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オーケストラをバックにし、アレンジが光るライヴ作品 ジョアン・マヌエル・セラー(Joan Manuel Serrat)は、1943年バルセロナ生まれのシンガーソングライター。地元のことばであるカタルーニャ語が禁じられていた時期(フランコ独裁下)から活動を重ね、スペインだけでなく、スペイン語圏各地で人気を獲得した有名シンガーである。 そんなセラーが還暦を迎えた年(2003年)にリリースされたライヴ・アルバムが、この『セラー・シンフォニコ(Serrat Sinfónico)』であった。ライヴ盤と言っても、通常のライヴ盤ではなく、表題(“シンフォニコ”は、英語で“symphonic”)が示す通り、交響楽団とのコラボによるライヴ演奏盤である。 演奏をしているのは、地元カタルーニャのバルセロナ交響楽団。アレンジを担当したのは、同じくバルセロナ出身のジョアン・アルベルト・アマルゴス。普段とは異なる演奏形式、アレンジにもかかわらず、セラーは貫禄一杯に淡々と1曲1曲を歌いこなしていく。 個人的な見解も含め、本盤の聴きどころを見ていきたい。1.「エル・カルセル・デル・フロ」は、冒頭の幻想的かついかにもオーケストラルなアレンジが、本盤のコンセプトへ聴き手を引き込むのに十分な効果を持っていると思う。中盤では、セラーの語りがうまく楽団の演奏と溶け合っているという感じがする(聴く人によっては、若干間延びしているように感じられるかもしれないが、個人的には聴き入ってしまう)。例えば、5.「ラ・ベジャ・イ・エル・メトロ」、8.「プエブロ・ブランコ」、9.「エリード・デル・アモール」なんかが筆者には特に印象に残る。 そして、圧巻は終盤の静かな盛り上がり。11.「パレ」の辺りからそれは始まっているような気もするのだけれど、具体的には、有名曲の13.「メディテラネオ」以降の楽曲である。15.「ファ・ビンタン・アニス・ク・ディク・ク・ティンク・ビンタン」(カタルーニャ語がよくわからないので、表記がおかしくてもご容赦を)では、オーケストラも盛り上がり、しかもカタルーニャ語での歌唱となっている。この長ったらしい表題は、1984年発表のアルバムの表題曲をもとにしていて、“20歳だと言ってから20年が経つと言ってから20年が経つ”というもの。つまりは、40歳を過ぎて発表した楽曲(20歳+20年)が60歳(20歳+20年+さらに20年)の曲として提示されている。アルバムを締めくくるのは、やはり代表曲の16.「カンターレス」。この歌唱は、淡々としながらも、ファン的には噛みしめて盛り上がるタイプのものに仕上がっていると思う。[収録曲]1. El carrusel del furo2. Bendita música3. Cançó de matinada4. Barquito de papel5. La bella y el metro6. Princesa7. Aquellas pequeñas cosas8. Pueblo blanco9. Herido de amor10. De cartón piedra11. Pare12. Es caprichoso el azar13. Mediterráneo14. Mi niñez15. Fa vint anys que dic que fa vint anys que tinc vint anys16. Cantares2003年リリース。 下記のランキングサイトに参加しています。お時間の許す方は、 バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2022年11月29日
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ポップながら深みのある愛聴盤 ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、スペイン南部のハエン近郊の出身で、フランコ独裁政治を逃れてロンドンで過ごした後、1970年代後半からはスペインに戻って長く活動を続けているシンガーである。本盤『オテル・ドゥルセ・ホテル(Hotel, Dulce Hotel)』は、1987年に発表された作品で、1980年代を通じて積み重ねてきた人気が高まっていた時期のアルバムである。 1980年代という時代背景もあり、どちらかというと、きらびやかで華やかなサウンドがある程度耳につく。しかし、全体としては、彼のもう一つの顔でもある“詩人”としてのソングライターの実力がそれを単なる流行りものにしていない。言い換えれば、一聴した感じは軽快であっても、聴けば聴くほど深みが感じられる盤に仕上がっていると言える。 個人的な好みで、注目の曲をいくつか挙げておきたい。オープニング・ナンバーの1.「アシー・エストイ・ジョ・シン・ティ」は、ゆったりとした曲調と落ち着いて聴かせるヴォーカルがよく、本盤のベスト曲と言えそう。一方で、アップテンポのナンバーとしては、2.