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舞台はアメリカ西部のモハーベ砂漠にあるさびれたモーテル&カフェ。そこに、ドイツ人の女性がやってくることでストーリーは進んでいく。前半はちょっとゆるい感じがして、少々退屈したが、ドイツ人女性のジャスミンがマジックで人々の心をほどいていき始めてから俄然面白くなった。最初、意地を張ってジャスミンを拒絶していたモーテルの女主人・ブレンダが心を開いていく様子に、観ていてほのぼのしてくる。砂漠という設定が、乾いてしまった生活の象徴であり、そこにそびえる給水塔がそれを癒す象徴であるように思えた。生活の中で「居場所がない」と感じる人は、この映画に少なからず共感するであろう。最初は、単なる太ったしがないオバサンだったジャスミンがだんだん生き生きとしてきて魅力的になってくる。その描き方も絶妙だと思った。ストーリーの展開は王道であるが、先が読めてもワクワクしてしまう。頭でっかちなインディペンデント系の映画が多いなか、この映画はわかりやすいながらも大きなパワーを秘めていると思う。ドイツ映画は少々マニアックなイメージで、一般的にあまり目に触れる機会がないが、こういう良質の映画があるから侮れない。ささくれだった心に、しみじみと沁み込んできた映画であった。
2003.07.28
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『迷い猫』長曽我部蓉子主演。ピンク映画として上映されたときのタイトルは『尻まで濡らす団地妻』、ビデオ化されたときのタイトルは『告白団地妻売春クラブ』、そして一般映画として上映されたときのタイトルが『迷い猫』である。ピンク映画は「ストーリーのためにセックス」があり、AVは「セックスのためにストーリー」がある。そこが大きな違いである。この映画は夫の暴力によって身を堕としていく女の話であり、エロ目的で観に行った人間はその暗さに後悔したことだろう。この映画の主人公は、「よくわからない」という言葉をたびたび口にする。夫を殺した理由も「よくわからない」、夫を殺した直後に海を見に行った理由も「よくわからない」、警察の事情聴取後に父親の墓参りに行った理由も「よくわからない」である。現実において、人の行動に理由があることの方が少なかったりする。そういう観点から言えば、この映画は実にリアルであると思う。この映画は、夫を殺した妻を雑誌記者がインタビューする、という構成になっている。よって女は自分が犯した罪を客観的に見つめている。映画全体に淡々としたムードが漂っているのはそのせいかもしれない。金属バットの「キーン、キーン」という音がやけに耳につく、退廃的な映画である。ピンク映画を侮ってはいけない。2003/07/27 0:02:12『木曜組曲』女流作家の命日に集う5人の女。その中で彼女の死の真相が明らかになる、という謎解き系ミステリー。出演は鈴木京香・原田美枝子・富田靖子・西田尚美・加藤登紀子・浅丘ルリ子。物語の大半は、鎌倉の瀟洒な洋館で進められる。密室劇に近いため、どちらかと言うと舞台向きのストーリーである。しかし、退屈になりかねない内容を、細かいカット割と動きのあるカメラワークで飽きさせない。原作は恩田陸の同名小説。5人の女たちがそれぞれに「私が殺した」と言う、謎が何重にもなっている展開は面白いが、トリックにちょっと無理があるような気がする。あと、殺人の動機付けもちょっと理解できない。物書きの気持ちは物書きにしかわからないということだろうか。この映画でひときわ印象に残るのは、死んだ女流作家役の浅丘ルリ子。カリスマ的なオーラがプンプンしていてハマり役であった。登場人物はほぼこの女優6人である。それぞれのキャラクターがしっかりしていて面白い。監督は『月とキャベツ』『はつ恋』の篠原哲雄。今回初めての、大人の雰囲気が漂うミステリーである。謎解きよりもその雰囲気を楽しむ映画が出来上がったと思う。2003/07/26 12:44:24
2003.07.26
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こちらはフジテレビで木曜10時から放送されているドラマ。月9に対してこちらはとても面白い。原作はヤングサンデーに掲載されていた同名コミックで以前にちょびっと読んだことがあった。「ドラマ化される」という話を聞いて、頼りなさげな主人公を誰が演じるのか疑問だったが、吉岡秀隆はまさにドンピシャだった。イメージ通り。このドラマは脚本とキャスティングがとてもよい。以前放送された『ブラックジャックによろしく』は都会の大学病院で、病院と患者の狭間で悩む若い医師が主人公だったが、こちらの『Dr.コトー診療所』は辺境の地でひたすら患者のことを想う医師が主人公である。ストーリーも直球勝負で、実にわかりやすい。『ブラックジャック~』が割とクヨクヨした雰囲気だったのに対し、こちらはカラッとした雰囲気である。それは沖縄の小島という舞台設定も影響しているかもしれない。キャストも実に豪華で渋い。時任三郎・泉谷しげる・小林薫といった渋めの役者から柴咲コウ・石田ゆり子・大塚寧々・桜井幸子・木村佳乃といった若手女優まで幅広い。観ていて驚いたのは映画のイメージが強い千石規子(90歳近い大御所女優)や白川和子(団地妻シリーズなどのロマンポルノでおなじみ)などが出演していること。この人たちをブラウン管から観れるなんて、なんとなく得した気分になる。エンディング曲は中島みゆき。ラストのタイトルバックと歌が実にマッチしていて感動的である。中島みゆきを持ってきた段階で反則な感じもするが。毎回、何かしら涙腺が緩まされるこのドラマ。久しぶりに次の放送が楽しみなドラマである。
2003.07.25
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昨日は久しぶりにオールした。まず下北沢でカラオケに行き、ビートがアツい歌で暴れまくり、その後南口にある「バー北沢」というお店へ。この店が素敵なのであるこれがまた。初めて行ったが早くもリピーターになりそうなほど楽しい店であった。まだ開店して間もないらしいが、雰囲気はまるっきり老舗バー。BGMは60~80年代の日本の歌謡曲ばかり。まだ若いマスター(男前)と若い娘(とても可愛い)が店を切り盛りし、BGMのチョイスをしてくれるのだが、このチョイスが私のツボにかなりハマった。店に入っていきなり耳に飛び込んできたのが田原俊彦の『哀愁でいと』だったから笑ったが。そこのお店で初めてジュークボックスをやりました。曲はちあきなおみの『喝采』とザ・キングストーンズの『グッド・ナイト・ベイビー』。この曲とともに下北沢の夜は更けていったのである。
2003.07.24
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『僕だけのマドンナ』最近、威厳を失ってきたフジテレビの月9。今放送されているのはタッキーとハセキョー主演のラブストーリー。このドラマでタッキーは大学生役なのだが、大学のシーンは成蹊大学でロケしている。成蹊大学は、いかにもキャンパスって感じなのでよくロケに使われる。というわけでこのドラマも1回目と2回目を観てみた。ひどいねこりゃ。脚本は岡田惠和で「イグアナの娘」「彼女たちの時代」「ちゅらさん」と数々の名作を生み出してきたお方であるが、ラブストーリーは苦手なのであろうか。タッキーの部屋にハセキョーが不法侵入するところから話は始まる。ってかいくら美人でも留守中に部屋に上がりこまれたら怖いでしょ。警察行けよタッキー。そしてまたハセキョーがこういうラブストーリーにありがちな「何考えているかわからない不思議ちゃん」なのである。不思議ちゃん撲滅委員会会長の私としては、真っ先に抹殺すべき存在である。あと貧乏学生のくせに住んでるのがちょっとオシャレな目黒のアパート。ありがちありがち。古いけどちょっとオシャレなのが月9っぽい。徹底的にボロにして八王子あたりに設定してくれれば親近感増すのに。タッキーもハセキョーも芝居が下手すぎて泣けてくる。下手は下手なりに頑張ってくれればいいのだが、この2人やる気なさそうである。個人的にはタッキーの「ってゆーか」という台詞が癪に障る。わかってくれる人は少ないかもしれないが、よく言ってる。