王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

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2022.03.13
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カテゴリ: ジュエル文庫
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2018年12月刊
角川ジュエル文庫
著者:すずね凛さん

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王弟殿下っ!新婚とはいえ絶倫すぎますっ!舞踏会でシンデレラのように見初められた私。結婚したら回数も濃度も限界突破の激甘H。晴れておめでた、ロイヤルベビー誕生!愛妻家な夫はパパになっても完璧!!子育てに悩む私を優しく受けとめてくれて。そんなしあわせママに信じられない悪夢が!悪い王様が横恋慕!?私達を引き離そうと!?家族のピンチ!パパは「強い父」に豹変!!!
↑楽天ブックスより、内容紹介文引用

発売日に購入してます。久しぶりに読み返しました。
王弟殿下に見初められて輿入れした男爵令嬢が陰謀に巻き込まれるお話。

​ここからネタバレと感想。


ド・オートゥドイユ男爵家の一人娘であるマジョレーヌは今年十五歳となり、晴れて社交界デビューの日を迎えた。
慣例として、デビューする令嬢達は国王陛下に拝謁を賜るのが習わしであるのだが、あろうことか美しいマジョレーヌは王に気に入られ、夜伽を命じられてしまったのだった。
国王・フランソワは好色な人物らしく既に何人もの側室がいると言うのに、十五になったばかりの自分にまで伽を命じて来るとは。
マジョレーヌは怖くて逃げだしたい気分であったが、国王の命に逆らえるものなどこの国にはいない。
絶望感でどうにかなりそうな彼女を救ったのは王弟アンドレアであった。
彼は真っ青なマジョレーヌを連れ出し、体調を崩したようだと王に告げると彼女に帰るよう促した。
今夜の王は酒を飲み過ぎていることもあり遺恨は残らないだろうとの判断だったようだが、おかげで彼女の貞操は守られたのだ。
兄弟でありながら肥満体系の王とは似ても似つかない美男子のアンドレアには元々好印象だったマジョレーヌは、この一件ですっかり彼に心奪われてしまったのだった。

翌日、王宮からマジョレーヌに呼び出しがかかり男爵家は大騒ぎだったが、通された一室で待っていたのはアンドレアであった。
彼は昨夜の途中退出は王も気にしていないので咎めの心配はいらないと告げ、そればかりか彼女に軽々しく夜伽を命じた兄の非礼を弟として詫びてきた。
しかも、今日呼び出された理由はもう一つありアンドレアはマジョレーヌに自分の妃になってほしいと言うのだ。
内心では天にも昇る気持ちであったが、自分はしがない下級貴族の娘である。身分違い過ぎて周りも黙っていないのではと遠回しに告げると、オートゥドイユ男爵家は家格は低くとも歴史はある家柄なので問題ないはずとのこと。
そんなマジョレーヌもアンドレアに憧れ、恋をしていたのだ、そこまで言われれば断る理由もない。
かくして二人の交際はスタートし、そう日も経たないうちに婚約も決まったのだった。

二年後、マジョレーヌが十七歳になり二人は式を挙げた。
彼女が王宮での生活に慣れ始めた頃に懐妊が発覚し、かなりの難産ではあったが無事に長男のドミニクを産んだ。
王弟夫妻は仲睦まじく、親子三人幸せに暮らしていたが、ある日以前から危惧されていたこの国とハーブス帝国との戦争がついに始まってしまったのだ。
騎士団長を務めているアンドレアに王から出征の命が出て、師団を率いた彼は戦場に赴いて行ったのだが、三カ月後彼は戦場で行方不明になったと報告がもたらされた。
敵に追い詰められて殿を守っていた彼は崖から転落したらしく、くまなく近辺を捜索したが遺体は見つかっていない。そのことから、もしや敵前逃亡したのではと不謹慎な噂まで出る始末。
マジョレーヌは清廉な彼は絶対にそんなことはしないと息子と共に夫の帰りを待ち続けた。

アンドレアの行方不明の報から二カ月後、膠着状態のため戦争が長引くのは双方得策でないと一旦休戦条約が結ばれ、続々と兵士たちも帰国の途に就いた。
生死不明の夫の帰りを待つマジョレーヌの元に、ある日国王が訪れると徐に自分と再婚しないかと持ち掛けてきた。
実の弟だと言うのに、もう死んだ体で無神経な提案をする王にマジョレーヌは内心怒り心頭であったが、アンドレアは絶対に生きているからときっぱり断った。
そういえば、ドミニクを妊娠していた際にも王は彼女にアンドレアとの結婚に対して思う所があるようなことを言っていた。本来ならばマジョレーヌは自分の側室に迎えるはずだったのにと呟かれて当時はゾッとしたものだ。
王は七人もの側室を抱えているが、誰一人子を授かっていない。
妃全員に問題があるとは考えにくいのだが、すぐに子を授かった弟夫妻がどうにも羨ましいようだ。
マジョレーヌならば自分の子を宿せるのではと思っている風なのが何ともおぞましい。
王もまだ三十そこそこなのだから焦る必要もないだろうに、世継ぎについて重臣たちからせっつかれているのかもしれない。

