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書籍の感想です。今回は「京は成仏びより」です。【中古】京は成仏びより / 神狛しず幽霊が視える体質の鉄也が騒動に巻き込まれる話。なわけですが、徹夜の一族「渡利家」はなかなか事情が複雑です。お祖父さんにお妾さんがいて、その息子も前妻(死別)、愛人(行方不明)、後妻とその連れ子がいる。鉄也はお祖父さんの正妻の息子の家計なのですが、息子夫婦は医師となり、僻地医療に旅立ってしまっています。鉄也は会社をリストラされ、奥さんと離婚し、伯母さんのもとへ居候しています。なんかいやに複雑な家庭事情だなと思っていたら、そこを解きほぐすのがメインのお話でした。渡利家の話はおまけだと思っていたので、この関係を解きほぐし、行方不明になった愛人とその子どものことまで面倒を見る感じなのですが、話があちらこちらに飛び交って理解するのが結構大変でした。ちょっとわかりにくいなと思いました。
2023.07.31
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書籍の感想です。今回は「本好きの下剋上 第五部 女神の化身1」です。本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身1」 [ 香月美夜 ]ついにマインちゃん、女神の化身となるのですかね。まあ、でも、フェシュピールを弾けば祝福が溢れ、奉納舞を踊れば全身の魔石に魔力が満ち、全身が光り輝く。神のご加護は40を超える神から得るなどなど。女神、聖女と言われても仕方がない活躍ぶりです(笑)当然、良い評価だけでなく、王位に興味があるのではなどと疑われ、中央から上級司書が送り込まれてきます。「善意で魔力を図書館のために使うわけがない」だから何か裏があるのではという推測ですが、確かに善意だけではありません。マインちゃんは図書館運営に関わりたいという「私利私欲」のために動いているわけですからね。でも、そんな欲はお貴族様には理解されません。はてさて今後どうなっていきますかね。そして、ヴィルフリートと婚約して落ち着いたと思っていたのですが、今回だけで二人もマインちゃんを狙う殿方がいることが判明。中級のエーレンフェストの意向などたやすく覆すことができちゃうようです。マインちゃん危うし。政治の道具になることだけは避けたいところ。このへんはジル様じゃあ不安だから、フェルディナンドに再登場してもらいたいところです。次巻もますます楽しみです。
2023.07.28
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書籍の感想です。今回は「それでも旅に出るカフェ」です。それでも旅に出るカフェ [ 近藤 史恵 ]ときどき旅に出るカフェの続編に当たります。世界各国を旅して見聞きしたお菓子をサーブすることがコンセプトのカフェ・ルーズ。そんなお店を営んでいる円と常連の瑛子のお話です。出てくるお菓子は美味しそうなものばかりで、とても楽しいです。ストーリーは重めの話や心の暗部を照らすような話もあり、やや重め。円は同性愛者ということもあり、世の中の決め付けが嫌いです。女性だからとか、才能がないからとか、そんなことはどうでも良く他人に迷惑をかけない限りは自分の好きなようにやったら良いと思っています。だからお店をお休みしてまで旅に出て、そこで知見を増やし、それをメニューに還元するという型破りなことができたのでしょう。今作ではコロナが世界を覆い尽くします。コロナが流行し、落ち着き、また蔓延し、みたいな現実世界で起きたことそのものが展開していきます。瑛子は人との関わりが小さくなり、隔絶感を味わい、円は夜営業ができなくなり、苦戦し、ネット販売やキッチンカーでの移動販売などに挑みます。なかなか旅行できない世の中というのはどれだけ息苦しいかということを感じます。たとえ、旅行に行かなくても、「行かない」のと「行けない」のは違いますもんね。後半、円は悪意にさらされ、またしても暫くお店をお休みしてキッチンカーで出掛けます。円は自分の作った料理に自信を持っています。しかしそれは円が自信家というわけではありません。彼女のレシピの多くはオリジナルではなく、それは世界各所で何十年、何百年と受け継がれた味なのです。その伝統に裏打ちされた味とそれを再現するための努力があるから「美味しいですよ。お勧めです」と自信を持って言えるのだと思います。「女性のくせに」とか「自信満々でムカつく」とか表面的に捉えてくる輩は嫌ですね。せっかく良い助っ人が加入したと思ったのに箱崎さんは別の世界に囚われていて、前に進めない状態でした。箱崎さんも自由で良いんだと気付けると良いですね。
