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書籍の感想です。今回は「お迎えに上がりました。国土交通省国土政策局幽冥推進課4」です。お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課 4 (集英社文庫(日本)) [ 竹林 七草 ]カバーの夕霞は微妙に髪の毛がうねってて面白いですね。幽冥推進課唯一の人間職員のはずなのにメデューサみたいになってます(笑)そんな夕霞ですが今回も大活躍です。登記上の土地所有者が亡くなっていて、地権者が誰か分からない土地は実際かなりの数あるようで、用地の有効活用の妨げになっています。何しろ国が買い取ろうにも、誰と交渉して良いかすら分からないのです。さらに時間が経てば、元の地権者の子どもの子ども、さらにその子どもと関係者が増えていってしまうのです。土地のポジション的にはベストでも、地権者との調整という意味ではものすごく困った土地だったのですが、地縛霊に頼んで、代々の権利者を教えてもらうという裏技で見事問題解消です。ですが、そんな事ができたのも、彼女が真っ直ぐに地縛霊の方の未練に向き合ったから。彼女の頼みだからこそ、動いてくれたのだと思います。そんな幽冥推進課に部署廃止の危機が・・・頑張れ!辻神。そして夕霞。
2023.06.30
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書籍の感想です。今回は「ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介」です。ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介 [ 川瀬 七緒 ]面白かったです。桐ヶ谷京介の本職は服飾ブローカー。才能はあるけど、販路がなくて廃業しそうな職人を掘り出し、その腕を正当に評価してくれる人とを繋ぐお仕事です。この本の中でも言われるのですが、私も「ブローカー」という言葉に胡散臭さを感じます。ですが、桐ヶ谷自身の本物を見抜く力がなければ繋ぐことなんてできない。本物のブローカーはすごいですね。さてそんな桐ヶ谷がテレビの公開捜査で10年犯人が見つかっていない事件を知ります、さらに被害者の身元も名前すら判明していないとのこと。桐ヶ谷にはもう一つ才能があって福からその人の人となり、癖、健康状態、さらには精神状態まで見抜いてしまうというものです。インチキとかではなく、服の引攣れや擦れ、バランスの崩れ具合などを抜群の観察眼で言い当ててしまうのです。当初、まったく相手にしなかった警察も、彼が服飾から得たという情報が次第に有益であると認めざるを得なくなっていくのです。この辺の警察の杓子定規な感じが徐々に崩れていくさまはなかなか面白いですね。服飾の話も説明調になり過ぎずにうまく時代背景も含めて語ってくれて、楽しいです。服飾屋、仕立屋の見立ては当然、科捜研にはない視点で、最後は警察と協力して事件を解決に導きます。面白かったなあ。続編出ないかなあ。
2023.06.27
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書籍の感想です。今回は「吼えろ道真 大宰府の詩」です。吼えろ道真 大宰府の詩 (集英社文庫(日本) 泣くな道真 大宰府の詩) [ 澤田 瞳子 ]泣くな道真の続編となります。大宰府に左遷の憂き目にあった道真に「泣くな」というタイトルは想像がつくわけですが、今回の「吼えろ」というのは果たして何に吼えるのか。と思ったのですが、そこまで朝廷に噛み付いたり、大宰府に吠え立てたりしているわけではありません。むしろ、「人はどう生きるべきか」みたいなお話かなと思いました。例えば大宰府ナンバー2の小野葛根という人がいるのですが彼はお世話になったナンバー1の叔父のためにイロイロ尽力しようとします。それが大宰府のためでもあると思ったからです。しかし厳密にはその両者は違う。そしてそれを見透かされた対応をされ、初めて自分が間違っているのではないかと感じ始めるのでした。道真は道真で自身の不幸を嘆くような詩を書き散らしながら、実際には、したたかに大宰府に根を下ろして生きていくのです。与えられた場所で精一杯生きていくしかありません。その中でいかに楽しみを見つけるか、この本はそんな道真を描いている気がします。
2023.06.25
