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2018.04.26
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カテゴリ: アート
図書館で『竜宮城と七夕さま』という本を、手にしたのです。
JAL機内誌『スカイワード』人気連載を単行本化した第四弾とのこと・・・
なんか、このシリーズ本は何冊か読んだ覚えがあるのです。
(帰って調べてみると、このシリーズの全冊(4冊)を読んでいました)





浅田次郎著、小学館、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
100万ドルに値する体験をした!“浦島太郎が食べたご馳走と、滅多に会えない織姫と彦星の恋の行方に想いを馳せる”表題作ほか、爆笑と感動と法悦の極上エッセイ集。JAL機内誌『SKYWARD』人気連載エッセイ「つばさよつばさ」単行本化。

<大使寸評>
JAL機内誌『スカイワード』人気連載を単行本化した第四弾とのこと・・・
なんか、このシリーズ本は何冊か読んだ覚えがあるのです。

rakuten 竜宮城と七夕さま


漢字は大使のツボでもあるわけで、そのあたりが載っているところを、見てみましょう。(パソコンが受け付けない簡体字を〇で表記します)
p206~208
■〇と〇
 前項で小説家泣かせの難漢字について書いたが、よく考えてみれば、きょうび手書き原稿の作家は数えるほどであり、ましてや一般読者が「欝」だの「タテガミ」だのという字を書く機会は、まずないだろう。 

 とんだ愚痴をこぼしてしまったと、反省しきりである。
 そこで今回は、難しい漢字ではなくて、簡単すぎて意味のわからない漢字について書こうと思う。すなわち、いかな漢字博士であろうと困惑する。中国の「簡体字」についてである。

 ご存知の通り、台湾や香港では私たちとほぼ同じ「繁体字」と呼ばれる漢字が使用されているが、中国本土では1950年代に創始された「簡体字」によって、書物や街なかの看板が表記されている。つまり、台北では「漢字」だが、北京では「〇字」と書く。

 20年ほど前に、意気揚々と近代中国を舞台にした小説を書き始めたはよいものの、私を待ち受けていたのはこの簡体字という障害物であった。
 中国の新しい資料が読みこなせないのである。現地取材に出ても、まるでクイズの迷宮を歩いているようなていたらくであった。

 実は中国語をきちんと学習していない。中学生のときの漢文の授業を入口にして、あれやこれやと中国の文学や歴史に親しんできたのだが、いざ物語を書く段になって、目の前に「簡体字」という思いがけぬ地雷原が拡がったのである。

 ついでに意外な告白をすると、私はシリーズ第1部の『蒼穹の昴』を書きおえるまで、中国に行ったためしがなく、中国版簡体字の資料はただの1冊も持たなかった。
 しかるにその小説が望外に売れたので、版元がご褒美と次回作の取材を兼ねて、北京に連れて行って下さったのである。

 空港に降り立ったとたん、私の目は簡体字がまるで解読できず、併記された英語を頼っていた。こんな現実も知らずに、よくもまあ小説など書いたものだという恐怖心で、足がすくんでしまった。

 本稿の表題には、あえてルビを振っていない。「〇と〇」。どうにも記号にしか見えないが、これらはれっきとした漢字である。
 正解は「〇」が「習」。「〇」が「豊」。前者が繁体字の一部分を使用したということはわかるが、後者はどのようなルールに則ってそうなったか不明である。

 常用漢字の多くが簡体字化されているので、その数は夥しく、マスターする方法といえば、丸暗記をするか体で覚えるほかはないであろう。そこで、そもそも勉強の苦手な私は、これらを楽しいクイズだと思うことにした。

 おそらく、日ごろからあまり漢字に興味がなく、はなから記号的な認識をしている人は簡体字の覚えも早いであろう。しかし、読み書きの好きな人ほど混乱するはずである。そうした向きは、クイズだと思うほうがよい。

 「〇」のような部分使用のパターンは多い。たとえば「業」は「〇」、「親」は「〇」、「郷」は「〇」、「飛」は「〇」というように簡略化される。一部分から全体を推理するのは楽しい。レストランのメニューに登場する「面」の繁体字は「麺」である。


ところで、ネットで 簡体字を繁体字に変換 - どんと来い、中国語 を見つけたので・・・しばらくこれで遊んでみます。
なお、簡体字が打てるようになれば、この記事の〇を訂正する予定でおます。

『竜宮城と七夕さま』1





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Last updated  2018.04.26 08:02:09
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