ハセキョーは確かに可愛いかもしれないが、意外と目つきが悪い。気を抜くとガン飛ばしてるような目つきになっている。ついつい昔の血が騒いでしまうのだろうか。1回目を見たときは、タッキーのアパートの隣人たち(小堺一機・嶋田久作・真矢みき)がちょっと面白かったのだが、それを帳消しにしてしまうほどのストーリーの稚拙さに見続けることを断念した。やっぱラブストーリー見るならメロドラマでしょ、という結論に落ち着いた次第である。2003/07/23 5:07:09横文字にすりゃいいってもんじゃないのよ党宣言。前から思っていることだが、バンド名やユニット名って意味がわからんものが多い。「ミスターチルドレン」とか「マイリトルラバー」とか。エイベックス系に多いのが「どっちがタイトルでどっちがユニット名なんじゃボケ」という類のものである。ひどいものになると曲のタイトルよりユニット名の方が長かったりする。「ドゥアズインフィニティ」無限のごとくしろ?「デイアフタートゥモロー」あさって?まったくもって意味わからんちん。もっと端的な名前にしてくれないと私のようなオジサンは理解に苦しむ。「ヒロシ&キーボー」とか。「ピンキーとキラーズ」とか。「平尾昌晃&畑中葉子」とか。実にわかりやすいですね。2003/07/23 4:46:43
2003.07.23
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ついでと言っちゃあアレだが。2001年度の日本映画で面白かった映画。1 ハッシュ!(橋口亮輔)2 狗神(原田眞人)3 ウォーターボーイズ(矢口史靖)4 リリィ・シュシュのすべて(岩井俊二)5 回路(黒沢清)6 ココニイルコト(長澤雅彦)7 光の雨(高橋伴明)8 アカシアの道(松岡錠司)9 日本の黒い夏「冤罪」(熊井啓)10 連弾(竹中直人)クソだった映画。1 Stereo Future(中野裕之)2 RED SHADOW 赤影(中野裕之)3 閉じる日(行定勲)4 ビジターQ(三池崇史)5 世にも奇妙な物語 映画の特別編6 風花(相米慎二)7 DISTANCE(是枝裕和)8 ピストルオペラ(鈴木清順)9 修羅雪姫(佐藤信介)10 EUREKA(青山真治)こんな感じ。これに関しての苦情は一切受け付けておりません。2003/07/22 1:32:0420022002年度の日本映画の中で、自分の中でのランキング。1 OUT(平山秀幸)2 突入せよ!「あさま山荘」事件(原田眞人)3 青い春(豊田利晃)4 とらばいゆ(大谷健太郎)5 ごめん(冨樫森)6 たそがれ清兵衛(山田洋次)7 Dolls(北野武)8 コンセント(中原俊)9 害虫(塩田明彦)10 千年女優(今敏)こんな感じ。2003/07/22 1:14:25
2003.07.22
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『Dolls』あんまり好きなタイプの映画ではないような気がしていたのだが、観てみると妙に沁みてしまった。きっと今の精神状態が映画とうまくリンクしたのかもしれない。決して「共感した」とか「泣けた」のではなく、何となく「沁みた」のである。改めて菅野美穂って芝居が上手いなあと感心した。台詞回しや声質に若干違和感を覚えることもあるが、感情が露わになる芝居は本当に上手い。彼女の芝居には何度か泣かされた。この映画の終盤での、無表情が崩れるシーンには見入ってしまった。菅野美穂の真骨頂は「こらえきれず涙を流す」演技ではないかと思った。もう1人のヒロイン・深田恭子もメチャメチャ可愛かった。登場シーンも台詞も少ないが、強烈に印象に残った。事故に遭い、再起不能となってしまったアイドル歌手役なのであるが、盲目の男とバラ園を歩くシーンは完璧な可愛さである。このシーンでは眼に眼帯を当てているのだが、それが一層魅力的である。包帯や眼帯、松葉杖といったアイテムは、肉体の欠損を表すものであるにも関わらず、妙にその人間を魅力的にする。これは私の個人的な趣味であるかもしれないが…。細かいディテールが気になる映画でもある。深田恭子演じるアイドル歌手の追っかけをしている男が、彼女の家まで押しかけ、結局会えずにとぼとぼと雨の道を歩くシーンにどうしようもなく切なくなった。決して美しいシーンでもないのだが、色々と感じるところがあった。恋愛映画って、台詞や動作なんかが嘘臭くてあまり観ることはない。ホントっぽい嘘の恋愛映画より、現実離れした設定の恋愛映画のほうが感じるところは大きいのかもしれない。2003/07/21 2:39:57BASEMENT JAXX『REMEDY』CDを整理していたら、ひょんなところから出てきたちょっと懐かしいCD。買ったのは高校時代であったか。ジャケットは黒人と白人が交互に横たわり縞々模様を描いている写真。すでに何となく気持ち悪い。聞いてみるともっと気持ち悪い。ハウス・ラテン・サンバ・ジャズが無節操に入り乱れて襲いかかってくる。でも不快なわけじゃない。久しぶりに聴いて、またちょっとハマりそうになった。煙草やアルコールを摂取しすぎて、頭がクラクラする感じに近いのだろうか。クセになる音だが、聴きすぎは体に悪そうである。2003/07/20 4:18:40
2003.07.20
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クリント・イーストウッド主演・監督作品。なぜかロシアの通信衛星に組み込まれた誘導装置を修理するために、現役を退いた元・パイロットのオジサマたちが宇宙へ向けて奮闘する物語。笑い・対立・友情・トラブルといったエンターテイメントの要素を全て詰め込んだ娯楽映画である。ベタな展開もあるがなかなか楽しめた。『アルマゲドン』に似ているという向きもあるようだが、活躍するヒーロー4人がみんなおじいちゃんである、という設定が面白い。おじいちゃん達のキャラもそれぞれ立っていて、さすがベテランだと思わせる。地上でのトレーニングシーンなどはかなりコミカルであるが、後半宇宙に旅立ってからはかなりシリアスな展開になる。ロシアの通信衛星の正体が明らかになったり、乗組員の1人が起こす自殺行為などとハラハラする状況が待っている。このあたりはフルCGであると思われるが、人間を描くための手段として使われているCGなので違和感なく観ることができた。目的のための手段としてのCGが効果的に働いているよい例である。クリント・イーストウッドとトミー・リー・ジョーンズはやっぱりカッコイイ。日本でこんなカッコイイおじいちゃんが活躍する映画が作れるだろうか?「歳相応」という言葉が全く似合わないこの2人を見るだけでも価値があるだろう。ドナルド・サザーランドとジェームズ・ガーナーはコメディリリーフ的存在であるが、この2人がしっかりと脇を固めているから主役が活き、4人のバランスが絶妙なのであろう。冒頭に流れる『Fly me to the moon』が映画のラストのオチとなる。「ああ、こういう風に繋がるのね」と納得。だがこのラストはちょっぴり残念。男の生き様として潔いといえば潔いのだが、せっかくだからもっとハッピーに終わらせて欲しかった気もする。スケールは大きいが、決して華やかなだけでなくそこはかとなく渋さが漂う映画。私も歳を取ったら、こういう気の利いたことを言えるジジイになりたい。
2003.07.19
