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学生時代にスターントリオ(アイザック・スターンのバイオリン、ユージン・イストミンのピアノ、レナード・ローズのチェロ)のLPに針を落としたとたんそのみずみずしいあふれるような音楽に魅了されてしまったことを昨日のように思い出します。ベートーベンというとどちらかというと壮大な交響曲、激しいピアノソナタの作曲家というイメージを持っていましたが、やわらかい音の競演にのめりこんでしまいました。ベートベン(1770-1827)は生涯にわたって、ピアノトリオを書きました。 大公は中期の大傑作で、ハイドン、モーツアルトのピアノトリオでは、通奏低音に近い扱いであったチェロを、 ピアノやヴァイオリンと同格に扱い、非常に活躍させているのが特徴です。 原曲はバイオリン、チェロ、ピアノですが、長い間「大公」のバイオリンパートをフルートで演奏したいという夢をもっていました。それが昨年のブリランテの演奏会で実現できました。きっかけは一昨年のメンデルスゾーン(1809-1847)のピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op.49の演奏です。原曲は「大公」同様バイオリン、チェロ、ピアノですが、作曲者自身がフルートのために編曲しなおしたものです。この曲は1839年に作曲されています。 その当時フルートはベームによってどんどん改良されていました。現代フルートは、ドイツの発明家で音楽家のテオバルト・ベーム(1794-1881)が1828年に工房をオープンし改良に取り組み、1846年になってから、円筒形のフルート作成に踏み切り現在のフルートの原型が出来上がりました。それまでのフルートは穴の位置が人間の手の大きさに合わせて作られていたので、今のピッコロと同じく、先細りの円錐形(conical)で、音量的にも小さく、音程的に不安定でした。音量と音程の改良は、管を円筒形にし、トーンホールを大きくしなければ出来ないのですが、穴の位置を人間の手に合わせると楽器として成立しないので、フルートのためにリングキーシステムを考案しました。ベームは管の内径を19ミリに決め、穴の位置も科学的計算により割り出しました。ベーム式フルート開発以降、フルート演奏技術は飛躍的に改良し、フルートのオリジナル作品も多数の作曲家により生み出されました。現在では、フルートとバイオリンは音域もほとんど同じキーもCなので、たくさんのバイオリン曲がフルートで 演奏可能ですので今では多くのバイオリンの為の曲がフルート用にトランスクリプトされています。 残念ながら、ベートーベンの時代のフルートは、楽器が現代のメカニズムほどの進化していなかったためだと思いますが、そのような試みは行われていません。 しかしながら、もしベートーベンの生きている間にベーム式フルートが完成していたら、きっと作曲者自身の手でフルート用に編曲されていたと信じます。時間の関係で第1楽章のみの演奏ですが、ピアノによる優雅で、リリカルなテーマの提示で始まり、3つの楽器の対話が、ソナタ形式で進行していきます。 編曲にあたり、バイオリンの重音、ピッチカート部をいかに演奏するかが課題ですが、どのようなサウンドになるか・・・お聴き下さい。音楽を聴く場合は上の写真またはここをクリックしてください
2008.12.02
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