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「あなたには子供がいますか?」 免色が唐突に私に尋ねてきた。 まだそれほど親密ではない私に、そんな込み入った質問を…… それは、結婚したことのない彼に、自分の子供がいるかもしれないからだった。 今から15年ほど前、免色が三十代後半の頃、 彼は、二十代後半の美しい女性と親しく交際をしていたという。 しかし、彼には誰とも結婚するつもりがなく、 彼女にもそのように伝えていた。彼女は29歳になった1週間後、免色の職場を訪ねる。そこで彼を驚かすような情欲を示し、二人は激しい情交へと至った。それが、免色が彼女に出会った最後の日となり、その2か月後、彼女は知らない男と結婚したという。結婚式の7か月後に、彼女は女の子を出産する。そして免色は、その子が自分の子供かもしれないと言う。 「でも確証はない」と私は言った。 「ええ、もちろん確証はありません。 それは今のところただの仮説にすぎません。 しかし、根拠のようなものはあります」(p.216)7年前、彼女はスズメバチに刺されて死んでしまう。その死後しばらくして、彼女からの手紙が免色に届くことになる。聞き覚えのない法律事務所から、内容証明付きで。その内容は、あの女の子が免色の子供であることを示唆するものだった。気が付くと、虫の声はすっかり消えていた。時計の針は、1:40過ぎを指し示していた。 ***なかなか濃密なお話で、結構刺激的な節でした。免色の娘(と思われる)『まりえ』は、地元の公立中学校の1年生。彼女は、これからお話に絡んでくるのか来ないのか……今のところ、全く予想がつきません。
2017.02.28
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午後1時ぴったりに免色が現れた。 私は彼をモデルにして、荒い下絵を描き上げた。 「絵に描かれていると思うと、なんだか自分の中身を 少しずつ削り取られているような気がしますね」 「削り取られたのではなく、 その分が別の場所に移植されたのだと考えるのが、 芸術における公式的な見解です」と私は言った。 「より永続的な場所に移植されたということですか?」 「もちろん、それが 芸術作品と呼ばれる資格を持つものであればということですが」 「たとえばファン・ゴッホの絵の中に生き続ける、 あの名もなき郵便配達夫のように?」(p.197)その後、私はあの鈴の音のことについて彼に相談する。免色は、今夜12時半に再びこの家に来てくれると言う。少しばかり思い当たることがあるとも。そして、12時半少し前、ジャガーが家の前にとまった。 ***この節では、「私」が料理をしているシーンが登場します。これも、村上さんの作品ではお馴染みの光景。「私」は、週に一度、まとめて料理の下ごしらえをするのですが、作ったものは冷蔵したり冷凍したりして、それで一週間を過ごします。その日の夕食は、ソーセージとキャベツを茹でたものにマカロニを投入し、さらに、トマトとアボカドとたまねぎのサラダというラインナップ。その際、アルコールを口にすることはなかった様子。一人暮らしでも、ちゃんと食事を楽しんでいますね。
2017.02.27
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1:45、目が覚めると、あまりにも深い静寂。 秋の夜にもかかわらず、虫の声さえ聞こえてこない しかし、その中で気付いた鈴を鳴らすような音。 私は、その音の源を求め、雑木林を抜けて小さな祠のある場所へ。 祠のまわりは開けていたから、 月光がそこにあるすべてをきれいに照らしていた。(p.186)祠の裏に回り、背の高いススキの茂みをかき分けていくと、奥に方形の石が12~13個無造作に積み重ねられた小さな塚があった。音は、その石と石の隙間から漏れ聞こえてくる。私は、急に得体のしれない恐怖を感じ、家に戻ったのだった。翌朝、10:00前に祠に行ってみると、もう音は聞こえなかった。昼食後、スタジオで免色氏の肖像画にとりかかる。鉛筆もスケッチブックも使わず、絵の具と絵筆を用意して、直接キャンバスに向かい、シンプルな構図を描いた。その夜、また同じ時刻に目が覚めた。テラスで小糠雨に濡れながら、鈴の音に耳を澄ませる。家の中に戻って、読みかけの本のページを繰ってみたが、その内容はなかなか頭に入らなかった。 私はそれを聴かないわけにはいかないのだ。 なぜなら、それは私に向けて鳴らされている音だからだ。 私にはそのことがわかっていた。 そしてその音は、私がそれについて何か手を打たない限り、 おそらくいつまでも鳴り止まないだろう。(p.193) ***「私」は、何らかの行動を起こすための相談相手に免色氏を思い浮かべます。雨田政彦でも、人妻の彼女でもないんですね。今日の読書は、ここまで。明日からは、少しずつ読み進めていきます。
2017.02.26