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私は江戸川乱歩や横溝正史の小説が好きだった。といっても全巻読破しているほどのファンではないが。中学時代も図書室に置いてある「少年探偵団シリーズ」を横目に、乱歩なら「二銭銅貨」「鏡地獄」「D坂の殺人事件」、横溝なら「悪魔の手毬唄」などを読んでいた。乱歩の耽美的な世界と、横溝の土着的な泥臭い世界、どちらも好きだった。さて、そこで『江戸川乱歩の陰獣』は探偵小説の映画化がブームになっていた1977年の松竹作品。「ああ、松竹が江戸川乱歩を作るとこうなるのね」という妙な感慨。江戸川乱歩原作でありながら、画面から伝わってくる雰囲気は横溝正史の世界に近い。乱歩の世界は瀟洒な洋館が似合うのだが、ここに出てくるのは伝統的な日本家屋。横溝っぽい。主人公も、乱歩作品はスタイリッシュにスーツを着こなす名探偵が多いが、ここに出てくるのはもっさりしたとっちゃん坊やのようなあおい輝彦。横溝っぽい。やはり松竹の作風がそうさせるのであろうか。こういう探偵映画は、死体の見せ方にも工夫が必要である。「犬神家の一族」の逆立ち死体や、「獄門島」の木にぶら下がった死体など、滑稽であるがどこか美しさが漂う。この映画ではベテラン俳優・大友柳太朗が便所の便器の下から発見される。しかもヅラを被って。滑稽すぎて悲しくなってくる。大御所俳優にこんなことやらせちゃっていいのだろうか?死体引き上げのシーンはあきらかに人形であったし、なんだかトホホである。このストーリーには、謎の変態作家・大江春泥という人物が登場する。その正体はラストで明らかになる。私はこの大江春泥が乱歩自身を投影した人物のように思えた。乱歩の自虐的な一面が見えたような気がした。得体のしれない大富豪夫人・小山田静子を演じるのは香山美子。確かに綺麗なのだが、顔立ちが和風過ぎてどうも江戸川乱歩の世界にはハマらない感じがした。若尾文子や江波杏子あたりに演ってほしかった。あおい輝彦はなかなか良かった。風貌は横溝の金田一耕助っぽいのだが、人当たりの良さそうな雰囲気が、SMの世界に巻き込まれてしまう男の情けなさを上手く醸し出していた。時代劇の大家・加藤泰の作品であるが、いまいちモダンさに欠けるので、独特の乱歩ワールドを活かしきれてない気がした。増村保造監督の『盲獣』くらいアバンギャルドにやってほしかった。期待していただけに残念。
2003.07.18
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やけに精巧なフルCG3Dと、やけに愛くるしい2D(でもやっぱりCG)が入り乱れるアニメ映画。アニメではあるが、決して子供向けではなく代官山や青山あたりに生息するオシャレ星人たちをターゲットにしたと思われる。煙草をふかし、暴言を吐き、子供を回し蹴りする1歳のネコ・タマラは、「かわいい」が満ち溢れている日本のキャラクター文化に対するアンチテーゼかもしれない。でももしかしたらただ単に意外性を狙っただけかもしれない。でも夢が溢れているサンリオ的なものに対して、タマラには夢なんてない。あるのは絶望だけ、らしい。ストーリーなんてものはあるのかないのかわからない。私の観る限りでは、からっぽの内容をそれっぽい言葉や難解ぶった言葉で塗り固めているようにしか思えない。作った側の人間も、ストーリーに必要性を感じていないのではないか。「かわいいキャラクターがぶっとんだことをする、それがとってもオシャレじゃない?」そんなことを言いたいだけのような気がする。難しい言葉であーだこーだ嘘を並べるアニメより、平易な言葉で真実を語るアニメのほうがよっぽど可愛いものである。
2003.07.17
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『吉原炎上』なぜか1年に1度はテレビで放送される『吉原炎上』。よっぽどコアなファンがいるらしい。私のバイト先の知り合い(28歳女)もこの映画をバイブルとして崇めているらしい。日本映画でこの映画ほど女の情念がビラビラしている映画があっただろうか、いやない。ここに出てくる花魁たちは、愛欲に身を焦がしキチガイになっていく。ある意味スペクタクルである。出演している女優たちが、「これぞ女優魂!」という勢いで迫ってくる。特に凄まじいのが西川峰子。グハァと吐血しながら陰部を指差し「ここ噛んでぇ!」と絶叫するシーンは日本映画史に残る名シーンである。五社監督もここのシーンにはやけに力が入っている。ここのシーンを観て、この映画は西川峰子のためにあると実感した。リメイクするなら小池栄子あたりにやってほしい。主演の名取裕子はその点潔さに欠ける気がした。花魁道中でかっぽれかっぽれと町中を歩くシーンは面白いが、そのほかのシーンでインパクトに欠ける。アクの強い女優に囲まれて萎縮してしまったのだろうか。回想シーンで、女学生姿で登場したところには固まってしまった。いくらなんでも無理アリアリだろうと。吉原という狭い社会の中での栄枯盛衰が存分に楽しめる映画。エロ目的で観たら痛い目に遭った、そんな切ない思い出の映画である。2003/07/16 5:01:30『極道の妻たち 死んで貰います』意外に面白かった。チープさを逆に楽しんでしまったところがある。このテの映画は、フォーマットに乗っかって作られているから、ストーリーなんかどうでもよい。極道の世界の雰囲気を味わうためのものである。また西川峰子やら中尾彬やら、微妙な役者の微妙に型にはまった演技を楽しむものである。高島礼子はどうでもよい。白眉だったのは因島出身のスター・東ちづるである。彼女が女優である認識がイマイチなかったために、なりふり構わない芝居にちょっと圧倒された。存在感では完全に高島礼子を喰っていた。敵の親玉が三田村邦彦。非常に安っぽい。阿波踊りをしている印象しかない。しかも妙なチョビ髭を生やして、スーツ着て、インチキマジシャンみたいだ。黒幕にしちゃあ弱そうである。高島礼子と斉藤慶子が、三田村邦彦をマシンガンで蜂の巣にするところで大笑い。「ああ、こういうのが観たかったんだよ」というチープな安心感。「極妻」は心のサンクチュアリ。井川遥や優香よりも、斉藤慶子と東ちづるのほうによっぽど癒される。2003/07/16 4:43:52『ガメラ 大怪獣空中決戦』怪獣映画というジャンルにはサイクルがあるらしい。「恐怖の権化として1匹で暴れまわる」→「ライバル出現」→「多数の怪獣が入り乱れてのバトルロイヤル状態」という感じでグルグル回っているのである。ゴジラが東宝の看板怪獣で風格を保ってきたのに対し、ガメラは大映の怪獣として登場したが、徐々に風格は薄れマヌケな怪獣になっていってしまった。そして時は平成になり、ガメラが復活した。「ガメラは良い子の味方」という設定は変わっておらず、今回恐怖の権化として登場したのは翼竜ギャオスである。この映画の世界では、「亀」は存在していないらしく、「ガメラ=亀」ということは誰も口にしない。ガメラもギャオスも神話的な存在であるのだ。そんな割り切った設定が素晴らしい。まるでムーミンをカバと言ってはいけないように。この映画は怪獣映画であると同時にSF映画であり戦争映画でもある。「もしも日本に怪獣が現われたらどうなるのか」ということをきっちりシュミレートしているのである。自衛隊はうかつに市街地で攻撃はできないし、妙ちくりんな架空兵器も登場しない。そんな2匹の怪獣に翻弄される人間側のドラマもしっかり描かれているところが、子供映画では終わらせない。しかもギャオスは肉食であるが故に、人間を喰う。電車を襲い、中に詰まった人間をクチャクチャいわせながら喰う。これを観たら泣く子供もいるのではないか。第1作目の「ゴジラ」を髣髴とさせる、ホラーなシーンである。普通、特撮映画はスタジオにセットを組んで撮影されるために、屋内での撮影であることが多い。しかしこの映画はオープンセットを組んで屋外での撮影になっている。つまり、空は実景なのである。空を実景にしただけで、リアル感はかなり増す。夕焼けをバックに東京タワーに巣食うギャオスの姿は、驚くほど美しい。人間側の主演は中山忍。この人は決して芝居が上手いわけではないし、声がところどころで上擦るのが気になる。しかし、下手は下手なりに頑張っているのが伝わる。ギャオスに襲われかけて、一瞬恍惚のような表情を浮かべる彼女にグッときた。怪獣映画の原点に回帰した、迫力ある映画である。怪獣映画だからといって侮ってはいけない。2003/07/16 4:28:36
2003.07.16
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文部省推薦の性教育のビデオを見たような、そんな気分。別に出来が悪いとかそういう意味じゃなく、「精通」とか「初潮」なんて言葉を久しぶりに聞くと、なんかムズムズして頬がポッとしてしまう感じ。出演している子供たちが、いたって普通でこまっしゃくれていないのが良い。適度に不細工で、間抜けで、くだらないことに懸命で愛嬌がある。スターが出ているわけでもなく、ストーリーも地味ではあるが、妙にほのぼのしてしまった。「おしる」ね、おしっこじゃないのよ。プププ。冒頭の授業シーンで主人公の男の子が朗読しているのが「赤い実はじけた」だった。私もこれを朗読させられた記憶が…。懐かしい。
