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書籍の感想です。今回は「紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪」です。紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) [ 歌田 年 ]紙鑑定士というタイトルなのですが、紙の鑑定士としての能力が役に立って事件が解決、という部分は少しだけです。主に探偵のような地道な調査と少しの推理、そして様々なオタクとも言える才能を持った友人たちの力を借りて事件は解決していきます。一話目は原型師の方の力を借りて、再現バストアップ像を作ることで事件は大きく動きます。2話目は同じ原型師の方なのですが、色味がポイントとなります。色味がおかしい原因は紙にあり、それを見つけるところはちょっと面白かったです。3話目はコスプレがポイントになります。当然紙鑑定士さんにコスプレに関する知見はないのでまたも友人たちの力を借ります。このネットワークこそ、彼の才能なのだと思います。こちらも最後に紙に関する知識が出てきますが、そこはメインではなく、丹念な聞き取りがあってこその解決ですねーもっと紙そのものが事件解決のカギになっていると面白いんですけどね。今はもらう名刺の紙質を類推するとか、そんなところにしか主に才能が発揮されてないからなあ。
2023.11.28
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書籍の感想です。今回は「華国神記 妖霧に惑いし者」です。華国神記 妖霧に惑いし者【電子書籍】[ 九条菜月 ]華国神記の2巻です。真名を取り戻す鍵が鄭家にあるということで居候中の春蘭ですが、今回もほぼ進展なし。イロイロ伏線張っているところなのかもしれませんが、一巻かけて、真名を盗んだ悪党の玄楽が周囲から好人物だと評価されているということ。弟である仲望の反応がずっと微妙だったので、彼の口からは批判的な話が聞けるかと思ったのですが、彼からも「理由もなくそんな悪いことをする人ではない」と言われる始末。うーん、ちょっと展開遅い気がしますね・・・今回の妖は今後の展開に関係あるのかな?いやーないだろうなあ。猩々緋は玄楽に関係あるのかもしれませんが。皇帝は有能だけど、冷酷な方ですが、そのうち絡んでくるのかなあ。
2023.11.25
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書籍の感想です。今回は「デルフィニア戦記 第三部 動乱の序章3」です。デルフィニア戦記(第3部 〔3〕) 動乱の序章 3 (中公文庫) [ 茅田砂胡 ]私が読んでいる本はだいたい図書館で借りているのですがこの「デルフィニア戦記」、続きが楽しみで仕方がありません。前巻でウォルが囚われの身となってしまったわけで、今回はウォルを取り戻す話です。ウォルを材料にタウの割譲を求めてくるタンガ、パラスト連合。タンガとパラストが手を組むなど未来永劫あり得ないと思っていたのですが、やはりパラストの方が一枚上手です。そんな奴らを相手にするのはブルグスです。パラスト方面はバルロが押さえ、タンガ方面はロザモンドが守ります。婚約者の二人が東西の要所を押さえるというのはちょっとアツいですねー想い合っている二人です。離れたくもないでしょうし、相手を戦地に向かわせたくはありません。それでも、ウォルを救い出すまでは攻めることはできないものの、何としても守りきらないといけません。実効支配されてしまえば手も足も出なくなってしまうからです。そんな彼らの頑張りを他所にリィは行方知れずです。公式にはウォルが捕縛されたことで臥せっていることになっていますが、そんな訳はないですよねーという訳で一番良いところでリィ登場。結果的に丸く収まる訳ですが、そんな中、リィの故郷に関する話がちらほら出てきます。もっともっと謎のままでも良かったかなー。グイン・サーガでもグインみたいな感じ。敵の魔道士に偽の光景を見せられ、郷愁に駆られるリィ。そのせいで体調を悪くしてしまうリィ。それを心配したウォルはある決断をします。しかし、リィにとっては決して許されるような所業ではありません。そんな怒りに駆られたリィとウォルが対峙したところでこの巻は終わります。むむ〜。どうなっちゃうのやら。
2023.11.23