その日、傷病兵たちが詰めている教会へ炊き出しのボランティアとして訪れたマジョレーヌは、ボロボロな姿になりながらもなんとか帰還したアンドレアと再会を果たした。
崖から落ちた際大けがを負った彼は、たまたま通りかかった遊牧民に助けられ手当てを受けた。
どうやらショックで一時期記憶喪失になっていたようで暫く遊牧民たちに世話になっていたのだが、先日ついに休戦条約が結ばれたと聞き及んだ彼らがこの国まで送ってくれたのだと言う。
たまたまこの教会に入り、マジョレーヌと一緒に来ていたドミニクの声を聴き全てを思い出したのだそうだ。

国民にも絶大な人気のアンドレアの帰国には皆大喜びで、再会によってマジョレーヌの不安も払拭されるはずだった。
だが、今度は彼に国際法違反の嫌疑がかけられたのである。
戦争の最中にアンドレアの師団が捕虜とした帝国兵を惨殺したと言うもので、ハーブス帝国皇帝から訴えられたものだった。
マジョレーヌはそんなこと彼がするはずがないと確信していた。
アンドレアは常々騎士や兵士たちに清廉潔白であるよう説き、自分にも課している。戦争中でも略奪の類は一切禁じていたし捕虜の扱いは丁重にと言い含めていたのだ。
相手側はどういう意図があってアンドレアを告発しているのかは知れないが、どうにも陰謀の匂いがする。

だが、この場では濡れ衣だと騒ぎ立てるのは得策でなく、アンドレアは大人しく捕縛されて行った。すぐに無実は証明されると思われたが、何故か碌な取り調べすらせず略式裁判に持ち込まれ、彼の身柄は帝国に引き渡されることになってしまった。
アンドレアは現国王の王弟である、王族に対してあまりにも横暴なやり口であるが帝国に引き渡されてからでは手の打ちようがない。
最後の手段として王にアンドレアを助けてくれと頼み込んだ所、彼と離婚して自分の妃になるならば何処かへ逃がしてやろうと取引を持ち掛けて来た。
このままではアンドレアは確実に死刑になると脅しをかけられ、ついに彼女はその申し出を受け入れるのだった。

王は約束通り、アンドレアが囚われている牢のカギを渡してくれた。
マジョレーヌは面会の際にこっそりそれを渡すと、内心で彼に別れを告げ無事逃げおおせてくれるよう願った。
アンドレアは戦死したこと、未亡人になったマジョレーヌは王の妃として迎えられる旨合わせて発表されたが、彼女にしてみればこれからは地獄の日々の始まりである。
ドミニクは王太子になると言うけれど、王に懐く様子が一切なく結婚の宣誓書のサインの際も泣き通しだった。
だが、彼女のサインの番になった時、その結婚に異議を唱えるべくアンドレアが飛び込んできた。
彼は逃亡したと見せかけて、味方する多くの者たちの協力によってこの陰謀の真相を突き止めたのだ。

ハーブス帝国は長年経済的に困窮しており、先頃の戦争は更にその首を絞める結果となった。
泥沼化する前に休戦になってホッとしていた所、ロゼナルド王国の王から経済支援の打診が来て皇帝は一も二もなく飛びついた。
ある犯罪をでっち上げてくれさえすればいいとのことで、言われた通りにしたのだが、帰国の際騎士団に包囲されて皇帝は捕まり洗い浚い白状させられてしまったのだった。
フランソワは凡庸で長子だと言うだけで国王となった人物だ。だが、影では見栄えよく優秀なアンドレアを王にと推す声も少なくない。
しかも弟は自分が目を付けた少女を横から掻っ攫い妻にした挙句、あっという間に子まで成した。王はいつしか弟が妬ましくて堪らなくなったのだ。
そこで彼はアンドレアを戦争の最前線に赴かせあわよくば戦死してくれるのを願っていたのだが、怪我を負いつつも弟は無事帰還した。こうなれば罪でもでっちあげるしかないとハーブス帝国皇帝に金をチラつかせて協力させたのが今回のあらましである。

いくら国王とは言え王族殺害を図ったことは重罪になる。
潔く王位を退くのが得策なのだが、最後までフランソワは抗いドミニクを人質にしようとしたものの結局は取り押さえられることとなった。
その後、表向きではフランソワは健康上の都合で退位したと発表され、残りの人生は王室所有の別荘にて隠遁生活を送ることになる。
王位はアンドレアが引き継ぎ、ハーブス帝国とは和平協定が結ばれることとなった。
王妃となったマジョレーヌは王となった夫を支え、ドミニクを王太子として立派に育てると心に誓うのだった。


今回は下級貴族の娘のヒロインが王弟殿下であるヒーローに見初められ王子妃になったお話でした。
幸せな暮らしも義兄の横やりによって引っ掻き回され、何か月か離れ離れになって再会叶ったと思えば陰謀に巻き込まれてヒーローは投獄の憂き目にと言う、結構な波乱万丈ぶりです。
凡庸な兄が優秀な弟を妬んでという件は、割とありがちな理由ではあるけれど共感もされやすいのかな。
兄弟とは言え、必ずしもそりが合うとは限らないですし。
まあ、心情は理解できてもそれを行動に移しちゃうのはやっぱりイカンのです。
結局ヒロインだけでなく、悪巧みのせいで王位まで弟の物になってしまったのでした。
なんか、教訓になりそうなお話だったな。
そんな中、ヒーローとヒロインは最後までラブラブだったので、幸せそうで何より。

評価:★★★☆
正直、可もなく不可もないストーリーです。
この作家さんなので安定した面白さはあるんですけど・・・。





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最終更新日  2022.03.14 12:39:35
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