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書籍の感想です。今回は「十年屋 5 ひまな時もございます」です。十年屋 5 ひまな時もございます [ 廣嶋 玲子 ]今回の十年屋は十年魔法をほとんど使いません。お客様は来るのですが、結局なんやかんやで預けない事が続きます。腕が震えなくてちょっと残念そうな魔法使いさんです。イロイロな話があるのですが、私は「おもちゃの旅立ち」という話が好きです。ピノは最初は自分勝手な理由で一番好きなぬいぐるみを十年屋に預けるつもりでした。でも、でも、大好きなぬいぐるみ、一番の親友を預けることなんてできるでしょうか?やっぱりできないと決断したピノは預けない決断をします。なのですが、なんと一時的に預かったカラシがこの黒いぬいぐるみを心底好きになってしまっていたのです。一番好きなぬいぐるみ。でももう大きくなった自分は後どのくらい構ってあげられるだろう?そう思った時、ピノは最も良い選択が何であるか気付いてしまったのです・・・十年魔法は使わなかったですが、みんなみんな幸せになったから良かったですね。
2023.06.18
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書籍の感想です。今回は「幸せの条件」です。【中古】 幸せの条件/中央公論新社/誉田哲也 / 誉田 哲也 / 中央公論新社 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】仕事をなんとなく、でこなしてきた梢恵は仕事ができない子で、伝票整理などをやらされていいました。そんな自分を雇い続けてくれる会社に感謝しつつも、仕事がつまらなくて仕方がありません。そんな中、社長がバイオエタノールを精製する装置を発明したということで、梢恵は長野の農家にバイオエタノール用の米を作付けしてもらえるよう交渉する仕事を言いつけられます。そもそも仕事に熱意を持っていない梢恵はいやいや長野に出張するのですが、当然農業のことも知らず、バイオエタノールのことも知らないまま、交渉に当たったために上手く行くはずもない。社長からは契約取れるまで戻ってくるなと言われてしまい、困り果てた梢恵ですが、いくつかの偶然も重なり、ある農家のもとで勉強を兼ねて、手伝うこととなったのです。そんな梢恵と農家の暮らしを描いた作品です。当初梢恵はいやいやだったし、やる気を出そうにも右も左も分からないので手伝うこともできない。ほとんど見て過ごすだけになるのですが、それでも農家が自然を愛し、自然とともに生きていることを痛感します。そして次第に自分も手伝いたい、そういう生活を送ってみたいと思うようになるのです。この小説は2012年の作品ということもありますが、東北の大震災の事が出てきます。梢恵は震災に対して何かできないか考えます。それはわずかなきっかけだったかもしれません。しかし、彼女の価値観を大きく変え、前向きさ、ひたむきさを手に入れるのです。梢恵は長野では自分が必要とされているからと考えますが社長は「本当の意味で自分に必要なのは何か」を見つけたから、と説明してくれます。東京には色々な物があります。たくさん、たくさん。でも、だからと言ってたくさんある=幸せというわけではないのです。例え、物は少ししかなくても、自分にとって必要な物がある場所こそ幸せを感じられる場所なのでしょう。それは梢恵は見つけた。ということですね。ステキ。それと合間合間に農業の問題点、大変さ、そして素晴らしさが盛り込まれています。ページ数多いですが、とても楽しく読めました。
2023.06.17
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書籍の感想です。今回は「オーバーロード5 王国の漢たち 上」です。オーバーロード5 王国の漢たち [上] [ 丸山 くがね ]シャルティア、コキュートスときて、今回はセバスですね。アニメだとこの辺からだんだんごちゃごちゃしてくる印象です。登場人物も増えてきて、話も複雑になってきて、映像で一回見ただけではなかなか理解も難しいところ。なので、小説読んでちゃんと理解したいですね。今回はアライメントが善にかなり寄っているセバスがつい奴隷であった人間を救ったことで裏組織八本指に粉かけられるという感じですね。セバスもクライムもそしてブレインも分かりやすいのですが、ラナーが難しいですね。見た目、そして、表面上の行動は善そのものなのですが、偽善感も相当です。ややメタボ感のある兄の方が見た目は悪のやられ役風なのですが、どっちが性悪なのか・・・ラナーが何を目論んでいるのかがよく分からなかったので、その辺が今後明らかになっていくことに期待ですね。
2023.06.13