「パクト・エントレ・カバジェロス」や5.「オイガ・ドクトール」といったあたりが受けがよさそう。とはいえ、筆者的にはテンポを落として聴かせるサビーナの歌唱の方が好みで、そういう意味では、3.「ケ・セ・ジャマ・ソレダー」なんかがいい。そして、忘れてはいけないのは、アルバムを締めくくる表題曲の9.「オテル・ドゥルセ・オテル」。なぜだかわからないが、直感的に好きなサビを持つナンバーで、筆者的には1.とこの9.が特にお気に入りだったりする。 [収録曲]1. Así estoy yo sin ti2. Pacto entre caballeros3. Que se llama Soledad4. Besos de Judas5. Oiga, doctor6. Amores eternos7. Mónica8. Cuernos9. Hotel, dulce hotel1987年リリース。 ↓ベスト盤です↓ ホアキンサビーナ Joaquin Sabina - Esencial Joaquin Sabina CD アルバム 【輸入盤】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年11月25日
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着実な進化を見せたサード作 トレイシー・チャップマン(Tracy Chapman)は、1964年、オハイオ州クリーヴランド生まれで、アフリカン・アメリカンの女性シンガーソングライター。1988年にデビュー盤を発表し、一躍人気を獲得して翌年にも2枚めのアルバムをリリースした。それから2年半のインターバルを経て発表されたのが、サード作となる本盤『マターズ・オブ・ザ・ハート(Matters of the Heart)』だった。セールス面では、大きな人気を獲得した初作(全米・全英ともに1位)、その勢いに乗っての第2作(全米9位、全英1位)に比べると、数字上は見劣りのする結果(全米53位、全英19位)だった。 けれども、筆者は本盤がなかなか優れたアルバムだったと思っている。第一に、アルバム全体を通しての落ち着きぶりが前2作と明らかに違うように思う。言い換えると、いい意味で自信に満ち溢れているように感じるのである。それは、別の表現をすれば、“貫禄”を感じるようになってきたとも言えるかもしれない。第二に、個別の曲として完成度の高いものが多い。初作はどちらかというと社会的、第2作は内省的な色合いが強かったが、それらは共に“独白的”でもあった。本作所収のナンバーを聴いていると、一つ次元が上がって“詩的”な段階に入りつつあるように感じる。 おすすめの曲をいくつか挙げておきたい。1.「バン・バン・バン」は静かに歌いかける曲で、多くのリスナーが求める彼女らしいナンバー。3.「アイ・ユースト・トゥ・ビー・ア・セーラー」も弾き語りシンガーソングライター的な雰囲気を保っているが、上述の通りの詩的世界に一歩踏み込んでいる感じがして、個人的には好み。5.「ウーマンズ・ワーク」は、わずか2分ほどの小品だが、女性をテーマにしていて、やたら心に残る。後半になると、サウンド的にも幅のある演奏が増えてくるが、個人的に勧めたいのは、8.「ドリーミン・オン・ア・ワールド」と表題曲の10.「マターズ・オブ・ザ・ハート」。前者は、上で書いた自信、アーティストとしての余裕が存分に感じられる。後者は、ギターの弾き語りという印象でデビューした彼女がもはや十分に違う地平に立って勝負しようとしていることがよく感じられる。[収録曲]1. Bang Bang Bang2. So3. I Used to Be a Sailor4. The Love That You Had5. Woman's Work6. If These Are the Things7. Short Supply8. Dreaming on a World9. Open Arms10. Matters of the Heart1992年リリース。 【中古】マターズ・オブ・ザ・ハート / トレイシー・チャップマン 【輸入盤CD】TRACY CHAPMAN / MATTERS OF THE HEART (トレイシー・チャップマン) 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2022年11月21日
