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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り――最遅の花見 in 札幌今日は雨模様の札幌西隣の寺院の畑に咲く「桜」満開AM8時35分「エゾヤマザクラ」と思っていたが……それにしては紅色と花びらの多いことワイフに聞いたら「花盛」と言いネットで調べたら「花が盛んに咲いているさま」またネットで観たら「千島桜」とそっくり隣の寺院に電話「千島桜でしょうか?」「私どももその桜の種類は知らいないのです」既に葉桜になった「ソメイヨシノ」(寺院の)調べたら――「千島桜」は明治期に北海道に入った、とどこから?千島列島から、だと・さしほどのことワイフに「花盛」ではないようだ――と言ったら「私は『関山』と言ったのよ」とこのお寺の桜は『関山』でした♫【追記】天気予報では来週から晴模様ジジソロキャンプ行、行き当たりバッタでウズウズ今日はキャンプ道具を整理しコンパクト化を目指して・予定では――・鳥をパチンコで撃ち、まるごとの焼き鳥としたい・ウド、フキ等は野山を徘徊して採取(天ぷらにする)・湖の魚をエサ釣り(解禁日は6月だった)・薪は山野の枯れ木を背負って読書スタイル
2022年05月13日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り――「対露ジジソロキャンプ」集合招集が来た!どこの誰が招集をかけたのか分からないが……プーチンのウクライナ侵略戦争に反対し、ウクライナの勝利を祈願し、そしてロシアの不法な「北方四島実効支配」から奪還する「奇願」を目的とした「ジジソロキャンプ」招集命令が届いた――赤紙1枚でなく、青紙1枚の・明日の天気予報を見たら「雨模様で風もある」と明後日の天気予報も同じ集合場所は「支笏湖美笛キャンプ場」・招集命令書によるとー―*日時は各自が決める*食料は各自で負担*コロナ下なのでマスクを持参し、人との会話時は必ずマスクをすること*支笏湖美笛キャンプ場は込み合うので、朝7受付だが、5時に行くこと*樽前山の山開きは6月なので、7合目から登れずいつ行くか?明日じゃないな土曜日は晴れのよう
2022年05月12日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り――『ナチス戦勝記念日』が『プーチンの葬送式』に観えた!(日吟短観)『ネオナチからドンパスとロシアを守る戦いをしている』『ウッラー!』LIVEで観ていて――これは「対独戦勝記念行事」でなくプーチン自身が演出した『プーチン自身の葬送式』かと思えたロシア正教の教主も参加し最初から十字を切って始まったのだ空砲が撃たれたがこれは葬送の儀礼かウッラー! バンザイ!*【不滅の連帯】の行進に――プーチンは「父親の写真」を手に持ち参加ん?本来「不滅の行進」は、レニングラードで犠牲になった兵士たちをその家族が弔うものだと聞いている「遺影」を掲げた行進が「不滅の連帯」行進とするとプーチンの「父親」は「負傷」したので「不滅の行進」に参加する資格はあるのだろうか?*ロシアが長年「不滅の行進」をやるなら――日本のソ連による犠牲者を弔う行進があっても良いだろう不法にシベリア抑留で約6万人が犠牲になったのだ旧満州から日本へ逃避する同胞も数十万人亡くなっているのだ樺太でも大勢の旧日本軍兵士と市民が亡くなっているのだ樺太から引き上げる船がソ連の潜水艦に沈められ大勢が亡くなっているのだであれば日本でも【負滅の行進】があっても良いだろう恨らー!うらー!*
2022年05月10日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り――『日本は自立・独立の防衛力強化論』『核シェア論』を唾棄する!(1)今朝の朝日新聞記事によると『日本の防衛力はもっと強化すべきだ』との有権者が60%強と。記事でも、有権者の意識が「プーチン・ロシアのウクライナ侵略戦争」で、変化つつ……とも。*だが今こそ、冷静になれ! 日本の有権者・国民よ! と言いたい。何故なら、70数年間のこれまで特に「沖縄辺野古米軍基地埋め立て移転計画」を非民主的強行の屁理屈として「日米安保で日本の安全保障が守られているのだ」と言い張っていたのは誰だ!自民党保守政権ではないのか!直近の10数年は、「安倍自公政権と日本維新の会(強硬論で)」ではないのか!プーチンの「核の恐喝」、北朝鮮の核ミサイルの「恐喝」、中国による「台湾有事・南西諸島の脅威」だが、今こそ、冷静になれ! 日本国民よ!何となく、プーチンのロシアと国民性が似ている気もしているよ。日本の過半の国民性が……強い者に従順になる性質が……判官びいきは何処へ。強気者に立ち向かう気概があるのかな……(2)「核の恐喝」について――いわゆる【戦術核】でもその脅威は、『広島・長崎原爆』の10倍前後のようだ。【戦略核】ともなれば、『広島・長崎原爆』の数百倍だ。これは1発の核兵器で。核兵器の使用は、まさに『地球の世紀末』となるのだ。if北朝鮮が【弾道ミサイル(核兵器でない)】を日本列島に撃ち込んだと想定しよう。だがその前に、大韓民国が真っ先に、北朝鮮の【短距離ミサイル】攻撃を受けるのだ。つまり北朝鮮が大韓民国へ「戦争」を仕掛けることに牽連して日本が北朝鮮の【弾道ミサイル】の脅威に晒されるのだ。大韓民国には、在韓米軍基地と兵士と家族もいる。5万人の米軍兵士が常駐している。もし、北朝鮮が大韓民国へ「ミサイル攻撃」を仕掛けるとしたらこれは第2時朝鮮戦争の再発である。当然、大韓民国も在韓米軍も「報復攻撃」で【ミサイル】を撃ち込む。国際法には無いが、日本国民法にある『倍返し』となろう。否!国際法違反の法定利息の規定は無しだから米軍と大韓民国軍による「報復」は無制限なものとなるだろう。これぞ『身を切らして骨を断つ』結果か。北朝鮮キム独裁王朝の壊滅となるのだ! 朝鮮半島から消える!・この事態の後、北朝鮮の日本への【弾道ミサイル攻撃】はあるのかな?そう想定しているが……・if中国が『台湾有事』を勃発させたら(台湾は国際法上、『一国二制度』としての『中国の台湾』である)プーチンのウクライナ侵略戦争の様とやや違い(中国も、プーチンのウクライナ侵略戦争での戦車・艦船等が「鉄の棺桶」となっているのを知った)膨大なミサイル・ドローンが飛び交う「戦争状況」となるだろう。戦車・戦闘機・艦船・歩兵の出番は無い。想像するに――中国の被害も甚大となるはず。対岸の福建省一帯は地獄の様相を呈する。最悪なのは、中国の沿岸沿いにある数多の原発にミサイルが当たることである。双方の1万発超のミサイル攻撃で中国・台湾の原発被災の放射能事故は、免れそうに無いからだ。もちろん、双方に甚大な市民・人民・兵士たちの犠牲者が出るだろう。またその原発放射の事故は、中国・台湾はもとより、日本にも重大な危険「偏西風放射能汚染」が……そして中国への経済制裁である。日本列島から「100均」「ウナギ」等の中国品が無くなる??否!中国経済がどん底に落ちるのだ!中国はプーチンのウクライナ侵略戦争を見ている。疲弊し泥沼化していくプーチン・ロシアの姿を。ゆえに武力行使での「台湾有事」には疑問を持つ。中国は――台湾の「一国二制度」を容認し……と成らざるを得ないだろう。そうなってほしいものだ!・if「台湾有事」に関連し、中国の「南西諸島、特に尖閣諸島」の攻撃占拠は?はっきり言おう!中国の領土問題無き南西諸島への不法な攻撃と占拠は――無い!それは日本への宣戦布告無き「侵略戦争行為」となるからだ。では、尖閣諸島の不法占拠はあるのか?――これも無い!無人島の尖閣諸島海兵隊まがいで上陸戦の必要もない。艦砲射撃100発で「不法占拠の中国兵士」は、壊滅するのだから。これは中国も避ける。*但し、尖閣の領海を巡視する日本の監視船を攻撃の上、尖閣に上陸したらこれはまさに「日本への戦争行為」となる。だがそう単純ではないだろう、中国は。・いずれにせよプーチンのウクライナ侵略戦争で、つくづく実感したことは国際法上でも不法な「侵略戦争」、武力での「現状変更」の戦争は一文の得にも成らず!それどころか、ロシアは国家百年の泥沼体系の国と化すことだ!・『日本の防衛力はもっと強化すべきだ』これの問題点は何か?『日本は自立・独立の防衛力強化論』これの問題点は何か?『核シェア論』これの問題点は何か?『第9条に自衛隊明記』『憲法に緊急事態条項追加』この問題点は何か?・はっきり言う前に、これだけは言っておきたい!今こそ、冷静になれ! 日本国民の60%よ!核シェルターが皆無の日本だよ。ミサイル攻撃に避難できる地下室も皆無の日本だよ。よ~く考えて!【軍事費2%と憲法改悪して、国民の命を蔑ろにする理屈だぜよ】【蛇足の追記】軽口政治評論家と言われている道産子・杉村太蔵いつもハッスルのは「米国のバイデン大統領が悪い」「ウクライナへ膨大な武器供与で米国の武器産業の株価が上がっている」表面しか見ていない、見えない杉村太蔵。道産子は北海道の馬それにエゾ鹿を付けるとただの馬鹿となる・プーチン・ロシアのウクライナ侵略戦争米国のバイデン大統領にはペンタゴンの優秀な分析官・情報、法務将官多数CIAも同様つまりバイデン大統領の裏方は「アヒルの足」状態なのだぜ。NATOに加盟していないウクライナ。水面下で、プーチン・ロシアと際どい駆け引きをしつつ……核戦争の危機第3次世界大戦の危機その中ウクライナへ膨大な資金と武器支援をしているのだぜよ。G7国旧ソ連衛星国、現NATO加盟国と共に・
2022年05月08日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り――天はプーチン・ロシアを見放した!いよいよ、ウクライナの反撃が始まりそう。9月4日までに――何故9月4日か? 母の命日だからだ…?プーチン・ロシア軍は、クリミヤ半島を含めウクライナから完全に撤退せざるを得ないだろう。【想定私見】*ウクライナに侵略したプーチン・ロシア軍兵士10万人がウクライナ軍に包囲され、投降するだろう。*帝政ロシア・旧ソ連・プーチン・ロシアにとってクリミヤ半島とウクライナは鬼門なのだあ!*(つづく)
2022年05月07日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り――ナチス・ドイツに勝利したソ連に大日本帝国も寄与した!?5月9日。非道かつ不法なウクライナ侵略戦争を仕掛けている「プーチン・ロシア」「対独ソ戦争勝利記念」をモスクワの赤の広場で盛大にパレードする。恒例だが……ウクライナで占拠中のマリウポリでも軍事パレードをやるらしい。・かつてのスターリンもあのプーチンも『対独祖国大戦争に勝利したのは――ロシアだあ!』と主張して憚らないでいる。スターリン・ソ連の対独戦争史を書物と記録映像等で知る限り窮地に立った連合国のソ連に対し、米英の連合国が「戦闘機・戦車・武器・艦船・食料等」を供与していたのだ。今のウクライナへ米欧が武器等の供与をしているように……独りよがり、かつ独善的な「対独戦争勝利」を喧伝するプーチン・ロシア。・さらに踏み込めば忘れちゃいけないよ! プーチン・ロシアよ!1941年(昭和16年)4月に締結した【日ソ中立条約】を!当時、色々と事情があったにせよ。日独伊の枢軸国が連合国(米英欧&ソ連)と第2に世界大戦突入していたが何はともあれソ連と大日本帝国は【日ソ中立条約】を締結し大陸極東での「日露戦争」を回避したのだ!だから「独ソ戦争勝利」できたとも言えるのだ!忘れちゃいけないよ! プーチン・ロシアよ!・いくらなんでも米英から対日戦争を求められたソ連・スターリン【日ソ中立条約】を破棄し連合国へ「無条件降伏」した無防備な大日本帝国の満州・樺太・千島列島、おまけに「北海道の分割」を目論見米英から反対されると北方四島を不法占拠したのだ!・if大日本帝国の関東軍がソ連と戦争していたらナチス・ドイツのソ連侵略戦争に負けていたことだろう。そう戦争史に書いてもいるが……何はともあれの話だが。・もともと樺太はロシア領と認めるが千島列島と北方四島は、日本固有の領土(島嶼)と言いたのだが、少なくても断じることができるのは北方四島は完全に日本固有の領土だあ!不法に占領して「戦利品」と言いのけるプーチン。今、ウクライナでも同じ事をやっているのだ!だが、そうはイカの何だかだ!・プーチン・ロシア軍は、ウクライナで完膚無きまで負ける!柳の下にドジョウ2匹はいないからだ。・それにしてもだ――許せん! プーチン・ロシア!
2022年05月06日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り――日本国憲法第9条護持せよ! 雑記岸田自公政権も日本維新の会も「緊急事態条項」「自衛隊」を憲法改正して「明記」すればプーチン・ロシア軍、習近平中国軍、金独裁核ミサイル王からの戦争の脅威を防げる?又はいわゆる「台湾有事」「尖閣諸島有事」に日本国と「自衛隊」が対処できる?そんな馬鹿な!核兵器禁止条約のリーダーになれ!(つづく)
2022年05月04日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り――自衛武装の有り方・雑記プーチン・ロシア軍の残虐非道なウクライナ侵略戦争で知った――(1)私見の大前提は『日本国憲法』の堅守護持である絶対平和主義・基本的人権主義・表現の自由主義など憲法の崇高な規定は、彷徨う「分断国際社会」を救う唯一の金科玉条である(2)今ウクライナは「自衛のための戦い」の最中である国境線を武力で変えようとしているロシアのプーチン(クルミや半島等を勝手に変更しているが、これも含めて)ウクライナ侵略戦争の出口は『本来の国境にロシア軍が戻る』ことしかあり得ない(但し、ウクライナへの巨額な戦争賠償責任を伴い)(3)映像で観る限りだがウクライナの生活文化水準の高さを知った住宅・道路・車・地下鉄・高速道路網・鉄路網、スマホ等・様々な設備等のインフラGDPはロシアより低いが……ロシアよりも遥かにウクライナは豊かだもしかしたら日本よりも、とも思うほどである(4)プーチン・ロシアのウクライナ侵略戦争を観て日本でも俄かに「自衛武装」に関する論議が……日本国憲法改悪論議とか専守防衛の定義変更とか「核共有論」とか私見は――そういう事よりも基本的な自衛武装の在り様を検討したら?と言いたい(5)具体的に言おう先ず、『在日米軍基地・自衛隊基地』の『民間地域から分離』である一般街並みに『基地』を混在させるな万が一(攻撃があれば)の時に備え『自衛隊武装基地・米軍基地』を、街の中および街と近接させるなもちろん、『全国にある原発施設』からも換言すれば――万が一の他国からの攻撃が、国際法に反する極悪非道なものではあるが基地と民間の完全分離により、他国からの攻撃の極悪非道な犯罪性を見極めることができるし市民とインフラの破壊を少なく出来るからだ*その意味では――全国にある『自衛隊基地と米軍基地』の在り様の見直しが必要だ上記の理由からも沖縄辺野古米軍基地移転は、当然、反対である(沖縄の無人島に移転するなら良いかも……)(6)ウクライナ侵略中のプーチン・ロシア軍未曽有の甚大な損害中であるもちろんウクライナは悲惨な状況だが――ユーチューブの動画を観てもロシア軍の戦車・武装装甲車・軍用トラック・ヘリ・戦闘機等などウクライナ軍兵士の携帯ミサイル・ドローン攻撃等で一発で乗員もろとも吹っ飛ぶ5億円前後の戦車が、2千万円の携帯ミサイルでプーチンのウクライナ侵略戦争何と割の合わないものか、とも知るプーチンの野望ウクライナ侵略戦争で果てる、と断じたい(7)日本の自衛隊装備の見直しが急がれる従来の「戦車・戦闘機・装甲車・大砲・戦艦等など」の自衛のための『各種ミサイル防衛装備』で領空・領海・領土の防衛各種ドローンと防衛ミサイルで……自衛隊員の生命を守り市民の命も守りAIのええわいITのあいたい(海に囲まれた日本列島。海域を警備する国境警備隊(海保)巡視船の充実が良いのかな)GDP比防衛予算2%論が湧き出ているが上記のように防衛の在り方を見直せば防衛予算の増大を防げる自衛隊の中身を変えよ!(蛇足)ロシアの戦争映画を観るといつも思うことがある独ソ戦争のシーンで無謀な突撃シーンが多いことであるソ連共産党の「政治監視将校」が前線にいて「無理やりの突撃を繰り返し行わせる」「何ともやり切れない突撃のウラー! 突撃!」「戦場から戻る兵士を後ろから撃つ!」「突撃! ウラー!」この繰り返しで、無駄死にの惨劇これ、どこかの戦争で観たような……万歳突撃だったかな
2022年05月02日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)「命と奪う者と涙」雑記プーチン・ロシア軍の残虐非道なウクライナ侵略中北海道の世界遺産「知床半島」で乗客、乗員の26人が……この観光船事件(事故)は、想像だにしていなかったお亡くなりになられた方々のご冥福を祈りつつやりきれない気持ちでいる*かつて知人の勧めで「船釣り」に嵌っていた知人の釣り仲間の会に入り春夏秋冬北海道の四方八方、釣行した漁船が遊漁船を兼ねている(今は少数だが遊漁専門船もある)「船釣り」で知ったこと仲間が釣り船を予約し夜中を疾駆し早暁4時頃、釣り船の港に着く前日夜7時の天気予報(TV)で船長(船頭)が判断し仲間から連絡が入る「明日OKだと」or「中止だと」or「微妙なので、朝4時に判断すると船長が。船が出ない場合もあると」「俺たちは港に行き、船長の判断を待つことにする」そう仲間から連絡が入ると必ず皆、夜中を駆けて(ほとんどが乗り合いで)港に行く船が出ることに期待して――波よ! 静まれ!*夜っぴいて疾駆し何度『駄目! 出ない!』と船長から言われたことか!優に両手両足分はあっただろうでも、仕方なく諦め近くの食堂に行き「焼き魚定食・刺身定食」のヤケ食いそして日帰り温泉家路に*数度だったが出航して沖に出て「こりゃあ駄目だわ。戻るぞ!」と船長判断が(料金なし)船釣り仲間(5~7人)皆、納得したものだ揺れて揺れて釣りどころじゃない、と分かったから*前置きが長くなった*知床遊覧船事件は「論外」事故じゃなく「事件」と言えようあらゆる点を鑑みて他の遊覧船も出ず(予定なし)漁船も出ずの「天気予報」KAZU 1一艘だけ出航*航海先に立たず?*if「カシュニの滝」で帰路についていたらそうも考えちゃった知床岬まで無理して行かなくても良かったのでは、とだったら何とか無事に……(海からの知床観光、カシュニの滝まで行っても満足感があるから……)無念! 残念!24人の観光客を! 未曽有の事態だ!*かつて「山一証券」が倒産した時記者会見で社長が大粒の涙で謝罪26人の命がかかっていたか分からないが大手証券会社の倒産で*知床観光船の社長記者会見で大粒の涙を流さず26人が、24人の観光客の命が……*この違いは何だろう?*ウクライナに残虐非道な侵略戦争を仕掛けたロシアのプーチンロシア軍兵士の犠牲者だけでも現在2万人超え(ウクライナ軍TV発表)ウクライナ人民を虫けらと発言も一般住宅をミサイルで攻撃中残虐非道な行為をした兵士たちに勲章ときた*戦況が悪化し出すと「核兵器の使用も……」と脅し中のプーチンプーチンは涙が出ないらしいもともと涙腺が無いからのよう?*どの国であっても「涙する」国の統治者であってほしい同じ人間としてーーそこが国の在り様の違いかも知れないそうも思っている。つくづく。「人間は悲しみに涙する動物である」*
2022年04月30日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』最終章 ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)(主な登場人物) ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。海人の妻。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民 ・ムボンの父 通称は「親父(アボジ)」・ムボンの母 通称は「ママ」(最終章) 丑の刻(午前1~3時)の丑三つ時(2時45分頃)、親父とムボンが洞窟内に戻った。「鬼が出て来たな」十鳥が親父に言った。「おお。そうだよ、十鳥さんよ。‶将軍様″に呪いをかけた鬼の一党だがね」親父がニヤッとして答えた。「いやいや、これで鬼が全員出揃ったんだ」十鳥が言うと、「女の鬼は家に2人待っているがね」親父は付け加えた。 そして親父が十鳥に訊いた。「そろそろ、この鬼門のトンネルを爆破したら?」 十鳥は、腕時計に目をやり告げた。「よし。鬼門を閉じる。丁度、丑三つ時、午前2時44分だ。後1分しかないからな。みんな十字架に祈ってくれ。敬虔な儀式だからな」 十鳥は、親父と共に十字架の前に額(ぬか)ずいた。それにつられるようにクン、ムボン、役立、海人も、2人に習った。『父なる神よ。これから地獄の門を閉じます。専制と独裁で苦しむ人々を救い給え。平和な世の中を来たらせ給え。御意志に従い、我々は――神の御子・イエスキリストの名のもと、お祈りします。アーメン』そう十鳥が、祈りの言葉を十字架に唱えた。 丑三つ時。午前2時45分。 トンネルの武器庫3カ所に、親父と十鳥が仕掛けていた時限爆弾が起爆した。 トンネル内で唸る音とともに、洞窟内が少し振動し揺れた。 腕時計に目を凝らした十鳥が、皆に告げた。「これで鬼門が閉じられた。丑三つ時ジャストだった」「十鳥さん。無事、‶将軍様″への呪いを終えましたな」親父が言った。「我々は、確かに呪いをかけたが、あの‶将軍様″は呪い除けに長けている。なにせ配下を呪いの盾にし、犠牲にしているのだ。配下も配下だ。食い物に満たされ、嬉々として盾になっている。教祖が世襲するカルト宗教団体のクニだからな」十鳥は、いつになく悲観的な物言いだった。 まだ夜明け前だからか、洞窟内が妙に暗かった。 一時間後、皆が親父の家のリビングのテーブル席にいた。 テーブルの上に、「ビニールに印刷されたメモ」「韓国の免許証が2人分」「腕時計6個」「タブレット」「発信器1個」が置いてある。これが工作員と仲間たちが持っていた全てだった。 十鳥がクンに言った。「先ず、腕時計の裏ブタを外して確認してくれ。潜入予定の工作員と潜入した工作員の腕時計3個だ」 クンがナイフの先で器用にこじ開けていく。 3個の腕時計の裏蓋を開けると、中に「丸い形状のメモ」があった。「やはりな。厚みがあったから、そう思ったのだ。それに機械式でなくデジタルだったからな」十鳥が言った。 クンが「メモ」を広げた。それは5cmの円形メモとなった。「どれも乱数字が書かれている」「ビニールのメモも乱数字だったな?」十鳥がクンに訊いた。「そうです。どれも北側工作員の得意な乱数字です」クンが答えた。「よし。ここからは榊原と海人先生の出番だ」十鳥が榊原を見て言った。 榊原が言った――「私の勘ですが……北朝鮮に全く無縁の書物にヒントがあるのでは……洞窟の南進トンネル。そう、あの洞窟の教会と関係した書物、それは『聖書』ではないかと思いますわ」 これには皆が呆気にとられた。いくらなんでも、何で『聖書』なんだ? と。「貴国では『聖書』は、ほぼ、どの家庭にあっても自然ですので。乱数字の暗号は、『聖書』の中に潜ましているかも。例えば、乱数字の『202・4・○○・○○・○○』。ある『聖書』のページと第何章、何節、何行目、そして上から何番目の『文字』を当てはめると指示命令分、暗号が解けるのかも。くれぐれもこれは私の直感ですよ」榊原が説明した。「聖書はハングルでしょうか?」クンが訊いた。「私の勘ですが、必ずしもハングルの聖書でなく、日本語版の聖書かも知れません。少なくとも英語版ではなさそうです」榊原が答えた。「親父さん。クンさん。このことは貴国の情報院で調べれば、すぐ判読できますね」海人が言った。 ここで十鳥が身を乗り出して言った。「私の娘は、優れた分析頭脳の持ち主なんだ。娘の勘は、宝くじより遥かに確立が高いのだ。潜入工作員の真の目的は、拉致問題を別としても、核とミサイル問題で、国交のない日本への潜入工作要員だと思われるのだ。新たに貴国に潜入する必要がない。これまで十分に貴国に潜入し、北のスパイ網は完成しているからだ」 十鳥が一息ついた。「車、洞窟の内と外に、隔離している捕獲した奴らは、親父さんにお任せする。但し、承知されているように、我々の‶将軍様への呪い作戦″と、日本から来た我々の存在を秘匿だ。明日、我々は日本に帰る」「十鳥さん。承知した。南進トンネルを見つけ、工作員を捕獲したが、十鳥さん等の関与は黙秘する」親父が答えた。 海人が口を挟んだ。「あの南進トンネルを貴国と貴国の情報院が伏せてくれると助かる。理由は、あのトンネルの洞窟が、貴国で貴重な旧石器時代の遺跡ですので。本格的な発掘調査を行えば、貴国の有数な遺跡となるはずです」「私からもお願いがあります。洞窟の教会も、貴国の歴史遺産ですわ。保存と調査をお願いしますわ」榊原が言った。 海人が話に入った。「もしかしたら、洞窟内に隠れ部屋があるかも。あったらそこに、ムボン(武本)家の日本人祖先が遺した何かがありそうな気がしているんだ」「先生たちよ。すべて了解したぞ」親父が声を強くした。 リビングの窓外が明るくなって来た。「今日はハレの日だな」十鳥が呟いた。「そうです。今日は晴れの日ですね」クンがそう言った。 皆が窓外を見た―― 8月末の朝9時半。大学の研究室にいた海人に、十鳥から携帯に電話が入った。「海人先生よ。クンさんから連絡があったよ……」「それで?」海人が訊いた。「……どうなったと思う?」十鳥が訊いてきた。「十鳥さん。これから行かなければならないのです」「私の娘と食事にか?」「そうですよ」「父の俺を除いての食事なんだ……」十鳥の声が小さくなっていく。 すかさず海人が十鳥に言った。「あれ? 十鳥さんのお嬢さんから連絡することになっていますよ」「おっ! また掛けるぞ。今娘から連絡が入ったからね」十鳥の携帯がバシっと切れた。 数十秒後、十鳥から電話が入った。「いやあ~。食事の時でも良いが、急ぎ知らせる。洞窟内に隠し部屋があったそうだ。3個の木箱があり、武本という祖先が遺した文書類多数と白い十字架についての文書も。それと、洞窟内の発掘調査が行われた結果、旧石器遺跡の沢山の証と人骨数体分があったと。乱数字が『日本語の聖書』に当てはまったそうだ。韓国の情報院関係者からの話だと、北の独裁者、将軍様は動揺して、片っ端から粛清していると。将軍様の大本がかなり危なそうになっていると。捕獲した工作員らは、韓国情報院が厳格に隔離し取り調べ中。そうそう、クンの元同僚がスパイ工作員だった。後は食事の時、伝えたい。それにしてもだが、私の娘と婿だけあるなあ」 (了)