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私が15歳の高校生のとき、12歳で中学1年生の妹が亡くなった。 生まれつき心臓に問題があったが、あまりにも突然の死だった。 彼女の死後、私は熱心に彼女の絵を描き続けた。 自分の記憶の中にある彼女の顔を忘れないために。 美大に入ってから、描きたいと思うのは抽象画になった。 卒業後は、生活のため肖像画を描かざるを得なくなった。 そして今、免色渉の依頼で、彼の肖像画を描こうとしている。 が、それすら描けなくなっている……私は空っぽになっているみたいだ。 僕らは高く繁った緑の草をかき分けて、 言葉もなく彼女に会いに行くべきなのだ。 私は脈絡もなくそう思った。 もし本当にそうできたら、どんなに素敵だろう。(p.179) 人妻の恋人が、免色の情報を持ってきてくれた。彼の家には、『青髭公の城』みたいに『開かずの部屋』があるという。 ***今度はバルトーク。『青ひげ公の城』も、私は観たことがないのですが、このお話に関係のありそうな内容だと思います。「9.お互いのかけらを交換し合う」に出てきた『薔薇の騎士』はDVDを持ってます。
2017.02.26
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肖像画のモデルとなるべく、免色が再びやって来た。 そして、自身を目の前にして肖像画を描いてもらう理由を語り始める。 それは、ただ絵に描かれるだけではなく、 それをひとつの交流として体験してみたかったからだと。 「お互いの一部を交換し合うということです」と免色は説明した。 「私は私の何かを差し出し、あなたはあなたの何かを差し出す。 もちろんそれが大事なものである必要はありません。 簡単なもの、しるしみたいなものでいいんです」(p.150)『薔薇の騎士』が流れるスタジオで、私はスケッチを始める。異なる角度から、デッサンを何枚も仕上げていったが、自分で納得のいくものが、どうしても描けない私。表面的で、奥行きに欠けるものばかり。私は、免色に彼自身についての情報をもう少し提供してほしいと頼む。彼は、フルネーム、連絡先、出身地、年齢、職業、家族等々について教えてくれた。その後、日本画の定義や自己と他者の関係についても語り合った。それでも、私は彼の存在の中心にあるものが把握できないままだった。 ***「私」の中で、免色はまだ謎の存在です。彼の奥底に秘められたもの、それは一体何なのでしょう?
2017.02.26
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雨田政彦に電話をかけた際、免色について聞いてみた。 彼は、調べたことを教えてくれたが、それはごくわずかなものだった。 免色は、色んな情報を効率よく手に入れるのが仕事の一部だと言っていたが、 情報を都合よく消しているのだろうか? 「偽装した祝福。かたちを変えた祝福。 一見不幸そうに見えて実は喜ばしいもの、という言い回しだよ。 Blessing in disuguise。 で、もちろん世の中にはその逆のものもちゃんとあるはずだ。 理論的には」(p.142)雅彦は「よくよく気をつけた方がいい」と、私に忠告してくれた。そして、付き合っている人妻にも、免田のことを聞いてみた。「インターネットはジャングルではうまく働かない」。「ジャングルにはジャングルの通信網がある」と彼女は言った。 ***この後、「私」は後戻りできない状況に引きずり込まれていくようです。でも、それがどんなものなのかは、まだ予想すらできません。そうそう、「免色」で検索かけてみると、「免色 苗字」「免色渉」「免色 宮崎駿」「免色さん」「免色 香川県」「免色 渉」「免色 香川」と、今、現実社会では、たくさんの候補が並ぶ状況になっています。もちろん、それらの中身を見ることはしませんでしたが。
2017.02.26
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肖像画の依頼人がジャガーに乗ってやって来た。 白髪の男性は、免色(メンシキ)と名乗った。 「あまりない名前です。 うちの親族を別にすれば、ほとんど見かけません。」 「でも覚えやすい」 「そのとおりです。覚えやすい名前です。良くも悪くも」(p.118)免色は、谷間を隔てた向かい側、山上の瀟洒な邸宅に住んでいた。彼は、私の絵に本物のパーソナリティーとでも呼ぶべきものが潜んでいるという。それは、描かれた人のものであり、私のものでもあるという。その二つのものが混じり合い、精妙に絡み合っているのだと。免色は『ドン・ジョバンニ』を好み、プラハの小さな歌劇場で聴いたものが心に残っているという。そして、今回は肖像画と言う制約を意識せず、自由に描いてほしいという。私は、彼の中にひっそりと隠されているものがあると感じた。 ***今度はプラハ。しかも、共産党政権が倒れて間もなくの頃。ビロード革命。免色は、その日々をどこでどのように過ごしていたのだろうか。
2017.02.26
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エージェントから久しぶりの電話。 名指しで肖像画の依頼があったという。 報酬は申し分ない。 しかし、描く相手はわからないという。 性別も年齢も名前も、何も聞いていません。 今のところは純粋に顔のない依頼人です。(p.110)最初、躊躇していた私だったが、結局、その依頼を受けることにしたのだった。 ***この依頼人が、「プロローグ」の「顔のない男」であり、「4.遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える」の「谷間を隔てた山頂に住む謎の隣人」であることは、容易に想像がつきます。いよいよ、お話が動き始めましたね。