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書籍の感想です。今回は「デルフィニア戦記 第三部 動乱の序章2」です。デルフィニア戦記 第III部 動乱の序章2【電子書籍】[ 茅田砂胡 ]タンガにだけタウの真実を伝えて、タウだけを叩くはずだったが、なぜかパラストにも秘密は漏れていました。思わぬ両面作戦を余儀なくされたデルフィニアです。さて、そんな話が始まる前にポーラという素朴な女性が登場します。ウォルの後継者を得るためには側室が不可欠なわけですが、ウォルはのらりくらりと相手をすることを信条としているのかのめり込むことも、打算で付き合うこともない。そんな中、ポーラと一緒に過ごした数日はウォルにとってとても居心地の良い空間だった事でしょう。ただ、それは片田舎の城でこそ輝く類のものです。ウォルも良い娘だと思いつつも、首都コーラルに連れてくることには否定的です。さて、彼女はどうなっちゃうのかな。このまま終わりというのはあまりにもったいないよなあ。さて、タンガとパラストとの両面作戦となったことで、ウォルはパラスト方面に出征します。そこで裏切りにあってウォルは敵に捕まってしまいます。大ピンチです。果たしてどうするデルフィニア、どうなるデルフィニア。
2023.11.22
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書籍の感想です。今回は「迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国」です。【中古】 迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国 ビーズログ文庫/高里椎奈(著者),THORES柴本そもそもどこから来たかも忘れてしまった、そもそも自分が誰かも分からなくなってしまった迷子。迷子の「迷」からだと思うのですが、メイという名前で呼ばれるようになります。その彷徨いこんでしまったお店はアクセサリー店です。ですが、ただのアクセサリー店ではありません。お客様の意思によりお客様の世界観の世界と一時的に繋がるお店です。店主のシオンはお客様が来るたびにその気持ち第一に考えて希望のアクセサリーを考えていきます。逆に言うとメイは自分の国を何らかの理由で捨ててしまったために、元の国との繋がりを無くしてしまっているために道が存在しないわけです。そんなメイはある意味自分探しをしていくわけですが、タイトルのもう一人の「迷子」とは誰のことなのでしょう。まあ、登場人物も少ないので選択肢はほとんどないわけですが、シオンの思いとかをメイは知ることになります。そして、メイは自分の国には帰れないものの、自分の主義主張と合致する世界を見つけたにも関わらず、ある選択をすることになります。まあまあかな。世界観とお店の描写はとても素敵です。
2023.11.19
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書籍の感想です。今回は「病は気から、死は薬から 薬剤師・毒島花織の名推理」です。病は気から、死は薬から 薬剤師・毒島花織の名推理 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) [ 塔山 郁 ]今回も花織さん大活躍なわけですが、新キャラ登場です。花織さんの昔の同僚、宇月です。今回は漢方医学に関わる事件(トラブル)が多く、漢方医学に詳しい薬剤師として宇月が登場しました。花織さんは優秀で博識な方ですが、かと言って何でも知っているとしてしまうのは無理があります。そういう意味ではそこを宇月で補うのは良いですね。彼が漢方医学を勉強して詳しくなった経緯も書かれていて、単に薬剤師だから、ではないところも納得です。ただ、宇月はちょっとだけウザいカモ。漢方医学の話になると殊更詳しく歴史から説明して来るので、若干面倒な方です。花織さんもずっと一緒にいると疲れると言っていますが、そんな感じなんですかね。ただ、困っている人がいると放っておけない、人助けが趣味みたいな人なので根は良い人です。宇月も大活躍。今後も出てきて、爽太をやきもきさせるのかなと思ったのですが、宇月も花織さんもお互いそんな感情はなく、さらに宇月は人助けも兼ねて南の島に旅立っていきます。それにしても、サプリメントって難しいですね。薬ほど明確な効用が確約されているわけではない。でも全く効果がないと言い切るのは行き過ぎなわけでそんなグレーゾーンだから怪しいサプリメントが入り込む隙間があるようにも感じますし、そんな隙間があるから薬ほど構えずに利用できるとも言えます。「この世に薬というものはない。全ては毒であり、それを薬とするのは量の問題だ」という大錬金術師、パラケルススの言葉も含蓄ありますね。
2023.11.15