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イーグルス解散後、元メンバーによるソロ作の一つ ティモシー・シュミット(Timothy B. Schmit)は、1947年、カリフォルニア州オークランド生まれのミュージシャン。カントリー・ロック・バンドのポコに、ランディ・マイズナーの後釜として加入して活動したほか、スティーリー・ダンの複数のアルバムにもバッキング・ヴォーカルとして参加している。 1977年、ランディ・マイズナーに代わってイーグルスのツアーに加わり、1980年の解散までイーグルスでベースとヴォーカルを担当した。彼がヴォーカルを務めたイーグルスの曲としては、『ザ・ロング・ラン』所収の「言い出せなくて(アイ・キャント・テル・ユー・ホワイ)」があると言えば、思い当たる人も多いのではないだろうか。 1980年のイーグルスの解散後、メンバーらはそれぞれに活動を展開し、アルバムをリリースするなどした。それが、この『プレイン・イット・クール(Playin’ It Cool)』だった。 現在からすると、サウンド面では1980年代っぽさがあちらこちらで耳につくが(ついでにアルバム・ジャケットも当時らしいテイストの写真があしらわれている)、豪華なメンバーが参加している。元イーグルスのドン・ヘンリーとジョー・ウォルシュのほか、スティーヴ・ルカサー、J.D.サウザー、リタ・クーリッジといった面々がゲスト・ミュージシャンとして参加している。 9曲の収録ナンバーのうち、ベストの出来は8.「夢をおしえて(テル・ミー・ホワット・ユー・ドリーム)」。シングルとしてはまったくヒットしなかったが、もっと親しまれてしかるべき好曲だと思う。一方、シングルとしてある程度の注目を受けたのは、3.「ソー・マッチ・イン・ラヴ」。筆者の意見としては、彼のヴォーカルがうまく生かされた楽曲として、4.「サムシングズ・ロング」や7.「愛を消さないで(テイク・ア・グッド・ルック・アラウンド・ユー)」があり、これらをもっと売り出してもよかったのかな、と思ってみたりもする。あと、5.「ヴォイセズ」は、表題の通り、“声”のみのアカペラ曲で、短いながら注目したいナンバーだったりする。[収録曲]1. Playin' It Cool2. Lonely Girl3. So Much in Love4. Something's Wrong5. Voices6. Wrong Number7. Take a Good Look Around You8. Tell Me What You Dream9. Gimme the Money1984年リリース。 Timothy B. Schmit / Playin' It Cool 【SHM-CD】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年11月18日
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内容面でも商業面でも成功を収めたセカンド作 スザンヌ・ヴェガ(Suzanne Vega)は、1959年カリフォルニア生まれのシンガーソングライター。彼女のデビュー作は1985年の『街角の詩』だったが、一気に世界中に知られるようになったのは、1987年の本セカンド作『孤独(ひとり)(Solitude Standing)』、そして、そこに収められたシングル曲「ルカ」(ビルボードで全米3位)の成功によってだった。内省的で弾き語りのフォーク調が彼女の楽曲と音楽の基本的特徴ではあるものの、徐々にロックやダンスといった要素も取り込んで、広い聴衆の支持を受けるアーティストになっていった。 本盤の有名曲は、何と言っても冒頭の1.の「トムズ・ダイナー」(アルバム最後の11.にも“リプライズ”として収められている)、それから2.「ルカ」であろう。前者は、無伴奏で声だけの“アカペラ・ヴァージョン”であるが、リリースからしばらく後の1990年にDNAによるリミックスが大ブレークし、リヴァイヴァル・ヒットとなったことでも知られている。後者の2.「ルカ」は、幼児虐待という社会的テーマを詞にしたもので、スザンヌ・ヴェガの代表的ヒット曲となった。 これら2曲でおしまいではなく、本盤はなかなかの好曲揃いである。個人的な好みでは、3.「鉄の街(アイアンバウンド/ファンシー・ポウルトリー)」と9.「ジプシー」が特にいい。「ジプシー」の方は、本盤からの最初のシングルだったのだけれど、後から見れば、なぜチャートアクションがほとんどなかったのかが不思議に思えたりする。これらに続くお気に入り曲は、表題曲の6.「孤独(ひとり)(ソリチュード・スタンディング)」と7.「カリプソ」。特に「カリプソ」の方は、筆者が最初に本盤を聴いた時から気に入っているナンバーだったりする。[収録曲]1. Tom's Diner2. Luka3. Ironbound/Fancy Poultry4. In the Eye5. Night Vision6. Solitude Standing7. Calypso8. Language9. Gypsy10. Wooden Horse (Caspar Hauser's Song)11. Tom's Diner (Reprise)1987年リリース。 孤独 [ スザンヌ・ヴェガ ] 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2022年11月13日
