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2024.08.27
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カテゴリ: ベリーズ文庫


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2024年8月刊
ベリーズ文庫
著者:花木きなさん

OLの美月は彼氏に浮気された上、足を怪我して途方にくれていた。そんな時、警視正の巧と再会。彼は子供の頃からの憧れの人。そんな巧の提案で怪我が治るまで一緒に暮らすことに! しかも、しつこい縁談に困っているという理由で契約結婚を打診され!? 助けになりたいと承諾したら、クールな巧の瞳は熱を帯びていく。「俺のことだけ見てればいい」--溢れ出す激愛に美月の胸は高鳴るばかりで…!



登場人物
 飛島美月=真面目な会社員。失恋直後に憧れの人だった巧と再会した。
  早戸巧=警視正。トラブル続きで途方に暮れる美月に契約婚を持ち掛ける。
   矢沢=巧の同期で部下。
  森麻美=美月の親友。
 大塚陽平=美月の元カレ。


大手雑貨&日用品販売会社​に勤める美月はその日最悪の誕生日を経験した。
交際して1年の恋人・大塚陽平が奮発しくれたホテルのディナー。シャンパンで乾杯した直後に、美月はいきなり背後から襟を引っ張られてビックリ。
耳元で怒鳴る人物を横目で見るとなんと顔見知りの女性社員・内村双葉で、陽平を浮気者と罵っていた。その内容を聞くに、どうやら陽平は美月と交際しつつ裏で内村とも付き合い彼女の妊娠を機に入籍していたらしい。初めての恋人にとんでもない裏切りをされていたのもショックだが、知らずに不倫の片棒を担がされていたのはもっとダメージが大きい。
内村は激怒して人の話を聞かないし、彼女にしてみればすっかり美月も悪者で間女扱いなのだろう。勢いよく突き飛ばされた挙句、シャンパンを頭からかけられた美月は茫然。
店員も飛んできて止めても内村の怒りは収まらず、手が付けられない。
突き飛ばされた拍子に足首を捻ったようで上手く立ち上がれない彼女に手を差し伸べる人物が。見上げるとスーツ姿の見知った顔。巧さん、と呟いた美月は数年ぶりに憧れの人と再会したのだった。

早戸巧は15年前、高校3年生の時に事故で両親を亡くして天涯孤独になった。親権者がいなかったため、弁護士をしていた美月の父が後見人を務めることに。
彼が高校を卒業するまでの数か月、父は精神的に不安定であった巧を心配し飛島家で預かっていたという経緯がある。ショックから立ち直った巧は、クラスに馴染めない美月にさり気なく寄り添い、彼なりの言葉で慰めてくれた。以来、巧は美月にとって憧れの人となっていた。
そんな彼が大学入学を機に飛島家を出て行き、卒業後は警察学校に入学したと聞いた時は驚いたものだ。彼の両親はひき逃げで亡くなっているから、色々思う所があったのかもしれない。
巧は無事に警察官になり、連絡を取り続けている父には警視になったと報告があったと言う。
そんな彼にとんでもない愁嘆場を見られ、美月は恥ずかしくて仕方ない。

彼は捜査の都合でこのホテルに泊まっていたらしい。同僚と慰労も兼ねてここで食事をしていた所、騒ぎが耳に入り、職業柄暴力沙汰になる前にと見に行くと美月が突き飛ばされシャンパンをぶっかけられていたので驚いたと言う。間に合わなくてすまないと詫びた彼は、美月から事情を聴いて内村を傷害で逮捕出来ると告げた。どう考えても美月は被害者だ。下ろしたてのワンピースは台無し、足首の腫れようを見るに捻挫かもしくは折れているかもしれない。
しかし、美月はそれを望まず、内村の気持ちもわかるからと固辞。翌朝、病院に行くと足首の骨にヒビが入っていた。何故か付き添ってくれた巧は眉をひそめた。
恋人の私物が大量に残っているので美月は部屋には帰りたくない。しかしこの足では引っ越しするのも困難だ。実家で暫く厄介になるのが一番ではあるけれど問題は母親だ。近々彼氏を紹介すると話していたのに、破局した上に怪我して帰って来たとなればどれだけ悲しむか。
とある事情で熟年離婚して以来、精神的に不安定な母を心配させたくない。でも、部屋には戻りたくないしと悩む彼女に、なら足が治るまでうちに来いよと巧が提案。

