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2024.05.04
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カテゴリ: 富士見L文庫




2024年4月刊
富士見L文庫
著者:マチバリさん


悪質な怪異を退治する一族の娘・明彩は、退魔の力がなく冷遇されて育った。一方、傲慢な弟は禁忌を荒らし、異界の王・涼牙を呼び起こしてしまう!その場に明彩は置き去りにされて…。危機に陥る明彩だが、実は涼牙は穏やかで理知的な美青年だった。彼は明彩の秘めた希少な“癒やしの力”の価値を教え「俺の姫となれ」と彼女を誘う。涼牙の治める異界で明彩は力を発揮して尊重され、居場所をくれた彼に惹かれていく。しかし、現世では家族が涼牙に罪を転嫁し、あろうことか異界への侵攻を企てていてー!?

​     ↑楽天ブックスより、あらすじ引用

登場人物
 須央明彩=退魔師一族・須央家の長女。
      魔を癒す力を持つことで家族から冷遇されていた。
   涼牙=異界の王。明彩を保護する。
 須央壱於=明彩の弟。


西の地を守る退魔師の一族・須央家の長女として産まれた明彩は退魔の力を持たないばかりか、天敵である魔を癒す能力を持つことで長らく厄介者扱いされていた。
家族として認められず、毎日使用人以下の生活を強いられる日々。
この西の地に出現する怪異は他と比べて弱い。
おかげで功績を挙げられないと父はいつもイライラしていた。期待していた長女は禄でもない能力だったこともあってか、自然と次に生まれた長男の壱於に過剰な期待を向けている。
家族の中で唯一、明彩を慕ってくれた弟はストレスからかすっかり性格が変わってしまい、傲慢な態度をとるようになった。
厳しい訓練や勉強、自由時間などない生活ではどこかで発散しなければやりきれないのだろう。弟が明彩にマウントを取って来るようになっても彼女は壱於を気遣っていた。

そんなある日、壱於が退魔師選定の儀式を受けることになり、明彩はその付き添いを命じられた。当日、本家からの未届け人として昔須央家にいた退魔師・佐久間と3人で怪異が現れる山中に入ったのだが、全く遭遇しない。プレッシャーもあったのか壱於がイラつき、漸く姿を見せた毛玉のような姿の弱い怪異に攻撃を繰り出したのだった。本来、怪異とはいえ人に害をなさない弱いものの捕獲や攻撃は固く禁じられている。
佐久間も指摘したが聞く耳を持たず毛玉を甚振る弟を止めた明彩は逆に殴られてしまった。そこに現れたのは人型の怪異。
壱於は佐久間が制止するのを殴って昏倒させ、その怪異に攻撃したが格が違い過ぎたのか全く歯が立たない。戦意喪失した彼は逃げ出し、その場には意識の無い佐久間と明彩が残されたのだった。
殺されると覚悟したが、弟に嬲られていた毛玉を治療しなくては。明彩が触れると毛玉は見る見る回復し、彼女を「ひめさま」と呼んだ。
人型の怪異は涼牙と名乗り、怪異の間では姫とは癒しの力を持つ女性のことを指すのだと説明してくれた。涼牙は佐久間にも手は出さないと言い、その代わりと称し、明彩を異界へと連れ去ったのだった。

あれから半月。異界での暮らしにも随分慣れた。
明彩は「姫」として涼牙の眷属たちの治療に当たっていた。
彼の屋敷で本当にお姫さまになったかのような厚遇ぶりには驚いたが、「姫」ならば当然の扱いだと聞かされた。それほど稀少で得難い存在なのだと。
涼牙の屋敷には力の弱い怪異たちが大勢暮らしていた。皆彼が保護し眷属にしたそうで、中には明彩が見知った者も。
父は弱い怪異を生け捕りにして逃げ出さない様、結界を張った道場で飼い、門下の退魔師たちの訓練に使っていた。死なない程度に痛めつさせては、それを明彩に癒させていたのだ。
心優しい彼女はそれに耐えられず、怪しまれない程度の期間を空けて1匹ずつ逃がしていた。あの毛玉も先日逃がしたばかりの子で運悪く壱於の儀式に巻き込まれてしまったようだった。
毛玉はあれ以来、特に明彩に懐いており、請われるまま「玄(くろ)」と名付けをした。
涼牙も多忙ながら、毎日様子見に来てくれるし須央の家では味わった事の無い平穏な日々を過ごしていると異界こそが自分の居場所なのではと思えて来る。

「姫」は怪異たちにとって喉から手が出るほど欲しい存在。
鴉天狗の頭目が病気で危篤だから助けて欲しいと無理矢理連れ出された時は涼牙が怒り狂い、せっかく頭目を救えたと言うのに大騒動になりかけたりもした。
頭目の息子である峡を明彩の護衛として寄越すことで手打ちとなったが、自分が彼にそれほど大事にされていると思うと嬉しくもあった。
それにしても涼牙と昔どこかで会ったと事があるような。
彼女は気付いていなかった。10年ほど前、涼牙が大怪我をして人界に迷い込んだ際、亡き母の形見でもある花の苗さえも一緒に治してくれた明彩にずっと恩義に感じていたことを。
涼牙にとって彼女は初恋の人でありずっと忘れらない人だったのだ。

一方、須央家はあれからかなり追い詰められていた。
行方不明の明彩があの人型の怪異・鬼に食われたのであるならばまだいい。だが、佐久間が無事に発見されたことで拙い状況になっている。
壱於のやらかしは本家にバレたら大問題だ。
しかも儀式に失敗し、付き添いの姉が怪異に攫われた。
おそらく明彩はその力を知った怪異によって異界に連れ去られたのだろう。
立て続けに起きた不祥事についに本家から監査が来るらしい。せめて明彩が無事に戻ってくれば儀式での事故として多少は取り繕えるのに。
壱於は自分のせいだというのに姉を異界から取り戻すべく画策し・・・。


その後、弟の罠により明彩は異界から連れ戻され屋敷の地下牢に軟禁されます。そして、壱於は姉を救出に来るあろう鬼・涼牙を退治して汚名返上を狙うのでした。
が、力の差は歴然。明彩を助けに現れた彼の強大な力に太刀打ちできないまま負ける壱於。
この弟、姉に対してシスコンを拗らせてるとんだ勘違い野郎でした。
弟と対峙し明彩は異界で暮らしていくことを告げ、家族とも絶縁。
佐久間さんによって報告を受けた本家は須央家に相応の罰を下すこと、実は明彩の能力は保護されるべきものだったと告げ、本家に来ることを薦められるもそれを固辞。
涼牙と共に生きていくことを話し、異界へと帰るのでした。

無知は罪、明彩の両親は本当に愚か。
いや、普通にすごいでしょ彼女の力。魔限定とは言えど怪我だけでなく病気も治せるヒーラーなのに。退魔師の中でも希望の光を秘匿していたとなればそりゃあの罰は当然。
壱於については、ああこの子作者さんのお気に入りなんだろうなとと思ってたら後書きにてその辺り触れられてましたw やっぱりね。
涼牙によって過去が語られ、両想いになった二人。綺麗に終わっているのでこれで終わりでも良い気はしますが、何となく続編ありそうな予感。
ヒーロー・涼牙の過去も重要なファクターではあるものの、全部書くと長くなるので割愛してます。でもそりゃ明彩のこと好きになっちゃうよねと。気になる方は本編をご覧ください。


評価:★★★★★
和風シンデレラストーリーがお好きな方におススメです。






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最終更新日  2024.05.04 09:31:30
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