2022年04月29日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)【プーチンのウクライナ残虐非道侵略戦争に想う】あれやこれやと識者の分析・見識が出ているが。全ての悪の根源は、プーチン自身に起因しているものと断じるが…… 2期目のロシアの大統領選で「辛勝」した時から、プーチンは変わったのだ。いや、プーチンがロシアの大統領に就任した時から、悪魔の幻想的な「プーチンの野望」が彼の心底にあって、彼なりの「時」を待っていたのだ。いやいや、ソ連時代(KGB)にプーチンの頭を支配して「妄想」の開花の「春」がきたのだ。これを「巡春」と言いたい。・際どかった2期目の大統領再選で、「民主主義制度」への完全否定となったのだ。・味方になり得る専制独裁国家の台頭。・民主主義国家で、味方として利用できる「プーチンの理解者」の大統領・首相の誕生、再選。・シリアでは目論見通りとした。・チェチェン共和国(ロシアの自治州)の独立を阻止。・グルジアでは「親ロシア派の共和国」を、ロシア軍の介入と平和維持として誕生させた。・欧米・日本諸国がこぞって「ロシアの天然ガス・石油・石炭等」詣でし、「宗教はアヘンである」を文字通り反転させ、「ロシアの資源はアヘン」となっていった。これは中国の経済台頭と同じである。資本主義各国は、ロシアに資源を求め、中国に「安い工場と購買」を求め。因果応報の結果を生起させているのだ。・「ロシアの資源はアヘン」となり、欧州を筆頭にアヘン中毒を確認したプーチン。プーチン論文「ロシアの資源を内外政策に活用する」ことに成功したのだ。・2014年。ウクライナのクリミヤ半島略取したプーチン。だが、プーチンを満足させない。「プーチンの野望」の端緒に過ぎなかったからだ。ウクライナは、民主主義制度下の元、「インチキ無き選挙」で、欧米派(EU・NATOに加盟希望)の大統領が、何度やっても選ばれる。プーチン・ロシアが陰で支援したインチキした親露派の大統領が誕生しても、ウクライナ国民は「引きずり降し」。そして現ウクライナ大統領に至る。因みに、親ロシア派の大統領下では、ロシアと同じような「汚職まみれ」だった。どうにもならない程の。・現ウクライナ大統領のゼレンスキーは、「憲法に明記」させた「EU・NATOに加盟」。これでプーチンは「ウクライナ残虐非道侵略」を決定したのだ。・さらにプーチンには不都合なことに、米国大統領に親露派(親プーチンの)トランプが再選できなかったことだ。反プーチンのバイデンが米国大統領に就任しちゃった。これで「プーチンの野望」の、さらなる「インチキなる誤魔化しのウクライナ攻略」が不可能となったのだ。その意味では、トランプが大統領に再選されていたら、「ウクライナ侵略戦争」をプーチンはやらなくても済んだのだ――いつものインチキ・誤魔化し略取があり得たからである。但し、反プーチン・反ロシアのウクライナ国民90%は、弾圧・インチキ暗殺・シベリア収容所送り、となっていただろう。そしてウクライナから自由はなくなり、ロシアの1州に組み込まれていただろう。学校教育でも「Z」を描くことを強いられていただろう。【核の脅しのこと】プーチンと側近たちは「核を使うことはあり得る」と言い放つ。結論を言おう!核を使用するなら「やってみろ!」その代わり、米欧も「やれ!」第3時世界大戦となるから――との見解は正しいが。それでウクライナへの残虐非道な侵略戦争のプーチンを恐れるなら、それこそが世紀末だ。ウクライナでプーチンの野望は止まらないからだ。プーチンが生きている限り、「野望」は果てしなく続くからである。なにせ、国際法等の論理が通じないのだ。プーチンは「世界の平和」を望んでいない。「戦争」をやり続けることを望んでいるのだ。私見だが、プーチンは明らかに病んでいる、とみている。巷間、言われているパーキーソン病か何かを。映像で、左腕がひくひくしている。両手も少し。何かを掴んで誤魔化しているように見える。プーチンの頭を覗いてみた。『(俺が)死なばもろとも』と思っているようだ。その前に――プーチンの側近たちよ。鎌を持って立ち上がれ! 自分と自分の家族を守るために。先ずは「自己保身」の理由だけで十分だ。
2022年04月27日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』15 ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)(主な登場人物) ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。海人の妻。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民 ・ムボンの父 通称は「親父(アボジ)」・ムボンの母 通称は「ママ」(15) 軍用トラックは、暗闇の公道を東へと進んでいた。 これまで25km走ったが、すれ違う北朝鮮の軍用車はなかった。だが運転しているクンの胸の内で、少しづつ波打ち出していた。北朝鮮は常に戒厳令を敷いているから、検問所があるはずだ!「ムボンよ。そろそろだな」「クン兄。俺の体もそう疼いているよ」 クンがマイクで告げた。「役立さん。先生。検問所がありそうだ」 クンの声を聞いた役立と海人が、互いを見てまなじりを上げた。「帰りは怖いと、覚悟しているよ」海人が言った。「今までが順調だったからな」役立が言った。 海人も役立つも、やけに冷静だった。十鳥チーム自体が、危険な状況――そもそも南進トンネル突入、北朝鮮潜入、基地強襲、そして‶将軍様への呪いかけ″――の計画策定時から、腹を括っていた。大胆であり、繊細であり、機械工学でいうところのテンションとも言える遊びを絶えず持っている十鳥のチームである。張り詰めた糸は切れ易い。だが心に遊びがあると、張り詰めた心を調整し、冷静に対応できる。これが十鳥の並外れた持ち味で有り、十鳥を尊敬するチーム員も持ち合わせているものなのだ。類が類を引き合わせているように。 クンが前方の彼方に検問所の灯りを捉えた。「検問所あり!」「了解!」皆が答えた。 数十秒後、検問所に着いた。兵士2人が立ちはだかり、手で、停まれ! と合図して携帯ライトで運転席を照らした。そして兵士が運転席側に近づいて来た。 クンはドアを開け、車から降りる。助手席のムボンが消音装置付きの拳銃を軍服に隠し持つ。「いやあ~ご苦労様。我々は特殊任務で10km先のトンネルに向かっている」クンが特殊任務を強調して言った。兵士がクンの任務に理解したかのように、「特殊任務ですか。本部からそういう連絡が無かったのも頷けます」と言った。が、躊躇しつつ、クンに言った。「一応、身分証を見せてください。確認させていただきます」 クンが軍服の胸ポケットからIDカードを取り出した。それは北朝鮮軍偵察総局幹部の身分証である。 IDカードに目を通した兵士が、「偵察総局の……失礼しました!」と言って、背筋を張り敬礼した。兵士が検問の車停止バーにいる兵士に、手で合図した。通過よし! クンはトラックをゆっくり動かし、検問所を通って行く。 去って行くトラックを見送っていた兵士が、はたと気づいた。偵察総局の幹部は、軍服でなく背広のはずだ! それに彼は若すぎる! 偵察総局の次長にしちゃ! いつもは乗用車のはずだ! しかもトラックのナンバーは……本部に確認すべきだ! あの幹部の名は……キム……将軍様の一族……いや、キム姓は大勢いる…… そう思案して、兵士が無線機で本部に連絡した。 クンは急いだ。だが、胸の内が漣(さざなみ)立ってきた。「役立さん。追っ手の車両に警戒してくれ! 俺は次の検問所を警戒している。検問所があればだが」「了解」役立が答えて、ライフル銃とRPG対戦車擲弾発射器を手に持った。「先生。身を伏せてください。私の背後で」役立が海人に言った。海人が床に腹ばいになった。 皆は防弾ベスト――クンがネットで購入した3万円ほどの代物だ。高額なケプラー社製でないが、不織布製で2kgと軽い。不織布と言えば、コロナウイルスの貫通を防げる。原理は同じで、何重にも重ね合わせた不織布の素材が違うだけだ。これでも拳銃弾、小銃弾の貫通は防げるし、そう厚くはない。役立と海人は潜入時から迷彩服の上に着ている。クンとムボンは、北朝鮮の軍服の下に着こんでいる。因みに米国等の特殊部隊の防弾ベストは、数十万する高性能の防弾・防爆対応のそれである――の緩みを直した。 十鳥が腕時計を見た。夜半を過ぎていた。「十鳥さん! 来たよ!」親父が、洞窟入り口に立ち声を張り上げた。「親父殿。来たか――待っていた。工作員の仲間を捕獲したのは、さすがだ」「十鳥さん。そこの真っ裸の工作員が隠し持っていたメモと、仲間の工作員は、今回の‶将軍様への呪いかけ作戦″での望外の成果かも知れない。奴らの始末は、4人が戻ったら、十鳥さんと皆で相談したい」「親父殿の言う通りだ。貴国の情報機関に、単純に委ねる訳にゃいかなそうだからな」「十鳥さん。私もそう思っている。奴らは根を深く張っていそうだ」「親父殿。トンネルの武器庫に、まだ4人の貴重な情報材がいるが、2人で回収に行かないか?」「了解した。潜入のクン等が戻る前に運ぶとしましょう」と親父が言って、トンネルの穴に歩を向けた。 脱出のトンネルまで、あと5kmだ、とクンが呟いた時、前方に小さく光る点が見えて来た。段々と点が大きくなって来た。検問所だ! 今度はやばそう! クンがマイクで後部にいる役立、海人に知らせた。「検問所あり!」「準備よし!」役立が答えた。 検問所の前で5人の兵士が、AK自動小銃を構えている。戦闘態勢を敷いていた。「やばい」ムボンが言い、窓を開けた。そして消音拳銃を手に持ち膝に置いた。クンは窓を開け、トンネルの武器庫から持ち出した旧型のAK自動小銃を右手に持つ。「いったん停車する素振りをするが、急発進して突破する」クンがマイクに告げた。「了解! 準備OK!」役立が答えた。伏せながら海人が、RPG3器を抱えた。 トラックが近づき速度を緩めた。 5人の兵士が前を塞いでいる。中央の兵士が自動小銃を持ち上げた。「突破だ!」クンがマイクに怒鳴り、急発進する。クンは片手で窓から自動小銃をバラバラと横に払い撃つ。助手席のムボンも撃つ。 停止バーを打(ぶ)ち破り、トラックは検問所を突破する。が、公道の両脇に2台の武装装甲車がいた。「武装装甲車2台! 先手だ!」クンが怒鳴った。 幌後部の役立が、RPGの狙いを定めた。撃った!「クソ!」役立が罵った。外れたのだ。海人がRPGを役立に渡す。 役立が撃つ! 海人が渡す。役立が撃つ! 装甲車の姿が噴煙で消える。海人が最後のRPG3器を役立に渡した。 役立は装甲車を破壊したか、目を凝らすが、遠ざかるトラックからは見えない。闇だけだ!「クンさん。当たったか分からない」役立がマイクに言った。 バックミラーを見たクンが言った。「追って来ていない。あと5分でトンネルだ。いずれにせよ、バレた。戦闘態勢維持だ!」クンが告げた。 ムボンがライフル銃の銃床でフロントガラスを砕く。顔に冷えた空気が当たり、火照った頭を冷やしてくれた。ムボンが狙撃ライフル銃をフロントに突き出した。 トラックは漆黒の闇を疾駆した。‶闇を行く!″ それだけは予定通りだった。 トラックが公道のトンネルに近づいた。トンネルの入り口の薄明りの中、4人の兵士が道を塞ぎ、AK自動小銃で狙っていたのが見えた。100m手前で、クンが速度を落としトラックのライトを消すと、ムボンが狙撃ライフルを撃つ、撃つ、撃つ、撃つ。 兵士たちが倒れたのを確認したクンは、トラックを加速させた。「入り口の兵士たちを無力化した。これからトンネル内のトンネルに行く。だが、トラックから降りるのは公道のトンネル内だ。そこから南進トンネル入り口まで走る。そこにも敵はいるかも知れない」クンがマイクに告げると、トラックはトンネル内に入った。 この先20mで右折すると、南進トンネルの駐車場だ。クンはトラックを停車させた。と同時に、皆がトラックから降り、クン、ムボン、海人、役立と縦列になった。 南進トンネル内から車のライトの照明が伸びていた。敵がいた! クンが顔半分出して駐車場を覗く。南進トンネルの入り口両脇に四輪駆動車2台がライトを点けて、公道を照らしていた。兵士の人数は確認できない。「ムボン。2台の車の照明を撃ってくれ」クンがムボンに耳打ちした。 ムボンがクンに代わり、前に出た。ムボンが躍り出ると、伏せてライフルを撃つ。車の照明が消えた。と同時に、車の方から一斉射撃だ! 自動小銃の射撃だった。 ムボンは転がり、向こう側の壁に身を隠す。「敵は4人」ムボンが言った。「RPGをかます。と同時に一斉反撃して突入する」クンが言った。 役立がクンにRPGを渡す。「行くぞ!」と言うなり、クンが半身を出し、RPGを撃ち放した。1台の車に当たり、ひっくり返った。焔立つ! ムボンとクンが駐車場に突入し、撃ちまくる。敵の銃弾も放たれる。役立も転がりながら、クンの横に行き、自動ライフルを乱射する。ムボンが手榴弾を投げる。もう1台の車のところで爆発した。 海人が公道の前と後ろに目をやる。後ろの方に車のライトが近づいて来るのが見えた。「追手が来た!」海人が大声で告げた。 クンらが撃ちまくった。そしてクンが怒鳴った。「敵の反撃が無い! トンネルに突入だ! 追手が着く前に! 先生!」「今行く!」海人が駐車場に走った。南進トンネル入り口前で燃えている車を目がけて、50mほどだったが。南進トンネル入り口にクン等3人が待っていた。 追手の装甲車が駐車場に現れた時、クンが入口扉の鍵部分を撃ち、ムボンと役立が扉を開ける。「先生と役立さん。ここはムボンと俺に任せて、先に行ってくれ」クンが言って、ムボンと防御姿勢をとった。「先に逃げる。100mのところで待っている」役立が言って、海人の背を押した。「了解した」クンが答えて、AK自動小銃を撃つ。が、弾切れだった。すかさずムボンが手榴弾を投げる。クンが弾倉を取り替えると、装甲車からの機関銃弾が扉を破壊する。「ムボン! 俺たちも逃げるぞ!」と言った時、クンの肩を機関銃弾が抉った。「クン兄。どうした? 逃げないのか?」「肩をかすめ撃たれた。俺の顔に暗視ゴーグルをかけてくれ」少しよろめいたクンが答えた。それを見たムボンが最後の手榴弾を装甲車に投げる。「クン兄。トンネルにランタンが点いているよ。暗視ゴーグルは要らないよ」そうムボンが言って、クンの腕を支えてトンネルの奥へ後退(あとずさ)って行く。「ムボンよ。俺の手榴弾を使え」 ムボンがクンのベルトから手榴弾3個を取る。「クン兄。先に逃げてくれ。この手榴弾で入り口を崩落させる」「分かった」クンがよろよろと背を向け奥へと歩を向けた。 装甲車は1台ではなかった。ガンガンと撃ってくる。ムボンの体をかすめて弾光が走る。ムボンも急ぎ後退る。70m離れた時、入り口目がけて手榴弾2個を投げた。爆風がムボンを襲ったが、機関銃弾とAK自動小銃弾がトンネル内をビュンビュンと飛ぶ。崩壊していない! ムボンが100mほど後退ると、防弾盾2枚がムボンの前に立った。数発の銃弾が、その盾に当たった。「クン兄。逃げろ!」ムボンが後ろを振り返った。「シジュンよ! 私だ!」親父だった。「親父!」ムボンは驚いた。「このまま後退するぞ。私は地雷を置く」親父が後退しつつ、首からぶら下げた袋から対人地雷に信管をねじ込み、1個づつ床に置いて行く。「クン兄、役立さん、先生は?」銃弾音が飛ぶ中、ムボンが訊いた。「クンは肩を負傷している。皆を洞窟に行かせた」親父が答えて、地雷を置く。 トンネル内に敵兵士が入って来たのが、自動小銃音で分かった。 ムボンがライフル銃の弾倉分を一気に撃つ。「シジュンよ! あと100m下がったら、敵は地雷を踏むはずだ。盾を背に背負え! 私は後ろから続く。トンネル内は縦列、人ひとりが列をつくるはずだ」「親父! 了解した!」ムボンが盾を背にして走る。袋の地雷を空にした親父も続く。 親父とムボンが300ⅿ後退した時、後ろで地雷が連続して爆発した。トンネル内が共鳴し、爆風が2人の背を襲う。トンネル内で地鳴りがした。「シジュン! 急げ! 崩壊している!」「親父! 武器庫をどうする?」走りながらムボンが訊いた。「私たちが洞窟に戻ったら、十鳥さんが爆破することになっている」親父も走りながら答えた。また後ろで地雷の爆発音がし、トンネルの床が揺れたが、爆風は追って来なかった。(続く)*このブログ冒険小説はフィクションであるが、事実も織り込み描いているつもである。*次回が(最終章)となる予定である。
2022年04月25日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)フェイク・嘘・偽装・捏造・隠蔽する者(国・宗教等)は――ヤバイ!嘘つきは泥棒にはじまりとの格言があるがこと独裁者(独裁志向の者も含む)とその仲間たちの国々では嘘つきは平和の使徒であるとでも言いたいようだ・まっことヤバイ世紀になったもんだロシア正教では宗教指導者さえ堂々と嘘をつくのだから・そうそうロシアのプーチンと面談する選ばれしロシアの女性たちとかの映像を観ているとまったく生身の人間味が感じられないのだ無機質な表情と言い方相当の演技力を感じる・一方ウクライナの人々の表情と声から見えるのは自由に物言い表情も豊かそれは子供から大人まで同じ・そう言えば某宗教団体の信者・幹部を思い出す眼がやけに白々しいのを眼が無機質になっているよまるで義眼のような……・それにせよフェイク・嘘・偽装・捏造・隠蔽する者たちの国々は――ヤバイ!実感しているぜよ!痛感しているぜよ!・プーチン・ロシア軍のウクライナ侵略での「民間人虐殺行為」明々白々それは――プーチンの指示とみているこの男と仲間たち極悪非道なり!テロ国家なり!・ウクライナのゼレンスキー大統領が早くから『ウクライナ侵略は始まりに過ぎない』と言っていたその通りだ!次はモルドバその次は……バルト三国か・日本のコメンテイター等に「米国の対応がぬるい」との意見があるがこれには賛成しかねているぜよ短絡的意見だと思ってね・【追記】知床観光船(26名行方不明中)観光船からSOSがあったがその一時間以内に行けずの海難即応体制にまさに有事の不備を思う救難ヘリが近くに無かった……無事を祈っている
2022年04月23日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)一市民として――軍事力で侵略した国の、その国家統治者が専制独裁者だろうがなかろうが、絶対悪の「戦争犯罪人」である。また、一国内において、暴力装置(軍事力)をもって民主主主義制度下の政権を転覆し圧殺する者たち、また国内における人権を蔑ろにし弾圧する者も「人道犯罪者」として、民主主義制度下の他国は協同の力で国際正義を行動で示し、裁かなければならない。「戦争犯罪及び人道犯罪」は、当事者の外交問題でもなく、内政干渉にもあたらず、人類への大犯罪であるからだ。とは言え、日本国憲法の第9条と平和主義を絶対に否定することは出来ない。むしろ、我々は日本国憲法が与える崇高な使命を、今、国際社会に知らしめるべきである――と考える。米欧等国際平和維持団でウクライナに行け!プーチン・ロシア軍のウクライナ侵略戦争に対し、1994年の【ブダペスト覚書】を根拠に、当事国である米国・英国・フランスは、ウクライナの安全保障を順守しなければならいない。若しくは――米欧等国際平和維持団でウクライナに行け!プーチン・ロシアは【北朝鮮の宗家・本家・家元・親方・親分・親玉】国家となっているのだ。私見は――ナチス・プーチン・ロシアだあ!実体はロシア民族主義過激派のプーチンとその一党が統治するロシア。その裏で精神的に支える【ロシア正教の親玉】がいる。つまり政治と民族主義宗教が一体となったロシアだあ!まさに【宗教はアヘンである】のマルクスの警句(こう解釈している――宗教が国家権力に迎合すると、アヘン化するものと。宗教の自立性・独立性の問題か)プーチン・ロシアは地で行って、妄信、猛進しているのだ。いずれにせよ自由と民主主義国家ウクライナが残虐非道なプーチン・ロシア軍の侵略を受けている今。欧米等民主主義制度を基軸とした国々が連帯し、【核の脅しに負けない核悟の覚悟で】ウクライナの平和維持の義務を持つのだ。行け! ウクライナへ!人道支援の米欧等国際平和維持団だあ!【追記】先程のニュースで『ショイグ国防相はまだ2000人以上の兵士が中にいて、作戦が「3~4日で完了する」という見通しを伝えました。 これに対し、プーチン大統領は、マリウポリ制圧の成功を祝福し、製鉄所に対しては攻撃をやめ、「ハエも通れないよう」封鎖するよう命じたということです。』 FNN配信から抜粋した。映像とともに。注目したのは――プーチンが「ハエも通れないようにせよ」とショイグ国防相に命じたシーンである。ウクライナ侵略戦争の実質の司令官はプーチンであること。事細かく命令、指示しているのだ!これまでプーチンの発言にナチス・ヒトラーの発言と似たものがあるが、今回も同じだ。「ハエも通れないようにせよ」何と非道な発言であろうか。それを映像で見せる神経も異常だ。プーチンは本当に「狂っている」と見た。侵略ロシア軍の残虐非道な行為のすべては、プーチンの指示とみた!