迷惑かけちゃうからと最初は断ったものの、実際の所、彼の申し出はありがたい。
出勤ついでに会社近くまで送ってくれるというので、暫く厄介になることに。料理は嫌いじゃないからせめて居候する代わりに弁当を作り夕飯も美月が引き受けた。
怪我で数日休んでいた美月が出社すると、同僚達の態度が余所余所しい。態度の変わらない者もいたが、視線の冷たさにかつてない疲労感を味わった。
あの日すぐ起こったことを打ち明け、事情を知るる親友の麻美は、美月が休んでる間に内村が困ったことをしでかしてさと休憩中に教えてくれた。怒りが収まらない彼女は美月が夫と不倫していたと部長に訴えたらしい。部長は口が堅いので沈黙を貫いているが、内村が仲の良い社員に愚痴り、それに尾ひれがついて広まり、結果美月は略奪を仕掛けてフラれた性悪女というレッテルが貼られたと言うわけだ。勿論、鵜呑みにしてない人も多いけどねと麻美は言うが、かなり少数派だ。
陽平もだんまりを通しているので美月だけが悪者扱い。これは正直堪える。
不幸中の幸いだったのは、部長が少数派だったこと。陽平にも厳しく問い質し、独身と偽って交際していたことが判明。美月に非はないと判断されたのだ。
但し、陽平は処罰され全く違う部署に飛ばされると言う。この件で後日美月は更に悪者扱いになったのだが、ストレスで高熱を出し寝込んだ彼女を甲斐甲斐しく世話してくれた巧の気遣いのおかげで吹っ切ることが出来た。

足もテーピングだけで良くなり、礼をさせて欲しいと話す美月に巧が希望したのは結婚。唖然とする彼女に、彼なりに事情があるのだと言う。
役職柄、見合い話が多く下手に受ければ上司の手前、断れずに結婚コース。流石にそれは回避したいのだそうだ。もう婚約者がいて近々結婚すると言えば話も来なくなる。美月も母親に恋人を紹介するはずだったなら俺と交際していたと言うことにすればいい。利害関係が一致するし、美月なら俺のことをよく知っているからと言われ、憧れだった人との結婚に美月の胸はときめいた。陽平のことはあの日幻滅して恋情も既に無い。母も巧のことを可愛がっていたからきっと喜ぶだろう。戸惑いもあったがつい、私と結婚しましょう。そう答えていた。

父と別れて以来ふさぎ込みがちだった母・聡子は、美月が巧と結婚すると聞いて大喜びだった。父には巧から報告してもらった。数年前、被疑者の弁護をしていた父は被告人の身内から逆恨みされ2年にも及ぶ嫌がらせを受けた。聡子がうつ病になったのを機に家族にこれ以上害が及ばぬよう離婚という判断をした父に美月は腹を立てた。嫌がらせの方は示談で解決しても家族は元に戻らない。巧も疎遠にしているうちにそんなことになっていたのかとショックを受けていたが、美月が父親に対して蟠りがあるのも判る。
入籍して暫く経った頃、社内での美月の扱いも漸く軟化。陽平の方に問題ありと皆も判って来たようだ。
針のむしろのような日々を乗り越えられたのは麻美や部長、信じてくれた同僚のおかげでもあるが、やはり巧の存在が大きい。
最初は契約婚でも、いずれ彼との子供が欲しい。
そう思い始めていた頃、契約書が出来たと見せられた書面に夫婦の営みに付いて何ら書かれていない。「君を絶対に愛さないから安心してくれ」と巧に告げられた美月は愕然。
後日紹介された巧の友人・矢沢から、彼が両親の死の影響で人とかかわりを持とうとしていないこと、捜査一課にいる手前命の危険もあることから一生結婚しない気でいるのかと思ったという矢沢は、美月はきっとあいつにとってよき理解者なんだと思うと言ってくれた。
巧の絶対に愛さないと言った言葉の意味は分かったが、どうにもやりきれない。麻美に相談すればいざとなれば別れるという選択肢もあると発破をかけられ、決意した彼女は・・・。


契約婚ものですが、例に漏れず両片想いです。
人生どん底の経験をした巧は、もし結婚しても自分が死んだら残された家族に自分と同じ想いをさせてしまうと思い悩んでいました。
しかし、偶然にも恩人の娘であり好意を寄せていた美月の修羅場に遭遇。世話を焼いているうちに彼女となら考えを変えることができるかもしれないと契約という形で結婚を申し込んだのでした。
絶対に愛さないと言ったのは同意を得るまではベッドに誘わないと言う意味だったらしく、美月に問い詰められ白状した際、紛らわしいと怒られていましたw
確かにこれは誤解されるわ。
この間に、巧の両親をひき逃げした犯人も漸く見つかったり、彼の心にも転機が訪れたりしているんですけど、美月が離婚したがっていると思い込んで慌てている様が可笑しかったです。
辛い過去がある分色々考えちゃうのは判るんですけどねぇ。
二人はじっくり話し合い、契約は止め本当の夫婦になった頃、巧に説得された美月の父も聡子との復縁を決意。双方上手くいって物語は幕。
陽平は相応の報いを受けてたけど、個人的に内村さんにも責任は取らせるべきだと思いました。不倫されて気の毒とは思うけど美月は騙されてたわけだし間女憎しと怪我迄負わされ、社内に噂を広める結果になったわけですから。流石にやり過ぎよね。せめてケガさせた謝罪はしなさいよ。


評価:★★★★☆





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最終更新日  2024.08.27 14:13:23
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