2017.02.26
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夜中、寝室の屋根裏から聞こえてくる小さな物音。 私は、客用寝室でそこへの入口を見つけると、薄暗い空間へと入り込む。 そこの梁の上では、みみずくが眠っていた。 そして、入口のわきには包装された絵画が。 屋根裏からスタジオへと運び出し、 何日かの逡巡の後、『騎士団長殺し』を包んでいた和紙と白い布をはがした。 そこには、『ドン・ジョバンニ』をモチーフにした飛鳥時代の光景と、 それを四角い穴の下から覗き込んでいる、細長い顔をした人物が描かれていた。 「ああ、あの人殺しが、私のお父様を殺したのよ。 この血……、この傷……、 顔は既に死の色を浮かべ、 息もこときれ、 手足も冷たい お父様、優しいお父様! 気が遠くなり、 このまま死んでしまいそう」(p.104) ***『1Q84』はヤナーチェクでしたが、今回はモーツァルト。私は、オペラはタイトルを知っていても、実際に見たり聞いたりしたことがない作品がほとんどなので、飛鳥時代の光景が記されていても、全く結びつきませんでした。でも、まぁ、知ってしまえば、確かにウィーン。やっぱり、そこに何かありそうです。そして、天井裏への入口を連想させる、地上に開いた穴・四角いマンホール。いよいよ村上さんらしくなってきましたね。
2017.02.26
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雨田具彦が使用していたスタジオでキャンバスに向かうものの、 何も生み出すことが出来ない日々が続く。 二人目の人妻との情事は、ある種の落ち着きをもたらしてくれたものの、 四十歳までに自分固有の作品世界を確保したいと焦る気持ちは募る一方。 小田原の図書館で、雨田具彦の画集を眺め、 洋画家から日本画家へと転向した、彼の人生の変遷に思いを馳せる。 そして、新しい住処が面する谷間の向かい側に建つ邸宅。 そこに現れる人影が、私の人生に入り込んでくることに。 おそらく生活について思い煩う必要もない境遇にいるのだろう。 しかし逆に向こう側から谷間を隔ててこちらを見れば、 この私だって何も思い煩うことなく、 一人で悠々と日々を送っているように見えるのかもしれない。 遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える。(p.84) ***この後、谷間を隔てた山頂に住む謎の隣人と、雨田具彦の『騎士団長殺し』について語られていくことになります。雨田具彦の存在は、このお話の中で重要な意味を持ってきそうですが、ウィーン滞在期間中に、一体何があったのでしょうか?
2017.02.26
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小田原郊外山頂の新しい住処に移る前、 家に置いたままになっていた身の回りのものを引き上げるため、 私は妻のユズに電話を掛ける。 その時、最初のデートで私がスケッチした彼女の顔が話題に。 彼女は、素晴らしくよく描けていて、 ほんとの自分を見ているような気がする。 鏡で見る自分は、ただの物理的な反射に過ぎないと言う。 電話を終え、私は洗面所で鏡に映る自分を見る。 でもそこに映っている私の顔は、 どこかで二つに枝分かれしてしまった自分の、 仮想的な片割れに過ぎないように見えた。 そこにいるのは、私が選択しなかった方の自分だった。 それは物理的な反射ですらなかった。(p.56)大学時代の友人・雨田政彦のボルボに乗って小田原へ。著名な日本画家である彼の父・具彦が住んでいたのは、人里離れた山の中。肖像画を描くことをやめた私は、雨田政彦の勧めで、週に二日、小田原駅前のカルチャースクールの絵画教室で教え始めたのだった。 ***「鏡」についての部分は、難しいですね。でも、このお話の根幹ともなる部分だと思います。そして、この新しい住処で数カ月過ごした頃に、「私」は、雨田具彦の作品『騎士団長殺し』を見つけるのです。
2017.02.26
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突然突きつけられた妻からの離婚話。 彼女は何日か前にとても生々しい夢を見て、 もうこれ以上、私と一緒に暮らせないと確信したという。 彼女は、他の男とつきあっていた。 私は雨降りを眺めるのをやめて、彼女の顔を見た。 そしてあらためて思った。 六年間同じ屋根の下で暮らしていても、 私はこの女のことをほとんど何も理解していなかったんだと。 人が毎晩のように空の月を見上げていても、 月のことなんて何ひとつ理解していないのと同じように。(p.32)自らが家を去り、プジョー205であてもなく彷徨い続ける。日本海から北海道へ、そして宮城と岩手の県境近くの湯治場へ。ハンドルを握りながらも、ずっと妻のことを考え続ける。出会いの頃、そして結婚生活。一ヶ月半の路上生活を終え、東京へ。そこで、学生時代の友人に電話をかけ、新しい住処が決まった。 ***「みんな月に行ってしまうかもしれない」(p.34)別れ話の際、妻に発した「私」のこの言葉の意味するところは?ガールフレンドの友人だった妻に、心を奪われてしまった理由が、十二歳で死んだ妹の目を思い出させるものだったことに、何か関係があるのでしょうか?