2023.07.25
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書籍の感想です。今回は「ビール職人のレシピと推理」です。ビール職人のレシピと推理 (創元推理文庫) [ エリー・アレグザンダー ]ビール職人であるスローンの周りで起きた事件のお話です。事件としてはそこまで手の込んたものでも、大どんでん返しというわけでもありませんが、ビールの話がとても丁寧に描かれていて、読んでいて楽しいです。この小説を読むとビール飲みたくなります。私はビールそんなに好きではありません。苦いしね。しかしこの小説を読むとビールにも様々な種類があり、味も様々であることが良くわかります。カクテルみたいなイメージでしょうか。そんなワクワクするビールをスローンは創意工夫していくわけですが、夫は浮気する、お世話になった夫の両親が経営するビール工房の運営に悩む、養護施設で育ったスローンは自分の出自を調べ始めるなどなど悩みは尽きないのですが、そんなところで殺人事件が起き、パンクしそうになっちゃいます。何とか解決できて良かったです。ただ根本的には夫のことが解決しないとスローンの心は安定しないでしょう。夫は浮気したことを本当に反省しているのかな?次巻で決着すると良いのですが。
2023.07.23
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書籍の感想です。今回は「東京税関調査部、西洋あやかし担当はこちらです」です。東京税関調査部、西洋あやかし担当はこちらです。 視えない子犬との暮らし方 (アルファポリス文庫) [ 飛野猶 ]海外旅行から帰ってきてから、不運続きだった蛍。実は旅先で買った鏡にあやかしが憑いていたことが原因だったのです。憑いていたあやかしはケルベロスの赤ちゃん。まだ地獄の番犬と呼ばれるような恐ろしい姿ではなく、モフモフのワンコそのもの。情がうつった蛍はそのままケルベロスを飼うことに。ついでに税関のあやかしを担当する臨時職員として働けることになりました。ケットシー、ハギス、エンシェントドラゴン、ブラウニーセイレーンとワクワクするようなあやかしたちが出てきます。一部例外もいますが、出てくるあやかしたちはほぼ害はなく、どう共存していくかというところに焦点が置かれているところが良いところです。後半は面白いのですが、導入部は若干無理やりな感じはあります。ケルベロスが憑いた鏡を持っていると不幸続きになるというのはイマイチ納得いかないです。普通に「危ないから封印します」「でも可愛くなってきてしまったから、封印してほしくない」「じゃあ飼っても良いけど、見えるところにいて」という感じで税関て働けることになったという展開でも良かったんだけどなあ。ありきたりだけど。でも、全体的には面白かったです。
2023.07.18
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書籍の感想です。今回は「君が今夜もごはんを食べますように」です。君が今夜もごはんを食べますように (集英社オレンジ文庫) [ 山本 瑤 ]生きるとは何か、自分に向き合うとはどういうことかを教えてくれる本です。とは言っても決して堅苦しい本ではなく、読みやすい本でした。家具職人を目指す相馬は師匠の教えで茶房でも働いています。師匠曰く、良い家具を作るには人間を理解しなくてはならず、そのためには家具一辺倒ではダメだから、とのこと。師匠に弟子入りして5年。だんだん自分の作品にも自信を持てるようになってきたのに、なぜか師匠は「お前の作品は綺麗なだけ」と辛口な評価です。何が足りないのかもがき続ける相馬のお話です。相馬は母親に複雑な想いを抱えています。父親が出ていき、母親一人で育てられた相馬はいわゆる「楽しい団欒」というものを経験したことがありません。母親はスナックで働いていたため、夜働きに出て、朝方帰るといった状態だったのです。普通というものを体験できなかった恨み、頑張って働いていた母親を置いて家具職人の修行に出てしまった罪悪感などがないまぜになって、母親に連絡することすらなかなかできなかったのです。そんな中、茶房で人に料理を作ることで食べること、人と一緒に食べることの喜び、そして、テーブルやイスが果たす役割を徐々に理解していくのです。相馬には自分の作ったテーブルやイスの使われるシーンが思い浮かんでいなかったのかもしれません。茶房で一緒に働く小梅や純平、そして、恋人である沙希との別れを通じてなにかを掴んだ相馬は自分だけのテーブルとイスを作り出すのでした。なかなか面白かったです。料理を作ることと、家具職人であることが重なってくるのがとても良かった。小梅や純平の成長も良かった。