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唯一無二の存在感を発揮するギターを堪能できる盤 パット・マルティーノ(Pat Martino)は、1944年生まれの米国のジャズ・ギター奏者。2018年に慢性呼吸器疾患で演奏活動を停止していたが、その後、2021年に亡くなっている。作曲家・理論家でもあり、マイナー・コンバージョンという即興理論を唱えた。こういうことを紹介文に書くと小難しい人かと思われそうだが、生前の写真を見ても確かに小難しそうな顔つきの人である(苦笑)。即興と言っても、なんだかわからない展開を楽しく演る、といった感じではなく、ポリシーのある即興を披露する、というのが彼のスタイルだったという風に言ってもいいのかもしれない。 本盤『イグジット(Exit)』は1976年に吹き込まれたもので、彼らしい演奏姿勢と演奏内容が存分に披露された盤だと思う。ジャズの世界では“ブラインド・テスト(ブラインドフォールド・テスト)”というものが行われたりすることがあるが、要は、演奏を聴いて“これは誰?”を当てるというものである。実際には、マルティーノの演奏は、こうしたテストには向かない。というのも、聴いたらすぐに“マルティーノでしょ”となってしまいそうだったりするほど特徴的なのである。 聴きどころと言えそうな曲の演奏をいくつか挙げておきたい。表題曲の1.「イグジット」と3.「スリー・ベース・ヒット」の2曲は、マルティーノの自作曲。怪しげな曲調の前者は、彼らしさ全開で、思わずのめり込んで聴き入ってしまう(とはいえ、全曲こんな感じだったら、すぐ疲れて飽きてしまいそうだけれど)。後者は、もう少しスマートなというか、広く受けそうなレンジで彼らしさが発揮されていて、これも聴きどころと言えそう。 あと、個人的に好きなナンバーである5.「ブルー・ボッサ」、ベニー・ゴルソンがブラウニーに捧げた有名曲の6.「アイ・リメンバー・クリフォード」に触れておきたい。どちらも聴き手側に一定のイメージがついていそうな曲なわけだけれど、面白いのは、そのイメージを尊重しながら、パット・マルティーノの世界に聴き手を引きずり込んでいく点。有名曲をそのイメージを破壊せずに聴き手を引き込み、気がついたらその演奏者の独自世界の真っただ中にいさせるというのは、誰にでもできる業ではない。これだけでも、パット・マルティーノの“腕のほど”が分かるといったところではないだろうか。[収録曲]1. Exit2. Come Sunday3. Three Base Hit4. Days of Wine and Roses5. Blue Bossa6. I Remember Clifford[パーソネル・録音]Pat Martino (g), Gil Goldstein (p), Richard Davis (b), Jabali Billy Hart (ds)1976年2月10日録音。 【中古】 イグジット/パット・マルティーノ,ギル・ゴールドスタイン,リチャード・デイヴィス,ビリー・ハート(ds) 【中古】afb 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2022年11月09日
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親しみやすく、ストレートかつスリリングな演奏 マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の作品群の中には、記念碑的とか金字塔とは言われないものの、多くの人に愛されている盤といった類の盤もある。そんな盤の代表例の一つが、この『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム(Someday My Prince Will Come)』と言えるんじゃないだろうか。ジャズ史の流れを変えるような何かすごい演奏が繰り広げられているというよりは、ハード・バップ然とした、その当時の彼と彼のバンドの演奏スタイルが極めて良好な形でレコーディングに残された作品とでも評せばよいだろうか(余談ながら、筆者的には1950年代後半~1960年代半ばが特に好みだったりする)。 演奏に参加しているのは、『カインド・オブ・ブルー』を含む黄金期のメンバーである。テナーはハンク・モブレーもしくはジョン・コルトレーンで、ピアノはウィントン・ケリー、ベースはポール・チェンバース。そして、ドラムスはジミー・コブという面々である。 表題曲の1.「いつか王子様が(サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム)」は、1937年のディズニー映画『白雪姫』の挿入歌。1957年にこれをジャズで取り上げたデイヴ・ブルーベックをはじめ、このマイルスのものや、さらにはビル・エヴァンス、ハービー・ハンコックなど様々なジャズ奏者が演奏を行っている。本盤でのマイルスの演奏(現在では別テイクもボーナストラックとして聴くことができる)は、進行の巧さ、そして何よりもマイルスのミュート・トランペットのすばらしさが際立っていて、本盤のベストの曲だと思う。同じく、マイルスのミュート演奏という点では、2.「オールド・フォークス」も必聴である。途中でピアノ・ソロを挟むものの、この曲の演奏の大部分でマイルスのミュート演奏が聴きものとなっている。