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2023.07.16
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カテゴリ: 蜜猫


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2022年10月刊
密猫文庫
著者:藍井恵さん

他人の「性的欲望の心の声」が聞こえる能力持ちのアデルは下心満々の男性に冷たくしているうちに「高慢令嬢」と呼ばれ孤立してしまう。社交界から離れ、修道院で孤児たちに癒やされていた彼女だが、そこを公爵ブルーノに気に入られて求婚される。「いい声が出せるじゃないか。男嫌いとは嘘だな?」性的欲望を露わにせず、ひたすらアデルを感じさせるブルーノ。高潔な彼に心惹かれるも彼の真意がわからず戸惑うアデルはー!?



登場人物
    アデル=伯爵令嬢。他人の心が聞こえる能力(ギフト)を持つ。
   ブルーノ=宰相。王の従兄弟で公爵家の当主。
  マーティン=国王。姿を消した恋人を探している。
クリスティーナ=アデルが修道院で出会った修道女見習。
  ディアドラ=侯爵令嬢。


エンフィールド伯爵家の長女・アデルは、社交界デビューして間もなく、「性的欲望の声が聞こえる」能力に目覚めた。
この国にはたまに能力(ギフト)持ちの者が産まれており、アデルの祖母も能力持ちだったと聞いている。そんな祖母の能力はまだ喋れず意思疎通の難しい赤子の要望を聞くというもの。
アデルもどうせ目覚めるならそういう平和なのが良かった。

なまじ美しくスタイルの良い彼女はデビューするとすぐさま人気者となったが、ダンスや求婚の申し込みをする男たちの欲望の声だけは頂けない。
涼しい顔をして心の中は口に出来ないような下品な言葉ばかり。
おかげで初日は気分が悪くなって寝込んだほど。しかし、年頃の娘に早く良い縁談を、と張り切っている両親を思うともう舞踏会に行きたくないとは言えなかった。
そして本人の気持ちとは裏腹にアデルの人気は鰻登り、少しでも優位に立とうと競うように伯爵家には毎日大量の贈り物が。
そんな最中、両親は娘の嫁ぎ先を絞り込んだようで、名を聞くと寄りにも寄って心の中でとんでもない言葉で自分を辱めていたあのむっつり男ではないか。
正直、一番リストから外れて欲しい奴だっただけにガックリ。そういえば侯爵家の子息だったっけ。

とはいえ、あんなのと結婚なんて絶対に嫌。
しかも、社交界では侯爵令嬢のディアドラがアデルの人気を妬み、取り巻き達を使って彼女を孤立させただけでなく高慢令嬢という呼び名まで付けてくれたせいで友人一人いない状態。
何とも寂しい人生。​ともかくあいつとの結婚を回避しなければ。
そこでアデルは修道女になることを決意。聖女と名高い司祭のいる修道院に赴き、その旨を伝えたのだがやんわり諭されてしまい断念。
だが、修道院で預かっている孤児たちに懐かれ、彼らと遊ぶことに思いの外ハマってしまった。読み聞かせをリアルにするために着ぐるみ迄作るほど。クリスティーナと言う年の近い修道女とも親しくなったし、縁談そっちのけで楽しい日々を過ごしていた。

そんなある日、犬の着ぐるみを着たまま修道院の廊下を歩いていたアデルは、この国の宰相であるブルーノに呼び止められた。
どうやら人探しをしているらしい彼は、アデルの顔を見て伯爵令嬢と判り非礼を詫びたが、何故かブルーノは以降度々この修道院を訪れる様に。
修道女たちの噂話によれば、宰相の探し人とは彼の恋人とのこと。
今まで浮いた噂一つ無いブルーノにそんな人がいたとは意外だったが、彼からは不思議とあの下品な欲望の声が聞こえない。
アデルにとっては珍しく気になる紳士であった。
それから暫く経った頃、ブルーノからアデルを妻に迎えたいと伯爵家に信書が届き・・・。

修道院をいくつもめぐって探し回るほど好きな人がいるくせにどうして自分を妻に?と、アデルは混乱するも、ブルーノは王の従兄弟で王族な事もあって両親は大喜び。
おかげであのムッツリとの結婚はご破算になったのは助かったけど、それにより貰うだけ貰って断るとか、アデルには更に傲慢という呼び名迄付いて回るように。
しかし、そんな悪評もブルーノがその地位と身分で黙らせ、アデルを溺愛。
相変わらず欲望の声が聞こえず、もしかしてアデルにはそんな気起きないのかとガッカリしていると、実際は結構な触りたがりでそうでもないようでどうにも解せない。
やがて、ブルーノの探し人は彼の従兄弟である国王・マーティンの恋人グローリアであることが判明。しかも、その人物に思い当たったアデルは、二人の恋路を実らせるため一肌脱ぐ、と言った展開です。

この辺りはもう読んでると該当人物がすぐ判るんですけど、彼女が何故姿を消したのか、その裏に潜む王位を狙う者たちの企みなんかも浮上していきます。
初登場時の印象が悪いキャラは疑いようもなく悪役で、その王道展開はいっそ清々しい。
序盤はブルーノの本心が分かり難く、アデルとの接点もあまりなかったものの、あの着ぐるみを脱いだ時に一目惚れをしていたというオチでした。

それにしても、心の声が聞こえるのも善し悪しですね。
ブルーノも終盤は駄々洩れしてたけど、その頃はもう両想いだったから。


評価:★★★★☆
結構コメディ寄りのお話です。





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最終更新日  2023.07.16 17:58:22
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