2017.02.26
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妻との結婚生活を解消していた9カ月余り。 結局、それは元の鞘に収まったのだったが……。 その頃、私は美大の同級生の勧めで、 空き家となっていた、彼の父親の持ち家に住んでいた。 その家に住んでいる間、私は二人の女性と肉体関係を持つ。 二人とも、絵画教室の生徒で、人妻だった。 学生時代、私は主に抽象画を描き、それなりに評価されていたのだが、 卒業後は、生活のために肖像画を描くようになった。そして、その肖像画が思いのほか高く評価されるようになり、いつしか肖像画を専門とする画家になっていた。 ***ここも一人称、肖像画家である「私」視点で、お話が語られていきます。「自分のための絵画」を描くことをやめてしまった「私」。「プロローグ」のエピソードが暗示しているのは……
2017.02.25
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予約発注していた『騎士団長殺し』が家に届きました。 待ちに待った『1Q84』以来の本格的長編作品です。 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』や 『女のいない男たち』では満たされなかったものが、きっと得られるはず。 せっかくなので、今回は久しぶりに、 じっくりと味わい、想像をめぐらし、楽しみながら、 記録を残しつつ、読み進めていくことにしました。 それでは「第1部 顕れるイデア編」の読書開始です。 ***午睡から目覚めると、向かいのソファに顔のない男が腰かけていた。彼は、肖像画を描いてもらうためにやって来たという。そう、彼とは以前、肖像画を描く約束をした。が、その時は紙の持ちあわせがなく、描けなかったのだ。そこで、その代価として彼にペンギンのお守りを渡した。そのお守りを持って、彼は再び目の前に現れたのだった。そして、スケッチブックに向かったのだが……やはり描けない。彼は、ペンギンのお守りを持って、姿を消した。 ***いきなりの村上ワールド全開。やっぱり、こうでなくちゃいけませんね。
2017.02.25
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正式なタイトルは『水鏡推理VI クロノスタシス』。 今回も読書前にちゃんと調べました。 「クロノスタシス」とは、サッカードと呼ばれる速い眼球運動の直後に目にした 最初の映像が、長く続いて見えるという錯覚のこと。 なかなか難しい……けれど、それ以上の説明はなかったので、早速読書開始。 しかし、やっぱり、今回もまたやられてしまいました。 もうちょっと突っ込んで調べておけば…… でも、こんなところまでたどり着くのは至難の業ですよね。ということで、今回のお話は「過労死」と「官庁の隠蔽体質」をテーマのように装いながら、(「外回りの誤読」の叙述トリックも使われています)実は「過労」による「メンタルヘルス不調」が、お話の肝となっています。松岡さんも造詣が深い分野だったはず。だからこそ、クライマックスにおける、瑞希が裕美に対し、語気を強めながら問い詰めていく態度には、強い違和感を感じてしまいました。これもありなんでしょうか?そして、次の部分には、松岡さんの公務員に対する考えがよく表れていました。 どうして理解できないんですか! 労働三法に守られているはずの民間でさえ、過労死が後を絶たないんですよ。 わたしたちは先に民間を助けなきゃいけないんです。 そのために身を粉にして働く運命なんです。 それが税金から給料を受け取る国家公務員です。 民間を救えないのに、まず自分たちを救おうなんて、 沈みかけた船から真っ先に逃げ出す船長と変わらないじゃないですか!(p.304) あなたは自己犠牲により仲間を救おうとしました。 たしかにわたしたち霞が関の労働者は、いつも過労死の危険に晒されています。 でも民間にもそういう人がたくさんいる。 わが身を投げ出すなら、まずその人たちのために でなきゃ、なんのために国家公務員になったんですか(p.305)自分のことは後回しに……こんな考え方で、メンタルヘルスマネジメントは進んでいくのでしょうか?
2017.02.19
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「第1話 掟上今日子の誰がために(クイボノ)」は、 御簾野警部からの依頼で、 クローズド・サークルとなった雪山のペンションで起こった殺人事件を解決。 その殺害の動機は…… 「第2話 掟上今日子の叙述トリック」は、 二々村警部からの依頼で、 冬休みの合宿所で、大学のサークルメンバーが殺された事件を解決。 その凶器はグランドピアノ。「第3話 掟上今日子の心理実験」は、百道浜警部からの依頼で、鉄扉で閉ざされた地下室のベッドで串刺しにされていた事件を解決。今日子への依頼の理由は、思わぬところにあった。「第4話 掟上今日子の筆跡鑑定」は、遊佐下警部からの依頼で、殺人事件の容疑者のアリバイを崩す。遊園地の脱出ゲームにリアル・タイム・アタック。 密室トリックなんて、推理作家の妄想の産物であり、 現実には起こりえない-なんて意味の物言いではありません。 どれほどのミステリーマニアであろうとも、 現実と推理小説の区別がつかなくなって犯行に及んだとしても、 叙述トリックを、現実の世界で再現することは不可能なんです- だって、叙述トリックは、犯人が仕掛けるトリックではなく、 作者が仕掛けるトリックなんですから(p.51)今巻では、上のセリフが登場する第2話が何と言っても断然面白い。今日子さんが披露する叙述トリックの数々。1.場所の誤読 2.時間の誤読 3.生死の誤読 4.男女の誤読5.人物の誤読 6.年齢の誤読 7.人間の誤読 8.人格の誤読9.語り部の誤読 10.作中作の誤読 11.在不在の誤読12.外回りの誤読 13.人数の誤読 14.その他の誤読ミステリー作家が仕掛けるトリックが次々に説明されていき、「なるほど!」と頷かされる。実際、このお話に続く第3話では、年齢の誤読が用いられている。とってもためになる一冊でした。