2003.07.13
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『凍える牙』で直木賞を受賞し、その後も『風紋』『ピリオド』『涙』などのベストセラー小説を上梓している乃南アサの短編集。乃南アサは基本的にミステリー作家であるが、この作品集は旅行小説のような体裁をとっている。私は短編集が好きである。普段の生活の中で小説を読む時間は、電車の中であったり、ちょっと暇つぶしの喫茶店の中だったり、はたまたバイトの休憩中であったりと割と短い時間の中である。そんな時、長編だと面白くなってきたところで中断しなければならなくなってしまうのでテンションが途切れてしまう。しかし、短編は短い時間でも1編読めてしまうので、最初から最後までテンションが途切れずに1つのストーリーを読み通すことができる。そこがメリットである。そこでこの『行きつ戻りつ』であるが、この作品集はもともと月刊誌『ミセス』に1年間連載されたものらしい。そのため1冊が12章で構成され、それぞれの季節に合わせた内容になっている。そしてこの12章の共通点は、様々な悩みを抱えた主婦たちが、何かを求めて旅に出る、という点である。そのため、舞台設定も12章それぞれが日本の地方都市(男鹿・天草・佐渡・熊野など)である。非常に主婦向けの内容ではある。乃南アサという人の作品にはいつも感嘆させられる。きっと誰しもが持っているであろう、心の中のドロドロした部分をクローズアップして物語を組み立てているので、読んでいて空恐ろしくなることがある。それだけ、人物の描き方が緻密なのである。この作品でも人物描写は見事である。それぞれの女性が悩んでいることは、夫との関係であったり、姑との対立だったり、はたまた喪ってしまった息子への想いだったりとどこにでもあり得ることである。そんな女性たちを主人公に据え、彼女たちに何かしらの救いを与えるために全国各地に旅立たせているのだ。彼女たちが自然に触れることで、凝り固まった心がほぐされていく様子に読んでいて心を打たれる。自然や風景の描写もよく出来ているから、まるで自分がその場にいるような錯覚に陥ってしまう。人は誰でも何かしらの悩みを抱えているが、自然を前にしてしまったら卑小な存在である。それでも懸命に生きていこうとする人たちの姿に感動する。この12編の話の中に出てくる悩みや苦しみは、男女を問わず誰にでも当てはまるものであろう。必ずラストには救いが待っているので、読後感はすこぶる爽快である。「微笑む女」「青年のお礼」という章がとても良い。久々に小説を読んで泣けた。歳を取ると涙もろくなって困る。ここに出てくる土地が、あまり観光地化されていない土地であるという点も良い。これを読むと、自分も旅に出てみたくなること必至であろう。
2003.07.12
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アル・パチーノ主演、『メメント』のクリストファー・ノーラン監督。舞台はアラスカの田舎町。そこで17歳の少女が殺されるという事件が起こる。そこにロサンゼルスからベテラン刑事のドーマーと相棒のハップがやってくる。ドーマーは霧深い海岸の小屋に犯人を追い詰めるが、そこで誤って相棒のハップを射殺してしまう。自分のミスを言い出せないドーマーのもとに、ハップ射殺の現場を見たという少女殺しの犯人からの電話が入る。アラスカの日が沈むことのない街を舞台に描かれており、タイトルの通り主人公のドーマーは相棒を殺した罪悪感から不眠症に陥っていき、正常と狂気の間を揺れ動く。そして追う立場から追われる立場に逆転してしまう展開が面白い。ドーマーが不眠症で冷静な判断力を失っていく様子を、カメラワークで巧く表現している。そして何よりもドーマー役のアル・パチーノの演技である。1つ嘘をついてしまったがために、次々と自分を偽っていき、精神的に追い詰められていく芝居に観ているこちら側まで圧迫感を覚えてしまう。もう引き返せない状況に追い詰められてしまった人の恐怖がひしひしと伝わってくる映画である。犯人役にはロビン・ウィリアムス。コメディのイメージが強いだけに、「人を殺すなんて簡単だよ」と言ってのけてしまう殺人者の役に凄みを感じる。彼の目の演技が凄いと思った。また冒頭のタイトルバックが秀逸。血がジワジワと染みていく布地のアップのように、1つの嘘がジワジワと精神を侵食していく、ちょっと怖い映画である。
2003.07.11
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これまた面白くない映画だった。コメディなのかシリアスなのかはっきりしないし、ストーリーもキャラクターも中途半端。コメディなのだとしたらクスリとも笑えないし、シリアスなのだとしたら伝わってくるものがない。第一、心に引っかかるフックのようなものがこの映画には皆無である。最後の最後まで印象に残るシーンはなかった。父親役のジーン・ハックマンがキダ・タローみたいだった。それだけ。
2003.07.10
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コメディとコミカルは全く違う。そして笑えないコメディって辛い。辛い上に、観ていて恥ずかしい。この映画は『ひみつの花園』『アドレナリン・ドライブ』『ウォーターボーイズ』の矢口史靖と、俳優でもある鈴木卓爾の共同監督のオムニバス作品。パルコを舞台にしたコメディであるのだが、ちいとも笑えなくて、困った。一応パルコのPR的フィルムであるのだろうが、これを観てパルコについて何も感じ取ることができないし、行ってみようという気にもならない。私はビデオで観たのだが、この映画に劇場で金を払ってしまった人は気の毒である。まあ、そこは好みもあるだろうが。『ひみつの花園』はコメディの傑作であったのだが、この映画は駄作である。コメディのツボがなんか的外れなのである。『ひみつの花園』で1度やったネタを再びやっているところなどがとてもあざとい。役者もそれっぽい人たちを集めてはいるのだが、いかんせん笑わせてくれない。これはとどのつまり、関係者だけが楽しんで作った内輪的な映画である。観る価値なし。
2003.07.09
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前に書いた『OUT』にしろ、抑圧された女たちが解放されるっていう内容の映画にはどうも弱い。別にフェミニストじゃないけど、女たちが解放される姿に爽快感を感じてしまうのだ。自分も何かから解放されたい願望があるのか?とにかくラストシーンが秀逸。全てをあきらめ、覚悟を決めたテルマとルイーズの表情が素晴らしい。泣き笑いのような、でもどこか前向きな表情に思わず涙。この映画の見所はやはりジーナ・デイビスとスーザン・サランドンの芝居だろう。特にジーナ・デイビスに関しては、今までは「デカい女優」くらいの認識だったが、表情がとても可愛くて巧い女優であることを実感した。何もかもを捨てて、どこかへ逃げてしまいたくなる映画である。悲しいけど、楽しい。
2003.07.08
