮田に降り立った光景の遭遇したこともあり、このシーズンも出会いが楽しみです。過去に撮影した画像を復習して特徴を整理しました。なお、いずれも茨城県稲敷市で観察・撮影したものです。(成鳥夏羽)一枚目、二枚目は2016年6月26日に茨城県稲敷市に飛来した成鳥です。頭部から胸が赤褐色で胸から腹にかけて黒い横斑(写真ではわからない)があります。(尾羽の大部分が黒く、翼下面には模様なし)三枚目は2021年10月8日、、四枚目は2018年10月28日に撮影した尾羽と翼の特徴を記録したものです。尾羽の大部分が黒く、翼下面には模様ないのがわかると思います。(成鳥冬羽)五枚目は2022年9月15日、六枚目2018年9月22日に撮影した成鳥冬羽です。上面は全体的に灰褐色です。(第一回冬羽)七枚目は、2018年9月22日に撮影した第一回冬羽ではと思った個体です。上面に黄褐色が出てきて羽縁が白いのを観察しました。(幼羽)八枚目は、2021年8月28日に撮影した幼羽と思われる個体です。頭部から背、頸から胸・腹が橙色味を帯び、肩羽の黒褐色の軸斑はオオソリハシシギ幼鳥より黒味が強い印象でした。
2023.07.18
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1980年代までは谷津干潟で数羽のホウロクシギを観察することができたのですが、近年では出会う機会もなく寂しい限りです。以前、三番瀬で観察できた個体の写真と特徴を整理したものを提供します。(三番瀬で観察したホウロクシギの特徴)上面は黄褐色味がありますが、成鳥ほど黄褐色味は強くない感じがしました。頸から腹にかけての縦斑が細かく、嘴は成鳥よりも短く、若鳥と思われました。なお、羽を広げたシーンを記録できれば、ホウロクシギの下雨覆には褐色の斑が散らばっていて翼下面は白く見えない点がわかったのですが、そこまでの気力が続きませんでした。(ダイシャクシギは背・腰・下雨覆・脇・腹・下尾筒の白さが目立ち、ホウロクシギとの識別でははっきりとした違いです)(渡りを中止し越冬地に戻る)繁殖地は、カムチャツカからアムール川中流域にかけての湿原で,東南アジアからオーストラリアにかけての干潟で越冬する種類です。植田(2004)は、ホウロクシギに関する調査結果と文献に報告されている内容を整理し報告しています。この中に渡りを追跡した37羽のうちの18羽ものホウロクシギが途中で渡りを中止して,越冬地にもどるという行動をとったことを紹介しています。オーストラリアではホウロクシギが渡去してした後、再度見られるようになり、越冬個体数の約25~30%が夏のあいだもオーストラリアに滞在していることを紹介しています。(引用)植田 睦之.2004.ホウロクシギ 渡りを中止して戻る行動.Bird Research News Vol.1 No.3p66-67.(写真)私のライブラリーより2019年7月22日千葉県船橋市三番瀬で撮影
2023.07.17
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7月13日山階鳥類研究所から2022年9月3日に茨城県稲敷市でフラッグを装着していたトウネンについての報告を受領、北海道紋別市コムケ湖でフラッグ(HM8)を装着され2022年9月1日に放鳥された個体と判明した旨を報告しました。コムケ湖についてその特徴などを調べてみました。桑江(2012)によると、北海道紋別市コムケ湖は泥干潟で、トウネンはバイオフィルム(微細藻類、バクテリア、およびそれらが細胞外に放出する多糖類粘液で構成されているた薄い層の総称)に依存度が高く、小型シギであるほど多く利用されるのだそうです。環境省(2023)によると、2022年秋のシギ・チドリは、チュウシャクシギの増加数が最も大きく26%増加、個体数はあまり多くないもののオグロシギ、コアオアシシギ、ツバメチドリ、ケリなどの湿原や水田、耕地などでよく観察される種が前年度と比べて増加傾向にあった半面、トウネン、ミユビシギ、キアシシギ、ソリハシシギ、シロチドリが減少した結果でした。このうち、トウネンが個体数の多くを占める北海度濤沸湖、コムケ湖、風連湖で大きく個体数が減少したことが記されています。(引用)桑江 朝比呂.2012.トウネンもハマシギもバイオフィルムを食する.Bird Research News Vol.9 No.3.p2-3.環境省.2023.シギ・チドリ類調査 ニュースレター.2022年度秋期調査結果の概要.p1-2.環境省自然環境局生物多様性センター.(写真)2021年8月28日、2022年9月3日いずれも茨城県浮島にて観察・撮影
2023.07.16
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