2023.07.17
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書籍の感想です。今回は「オーバーロード6 王国の漢たち下」です。オーバーロード6 王国の漢たち[下] [ 丸山 くがね ]話は5巻からの続きで王国を巻き込んだデミウルゴスの計画が進行していきます。それにしてもラナーはある意味天才だったのですね。たんなる破壊願望があるだけなのかと思っていましたが推察、洞察、考察する力が変態的に凄い。だから、メイドたちとの他愛のない会話から誰が裏切り者で、誰が信頼に足る人物が見極めてしまえるというわけです。お兄様が化け物と言った意味が良くわかります。そういう意味では今後アルベドと仲良くなっていくはずですが、アルベドもここまで賢い人間なら相手をする価値があると思ったんでしょうね。それにしてもセバスも無敵ならデミウルゴスもとんでもない強さですね。アダマンタイト級を一蹴するほどの強さですからね。シャルティアとブレインが再会し、再び死闘が繰り返されるのかと思ったのですが、シャルティアはお仕事中だったので、途中て終わりになりました。デミウルゴスの見立ては正しかったですね。血を浴び過ぎていたら、とてもこんな自制はできなかったでしょうからね。とにかくデミウルゴスの策は成功し、大量の物資を手に入れた上に罪を八本指に押し付けることができました。デミウルゴスとマーレは更に策を練っているようですね。次巻は帝国が舞台なのかな。楽しみ♪
2023.07.16
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書籍の感想です。今回は「スタッフロール」です。スタッフロール [ 深緑 野分 ]深緑野分さんの作品を読むのは2作目です。前回は「ベルリンは晴れているか」を読んだのですが、私は今回のスタッフロールの方が好きかも。面白かったです。スタッフロールというからには映画のお話なんだろうと思っていましたが、映画そのものではなく、その中の特殊造形師とその遺伝子を受け継いだCGアーティストのお話です。特殊造形のお話、さらにはCGのお話がたくさん出てくるのですが、とても面白かったです。CGアーティストがモデラーとリガー、アニメータと別れていることも初めて知りました。さて、皆さんはアナログとデジタル、どちらが好きですか?別の言い方をするとCGって好きですか?私はCGのことを悪く言いたくはないのですが、CGは長く見ていると疲れるなあとは思います。かと言ってアナログならなんでも良いわけではなく・・・どっちでも良いから楽しく騙して欲しいですね。物語は戦後間もない時期のアメリカでマチルダという特殊造形を天職として活躍するパートから始まります。マチルダは様々なスキルを手にし、小さいながらも会社を興して頑張っていたのですが、進化したCGの映像を見て衝撃を受けてしまいます。CGなんて簡素で無機質な絵しか作れないと思っていたのに、そのCGは温かみやユーモアさえ感じられ、彼女が数十年に渡って蓄積してきたものを一気に塗り替えてしまうように感じたのです。彼女は最後の作品を作り終えるとこつ然と映画業界を去ったのです。この最後の作品は伝説のキャラクターとなり、何十年経っても愛されるモンスターとなったのです。そして現代。ヴィヴはCGアニメータなのですが、そんな伝説的なキャラを産んだ映画をCGでリメイクするプロジェクトに関わることになったのです。嬉しい、怖い、不安・・・そんな様々な感情に揺れ動きながら。ヴィヴは一歩一歩前へ進んでいくのです。そして・・・いや〜面白かったです。
2023.07.13
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書籍の感想です。今回は「ソードアートオンライン26 ユナイタルリングⅤ」です。ソードアート・オンライン26 ユナイタル・リングV (電撃文庫) [ 川原 礫 ]ユナイタルリングとアンダーワールドの2面進行ですね。なのですが、ユナイタルリングの話もっといっぱいやらないかな。死んだら二度とログインできないという非常に緊張感のある舞台で工夫を凝らしながらボス級エネミーを倒していく様はまさにこの小説ならではです。楽しいです。で、アンダーワールドですが、SF過ぎちゃうのと、心意が何でもありすぎるのがなぁ。なのでユナイタルリングをもっとやって欲しいです。でもユナイタルリングとアンダーワールドがどこかで繋がっていくんだろうなあ。その辺は楽しみですね。