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『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』ヒマだったので映画館に行って観てきた。そしたらアベックばっかりで、1人で観ているのは私だけだった。なんか負けた気分。派手な爆発も破天荒なアクションも最初のうちは面白いのだが、後半になると感覚が麻痺してきて飽きてくる。「おいおいそりゃねーだろ」と突っ込んでいたものも、だんだん突っ込む気もなくなってくる。アクションやCGに力を入れすぎていて、人間らしいエピソードがほとんど出てこない。元エンジェルであったデミ・ムーアがどうして悪の道に進んでしまったのか、とかそういったエピソードを観たかった。それにしてもデミ・ムーアっていつからあんな風になっちゃったんだろう。彼女の映画は『陪審員』以来だが、当時はまだ普通の女優だったような…。日本でいう島田楊子みたいである。この映画から得るものは何もないが、映画を観たというよりはアトラクションに挑戦した気分だったので、たまにはこういう映画をスクリーンで観るのも良かったかもしれない。2003/07/08 2:22:18ベテラン俳優に思うこと。『たそがれ清兵衛』を観て思ったことだが、やはりベテランの役者の芝居は凄い。この映画には登場シーンこそ少ないが、清兵衛の叔父役として丹波哲郎が出演している。コミカルな役であるが、なんというか厚みがあり身のこなしが綺麗である。江守徹を見てもそれは感じる。最近はバラエティでおちゃらけた部分がクローズアップされているが、「首領」とか「黒幕」のような役をやらせたら右に出るものはいないと思う。舞台の人だけに、声に張りと重みがあり迫力がある。表情の作り方も単純でなく、何か腹に一物抱えているような作り方が絶妙であると思った。朝の連ドラに出ている岸恵子もベテランである。この人は身のこなしが綺麗である。やはり戦後の映画女優たちは「婀娜っぽい」という言葉がしっくりくるように、声の出し方や仕草ひとつにしてもプロなのである。若い俳優たちには決してマネできない魅力である。「婀娜っぽい」といえば、小津安二郎監督の『浮草』での京マチ子が浮かぶ。彼女の煙草を吸う仕草が最高にカッコイイのである。マッチを手元に引き寄せてから擦り、煙草に火をつけてくわえ、マッチを横に放るという一連の動きが滑らかな上、観ていてとても美しい。小津監督のことであるから、計算に計算を重ね、何度も撮り直したのであろう。最近の映画にはあまりない、仕草の美しさがここにはある。やはりキャリアを重ねた役者は違う。2003/07/07 2:39:59
2003.07.07
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傑作と名高い山田洋次監督の最新作。その評価に違わぬ傑作であった。時代劇の醍醐味はキレのいいチャンバラであり、それを観てスカッとする人も多いであろう。しかしこの映画では人を斬ると血が吹き出る。そして斬る人間、斬られる人間それぞれに人生があり、追い詰められた気持ちがあることを実感させられる。当たり前のことであるが、そんなことを思わせる時代劇はなかなか無い。この映画を観て、共感するサラリーマンが多いらしい。出世なんかしなくても、金がなくても満ち足りた満ち足りた生活を送ることができるという清兵衛の言葉が人々の心を捉えたのであろう。真田広之はさすがの名演である。藩命により人を斬らなければならなくなった戸惑いや心の機微を巧く演じている。宮沢りえも儚げで一途な女の役がハマっている。昔のイメージとは裏腹に、最近ではしっとりした役柄が多くなってきた。第2の旬がやってきたと思わせる芝居であった。田中泯は舞踏家であり、映画初出演であるが殺陣のシーンでは独特な動きで、観ている人を圧倒する最期を見せている。真田広之と宮沢りえの、お互いを想いあっているのになかなか素直になれない距離感がもどかしくて良い。こんなに純粋な恋愛を描くのは、現代劇ではなかなか難しくなってきているのではないだろうか。「幸せ」について考えてみたくなる、このご時世に作られるべくして作られた映画であった。
2003.07.06
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UooMoo『ARTLESS』小川くんに連れられて行った渋谷での「ケンハモナイト」。そこで感動し衝動買いしたUooMooさんのCD。やっぱ生音がいい。当たり前である。生で聴いた後にCDを聴いてもちょっと物足りない。CDから聴いてたら良かったかも。でも好きな音であることには違いない。スローありアップテンポありと楽しめる。ちょっと艶っぽいし。決して和ませてくれない不穏な雰囲気もかなり好きである。このCD1枚で映画を作りたい気分。こういうインストの音楽にはタイトルって邪魔だなぁと思う。せっかく聴く人が自由にイメージできるのに。ま、便宜上欠かせから仕方ない仕方ない。2003/07/04 3:58:39FUTURESHOCK『PHANTOM THEORY』UK発のテクノユニットである以外はよく知らない。タワレコで「ポストUnderworld」と銘打たれていたので気になった。こういう「平成の○○」とか「ポスト○○」といった言い回しはあまり好きではないが、わかりやすいっちゃわかりやすい。とりあえず1曲目がキた。久々にキた。つかみはOKだった。専門知識がないから何と言うのかわからないが、「腰にビキビキくる感じ」がたまらない。あ~大音量で聴きてぇ。その後の曲も、1曲目ほどのインパクトはないが上々の出来。きっとコアな音楽ファンは「王道だね、クスっ」てな感じでバカにするんだろうか。王道で悪いか。文句あっかコラ。やや被害妄想気味。みんな敵に見える。2003/07/04 3:33:16
2003.07.04
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『OUT』桐野夏生の同名小説の映画化。過去にドラマ化、舞台化されているがそれらとは全く異なる展開になっている。郊外の弁当工場に勤める雅子の家庭は崩壊寸前である。夫はリストラされ、息子はまともに会話をしようとしない。そんな家庭に嫌気がさしている。ある日、同僚の弥生が夫を殺してしまう。その死体の解体作業を、同じく同僚であるヨシエ・邦子と手伝ってしまう。原作は割とミステリー色が強い文体であるが、この映画は意外とコミカルである。それが顕著なのは死体を解体するシーンである。原田美枝子・倍賞美津子・室井滋の3人がコミカルに丁々発止を繰り広げるのである。本来はハードなシーンであるのだが、そこには切羽詰った女たちの滑稽な姿が描かれている。葬式なのに笑いたくなるような、そんな不謹慎な笑いに包まれている。郊外には魔物が住んでいるような印象がある。犯罪の舞台となるのは普通の住宅地で、彼女たちが働いているのは深夜の弁当工場である。それぞれの家庭が崩壊している彼女たちが結びつくのは殺人事件によってである。普段はあんまり結びつきのない擬似共同体である郊外家庭が犯罪によって結びつくというのはとても皮肉であるように感じた。また現実でも、世田谷一家殺人事件など郊外での事件が頻発している。何らかの夢を持って造られたベッドタウンが、魔物にとり憑かれているような気がするのは私だけであろうか。この映画のラストは勧善懲悪ではない。「悪いことをしたから逮捕される」というような安直なラストは待っていない。彼女たちは犯罪を踏み台にして、大きく変化する。何から「OUT」して、どこへ向かうのか。そんなことに思いを馳せてしまう絶妙なラストであると思う。出演者が皆それぞれに良い。原田美枝子演じる雅子は、どこか冷めていてシニカルな目を持っている。そこがオバサン臭くなくてカッコイイ。逆に倍賞美津子演じるヨシエはめちゃめちゃオバサン臭い。アップリケの付いたトレーナーを着て、話題の種は下ネタやみのもんた。姑の介護生活に疲れているが、表には出さないバイタリティー溢れる女性である。室井滋演じる邦子は、ブランド狂いが仇となり借金地獄である。しかしあまり悲愴な感じはせず、あっけらかんとしている部分がある。私は「金に汚くて面倒くさいことが大嫌い」という邦子のキャラクターがお気に入りである。しかもそれを室井滋にやらせりゃ天下一品である。殺人事件の引き金となる弥生を演じるのは西田尚美。妊娠中であることを盾にして、自分は手を汚さずに解体作業を人に押し付ける厄介な女である。しかも本人にあまり罪の意識がないからなお厄介である。この弥生のキャラクターに嫌悪感を覚える人は多いだろう。現に私も腹が立った。泣けばいいと思っている女は、私は大嫌いだ。彼女たちを狙うカジノ店のオーナー役は間寛平。普段のおちゃらけているイメージと真逆の、あまり多くを語らないストイックな男を演じていた。彼の細い目は見方によっては不気味である。慧眼。要は、キャスティングの妙である。彼らの芝居を見るだけでも価値はある。原田美枝子が言っていたことだが、まさに「1人の人間が死ぬことの重みを感じる映画」である。犯罪者の心情を疑似体験でき、人を殺してしまうことがどういうことなのかを感じられる、そんな映画だった。2003/07/04 0:45:09『バースデイ・ガール』ロンドン近郊に住むジョンは勤続10年の銀行員。結婚相手に恵まれなかった彼はインターネットでロシア人の花嫁を注文する。しかしやってきたのは、保証書とは裏腹に英語の出来ないナディアという女だった。