2022年04月21日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』14 ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)(主な登場人物) ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。海人の妻。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民 ・ムボンの父 通称は「親父(アボジ)」・ムボンの母 通称は「ママ」(14) 夜10時。クンを先頭にして4人はトウモロコシ畑を下って行った。 基地内は数か所だけ、か細く灯っている。暗視ゴーグルを着けた4人は、鉄条網に沿い、畑の出入り口、鉄条網の切れている個所を探して行く。 クンが右手で示した。出入り口を見つけたのだ。ムボンがクンの後ろに行き、片膝をつき、消音装置付きのスナイパー銃で援護姿勢をとる。 クンが地雷探知機で慎重に地面を探り進む。前方の建物、メンテナンス車庫まで20mだが、地雷探知機を中央部、それから左右に振った時、イヤホンにキーンと音が鳴った。探知機の液晶画面が赤く光り、メーターの針が大きく振れた。再度、探知機を左右の地面に当てる。イヤホンが鳴る。 クンが後ろに手で知らせた――中央部の左右に地雷有り! そこで待機してくれ! クンがスプレーをポケットから取り出し、中央部左右に「安全線」を破線状に噴射していく。クンが建物の壁に到達すると、付近を探知機で確認する。地雷無し! と合図すると、暗視ゴーグルで「安全線」を見つつ、ムボンら3人がクンのいるところまで進んだ。 クンがマイクに告げた。「ここからは無線を使う。行動開始だ」 ムボンが建物の表に出て、基地内の監視塔と監視要員をスナイパー銃のスコープで探す。監視塔は無かったが、薄い灯りの下、外に向かって、入り口左右に立哨の兵士2人を見つけた。「クン兄。立哨2人。俺も行く。俺が戻るまで役立さんと先生は待機してくれ」 クンとムボンがトラックと戦車の陰を進んで行く。2人は立哨兵士の10mまで進むと、隙を覗い方膝をつき暗視ゴーグルを顎下に降ろし、目出し帽を整えた。 立哨の兵士2人が基地外を、手を後ろに組みのんびりと立っている。今だ!「行くぞ」とクンがマイクに言うと同時に、10mを忍び足で急いだ。隣にムボンも続いく。立哨の兵士の背後から、クンとムボンがライフル銃を振り上げ、銃床で兵士の後頭部を強打した。不意打ちを食らった立哨の兵士2人は、横にどっと崩れた。 クンとムボンは、兵士を引きづり物陰に隠す。「立哨2人を気絶させた。明日朝まで起きないはずだ。俺は分隊指揮所に行く。ムボンと役立さんは兵舎を頼む。先生は、そこで待機してくれ」クンがマイクに告げた。「了解」役立と海人が答えた。 クンとムボンは、忍び足を早くし、二方向に別れて行った。 クンが指揮所のドアを開け、内部に入った。消灯していたので暗かったが、暗視ゴーグルで先を探りつつ進む。人気は無い! 次の部屋のドアを開けた。分隊長の執務室だ。中央のデスク上に『南進命令書』を置いた。デスク上の電話機の配線を抜き取る。無線は? 壁側のデスクにあった。手袋で被せ、銃床で数度叩いた。「無線を無力化した。‶将軍様への伝言″を置いた。俺は先生のところに行き、トラックを確保する」クンがマイクに言った。「了解」海人が答えたが、ムボンらから返事は無かった。兵舎に入ったな、とクンは確認できた。 クンと役立が兵舎のドアを開け、そっと内部に入った。暗視ゴーグルでは、左右の蚕棚に兵士たちが寝ていた。ムボンと役立が左右に別れ、片っ端から兵士の頭部を銃床で叩いて行く。11人の兵士を熟睡させるのに、一発強打! で20秒も掛からなかった。そして猿ぐつわをかませ、パンツ一枚にし、両手を後ろ手に結束バンドで縛り、両足もきつく結束し、うつ伏せにしていく。 10分かかった。暗闇だから、こう無機質に書けるが、実際はホラー映画のようで、ホラーの主人公がムボンと役立だったのだ「奴ら11人を黙らせた。今行く」ムボンがマイクに告げた。「了解。トラックのエンジンをかける。先生と一緒だ」クンが答えた。「クン兄。俺はこれから戦車とトラックに時限装置をつけに行く。役立さんが見張りに就く」「了解」クンが答えた。 10分後、トラックに全員が乗った。運転席にはクンが。助手席にはムボンが。2人は北朝鮮兵の軍服に着替えていた。「さあ~脱出開始だ!」クンが声を張り上げた。「了解した!」皆が答えた。 トラックは暗夜にライトを照射し、基地を出て、道を左折した。脱出のトンネルまで東へ35km。時速60kmで急いだ。 後部の幌内部にいる海人がマイクで訊いた。「皆のリュックの武器類は持ち帰るのかな?」「いつもの予定変更です。逃走に備えるため、リュックに納まっていますよ」クンが答えた。 渓谷源流の水音(みずおと)は、静寂な夜を遮るほど大きくなかった。また慣れもあったのだろう。洞窟内にいる親父、十鳥には、人の気配と別物となり、まさに自然界が奏でる音として寂の中に溶け込んでいた。 親父の鼻に、工作員の息が放つキムチの匂いがした。奴は2m先に来た、と親父は計った。またキムチの匂いがきつくなると、工作員が布を擦るかすかな音がした。 工作員が携帯ライトで洞窟内を照らした、その刹那、親父が携帯ライトの手元目がけてライフル銃を打ち下ろした。骨が折れる音とともに、ギャア~! と工作員が悲鳴をあげた。親父が床に落ちた携帯ライトで、工作員を照射した。工作員の驚愕した顔が浮ぶなり、親父が工作員の両足の脛を靴底で蹴った。グワッ! と唸り声をあげ、うつ伏せに倒れた。床に顔をしたたか打った工作員が、グアャ~! と叫び、悶絶した。「十鳥さん。奴が気絶しましたよ」と親父が言って、工作員の服を剥いでいく。そして猿ぐつわをかませ、全裸にさせた。親父が工作員の急所を念入りにライトを当て、パンツの裏側も見て触った。「何で奴を全裸にし、パンツの裏側を触るんだ?」十鳥は愚問だと思っていたが、つい訊いたのだ。何かのノンフィクション・スパイ小説で読んだことがあったが、実際を見るのは初めてだったからだ。俺は敵のパンツを触らないのだ!「十鳥さん。ランタンを点けても良いですよ。そうすると全裸にし、パンツの裏を手で触った理由が分かります」 ランタンを点けた十鳥が、床の工作員を見た。傍に、工作員の服、下着、持ち物類が丁寧に並べられている。「理由が分からないが……」十鳥が呟いた。「ほら、靴とベルトを見てください」と親父が言って、ベルトのバックルをこじ開けた。するとバックル内に青い錠剤5粒が見えた。「おお、それは青酸カリのようだな?」十鳥が訊いた。「そうです。自殺用です」親父がそう答えて、靴を手に持った。靴底二つの踵(かかと)に力を入れて捻ると、一つの踵、そこには丸い電池みたいのがあった。「ほら、これは発信器ですよ」と言って、親父がパンツをつまんで裏側を見せた。「ほら、ここの布が2重になっているでしょう」親父が布を裂いた。「ありゃあ、ビニールのメモじゃないか」十鳥があんぐりと口を開けた。「たぶん、ここに工作員が秘匿したい内容が書かれているはずだ。十鳥さん」「親父殿。よーく理解したよ」十鳥が言って、全裸の工作員を一瞥した。「十鳥さん。奴を結束バンドで縛ってください。両手を後ろに。両足も。私はこれから、奴の仲間を捕まえに行きます」「了解したぞ。奴がゾンビにならないように、十字架の前でがっちりと縛り、悔い改めの洗礼をするよ」そう十鳥が言って、親父を見た。が、親父の姿は無かった。「ゾンビは、親父かも知れない……」「ママ。洞窟で工作員を捕獲した。私はこれから車の仲間を捕まえに行く」断崖の階段を登りながら、ヘッドライトを点けた親父がマイクに言った。「分かったわ。私たちはモニター画面で監視しているわ」「車の奴を捕まえるが、私は山側から車に行く」「分かったわ。気をつけてね」 この一時間後、親父は仲間の車の背後にいた。そして山側の助手席窓から覗いた。 運転席だけに明るさがあった。仲間がタブレットをいじっていた。追跡アプリか! 親父が、どうする? と自問した。答えが出た――こいつは必ず車から外に出る。そこを襲うのだ――親父は息を潜め、運転席側に回った。渓谷下からの激流音が周りに響いていた。「親父さんが、しゃがんで運転席側にいます」榊原がママに言った。ママがモニター画面を観た。「ママより。モニター画面に見えていますよ。運転席がやけに明るいですね」 親父からの返事を求めた訳じゃなかったが、榊原がママに言った。「あの明るさは、ノートPCのような……」「そうかもね。仲間は寝ていないのね。だから親父は、しゃがんで待っているんだわ。外に出て来るのを」ママが言った。そしてやや間をおいて、榊原に告げた。「私が誘い出してみるわ。先生から親父にそう言ってください。それとモニターの監視をお願いするわ」そう言うなり、ママが部屋を出て行った。「親父さん。ママが車の仲間を外に出るようにすると言い、今行きました」榊原が言うと、イヤホンが2度トントンと鳴った。親父がマイクを叩いて答えたのだ。了解! 30分後、ママが山側から車の横に回った。車が5m下に見える位置にいた。「今投げるよ」ママがマイクに囁いた。 短い枯れ木に布を巻いて、車のフロント目がけて投げた。フロントガラスに当たり、バンパーの前に転がった。 車の男が反応し、ドアを開けて外に出て来た。その一瞬、親父がライフル銃の銃床で男の後頭部を一撃した。男が道路に大の字になって崩れた。親父が素早く猿ぐつわをかませ、後ろ手に結束バンドで縛り、足首と太腿を4本の結束バンドで固めた。「おい、ママ来て良いぞ」マイクに言った。ママが山側の藪から道路に降りて来た。「上手くいったわね」「これも共同作業と言うのだな」 この後、仲間の男を車のトランクに放り込むと、親父がマイクに告げた。「先生よ。仲間を捕まえ、トランクに確保した。十鳥さんに伝えて――」親父がそう言うと、ママに告げた。「ママ。俺はまた洞窟に戻る。予定では4人が脱出する頃だ」「分かったわ。4人の無事の帰還を家で待っているわ。榊原先生とね」 親父が闇の中を洞窟に向かって、走って行った。後ろから、ママも家へと走った。 (続く)このブログ冒険小説はフィクションであるが、事実も織り込み描いている。
2022年04月19日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)一市民として――軍事力で侵略した国の、その国家統治者が専制独裁者だろうがなかろうが、絶対悪の「戦争犯罪人」である。また、一国内において、暴力装置(軍事力)をもって民主主主義制度下の政権を転覆し圧殺する者たち、また国内における人権を蔑ろにし弾圧する者も「人道犯罪者」として、民主主義制度下の他国は協同の力で国際正義を行動で示し、裁かなければならない。「戦争犯罪及び人道犯罪」は、当事者の外交問題でもなく、内政干渉にもあたらず、人類への大犯罪であるからだ。とは言え、日本国憲法の第9条と平和主義を絶対に否定することは出来ない。むしろ、我々は日本国憲法が与える崇高な使命を、今、国際社会に知らしめるべきである――と考える。ウクライナ東部地域で「第2次プーチン・ロシア軍の攻撃再開」となった。これは実質、「プーチンのウクライナ侵略戦争」の最終戦となるだろう。この結末は――プーチン・ロシア軍の惨敗!皮肉にも5月9日「対独勝利記念日」の前日クレムリンの赤の広場の軍事パレードに特異なロシアの独裁者プーチン大統領の姿はなく。うなだれるロシア軍兵士も散見され列が乱れるパレードか。激烈に徹底抗戦するウクライナ東部のウクライナ軍小よく大を制す侵略するロシア軍の車列は「ドローン」と「対戦車ミサイル」の攻撃を受け先に進めずの渋滞そこに殲滅のドローンと対戦車ミサイルがピンポイント攻撃再び「鉄の棺桶」と化す。*ウクライナに神のご加護を!プーチンに神の無慈悲を!*イースターを汚すプーチン似非ロシア正教の信徒よ! プーチン!神は見捨てたのだ!
2022年04月19日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナに栄光あれ!ウクライナは勝利する!「モスクワ」が爆沈し、キーウのテレビ塔は残った!何とも皮肉な事か――「モスクワ」が爆沈。この「モスクワ」、ロシアの黒海艦隊の旗艦であり、ミサイル巡洋艦。ロシアの首都名を冠する。その一方、プーチン・ロシアのウクライナ侵略戦争の幕が切って落とされた時、ウクライナの首都キーウにあるテレビ塔がプーチンのミサイルで攻撃された。だがテレビ塔は残った。(この時、日本のTV報道番組に出ていた軍事評論家が、「ミサイル攻撃でも残ったテレビ塔が印象的だ」と言っていた)今丑三つ時の儀式を終えた――プーチンの藁人形に50寸釘を打ち込んだ。ズン! ズン! ズン!プーチンのウクライナ侵略戦争に対し、日本の「識者・政治家」等から、「ウクライナにも責任が」「どっちもどっち」「米国の罠」、終いには「降伏論」が出ている。(橋下徹氏らの「降伏論」は、ある種の亡国論でもあり、歴史認識に欠き、論外だから無視できるが)ウクライナのゼレンスキー大統領が「マリウポリの守備隊を全滅させるなら、ウクライナは一切、停戦交渉に応じない」と。そうだろうなあ。当然だろうな。いずれにせよ、「政治的妥協」はあり得ない、と慮っているよ。かってに「ウクライナ侵略戦争」を仕掛けたプーチン・ロシアだ。ウクライナの主権と独立を残虐にも破壊しているのだ。ウクライナが政治的妥協をするならば――ウクライナ全域からプーチン・ロシア軍がすごすごと去り、その後、「宇露不可侵条約」の締結であろう。「プーチンの侵略戦争・人道への犯罪」への戦争犯罪及び賠償責任を伴う内容である。妥協とはこれだけである。当事者意識に立って記している。「宇露不可侵条約」とは言え、プーチンは信用できないから、国際社会が連帯して介在し「締結」するのだ。ついでに――「日ソ不可侵条約」を破り、北方四島を実効支配中のロシア。「戦利品」との国際法に反するプーチンの主張。日露の「政治的妥協」で解決を求める。ただし、旧安倍政権下のような「日露共同経済協力施策」でなく。いずれにせよ、プーチン・ロシア軍は、卑怯であり残忍である。プーチン・ロシア軍は、紀元前の野蛮な連中である。つまり、プーチンがそうだからだ!【ウクライナの住宅考】なんと進んでいるウクライナの住宅なんだろう。ロシアとは雲泥の差だ。都市部のマンション群。地方の街並み。住宅設備もデザインも素晴らしい。日本と比較しても、ウクライナの「住宅事情」は優れていると言えよう。ウクライナに栄光あれ!ウクライナは勝利する!【今日の出来事】米国ハワイでの「ロッテ選手権」で、渋野日向子選手が2位。6時過ぎからPCでLIVE応援した。飛ばすし、安定感もあるし、素晴らしい4日間だった。来季のシード権を、ほぼ手中、確実にしたようだ。これからもトップ10に入ることだろう。優勝もあり得そう。メジャー優勝を期待できる渋野日向子選手である。wowowに注文をつけたい!なんで男性2人の解説だったんだ――wowowの「日本選手専用カメラ」彼等の「心配だ」とかの連発。煩かったなあ。東尾理子プロの解説はどうした。説得力に欠ける内容も多かった解説だよ。それに渋野日向子選手の第一打目のショットのシーンが映らなかったことも多々。wowowライブの服部プロの解説は良かったよ。
2022年04月17日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』13 ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)主な登場人物 ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。海人の妻。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民 ・ムボンの父 通称は「親父(アボジ)」・ムボンの母 通称は「ママ」(13) 霧は消えたが、相変わらず真夏の雨雲が、クン等4人が着いた林間部の上空を覆っていた。雲(うん)がついていたのだ。雲が運だ! 4人はそう思ったに違いない。 これまで彼らは、一気に約30kmを進んで来た。幸いなことに、狭く障害物の多い獣道と道なき藪を漕いできたからか、北朝鮮軍の監視塔と北の人民には遭遇しなかった。また、狩猟用の罠、地雷も無かった。 潜入中、唯一困ったのは飲み水だった。4人は水筒の水をケチりつつ進んだが、20km地点で飲み切っていた。だが、救い主がいた! 海人だった。彼は2リットルのペットボトル4本をバックパイプ――北朝鮮の沢水は可能な限り飲まない、と決めていた。単に北朝鮮の物(ぶつ)に手を付けない、という理由である――に入れていた。皆が重い武器類を背負っていることに、海人の気持ちが許さなかったからだ。せめて水のペットボトルだけでも、と思ってのことだった。お陰で荷の重み6kg減ったことが、海人には救いでもあった。 このペットボトル4本は、海人がトンネルに潜る時、榊原が用意してくれたものだった。因みに――榊原は、海人が北朝鮮に潜入することは計画になかったから、考えてもいなかった。だが微塵も、とまでは思っていなかった。正義感旺盛かつ現場主義考古学者の海人の性質を、誰よりも知っているからだ。北朝鮮潜入もあり得ると。 林間下に、キムファ(金化)の北朝鮮機械化分隊基地が見えている。この基地は、キムファ周辺に点在する基地群の中でも、予備的な規模と内容である。 時刻は午後1時。4人が藪と木陰の影で車座になり、携帯食料のビスケットをペットボトルの水で胃袋に流し込んでいた。 クンが地図、衛星画像写真を広げた。「戦車、トラックはあるが、狙いは中心部の分隊指令所だ」そうクンが言うと、ムボンを見た。「攻撃の準備に取り掛かる。予定通りに」ムボンが言うと、皆が頷いた。 38度線の最前線の裏方を担う基地だが、今ではとても近代化には程遠い機械化分隊だ。‶将軍様″が核兵器にしがみつき、国家予算の70%超を費やしているからだ。見方を変えれば、‶将軍様″と側近たちは、鼻から米韓が攻めて来るなんて、これぽっちも思っていない。つまり核ミサイルがあるからではない。元々、米韓に北朝鮮を攻撃する可能性がないことを承知しているのだ。 巷間、北朝鮮の核開発とミサイル開発には、ロシアが深く関与しているらしい。この20年近くはプーチンが核ミサイルを積極的に後押ししているようだ。ミサイルは北朝鮮独自の技術力で開発したものじゃない。ロシアのOEMとも、との噂がある。その真偽を訊かれたら、答えはYESだ。(北朝鮮は独自でミサイル開発をしていたが、ことごとく失敗していた経緯がある)北朝鮮創建から独裁国家の親分と子分の関係であり、金独裁王朝は、西側の親分・米国への先兵的防波堤だからだ。 ミサイル発射を告げる北朝鮮国営TVの、あの貫禄太りした年増のアナウンサーが気張るのと真反対に、緊張感は基地内からまったく伝わってこない。「基地内は無警戒のようだな」双眼鏡を手にした役立が言った。「奴らは半農半兵ですからかね。奴らは食料不足だ。まともに戦える体力は無い」クンがそう答えた。士気が低いことを婉曲に表現した。 事実、南北境界の38度線の最前線の監視体制には、‶将軍様″直結の精鋭部隊を配置し、‶将軍様″直轄領とも言える首都ピョンヤン(平壌)に、精鋭部隊を集中させているのだ。この部隊は‶将軍様"の親衛隊でもある。彼らだけには十分な食料と防弾ベストが与えられている。それ以外の地域の部隊基地には、金王朝に忠誠を誓う軍官僚士官が派遣され、下層兵士を見下している。指揮と言っても、下層兵士たちをこき使い、ただひたすらチュチェ思想にチェッと唾しないかと目を光らせているだけだが…… 林から基地まで100m下る間は、痩せたトウモロコシ畑となっている。「トウモロコシ畑に地雷はあるんだろうか?」海人が誰となく訊いた。 クンとムボンが見やった。「ムボンよ。先生の言う通りだな」クンが言った。「韓国軍の情報は、あの基地には当てはまらいようだ。地雷は無い」ムボンが畑を見て言った。 クンがしばし考え込んで言った。「役立さんよ。先生よ。予定変更したい。夜10時、皆で基地に侵入したいが」 海人が空を見上げて言った。「今夜は曇りで闇だ。基地に潜入するには都合がいいよ」 役立も空を見上げた。「行くか――暗視ゴーグルをつけて」 ムボンが大きく頷く。「時限装置を持ってきた。クン兄」 また、クンが双眼鏡で基地を見た。そして答えた。「この計画でいきたいが――先ず、逃げる方法、脱出は、基地にあるトラックを使う。シートで覆われてはいるが、見える限りでは、基地には旧式のロシア製T72戦車が5、6台とロケットランチャー車が5台だ。それに軍用トラックが4台、4輪駆動車両2台。恐らく兵士10人ほどだろう。あの基地は車両兵站を担っているから、兵士はその維持部隊に過ぎない。俺とムボンが基地出入り口にいる監視立哨要員2人を消音銃で黙らせる。そして俺は基地司令部を襲う。ムボンと役立さんが兵舎を襲う。先生は見張り役だ。奴らを沈黙させてから、トラック1台を除き、戦車、トラック等に時限爆弾を仕掛ける。逃走後の1時間後に爆発させる。もちろん無線類はすべて叩き壊す」「了解したが、‶将軍様への呪いかけ″は、それだけ?」役立がクンに訊いた。「役立さん。あの『南進命令書』『3人分のIDカード』を使う。司令部の親玉のデスクに置き、IDカードを基地現場にばら撒く。それだけでも、‶将軍様″に呪いをかけられるはずだ」クンが言った。「私も了解した。奴らには、晴天でなく曇天の霹靂? になる」海人が言った。「先生は、外を見張っていてください。要する時間は、10分弱です。そのあと、この基地からトンネルまで35kmほどを所要時間45分弱で、ひたすらトンネルまで逃げる。その時間稼ぎが時限爆弾だ」クンが言った。「トラックのエンジンキーは?」海人が訊いた。「俺もムボンもエンジンの配線を繋ぐことが出来ますよ」クンが答えた。「想定外の事態が起きれば、臨機応変に対応しよう」役立が付け加えた。 改まって、海人が確認した。「奴らを本当に殺すのか?」「たぶん、何人かは殺す」クンが外連味なく答えた。「クン兄。そうだ、一族の敵(かたき)を討ちたい」ムボンが同調した。 ここで海人が異を唱えた。「私は殺しには賛成しないよ。あの洞窟にクンさん、ムボンさんの祖先からの十字架があるからさ。せめて足を撃ち、結束バンドで後ろ手に縛り、口を塞ぎ、パンツ1枚にしたら?」 海人の言葉の‶十字架″‶祖先″が、クンとムボンの復讐心を射抜いた。「先生、理解した。先祖の魂を汚す訳にゃいかないからだね。なっ、ムボン?」クンがムボンの顔を見た。ムボンは頷き、グッと親指を立てた。そうだった! 洞窟内で簡易マットの上で大の字になって寝ていた十鳥が、がばっと上半身を起こした。人の気配を感じたからだ。 電池式ランタンの薄明りで腕時計を見た。夜8時5分だった。十鳥が洞窟の入り口に目を凝らした。やはり人の気を感じる。 十鳥が拳銃を両手で構え、入り口に向けた。その時、何かが洞窟内に投げ込まれ、十鳥の前に転がってきた。手榴弾! 見た! 戸惑った! どうする! 十鳥は死を覚悟した。その一瞬時、鬼の形相となり、瞼を大きく見開き、手榴弾に目を凝らした。よく見ると、それは石に紙が巻かれていた。 そっと物を取り、見つめた。手榴弾じゃなかった。 おお! 紙よ! と心の中で叫び、紙を剥がし取った。『親父です。撃たないでください』「親父殿か。待っていたぞ」いつもの柔和な表情になった十鳥が、入り口に向け発した。 親父が洞窟内に入って来た。「十鳥さん。拳銃を向けていたから、安全をきして石手紙を投げ込んだのです」と親父が言って、十鳥の手にある拳銃を見た。「十鳥さん。拳銃の安全装置がONですよ」 十鳥が拳銃を見つめた。「親父殿。私は人道主義者なんだ。殺人者の弁護はするが殺人はしないのだよ」 ほぼ同時刻、ママと榊原が監視モニター画面を観ていた。渓谷の帳(とばり)は早い。ほぼ暗夜だった。 榊原がモニター画面に小さな動きを見つけた。監視の赤外線カメラが白い手の動きを映していた。「ママ。何かが動いているようです」 ママがモニター画面を観た。「潜入工作員だわ。隠れていた断崖から這い出してきたわ」 5分ほどして、工作員の全身が白くなって現れた。ママが監視カメラをズームアップした。 ママが無線のマイクに告げた。「工作員が行きます。背にもリュックが無い……足を引きづっています……右手に拳銃かも……」「ママ。分かった。今、洞窟で十鳥さんといる。奴が駐車場の監視カメラに映ったら、リュックを回収してくれ」「分かったわ」 この30分後、ママは崖下にいた。「リュックを確保しました。隙間にあったビニール袋も回収」ママの声が榊原のイヤホンに入った。「了解しました。親父さんにお伝えします」榊原が言って、モニター画面に目を近づけた。500m先の監視カメラが、乗用車1台と運転手ひとりを捉えた。車はゆっくりと登って来ていた。「親父さん。ママがリュックとビニール袋を回収しました。工作員の仲間ひとりの車が来ました」榊原が伝えた。「了解した。やはり来たか。そっちはママと榊原先生に任す。頼む」「はい。了解しました」答えた榊原が、ママに伝えた。「ママ。車とひとりがやって来ました」「了解したわ。私は崖下で待機しているわ。様子を伝えて」「分かりました」と答えた榊原が、親父にも伝えた。「その車の奴は、工作員の仲間だ。そっちはママと榊原先生に任す」親父の声に緊迫感があった。それが榊原にも伝わった。「了解しました」榊原が冷静に答えた。 車がのろのろと登って来る。榊原は息を飲み、画面を凝視している。 車がママのいる断崖の手前200mまで来た時、山側脇に車を寄せて停まった。5分程様子を見た榊原が、ママに連絡した。「車が停車しました。ママから200m手前です。山側に停まっています」「私は断崖上に戻り、家に行きます。予定変更です」と言って、ママはロープを掴んだ。「親父さん。車がママのいる断崖の手前200mで、山側に寄せて停車しました。ママはこれから家に戻ります」榊原が報告し、片目は駐車場の監視モニター画面を観ていた。駐車場に白く人の姿が映っている。一歩一歩と駐車場の奥へと進んでいる。「親父さん。駐車場に人が映っています。足を引きずるようにして奥へと進んでいます。間もなく林に入ります」「了解した」 この20分後、ママが戻って来た。「ママが戻りました。リュックを回収。岩の隙間でビニール袋を見つけました」榊原が親父に伝えた。「ママは予定変更したが、正解だ。これからは連絡は無用。こっちの番がきた」親父の返事に、さらに切迫感があった。 夜10時に近づいた。すでに十鳥らは、洞窟内を暗夜にしていた。十鳥は洞窟内の端壁奥に身を寄せていた。親父は入り口の脇に立っていた。 10数分経った時、親父の耳に靴底の岩を擦る音が聞こえてきた。ズー、ズー、ズーと、その音が入口に近づいて来た。親父に奴の息遣いが聞こえる。あと3mか。 擦る音が止み、息遣いも消えた。親父は獣の習性的所作とみた。洞窟内を覗っているのだ! 奴は! 親父も同じく自分を消して待った。これも獣の習性である。 奥の壁に立ち竦む十鳥にも、意図的に寂としている空気感が伝わっている。 (つづく)*このブログ冒険小説はフィクションであるが、事実も織り込み描いているつもりである。*「下書き保存」を何度かやっていたが、保存できず無に帰したこと3度。