2017.02.19
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第155回芥川賞受賞作。 スラスラ読み進めて、あっという間に読了。 とても面白い。 締めも納得の結末。 幼稚園や小学校の頃のエピソードから、 主人公の古倉恵子は、アスペルガー症候群の傾向があると思われます。 小学校までの経験から、中学、高校、大学では人と積極的に関わらず過ごしますが、 コンビニでバイトを始めてからは、かなりうまく立ち回っているようです。小学生の時には、父の車で遠くの街までカウンセリングに連れて行かれています。まぁ、20年ほども前のことですから、発達障害についての認知度はもちろん、そのことに対する理解や対応も、現在とはずいぶん違うものだったでしょう。カウンセリングでも、適切なアドバイスが得られなかったのかもしれません。しかし、今や多くの人が、そのことについて知るところとなっています。身近にそういう傾向の人がいれば、そういったことになおさら敏感になり、知識としても積極的に収集して、豊富になっていくのではないでしょうか。同じ家で長年共に暮らしてきた家族なら、恵子の特性を十分感じていたはず。なので、次の妹の言葉については、少々困惑してしまいました。 「お姉ちゃんは、いつになったら治るの……?」 「もう限界だよ……どうすれば普通になるの?いつまで我慢すればいいの?」本当にそう思ったのでしょうか?それとも本当は分かっているけれど、ついつい言ってしまったのでしょうか?その後、白羽の話を真に受けてしまったことからすると、前者だったのかもしれません。そうだとすると、悲しいですね。身近な人にすら、理解してもらえない。幸い、恵子はそういった感情には、あまり頓着しないのですが。白羽より、よっぽど辛いですよね。
2017.02.18
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『2020年からの教師問題』を読む前に、 やはり読んでおくべきかと手にした次第。 250ページほどの一冊なのに、 読み終えるのに、結構時間がかかってしまいました。 読み終えてから、カスタマーレビューを見てみると、 なかなかの状況で、「やっぱりなぁ……」という感じです。 カタカナ語が頻出するのと、話の向かっていく方向が読み切れず、 読者としては苦痛を感じる文章になってしまいました。 ***「学力の3要素」とは、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協調性」。これらについて「高等学校基礎学力テスト」、「大学入学希望者学力評価テスト」「各大学個別の独自試験」の3段階のテストを実施するのだという。「高等学校基礎学力テスト」は高2で複数回実施し、「思考力・判断力・表現力」の基礎となる「知識・技能」の資質・能力をチェック。このテストは、大学入試の判断材料とはしない。「大学入学希望者学力評価テスト」は、「大学入試センター試験」に代わるもので、「知識・技能を活用して、自ら課題を発見し、その解決に向けて探求し、 成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現等の能力」を評価する。そして、「各大学個別の独自試験」は、「思考力・判断力・表現力」と「主体性・多様性・協調性」の範囲まで十分に評価できるテストとして作成されることになるという。「大学入学希望者学力評価テスト」と「各大学個別の独自試験」は、CBTでの実施が予定されているという。コンピュータの画面にテスト問題が立ち上がり、キーボードで解答を打ち込んでいく。 したがって、「高等学校基礎学力テスト」と 「大学入学希望者学力評価テスト」における国語や英語の問題は、 読解リテラシーとして融合され、 後者では「統合・解釈」のレベルが中心に問題が作成されるでしょう。 そして3層構造の3つめの大学の独自入試で、「統合・解釈」の次元、 つまりHOT次元がベースとなった問題が出題されるはずです。 つまり、「キングス・クロス駅の写真の問題」のような レベルの問題です。(p.42)この「キングス・クロス駅の写真の問題」とは、2015年1月、順天堂大学医学部の入学試験の問題で、「キングス・クロス駅の写真です。 あなたの感じるところを800字以内で述べなさい。」というもの。 問題の難易度ではなく、 数学的思考をどこまで現実の現象と結びつけられるのかというのが 世界の数学的なアプローチの潮流です。 2020年大学入試改革で問題の設定そのものが大転換するのは 数学かもしれません。(p.47)その例として挙げられているのは、 絶滅が心配される動物が生息する区域は禁猟区となる。 