彼女はある日、「今日は私の誕生日だ」という。2人でささやかなパーティーを開いている最中に、ナディアの従兄弟だと名乗る男2人が乱入する…。ビデオのパッケージはミステリアスな雰囲気であったが、内容はコメディのようなラブストーリーのような、奇妙な映画だった。ナディアを演じるニコール・キッドマンはアメリカ人で、乱入する2人の男を演じるヴァンサン・カッセルとマチュー・カソヴィッツはフランス人である。そんな彼らがオーストラリアで撮影しているイギリス映画に、ロシア人役で出演しているというのが面白い。物語は非常にスピーディーで小気味よく進む。先が読める展開ではあるが、会話のやりとりが面白く飽きることはない。立場がコロコロと逆転するのがこの映画の醍醐味でもあるだろう。この映画は決してインターネットを批判しているわけではなく、会話が通じない人々のやり取りの面白さを描いている。この映画を客観的に観ている我々は、言葉が通じないことの恐ろしさを実感するであろう。ニコール・キッドマンは大女優であるにも関わらず、私にとってはどうも安っぽい印象である。やけに娼婦のような役が多いせいであろうか。今回も体で迫る女の役である。しかし積み上げてきたキャリアがあるにも関わらず、こういった汚れ役的な役をこなしてしまうのはなかなかできないことだと思う。実力があるということは間違いない。実はこの映画、そんなに期待はしていなかった。しかしクスリと笑わせてくれるところもあるし、ハラハラさせてくれるところもある。登場人物も少ない小品ではあるが、エンターテイメントとして充分に楽しめることができた。2003/07/04 0:04:45
2003.07.03
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清水ミチコの『これ誰っ!?』待ちに待った清水ミチコの『顔マネ塾』の続編。今日発売になり、早速本屋に走った。やっぱこの人天才。いや~今回も大いに笑わせてもらった。清水ミチコは目の付け所が人とは違う。「かわいい」「こわい」といっただけでなく、どこがどうかわいいのか、はたまたどこがどうこわいのかを明確にし、そこをデフォルメして写真にしている。それが似てる似てないは別にして。お気に入りは江角マキコと鬼束ちひろ。似てねぇ~、けど笑える。彼女は「私は薄い顔だから、書き込む余地がいっぱいある。白いキャンパスのようなもの」といったことを言っていた。なるほど。薄い顔でも得なことがあるんだとちょっと嬉しくなった。これからも清水ミチコとコロッケには頑張ってほしいものである。2003/07/02 3:34:45『tokyo,sora』CMを多く手がけてきた石川寛監督の初映画作品。板谷由夏・井川遥・仲村綾乃・高木郁乃・孫正華・本上まなみらが出演するオムニバス形式。この映画には脚本がないらしい。シチュエーションだけ決めてあとは役者まかせ、というやり方である。正直、私はこういう映画は好きではない。ナチュラルな芝居を追及しての結果なのだろうが、普通の会話を映画として観ても退屈なだけである。結局は「監督の怠慢なんじゃないの?」と思ってしまう。鑑賞に堪えうるナチュラルな芝居というのは、やはり計算されたナチュラルなのだ。この映画に関して言えば、前半1時間はかなり退屈だった。ボソボソと喋る登場人物に、観ていてイライラさせられる沈黙。自然なのはいいけど、観ている人のことも考えてくれよと思ってしまう。しかし、板谷由夏・井川遥・西島秀俊が登場する後半1時間から少し雰囲気が変わった。ようやくちゃんと芝居をしてくれる人たちが出てきたからだ。板谷由夏がとても良かった。彼女は喜怒哀楽が表情にしっかり表れるし、脚本がなくてもメリハリのある会話をしてくれる。映画だとわかっていても、板谷由夏が笑うとこちらも何となく嬉しくなる。私はあまり井川遥が好きではない。なんだかもっさりしていてパッとしないからだ。しかしこの映画では、そのもっさりしていてパッとしない印象が役に合っていた。不器用で世渡り下手な女の子の役なのだが、ちょっといとおしくなったりもした。ある意味、ズルい女。この映画は、登場人物の役柄が作家志望のランパブ嬢だったり、美大生であったり、そこはかとなく魚喃キリコの漫画の影響を受けているように感じる。またオムニバス形式であったり、内容が「女性の孤独をリアルに切り取った」ものであるところが、前に書いた『彼女を見ればわかること』によく似ている。つまりは、どこかで観たことがあるような内容である。それだけに、もっと中身を作りこんで独特なものを打ち出して欲しかった。この映画に出てくる女の子たちは何を考えてるのかよくわからない。世間の女性がこの映画に共感するのであれば、女って難しい生き物である。2003/07/02 3:10:06
2003.07.02
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はみ刑事、ガキ刑事。「はみだし刑事情熱系」というドラマは「はみデカ」と略されることが多いらしい。なんかデカいものがはみ出してるみたいで嫌。2003/07/01 4:38:17ラズベリーのパン頬張って。いま無性に読みたいのが進研ゼミの漫画である。中学時代に家に届き、漫画だけ読んで捨てていたアレである。だいたいストーリーは決まっていた。1、主人公は部活と勉強の両立に悩む。2、部活も勉強も両立している友人から進研ゼミを薦められる。3、「おれ、進研ゼミで頑張るよ!」と親を説得。4、実は憧れの娘も進研ゼミをやっていた。そんなところで急接近。5、テストの結果発表。主人公も憧れの娘も上位に名を連ねる。アハハウフフと戯れてみたりする。まあざっとこんな感じだろうか。私が記憶している進研ゼミの漫画はこんな感じだったような。少女漫画でもやらなさそうなベタな展開がたまらない。いいなぁ。制服ラブしたかったなぁ。チャリ2人乗りとかしたかったなぁ。過ぎた青春を悔やむ今日この頃。ところで進研ゼミは今でも漫画を作っているのだろうか?今どきの中学生はこんな内容で満足するのだろうか?もしあるのならば、今の漫画を読んでみたいものである。2003/07/01 4:32:13
2003.07.01
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キティに逢える街。そんなテレビ東京の「アド街ック天国」で多摩センターが取り上げられていた。小学4年から中学3年までの5年間を過ごした街なので、気になって見てみた。ゲストはやはり予想通り、きたろうと杉田かおる。この2人が多摩市民であることは地元住民ならほとんどの人が知っている。つのだ☆ひろも出るかと思ったんだが、残念ながら出ていなかった。ランキングに挙がった店は「ラーメン西海」と駅の裏の大判焼き屋以外殆ど知らなかった。新しくできたばかりの店なのか、はたまた私の行動範囲が狭いが故に知らなかったのかわからないが。多摩に屋内スノーボード場があるなんて初耳であった。多摩センターはやはり街並みがキチンとしている。もともと何も無かった丘陵地帯に計画的にドーンと街を作ったのだから当然である。そこが魅力でもあるのだが、逆に欠点でもある。魅力だと思うのは、車道と歩道が分離しているという点である。これだと信号待ちをすることもないし、事故に遭うこともないので大変便利である。この点は計画的に作られた多摩ニュータウンならではである。欠点だと思うのは、建物の造りが人工的でのっぺりしているので、味や風情がないという点である。以前、親戚が我が家に車で遊びに来たとき、「建物がみんな一緒だから、目印がなくて困った」と言っていた。歴史の浅い街だけに、風情を求めるのは酷な話だが、やはり時には雑多で猥雑な雰囲気が恋しくなる。でも5年過ごした街だから愛着はある。番組内できたろうや杉田かおるが多摩センターの良さを伝えていると、なんだかこちらまでニンマリしてしまう。「住めば都」ってことなんだろうなきっと。ランキングの1位はサンリオピューロランドかと思っていたら、パルテノン多摩だった。意外である。まあ多摩センターのランドマークがサンリオじゃあ、ちと悲しいか。2003/06/30 2:46:50てれとまにあ。最近、テレビ東京が面白い。いや、前からか。いま気に入ってる番組は土曜10時半からの「B.B.WAVE」と日曜11時からの「そして音楽が生まれる」の2つ。「B.B.WAVE」は様々な企業の戦略に目をつけ、勝利の方程式を見つける番組。先日はヴィレッジ・ヴァンガードを特集していた。そのほかにも伊藤園やトヨタ、トリンプなどさまざまな企業の内部が見れて面白い。「プロジェクトX」みたいに感動はできないだろうけど、毎回なにかしら得るものがある。「そして音楽が生まれる」は毎回1曲を取り上げ、その歌の成り立ちを紹介する番組。今回は美空ひばりの「川の流れのように」だった。先週は渡辺美里の「My Revolution」。他にも「銀河鉄道999」「Your Song」「セカンド・ラブ」など洋邦問わず取り上げている。歌手や作詞家、作曲家などにもインタヴューし、作り手がどんな想いを曲に託しているかがわかる番組である。来週は大橋純子の「シルエット・ロマンス」。観なければ。テレビ東京の番組ってゴールデンの枠でもテーマにこだわりが見えて良い。「なんでも鑑定団」にしろ「たけしの誰でもピカソ」にしろ「芸術に恋して」(すでに終了)にしろ。「アド街ック天国」もありそうで無かった番組だしね。今度は「レディス4」見てみようかしら。2003/06/30 2:28:02