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書籍の感想です。今回は「カフェ飯男子とそば屋の後継ぎ」です。カフェ飯男子とそば屋の後継ぎ~崖っぷち無職、最高の天ざるに出会う。~ (スターツ出版文庫) [ 喜咲冬子 ]タイトルからカフェかそば屋か、とにかく食べ物屋のお仕事小説かと思っていたのですが、ちょっと違いました。自分のカフェをオープンすることを目指していた武士はオープン直前に共同経営者のはずだった先輩にお金を持ち逃げされてしまう。失意の中、自殺しようとしていたところを天ぷらそばに心を奪われてしまいます。というわけで、そのそば屋で働くこととなるわけで、そのそば屋で新たなやり甲斐、生き甲斐を見出していくのかなと思ったんですけどね。話はどんどん不思議系になっていき、幽霊のお腹を満たすために頑張るみたいな話になっていきます。とはいえ、武士も一度は死のうとした身。武士はたまたま死ぬ直前に美味しい食べ物に出会い、留まる事ができましたが、幽霊になってしまった彼ら、彼女らのお腹を満たすことで、武士は自分を見つめ直すようになります。振り返ることもできなかったカフェへの思いも友だちに話すことができ、前に向いて進む力を得たのです。まあまあ面白かったです。
2023.06.11
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書籍の感想です。今回は「泣くな道真 大宰府の詩」です。泣くな道真 大宰府の詩 (集英社文庫) [ 澤田瞳子 ]菅原道真。とっても頭の良い人で栄達をほしいままにしていたのにある時、大宰府に左遷される。そしてそこで悲憤に暮れながら生涯を閉じる。私が知っている菅原道真像はこんな感じです。大宰府天満宮で学問の神様として祀られていますね。さてこのお話は左遷されてきた道真をぐうたら官吏である穂積と女性ながら歌人として名を馳せた恬子などを通して描かれています。悲憤に暮れていた道真の再生物語なわけですが、そうは簡単に事は進みません。大宰府の方が唐物が手に入りやすいと分かり、自身の鑑定の才能を活かすことができると分かってやる気を出したのも束の間、自分が今まで見ていた民の暮らしぶりが、表面的なものに過ぎなかったことを知ります。さらに続けざまに事故で愛息が亡くなってしまいます。憔悴ぶりは更に激しくなるのですが、ぐうたらで名を馳せていた穂積の一言で再度立ち上がることを決意するのです。変わったのは道真だけではなく、穂積も変わり、そして恬子も新たな道を選ぶのです。なかなか面白かったです。
2023.06.10
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書籍の感想です。今回は「思い出のとき修理します」です。思い出のとき修理します (集英社文庫) [ 谷瑞恵 ]タイトルから不思議系の話だと思っていました。ですが、そうではなく、過去の思い出を辿ることで過去の傷ついた人々を癒やしていく話になっています。実際のところ、鄙びた商店街の時計屋に掲げられた看板が「思い出の時 修理します」と書いてあるのですが、時計の「計」の字が取れてしまったためにこんな味わいのある看板になってしまったわけです。味わいがあるだけに先代も、今の店主も、そのままあえて直さずにしています。直せるのは時計たげなのですが、思い出や時そのものも直せることを願っていたのでしょうか。主人公の明里も、現在の時計屋の店主も過去に消化できていない思い出を抱えているのですが、それを抱えたまま様々なお客様(正確には時計屋のお客様ではない場合が多いですが)の思い出を解きほぐしていきます。
2023.06.06
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書籍の感想です。今回は「後宮の烏6」です。後宮の烏 6 (集英社オレンジ文庫) [ 白川 紺子 ]前巻で烏の枷を外すことに成功しました。烏妃は烏を閉じ込めておくための枷であり、更に烏妃は後宮を出ると死ぬ呪いがかかっています。それを解いたことで寿春は後宮を出ることができるようになり、烏が失った半身を取り戻せれば烏は寿春の体から出ていけるようです。利害が一致したことで高峻、寿春らは半身があると思われる島に先遣隊を送ります。そこでは俄に海底火山が噴火の兆しを見せるなど怪しい状況です。一方、寿春は前王室の一族であることが露見してしまいました。前王室の一族は見つけ次第誅殺という法律はぎりぎり廃案にしていたため、即刻死罪というのは避けられたものの、危うい状況です。いつ、誰の政治の道具にされるやもしれず、高峻の苦悩は続きそうですね。次巻の舞台は政治の話として北辺山脈、烏の力を取り戻せるかという話として界島が中心になりそうです。ますます楽しくなって来ましたね。
2023.06.01
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