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2021.01.03
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カテゴリ: アート
図書館で『絵のある世界』という文庫本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、とにかく挿絵が多くビジュアルで・・・大使のツボが疼くのでおます♪ 中にはベン・シャーンなど線描画の達人がまぎれています。





鶴見俊輔、安野光雅、他編、筑摩書房、1995年刊

<「BOOK」データベース>より
【目次】
あやとりかけとり より(竹久夢二)/えげれすいろは詩画集(川上澄生)/虫類図譜抄(辻まこと)/タヌキ(手塚治虫)/サーバーのイヌ・いぬ・犬 序章(サーバー)/囮り船(岡本一平)/東京における生活(モース)/避難小屋(今和次郎)/密林の彷徨(小松真一)/戦中気儘画帖より(武井武雄)/隅田川両岸一覧 抄(木村荘八)/氷魚の村君(菅江真澄)/はるかなる山(上田哲農)/山で見た星(野尻抱影)/森の悲劇(シートン)/私の草木漫筆より(坂本直行)/足の裏 春の彼岸とたこめがね(小出楢重)/劉生絵日記 より(岸田劉生)/わが家の食卓(鴨居羊子)/パリからの旅 より(堀内誠一)/シャガール わが回想 より(マルク・シャガール)/ゴッホの手紙 より(ヴァン・ゴッホ)/クレーの手紙 より(パウル・クレー)/へたも絵のうち より(熊谷守一)/もうひとつの空より(有元利夫)/ジャコメッティ 私の現実より(ジャコメッティ)/イーナ・ワトソンへ(ルイス・キャロル)/ある絵の伝記(ベン・シャーン)/マオリの古代信仰 より(ゴーギャン)/歌と歌絵(チッペワ族)

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、とにかく挿絵が多くビジュアルで・・・大使のツボが疼くのでおます♪ 中にはベン・シャーンなど線描画の達人がまぎれています。

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安野さんによる「解説」で文人画を、見てみましょう。
p392~393
子規と文人画について:安野光雅
 意識するとしないにかかわらず、カメラが出来てから、われわれの認識のしかたは変わった。空からの視点、動くものからの視点、顕微鏡からの視点などかぞえあげればきりがないほど、カメラに代表される文明到来の前後をくらべれば、視覚認識のありようがすっかりかわった。そのかわった時点に帰って、「写実・写意」の前後を考えてみると、「昔の人が、写実より写意を尊んだ」という言い方は、昔の「写意」は、今の「写実」のことだったのではないかと、言えそうである。

 西洋に、昔から「風景画」があったわけではない。絵は教会を飾る天国や、聖書の世界だったし、あるいは王侯貴族の肖像や、戦勝の記録画を描くことが主流だった。それらを写実的に描くといっても限度がある、それこそ写意で「こころの中にむりやり結ばせる画像を描く」ほかなかった。そのためにモデルを使うが、そのとき、より写実的であることの手がかりが得られ、見えない世界をさもみてきたかのように描くことができ、昔は「写意」の世界こそ「写実」でなければならなかった関係が察しられる。

 天使といい悪魔といい、竜や河童や、風神雷神にいたるまで、写実をしようにもそれはなく、歴代、描かれつづけ、そいて絵の中に生き、育ちもした世界がある。察するに、この世界もカメラ出現の前後では考え方が違うかもしれに。

 唐の時代の人々は写実より写意を尊んだ。そして文人画が生れた。水墨が主で画材の違いということがあるかもしれない。一方原初的には、文字を知らなくても絵は描けたということもあるだろう。文人画は、当時の画家のそれを写実と仮定した場合、写意にあたる関係があって、むしろ文人画が愛好されたという。

 詩の栄えたことは、殆んど絶頂に達した唐の時代に文人画がうまれ、絵と詩(賛)が調和し、ながく尾をひいて、江戸では池大雅、与謝蕪村、幕末には山岡鉄舟などの優れた作家を迎えるに至った。

 画賛は文人画の特色の一つなのだが、いまはほとんどすたれた。一度は画家を志し、貴重な文人画を残した正岡子規が、画賛について書いているものがある。

 「画讃という事は支那に始まって、日本に伝わった事と思われるが、恐らくは支那でも近世に起こったことであろう。日本でも支那画をまねた者には、画讃すなわち詩を書いた者があるが、多くは贅物と思われる。山水などの完全したる画には何も文字などは書かぬ方が善いので、完全した上に更に蛇足の画讃を添えるのが心得ぬ事である。しかし人の肖像などを画きたる者には讃があるのが面白い場合がある。それは人物ひとりでは画として不完全に考えられることもあるので画讃を以ってその不足を補うのである。いわゆる俳画などという粗画に俳句の讃を書くのは、山水などの場合と違うて、面白き者が多い。
(長くなるので以降省略)」

ウーム 中国発祥の文人画に対して、正岡子規のコンプレックスが如何なく発露されていますね。言っていることに間違いはないが、支那、支那と呼び捨てにするのはいかがなものかと。

ここで池大雅の文人画を見てみましょう。


『絵のある世界』2 :熊谷守一さんの仙人のような生活
『絵のある世界』1 :ベン・シャーンの絵





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Last updated  2021.01.03 00:03:50
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