2003.06.30
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いま私の大学の友人たちの間で話題のCMが、坂口憲二が出ているゼスプリなんとかキウイのCMである。坂口と彼女という設定であろう女が部屋でキウイを食べている。このキウイ、そうとう甘いらしい。坂口も女も「あまーい」しか言わない。最後に1個残ったキウイを坂口はハイジャンプで奪って食べてしまう。CMのラストは、最後の1個を頬張りながらご満悦の坂口と、後ろで恨めしそうにしている(ピントが合っていないからよく見えない)女のショット。坂口、ちょっと大人げないんじゃないか?キウイぐらい彼女に食わせてやれよ。ラストの表情がホントに憎たらしい。ふつうキウイって2つに割って食べるものだから、2人で食べてるのに1個余るってことはどちらかが多く食べてるはず。ちゃんと数えながら食えよバカ。あと「甘い」以外なんか言えよバカ。たかだか15秒のCMについて白熱した討論をしてしまった我々がいかにヒマかということを実感してしまった今日この頃。
2003.06.29
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デイビット・リンチの86年の作品。デイビット・リンチの作品というだけで、難解な映画を予想していたのでかなり身構えていたが、実際は非常にシンプルでわかりやすいサスペンス映画だった。アメリカの田舎町に住む青年が主人公。彼は野原で切り取られた人間の耳を発見する。好奇心から、事件に関係があると見られる女性歌手のアパートへ潜りこむ。それを歌手本人に見つかってしまうことから、彼は事件に、また官能的な世界に巻き込まれていく。ストーリーこそわかりやすいが、映像にはリンチらしさが溢れていると思った。冒頭のショッキングな切り取られた人間の耳、土のなかに蠢く多数の虫、消防車から固まった表情で手を振る消防士などなど。どれもこれも普通じゃなく、この映画がただならぬものであることを感じさせる。また色遣いにもこだわりが見える。特に青と赤の対照的な使い方が印象に残った。青空の下に揺れる赤いチューリップ、同じく青い空と赤い消防車、主人公の乗る赤い車とギャングが乗る青い車、赤い部屋に青いベルベットのドレスといった感じである。デイビット・リンチの映画にはこういった映像のこだわりが見えるため、繰り返し見たくなる中毒性があるのだ。出演者もみな好演である。主演のカイル・マクラクランは今と比べるとさすがに若い。好奇心旺盛で、いけないと思いつつSM的な情事にのめり込む青年をリアルに演じている。歌手役のイザベル・ロッセリーニはこれが2本目の本格的映画出演作らしいが、それを感じさせない名演であった。人生に絶望しやけっぱち気味な女を衣装・メイクを駆使し巧く表現していた。モサモサした妙なカツラはちょっといただけないが。ギャング役のデニス・ホッパーはさすがの迫力。テンション高すぎである。随所に仕込んだ小道具や小芝居が印象的であった。悪いヤツなんだけどなぜかちょっと笑える。若干、ストーリーが冗長になっているような感じもしたが、印象に残るシーンがたくさんある映画だった。でもやっぱりデイビット・リンチは最近作『マルホランド・ドライブ』が一番面白い。これからもわけのわからない映画を作っていってほしい。
2003.06.28
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クリスティーナ・アギレラ『LADY MARMALADE』この曲は映画『ムーラン・ルージュ!』のサントラに入っていたために耳にすることができた。よって彼女の他の曲は聴いたことがない。知識もブリトニーとタメ張ってて微妙に負けてる、という程度。しかし、この曲なかなかナイスである。おそらくカバー曲であるのだろうが、オリジナルは誰が歌っているのか知らない。このサントラにはオリジナルとリミックスの2バージョン収録されているが、私的にはリミックスのほうがツボである。なんというか、「頭悪そう」な曲なのである。曲を聴いてイメージできる絵がパツキン巨乳のオネエちゃんたちがわらわら出てくるストリップ。ポールに絡まったり、乳をゆさゆさしたりとそんなイメージしか湧いてこないアゲアゲなハウスである。しかし聴いているうちにだんだんクセになってくる。だんだん腰振りながら服を脱ぎたくなってくる。そんな恐ろしい曲である。ヘコんでるときに聴くと、ヒートアップすることうけあいである。アギレラ、恐るべし。2003/06/27 0:35:29お尻の小さな女の子。永井豪先生の代表作、「キューティーハニー」が佐藤江梨子主演で映画化されるらしい。まぁ確かに今の日本の芸能界でキューティーハニーを演れるのはサトエリでしょうか。映画化にあたっての話題は、例の変身シーンをどこまで忠実にやるかということ。ここはひとつ野田社長に折れてもらわねば。監督は「エヴァンゲリオン」の庵野秀明。共演者は村上淳に市川実日子。なんだかオシャレちっくな匂いが…。2003/06/27 0:25:14
2003.06.27
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『彼女を見ればわかること』まずは、キャメロン・ディアスに驚いた。この人ってこんなに芝居巧かったんだと。『チャーリーズ・エンジェル』や『メリーに首ったけ』などとおバカコメディの印象が強いため、この映画での盲目の女性役に観る人は少なからず驚くのではないだろうか。ここでの彼女の芝居は、ホントに目が見えていない。内容は、6人の女性が登場するオムニバス。どこか孤独を抱えている女性たちの、いたって淡々とした物語である。それぞれの話にはっきりした結末が用意されているわけではないので、日常の一部分を切り取ったかのようにリアルである。私には製作者が「人生なんてそんなにドラマチックじゃないよ」と言っているように感じられた。でも淡々とした日常から希望を見出す彼女たちの姿はすがすがしく感動的である。感動といっても号泣するような感動ではなく、なんとなくじんわりするような感動である。女性に限らず、自立していながらもどこか孤独を抱えている人たちをやさしく慰めてくれるような、そんな映画だった。安いギャラにも関わらず、グレン・クローズやホリー・ハンターといったベテラン女優が出演している。小品でありながらも、こういう良い余韻を与えてくれる映画がもっと生まれるといいなと思う。2003/06/26 2:13:14『六月の蛇』久々に劇場で見た映画。塚本晋也監督の最新作である。セックスレスの夫婦関係に不満を感じている妻が、ストーカー行為を受けることで性的に解放されていく。乱暴に要約すればそんな内容である。『鉄男』『BULLET BALLET』に続く塚本監督モノクロ作品であるが、今回はモノクロの映像が全体的に青みがかっている。そんな映像にひたすら雨が降る。驚くほどに美しい。しかし内容は性と死の匂いが濃厚で、またいたって卑俗である。妻役を演じた黒沢あすかは前々から芝居の巧い女優だと思っていた。今回のこの作品で久々の主演。そしてやっと代表作が生まれた感がある。