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レズビアンの同人漫画家女性がレズをこじらせる話。主人公の一人称。オーソドックスな文体で読みやすいけれど、各短編で相手を変えて戯れているだけで、そこから主人公なりの世界観や人生観が見えてこないのが残念なところ。★★★☆☆
2010.04.29
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アシモフが歴史上の様々な出来事を集めた本。歴史上の偉人の発明や死に方など、ひとつのネタが数行で簡潔に書かれていて、雑学として面白い。短い時間にちょっと読むのにちょうどよい。★★★★☆
2010.04.29
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蟹の缶詰を作る船で働く労働者が過酷な労働に耐えかねて団結していく話。三人称。登場人物の労働者たちには名前がついておらず、漁夫や学生呼ばれているが、これは労働者をひとくくりに表現するのには便利なものの、個々人の思想がわかりづらく、感情移入もしにくいので、海軍に裏切られたりその後で再びストライキに成功したりする際の劇的効果も薄れている。文章にはオノマトペの多用が目立ち、労働者層に読まれることを想定してあえて平易な文章で書いたのかもしれないが、ヘミングウェイのハードボイルドな文体の平易さと比べると表現力に劣る。★★★★☆
2010.04.29
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足が腫れて水が出てきて、その水を死んだ兵士が吸いに来る話。三人称。現代の沖縄を舞台にしつつカットバックで戦時中の状況を展開させる手法。小説的にオチをつけて仕上げようとするあまりにテーマが本来持っている迫力が削がれている。併録の「風音」も沖縄と戦争を舞台にしつつも筆力が足りず、ストーリーテリングが優先されて、戦争と死を目の当たりにした人間の心理に向き合う真摯さが足りない印象。★★★☆☆
2010.04.29
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大学に入学した中国人青年が学生運動をして挫折する話。三人称。細かく章を分けて大学時代のエピソードを丁寧に拾っているものの、描写の密度が薄いうえに表現の強弱がなく淡々としていて、山場であるはずの天安門事件でもたいして盛り上がらない。学生時代の後は時間のペースを早めて登場人物たちのその後の人生が展開されるが、長めのエピローグのようで蛇足気味。★★★☆☆
2010.04.29
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女たらしの子爵が貞淑な女性を落とそうとする話。全篇が登場人物間の手紙のやりとりによる書簡体小説。登場人物が手紙で延々と心情吐露をするものの、出来事が直接描写されているわけでもないのでその手紙が書かれる前に何が起きたのかが不明瞭で、登場人物の背景もよくわからない。複数の人物の手紙が入り乱れているので、誰から誰宛なのか、何が起きたのかを把握するだけでも一苦労。100ページ読んだところで残り500ページを読んでも読む労力に比べて得られるものが少ないと判断して読むのをやめた。18世紀の社交界の様子を知る資料としては役に立つかもしれない。最後まで読んでないので評価保留。
2010.04.29
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戦中、戦後を描いた短編集。活弁士がしゃべっているような、句点と体言止めが多い文体。一人称と三人称の両方で自分の文体を使いこなしていて、文体とカットバックの技法との相性もよい。戦争での家族の死や少年院の少年の心情を真摯に書いているのもよい。自分の体験を小説としてうまく昇華している。★★★★☆
2010.04.29
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労働と資本の関係をわかりやすく説明した本。労働者をあおるような誇張された文句が若干入っているものの、労働者が増えれば賃金は下がるとか、今では常識となっているようなことを言っている。現代の経済学を知っていれば改めて読むまでもないかもしれない。★★★☆☆
2010.04.29
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猫と羊が合体した生き物が出てきたりするへんてこな短編集。現実離れした奇妙な出来事が起きる世界観は面白いものの、だからなんなんだという感じもする。★★★☆☆
2010.04.02
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科挙を控えた男の第二夫人が凄腕美人首切り忍者で、夫を補佐しつつライバルの盗賊とかを相手に戦う話。中国の古典を何個かくっつけてリライトした小説らしいが、描写に日本を引き合いに出すなど中国の世界観に徹しきれておらず完成度は低い。若干の古さはあるものの、現代においてもエンタメとしては十分に楽しめる出来。★★★☆☆
2010.04.02
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男性作家が熱烈な女性読者を無下に扱う話。三人称で往復書簡の合間に恋愛の考察が入ったりする形式。疑問形や比喩を多用したりしてひねくれた文体。1930年に書かれた小説らしいけれど、その割には女性観が古臭い印象。★★★☆☆
2010.04.02
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麻薬と男色の話。一人称で、短編が集まったような形式。「萎縮した序文」で『作家が書くことができるものは、ただ一つ、書く瞬間に自分の感覚のまえにあるものだけだ…… 私は記録する器械だ…… 私は「ストーリー」や「プロット」や「連続性」などを押しつけようとは思わない……』と書いているように、ストーリーのつながりがなく、プロットもなく、背景がわからない話がだらだらと続く。麻薬と男色のワンパターンで、物語としてはたいして面白くない。しかし表現方法と表現内容は相性がよく、この小説ならではの独自性がある。普通に暮らしている人が読む必要はない小説だけれど、この小説に書かれている麻薬と男色の異常な世界もまた人間の一面といえる。★★★★☆
2010.04.02
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どの短編も発想に工夫を凝らしていて、奇想天外なストーリーとユーモアが面白い。エンタメとして十分な出来。★★★★☆
2010.04.02
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貧乏な作家が息子と暮らす話。息子が一人称で小説を書くという体裁。父親から息子に送る愛情に満ちた教訓がよい。★★★★☆
2010.04.02
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