2022年04月14日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナに栄光あれ!ウクライナは勝利する!バイデン大統領「ジェノサイド」とプーチンを非難に――毎晩、米国のバイデン大統領も「プーチンのジェノサイド」と公言した。そもそも、ウクライナ侵攻という侵略戦争行為自体が「ジェノサイド」と思っている。米欧諸国の「軍事支援等」が拡大しているが、ウクライナ祖国防衛には欠かせない「軍事支援等」である。いよいよ「プーチン・ロシア鬼を退治」する時が来た!鬼は外!福は内!なぜ、プーチンがウクライナに侵略したのか?識者たちは様々な角度から、様々な見解を述べている。丑三つ時に、プーチンの藁人形に50寸釘を打ち込んでいて気づいた。プーチンのウクライナ侵略は「歴史の運命」だったのだ!誰にも止められなかったのだ、と。ロシアの最高絶対権力者となったプーチン。「やりたい放題」をやり、ロシア国内では独裁体制が出来、隣国の独裁者は子分となり。ロシアの富を仲間たちと不正蓄財し。「あとは何をしたら自己満足できるのだろう?」と自問自答。その答えが――「妄想の一夜物語」を読んで書き。面白いことをやろうじゃないか! と考え。気まぐれに。それがウクライナ侵略戦争だったのだ!独裁権力者の火遊び。ヒトラーもそうだったように!野蛮かつ邪悪な奴が「独裁権力」を長年持つと、地球を揺るがす「戦争」をするもんだ!そう思っているよ。こういう奴には「おとなしくしていたら駄目」と歴史は語っている。「徹底して叩き、排除しなきゃ」これも歴史が示していること。*TV報道番組で「北朝鮮」を取り上げることが多いのには、ウンザリだあ! 映像も観たくもない。
2022年04月13日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナに栄光あれ!ウクライナは勝利する!ウクライナはプーチン・ロシア侵略軍に勝利する!毎晩、YouTube動画LIVEで「ウクライナの状況」を観ている。軍事に素人だが、確信したことがある! ウクライナ祖国防衛最終戦が始まり、プーチン・ロシア軍に打撃を与え、「ドンバス地域」のみならず「クリミヤ半島」をも奪還すると!侵略中のロシア兵士とロシア戦車・装甲車等の損害が甚大となっている。考えられないほどだ。いわゆる「戦争の概念」が変わった様を見ている。換言すれば――「自衛の在り様」にも言えることだが。但し、「敵基地攻撃能力」「航空母艦」とかの必要論を吐く輩には反対である!当然、日本国憲法第9条の改悪改正にも大反対である!ウクライナがプーチンのロシアから侵略されていることと、中国の台湾進攻の危機、北朝鮮キム王朝のミサイル核問題に乗じた「憲法改悪」及び「安保の在り方の見直し」には、頭を冷やしてから言え! と反対する!今の時代、無謀なウクライナ侵略をやっているプーチン・ロシア。時代錯誤と狂気の沙汰。これは間違いない。プーチンがおとなしく侵略せずにいたら、プーチン自身にも良かっただろうが。人殺しの闇(旧KGB)で育ち、旧KGB後継の情報機関で知り得た「個人情報」をネタにし、ロシアの独裁者に上り詰めたプーチン大統領。裸で泳いで「裸の王様」になっちゃった。プーチンの経歴で注目したのは――ロシア大統領府副長官兼監督総局長の時、サンクトペテルブルク国立鉱山大学に「論文」を提出し、準博士号を得た。その時の「論文」の表題である――「市場経済移行期における地域資源の戦略的計画」である。ウキペディによれば、この論文の主旨は「豊富な資源を国家管理下におき、ロシアの内外政策に利用する」ことを書いていると。(盗作説との指摘もある)一見、当たり前の内容と思えるが……裏事見る(ウラジミール)プーチンである。汚職にまみれた歴史と慣習的風土のロシアでもある。前任のエリツイン大統領派の「新興財閥」のド派手な成金の様を見ていたプーチン。大統領になるや、即、プーチン派(旧KGBの仲間)の「新興財閥」と組んで、20数兆円の不正蓄財を成す。「豊富な資源を国家管理に見せかけ、私の内外政策に利用する」と。これから25年後の今、その論文が「オデッサ・ファイル」となり、因果応報で「自滅」の道をひた走っているプーチンである。これぞ「オデーサ・ファイル」と言いたい。国家統治の悪魔は、国家の権力者たちの不正蓄財にその根源があるとも言いたい。いわゆる「権力の魔性」その第一として。そのためには、自国の市民(国民)に対し、権力者(権力者層)に不都合な「自由・人権・権力の透明性」は、絶対あってはならないのだ。まさに臭い物に蓋と弾圧、抹殺する。そこには「高邁な主義」は、カスカスの形――建前だけとしているのだ。これは「民主主義制度下の国」にも言える! いわゆる「公文書の偽造・捏造・黒塗りの隠蔽」である。米国ではトランプのフェイク主義とでも言える。そうそう話は現代の軍事だった。先ず言えることは、「核の脅威論」である。ウクライナ侵略者のプーチンが「核兵器行使」で脅したが、それで米欧が「ウクライナへの派兵」を避けている訳ではない。「狂人に刃物」を見定めているのだ。そして第3次世界大戦となることを避けている。(私見は、既に第3次世界大戦に突入していると見ている。経済的側面を重視すると)NATOに加盟していないウクライナである。ゆえに武器供与は許容の範囲内であるが……但し、場合によっては――ウクライナの急遽のNATO加盟もあり得そう。そうであってほしいものだ。プーチン・ロシアは、かつての旧ソ連圏諸国が次々とNATOに加盟し、NATOの東進化を嫌悪(脅威)と主張しているが、これは暴論の欺瞞である。民主主義制度下の主権国家の意志を否定できないからだ。またプーチンは、これぽっちも「NATOを脅威」なんて思っていない。NATOの軍事力でなく「民主主義制度下のNATO諸国」を脅威と思っているのだ。独裁国家と独裁者たちには、余りある不都合だからだ。もはや、と言うべきかもしれない。現代の軍事での武器は――ミサイル(対空・対地・対戦車・対艦等の)とドローンが主役となっている。ウクライナに侵略したプーチン・ロシア軍は、ドローンの存在と脅威を軽視していた。膨大な戦車と装甲車を列成し、ウクライナに侵攻した。だが、祖国防衛となればウクライナは一つになり、勇猛果敢に向かい撃っている。ウクライナはIC産業の国でもあった――初めて知った。そこに「ドローン」が存在したのだ。民間の簡易ドローン。トルコの攻撃ドローン。侵攻したロシア軍の出鼻をくじいた。さらに「ジャベリン」等の携帯攻撃ミサイルを多用している。戦車には乗員(兵士)は4、5人か。装甲車には7、8人か。そこに「ジャベリン等」の携帯ミサイルと攻撃ドローンでミサイルが撃ち込まれている。当たった一瞬で「鉄の棺桶」と化す戦車・装甲車等。ヘリコプターも一瞬で。戦闘機も同じく。侵略ロシア軍の損害は甚大となっている――15、20%の損失とか。これらをYouTube動画で観ている。もうロシア軍は戦車・装甲車での侵攻は出来ないようだ。昨日、チェコから戦車・装甲車等がウクライナに運ばれている映像を観た。欧米も陸続と「対地、対空ミサイル・対艦ミサイル」「攻撃及び偵察ドローン」「戦車・装甲車等」「化学兵器防護服等」「対空防御システム装備」を運び入れている最中である。「祖国防衛の最終戦」に欠くべからずの「自衛武器装備類」である。ウクライナ軍は必ず勝利し、プーチン・ロシア軍を駆逐する。そして「停戦交渉」でウクライナは「真の実」を得るのだ。ウクライナ民間人の多大な犠牲。ウクライナ兵の犠牲。壊滅された街。これらをプーチン・ロシアは「戦争犯罪」の断罪の一貫として、戦争犯罪損害賠償責任を負うことになる。(あくまでもプーチン・ロシアが責任を負うのだ)だが、我々も気を付けなくちゃいけなそう。悪しき日本の権力者たちを「選挙」で選ぶことに――個人的には、岸田首相に対し、好意的に見ている。とは言っても、立憲民主党の躍進を願っているよ。民主主義制度下の国家統治が健全であるためには、「政権交代」が出来る野党が、絶対、必要だからだ。それは日本国民の民主主義についての「知的理解」が成せることではあるが……ロシアと同じようにならない為にも……日本はまだ民主主義を真に理解しているとは思えないからでもある。そう言う意味でも、ウクライナの国と市民(国民)の、あの燃えるような意志を見よ! と言いたい。それとー―ペットの犬・猫と共に隣国へ避難するウクライナの人々の光景。共感を持たざるを得ない。さらには、まだ幼い少年少女の子供を避難させ、子供たちもそれに応えての単独行の避難。信じ難いほどである。ウクライナは勝利する!ウクライナに栄光あれ!
2022年04月10日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナに栄光あれ!ウクライナ祖国防衛戦の予想図ウクライナ軍プーチン残虐非道侵略軍 ウクライナ軍の反転攻勢*欧米諸国のウクライナへの「武器供与」は、非人道侵略プーチン・ロシア軍から祖国防衛・国民の生命と国土を守るために必要欠くべからずである。*鈴木宗男氏等は「ウクライナに武器供与でなく、外交交渉をすべきだ」と、のたまわっているが――*極悪非道な殺人者が「自宅」に侵入して殺しまくっている、すべてを破壊している状況に、どうする? 110に電話するか? これは無理だあ! それとも「話せば分かる」と殺人者に言うのか? そんなバカな。何がなんでも抵抗するだろうに!*ウクライナの反転攻勢が始まった!*武器! 武器! 武器! が欧米から続々と。*プーチン・ロシア軍の戦車、装甲車、ヘリコプター、戦闘機等が、市販ドローンと「携帯ミサイル」等でバカスカ破壊されている。ロシア侵略軍兵士の死傷者がとりわけ多いのは、戦車、装甲車、ヘリコプター等が「鉄の棺桶」と化しているからだ。それも4~6人が同時に――現代戦の様を見るようだ。*停戦交渉で「停戦」する余地がない!*そもそもプーチンが「停戦」する意思がないからだ。ウクライナ南東部ドンバス地域の独立分離、オデーサまで占領するまで、クリミア半島の併合をウクライナがのまない限り、絶対!*国際司法裁判所・国際刑事裁判所で、プーチンらに「人道に反する犯罪」で「有罪」と「指名手配」を早急にすべきだあ!*さらに――侵略戦争犯罪者としても。有罪と指名手配だあ!*さらに――侵略戦争大罪で「損害賠償 総額 500兆円」を、プーチンと仲間たちとロシアに課すべきである。*橋下徹氏「政治的妥協も――民間人の犠牲を避けるためには……」。相も変わらず。 どだいプーチンの「妥協点」自体がウクライナとウクライナ人の死を意味しているのに! 橋下氏。まだ分からないようだ! 侵略されているウクライナの「祖国防衛戦」を! 橋下氏には分からないようだ! プーチンという人物が! それと欧米の軍事支援は、プーチンという男の心の裡と様々な状況を推し量りつつ、行っているんだ。 そう単純なものじゃない! だが、確実に欧米の軍事支援は拡大して行っている。*「ゴゴスマ」の某コメンテーター曰く。「どの情報を信じれば良いのか?」 決まっているじゃないか! ロシアの情報は100%信じちゃいけないと!ウクライナからプーチン・ロシア軍を追い出せ!ウクライナに栄光あれ!ウクライナの勝利は近い!
2022年04月08日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナに栄光あれ! プーチンら 地獄に行っても大地獄に落ちる悔い改めよ! プーチン!せめて地獄に落ちるだけで済ませ!早くウクライナから手を引かなきゃ逃げろ! プーチン!
2022年04月07日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナに栄光あれ! 非道な世紀になるとは――侵略と圧政の凄惨プーチン・ロシア軍の残虐非道なウクライナ侵略戦争残虐非道な行為・ジェノサイドをロシア政府はことごとく「フェイク」だと言い張る中国も「ロシア政府のフェイク」に同調ときたプーチン・ロシア軍の侵略すら批判しない国々も少なからずナチス・ヒトラーの狂気の再来以上の残虐非道な状況をTV・SNSで観ている今ミャンマーでは無法な軍部の極悪非道他の国々でも「国益」とか「経済」とか言っている場合か!プーチン・ロシア軍のブチャな侵略戦争に巻き込まれているのに!降伏論が幸福論だと!ロシアの侵略戦争を知らない輩が「カチンの森」を知ってカチンと来ているのだ!鬼畜プーチン・ロシア軍よ!ウクライナから立ち去れ!戦争反対と言いたいがプーチン・ロシア軍の侵略戦争の「戦争反対」だあ!ウクライナは今積極的平和主義? でなく絶対平和主義のために露の侵略軍と戦っているのだ!国際司法裁判所よすでに「極悪非道な侵略戦争と意図的な民族浄化」という大虐殺をしでかしているのだ判決を急げ!「プーチンとロシア軍ら」への断罪を!ウクライナに栄光あれ!*札幌地裁の判決『安倍元首相へのヤジ・警察の排除は違法(表現の自由・違憲)』に北海道知事が控訴と怒る!*
2022年04月06日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナに栄光あれ! 侵略戦争には徹底抗戦しかない!今日の侵略戦争は*戦争犯罪であり*侵略者は「戦争犯罪人」であり*「人道に反する極悪人」であるウクライナの残虐非道な惨劇を見るとつくづくそう思っている――プーチン・ロシアの狙いはウクライナの全土のロシア化だったのだもしウクライナが「降伏」したら永遠に自由なるウクライナは消滅してしまうのだしかも「残虐非道な惨劇」はさらに続くのであるジョージアを見よ!チェチェンを見よ!シリアを見よ!アゼルバイジャンを見よ!ベラルーシを見よ!カザフタンを見よ!NATO(北大西洋条約機構)は軍事同盟だがあと4文字付け加えるべきだ北大西洋条約平和維持機構とNATPⅭO?単なる軍事同盟でなく東西冷戦の継承でなく自由と人権を守る民主主義国家の集合体として――東アジア・東南アジアにも必要だ「アジア平和維持機構」が象徴的なのがミャンマーである中国にはこう言いたい!台湾ウイグル自治州香港チベット世界の大国の名誉と実利を目指すなら一国2制度民族の自治この2点を寛容に容認すべきである中国国内の問題とは言え「1国2制度平和維持協定」「民族自治平和維持協定」を結ぶのだ!無理やり「中華愛国」を押し付ける必要はない寛容に「大中国」としても良いのではないだろうか米英欧州はもちろん日本もどこも中国に侵略はしないのだから(覇権主義をとらないかぎり)話がそれたウクライナに限らず一方的かつ不法に侵略したプーチン・ロシア軍にウクライナが「徹底抗戦」していることに当然にその正当性を認めつつ多大な犠牲者には心から追悼の祈りを捧げる欧米等からのウクライナへの自衛のための武器供与これも人道上当然のことであるウクライナに栄光あれ!(蛇足)渋野日向子選手メジャー初戦でラウンド復活の4位応援していました――wowow日本選手LIVEで東尾理子プロの解説を多くしてほしいものだ眠い
2022年04月04日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』12 ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)主な登場人物 ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。海人の妻。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民・ムボンの父 通称は「親父(アボジ)」・ムボンの母 通称は「ママ」(12) 山間ところに身を潜めた。 目線の隙間をつくってカモフラージュシートで身を包(くる)み、クンと役立、ムボンと海人の2組に分かれて息を潜めた。 夜の8時まで、約16時間の待機だった。優れたスナイパーだったムボン、鍛錬されているクン、元SAT隊員の役立、藪の中を進む遺跡調査でもそうだが、アウトドア自然派の海人、彼等には、さほど苦痛は感じない。気を張り緊張しているせいか、眠気も襲ってこない。見張りシフトは決まっていたが、まだ誰も仮眠を取ることもなかった。 洞窟内にいる十鳥は、白い十字架の前で座禅を組んでいた。海人と役立が北側へ潜入することは、『将軍様へ呪いをかける計画』に無かった。が、十鳥は常にそうだった。計画と実際とは異なりがちであり、状況次第で応変すべき場合が多いものだ。現場では、当意即妙が求められることが多々ある。この少人数での『呪いがけ作戦』では、特にそうであるべきだ。海人と役立が計画変更(潜入参加)したのも、俺の戦術思考を心得てのことであり、これまでと同じく彼らの意志を心底信頼している。そう十鳥は、心裡(こころうち)で自答していた。 俺はいつも彼らと共にあるのだ。だが俺は安全地帯にいて、共にしているとは言い難い。ゆえに俺は祈っているのだ――無事であれ! 神よ! 仏よ! 彼等に、ご加護を! 座禅姿勢を一時間ほど保ったが、十鳥は足の痛みに堪(こら)えきれず、胡坐(あぐら)をかいた。無理するもんじゃない。祈りの形も融通無碍なのだ。そう自分に言い聞かせた。 親父(アボジ)は、いつものように日の出と共に起き、監視モニター画面に目を凝らしていた。怪しい者は映っていない。そこで親父が第1監視カメラのモニター画像を、一時間前に巻き戻し再生していく。 いた! 怪しい乗用車1台。夜明け前の薄明りの中、ライトを点けず登って来ていた。「おっ、ここから500ⅿ下で車が停まったぞ。車のナンバーは『0000』か。運転手と助手席に男が……おっ、助手席のリュックを背負った、アウトドアスタイルの男が降りたぞ。おっ、車がÙターンして……戻って行く……おっ、アウトドアスタイルの男が、渓谷側に姿を隠したぞ。奴が潜入工作員だ! あそこは岩の割れ目がある断崖だ。奴はそれを知っているのだ。そこの隙間で、夜まで待機するのか――」親父がモニター画面横にある‶ボタン″を押した。 数十秒してママが部屋に来た。モニター画面を観たママが言った。「やはり潜入工作員が来ましたね。あなた、どうします?」「奴を確認しに行く」親父が答えた。が、少し考えて、「捕獲の準備に取り掛かるよ」と言った。「あなた、どう捕獲するの?」ママが訊いた。「お前も知っているだろう。あそこの岩の隙間はどこからも見えないが、全身を隠すことが出来ない。対岸の断崖の上部から見えるが、俺たち以外は誰も行けない。つまりだ。俺は北側から迂回して対岸の断崖部に行き、200ⅿの距離から奴の足の皮に1発、銃弾をかますよ。奴が断崖の下に落ちない程度に撃つがね」「あなた、それだと工作員は自殺するかも」 北朝鮮の潜入工作員には軍律がある――捕まるようなら『自殺せよ』と。「奴は自殺はしないよ。誰に撃たれたか分かり様もないし、渓谷下から激流音が響いているから、銃音は紛れる。猟師の流れ弾だと思うことだろう。いずれにせよ絶対、洞窟に行かなければならないからな。潜入工作員の使命感を逆利用できるはずだ。奴は足を引きづっても、必ず洞窟に行く。奴は柔(やわ)ではない。これからママは監視モニター画面に張り付いてくれ」「承知よ。ところで榊原さんには?」「お前から伝えてくれ。それと榊原先生を外に出すなよ。守れ」「分かったわ。十鳥先生には?」「俺からお伝えする」と答えた親父が、ママに告げた。「我々3人も無線を使う。もしかしたら、お前の出番がありそうだ」「私の出番って?」ママが怪訝な表情を見せて訊いた。「岩の隙間にいる奴は、リュックを背負っている。俺の1発で、リュックを隙間に隠すことも考えられる。奴がリュックを背負わず岩から這い出てきたら、お前がリュックを回収してくれ。何らかの重要な物が入っているいるはずだ」 薬草採りの名人のママである。彼女はロッククライマーでもあった。若い頃は、韓国では一、二を競っていたほどだ。岸壁に自生する薬草には高価なものが多い。薬草採りの名人と言われている所以(ゆえん)である。筋肉質の細身は、今でも変わらないママだ。「わかったわ。連絡するわ」「簡単な朝食を作ってくれ。それを持って撃ちに行く」 林の中、クンは見張り役――シートの隙間から耳目を立てて――に就いてから1時間が過ぎた。外は霧状のガスが立ち込めてきた。おお、雲の中に入るぞ! そう心で叫んだクンが、2ⅿ離れて潜んでいるムボンのシートに這い寄り、手でポンポンと叩いた。 ムボンが顔を見せた。「助け船の雲が来たぞ。さあ、出発だ」クンが耳打ちした。ムボンが頷き、役立と海人のシートへ這って行った。 この30分後、4人は再び西へと林の中を進んで行った。ガスはさらに濃くなっていた。4人は列間を狭めて行く。山間は山あり谷あり小川ありの連続、まさに過酷な人生行脚と言えるようだった。救いは、冷えたガスが火照る筋肉を宥(なだ)めてくれていることだった。これは想定外の僥倖だった。目的地まで残り20㎞。海人は思った――ガス欠になるなよ! 雲行雨施よ! 渓谷の上流、2台のSUV車が停まっている先を進み、渓谷の源流上部――あの洞窟の北側上部――を迂回して行った親父が、昼頃、潜入工作員が潜む断崖の対面の林間部に着いた。狩猟の前に飯を食うのだ。親父が愛用のライフル銃を背から降ろし、ザックから弁当を取り出した。親父が空を見上げると、雨雲が西から近づいてきたのが分かった。 飯よりライフルが先だ! 親父がライフルの標準スコープで対岸を探した。ほどなく岩の隙間にいる潜入工作員を捉えた。何だ! 奴は飯を食っているではないか! スコープのレンズの十字に、潜入工作員の右足部を捕捉した。風は無い。無調整でいける。十字を少し下にずらす。男の軽登山靴を狙う。ズン! 足首表面を弾丸が擦った。皮一枚を裂いた。男は隙間にへばりつく。親父は空に向け2発撃つ。どこかの猟師が獲物に撃ったかのように―― スコープで確認すると、顔を歪めた男が右足を浮かせている。男が顔を180度、ゆっくりと回す。猟師を探しているのだろう。親父は木陰に身を隠し、マイクに言った。「奴を狙い通り撃った。SUV2台を急ぎ玄関前に移動してくれ。これから弁当を食べる」「了解したわ」ママが答えた。 (続く)*このブログ冒険小説はフィクションであるが、事実も織り交ぜ描いている。
2022年04月03日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナに栄光あれ! 4月1日は『プーチンの日』だあ!全てが嘘で固めるプーチンである今年のエイプリルフールの今日考え抜いたがプーチンの日としたい・米英等の情報筋は『ウクライナ侵略のプーチン・ロシア軍に統合司令官がいないようだ』と言っているが私見は――ウクライナ侵略ロシア軍の「統合司令官」はプーチン大統領自身だ、と思っているプーチンが事細かく作戦を指示しているのだプーチンの執務室内の「多面的大型モニター画面」を観つつ・ウクライナの勝利は近い!ウクライナに栄光あれ!
2022年04月01日
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ウクライナウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナに栄光あれ! プーチン侵略軍による犠牲者を悼む!ウクライナの勝利はまもなく!プーチンは「テロリスト」であり、プーチンの仲間たちも「テロリスト」だあ!如何なる弁明・弁護の余地は皆無である・なぜプーチンらが「テロリスト」なのか――その訳は毎晩 丑三つ時に「プーチンの藁人形」に50寸釘を打ちつけ呪ってもウクライナ侵略を止めず無差別殺人行為をやっているからだよく考えてみたら「テロリスト」には「呪い」は通じないと知った・カナダの退役軍人・ワリ氏がウクライナ義勇兵として馳せ参じているワリ氏は40歳代で妻子を持つ身だが……ワリ氏が現役時代狙撃手(スナイパー)としてイスラム国のテロリストを3.54㎞から撃った世界記録を持つスナイパーであるかねてから彼ワリ氏のことを知っていたワリ氏ひとりで40人の「テロリスト」を撃っているそうだ・対戦車携帯ミサイル「ジャべリン」一基1千~2千万円とかプーチン・ロシア軍の戦車・装甲車・ヘリ等を撃ち落としているいわゆる現代戦の概念を変えつつあるよ~く考えてみたら「ジャベリン」ってスナイパー銃と似ているような……偽装し隠れ潜み2.5㎞以内の距離から撃つからだ・「ジャベリン」1000基で戦車1000台を破壊できそうワリの合う勘定か・ああだこうだとのたまわる橋下徹氏らがいるが元凶はプーチン・ロシア軍のウクライナ侵略橋下徹氏は「しゃべりん」で言うが・ウクライナに栄光あれ!ウクライナの勝利を確信している!ウクライナの自由と民主主義が独裁者の魔手を撥ね退けるはず!
