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2024.09.16
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『走り続ける力』という本を、手にしたのです。
おお 山中先生のiPS細胞が出ているではないか。興味深いのである♪




山中伸弥著、毎日新聞出版、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
ノーベル賞科学者の「人間力」に迫る!iPS細胞による再生医療の実現に向け、京大iPS細胞研究所(CiRA)を率い、苦闘する日々…ノーベル賞科学者の栄光と挫折を、山中伸弥が自ら語る!周囲の証言を交え初めて描く、「人間力」の秘密。

<読む前の大使寸評>
おお 山中先生のiPS細胞が出ているではないか。興味深いのである♪

rakuten 走り続ける力


「第一部 走り続けてⅠ」の冒頭から、見てみましょう。
p12~16
<臨床応用というゴール>
■立ち止まる余裕はない
 2007年に私たちのチームがヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製に成功したと発表してから11年になりました。
「iPS細胞技術を一日でも早く患者の皆さんのもとへ」という思いで、私が所長を務める京都大iPS細胞研究所(CìRA)のメンバーや国内外の研究者が研究に取り組んできました。皆の努力のおかげで予想以上のペースで研究が進み、いくつかの病気で臨床応用の可能性が見えてきています。

 まずは、iPS細胞について簡単に説明します。私たちの体は一個の受精卵が分裂し、多種多様な細胞へ分化して作られます。いったん分化した細胞、例えば皮膚の細胞は皮膚のままで、皮膚の細胞が突然筋肉の細胞になることはありません。細胞の種類ごとに運命が決まっています。

 iPS細胞は、細胞に少数の遺伝子を導入することで細胞の運命がリセットされ、受精卵のような状態になったものです。どんな細胞にも変化し、ほぼ無限に増殖する能力があります。私たちはこの特徴を生かし、病気の治療法の開発にむけた研究を進めています。

 iPS細胞を使う研究には「再生医療」と「創薬」があります。
 再生医療とは、iPS細胞などから体の組織や臓器を作り、病気やけがで損なわれた機能を補う医療です。
 2014年には、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーのチームが中心となり、加齢黄斑変性という目の病気を持つ患者さんの皮膚細胞からiPS細胞を作り、そのiPS細胞から網膜の細胞シートを作製し、患者さんの目に移植しました。これはiPS細胞を使った世界初の臨床研究で、臨床応用の可能性を示す大きな一歩でした。2017年3月には、事前に備蓄しておいた他人の細胞から作ったiPS細胞を使って同様の手術が実施されました。

 iPS細胞のもう一つの可能性は創薬、つまり新しい薬の開発です。患者さんの細胞からiPS細胞を作り、それを患部の細胞に変化させると、病気の症状を細胞レベルで再現できます。その細胞にいろいろな物質を投与して、細胞の状態を改善できれば、その物質が薬の候補になると考えられます。

 11年前、私たちは世界のチームと競い合う中、最初にヒトiPS細胞の作製に成功したという論文を発表しました。
 私たちの目標は、初めから人への応用でしたが、ピクンピクンと拍動するヒトiPS細胞から作った心筋細胞を見たとき、「やっと人でできた。でも、これからだ」と緊張したのを思い出します。

 当時、私は「マラソンに例えるとゴールが分かった感じ」とお話ししました。もちろんゴールまでの道を平坦だと思ってはいませんでしたが、立ち止まる余裕はありません。
 ある時、難病の子どもを持つ女性から「おからだに気を付けてください」と声をかけられました。看病で大変な中、私たちのことまで気遣ってくださる姿に、涙が出そうになったことを思い出します。
 そういった患者さんやその家族の思いが、私たちの研究の原動力になっています。

■長い道のり
 1987年に神戸大学医学部を卒業した私は、整形外科医を目指して臨床研修医となりました。少しでも患者さんたちの力になれるように、日夜、奮闘していました。しかし、当時の医学ではどうすることもできない病気もたくさんありました。

 私は医師になってすぐ父を亡くしました。せっかく医師になったのに実の父に何もしてあげることができず、無力感にさいなまれました。
「今の医学では治すことのできない患者さんを、どうしたら救えるのだろうか」
 そんな思いで飛び込んだのが研究の世界です。

 臨床と研究は、同じ「医学」ですが、いざ飛び込んでみると全く違う世界でした。
 研究者の卵として最初に取り組んだ実験で、予想と正反対のことが起きました。臨床の現場でもし予想外の反応が起きたら大変です。患者さんの命にかかわる恐れもあるからです。ところが基礎研究では、予想外の結果は新たな発見につながるチャンスだとわかり、この瞬間に「自分は研究の方が合っている」と思いました。

 その後、何度も予想外の結果に遭遇しましたが、そのたびに自分でも思っていなかった方向に研究が進んでいきました。そして、たどり着いたのがiPS細胞でした。





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Last updated  2024.09.16 01:08:42
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