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書籍の感想です。今回は「浜村渚の計算ノート 10さつめ ラ・ラ・ラ・ラマヌジャン」です。浜村渚の計算ノート 10さつめ ラ・ラ・ラ・ラマヌジャン (講談社文庫) [ 青柳 碧人 ]久々の渚ちゃんシリーズの新作です。もう出ないと思っていたのですが、実に四年ぶりだそうです。数学の話、面白かった。ベクトルの話とラマヌジャンの話が特に。ベクトルは高校の数学でやった気がするけどイマイチよく分からないまま終わりました。この本を読んでもベクトルのことが分かるわけではないのですが、「ベクトルとは不思議世界からのおみやげ」という渚ちゃんの回答はとても面白かったです。そしてラマヌジャン。正直なんとなく名前聞いたことあるというくらいで、全然知らない方なのですが、不思議な、どうやって導き出したのか分からない数式を4000個も世に出した人なんだそうです。証明できていない、数式の生成過程も分からない、そんな数式は無視されかねないわけですが、ハーディという数学者に見い出されて、数式は証明されていくのです。いきなり正解に辿り着くラマヌジャンはまさに天才だという事でしょうが、天才も一人では天才にはなれないということだと思います。天才の成果物を本物だと評価してくれる人がいて始めて輝くことかできるのですね。そういう意味ではラマヌジャンはハーディと出会えたことは幸運だったのでしょうねーちなみにこれからは4桁の数値と言われたら、1729(タクシー数)か6174(カプレカー定数)を思い浮かべることにします。
2023.11.12
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書籍の感想です。今回は「三河雑兵心得3 足軽小頭仁義」です。三河雑兵心得(3) 足軽小頭仁義 (双葉文庫) [ 井原忠政 ]足軽10人をまとめる立場である足軽小頭となった茂兵衛。昇進です。足軽小頭となれば侍です。茂兵衛、やったね。まだ馬には乗れないので、徒侍です。昇進は喜ばしいですが、姉川の戦いの後の徳川家と言えば武田信玄です。私は武田信玄は好きな武将の一人なのですが、徳川側から見ると、あまり良いイメージではないですね。残忍、狡猾、嘘つき。まあ、知略を尽くし、計略を巡らせれば相手側からすれば「ずるい、油断ならない」という印象になるのは仕方のない部分ですね。今となっては武田信玄が本当にずる賢いだけの男だったのかはわかりませんが、武田信玄が遠江に攻め入ったこと、三方ヶ原の戦いにて家康軍は大敗を喫したことは事実のようですね。そんな負け戦の中、茂兵衛は何とか生き延びます。配下の足軽も見捨てません。この時代、内臓に重傷を負ってしまっては手の施しようがありません。つまりいずれ死ぬ。敵地の真っ只中から逃げる時にそんな重症者を背負って逃げる茂兵衛。仲間からはもう助からないのだから置いていけと言われるが、ウンとは言いません。死んでない以上連れ帰る、それが兵を預かるということだと言い切ったのです。茂兵衛を甘ちゃんだと思った仲間もいたと思いますが、でも、足軽たちは嬉しかったでしょうね。結果的に部下たちが付いて行こうと思える上司になっていっているのかなと思います。ラスト、ついに騎乗する立場になった茂兵衛。足軽大将の補佐みたいな立場ですね。そして優勢であった武田信玄が撤退します。病には勝てなかったということですかね。そうであればもっと早く動くべきだったわけですが、北に上杉謙信、東に北条と敵に囲まれていて地の利がないため、なかなか動けなかったのかな。家康が生き延びたのは運の要素もあったのかな。
2023.11.09
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書籍の感想です。今回は「後宮の烏7」です。後宮の烏 7 (集英社オレンジ文庫) [ 白川 紺子 ]後宮の烏シリーズの最終巻です。前巻まででまだまだ前途多難だと思っていたので、7巻で最終巻!?と思ったのですが、見事にまとまっていました。メインは烏が半身を取り戻すことができるか、という話なのですが、もう一つメインとも言えるのが、サナメ家の話です。家長である父親はイロイロ画策をし、それに長男、次男、三男、そして末子の妹が囚われ、振り回され、人生を揺り動かされます。家長の言うことは絶対だと思い、何も考えずに従い、成長するにつれ、父親の言葉に疑問を感じつつも従うしか生き方を知らない彼らが、彼らなりのやり方で呪縛を解いていく様が描かれていきます。しかもこの4人の生き方が寿雪に密接に関わっていて次男の亘は反乱の火付け役を命じられてしまいます。反乱は前王朝の遺児である寿雪を担ぎ上げる形で発生すれば失敗したとしても寿雪を処罰せざるを得ないわけです。亘は無駄で、無意味だと頭では理解しているのですが、ヤケ気味に行動してしまいます。そんな彼を救ったのは・・・良いですね。ラストも良かったです。寿雪は幸せになれたってことですね。多くは語られていませんが、高俊とともに幸せになれたのだと思います。
2023.11.07