今このような動物が150いるとき、t年後の生息数はN=150・1.05∧tで表せる。 1年後、2年後、5年後の生息数を求めよ。 2倍になるのに何年かかるか。400になるのは何年後か。 グラフを書け。そのグラフは現実的か。(p.46) ***最大の課題は、その評価です。誰が評価するのか、どのような基準で評価するのか。しかも、それによって合格、不合格が決まってしまうのです。今でも、大学入試に落ちるより、就活でうまくいかない方が辛いと聞きます。それは、人間としての自分を否定されていると感じてしまうから。教科「道徳」の評価だって、本当に難しいと思います。もちろん、学校も受験産業も研究を重ね、次々に対策が施されていくことでしょう。でも、結局作文力次第になっていくような気がしないでもないです。
2017.02.18
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平成17年発行のハードカバーで読みました。 まず、最初に現れる「詩」と「プロローグ」に驚かされます。 サイズ違いの3枚のページの冒頭に「詩」が、 次の2枚に「プロローグ」が記されています。 「詩」のページを読むときには、 その後に続く2枚のページが少しずつ見えるようになっています。 そして、その何れのページにも「Eugenia」のブルーの文字。 とても凝った装丁です。そして、読み終えてから気付いたのですが(おいおい、遅すぎるんじゃないの?)、本文が、右側に傾いて印刷されています。その傾き具合も、ページにより若干の違いがあります。 ***「第一章 海より来るもの」は、このお話の根幹となる9人の毒殺事件に関わり、後にそのことを『忘れられた祝祭』という作品にまとめ発表した女性が、インタビューに答えていくなかで、事件の概要が提示される。「第二章 二つの川と一つの丘」は、第一章でインタビューに答えていた雑賀満喜子が、事件に関する調査を進めていく際にサポートをしていた大学の後輩に当たる男性へのインタビュー。「第三章 遠くて深い国からの使者」は、第三者視点で、事件当日の様子が語られる。青澤緋紗子と思われる少女はヒサちゃん(相澤久代)、雑賀満喜子と思われる少女はマキちゃんとして登場する。「第四章 電話と玩具」は、事件の際、現場で毒を飲んだ人物の中で唯一命を取り留めた青澤家のお手伝いさんの娘に当たる人物へのインタビュー。事件がまさに起ころうとしているときの電話とミニカーが鍵。「第五章 夢の通い路(一)」は、事件の真犯人を青澤緋紗子と確信した刑事について、当日の事件現場の様子も含め、第三者視点で語られる。彼が折り鶴を折るようになった経緯も添えられている。「第六章 見えない人間」は、雑賀満喜子の長兄へのインタビュー。両親が離婚し、父親が家を出ていく前夜、満喜子は、夕食のシチューに吐き気を催す野草を投入した。「第七章 幽霊の絵」は、蕎麦屋の入口に飾ってある掛け軸の絵を見つめる男について、文房具屋の若旦那を主人公にして、第三者視点で語られる。その男は、三つ目のある場所を見つけた。「第八章 花の声」は、第七章で登場した男、そして事件の犯人とされている男を子どもの頃「兄ちゃん」と呼んで慕っていた男へのインタビュー。男は「僕には花の声が聞こえる」と言っていた。「第九章 いくつかの断片」。一、三は、二人の会話文だが、この時点では誰と誰の会話か分からない。二、四は、一人語りだが、語りかける相手がいるのかどうか分からない。この部分の持つ意味合いは、後に明らかになる。「第十章 午後の古書店街にて」は、事件を追いかけている際の、雑賀満喜子の日記。そして、『忘れられた祝祭』出版に関わった男性へのインタビュー。彼の元にかかってきた不可解な電話と、古書店の火災について語られる。「第十一章 夢の通い路(二)」は、第五章で登場した刑事へのインタビュー。『忘れられた祝祭』では、著者が意図的に現実と異なる記述をしていた。それは、古本屋があるべき場所だけが、他の店になっていること。「第十二章 ファイルからの抜粋」。一、三、六、八は、吉水満喜子が熱中症で死亡したという記事と、青澤邸の取り壊しに関する一連の記事。二、四は、満喜子の死亡状況に関する照会への、担当者からの回答。五は、事件に関する新聞記者の手記。七は、満喜子の次兄から誰かに向けての手紙で、事件当日の新たな事実について語られる。「第十三章 潮騒の町」は、第十二章の七の手紙の受取人であり、これまで数々のインタビューを続けてきた女性による記述。視力を回復した緋紗子は、浜辺のベンチでの思い出を語り始める。「第十四章 紅い花、白い花」は、死の直前の満喜子の行動が、第三者視点で描かれる。青い部屋と白い百日紅の謎は解き明かされるが、最後…… *** それぞれの人は皆事実だと思って喋ってるけれど、 現実に起きた出来事を、見たまま話すのって、難しい。 というよりも、不可能ですよ。 その人の先入観とか、見間違いとか、記憶違いがあって、 同じことを複数の人から聞いたら、どれも少しずつ違う。 その人の知識とか、受けてきた教育とか、性格で、 見方も異なるわけでしょ。 だから、実際に起きたことを、 本当に知るというのは絶対に無理なんだなあと思いました。 そうやって考えると、新聞の記事や、 教科書に載っている歴史っていうのは本当に大まかな、 最大公約数の情報なんだなって。 誰かが誰かを殺した、というのは事実かもしれないけれど、 その時の状況や、そこに至るまでの経緯なんて、 たぶん当事者どうしにも分かっていない。 いったい何が真実なのかなんて、 それこそ全能の神にしかわからない- まあ、そういう存在があるとして、ですが。(p.59)本著を読んでいて、唯一付箋を貼った部分。まぁ、こういうことなのかな。