この人、声が非常に魅力的である。微妙に空気が漏れるようなエロキューションが役にもハマっていた。彼女はこの映画で文字通りの体当たりの演技をしている。極端に短いスカートを履かされバイブレーターを入れたまま街中を歩かされたり、自慰行為を写真に撮られたりと普通の女優だったら抵抗するであろうシーンをこなしている。彼女が鬱屈とした日常から解放され、雨の中でカメラのフラッシュと共に全裸で絶叫するシーンには鳥肌が立ち、危うく涙が出そうだった。夫役を演じたコラムニストの神足裕司も頑張っていた。芝居はお世辞にも巧いとは言えないが、あの風貌がどことなく卑屈な役にハマっていた。後半、夫も官能と嫉妬の渦に巻き込まれ大変なことになるが、神足裕司は観ているこちらが驚くほど頑張っていた。この映画のラストはハッピーエンドだったのかどうかはよくわからない。言葉で表すとすれば、「ふっきれた絶望」といったところだろうか。この映画は女性が共感する官能映画であろう。女性が性をオープンにすることをタブーとした時代は終わったと思う。誰でも心の中に蛇を飼っている。そして登場人物たちの心の中の蛇たちの叫び声が聞こえてくるような映画である。塚本映画のなかで最も崇高な傑作だと思う。2003/06/26 1:48:44
2003.06.26
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『鬼教師ミセス・ティングル』『スクリーム』『ラストサマー』といったジェットコースター・ムービーの脚本家が監督した作品。予告編やビデオのジャケットから勝手にスリラーものかと思っていたら、実際は登場人物が誰も死なないブラックコメディだった。この映画や『スクリーム』シリーズを観て思うことは、この脚本家の作品は脚本にムダがない。ポンポンと話が進んでいくので、ダれることはない。この作品も時間は96分と最近の映画にしては短めだが、ストーリーはテンポよく進む。ストーリーは、優等生の高校生の女の子が主人公。彼女の担任は生徒の心を常に踏みにじる鬼教師ミセスティングル。女の子はミセスティングルにカンニングの疑いをかけられる。そのため、彼女は親友たちと教師の家に向かい抗議しようとする。そしてそこで生徒と教師のバトルが繰り広げられる。学校ものの映画というと「優しい」「理解ある」といった教師像が多いが、この映画の教師はあくまで冷徹で、生徒を目の敵にしている。その設定は面白いと思った。ただ教師の家における生徒と教師のバトルは、テンポこそいいのだがテンションが持続しない。ドキドキさせておきながらシーンが変わってしまったりと拍子抜けの感がある。ラストもイマイチ。もうちょっとひねりのある展開が欲しかった。鬼教師を演じたヘレン・ミランはさすがの迫力。こういったB級映画に大女優が出演すると、妙なリアリティがある。荒唐無稽な役を真剣に演じているから、観ているこっちも飽きないのだと思う。この映画は観る世代によって、生徒と教師のどっちに感情移入するか変わってくると思われる。今の若者に嘆いている世代の人たちは、鬼教師の言葉に少なからず共感するかもしれない。鬼教師の描写をもっと突き詰めれば、もっと面白い映画になったのではないかと思う。ちなみに日本語吹き替えで鬼教師を演じたのは、「演歌の花道」「いつみても波瀾万丈」のナレーションでおなじみの来宮良子。こちらもなかなかのハマリ役。思わずくくっとほくそえんでしまった。2003/06/25 23:35:48『マトリックス』現在、『マトリックス リローデッド』が大入りらしい。町中に看板やら広告が張られている。緑を基調にしたポスターは確かにカッコイイと思った。そんなわけで元祖『マトリックス』を観てみた。観ながら心の中で何度も「何じゃこりゃ」と思っていた。我々が現実だと思っている世界は実は仮想現実である、という設定は確かに面白いと思った。だが徐々にストーリーは破綻していく。要は何でもアリになってしまうのだ。敵のエージェントも話が進むにつれてバカみたいに強くなっていく。脚本が見切り発車で、後付けしていったような印象は拭えない。アクションの要素も多いが、近未来の話なのに繰り広げられるアクションは中途半端なカンフー。アメリカ人がやるカンフーってイマイチ迫力が無い。監督が香港のカンフー映画のファンであるらしいが、やはり本家のほうがアナログな作りでありながらも迫力はあるだろう。観たことは無いが。また監督は日本のアニメのファンでもあるらしく、『風の谷のナウシカ』に出てくる王蟲のようなキャラクターもCGで登場する。これもまたとってつけたような印象である。そしてアクションシーンなどは『ドラゴンボール』を意識しているように思えてならない。別にアニメのような実写を観たいとは思っていなかったので、かなり拍子抜けしてしまった。褒めるところがあるとすれば、例のキアヌ・リーヴスが弾丸をよけるシーン。あそこの技術はすごいと思った。ああいった映像を生み出す発想力は賞賛に値する。しかしそういった技術が盛り込まれていても、映画の感動とは結びつかない。やはりこの映画もハリウッド的であり、観た後に余韻が全くと言っていいほど無い。映画を観たと言うよりはジェットコースターにのって、何が何だかわからないまま終わったという感じに近い。やはり私は浮世離れしたSFやファンタジー映画に向いていないのだということを再認識した。2003/06/25 5:01:47オクテで悪いか。エッチ度占いなるものをやってみた。「あなたは純情と恥じらいのオクテなタイプ」だと。えっちそのものに興味はあるんだけど、恥ずかしくてなかなか実践にまで及ばないあなた。しかし、実体験はすくない割に、好奇心からいろいろ調べているので、耳年増であることが多いかも。おとなしそうな顔のしたには、意外な素顔が隠されていたりします。…当たってんじゃねえか。おすすめ体位は松葉くずしらしい。オクテだって言ってんのにいきなり松葉くずしかよ。誰か実践させろ松葉くずし。2003/06/25 1:33:14
2003.06.25
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『ザ・リング』というわけで1発目の感想日記。ホラー映画って映画を作るにあたって1番難しいジャンルなんじゃないかと思う。涙を流させたり笑わせたりするよりも、恐怖のどん底に陥れる方が数倍大変であろう。ホラー映画といっても、スプラッタ系の映画はあくまでこけおどしである。血がドバァー肉がグチャーは確かに目を覆いたくなるが、本当の恐怖ではない。私が見たいのはホラー映画は、あとあと思い出してゾクッとするような映画である。アメリカ産のホラー映画は基本的にあまり怖くない。「オーメン」「キャリー」「エクソシスト」などを今までに観てきたが、どれも映画としては優れていると思うが、怖いかと言われればさほどでもない。最近ヒットした「アザーズ」などもストーリーはよく出来ているが、ホラーとしてはイマイチだった。そこへ満を持して登場したのが『ザ・リング』であった。アメリカ人も違ったホラー映画を観たくなったのか、日本産のホラー映画のリメイク権が売れまくっている。その第1弾が中田秀夫監督の『リング』である。この『ザ・リング』を観て、日本版に忠実であることに驚いた。多少の設定の違いはあるがストーリーの運び方などはほとんど一緒である。本家の『リング』ははっきり言ってメチャ怖い。今まで観てきたホラー映画の中で3本の指に入る怖さだと思う。しかしこの『ザ・リング』はというと微妙である。アメリカ版は日本版の4倍ものバジェットが費やされているらしい。確かにCGや特殊効果は多用されているが、それは恐怖とは直結していない。やはりそれはアメリカホラー特有のこけおどしなのである。日本版のアナログではあるが、鳥肌がゾゾゾと立ってしまう演出とはほど遠い。サマラ(日本版で言う貞子)の恨みもあまり伝わってこない。やっぱり金をかければいいってもんじゃないということを実感。主演のナオミ・ワッツは良かった。なかなか器用な女優さんであると思う。個性が強くないから、役に染まりやすいのかな。今後も日本のホラーがリメイクされるが、この映画の二の舞にならぬことを祈る。2003/06/24 1:51:17
2003.06.24
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