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2024.09.21
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『世界(2024年7月号)』という本を、手にしたのです。
特集2「日本の中の外国人」が・・・気になるのです。
そして、「中国製EVの排斥」「DV(デジタル・ビークル)競争」についても気になるのです。




雑誌、文藝春秋、2024年刊

<出版社>より
【特集2】日本の中の外国人
 日本に暮らす外国人は340万人を超える。働く現場は、小売、流通、介護、製造、建築、農業、漁業など多岐にわたる。だが、その法的地位は常に不安定だ。奴隷労働との批判が強かった「技能実習制度」に代わり、新たに「育成就労制度」が創設されるが、看板と実態には依然へだたりがある。容易に永住権取り消しができる入管法改正案も準備され、安定して日本で暮らす人々も生活をおびやかされている。難民の受け入れは依然として少なく、3回目以上の申請は強制送還が可能に。排外主義からくるヘイトにさらされる人々もいる。

<読む前の大使寸評>
追って記入

iwanami 世界(2024年7月号)


自動車産業の潮流が語られているので、見てみましょう。
p111~113
<EV競争からDV競争へと向かう自動車産業:鶴原吉朗>
■EVの販売台数に「陰り」
 2024年に入り、世界でEVの販売台数がスローダウンしているという報道が目に付くようになった。
 これまで、世界のEV化をリードしてきた欧州では、EVの販売台数が、2023年12月に、2020年以来初めて前年同月比マイナスになった。2023年12月にドイツのEV補助金が突然打ち切られたことや、フランスで中国からの輸入EVが補助金の対象から除外されたことなどが響いたと見られる。

 米国では2023年の年初から年末にかけて対前年比のEV販売台数の伸びが低下し、2024年の1月と2月はついに対前年比マイナスに転じるなど、EV販売の失速が顕著だ。2023年にEV販売で世界トップだった米テスラは、2024年第1四半期の出荷台数が、コロナ禍で自動車販売が落ち込んだ2020年第2四半期以来、約4年ぶりのマイナスになった。
(中略)
 世界のEV販売台数の約6割を占める中国でもEVの成長率が鈍っている。2021年に前年比約160%増だった販売台数は、年々低下し、2024年の伸び率は20%程度になると中国汽車工業協会は予測する。その一方で、エンジンの付いたPHEV(プラグインハイブリッド車)の販売台数は2023年に約83%伸びた。

 中国では2022年末でEVへの補助金が廃止になった一方で、自動車取得税が新エネルギー車(EV、PHEV、FCV(燃料電池車))では2025年まで免除されている。このため、EVよりも価格が安く、航続距離も長いPHEVの販売台数の伸びにつながっている。2023年の中国におけるEVの販売台数はPHEVに対して約2.5倍だが、今後同等になる可能性もある。

■「補助金バブル崩壊」と「中国製EVの排斥」
 ここまで紹介してきたように、世界でEVの成長率が鈍化、もしくはマイナスに転じている一つの要因は「補助金バブル崩壊」であるが、もう一つの要因が「中国製EVの排斥」である。
 まず欧州では、前述のようにフランスが中国製EVを補助金の対象から外したことで、売れ筋だった中国製の割安のモデルに2023年12月から補助金が支給されなくなった。
(中略)
 米国では、欧州以上に中国製EVを狙い撃ちにした排斥が進んでいる。2022年8月に「インフレ抑制法(IRA)」が成立し、米国で生産されているEV以外は税額控除の対象から外されたほか、米国で生産しているEVでも、搭載するバッテリーに使用する部品や材料に厳しい制限が設けられ、中国ばかりでなく日本や欧州の多くのEVが税額控除の対象から外された。

 しかし、それだけでは終わらなかった。2024年5月14日、バイデン政権は米国通商代表部(USTR)に対してEVやバッテリーの米通商法301条に基ずく対中追加関税の関税率を引き上げるように指示した。具体的には、中国製のEVに現在の4倍の100%、EV用を含むリチウムバッテリーに対しては現在の7.5%から25%に引き上げる。これは、欧州以上の中国製EV排斥政策と言ってよい。

 日本でも2024年4月から、EV補助金の支給金額の算定方法が見直され、中国製EVの補助金額が少なくなった。従来の補助金額は航続距離など車両性能や機能を基に算定していたが、24年度からはメーカーの充電設備の整備状況や製造時のCO2排出量なども加味した。代表的な車種の場合で補助金額は、従来の65万円から35万円に減額された。

■EV競争からDV競争へ
 このように、先進各国で進む中国製EVの排斥は、自国の自動車産業の保護につながる一方で、EVの普及を減速させると予想される。というのも、中国製EVは圧倒的なコスト競争力を備えており、中国製EVを排斥するということは、自国の市場から割安なEVを締め出すことにつながるからだ。

 中国製EVの影響を除いても、欧米では当初の思惑ほどEVの販売が伸びていない。このため欧米の完成車メーカーはEVシフトのスローダウンを余儀なくされている。2030年までにすべての販売車種EV化を目指していたドイツの高級車メーカーのメルセデス・ベンツが、2024年2月の決算発表の場でこの計画の撤回を発表したほか、米フォードモーターも2025年に予定していた次世代EVトラックや3列シート大型EVの販売時期をそれぞれ延期した。一方でフォードはPHEVのラインアップを拡大する。

 逆にいえば、現在はEVが「ブーム」の段階を過ぎ、地に足を着けた形で普及していく段階に入ったところだといえる。ガソリン車やディーゼル車、あるいはハイブリッド車といったカテゴリーと同様に、EVについても自分の予算や使い方などに合わせて最適なものを選ぶための選択肢の一つと考えるべきだ。


『世界(2024年7月号)』1 :埼玉クルド人コミュニティ





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Last updated  2024.09.21 00:14:26
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