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2019.09.08
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カテゴリ: 気になる本
図書館に予約していた『地球にちりばめられて』という本を、待つこと半年ほどでゲットしたのです。
言語学的なSFは、モロに太子のツボであるが・・・
ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出したHirukoという元ニッポン人が、興味深いのです。





多和田葉子著、講談社、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る―。言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。

<読む前の大使寸評>
言語学的なSFは、モロに太子のツボであるが・・・
ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出したHirukoという元ニッポン人が、興味深いのです。

<図書館予約:(2/18予約、8/28受取)>

rakuten 地球にちりばめられて


「第10章 クヌートは語る3」でエンディングを、見てみましょう。
p305~309
<第10章 クヌートは語る3>
「初めまして、アカッシュです」
 と言ったが、おふくろはアカッシュの名前を手で振り払うような動作をして、
「あんたは何なの?」
 と訊いた。こんなひどい訊き方があるものか。ところがアカッシュはたじろがないで、こう答えた。
「クヌートの恋人です。あなたは?」

 おふくろは絶句した。正直言うと僕も喉がつまって、君どういうつもりなんだ、と普通ならばすぐに問いただすはずなのに、逃げるように席に戻ってアカッシュの様子をこっそり観察した。いつもと変わるところはない。首をちょっとかしげて、おふくろの答えを待っている。

 おふくろが動揺してこの世で一番簡単な答えを返すことさえできずにいるのを見ていると、気持に余裕が出てきた。
「この人は僕を産んだ。」
 おふくろに代わって、僕が動詞を使って答えた。
「そして育てた」
 と付け加えて、おふくろはHirukoを挑発的に睨んだ。
「あなたはクヌートのことをまだ何も理解していないのよ。」

 Hirukoは風に吹かれるカーテンのように笑っていた。ちくちく皮肉を言われても、頭ごなしにどなられても平気なのだ。この強さはパンスカを話しているところから来ているのではないか。パンスカは僕らにもはっきり理解できる言語ではあるが、あくまで異質さを保っている。Hirukoを北欧社会に溶け込ませて目立たなくしてしまう言語ではない。

 しかもどんな母語とも直接はつながっていない。パンスカを話している限り、Hirukoはどこまでも自由で、自分勝手でいられる。しかも会話が鞠のようにはずむので孤独にならない。
「おふくろは僕のことを理解しているの? へえ、初耳だね。」

 僕はおふくろと同じ言語を子どもの時から話しているので、何か言っても自分は相手の一部に過ぎないというような嫌な後味が残る。しかも相手は腹を立てて、僕の神経を直撃するようなことを言ってくる。そういう発言がおふくろの口から飛び出す寸前に僕は英語に切り替えて言った。
「アカッシュ、君は僕の恋人なのかい。これまで気がつかなかったけれど、それもいいかもしれないね。でもちょっと突然すぎないかい? それは今まで僕自身、知らなかった事実だし、賛成できるのかどうか、それだって決めるのにはちょっと時間がかかるのさ」
(中略)

 その時、Susanooがすうっと体重がない幽霊みたいに立ち上がって長いスピーチを始めた。口が縦横に開いて、唇がとがったり、薄くなったりし、喉仏が上下しているのに、全く声が聞こえない。声のない発言者を遮るのは簡単なはずなのに、おふくろさえ口を閉ざして耳を傾けている。

 ナヌークは何度もまばたきしながら、Susanooの顔をまぶしそうに見ていた。自分もいつかこんな風に堂々としゃべりたいとでも思っているようだった。Hirukoにも声は聞こえないはずなのに同意するような微笑みを浮かべ、時々うなずきながら聞いている。僕と目が合うとHirukoは肩をすくめた。多分、聞こえないけれど理解できるから不思議ね、と言いたかったのだろう。

 僕はストックホルムで失語症の研究をしている先輩のところで治療を受けさせようなどと考えた自分が恥かしくなった。Susanooは病人ではない。彼には彼の言語があるのだ。ところがその時アカッシュが、Susanooの唇の動きを読むような目つきをして、
「そうか、君は失語症の研究所に行ってみたいんだね。君が行きたいなら僕もいっしょに行くよ」
 と宣言した。

「アカッシュ、君には彼の声が聞こえるのか。」
 僕は嫉妬して、怒ったように問いただした。
「聞こえなくても理解できたのね」
 とノラが顔を輝かして代わりに答えた。アカッシュがうなずいた。

「これは旅。だから続ける」
 とHirukoが嬉しそうに言うと、ナヌークが深くうなずいた。おふくろの姿はいつの間にかその場から消えていた。
「それなら、みんなで行こう」
 と僕は言った。

初出=「群像」2016年12月号~2017年9月号

『地球にちりばめられて』3 :「第9章 Hirukoは語る3」
『地球にちりばめられて』2 :「第6章 Hirukoは語る2」
『地球にちりばめられて』1 :「第2章 Hirukoは語る」





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Last updated  2019.09.08 07:34:46
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