2022年03月30日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』11ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)主な登場人物 ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。海人の妻。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民・ムボンの父 通称は「親父」・ムボンの母 通称は「ママ」(11) 榊原は、ママに連れられ地下室内の浴室に行った。「サカキバラセンセイ。オユ イイデスヨ ユックリハイッテネ」ママが笑みを見せて言った。「ありがとうございます」と榊原が答え、浴室のドアを開けた。6畳大の脱衣室の向こうに8畳大の浴槽、特製FRPのそれだった。洗い場には10個のシャワー付きカラン(蛇口)があった。すでに湯船から湯煙が立ち昇っていた。この地下室内にある浴室は、韓国軍用だ。しかも戦闘時に備えたものである。 ママが十鳥チームに気遣って、この緊急用の大型浴槽、湯舟にお湯を溜めていた――いつでも使用できるように――榊原はゆるりと湯船に浸かった。1週間分の疲労感のこびりついた魂が、湯気とともに全身から抜け出ていったようだった。「親父。ママ。榊原先生を頼むね。じゃあ、戻ります」膨らませたバックパイプを背負ったムボンが言った。「了解したよ」親父が短く答え、ムボンの肩をぽんと叩いた。「シジュン(信俊) ワカッタヨ キヲツケテネ」と言って、ママがムボンとハグ(抱擁)した。(親子の会話は韓国語であるが、このブログ冒険小説では日本語で通している) 洞窟内にいる十鳥が腕時計を見た。針が1時3分前、12時57分を刻んだ。その時、洞窟の入り口にムボンがぬっと現れた。十鳥には、救世主が現れたかのように思ったほど、ムボンの全身が輝いて見えた。つい、眼鏡を下げて目をこすり、肉眼で凝視した。すると光が消えていた。幻想だったのか、白い十字架に祈ったからか、と十鳥が呟いた。 ムボンが白い歯を見せた。「チーフ。榊原先生は家で確保しましたよ」「私の箱入り娘だ。洞窟よりもコンクリートの箱の方が良いからな。ありがとう」「チーフ。私のカナリアにエサと水をお願いします。私の籠の鳥ですので」ムボンはジョークを入れて返した。 そして、報告すべきことを急ぎいだ。 ムボンから事の一部始終を聞いた十鳥が、彼の背を見て言った。「案の定、潜入した工作員が来たな。だが、そっちは親父に任せよう。私たちは北への潜入工作に取り掛かるとしよう。それにしても満杯のリュックだな」「北で使いたい物が入っています。念のため、チーフ用に銃弾入り拳銃と暗視ゴーグルを置いて行きます。じゃあ、クン兄たちと合流します」とムボンが言って、トンネルに潜って行った。「ムボンが行ったぞ」十鳥がマイクに告げた。「了解」十鳥のイヤホンに、軽やかなクンの声が聞こえた。 クンと役立が耳打ちしていた。「役立さん。ムボンが来たら、私はムボンとキムガンサン(金剛山)山系の西端に沿って潜入し、北の小規模駐屯地を急襲したい。独裁王朝の将軍様の金メッキの玉を震えさせ、疑心暗鬼をさらに増幅させたい。(ここの表現は直接的に書いたが、猥褻ワードと見做されUPできず、書き直した)チーフが言うところの『将軍様に呪いをかける』作戦だ。情報機関内部が絡んだ反乱に見せかけてさ」そう言うクンの眼差しが、ギラついていた。「ムボンと2人だけで出来るのか? 私も行くぜ」役立がクンに平然と言った。「役立さん。命の補償は出来ないよ」「私は独身だ。札幌の時から、クンさん等と北朝鮮に呪いをかけに行く、と決めていたんだ」「役立さんが一緒だと助かります」クンが頷いて言う。 クンと役立の会話を聞いていた海人が割り込んだ。「役立さん。俺も付いて行くよ。僥倖のような気がしているんだ」「先生。僥倖?」クンが訊いた。「今回も運が、クンさんらについている気がしているんだよ」「実はね。私もそう思うのだ。十鳥チーフは、何かを持っている人でもあるからさ。私は何度も体験しているよ。ねっ、堀田さん」役立が海人に顔を向けて言うと、「同感です。チーフの決断はいつも、1(イチ)か8(バチ)かのように思えるんですが、結果は必ず1(イチ)となりますね」海人が実感を込め、マイクを手で塞いで答えた。「チーフを頼った甲斐があります。やる気が漲(みなぎ)って来たぞ」クンが鼻を膨らませた。「じゃあ、さっそく実行計画を立てましょう」役立がクンに促した。 クンの『計画』はこうだ。・捕まえた4人は、トンネルの武器庫に監禁して置く。・幹部が持っていた『南鮮特別命令書』と『将軍様の襟章バッチ』を逆利用し、奴らを独裁王朝反乱組織分子に仕立てる。・ここからベンツ2台で出発し、山麓の途中でベンツを隠し、我々はキムガンサン山麓の林地帯の『獣道』を使い、北へと縦走していく。・武器庫からRPG―7携帯対戦車用擲弾発射器、スナイパーライフル銃、地雷・信管等を担げるだけ持って行く。・ここから西へ30km行ったところ、北側の軍事境界線沿いのキムファ(金化)という街がある。その街の山麓部に北鮮軍機械化部隊の基地がある。そこをターゲットとする。・所要時間は、夜9時から翌朝4時の間、往復45時間前後の夜間行動である。山中で潜伏する2泊を含めると。2泊3日の行軍だ。 言い終えたクンが付け足した。「山麓部の林はまばらだ。食料不足で、獣を獲っているから獣道は細い。それに獣道だと地雷の埋設の可能性は低い。だが、地雷と獣用罠には要注意だ。先頭のムボンが地雷探知機で地雷を警戒しつつ、獣用の罠にもね」「その他には?」役立が訊いた。「それと、山麓部に北側の監視塔がありそうだ。そこを避けたいが、場合によっては無力化する」クンが答えた。「私は運び屋に徹するよ。それと万が一の時、皆が身を隠すカモフラージュシートをもって行くよ」海人が言うと、「了解。先生は私の後ろについて来てください。先頭はムボン。最後尾は役立さんが」クンが言った。「了解した」役立が答えた。「出発は?」海人がクンに訊いた。「0300。3時です」クンが答えた。「こりゃあ忙しいな。行けるところまで行って、夜まで待つのか?」役立がクンに訊いた。「それでも往復45時間で用は足りるのか?」海人も訊いた。「私はムボンと2人で予行しました。似たようなテトペクサンメク(太白山脈)の山麓で試してみたんです。30時間かかりましたので、さらに15時間足しての45時間としました」クンの言葉に説得力があった。クンもムボンも軍人なのだ。辞めても、いざとなれば予備役軍人から、いつでも将校に就く。彼らの軍事感は活きているのだ。 海人が腕時計を見た。「1時間30分後か――武器庫に行くか」 目出し帽を被ったクンらは無言で、口を粘着テープで塞ぎ、パンツ一枚の捕虜たちを結束バンドで後ろ手と足を固め、冷たい床に転がしうつぶせにし、武器庫に閉じ込めた。 そこにムボンやって来た。潜入工作員の件は十鳥から伝わっていたから省き、「暗視ゴーグル4人分を持ってきた」と言って、ムボンが海人を見た。そして言葉を継いだ。「堀田先生。榊原先生は親父とママと一緒です。ご安心してください」ムボンが耳打ちする。「ありがとう」海人が親指を立てた。 午前3時。クンら4人は、トンネルの出口扉を開け、外に出た。周辺を確認し、クンが奪った鍵を差し込み扉を閉じた。 クンと海人がベンツに乗り込む。ムボンと役立がもう1台の方に乗り込んだ。十鳥には電波は届かないが、4人の無線は生きている。「GO!」クンがマイクに告げた。「了解」ムボンが答えた。 2台のベンツは、ノロノロと様子を覗いながら駐車場を出て、公道のトンネルを左折した。トンネル内は僅かな電灯の薄い光があったが、ほぼ暗夜に近かった。行き交う車両も皆無だった。トンネルを出ても、暗夜だった。 山間部を通る簡易アスファルトの公道を西へと数分走ると、速度を落としたクンがハンドルを右に切った。そこは山道だった。後ろからムボンも続いた。500ⅿ程登って行くと、かなり鬱蒼とした森林地帯に入った。暗視ゴーグルをかけたクンが車から降りた。クンが地雷探知機を地面すれすれに振って、広葉樹林の中に入って行った。 5分が経った時、クンが林から出て来た。右手で前方を示す。車を隠す! 暗視ゴーグルをつけたムボンが、車を林へと入れて行く。その後ろに役立が運転するベンツも続いた。そこは山道から50ⅿ、林間をわけ入ったところだった。50㎝ほどの下草があり、茂った広葉樹の枝葉が何重にも垂れている。4人は素早く、車をカモフラージュシートで覆う。 ムボンが山道に戻り、タイヤで圧し潰された下草を立ててタイヤ跡を消し、その上から特殊消臭スプレーを噴射していく。海人もムボンの後ろに行き、クマ除けスプレーを下草に噴射した。敵の軍用犬を警戒してのことだ。 暗視ゴーグルをつけた4人が、迷彩服、防弾ベスト、防弾ヘルメット、軍用手袋で身を包む。RPG等の武器類――軍用折り畳みスコップはバックパイプの背につけて――の入ったバックパイプを担ぐ。そして旧式のスナイパー銃を肩にかける。バックパイプの重量は35㎏と重い。腰のベルトに水筒をつけ、ウエストポーチには携帯用食料、緊急用医薬品等を入れていた。海人には、クンら3人のバックパイプが自分より重いと分かったが…… 午前3時45分。ムボンが地雷探知機を手にし、林の奥に真っ直ぐ入って行った。ほどなく皆のイヤホンにムボンの声が聞こえた。「獣道を見つけた。地雷、罠無し」 暗視ゴーグルをつけた4人が、7ⅿの間隔を保ちつつ続いた。 東の山並みの上の空が、薄く茜色に染め始めていた。夜明け前か――「あと30分進んで、そこで泊まる」ムボンが皆に告げた。 真夏だが、山稜部の山間は涼しかった。(続く)*このブログ冒険小説はフィクションであるが、事実も織り交ぜ描いている。
2022年03月27日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)「安倍首相辞めろ!」「増税反対!」ヤジ排除に正当な判決プーチンのウクライナ侵略中札幌地裁が判決『北海道警のヤジった2人の排除は、表現の自由違反(憲法違反)』原告の全面勝訴となった――当然だが……「ウラジミール」「シンゾウ」北方領土問題で27回も会っていた安倍晋三元首相どういう訳か安倍首相だった時、札幌の大通公園で安倍首相の街宣中2人の男女がプラカードを掲げ「首相辞めろ!」「増税反対!」と叫んだ途端北海道警の私服警察官多数が2人を取り囲み強制排除したこの光景をニュースで観た私これは安倍専制政治の一例か!「ウラジミール!」「シンゾウ!」馬の合う2人(トランプを入れると3人組だが)そう思っていた岸田首相政権となった途端空気が変わったようなそして専制独裁者プーチン・ロシアのウクライナへの侵略ときたからさらに「表現の自由」自由の価値観(但し、いわれなき誹謗中傷・デマ・フェイクは論外の犯罪)自由は死せず!誰彼が死すと!札幌地裁の判決基本的な道理の基本「道警の排除は(憲法違反)表現の自由を損ねたので違反かつ賠償責任あり」いつもこうあってほしいものだ!プーチンのロシアにも「表現の自由」は無く中国にも世界中の専制国家には当然にところでバンクシーは何処に?もしかしたらウクライナにいるのかな?z90度傾けるとNこれに絵文字を付けるとN(追記)ブログ冒険小説。明日up予定
2022年03月26日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)プーチンを3月中に倒したロシア国民にノーベル平和賞を!とてもとてもロシアの大統領とか政治家とかの肩書を付けて書くに値しないウクライナの悲惨な状況を毎日YouTube・LIVEで観ているいろいろ考えてみたが――ナチス・プーチンに対し、欧米を主軸とした民主主義国家は「覚悟を持った決意」を示す時が来てしまった断じてウクライナの不条理極まるプーチンの侵略戦争を許せないのだウクライナ1国の問題ではないからだ!プーチンを3月中に倒したロシア国民にノーベル平和賞を!如何なる方法も問わずプーチンを倒し、ウクライナへの侵略戦争と核兵器・生物化学兵器の危機にストップかけた如何なる立場であってもそのロシア国民に――【追記】ウクライナ南部の港湾都市マリウポリが壮絶な包囲戦中だ一週間のうちに行け!『無国籍人道平和維持軍』約5千人の武装機械化部隊と物資(水・食料・医薬品等)を載せた装甲車両旗の色は――赤十字でなく青十字でもなくイエロー十字のデザイン向日葵の上に嘘も方便NATO軍が無国籍として急げ!
2022年03月23日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ターミネーターが未来からやって来た! ウクライナの勝利が運命として決まった!ターミネーターが未来からやって来た。と言うことは――曲げられそうな歴史を元に戻すために、ターミネーターが未来からウクライナを助けに来たのだ!それにしても――人間として、焼いても煮ても食えない、救いようなない人物・プーチンであり、その仲間たちだあ!「刺身だった食えるじゃないのか?」なるほど、そうかも。「戦争犯罪人として、プーチンの生身をとっ捕まえるってことだな」と言ってもだ、ロシア国民自らがそうしない限り、無理かな。(どこか日本の国民性と似ているロシア国民のような……)ここにきて――核兵器で脅し、生物化学兵器でも脅しているロシアの大統領がプーチン!生物化学兵器はシリア、チェチェン共和国で使っているから、ウクライナでもやりそうな気配が……そろそろ欧米が「国際人道支援団」として、ウクライナに介入する時が来たぞ!欧米は裏で色々と模索中だろうけど。ゼレンスキー大統領率いるウクライナ軍の防衛抵抗は、すざましいものがある。これほどの自衛戦は近現代史では稀有である。ウクライナ国歌『我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ 自由のために身も心も捧げよう 今こそコサック民族の血を示す時ぞ!』歌詞の通りの自衛戦をやっているウクライナだ!そこに未来からターミネーターがウクライナにやって来た!何でターミネーターがやって来たのか?歴史の正当な運命を変更させないためにだ!予測だが――数週間内に、ウクライナに侵攻したロシア軍20万人のうち、約12万人がウクライナに「投降」し、捕虜となるような気がしてならぬ。報道によれば、ウクライナの広大な「泥の大地」にロシア軍の機械化部隊がはまって、使えないケースが多々ある、とも。間もなくウクライナ軍は反転攻勢に出るようだ。プーチン・ロシア軍の退路を断つ行動を。それにしても――残虐非道なプーチン・ロシア軍により、多くの市民と子供たちが亡くなっている。心から哀悼の祈りを捧げたい。ウクライナの惨劇は、決して他人事ではないのだ!今夜も丑三つ時に「プーチンの藁人形」に50寸釘をハンマーで打つ。ウクライナに栄光あれ!(ブログ冒険小説『闇を行け!』は、数日内に掲載する予定)
2022年03月20日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)ウクライナ侵略とプーチン・ロシア皇帝化の野望国際人道平和維持軍でウクライナを救え!ポーランド・スロベニア・チェコの首相3人が、プーチン・ロシア軍が攻撃中のウクライナの首都キーウ(ロシア語のキエフ)に、ゼレンスキー大統領と会いに行った。彼らの危険を顧みない行動に、政治家の矜持を感じ、称賛したい。『私たちはウクライナと共にいる。我々はウクライナに支援する』『NATO平和維持軍派遣をNATOに提案したい』NATO平和維持軍派遣。「停戦しているなら、平和維持軍派遣も考えられるが――」「プーチンの狙いがウクライナの東西分割化に変質しているのか――」との見解もあるようだが、いずれにせよ、到底受け入れることが出来ない見解である。例えプーチンがそう考えているとしても。ウクライナの国民とその代表ゼレンスキー大統領らの「徹底抗戦」し、プーチン・ロシア軍をウクライナから出て行ってもらう、との決意に事態解決の根幹があるのだ。昨日16日。ICJ(国際司法裁判所)が「プーチン・ロシア軍の軍事作戦を停止させる仮保全措置」を命じた。☜ ここに国際法違反行為に対する、道義的かつ準法的根拠が考えられる。(緊急避難としても――)国際人道平和維持軍のウクライナ派遣。国際法違反の非人道プーチン・ロシア軍の侵略行為に対する「唯一の直接的な解決方法」である。先ずは、2月24日以前のウクライナの姿を取り戻すことである。戦火に命を落とすウクライナ市民を、これ以上増やすことを避けるためにも。だが――毎晩、丑三つ時に「プーチンの藁人形に50寸釘」で打ち続けている。【一昨日の大地震】一昨日は、東日本大震災の再来か! と。大地震に遭われ、お亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。被災者の皆様方のご心労を拝察しつつ、早く元の生活を取り戻されることを祈念しています。プーチン・ロシア皇帝化の野望これについて書く前に――バラエティー番組で太田氏が『劇場型の戦争』と、ハンカクサイ発言をしていたことが、また思い出した。だが、皮肉にも当たっていた???????子供たちが避難していた劇場がプーチン・ロシア軍のミサイル2発で破壊された。800~1000人の子供たち等が……130人が救出。まだ埋もれている子供たちがいるとも。これぞ! 「劇場型の戦争の惨劇」と言うのだ! 極悪非道なる戦争犯罪を! 軽く劇場型なんて言うか! プーチンの侵略戦争を中立の立場で見ている場合か! バカバカバカ!20日のバラエティー番組で太田氏が何を語るか――またハンカクサイことを語るのだろうが!他の論者に「プーチン大統領のロシアを刺激したウクライナにも責任がある」との不見識な発言があるが。まだそう思っているのか! 維新の松井氏よ! 鈴木宗男氏よ!本題に入る。その前に――以外にも『バイデン大統領でなく、トランプだったら、プーチンの侵略戦争を止められた』と言う識者が多いことにも驚いている。その明確な根拠が知りたい。そりゃあそうだろう。もし「トランプ大統領だったら」、プーチンは、国際法違反の侵略戦争しなくても、ウクライナに傀儡政権をつくることが出来ただろうから。トランプがそれを容認していただろう。プーチンによって大統領になったトランプとも言えそうだからだ。フェイクだらけで――トランプが大統領だった時、彼は「トランプ王国」の野望を持っていた、と思われる。米国大統領の後継者に身内を考えていたようだ。トランプにも独裁者の姿を見た。今の問題は、トランプが言った『馬が合うプーチン』のウクライナ侵略の心の裡である。プーチンは、何故? 民主主義制度を否定してきたのか? なぜ? プーチンは独裁者の国々に助太刀しているのか? トイレに行ったら「蘊蓄(うんちく)ある結論」が出たあ!噂通り、プーチンはプーチン王国ロシアをつくりたいのだあ!プーチン皇帝から、娘が女帝となって、そして面々と支配する「プーチン・ロシア王朝」の野望を。その野望を持つプーチンにとって、ロシアの近隣諸国が次々と「民主主義制度国家」となっていくことに、脅威を持っているのだ。プーチンは、純粋にロシアが周辺諸国から軍事的脅威があるなんて、これぽっちも思っていない。ただただ、野望である「プーチン王国」づくりの「邪魔」になるからだ。北朝鮮の如く。ウクライナの勝利は近い!甚大な犠牲にも負けず、徹底抗戦しているウクライナに――栄光あれ!ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)
2022年03月18日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)降伏論者たちの無知・プーチンの侵略戦争とウクライナ 民主主義制度下の祖国を侵略者から守る――この意味が分かっているんだろうか?日本の「ウクライナの降伏(無駄死に)」を論じる識者たちそもそも大日本帝国の侵略戦争の結果悲惨を極めて「無条件降伏」したが……降伏した相手が米国(英国等も含め)だったそして日本が民主主義制度の国と変容させられた・もしソ連だったらどうなっていたか?「日本人民民主主義共和国」となっていただろう少なくとも北海道は「クリル人民民主主義共和国」とかにチュッ! チェッ! と唾吐く独善思想の独裁国家とこの歴史認識を知るべきである!・改めて日本の歴史を顧みる「元寇」である元(モンゴル帝国)による1274年(文永の役)1281年(弘安の役)2度による日本侵攻(侵略戦争)日本の歴史で唯一の祖国防衛戦争を余儀なくされたまさにウクライナへのプーチン侵略戦争と同じ範疇かだが日本列島は自然(地理・気候)条件において大海の要害の島国・日本だったナチス・ヒトラーが、島国・大英帝国本土に侵攻できなかったこととも似たような……また別な視点で見ると――九州一円の領主と民の戦意に高いものがあった一所懸命! 一所懸命!それはいわゆる「愛国心」とは言えないが「おらが土地」を守る強固な意志があった島国・日本プーチンの侵略戦争で、俄かに「他国からの軍事的危機感」が惹起しているが、冷静であれ! と言いたい!先ずやるべきことがあるからだ「核兵器禁止条約」への参加・批准だ!そして「忖度政治」の禁止「政治等の透明性」を取り戻そう日本国憲法の順守徹底だ!民主主義とは平和主義とは基本的人権とは自由とはこれらは――ウクライナが希求していることだからだプーチンの侵略戦争との命を懸けた戦い――祖国防衛の戦いなのである・提案だ!「国境なき人道支援団」としてウクライナ各都市へ医療と水・食料等を満載にした車列60kmを成してその規模約10万。人道支援物資満載トラックは5万台強。但し、プーチン・ロシア軍の攻撃があるから・防衛体制をとる(対空ミサイル網・無国籍の戦車群・装甲車軍・支援武装ヘリと戦闘機等)・攻撃があれば――自衛のため容赦なく徹底的に反撃し殲滅する・「国境なき人道支援団」だから、あらゆる反撃は出来る(国際法違反じゃない)無国籍の「国境なき人道支援団」プーチンに問われれば、こう主張できる『あくまでも人道支援に限った無国籍の支援団である』『いささかもプーチン戦争に関わることがないのだ』・(再認識すべきこと)プーチンは、ウクライナへの侵略戦争を、彼が自滅するまでやり続ける話し合いの余地は、全く無い政治的妥協の余地も皆無ウクライナへの無条件降伏を求めているプーチン戦争だだが、ウクライナはプーチン戦争に勝利するのは間違いない多大な犠牲が出るだろうがこの賠償責任は、当然、プーチン・ロシアが負担することになる更に戦後処理として「キーウ(ロシア語でキエフ)国際裁判」でABC級戦犯裁判特A戦犯:プーチン 判決は「禁固1000年」「罰金3兆円」続々と戦犯の判決が下されるそしてプーチン・ロシアには「賠償責任」の判決が出る賠償額100兆円・おまけにー―北方四島がウクライナ領となる ん?賠償金の一部としてそれで日本がウクライナから北方四島を購入する約10兆円で・そろそろ丑三つ時が来るのでごそごそと用意しなきゃプーチンの藁人形と50寸釘と金づちを!・