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書籍の感想です。今回は「デルフィニア戦記 第三部 動乱の序章1」です。デルフィニア戦記(第3部 〔1〕) 動乱の序章 1 (中公文庫) [ 茅田砂胡 ]第三部となっていますが、話は二部のタンガとの戦闘がまだ続いています。敵の大将を捕縛したことで、劣勢を跳ね返したわけですが、国王自ら指揮をとることでそれ以上の進撃を許しません。もうひと押しダメージを与えた上で、和睦に持ち込みます。条件はタウの割譲です。タウはデルフィニア、パラスト、タンガ三国にかかるように存在していますが、山がちで価値がない上に面倒な山賊が住み着いていることで、半ば放置されている土地です。そんな土地の割譲で良ければとタンガは和睦に応じます。ウォルには打算はなく、単にタウの人々が親デルフィニアになってくれたことに報いたいと思ったに過ぎません。しかし、タウは実は宝の山だったのです。それが露見したら、タンガもパラストも攻めてくるのは間違いありません。両方同時に相手するのは大変なので、タンガだけに知らせて、パラストにはできる限り遅らせたい。次巻でそんな作戦が展開するようです。楽しみ。一方、コーラル城内ではウォルが妃を娶ったからでしょうか、お相手探しが加速します。この辺はかなり丁寧に描かれています。バルロの婚約者であるロザモンドは男装をして、髪も短く切り、バルロとの結婚を頑なに拒否します。それには隠された、誰にも言えない理由があり、バルロはその理由でロザモンドが苦悩していることを知っているだけに何とか救いたいと何度拒否されてもロザモンドのもとに通うのでした。さらにナシアスはナシアスで病に侵された女性と結婚するのですが、結婚後わずか1ヶ月でその女性は亡くなります。その女性の最期の願いを叶えたわけですが、ナシアスは今でもその女性に囚われてしまっているかのようです。ラティーナはナシアスの救いになるのでしょうか。などなど。いやー、面白かったです。次巻も楽しみです。
2023.11.05
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書籍の感想です。今回は「デルフィニア戦記 第二部 異郷の煌姫3」です。デルフィニア戦記(第2部 〔3〕) 異郷の煌姫 3 (中公文庫) [ 茅田砂胡 ]ついにタンガが突っかかってきました。ますは穏便に(?)リィを王子の妃に欲しいと言ってきました。普通の姫であれば一国の王子、次期国王に嫁ぐことはまことにめでたいわけですが、リィの本性を知っているウォルは絶対に承知できないと頭を悩ませる。下手な理由で断れば戦いの口実を与えるようなものだからです。悩みに悩み、魔法街のおばばにまでアドバイスを求め、リィにはウォルという先約があるという事で断ることに。しかし式の前日、ウォルはリィの本質の一端をみることになります。それは原初の恐怖を感じるものでした。リィもそれをカミングアウトすることに相当悩んだのだと思いますが、敵の襲撃もあり、見せざるを得ないこととなってしまいました。さらに式当日にタンガが宣戦布告と越境しての攻撃を開始したのです。まさに式のために緩んでいたところを狙われたわけです。式を延期し、駆けつけることを決意する二人。果たして二人の仲はどうなってしまうのか?なんて書いていますが、ウォルは恐怖を感じつつも、リィへの信頼が勝り、結婚というか、同盟者として命ある限りともに戦うことを誓い合うのでした。ある意味、雨降って地固まる、なのかな。違うかな。
2023.11.03
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書籍の感想です。今回は「オーバーロード10 謀略の統治者」です。オーバーロード10 謀略の統治者 [ 丸山 くがね ]もうこの辺はアニメでは何が何やら分からなかったあたりですね。武王と闘技場で戦ったのは分かったのですが、なぜ武王と戦う必要があったのか、居合わせたジルクニフの目的はなんだろう、など分からないことだらけだったのですが、まあまあ納得です。アインズの適当な行動が疑心暗鬼を生み、新たなうねりを発生させ、帝国はにっちもさっちもいかない状況に追い込まれてしまうのです。それにしても、アインズの冒険者を「真の冒険」をさせる職業にするというアイデアはなかなか良いですね。冒険者という何にも縛られない職を選んだからには誰しも未知の土地や世界に憧れているはずです。しかし現実は甘くない。自分はそこまで強くないし、魔物は強い。依頼でもない「未知」を追い求めても食い扶持を稼ぐことはできず、結局は近隣のモンスター討伐で日銭を稼ぐことになる。そんな時に未知を開拓することを推奨し、強力な力でサポートすると言われたら・・・元冒険者で今は冒険者組合の組合長が年甲斐もなく自分も旅に出たいと思うのも道理だと思います。それこそ、冒険者のやりたかったことなのですから。で、次にドワーフの国に行ったのも納得ですね。冒険者の支援のために武器や防具を支給しようとした場合、ナザリックの武器防具は強力過ぎて世界を壊してしまうかもしれません。また自分たちの脅威になっても困ります。なので安定した武器防具を入手する意味でもドワーフを参加に入れることはこの作戦の重要な意味を持つのだと思います。
2023.11.01
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