2023.07.08
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書籍の感想です。今回は「本を守ろうとする猫の話」です。本を守ろうとする猫の話 [ 夏川 草介 ]きっかけは猫なんですが、守ろうとするのはほぼ夏木林太郎のおかげです。祖父の死によって古書店を引き継いだ林太郎のもとにしゃべる不思議な猫が現れる。猫は本を救ってほしいと言い、ある男のもとへ林太郎を連れて行く。男は一ヶ月に100冊読むことをノルマとしていて、ある意味読み散らすという言い方が正しいでしょうか。本好きであるかのようですが、たくさん読むことが目的になっていて、自分の権威付けのために本を利用するようになってしまっていたのです。林太郎はそんな彼に「本を愛するとはどういうことか」という持論を熱く語ります。林太郎はただの半引きこもりで、勉強も普通、スポーツも普通、友だちもちらほらという平凡な高校生に過ぎません。ただ、他の人に負けないくらい本が好きで、読んだ本を大切にしています。彼はそんな思いを吐露しただけなのですが、たくさん読むことを信条としていた男の心を強く揺さぶったのでした。こうして男に縛られてしまっていた本を解放することに成功した林太郎は第2、第3の迷宮でも本を解放するのです。それは本が好きな人にしかできないことだったと思います。すべての迷宮は現代の人々の抱える問題とも言えます。たくさん読む人がもてはやされる、時間がないから要約本が売れる、良い本ではなく売れる本を売る・・・私も本好きの端くれ。どの理論も納得いかないわけですがさりとてどう説得すれば良いか難しい。彼らの理論にはある一面真実を含んでいるからです。ですが、林太郎は「本が好き」という感覚をとても大切にすることで、彼らの心を呼び覚ますことができたのでした。最終話で本の化身たる存在が自身の扱いに倦み疲れ、林太郎からヒントを得るために登場します。2000年近く前から存在している本って聖書のことですかね?そんな叫びにも林太郎は己の魂から言葉を紡ぎ出すのでした。本の力、良い言葉ですね。私も本には力があると思います。電子書籍より紙の本が好きです。同じ本を何度も読み返すようなことはしてないですが。はてさて、林太郎は本を救ったわけですが、それだけではなかったようです。保護者だった祖父が亡くなり、無気力になっていた林太郎がこの冒険を通して、改めて本が好きであり、それで十分なのだと気付くことができたのです。とても良い本でした。
2023.07.06
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書籍の感想です。今回は「迷犬マジック2」です。迷犬マジック2 (双葉文庫) [ 山本甲士 ]マジックが帰ってきました。可愛くて、大人しくて、ちょっぴり不思議なマジックです。人生に迷っている人のもとにふらっと訪れて、優しく良い方向に導いてくれます。お父さんが亡くなっていて、新しいお父さんができそうな小学生。いつもイライラしていて喧嘩したりで損をしている若者。定年を過ぎて、2泊3日の徒歩旅行にチャレンジしたおじさん感じそして娘、そして孫までも亡くし、気力を失いかけているおばあさん。それぞれ抱えている事情はそれぞれですが、犬が、マジックが間に入ることで、関係性を改善することができたりするのです。そりゃ本当に心から嫌いなら無理でしょうが、何となく素直になれず、きっかけを探しているような人にはマジックがいることで話題ができ、話すことで、相手のことが良く理解できたりするわけですね。さらにマジックを朝晩散歩に連れて行くことで、規則正しい生活ができ、適度な運動ができることで、良く眠れて、穏やかな心持ちになったりとマジックの魔法は留まることを知りません。最初は面倒だと思っていた人も次第にずっとマジックといたいと思うようになるのですが、マジックはもう大丈夫だと判断すると別の人のところに行ってしまいます。寂しいけど、もうお前は一人で大丈夫、ということなのでしょうね。マジック、かわいい。うちにも来ないかな。
2023.07.02
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