2022年03月14日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)プーチン戦争を恐れるな! 全体主義との戦いに覚悟を持とう!ナチス・ヒトラーの80年前もそうだった――その再現を見ているようだ狂気の独裁者プーチンの侵略戦争、ウクライナの惨劇だが、ゼレンスキー・ウクライナ大統領を先頭に必死にウクライナ防衛戦が進行中プーチン戦争――実質、第3次世界大戦が始まったのだ――と見ているプーチンと共にしている輩は「全体主義という独裁国家主義」の権化プーチン等にとっては、人命は羽毛よりも軽くあらゆる非人道の手段で破壊・殺戮の限りをやる・狂っているプーチンと仲間たちは果てしなく極悪非道の戦争を続けるだろうナチス・ヒトラーのように・一部の見識に「ゼレンスキー・ウクライナ大統領が、少し上手くやっていたら、プーチンの侵略を防げた」というものがあるが私見は 否! である自由を叫ぶこと自体がプーチンにとっては「敵」だからだ特にウクライナにおいては――・先月2月9日プーチンはが、こう言っていたことが記憶にこびりついている『(ウクライナは)私の美しきもの』ヒトラーと同じく、狂人の様を見るゼレンスキー大統領が『ウクライナは私の美しきもの』と言うなら理解も出来るが……・そもそもプーチンがソ連のKGB(情報スパイ機関)に憧れたことに今に至る根源があるようだ自国・ソ連のスパイ映画を観て、KGBに入りたいと思ったことだ元々論だがプーチンの心は病んでいたのだ!ヒトラーと酷似しているように!・元維新の代表だった橋下徹氏が馬鹿げてしつこい『ロシアと話して政治的妥協をすることが重要だ』と主張とか『NATOが譲歩を示さないからプーチンが乗らない』と主張とか橋下徹氏の次元の低さに呆れている真の愛国心とは何ぞや!プーチンの侵略戦争だと言え!大日本帝国時の米軍の見境ない爆撃・原爆投下とは別次元だと言うのに――何が別次元か?大日本帝国はナチス・ヒトラーと組み先に侵略戦争をしたのだ!・安倍晋三元首相も言う『力による現状変更は認められない』とこのフレーズには何かが足りない嘘とフェイクで糊塗し、真実を国民に隠し反対者たちを非道にも抑え込む極悪非道なプーチンの侵略戦争への真摯な批判の言葉が無い・今、ウクライナは総力をあげて全体主義というファシズムのプーチン戦争に命を賭して戦っているのだ!ナチス・ヒトラーの戦争を顧みよう!・
2022年03月12日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』10ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)主な登場人物 ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。海人の妻。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民・ムボンの父 通称は「親父」・ムボンの母 通称は「ママ」(10) 「ムボンさん。私も行きますわ」榊原が言った。これまで洞窟のチーム全員は、隠れ仮設トイレ脇のところで体を拭く程度だった。榊原は風呂とまでは言わないが、ムボンの家で、せめてシャワーを浴びたかった。「榊原よ。行ったら良いぞ。ムボン、頼むね」十鳥が気を利かした。後ろで海人が、ムボンにアイコンタクト送った。頼むね、と。「了解です。0100に戻ります」ムボンが笑みで答えた。 クンと役立がトンネルの北朝鮮側の出口に着いた。午前11時00分。さっそく動いた。聴音付きスコープの管を出口の鉄製扉下から延ばした。先端を180度回していく。手元のモニターには何も映っていなかったが、イヤホンから数台の車の音が聞こえてきた。クンが手で合図した。待て! 出口の前方は大きなトンネル、キムガンサン(金剛山)山麓の東に向かう公道、山麓部をくり抜いているそれである。長さは300mほどとそう長くはない。この南進トンネルは、公道トンネル内を右折したところに待機場を設け、巧みに造っている。上空からは見えない! スコープのモニターに、東に向かう軍用トラック数台が通過するのが見えた。クンが右手を拳にした。安全! クンらは緊張感を緩めた。その時、イヤホンから、また車のタイヤ音が聞こえてきた。やがてスコープのモニターに2台の黒いベンツが映り、こちら側の出口へと右折。ライトが大きくなった。クンが合図した。来た!「来た」役立がマイクに言った。「了解」洞窟内にいる十鳥が張りのある声で答えた。 2台のベンツが出口の脇、扉の横に停車した。数分が経ち、ライトを消した2台のベンツから、黒い影となっているが、背広姿の男たち4人が降りたのが見えた。 ひとりの男に3人が恭(うやうや)しく頭を垂れている。部下たちが上官にするように。その上官が3人の肩を摩った。上官が部下たちを励ますかのように。そして中肉中背の男に、上官らしき影が数度肩を叩いた。男が背筋を伸ばし、敬礼して応えた。 クンがマイクに囁いた。「来た。来た。来た。偵察総局の奴らだ」偵察総局の正式名は朝鮮偵察総局。対外工作を主に担う、将軍様直結の機関と言えよう。かつては2代目将軍様の指示で、日本人拉致犯罪を実行した対外工作機関でもある。拉致もやれば、暗殺もやる。 クンが偵察総局の3人が、この南進トンネルに入るものと確信した。それを聞いた十鳥は、潜入工作員はひとり、と読んだ。「潜入者はひとり。2人はサポート役。任す」「了解」クンが小さく答えた。 偵察総局の4人は、扉前数m先に立ち煙草を吸っている。直ちに扉を開け入って来る気配がない。クンには、思案する時間が出来た――そして役立に耳打ちした。「奴ら4人以外はいない。3人が扉を開け、入って来たその瞬間、バールで頭を打(ぶ)ったたき失神させる。と同時に、私が上司らしき奴を抑える」「了解したぞ」役立が答えた。 クンがまた耳打ちした。「奴ら3人は、特に潜入工作員は自決用爆弾を持っているから、気を付けてください」役立も知っていたので、軽く頷いた。1発で気絶させるのだ!「4人を捕獲したら、その後はどうする?」役立が耳打ちした。「捕獲してから相談する」 洞窟内の十鳥が振り返った。後ろにいたはずの海人が消えていた。「先生よ。今どこ? トイレ?」十鳥がマイクに言った。「トンネルを進んでいるよ」十鳥には意外な返事だった。「どうして?」「北側にある直近の武器庫に向かっている。何か起きれば、助太刀するよ」 海人の声も、クンらのイヤホンに伝わっていた。「気を付けてくれ」十鳥が小さく言った。「了解」 ムボンと榊原が岩の階段を伝わり林を出て、2台のSUVが停まっている場所まで行った。夜空は雲が覆い、漆黒の闇だった。2人はヘッドライトの明かりでSUVを照らした。ムボンが振り返り、榊原に手で合図した。待て! 榊原が立ち竦(すく)む。何かが……榊原がゆっくりと頷く。 ムボンが携帯ライトを当て、2台のSUVの外側を入念に見て回った。今度はSUVの底部を覗き込む。1台目の底部に仰向けになり潜り込んだ。6分後、ムボンが仰向けで顔を出した。拳を握り合図した。OK。そしてムボンがもう1台の底部に潜り込む。風もなく静かだった。榊原はまんじりとせず待った。 ムボンが顔を出した。榊原に手を突き出し携帯のライトを当てた。手に円形の黒い物体があった。ムボンがヘッドランプ、携帯ライトの明かりを消す。榊原も消す。 闇の中、周りに目をやったムボンが、榊原に耳打ちした。「敵が来ている。家に行く」ここからは無線は通じない。榊原がムボンの手を掴み、洞窟に知らせに行く、と合図した。が、ムボンは家の方へ榊原の腕を引っ張った。 トンネル内を北へと急いだ海人が、北朝鮮側国境の最初にある武器庫横に着いた。「武器庫に潜む」海人がマイクに囁いき、腕時計を見た。アウトドア専用腕時計の曜日が目に入った。8月14日の日曜日だった。海人の目がはたととまった。日曜日? 海人がマイクに告げた。「敵はトンネル内に明日まで潜むはずだ」 十鳥が反応した。「明日まで?」「そうです。今日は日曜日。礼拝の可能性を敵は知っているからです」 クンが反応した。「そうだ。明日だ」 十鳥が言った。「潜入した工作員は、明日の夜に来る、ということか――」 聴音スコープに4人の顔が映った。扉の手前3mにいた。クンがスコープをトンネル内に戻すと、バールを手にした。役立もバールを持ち、側面に立った。 2人の男が、扉に鍵を差し込む。 ギーと鳴って扉が開いていく。 両開きの扉が1m開いた時、クンが役立に合図した。俺が行く! クンは予定を変えたのだ。2人の男が扉を開き、残りの2人は傍にいる。今だ! 目出し帽のクンが開いた隙間から、するっと抜け出した。目出し帽の役立も続いた。 クンが外に出るなり、両サイドにいる男たちの頭をバールで打(ぶ)った叩いた。役立が中央にいた男の頭をバールで打ち下ろした。そのバールを下から返した。もうひとりの男の顎を打った。バールのツバメ返しか! 4人は、ぐわっと言う間もなく、その場にどっと崩れた。 クンが周辺に目を配ったが、ベンツ2台だけしか見えなかった。 数秒の刹那だった!「4人倒した」 十鳥が答えた。「さすがだ」 海人が言った。「今行く」 クンと役立が4人をトンネル内に引きづり、扉を閉じた。4人はかなりの重症だったが―― 海人がクンたちのところ、出口付近に着いた。 クンらは捕獲した4人の身ぐるみを剥ぎ、尿と糞の染みがついたパンツだけにしていた。結束バンドで後ろ手を止め、血だらけの口に猿ぐつわをかましている。自殺防止も兼ねて。「やはり、ひとりだけが自爆用小型爆弾をバンドに仕込んでいた。奴が潜入工作員だ。腹に脂肪のある奴は、朝鮮偵察総局の幹部だ。後の奴らは部下。潜入工作員以外は皆、IDカードを持っていた。武器は無い。携帯も無線機も持っていない。だが、チーフ。命令書を持っていた」クンが海人に言った。もちろん、十鳥にも伝わっている。 海人がクンに訊いた。「こいつらをどうする?」「捕獲したのだから、食えるだけ食いたい」クンが、いかにも食人種的な不気味さを見せて言った。 いきなりクンが、偵察総局の幹部の横腹を蹴った。男が歪んだ顔を見せ、血だらけの口を僅かに動かした。「こいつから食うぞ。美味そうだ」クンの表情に冷酷さが浮かんでいた。 ムボンと榊原は家に着いた。ムボンが、分厚い鋼板製のドア横にあるインターホンを3度押す。ほどなくムボンの親父とママ(母親)が、開けた玄関戸から身を出した。「待っていたよ」親父がムボンに言った。 リビングに落ち着いたムボンと榊原に、ママが言った。「マッテイマシタ。コーヒーノミマスカ。ホカニモアリマスヨ」 ムボンがママに言った。「榊原先生をシャワー室へ案内してください」「ソウヨネ」 榊原が訊いた。「車から取り出した物は、何ですか?」 ムボンがテーブルに物(ぶつ)を置いた。「これは追跡装置です」 榊原が訊いた。「なぜ? 追跡装置をつけたのでしょう?」「これをつけていたのは、クン兄の車でしたよ」「なぜ? クンさんの車に?」「クン兄の車のナンバーを知っていたのでしょう。クン兄は元士官学校出身の中尉でしたので、北朝鮮側の潜入工作員は、わが軍の機密情報を少しでも得たいからです」 榊原には迂遠の話だった。が、記憶の回路に何かが残っていた。「その潜入工作員は、クンさんのことを知り得ている、と思いますけど」「間違いありません。榊原先生のお考えの通りでしょうね。クン兄は3年間、日本にいました。恐らく、日本から今まで、クン兄を追跡していたのかな。北の潜入工作員網が。多分。奴を捕まえると分かりますよ。きっと」「同感ですわ」そう言って榊原がクンを見やった。 頷いたクンが、親父と共に2階へ行った。榊原はママの案内でシャワー室に歩を向けた。 洞窟内にいる十鳥が、マイクでクンとやり取りした。「クンよ。外の状況は?」「やけに静かですし、闇です」「成果は?」「脂肪の男は使えます。外のベンツの1台も使えます。あの命令書も使えそうです」「どう使うつもりだ」「任せていただきますか?」 少し間をおいて、十鳥が答えた。「クンに任せる。今度は堀田に言いたい」 間を置かず、海人が言った。「しばらく後片付けで、ここにいますよ」「私をひとりにするのか?」「ええ、そうです。ムボンさんが戻るまで、お祈りしていてください」 そう言われた十鳥が、白い十字架に目をやった。「分かった。ひとりで礼拝するよ。まだムボンは戻っていなからね」 ムボンは2階の親父の部屋にいた。確かにベッドはあるが、とても寝室とは言い難い部屋である。そこには監視モニター類と軍用無線機器がある。ムボンの家は、国境の北朝鮮側を望遠監視カメラで見張る韓国軍の臨時拠点でもあったからだ。だが、親父は更に監視カメラの設置を軍に求め、5カ所となった。「親父。洞窟に行った日に。4台のモニター画面は4カ所を映しているけど、登って来る道路の手前200m地点、行き止まりの駐車場の監視カメラの録画を観たいんだ」そう言ってムボンは、駐車場の監視カメラの画像を早送りした。 直ぐに黒い影が駐車場に現れた。約30分前の画像である。少し早送りすると、黒い影が、携帯ライトでSUV2台のナンバーを照射し確認した。そしてクンのSUVに潜り込んだ。5秒程で這い出て、道路を下って行った。影は男だ! アウトドアスタイルの!「親父。北の潜入工作員が来ているよ」「やって来たか」親父が髭面を撫でて言った。「親父。奴を――」ムボンが言いかけると、親父が遮った。「お前よ。捕まえる気だろうが、止めた方が良いぞ」「どうして?」「潜入工作員は泳がせた方が良いんじゃないか?」親父が言った。ムボンは親父の言わんとしていることが飲み込めた。北の潜入工作員網の一部でも摘発できるからだ。「分かった。追跡装置も元に戻すよ」「そうしてくれ。私の友人、彼は元国家情報院の部長に、潜入工作員の車のナンバーと顔写真を見せるよ。昼間、奴が潜んでいる場所を探し当て、望遠カメラで密かに撮るよ。この渓谷一帯は私とママの庭だ」 ここに来るには、誰もが車を使う。ムボンの親父は、獣よりもこの渓谷を知り得ているのだ。親父は猟師だが、動物写真家でもある。この渓谷に潜む工作員は動物と同じだ。そう反芻したムボンが言った。「了解。国家情報院の元部長には、十鳥先生に報告し、相談してからにしてね」「息子よ。釈迦に説法するなよ」(続く)*このブログ冒険小説はフィクションであるが、事実も織り込み描いている。*洞窟内の旧石器時代の遺跡に関し――そこから東南100kmのところに「旧石器時代の遺跡博物館」がある。 今日3月11日は、東日本大震災から11年。 心より追悼の祈りを捧げます。今ウクライナは「プーチンの大人災」の惨劇にあっている。これには激怒し、プーチンに呪いをかけている。そして、ウクライナの人々に哀悼の祈りを捧げつつ、プーチン・ロシア軍の大津波を撃退されることを――ジジソロキャンパー・対露抵抗キャンパーのひとりとして、少しでも心を共にしていたい。『ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り』
2022年03月10日
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プーチン・ロシア軍はキーウ(キエフ)で敗北する!今日まで、ウクライナ情勢を観ていた。もちろん、「プーチンの藁人形に十五寸釘」で、夜毎、丑三つ時に大型ハンマーで打っている。『それにプーチン――現代のロシア皇帝も、単純でなにをやるか見え透いている。プーチンはけっして複雑なことはやらない。直線的な思考以外の能力がない。何事でもまっすぐ突き破ろうとする』トム・クランシー、スティーブ・ピチェニック 共著の『暗黒地帯』よりトム・クランシーは、2013年に死去。日本では、2019年初版。この小説は、そのほとんどの記述をスティーブ・ピチェニックが担っているものと思っている。作家スティーブ・ピチェニックの経歴。1943年生まれ。精神科医。作家。歴代政権のもと米国副国務長官補として活躍。とある――いよいよ、残虐非道な侵略中のプーチン・ロシア軍が、ウクライナの首都キーウ(キエフはロシア語名なので、今後、キーウと書きます)攻略を目論見、突入するようだ。【キーウの罠】へと。別名は【ゼレンスキーの罠】様々な見解と憶測が飛び交っているが――確かに言えることは、ロシア皇帝プーチンの野望が破綻するだろう、と。決定的に敗北するプーチン・ロシア軍となろう。侵略者から自国を守る戦いであり、民主主義制度諸国は直接間接的に「支援の連帯」を示している。広大なウクライナ。約20万の侵略プーチン・ロシア軍100%がウクライナに侵攻したらしい。が、自国を守るウクライナ軍は、16万の正規軍と防衛軍5万、国際志願軍2万で迎え撃つのだ。あの60数キロと伸びきったロシア軍の縦列軍を見よ!前列と中央列、そして後部列を攻撃破壊すれば、それらのプーチン・ロシア軍は「白旗」を掲げるだろう。そして「捕虜」となるのだ。ウクライナの首都キーウ制圧とゼレンスキー大統領・閣僚たちの転覆に拘ったプーチン。「3日間の計画」が、2週間経った今。欧米のマスメディアでも「プーチンの誤算」と分析されている。この2週間は、ウクライナとウクライナ軍にとっては、貴重な時間とも言えそう。防御体制の再構築が出来たからだ。プーチン・ロシア軍は、キーウで大敗する!それが契機ともなり、ウクライナの東部を侵略中のプーチン・ロシア軍への反転攻勢が始まる。欧米から「支援武器類&特殊部隊」は、密かにウクライナに入っているのだ。情報戦の裏では――拙ブログ冒険小説『闇を行け!』10、今日中にも掲載予定。
2022年03月09日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)義勇軍が反転攻勢の契機となる・ウクライナ自衛戦報道によれば――ウクライナのゼレンスキー大統領の要請を受け(要請がなくとも義勇の志士たちは行くだろう)現在、世界中から1万6千人の【義勇兵】がウクライナに入国したこれからも増えていくようだ恐らく約10万人規模となるだろう義勇兵の各自は近隣諸国などから供与された【対抗武器装備】と共にウクライナに入っている1万人を1個師団とするならば先ずは1個師団と6大隊規模義勇兵は指揮系統のもと組織的一団となるのだ(狙撃部隊も組織化されるだろう。これは伝統的にウクライナが得意としている)・ウクライナ北西部は北海道の気候に近い正しくは東北圏の気候かそこにプーチンの誤算がありそう間もなくウクライナも融雪の初春となるからだ約64kmのキーウ(首都キエフ)侵攻の車列キーウの30km手前で進まず米国等の報道では――プーチン・ロシア軍の車列がキーウ(キエフ)を前にして進軍を停止しているのは(ウクライナは都市部以外は広大な農地・河川・森がある国。ナチスも攻めあぐんだのだ)『ぬかるみ』『食料・燃料等の不足』『ウクライナ軍の激しい抵抗』そう分析している明らかにプーチン・ロシア軍は冬季の凍結時期中の首都キーウ(キエフ)攻略の目論見が破綻したのだ・報道によれば――プーチン・ロシアは【傭兵1000人をウクライナに送る】らしい侵略時にキーウ(キエフ)に重点的に送った傭兵200人は殲滅されたようだ・【義勇軍】と【傭兵部隊】どちらが士気が高いだろうか【意志】と【お金】のどちらが――言うまでもない!いよいよ反転攻勢が始まりそう!その前に、風船紙爆弾10万個をロシアに向け飛ばせ!反射板も吊るしてこれは弾道ミサイル対策案でもある。真実の情報を書いた「ビラ」が紙爆弾だ。ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!*正直に言おう。北京オリパラを全く見る気が無い。『戦争の祭典』と化しているからだ。
2022年03月05日
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ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)「容赦なく妥協のない戦い」でプーチン・ロシア軍を駆逐せよ!「容赦なく妥協のない戦い」とプーチンガマクロン仏大統領に言った。(報道では)ここに至りては如何なる外交交渉でも「平和」を得ることができない、と思う。・ナチス・ヒトラーの全欧侵略・スターリンの大粛清・大日本帝国の侵略戦争等などを顧みるといったん侵略戦争の野望をもったらどうにも止まらないのが専制独裁者たちの病んだ心理とみるここに至りてはウクライナ平和維持国際軍の関与が求められるのだ。国際法違反プーチン・ロシアへの国連総会決議これで十分である。とにもかくにもウクライナを救え!「容赦なく妥協のない戦い」で――*今夜の丑三つ時では、プーチンの藁人形に5寸釘の3倍の15寸釘を打ち込もう。
2022年03月04日
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ウクライナの戦闘機よ! ロシア軍の車列を撃て!狂人プーチンの野望は「ロシア帝国の復活」との評論家の分析があった。同感である。「ひるおび」のコメンテーター・八代氏は「プーチンの戦争は、選挙の支持率狙い」というが、これには全く同感できない。あまりにも表層的過ぎる見識である。民主主義制度下の国々と帝政独裁国家プーチン・ロシアとの戦いだというのに。ウクライナ一国の問題ではない。プーチン・ロシアのウクライナ侵略戦争。いよいよ民主主義制度下の独立国ウクライナは、古都でもある首都キエフをかけた自衛戦の天王山となっている。隣国ベラルーシから延々と続くプーチン・ロシア軍の車列約60kmが縦列を成し、キエフに迫っている。想像を膨らませて考えた――・今だ! 車列の最後尾と先頭部隊を攻撃せよ! *プーチン・ロシア軍の戦術の過ちは、1本道を進んでいることである。それしか侵攻の道がないからだ。思いだす――ベトナム戦争後、中国がベトナムに侵攻しようとした。それも1本道を機械化部隊を先頭にして。結果はベトナムの勝利となった。似ている。ただし、ウクライナは1本道の幹線道路が東西南北にあり、首都キエフにつながっている。その幹線道路の周りは、住宅地であり街となっている。つまりプーチン・ロシア軍の車列は、広大な農地と河川を進むことが出来ないのだ。幸いなことに、プーチン・ロシアのキエフ侵攻軍は、北から車列で進行中だ。・ウクライナ軍のパイロットが操縦した戦闘機50機で! *ドイツ・ポーランド等は「戦闘機」をウクライナに供与宣言。 *ウクライナ人がいないなら、国籍をウクライナに替えて(嘘でも良いから)、ウクライナ空軍パイロットとして「戦闘機50機」を出動だ!・そして、プーチン・ロシア軍の車列を混乱させ、捕獲&捕虜とせよ! *捕虜1万人を確保だ。これは「プーチンの戦術用核の盾」として。・その間隙をついて、「支援の武器類」をキエフに運び入れるのだ!今回の「プーチン・ロシアのウクライナ侵略戦争」は、ウクライナだけで終わらない。橋下徹氏が言う「政治的折り合い解決(お互いの譲歩)」は、あり得ない。狂人プーチンの野望は果てしないからだ。プーチンには妥協の余地はないのだ!ロシアの精神科医がプーチンに強烈な鎮静剤を注射するならば別だが。ウクライナの東西分割案は絶対ダメ!ここは腹を括る必要がある。なんの覚悟か――核戦争の覚悟だ!その前に、上述の「姑息な戦術」をやれ! これを「プーチンへの意趣返し戦術」という。あの永世中立国スイスが「プーチン・ロシアの個人口座367人。総額110億ドル。日本円にして1兆2千5百億円を止めた。中立国スエーデン、フィンランドもウクライナへの武器供与を宣言。これは歴史的に異例である。それだけスイス、スエーデン、フィンランド等、中立国と言えども、「プーチン・ロシアのウクライナ侵略」を歴史上最大な深刻事案と考えているのだ。ウクライナの危機に乗じて、「共有核兵器論」とか「中国の台湾侵攻論」、さらに「日本の脅威論」が出ているが、それもこれも悪戯に「脅威を煽り、日本国憲法改悪を意図」する輩の話だ。だが、北海道の北方四島海域が危ない!海上保安庁船よ! 漁船を守れ! (守っている最中もしれないけど)ちょっとした疑問。昨年秋だったかな。国後島から泳いで来たロシア人の男。まさかプーチン・ロシアの情報員だったりして。何が目的かは分からないが。邪推すれば――北朝鮮の侵犯拉致事件とつながるような……つまりだ。日本国への不法侵入の可能性を試したのでは? 成功した?