2017.02.18
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もちろん彼女の名前は知っていた。 直木賞をとったって、全く驚かない。 それくらいの存在。 なのに、これまでその作品を一冊も読んだことがなかった…… そんな作家さんは、いっぱいいる。 たまたま、その時々の気分が合わず、 その作品に手が伸びなかっただけ。 それを、直木賞受賞のニュースが後押ししてくれたのは間違いない。恩田さんを直木賞に選んでくれた審査員の方々、ありがとうございます。おかげで、こんなにも素晴らしい作品に巡り合うことが出来ました。久々に、読み終えた後、充実感いっぱいになる作品でした。『蜜蜂と遠雷』も、そのうちきっと読むことでしょう。 ***高校生たちが、夜通し出歩く「歩行祭」というイベント。このお話は、その一夜の出来事を描いたもの。特別なことが起こるわけでは、決してない。ただ、同じ時を過ごす高校生たちにとっては、何物にも代えがたい思い出となる。西脇融と甲田貴子は異母きょうだい。融の父と貴子の母が浮気をして、貴子が生まれた。その父は既に亡くなっていたが、融と貴子は何と同じ高校に入学してしまう。しかし、それぞれの思いから、言葉を交わすことはなかった。それが、3年生では同じクラスに。二人の間に漂う、ただ事ならぬ気まずい雰囲気。しかし、周囲の者はそれを知らない。そんな二人の関係が、一夜のうちに変化していく。融の友人・戸田忍、貴子の友人・遊佐美和子。そして、渡米してしまった貴子たちの友人・榊杏奈とその弟・順弥。融の気を引こうとする内堀亮子とお調子者の高見光一郎。それぞれのキャラが、見事に立っている。これだけの素材で、これだけの作品を描き上げてしまうその筆力に脱帽。そして、本著ですごいのは作品だけでなく、巻末の「解説」も。これまでにも、素晴らしい「解説」には出会ってきたが、本著の「解説」は、それらの中でも秀逸です。 だがしかし、文学賞などというものは往々にしてそういうものかもしれない。 たとえば、直木賞の歴史を見てもわかるように、 その作家の代表作というよりも、こぢんまりとした (どちらかといえば)可もなく不可もないような作品 (それでも佳作ではあるが)に授与されがちである。 もっというなら、芥川賞・直木賞を受賞しながらも 名作のひとつすら残せない作家がいる。 名作ひとつすら残せずに消えてしまった作家もたくさんいる。 その作家の名前を聞いても代表作が浮かばないのである。 つまり、見方をかえていうなら、 名作を残すことは、芥川賞や直木賞を受賞することよりも 大きな営為といってもいいかもしれない。 もはやお墨付きなど必要としないのである。 何よりも読者が強く支持している事実をあげるだけでいい。 未来の読者が感動するだろうことが見えていると語るだけでいい。(p.451)こんな解説を読んでから、作品のページを閉じることが出来るのは、何と幸せなことでしょう!
2017.02.11
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ふらりと立ち寄った書店で、 たまたまサイン本が並んでいるのを見つけて購入。 TVドラマ「上流階級 富久丸百貨店外商部」が始まる少し前のこと。 少し読んで、そのまま机の上に2年余…… ***「マル合」とは、論文指導ができる教員。その下の「合」は、論文指導補助は出来るが、合格判定は出せない教員。論文にはM(修士号)とD(博士号)があるので、最頂点はDマル合。大学の准教授や教授にも、厳然たるヒエラルキーが存在するのです。このお話の主人公・瓶子貴宣は、香露園女子大学の非常勤講師・29歳。1週9コマの授業を担当しているが、月収10万8000円で、ボーナスはゼロ。しかも、あくまでも1年契約で、持ちコマ数も周囲の状況で変動します。家賃3万5000円のボロアパートで、姉が残して行った甥の誉と二人暮らし。貴宣は、関西最難関のK大を卒業したものの、将来の出世が約束されていたはずの指導教授が、研究費横領で失職。その結果が、現在の貴宣を作り出していました。そんな貴宣に、現勤務校のスーパーDマル合・大和教授からお声がかかります。大和教授が進めていたプロジェクトに、協力者・巡間教授の急死で穴が開き、その後釜として、貴宣が目を付けられたのです。その申し出を受け、貴宣は障害を乗り越えながら、不眠不休で研究を進めていきます。が、プレゼン二日前、クラウド上の全データが忽然と姿を消してしまった……。 *** そうだ。 メンタル弱きものは去れ。 迷える者も去れ。 扉はここにない。 あくまで大学は海千山千の学内政治家たちが集う弱肉強食の世界なのだ!(p.54)大学内の人間模様が、よく伝わってくるストーリー展開。きれいごとでは決して済まされない世界であり、その中を生き抜いていかねばならない貴宣も、決してイイ人ではいられません。 いいか誉。 負け戦が続いても決してヤケになるな。 常にこの状況をどうやったら利用できるか考えるんだ。(p.320)でも、甥の誉に注がれる貴宣の視線は、とても優しい。誉のクラスメイト・栗原実加と義父との間の一件も、見事に解決。また、誉の母親の突然の出現に振り回される様も、好感が持てます。そして、同じ学科の専任講師・薬膳光二の存在は、良いアクセント。それでも、読後に残るのは「あと一歩……」。データ消失事件への貴宣の復讐にしても、山口冬弥によるいじめに対する誉の仕返しにしても、何かもう一息、なんですよね……