さらに、聴き逃がせない演奏としては、マイルスのペンによる5.「テオ」が挙げられる。曲進行もさることながら、聴きどころはテナー演奏で、この曲のみテナーはモブレーが外れ、コルトレーンがたっぷりとコルトレーン節を聴かせてくれる。 ついでながら、ジャケット写真の女性は当時のマイルス・デイヴィスの奥さん(1953年に知り合ったダンサーで、1959年に結婚し、1968年に正式に離婚)である。表題からして、まさか、怖い顔をしたマイルスが“王子様”っていうわけでもないのだろうけれど(笑)。[収録曲]1. Someday My Prince Will Come2. Old Folks3. Pfrancing4. Drad-Dog5. Teo6. I Thought About You~以下、ボーナストラック~7. Blues No. 28. Someday My Prince Will Come (alternate take)[パーソネル、録音]Miles Davis (tp), Hank Mobley (ts, 5.を除く), John Coltrane (ts, 1.と5.), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds, 7.を除く), Philly Joe Jones (ds, 7.のみ) 1961年3月7日、20日、21日録音。 SOMEDAY MY PRINCE WILL COME【輸入盤】▼/MILES DAVIS[CD]【返品種別A】 Miles Davis マイルスデイビス / Someday My Prince Will Come + 2 【BLU-SPEC CD 2】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2022年11月04日
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優しさが伝わる変幻自在のソロ・ピアノ盤 フェリペ・ゴルディージョ(Felipe Gordillo)は、メキシコ人のジャズ・ピアノ奏者。生年や音楽的なバックグラウンドについて詳しい情報がなく、あまりよくわからない人物なのだけれど、何年か前に入手し、時折聴いている盤が、この『エン・ブエロ(En vuelo)』である。2016年末に録音され、翌年にリリースされたソロ・ピアノ作品である。 盤全体としては、優しいタッチ、丁寧な演奏が印象的で、聴き手が包み込まれるようなピアノ演奏である。演奏されている曲は、すべてゴルディージョ自身が作曲したものであり、作曲家としてのセンスのよさと能力の高さが際立っている。楽器はピアノだけという演奏でありながら、飽きることなく70分ほどの本盤を聴き続けられるのは、演奏もさることながら、この作曲力によるのではないかという気がする。 収録されているのは18曲。総収録時間が70分ほどなので、1曲ずつはどれも長くなく、概ね3~4分(長いものでも6分)である。これら18曲は実にヴァリエーションに富んでいて、表題を見てわかるように、スペイン語の表題曲もあれば英語の表題曲もある。曲のタイトルから連想される“場”も、スペインだったりアメリカだったりとヴァリエーションに富んでいる。 通して聴くと本当に癒される気がするので、全体を通して聴いてもらいたいと思うものの、気に入っている演奏をいくつか挙げておきたい。彼のピアノ・ソロ演奏の本領発揮と言えそうなの曲の一つは、冒頭の1.「ミ・アルマ」。上述の通り、優しく包み込むような美曲である。この傾向に準ずる楽曲としては、3.「コン・エル・コラソン」や10.「パシエンシア」が気に入っている。あと、静かに流れていくかのような表題曲の4.「エン・ブエロ」もお気に入りである。それから、少し抑揚のある楽曲としては、2.「イン・ア・モンクス・ムード」、8.「モーダル・ヴォヤージュ」、18.「S.F.」が興味深い。日本国内では入手が難しそうな盤ではあるものの、機会があれば、ぜひとも一聴に値するのではないかと思う。[収録曲]1. Mi Alma2. In a Monk's Mood3. Con el Corazón4. En Vuelo5. Sweetness6. Mi Angel7. Buena Señal8. Modal Voyage9. Belleza del Cielo10. Paciencia11. Unión12. Free Spirit13. Travesia14. La Giralda15. Sweet Song16. Un Día Después17. Relaxing18. S.F.2016年12月21日・23日録音。 【中古】 Felipe Gordillo / En Vuelo 【CD】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2022年11月01日
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