2022年03月02日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』9ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り運命は再び我等に微笑まん朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ自由のために身も心も捧げよう今こそコサック民族の血を示す時ぞ!(ウクライナ国歌『ウクライナの栄光は滅びず』・訳詞より)主な登場人物 ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。海人の妻。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民(9) 夜9時過ぎだった。十鳥チーム全員が洞窟内に集合したのは―― 「クン。ムボン。君たちの考えでは、ここの南進トンネルが使われた可能性があるということか?」表情を変えず、十鳥が訊いた。冷静だった。彼もその可能性を考えていたからである。「ええ、ムボンもそう考えています。なぜなら、地雷埋設は古いのですが、壁側面の地雷と天井の毒ガス装置埋設は、新しいものと思えたのです。しかも、これまで韓国軍が見つけた‶南進トンネル″には、あれだけの地雷は無いのです。ここのトンネルは異常です。さらに格子扉の防錆塗装も、重ね塗りしているような気がしています。そして洞窟内の入り口穴ですが、よく考えてみると、クンが見つけた床のヒビなんですが、それを私が靴で踏んだら、いともたやすく穴が空いたことなんです。どれもが新しいもので、使用感があります。チーフ。地雷と毒ガス装置の配置を考えると、規則性があります。つまりです、少数の敵がこのトンネルを利用できるように配置図を作っているものと、当然でしょうが。大隊規模、千人近い兵士が列をつくってトンネルを行く場合は、あれだけの地雷・毒ガス装置を設置しないでしょう。10人前後の分隊だったら、配置が分かっていれば、問題なく通ることが出来ます。さらに少ない潜入工作員用のトンネルとしたら、理解が出来ます」「その考えに合理性があるな。クンたちは元軍人だ。北朝鮮軍の戦術などに知悉、とりわけ詳しい。私も同意したい。特に『使用感』との見解に瞠目し、刮目すべきだ」十鳥が言い、海人に訊いた。「堀田君はどう思う?」 訊かれた海人は、クンの話を整理した。30秒後、口を開いた。「3年前、洞窟内の床が、クンさんが踏んだら15m下のトンネルまで埋めた土が抜け落ちました。北が南進トンネルを隠すために閉鎖したとしたら、違和感があります。クンさん、ムボンさんに訊きますが、当初はあの穴の大きさは小さく、発見後、直径60cmと広げた、と言ってましたね?」「そうです」訊かれた二人が声を揃えて答えた。「それでは岩盤の穴の大きさは?」海人が訊いた。「今のまま、60cmでした。床表面から、岩盤までですけど」ムボンが答えた。「床に穴が空いた時、下に落ちた土砂の量はどれくらいでしたか?」海人が訊いた。「バケツ3杯分と、意外と少なかったですし、土(つち)でした」クンが答えた。隣のムボンは、頷いて同意した。「では、その土砂に石器みたいな拳大の白い石、黒い石、鏃状の小さな石がありましたか?」海人が訊いた。そう言って海人は、バックパイプのポケットから5個の石器を取り出し、見せた。 クンとムボンが石器をじっと見た。そして答えた。「おいムボンよ。無かったよな。石の一つも」「クン兄。無かったですね。石自体が無い土でしたよ」 また海人が訊いた。「ここの洞窟教会での礼拝は、どれほどの頻度で使用していたのですか?」 ムボンが少し間をおいて答えた。「親父たちは月に1回程度は、ソウルの親父、母さんの親族姉妹たちが訪れた時に、礼拝に来ました。3年前までは」 今度は、榊原が訊いた。「あの床穴は祭壇からそう離れていません。礼拝時、必ずどなたかがそこにいたはずですが?」「礼拝の時、親父がいつもそこにいました。親父の決まった場所でした」ムボンが答えた。 それを聞いた海人が十鳥に言った。「私の結論を言います。チーフ。あの穴から北朝鮮の工作員らは、3年前から遡る以前に、間違いなく潜入していますよ。現在も。その根拠の一つは、この石器なんです。それと落ちた土の量なんです。こう考えます――この洞窟は旧石器時代、今から5万年前の旧石器人たちの住処であり、石器工場だったのです。この石器は、穴の中、床下80cmの土の層にびっしりとありました。それもすべてが完成品です。その層の下は岩盤です。トンネル内に落ちた土には必ず大小の石器が混じっているべきなんです。それと3年前までの床です。榊原とムボンの質疑で分かりました――床は誰も気づかないほど、厚さ50cmで修復されていたのです。要は、北の工作員らは、洞窟内を出たり入ったりしたという事です。そしてあの床穴を、上と下から新しい土で塞いだのです」「なるほど。上と下から塞いだ?」十鳥が頷き訊いた。「そうです。穴を塞ぐには、上からと下からと人間の手が必要です。そうでなければ床を元通りに出来ませんので。しかも抉った穴の土には普通の石も石器も無かったのです。少なくとも十数個の石器があるべきなんです。岩盤の欠片も無かったのですから。この出口を掘った時、出た土は北朝鮮側の入り口から搬出し、空いた出口の埋め戻した土は他から持ってきたのです。トンネル内には土がないのですから」海人が答えた。「そうだよな」と言った十鳥が、役立と榊原に訊いた。「どう思う?」「潜入者、工作員か暗殺要員が、3年前、この穴が見つかる前、そう古くない時に這い出た、と考えるべきですね。その工作員は常に北朝鮮側と連絡が取れています」役立が答えた。榊原は頷いた。 十鳥が身を乗り出して言った。「私はこう考えた。皆の言う通り、北朝鮮の工作員複数がこの穴を出て韓国内に潜入した。それは3~6年前としよう。そして、この南進トンネルは韓国軍に見つからず、まだ生きているのだ。地雷は元より毒ガス装置も、このトンネルも韓国軍にバレた事態に備えたものだ。だが北朝鮮には、まだバレていない貴重な南進トンネルの一つだ。ゆえに、この穴を使う北朝鮮の工作員らは、又使う可能性がある。そこでだ。その時は必ず潜入した工作員が、この洞窟に来る。いつ来ても不思議じゃない。と言っても、雪が積もった冬でなく、雪が消えた季節、夏場だろう。そこでだ。今から、我々は奴らに警戒する必要がある。この洞窟に来る可能性が大だ。それでだ。来た奴を捕まえるのだ。その方法は――大型動物捕獲用の罠を仕掛ける。踊り場の手前でだ。どうかな? クン、ムボン」十鳥は、ムボンの父親が狩猟をしていることを念頭において言った。「奴らは又来ますね。上と下から。トンネルから潜入者が。地上から潜入工作員が同時に」クンが答えた。 榊原が口を挟んだ。「もしかしたら私たちは運があるかも知れませんわ」 十鳥が太い眉根を寄せて訊いた。「どういう意味かね?」「発見後、北朝鮮の工作員は、3年間、まだここに来ていませんわ。きっと」榊原が答えると、十鳥と皆が見合った。「私は運命論者だ。榊原の言う通りだ。北の工作員は、この洞窟に戻ってくるはずだ。罠は上手くいくぞ」「チーフ。納得です。親父が作った罠がありますから、私が上手く仕掛けます。これから家に戻り持って来ます。親父たちにも伝えます」ムボンの言葉が弾んだ。「それとだ。これからはトンネル内も警戒すべきだ。工作員が洞窟とトンネルに来るとしたら、闇を利用するはずだ。夜間だ。なっ、役立よ」十鳥は経験者が語る、かのように役立に確認した。「ええ、夜間に決まっていますよ」役立はにやっとして、経験則を踏まえて言った。「それとだ。今夜から警戒態勢をとるぞ。クンと役立は、トンネルで待機してくれ。それもトンネルの北朝鮮側の入り口に近いところでだ。我々の侵入がバレる前にだ。どうかな? クンよ、役立よ。この3日間、工作員がトンネルに来なかったのは幸い、我々に運があった」十鳥が言うと、「これから急ぎトンネルに戻ります。待機場所は役立さんと検討します」クンが答えた。「了解した」役立が言った。「捕まえたら、奴らを目隠しし、一旦武器庫に監禁する。但しだ。我々の正体を見せちゃ駄目だ。それとだが、これからは無線を使用する。可能な限り小声で」十鳥が言うと、「了解」クンが短く答えた。役立は頷いた。「よし、我々は非常事態体制に入った。北朝鮮に‶呪いをかける″のは、トンネルの北朝鮮の入り口確保が前提だ」十鳥が言った。命じた!「それは確率論で言えば、50%50%でしょう、チーフ」クンが初めて十鳥に反駁した。「それは正論だ。私は運命論の屁理屈を言ったのだ。ほらあそこに白い十字架が見守ってくれているじゃないか。あの十字架には、日本人の精神性が垣間見れる。実にシンプルな精神性を。ゆえに潔くクンに従う」十鳥が屁理屈を述べて撤回した。クンは聞いて苦虫を表した。煮ても食えないチーフだ!「でも、私もそう思うのよ。天主教も伴天連も、カソリックもマリア像と磔刑のキリスト像の十字架を崇めているんですが、あろうことか、ここの北朝鮮の南進トンネルは、洞窟教会の中に誘導されたのです。それはあの白い十字架が導いてくれたものと思うべきですわ。クンさんがおっしゃる通り、確率は50%です。それは‶呪いをかけるか″‶呪いをかけられるか″と同じ確率ですが、洞窟の教会床を出口としたことで、私たちの確率は――70%以上となっていますよ」榊原も十鳥と同じような言い草をした。だが、皆には頷けるものがあった。そうなのだ! 榊原の詭弁の中に着目すべき点があった。それを見抜いたのは海人である。「ムボンさんの先祖、武本(たけもと)という方は、偶像崇拝をやめ、自分で基督教の真理を見つけたのです。それがあの白い十字架なのです。カルビン、ルターのように宗教改革をしたのです。従って、我々には免罪符は無いのです。免罪符は必要ないからです」海人も詭弁的かつ場違いのような宗教論を述べた。クンとムボンは思った――十鳥チームの先生方は、皆ムジナのようだと。「おいおい、宗教論は止めて急がなきゃ。北朝鮮への侵入と‶呪いかけ″に、だ」十鳥が言った。そして脳内で罵った。海人め! 免罪符が無いって! 俺は免罪符がほしいぞ!「じゃあ、私は役立さんと行きます。ムボンが来たら、二人で‶呪いかけ″に潜入しに行きます」クンが早口で言った。 十鳥が告げた。「クンよ。ムボンよ。‶呪いかけ″に行く前に、あの白い十字架の前で祈り給え」 意外そうな顔で、クンとムボンが答えた。「その時は、祈ります」(続く) このブログ冒険小説も、当然、フィクションである。だが、事実も織り交ぜ描いている。
2022年02月28日
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NATO軍の出動でウクライナを救え!確かにバイデン大統領が言うように、「第3次世界大戦」になる可能性はあるが、それでも黙ってウクライナの危機を看過できない。この際、腹を括って――NATO軍がウクライナ出動だ!国際法上の名目は「プーチン式」でやればいい。・ウクライナからNATO加盟の要請があった。これは事実だ。・NATOが「ウクライナのNATO加盟」を即刻承認。・この数日でウクライナへの軍事支援。万が一、プーチン・ロシアが核兵器を使用したら、地球は壊滅するが、仕方がない! と腹を括るのだ!プーチンが「ロシア軍に核兵器の抑止態勢を指示」した。最低のロシアの大統領だ。最悪の人間だ。プーチンが核のボタンを押さす前に、ロシア国民がやるべきことがある。ロシアの国民よ! 如何なる方法でもいいから、プーチン(プーチンの仲間たちを含め)を引きづり下ろせ!まともな思考が出来ないのだから。如何なる理由があろうとも、あらゆる嘘を尽き果たしての、勝手な「ウクライナ侵略と戦争行為」である。自由と人権思想としての民主主義をも理解できないプーチンである。ヒトラーが憑依しているプーチンだからだろう。今、プーチンの藁人形に五寸釘を打ち込んでいるよ。丑三つ時だから。
2022年02月28日
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ウクライナと首都キエフ防衛の戦いに――心を共にしています。何度も書きたい。ナチス・プーチンのロシア軍のウクライナ侵略は、民主主義制度の国々への蛮行である。それはナチス・ヒトラーと同じ次元と言えるのだ!地球儀を俯瞰すれば、今、専制独裁国家主義の「枢軸的クニグニ」と、民主主義制度下の国々とが対峙している構造となっている。それは資本主義の論理は通じない。自明のように、中国もロシアも資本主義(一応だが)制度のクニとなっているからだ。実はこれが曲者。儲かれば、生活が安定すれさえすれば、「人権・自由」なんてどうでもいい、と考える人々が意外と多いからだ。そういう人々は、安定した政権――政権交代しない政権体制のことを安定というようだが――それが独裁専制だろうが。残るは――民主主義制度だけである。民意と自由と人権を守る、とするシステムである。プーチンらには邪魔なシステム・制度である。反対するデモと表現は特に。(身近にあるように思えるなあ)ナチス・ヒトラーが、あっという間にドイツの全権を奪取(民主主義制度下で)し、デマと嘘で塗りまくったデマゴギーを「新聞・映画・その他」で国民を洗脳していき、あっという間に、悪魔の侵略戦争へと。支持していない自民党の岸田首相だが、欧米と一緒になってプーチン・ロシアの経済制裁を行う。当然だろうが、好感が持てる。もう一歩踏み込んでほしいものだ。ウクライナへの「人道支援」を早急に!米国・ドイツがウクライナへの「武器支援」を宣言した。これからフランス・英国・NATO諸国も打ち出すはず。新生ドイツの「武器支援」の決断には驚いている。ナチス・ドイツが散々、ウクライナを非道に侵略したのだから、皮肉にもその贖罪の如く。(ドイツは野党が民主主義のルールで政権交代したばかりだ)かつてのワルシャワ条約機構国だったポーランド・ルーマニアの「脱出するウクライナの人々」への積極的受け入れに、心打つものがある。ドン・コサックの国ウクライナ。古くはスラブ民族のキエフ公国。その分家がロシア。十八番だった歌を謳いたい!「ドン・コサックの歌」を!今夜も「プーチンの藁人形に五寸釘」をガチっと打つぞ。(追記1)前米国大統領のトランプが、プーチンを「天才・賢い」とウクライナ侵略した時、囃し立てていた。本音だったと思っている。そして今日の報道では――「ぞっとする……私が大統領だったら、ウクライナ侵略をさせなかった」とのたまわった。前言を翻したようだ。1.ウクライナがプーチン・ロシアの大軍に、粘り強く戦っている。2.国際社会と世界的に若者たちを筆頭に「プーチン・ロシアの侵略」に立ち上がり反対批判をしている。3.NATO諸国の団結。そして徹底的な経済封鎖発動。そして米国・ドイツをはじめ、他のNATO諸国も続々と「対抗武器」の供与支援を宣言。トランプの出る幕がないのだ。後から。見苦しい。(追記2)ABEMAで橋下徹氏が「NATOが無責任」「ウクライナ政府の総動員はおかしい」「軍人・政治家」そして「戦前の日本と同じだ」――とか、のたまわったようだが。橋下氏には「民主主義制度下の国家観・歴史観」の欠片も垣間見れない。ただの言の葉だ。プーチン・ロシアから侵略されていることへの正当な理解と認識が出来ないでいる。侵略からの自国防衛の意味。分かっていないよ。
2022年02月27日
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プーチンの「藁人形」に五寸釘・丑三つ時2022年2月24日は、「プーチン・ロシアのウクライナ侵略の日」と、来年の歴史教科書に載せなきゃ。そして――2022年3月3日を「ウクライナが祖国自衛の日」とも記述されなきゃ。24日から、ウクライナの首都キエフへのプーチン・ロシア軍が侵略している。孤軍奮闘のウクライナ。せめて出来ることをしなきゃ、と思い――毎日、丑三つ時にプーチンの藁人形に五寸釘を金づちでドンドンドンと打っている。昨日、プーチンがテレビ演説で、『ゼレンスキー政権を「テロリスト」や「麻薬中毒者とネオナチ(Neo-Nazi)の集まり」と呼び、ウクライナ軍に対しクーデターを起こすよう呼び掛けていた。』との報道が。なんだこれ! プーチンが自分のことを言っているじゃないか!ドン・コサックよ! ナチス・プーチンのロシア軍(別称:チンロと言いたい)に鉄槌を打ち込んでくれ!そこで提案だ。目出し帽で、戦闘車両に国籍を示すものを消して、「ウクライナ・人道義勇軍」が直ちに首都キエフに馳せ参じてほしいものだ。戦争反対! ではあるが、正確に言えば侵略戦争反対! だあ! 断固!*報道にもあるが、ウクライナ軍の徹底抗戦で「チンロ」の「侵略計画」が想定を超えて遅くなっているようだ。それは誤算と言うべきであろう。ウクライナの「祖国自衛の戦い」を注視している。焦るプーチン。必死の戦いをしているウクライナ。侵略者から国を守る戦い。私見は、「チンロ」が10倍以上の軍事力でないから、ウクライナの自衛戦が功を奏すると思っている。ウクライナはドン・コサックの国なんだから、なお。ナチス・プーチンを倒せ!今夜も丑三つ時に五寸釘を打つぞ!
2022年02月26日
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国際平和維持団をウクライナに送れ!国連のグテーレス事務総長が、ロシア・プーチン大統領の「ウクライナ侵略」を憂慮しつつ批判した。であるならば、本来は「国連平和維持軍」をウクライナに送り、「ロシアの戦争停止」に努力すべきであろう。が、それが出来ないならば――「人道的国際平和維持団」を世界各国の民主主義制度下の国々が協力して、ウクライナに急ぎ行くべきであろう。ウクライナの要請があるのだから。プーチンのウクライナ侵略は、80年前のナチス・ヒトラーのドイツの手法と同類である。NATOの脅威なんてこれっぽちも思っていないのだ。ただ単に、専制独裁国家観に不都合な民主主義システムの国家観が嫌いなだけである。そしてプーチンの野望はウクライナをプーチン・ロシアがウクライナの東半分を併合したいのだ。ようやっと世界の国々が自由な民主主義国家観が浸透しつつある状況だったが、中東でも、東ヨーロッパでも、アフリカでも。プーチンのウクライナ侵略の本質はその象徴であるのだ!ウクライナのNATO加盟が脅威なんて、プーチンは思っていない。これぽっちも。急げ! 国際平和維持団の結成を!核兵器の脅威に負けるな!日本が率先して国際平和維持団の結成に動け!日本国憲法があるのだから。武力を行使した侵略行為に対し、「積極的平和主義」でなく、「絶対的平和主義」の御旗を掲げて「ウクライナの人道支援」を担え!ここで国際社会が「プーチンの核兵器の脅し」を恐れるなら、プーチン・ロシアの野望はヨーロッパどころか地球儀に及ぶだろう。プーチンの狂気に怒りを上げろ!(追記)こう言う提案を考えた――グレーテス国連事務総長と非NATO国の国連大使が「国際平和維持団」を結成し、プーチンのロシアが侵略中のウクライナに乗り込め!これを『グレーテスの盾』と称する。占領まじかなウクライナの首都・キエフに行き(入国は隣国ポーランド国境からでも良い)、「国際平和維持活動を行い」、さらに「プーチン・ロシアの侵略を目視し」、ウクライナの大統領府前の広場でみんなで会議するのだ。(追記2)ネットでは特に「トランプだったら、プーチン・ロシアのウクライナ侵略はなかった」という意見があるが、これは大きな間違いである。プーチン・ロシアの助けを借りて大統領なったとも言えるトランプである。新プーチンのトランプなのだ。トランプだったら、ウクライナ侵略しなくても、親ロウクライナ政権が出来ていただろう。(クデターも含め)プーチンの「ウクライナ侵略」は、バイデン政権となった瞬間に「決定」したのだ。
2022年02月25日
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プーチンの誤算・ウクライナ侵略プーチン・ロシアがとんでもないウクライナ侵攻を開始した。これは「侵攻」でなく「侵略」が正しい――ウクライナ侵略である。私見だが――プーチンは既に誤算して、ウクライナ侵略を開始したのだ。・米国の大統領と政権が、トランプでなく民主党バイデン大統領だからだ。トランプだったら、ウクライナ侵略は裏技で「軍事力」を使うことなく承認していただろう。これが「プーチンの誤算」である。つまり、プーチンはイチかバチかの掛けに出たのだ。それは即、プーチンと従順なシモベ側近たちの政権ロシアの崩壊の始まりとなろう。間違いなく!ウクライナを甘くみるな! プーチン!日本のTVに出ている某コメンテイター、甘いなあ。ウクライナへの侵略が始っているのに!日本特に北方四島付近の漁業は気を付けなければ――根室海峡の操業は危ない。
2022年02月24日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』8 「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々としていて、そこから入るものが多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない」(マタイによる福音書7-13)主な登場人物 ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。海人の妻。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民(8) 洞窟内で一泊した十鳥チームだった。 洞窟内はほど良い気温と湿度で、快適だった。朝4時に起きたのは、十鳥だった。歳のせいか膀胱の容量が減少していた。寝袋からはい出し、外、踊り場の影に設置してある仮設トイレに行った。大岩と大岩の隙間、ここも外部から完全に見えない。ここにキャンプ用の簡易トイレのみ置いているだけだ。簡易便器内の不透明なビニール内に排泄した汚物、それに専用の消毒液をかけると凝固する。溢れない程度に凝固した汚物が入ったビニールを、時折交換する。その役割は、もっぱら榊原が担っていた。予定では、汚物が入ったビニールは3日程度の間隔で、ムボンの家に運ぶことになっている。 ここでトンネル内の排便排尿に触れたい。各自が不透明のビニールと凝固させる消毒液、3、4回分を持参している。もちろんほぼ毎日持ち帰る。これを書いたのには理由がある。それは今回の計画で、一切の痕跡を残さないためである。臭い物に蓋でなく。真水は、水源に下る階段状の幅30cm程と狭い岩の道はあったが、ロープを15m垂らし、源流の溜まり場から汲んでいる。手洗いの水も専用バケツ内の源流水を使う。さらに踊り場の影に、真水の入ったバケツが数個並べてある。ちなみにトンネルチームの飲み水は、バケツの真水を各自がペットボトルに入れて持っている。 十鳥が洞窟内に戻るや、「みんな起きろ。時間だよ」声を小さくして告げた。が、何とみんなは起きているじゃないか。完全装備姿で。「チーフ。おはようございます」皆が挨拶した。「おはよう。8時開始だ。軽く朝飯を食おう」十鳥が命じた。 トンネルに入ると、クンが北へと急ぎ足で向かった。その後ろをムボンが続いた。役立も続く。海人は、側面の壁の探索作業を開始した。 トンネル内の結末を急ぎ書くとしよう。 軍事境界線を越え、2.5kmまでクンは進んだ。非武装中立地帯が2kmだから、北朝鮮側に500m侵入したところだ。出口は近い。この間、要した時間は20時間強だった。つまり、休憩時間は時々とったが、作業は翌日朝までの徹夜となった。 ここまでクンが見つけ無力化した地雷は、20数個だった。海人が見つけた武器庫は3カ所である。それらは軍事境界線の真下から北側かけて50m置きに、左右互い違いに見つかった。武器庫の空間も縦長20畳大と広かった。 武器庫のどれもに、地雷等の罠はなかった。北側は鼻から武器庫が発見されることを考えていなかったからか。それとも南進用の大切な武器庫ゆえ、罠を仕掛ける訳にいかなかったからか。その両方だろう。 3カ所の武器庫から、トカレフ1940半自動小銃と弾丸が200丁分、トカレフTT-33自動拳銃が400丁と弾薬、ボルトアクション式単発対戦車用銃が10丁と弾丸、ユーゴスラビア製のスナイパーライフルM76が100丁と弾丸、そして消装置、RPG-7携帯対戦車用擲弾発射器が100台と擲弾、そしてソ連製地雷(木箱容器仕様)と信管300個、軍用カモフラージュテント50張り、牽引用ロープ、特製台車等が見つかった。いずれにせよ、膨大な武器類である。 ムボンはその武器類から、ユーゴスラビア製のスナイパーライフルM76と弾丸の箱二つ、消音装置1個を取り出していた。さっそく消音装置を銃身先にねじ込む。「これは使えるぞ」ムボンが呟き、さらに2丁と弾丸4箱を取り出し、消音装置を取り付けた――これはクン兄と役立さんの分だ! クンはさらに先を目指した。出口が近いと思うと、疲れを感じなかったからである。皆もクンに続いた。百取り虫となって―― トンネルの勾配が急になっていく。やはり出口が近いからだ、とクンは確信した。 クンが前方100m先を携帯ライトで照らした。遠くに格子状が見えた。格子状の鉄扉のようだった。あと100mだ! クンが地雷探知機で50cm先を探る。無い! また50cm先を探る。無い! 30mほど進んだ時だった。探知機のメーターが大きく振れた。右端・中央部・左端と地雷3個が並んで見つかった。地雷は岩盤の床をくり抜いて埋められている。これまでと同じく。 クンがかがんだ。探知機が側面の壁を摩(こす)った、その時、メーター計部分が赤く光ったのが目にとまった――今までは音でも知らせるように、スピーカーホンに設定にしていた。これが一般的な設定である。だが、出口が近いと、音を出さずにしたのだ――と同時に、クンの姿勢が固まった。止めたというべきだが。そしてゆっくりと地雷探知機の感知部分を右側面の壁に沿って振った。探知機のメーターが大きく振れ、赤く光った。地雷だ! 今度は左側面を探った。地雷だ! やばい! クンは試してみた――天井部を。探知機が捉えた! 天井部の付け根に反応した! クンはライトを当て凝視した。うっすらと直径10cmほどの円形らしき岩盤が見えた。よく見ると、それは岩盤の粉で塗っていた。端部分にサバイバルナイフの先を入れ剥がしていく。紙に塗った岩盤の絵を。剥がしてみると、これまでの地雷と異なっていた。何だこれは! 接触部分の下部本体上に髑髏(どくろ)のマークが見えた。毒ガス装置だった。クソ! ヤバイ! 再点検だ! クンは後ろを振り向き、ライトを長く照射した。危険! そしてクンは無線を使わず、急ぎ後ろムボンのところに戻った。クンが耳打ちした。「床だけじゃなく、壁面にも地雷が見つかった。さらにだ。天井部に毒ガス装置があった。教授と役立さんに、先に伝えてくれ。俺はここから探知機で側面と天井部、見つけた武器庫の天井も探りながら戻る」「了解」ムボンが戻る。クンは壁側面と天井部を、何度も繰り返しつつ探りながら戻り始めた。 クンが5m戻った時、両側の壁の地雷を見つけた。その地雷を、30分かかって無力化した。天井部に毒ガスは無かったが、クンの額から汗が垂れていた。 役立のところまで戻ったムボンが、クンの伝言を耳打ちした。今度は役立が戻った。そして最後尾の海人に伝え、役立は、入口へと戻って行った。伝言ゲームだ! 壁を凝視している海人の手がとまった。海人の額からも汗が噴き出した。立ったまま海人はペットボトルの水を飲む。まだ喉が渇いている。また飲む。そして天井部を仰いだ。青天の霹靂じゃない! これは魔事(マジ)な知恵ゲームなんだ! クンが探知機を手にして戻ってくると、3人が海人のいるところで休憩をとった。 一時間後、役立が戻るとクンが囁いた。「いよいよ出口の格子扉に着く。必ず錠前が付いているはずだ。ムボン、俺と一緒に来てくれ」「鉄切り道具は? クン兄」「これで切れる」クンが防弾ベストのポケットから軍用五徳ナイフを取り出してみせた。5徳ナイフにはダイヤモンド刃のノコギリがある。鉄も切れる代物だ。「それとみんな、防毒マスクをぶら下げているな?」クンが言うと、皆が腰を確認した。皆が親指を立てた。OKサイン。「作業を再開しよう。役立さんはここまでの、トンネルの床、側面壁、天井部の再探査を頼みます。そう、武器庫の天井部も。それと天井部の毒ガスを見つけたら、偽装の紙を剥がし、分かるように蛍光塗料スプレーで塗ってください」 役立が頷いて「了解」した。 十鳥にも伝わっていた。無線で返事をしなかったが、皆のイヤホンに、「トントントン」とマイクを叩く音が聞こえた。了解の合図だ。 クンが作業を再開し、出口へと進めた。格子状の扉に到達に2時間がかかった。予定時間を遥かに超えた。地雷と毒ガス装置が20m進む毎に見つかったからだ。 クンが鉄格子の扉を点検した。扉とその周辺に危険な物は無かった。が、大きな南京錠型の錠前を注視した。軍隊が使用する南京錠にしては厚みに違和感があったからだ。必要以上に厚かった。クンの判定が出た――これは手榴弾だ! 錠前を外すと起爆するのだ! クンがムボンに囁いた。「これから錠前が付ている鉄格子を大きく四角く切る。なぜなら、万が一敵が見ても分からないようにしたいからだ。その時はムボンが巧みに元のように接着してくれ。今から切るからムボンは30m後ろに下がっていてくれ」「クン兄(あに)。了解」ムボンが囁き答えて後ろに下がった。 クンが鉄格子を切り出した。鉄格子の枠の付け根を。鉄格子は、黒の防錆塗料が塗られた、直径3cmの棒状である。クンは音が出ないように水をかけ切っていく。上下左右と。1時間強かかって、最後の1本となった。クンが後ろのムボンを手招きした。 2人がかりで鉄格子を持ち上げ、側面の壁に移動させた。そしてマイクを叩いた。「トントントン。トントントン」扉を開けた、との合図を十鳥とトンネルチームに告げた。「トン~トン~トン」十鳥から「了解した」の合図がきた。 クンが携帯の照明を前方に当てた。50m先に鉄製の扉が見えた。地雷探知機で探りながら、一歩一歩と前進していく。探知機の反応は無かった。 30分後、クンとムボンが扉に着いた。クンが扉をじっくりと観察した。起爆装置らしきものは無かったが、扉は押しても開かなかった。クンは扉の下、床との間の1cm程の隙間に、管状のスコープを差し入れた。管の先をぐるっと回していく。 扉の前方は車が通るトンネルだった。誰も周りにいなかった。スコープには小さな聴音器も付いている。スコープで見回しながら、イヤホンで音を聴いていた。人の声もしない。車の走る音も聞こえない。横に置いていた鳥籠のカナリヤも元気に動いている。ふとクンは思った――空気があることに。トンネルの長さ6km。それでも空気があったからだ。「ムボン。空気、息が吸えているのはどうしてかな?」クンが囁いた。「クン兄。トンネル空間に4人だけだよ。トンネルの空気が足りているはずだよ」「そうだな。千人も入ったり、エンジン車が入ったりしたら別だけどな」「クン兄。この南進トンネルは、歩兵専用なんだ、きっと。床幅が2mだけど、南に出たら、急峻な渓谷だよ。それと、俺の背にある北朝鮮のスナイパーライフルには、消音装置もあるんだ。決死潜入部隊が主の南進トンネルじゃないかな」「北側(北朝鮮)は、一度は洞窟から出たのかな?」クンが訊いた。「出たと思うよ。クン兄が靴で洞窟の床を打って30cmの穴が見つかったからだよ」「じゃあ、何人かは大韓民国に潜入したかもな? ムボンよ」「昔の話だから、今頃、ソウルでスパイ活動しているんじゃないかな」「ここから工作員が潜入したとしても、優に、40、50年経つぞ。北の工作員は少なくとも70過ぎの爺さんだぜ」クンが言った。「それはどうかな? 俺たちがトンネルに気づかなかった間、いつでも潜入出来たよ」ムボンが答えた。クンが黙った。そして数秒して、ムボンに言った。「ムボンの言う通りだ。あり得る。急ぎチーフたちに知らせなきゃ。洞窟に戻ろう」と囁き、クンはマイクを叩いた。「トントント~ント~ント~ン」急ぎ戻る、と合図した。そして鳥籠を手に持った。 (続く) このブログ冒険小説も、当然、フィクションである。だが、事実も織り交ぜ描いている。