2017.02.11
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先日、風邪で欠勤したアルバイト女子高生から、 セブン-イレブン加盟店が罰金を取っていたというニュースが流れた。 本著は、そんなブラックバイトについて 『ブラック企業』の著者・今野晴貴さんが著した一冊。 ***2014年に社会問題となった、すき家のワンオペ。ファミリーマートのフランチャイズ運営会社での問題や、しゃぶしゃぶ温野菜での暴言・暴行も問題になったし、大手個別指導塾明光義塾の運営会社には、是正勧告が出た。過剰な責任を負わされた上に、シフトにどんどん組み込まれ、自分がいないと職場が回らない状況に追い込まれていく学生アルバイト。長時間の深夜勤務に、遠隔地へのヘルプや急な呼び出し、ミスをすれば罰金、ノルマが課され、自腹購入も度々。授業はもちろん、テストも受けられず、就活さえままならない。心身を病んでいるのに、有期雇用契約で辞めさせてもらえない。場合によっては、損害賠償をちらつかせて脅される。実際に、強迫や暴力を受けるに至ることも。そんな学生アルバイトが主に従事するのは、外食、小売り、教育業界。中でも、居酒屋、コンビニ、個別指導塾や、ファミレス、スーパー、アパレル小売店で、問題の多くが発生。何れも労働の単純化・定式化・マニュアル化が進んだ職場である。そこは、想像の職場共同体であり、やりがいや達成感を得られる場所。経営に疑似的に参加させることで、責任意識が高められていく。が、それらはアルバイトである学生に求められる範疇を、大きく逸脱してしまっている。そして、学生たちがそこまでしてアルバイトをする背景には、学費の増大と家計状況の悪化、そして奨学金の問題がある。第4章の「どうすればいいの?-対策マニュアル」は必読では最後に、本著の中で私が最も気になった箇所をご紹介。 一方で、個別指導塾の業態には「教育らしからぬ」要素が見える。 従来の学習塾がそれなりに教育に関心を持つ層によって担われていたのに対し、 個別指導塾は特別な教科の指導力を要求されるものではないためか、 小売りや飲食業のフランチャイズ店舗を開業するように、 もっぱら「利益」を目当てに開業するオーナーが多いというのだ。(中略) 余談だが、同様の傾向は保育所や介護施設にも見られる。 民間への事業開放の中で「ビジネスチャンス」とだけとらえて、 素人の経営者が福祉や教育の事業に乗り出すことが増えているのだ。(p.115)
2017.02.04
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久々に最高レベルの盛り上がり! サンジの出自と幼少期の全てが明らかに。 恐竜時代の流儀と自嘲する武士道は、どこまでもカッコ良く、 そんなサンジに対するルフィーの思いは、とてつもなく強く大きい。 ***サンジの父であるヴィンスモーク・ジャッジは、若き日に、Dr.ベガパンクと共に研究をしていた人物。ベガパンク逮捕後も、一人で「命」のコピーと”改造”の研究を続け、たった数名の優れた兵士たちから、複製兵組織「ジェルマ66」を完成させたのだった。そして、彼の5人の子供たちは、研究の粋を集めた科学操作により、人間を超える存在として誕生する。しかし、サンジだけは「血統因子」の操作がうまくいかなかったのか、生まれたままの形、ただの人間になってしまっていた。失敗作として、地下に監禁されてしまったサンジ。そして、イーストブルーでの戦の最中、ジェルマ王国を去ることに。その後出会ったのが、海上レストラン「バラティエ」のオーナー・ゼフしかし今、サンジは父に逆らうと、彼の身に危険が及ぶ状況になっていた。一方、ルフィーはビッグ・マム海賊団の3将星の一角・クラッカーを撃破。そして、遂にホールケーキ城での結納に向かうサンジとの接触に成功。しかし、サンジはルフィーたちにつれない言動を繰り返し、それでも立ち去ろうとしないルフィーに、足技を連発。 さよなら ごめんね 余計な事して……このシーンのナミは、これまでの幾多あるカットの中でも最高傑作! 待て サンジィーッ!!! ……何が下級海賊だ……!! 言いたくもねぇ言葉並べやがって!! ウソつくんじゃねェよ!! こんなもんで おれを追い払えると思ってんのか!!? フザけんな!!! おれの事蹴るだけ蹴っても!! 痛ェのはお前だろ!!! 旅はまだ 途中だぞ!!! 必ず戻って来い!! サンジ - お前がいねェと…!! おれは 海賊王になれねェ!!!!涙するサンジに、こちらももらい泣き……サンジを待ち続けたルフィーとナミは、クラッカー仇討ち軍に捕らえられてしまう。一方、サンジはプリンとの結婚を引き換えに、ルフィーたちをこの島から生きて出すとの約束を、ビッグ・マムから引き出す。ペドロとブルックは、ホールケーキ城に潜入。宝物の間にある玉手箱が狙い?そして、捕らえられたルフィーとナミのもとに現れたのはプリン。彼女は何をしようとしているのか?待たれよ、次巻!
2017.02.04
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