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歩世亜さんComments
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図書館に予約していた『他者の靴を履く』という本を、待つこと
5
ヶ月半ほどでゲットしたのです。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』という作品を読んで以来・・・著者の作品をフォローしているのです。
【他者の靴を履く】
ブレイディみかこ著、文藝春秋、
2021
年刊
<「
BOOK
」データベース>より
負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)
×
アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。
<読む前の大使寸評>
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』という作品を読んで以来・・・著者の作品をフォローしているのです。
<図書館予約:
(8/14
予約、副本
8
、予約
81
)>
rakuten
他者の靴を履く
「第
3
章 経済にエンパシーを」の結論あたりを、見てみましょう。
p89
~
91
<いまこそジュビリーの思考法を>
新型コロナウィルス感染拡大で立ち上がった地域の相互扶助の姿は頼もしい。わたしの近所でも、英国でロックダウンが発表になる前から、自主隔離する人たちの食料の買い出しを行うグループが組織されたり、一人暮らしや夫婦だけで生活している老人たちに定期的に電話を入れて雑談するグループができた。
地域の各家庭の郵便受けに手作りのチラシを入れて協力を募り、相当数の人々がそれに応えてあっという間に草の根のボランティア組織ができた。これは英国の庶民の底力だと思う。これこそクロポトキンのスピリットであり、エンパシーのある社会の姿であり、下側からのパワーである。これだけを見てもアナキズム
(self-governed
の精神
)
とエンパシーが繋がっているのは明らかだ。
しかし、今回のような経済の大収縮にあっては、下側の助け合いだけではこと足りない。平時のように「下側からの運動こそが本物」とか「いや上からのロビイングが現実的には有効」とか言って、運動家どうしがトムとジェリーのようにいつまでも仲良く喧嘩している場合ではないのだ。
上からも、下からも、両方から行けばいいのだ。どちらかでなければいけない、という思い込みこそが有害な足枷になる。それは人間が軽やかに動くことをできなくする重くて古い靴に似ている。
グレーバーは、いまこそ人類にはジュビリー
()
が必要なのだと言っている。ジュビリーとはつまり、奴隷の解放と借金の帳消しだ。
奴隷には、ケア労働者のように、人の生命を預かる仕事をしているのに「シット
(
クソのような
)
」賃金しか貰えず、割の合わない責任と労働を負わされている人々もいる。一方では、自分の業務は無意味だと知りながら長い時間を拘束されて精神的に傷を負いながら生きているブルシット・ワーカーたちもいる。
どちらも、学生ローンの支払いだ、税金の支払いだと常に支払いの義務に追われて、そのうえ国の借金まであなたたちが背負っているとか言われ、悪い時代に生まれたと諦め、奴隷のようにただただ負債を返すために働き続け・・・、って、これは要するに、借金のかたに人生を取られているのである。
人生を取られている人だらけになると、社会はゾンビの国のようになる。そりゃ元気もなくなるだろうし、政治が腐敗しようと、地球の終りが近づこうと、知ったことではないだろう。債務の返済でそれどころではないからだ。
これは為政者にすれば物凄く都合のいい状況だ。人々は忙しすぎてゾンビみたいになっているから、どんなへまをやろうと、どんな悪事を働こうとスルーされる。「財政規律が・・・」と言っておけば、増税だろうが公共サービスの低下だろうが「しょうがない」と耐えて黙って働いてくれる。「いや、そもそもその財政破綻の危機って本当なんですか?」という疑問すら人々は抱かない。
上からの債務返済の言いつけを疑ったり、履行しなくなるのはたいへん不道徳なことであり、もはや人間ではなくなると言われているからだ。すでに人ではないゾンビにされてしまっていることにも気づかずに。
『他者の靴を履く』
4
:ブルシット・ジョブ
『他者の靴を履く』
3
:言葉はそれを溶かす
『他者の靴を履く』
2
:外して、広げる
『他者の靴を履く』
1
:はじめに
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■ 2022.02.11
https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/202202110000/
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