2022年02月23日
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断じて反対だあ! プーチンのウクライナ侵攻に!嫌な時代となった――宗教独裁国家だろうが。軍部独裁国家だろが。中国共産党一党独裁国家だろうが。キム王朝軍事独裁のクニであろうが。疑似民主主義の専制国家だろうが。あえて言えば、公平な選挙制度の民主主義の国々でも。つまるところは、自己利益(自己に心情・利得・権力行使の自己満足等など)を求め権力を最大限に乱用する輩(最高権力者とその仲間たち)の国家だ! 彼等には、まともな思想も信条も持ち合わせてはいない。例えば、中国は共産主義の名を借りた特権階層による独裁国家である。旧ソ連もそうだった。現ロシアの統治体質には、ソ連共産主義という、マルクスの共産主義思想を借りて曲げた独裁専制への憧憬が入っているのだ。元維新の代表だった橋下徹氏が某テレビで言っていたそうだ。「トランプ大統領だったら、米国はロシアのウクライナ侵攻危機を防いでいただろう」と、いうようなことを。その根拠を知りたいものだ。私はトランプがプーチンと同類とみているからだ。何が同類なのか――権力の独占欲であり、それを満足させるためなら、何でもする点である。プーチンはウクライナ侵攻(シリアなどの国々でも深く関与)を! トランプは自己(家族仲間と)の金銭的利益を!嫌な空気を感じる――「話せば分かる」が「話しても分からない」し、「話すことは無駄だ」「話す暇は無い」「話し合うこと自体が無駄な時間だ」となり、「俺が一発で決める」「俺しか出来ない」と喧伝と刷り込み、そして「彼だと出来る」「彼しかいない」となり、「彼がいう事は私たちの思いだ」となっていく。そういう時代を今、見ている気がしてならない。あたかもそれは、新型コロナウイルスの変異株みたいだ。ナチス・ヒトラー株が変異して、今の時代に表出したかのような――ロシアのプーチンは間違いなく、ウクライナ全体のロシア化を目論んでいるのだ。ウクライナの冬の危機である。残念なことだが……ウクライナ防衛の「戦争」は避けがたいと思っている。(追記)最近の北朝鮮のミサイル発射行為(実験とは言え)は、プーチンの思惑に沿ったものと思っている。ウクライナ侵攻前に、米国バイデン政権の動きを観測したものと。(追記)昨日、所用で千歳市に行った。吹雪模様だったが。案の定だった。高速道路は「吹雪のため通行止め」。バスも鉄路も休止。新千歳空港も全休。そのせいか、国道36号線は札幌から数珠続きの車列となり、ノロノロ停止の連続。行きに4時間。帰りは5時間半。千歳を出る時、コンビニで腸と膀胱の中身を吐き出していたから良かったが。なお、ブログ小説「闇を行け!」8、今日中に掲載予定。
2022年02月23日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』7 「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々としていて、そこから入るものが多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない」(マタイによる福音書7-13)主な登場人物 ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民(7) その洞窟は渓谷の下、プカンガン(北漢口)の源流域にあった。ムボンの家から徒歩で行くと40分はかかる。十鳥チームの一団は、2台のSUVに分乗し来た道を渓谷沿いまで下りた。道路の行き止まりに、ほど良い駐車場がある。洞窟はその真下、断崖の中段、上からは見えない。源流の上、30mほどのところである。洞窟の入り口は上下左右が大岩で覆われ、入り口は両脇の大岩が重なった60cmの隙間の3m先にある。絶対と言えるほど、外部から見えない外観だった。 ムボンを先頭に背負えるだけの装備を背負い、列をなして道路が切れた先、上方の林の中に入って行った。そこの道は登山道のようでもあり、獣道のようでもある。100m程行くと、源流の上部に出た。50m下に源流が湧き出ているのが見える。 ムボンは断崖の縁に立ち、振り向いた。「ここから降りて行きます。断崖の段丘部の道ですが、取り付けてあるロープに掴まってください。120m行くと洞窟の入り口に着きます」 幅60cmの岩の道だが、表面が削られた人口の道だった。道自体は緩やかな勾配だった。しかも滑り落ちることがないように高さ40cmほどの縁がある。つまり、凹(ぼこ)状となっているのだ。右側は絶壁だが。「この道は、確かに人の手が加えられて、かなり古いな。古代の匂いがするぞ」そう呟いて海人も下って行く。 ほどなくムボンが洞窟の入り口、5,6畳大の踊り場に着いた。源流の断崖の上だが、自然の大岩で囲まれ、この踊り場も外からは見えない。断崖がオーバーハングし、断崖の上からも見えない。 ムボンが大岩の隙間60cmを通って行く。 そこは暗部だった。洞窟だ! 楕円形の洞窟内部だった。広さは12畳大。高さは天頂部で4m。洞窟内に電池式ランタンのライトが点いた。海人は見た! 榊原も見た! 奥の祭壇の上に白い十字架だけが立っていた。意外だった! 周りも見た。自然の岩肌だった。意外だった! この洞窟の教会は! まったく装飾がない! クンが言った。「そこの台の下がトンネルの入り口です」祭壇前の台を指で示した。 十鳥が言った。「先ず、一服しようじゃないか」「十鳥先生。ここは教会ですので禁煙ですよ」榊原が厳として言った。「いやいや、一服は休憩の意味だよ」十鳥がジャッケのポケットから手を放した。 名々が床に座った。海人が床に座るや、手で触った。床は長年の土が堆積し砂岩状となっていた。やはりここも古代の匂いがするぞ!「ムボンさん。この洞窟はいつからあったのです。いや、いつ見つけたのです」自然の洞窟だ。いつあったのかは愚問だ。「一族の伝えでは、逃げ隠れた祖先が見つけて教会にしたそうです」「あの白い十字架はいつからですか?」海人がムボンに訊いた。 ムボンが答えた。「最初からです。代々。何故ですか?」「天主教はローマカトリック系ですので、マリア像とか、天井画が描かれていたのでは?」榊原が言った。「いいえ、最初からあの十字架だけで、何もありません。そう聞いています」ムボンが答えた。「とても興味深いものが……」と海人が言いかけた時、十鳥が告げた。「さあ、行くとするか。暗夜のトンネルへ」 トンネルへの入り口は直径1mに広げられ、鉄製梯子が取り付けられていた。海人はヘッドライトを点け降り始めた。80cm降りると、目が点となった。何だこれは! 砂岩状の堆積層に拳(こぶし)大から小指大の石が顔を覗かせていたのだ。それもびっしりと並んでいた。海人が心中で叫んだ。見つけた! 旧石器だ!「堀田教授。早く降りてください」役立の声だった。我に返って海人は、旧石器を睨みながら降りて行った。また来るからな! 待っていろよ! 石よ! トンネルの底部は8畳大と広かった。 側壁に取り付けた電池式ランタンの灯りで良く見えた。「酸素ボンベ類などの装備があるじゃないか」海人がひとりごちた。「数日前に、叔父と叔母がムボンとで運び入れました」クンが言った。「あそこのテープを張っているところまでは安全です。地雷は無かったのです」クンが言った。 クンを筆頭にトンネルチーム全員が装備をつけた。完全戦闘用装備を。 カナリヤの鳥かごを持ったクンが告げた。「これからは全員が寡黙になり、手で合図する。無線を使う時は、暗号を使います。20m前進したら、ライトを点滅します。つまり皆が20m尺取虫になりますよ。地雷を見つけたら合図しますので、安全を確認するまで防弾盾で隠れてください」クンが小型の地雷探知機を握った。そしてマイクに告げた。「A。行く」 皆のイヤホンに「闇を行け!」と命じた十鳥の声が聞こえた―― クンらはトンネルを300m進んだ。前方は闇だが後方は薄く明るかった。 ここまで海人は、トンネルの側壁を点検して来た。北側が巧みにトンネルの意図を隠しているから、じっくりと時間をかけていた。(北側は、韓国に発見された場合に備え、言い訳を偽装――例えば、トンネル内を石炭粉で塗ったりと――していたからである。今のところ岩盤のままだった。不自然な壁は無かった。 クンはさらに進んで行った。2時間が過ぎた。その時、クンのライトが後方を長く照射した。地雷だ! 後ろのムボンが防弾盾を立てた。「A。有り」クンの声が皆のイヤホンから聞こえた。海人の全身に緊張が走った。後ろの皆が待った。時間が過ぎるのが長かった。そう思えたのだ。「A。無し」クンが地雷を安全化(起爆装置を外すと無害となる)した合図だ。 クンは進み、約2.7kmを越えた。地上の軍事境界線あたりとなった。それまで処理した地雷は15個。対人用地雷だった。かかった時間は、5時間強。 海人も最後尾から続いていた。ヘッドライトで側壁を凝視した。側壁縦にひびが見え、不自然なものを感じた。幅1mの両サイドに縦のひびが断続的に入っていたのだ。岩盤の表面を手袋をはいた手で撫でると、約3mmの隙間が現れた。1m×2m大の岩盤の扉か。上部も撫でてみた。やはり隙間が現れた。隙間は30mm。下部の底部にも横線のひびが見えた。1mm。どのひびにも目地材(岩盤を粉末にした)が入っていた。海人はサバイバルナイフの先を差し込み、目地材を取っていく。「D。有り」海人がマイクに言った。「C。行け」十鳥が役立に命じた。 10数秒で役立が海人のところに戻って来た。手に地雷探知機を持っていた。そして役立が壁の周辺に、念入りに地雷探知機を当てた。一度二度三度。「C。無し」役立が言った。「E。やれ」十鳥が命じた。 役立がバール2本を取り出した。1本を海人に渡した。二人はバールを壁の底部の1mmのひびに当て、ぐいぐいとこじ入れていく。5cm程バールの先が入った。二人は目で合図した。ぐいっと壁を持ち上げ、手前に少しずつずらした。壁は意外と軽かった。木製戸に岩の粉を吹きかけて偽装していたからだ。壁底部が完全に外れた時、役立が地雷探知機を念入りに当てていく。反応は無い。役立が海人にアイコンタクトした。扉をゆっくりと脇にずらし、半分開けた。役立が簡易ガス探知機を持った手を内部に入れた。そして親指を立てた。安全! 海人が携帯ライトで内部を照射すると、木箱類がびっしりと積まれているのが見えた。約10畳か。空間の高さは3mか。入口付近だけが空いていた。役立つがトンネル側から地雷探知機を当て、何度も繰り返した。そして親指を立てた。「C。D。有り」役立が告げた。「QQQ(キューキューキュー)」十鳥が合図した。意味は武器庫を全員で確認せよ、である。だが、油断をするな、とも言っている。 数分して、クンがムボンと共に、カナリヤと地雷探知機を持って戻って来た。 クンが海人と役立に耳打ちした。ムボンには手で合図した。離れろ!「私が武器庫の安全を確認するまで、30m以上戻ってください」 海人たちが離れたのを確認すると、クンが武器庫らしき空間に足を入れた。 ヘッドライトと電池式ランタンを掲げて、木箱が積んである空間全体を凝視した。そして手前の木箱の上にランタンとカナリアの籠を置いた。カナリヤはいつものように活きている。そして地雷探知機を木箱全体に当てていく。探知機がキーンキーンと反応した。手前の一段低い木箱の蓋を慎重に開けていく。1cm開くと、クンは携帯ライトで木箱の中を覗く。罠らしき仕掛け配線は無い。蓋を少しずつ開けていく。そして中身を見た。油紙に包まれた一つを取り出した。そしてトンネルに戻った。 皆を呼んだ。 ムボンが油紙を取り、中身を手にした。「これは旧チェコスロバキア製の短機関銃スコーピオン(正式名称はⅤZ61)です。朝鮮戦争時、北側が主に使用した物です」ムボンが囁くように言った。「E。KKK(ケッケッケッ) 」十鳥からの指示だった――全ての武器を確認せよ――という意味だが、喜び満足した彼の表現でもあった。 3時間かけて、武器庫の木箱すべてを確認した。 想定内と言うべきか、想定外とも言うべきか、武器庫に短機関銃200丁、弾薬はあまりあるほど。だが十鳥は不満足だった。まだ武器庫はあるはずだ。携帯対戦車弾、地雷、スナイパー銃等があるはずだ。そう願っていた。「今日は2.7kmで止める。トンネルチームをここに戻す。ここで一泊する」十鳥が榊原に言った。そしてマイクに発した。「E。MMM」戻れ! 洞窟で泊まる! 真っ先にクンが穴から顔を出し、カナリヤ籠を榊原に渡した。数分でトンネルチーム全員が戻った。皆がグータッチをした。「腹減った」海人が口を開いた。トンネル内で携帯食料のビスケットを食べているが、腹が納得しないでいるのだ。「火が無いので煙が立たない。予定通り、煙が立たない携帯食料を食うぞ。そして寝る。明日は早朝5時から先に進める。まだ武器庫はあるはずだ」十鳥が言った。「私はこれから家に戻り、両親に報告してきます。2時間後、19○○に蒸した鶏肉を5羽持って戻ります。美味しいですよ」ムボンが十鳥に言った。「10羽でなくて良かった。憎々しいくらい肉が食いたい」十鳥が答えた。十鳥の親父ギャグに皆が笑った。 (続く) このブログ冒険小説も、当然、フィクションである。だが、事実も織り交ぜ描いている。
2022年02月21日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』6 「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々としていて、そこから入るものが多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない」(マタイによる福音書7-13)主な登場人物 ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 君の甥 韓国38度線付近の住民(6) ムボン(武本)が運転するSUVが着いたのは、予定通りの夕方5時だった。真夏の陽はまだ大きく西の山峰の上にいた。「いやあ~実に風光明媚で涼しいところだ。それにしても山奥だな」車から降りたアウトドアハットを被り、半袖の十鳥が、如何にも彼らしい表現を開口一番、呟いた。 建物の前で皆が待っていた。 海人、クンも手伝い十鳥と役立の荷物を車から取り出す。小さなトランクケースが2個。「十鳥さん。これだけ?」海人が訊くと、「私のメモに書いていた通りだよ。この建物に大切に保管されているよ」十鳥がつらっとして答えた。そして十鳥が言った。「腹が減った。先ず食うことが先だ。その後、明日からの行動をブリーフィングだ」 簡単に夕食をすました全員(ムボン、ムボンの両親を含めて)が、料理皿などを片付けたテーブルにいた。十鳥が中央部に座り、その両サイドに皆が別れて座っている。18時30分だった。十鳥が切り出した。「明日8時ここを出る。ムボンのご両親を除いて。案内はムボンだ。目的の場所は、ムボンが説明する」 ムボンが交代して話した。「3年前の春、クン兄が来た時、クンと私と両親が洞窟の教会に行きました。その洞窟の教会は、先祖代々が隠し守っていたものです。もちろん、礼拝の場所として。礼拝前に皆で洞窟内を掃除していた時でした。私は足元の岩盤にひび割れを見つけ、クン兄に言うと、クン兄が靴底で岩盤をどんと踏み叩いたのです。30cm大の穴が出来ました。私とクン兄がロープ懸垂で降りました。深さは15m。降りると、そこはトンネル状の穴で、奥は北、つまり北へと続いていました。トンネルの幅は2m。高さも2m。明らかに北の‶南進トンネル″、未発見のトンネルと思っています。但し、クン兄と私はトンネルの穴底に着底して、100m先を携帯ライトで見ただけです。なぜなら、北が地雷を仕掛けている可能性があったからです。これまで見つけた‶南進トンネル″は5カ所。その1カ所は、ここから近いです。このトンネルは、勾配傾斜が北へとあり、約15度だと推測しています。見つかった‶南進トンネル″のどれもが、標高で言えば、地下150m程の岩盤をくり抜いた構造となっています。従って、北側の入り口も、こちらの出口も、同じ勾配となっているものと。以上、」 十鳥が引き継で言った。「質問は? 堀田君?」「話の概要は理解できましたが、私の出番は何でしょうか?」海人は、出番があるような気がしなかった。何を掘れというのだろう。地雷じゃないだろうに。 海人の意を察した十鳥が言った。「堀田教授の役割は、あったとする地雷排除後、トンネルの左右の壁側面を確認してほしいのです。可能性として、要所要所に隠し部屋、保管庫が設置されているかも知れないからです。発見済みの‶南進トンネル″のすべてに、それらがありましたので。堀田君、良いですね?」「了解しました」と海人は答えたが、疑問があった。「そのトンネルをどこまで行くのです? それに――なぜ韓国軍に知らせないのです?」「私も同感ですわ」榊原が言った。「この質問は、クンさんから答えていただく」十鳥の表情は変わらず、言葉の乱れもない。「堀田教授。榊原教授。私とムボンと叔父さん、叔母さんの意志をお伝えします。‶南進トンネル″を利用し、北朝鮮の独裁者と側近一族、その体制に亀裂を打ち込みたいのです。もちろん可能であれば、ですが。軍に報告しても、単に‶南進トンネル″を100m先で閉鎖するだけ。そして観光のスポットになるだけです。私たちは‶南進トンネル″を逆利用して、‶北進トンネル″としたいのです」クンが説明した。が、海人たちには今一納得し難かった。「クンさんとムボンさん御家族の意志と言いましたが、説明では、その意志の根源が見えないのです」海人が言うと、榊原も大きく首を縦にした。「クンさん。叔父さんに説明していただいたら?」十鳥が言うと、「叔父さん。私たちの思いを説明していただきたい」クンは言って、叔父さんを見やった。 叔父さんが席から立ちあがった。「そうですね。私たちの想いを示す時がきました。私たちの一族、祖父たちは、抗日ゲリラとして戦っていました。クムガンサンに籠ったゲリラ同志と共に。そして朝鮮戦争です。北側がここにやって来ました。あろうことか、クムガンサンのゲリラ同志たちでした。ここは彼等しか知り得ないのです。我々の一族33人、それも老若男女。武器も持たず、いつものように暮らしていた一族を倉庫に閉じ込め、火を放ったのです。それが私たちの意志となっているのです。可能であれば、ですが。クンと私の祖父たちは、所用でソウルに行っていましたので、難を逃れることができました。先生たちのご協力を願うばかりです」 室内の空気が重かった。それを十鳥が取っ払った。「何もかにもが、可能性があってのことだ。先ず明日から、トンネルを調査する。トンネルの北へ行けるところまで行く。地雷・空気の正常性・あらゆる罠を想定し、かつ対処しつつ、である。それらに係る装備は、ここに運び用意してある。万が一の武器は、狩猟用のライフル2丁だけだ。そのトンネルから軍事境界線(DMZ)まで2.7kmとしよう。行ければ――トンネルは緩衝幅2kmの非武装中立地帯の先、約2.7kmプラス2.5kmの5.2km程が、こちらのトンネルから北側の出口の総距離と想定している。明日からトンネル内の確認作業だ。先頭はクンさん。地雷有無と処理もクンさんがやる。支援として、ムボンさんが、後ろ20mに付く。その後ろに役立君が付き、役立君の指示で堀田君が進む。私と榊原君は洞窟内上部でカメラモニターと無線で成り行きを見守る。皆、無言を主とするが、安全を確認の上、無線を使用する。微弱な電波無線だから、外部に漏れることはないだろう。ああ、カナリヤ一羽を用意してある。暗視ゴーグル1個・防毒マスク5個・防弾チョッキ5着・簡易地雷探知機2機・酸素ボンベ10本・防弾ヘルメット・防弾盾2枚・照明ライトは各自分・電池式ランタン20個等などを持ち込む。以上だ」話し終えた十鳥が、ひと呼吸つき、また言い出した。「みんな承知のことだが、非人道独裁者どものクニ(国家の体を成していないから国と書かない)の将軍様に、私たちは‶呪い″をかけたいと願っている。トンネルを無事に通り、安全に北側に出れるならば、それも願っている。‶呪い″の計画は、すでに用意している。私と役立は、クン君とムボン君、そして叔父さん、叔母さんと打ち合わせ済みです。堀田君、榊原君」「私たちも、その‶呪いかけ″が出来ることを願って――トンネルを行きますよ」海人が応じた。そう言ったが、海人は十鳥が考えている‶呪いかけ″の方法について、判然としていない。まさか将軍様の藁人形と五寸釘で‶呪いかけ″をするんじゃないだろうに。それもトンネルの中で、だ! (続く)この小説は、当然、フィクションである。が、事実も織り込み描いている。
2022年02月20日
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ブログ冒険小説『闇を行け!』5 「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々としていて、そこから入るものが多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない」(マタイによる福音書7-13)主な登場人物 ・堀田海人(ほった かいと)札幌の私大の考古学教授。・十鳥良平(とっとり りょうへい)元検察庁検事正。前職は札幌の私大法学部教授。現在、札幌の弁護士。・榊原英子(さかきばら えいこ)海人の大学の考古学教授。・役立有三(やくだつ ゆうぞう)元警視庁SAT隊員 十鳥法律事務所の弁護士。・君 道憲(クン・ドホン)日本名は――君 道憲(きみ みちのり)・武本 信俊(ムボン・シジュン) 韓国38度線付近の住民(5) 今は北朝鮮側にあるクムガンサン(金剛山・標高1638m)。その山系を水源とする河川のプカンガン(北漢口)は、山間を裂いて流れる渓谷を形成し、山紫水明の光景が飽くことなく続いていた。 クンの車はその渓谷を北へと登って行く。それと同時に、渓谷が徐々に狭まって、深い底に細い激流が見える。意外だったのは――道路幅が10mと広く、ところところに停車エリアがあり――アスファルトで整備されていた。「あと10分で目的地に着きます」クンが言った。「この渓谷の道は昔からあったのですか?」海人が訊いた。「ええ、古代からあったそうです。新羅(シンラ)時代に修行僧が開いた道とも言われています」「じゃあ、寺院があったのかな?」海人は北朝鮮側となっているクムガンサン山麓に数十の新羅時代の古刹があったことは知っていたが……「あったと聞いていますが、今では跡かたもないです」クンが答えた。「それは朝鮮戦争で?」「いいえ、いつからかは知りません」「じゃあ、貴方たちの本貫である部落はどうしてできたのです?」榊原が訊いた。「榊原教授が言われていましたが、天主教徒だった一族が隠れ住んだのです」 さん付けと決めていたが、クンはまちまちに使っていた。まだ慣れていないのだろう。「ここでの生計は?」榊原が訊いた。「炭焼き、薬草採り、それと狩猟でとった毛皮を売っていました。代々のことですが」クンが答えた。 今度は海人が訊いた。「現在は、甥御さんだけですか?」「いいえ、甥は両親と住んでいます。甥の親父(おやじ)は狩猟の名人ですよ。甥の母は、薬草採りの名人と言われています。そう、甥も徴兵で軍に行き、特別昇級し、特殊部隊で狙撃手でした。狙撃の腕前は父親譲りかな」「甥御さん。まだ若く、評価が高かったのに、なぜ特殊部隊を辞めたのです?」榊原が訊いた。「……俺と一緒に軍隊から去ったのです……」クンは訳ありそうに言葉を濁した。海人と榊原が目を合わせた。「発掘調査」の中身が垣間見れ出したからだ。本来なら、そもそもクンとクンの甥に軍を辞める動機がないはずだ。だが、3年前に突然、クンと共に軍から去った。そして十鳥に相談した。何があった! 何かがあったはずだ! 何かの計画が練りあげられたのだ! 海人が言った。「まもなく本貫の方々に会えますね?」 榊原も言った。「お会いするのが楽しみだわ」 クンの車が渓谷から山側の広葉樹の中、アスファルトで整備された脇道に入った。その10数分後、車が停まった。広葉樹林に囲まれているが、峰の上部の開けた台地だった。「着きました。先生方、お疲れ様です」 車の前方に一軒家が見えた。屋根の端からカモフラージュメッシュが見え、外壁を迷彩色にした鉄筋コンクリート造の真四角な2階建てだった。窓は小さく、一見、軍の管理棟と見間違う建物である。実際もそうだった! 幅の広いアスファルトの道は、軍用だった。ちなみにアスファルトで整備しているのは、地雷防止でもあった。 車から降りた海人が言った。「ずいぶんと頑強な建物ですね。珍しい」「この建物は、軍が建てたのです。非常時に軍が使用することが条件になっています。通常の鉄筋コンクリート造と違い、かなり分厚く丈夫な構造です。地階は避難スペースとなっています」クンが説明した時、鉄製の玄関戸から甥の両親が姿を現した。50代前半の両親。甥の父親が海人たちに言葉を発した。「お待ちしていました。よく来ていただきました。3年首を長くしていました」流暢な日本語だった。互いに挨拶を交わし終えて、榊原が訊いた。「お父様。日本語が出来るのですね。奥様も?」「ワタシハ、スコシネ」彼女が答えた。 クンが付け加えた。「私たちの先祖から代々、家訓として日本語を継承してきました。榊原教授が言われたルーツにその訳があるのでしょうね」「クンさん。私はこうも思いましたよ。400年前の日本人祖先はキリシタンですが、地域の方々から尊敬されていたはずですわ」榊原はそう確信した。 まだ陽は10時方向にあって、強い陽光を放っていた。この場所は、朝鮮半島のやや東部に位置している。そして、38度線の軍事境界線までは直線で3kmと近い。「先生方に見せたい景色が。家の裏に行きませんか?」クンが訊いた。「行きます」と海人が答え、榊原と共にクンについて行った。 建物の裏に行くと、壮大な山並みが見えた。幾重にも重なった峰々。遥か前方にひと際高い山が見える。華厳経から名を付けた北朝鮮側のクムガンサン(金剛山)である。あの山まで直線にして約40km。近い! 近すぎる!(続く) この小説は、当然、フィクションである。が、事実も織り込み描いている。
2022年02月20日
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