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ワインバー『ロスコ』京都のイタリアワイン専門ワインバー「ロスコ」で頂いた赤ワインの一本目は、このワインでした。 プリミティーヴォ ディ マンドゥリア [2004/05] フェリーネ(赤ワイン)プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア DOC意外に知られていないことですが、その法規定の最低アルコール度数は14度と、かのアマローネと同じイタリア最高峰のアルコール度です。それだけにプリミティーヴォは、成熟が早いと同時に糖度の蓄積がたっぷりあって、これくらいのアルコール度は平気で上げることができるのです。とはいえ、アルコール度が上がれば、酸が減り、とても野暮ったいワインができるのが常のプリミティーヴォにあって、非常にモダンなスタイルを現地人の力で到達したのが、フェッリーネ擁するアカデミア・デイ・ラチェミの功績です。さすがにアルコールはしっかり感じますが、それでいて果実の香りが綺麗で、特に味わいの酸とタンニンの出方がプリミティーヴォにしては珍しく、全体のプロポーションを引き締め、バランス良く仕上がっています。香りは、チェリーのスピリッツ漬け、あるいはブラックチェリーでしょうか。そこに酸素に触れることによって、カカオ系の香りが出てきます。モアン!とアルコール臭が鼻につくことさえあるプリミティーヴォですが、そのドロドロとしたオッサン臭さがまるでなく、場合によっては北イタリアの赤ワインと勘違いしそうなボディを感じさせます。それでも鼻をつくアルコール起源のボリューム感たっぷりの香りはプリミティーヴォそのもの。そして絢爛と感じさせてくれる果実の豊かさは南イタリアの面目躍如たる風味です。たらりたらりと滴り落ちるグラスの涙を見ているとうっとりします。京都という日本の古都で、南イタリアの洗練されたワインを片手に、恍惚となるというのは、面白い体験です。京都とフィレンツェなら姉妹都市でもありますし雅やかな雰囲気を持った街として、何かしらの共通点を見出すこともできるかもしれませんが、南イタリアのしかも、プーリアです。古代ローマの時代は、ローマからアッピア街道がブリンディジまで伸び、ギリシャや東地中海とイタリア本国との出入り口になったところ。それゆえ、多くの他民族に侵略、支配された場所でもあります。ノルマン人、ホーエンシュタウフェン家、アンジュー家、アラゴン人、スペイン人、ブルボン家などなど・・・。その中でも格別に評判の良い支配者は、シチリア同様にホーエンシュタウフェンのフェデリーコ2世のようです。第六次十字軍で戦争ではなく「交渉」でエルサレムを奪回した、13世紀の「世界の驚異」「王座最初の近代人」と呼ばれる人ですね。世界遺産のカステル・デル・モンテは彼による建立ですが、これはバーリ県アンドリア、南のプリミティーヴォの地区とはちょっと違います。葡萄耕作の歴史は、ローマ時代よりも古いギリシャ時代。面白いことに、このワインのモダンな味わいの基盤はギリシャ時代のものです。アルベレッロという株仕立てはギリシャ時代のもの。それが今現在でも採用され、しかも、「フランス式の仕立てより質が高くなる」とプーリア人は豪語します。プリミティーヴォの起源は、現クロアツィアのダルマツィア地方と言われています。犬のダルメシアンの原産地。っつうことは、これはヴェネツィア共和国が絡まないではおけない葡萄品種でしょうね。アドリア海といえば、元は「ヴェネツィア湾」とも言われたヴェネツィア共和国の海ともいえる海ですから、彼らの交易がこの葡萄を北部からもたらしたとしてもおかしくない。とはいえ、「プーリアには2000年前にダルマツィアからもたらされた」とガンベロロッソ誌の土着葡萄辞典には書いてありました(^^;)ギリシャ時代の仕立てを土台に、ダルマツィア地方の葡萄品種を耕作し、灼熱のプーリアに根付いたワイン。イタリアワインには常に歴史の綾が耕作します。 プリミティーヴォ ディ マンドゥリア [2004/05] フェリーネ(赤ワイン)ワインバー『ロスコ』
2008/01/31
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久しぶりの京都でした。夜に差し掛かった街中は、小雨でひんやりとした空気を濡らしていました。夕刻に、短い時間でしたが、京都在住のヴェネツィア人イタリア語教師ファビオ・サルヴァーニョと三条のスターバックスで落ち合って、久しぶりに元気な顔と出会えて、お互いの近況報告をしあって、そしてお互いの人生を励ましあって分かれました。その後、本当に数年ぶりに三条通を歩きながら、六角通りのワインバー「ロスコ」に急行しました。ワインバー『ロスコ』上は、その集まりの最後に撮った写真です。小さくも温かいスペースの様子が少しは伝わるでしょうか。カウンターが8席。テーブルが一つで計10席のワインバー。もちろんサービスするのは、我らが笹山さん。奥様との仲睦まじくお客様を受け入れてくれます。ワインリストも簡潔にそして程よい幅広さのラインナップで選りすぐりのワインを並べられていました。集まったのは、主に大阪と京都のヴィーテ・イタリアのお客様。というか、昨日は、すっかりワイン仲間ですね(^^)大学時代の同級生もイタリアワイン大好きの同僚を連れて馳せ参じてくれました。全席禁煙席のこのロスコには、「個人」が集まる適度な緊張感のある、それでいて、決して打ち解けた気持ちの交換と矛盾しない温かさで満ち溢れています。一本目は僕のリクエストでプロセッコから始めました。数あるプロセッコの中でも屈指のもの。それをしっかり笹山さんがセレクトされているのが嬉しかったです。★[24%OFF] ビゾル プロセッコ ヴァルドビアデーネ ブリュット ジェイオ NVプロセッコのDOC、現在のコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネDOCは、この二つの名前の丘陵地に広がっていて、概して、ヴァルドッビアーデネの方が質的に高いプロセッコを生むと言われているのは、ひとえにこのビゾルの存在があるからだと思います。色は薄い麦わら色で、クリスタルに光り輝いています。立ち上がる泡の細やかさは、ほとんどシャンパーニュレベルでしょう。実に小さく、数多い泡が、微妙な蛇行を楽しみながら昇天していきます。香りは、グラスに注いだ瞬間、非常に強い酵母臭を感じさせます。少し糠のような、麹のようなニュアンスがあります。そして青りんごや洋ナシ、そして緑の活き活きとした葉の軽やかな香りがゆっくりと出てきます。このプロセッコの実力は口に含んだ時、一目瞭然となります。口蓋にまとわり付く酸と実に細やかな泡。素晴らしいのは余韻です。切れのある、まるで半月刀をイメージさせる美しい曲線を描く酸が、ほのかな果実香とともに静かに残ります。プロセッコらしいほのかな苦味も忘れられてはいません。デイリーワインであるはずのプロセッコに磨きがかかるとコチラの気持ちをワンランク上の高みにいざなってくれる、そういうことを教えてくれる貴重なワインです。おいおい、無理してシャンパーニュ買ってそれだけで満足するくらいなら、このワインをじっくり頂いたほうがよっぽど充実した時間をすごせるぜ!もちろん、素敵な空間で、それに見合ったグラスで頂くことも不可欠でしょう。ロスコはそれを保証してくれる数少ない場所です。※昨夜は計4本のワインを頂きました。一日一本のペースで ご紹介します。ワインバー『ロスコ』★[24%OFF] ビゾル プロセッコ ヴァルドビアデーネ ブリュット ジェイオ NV
2008/01/30
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今日は、家族とでも、一人ででも、そして仕事としてでもなく、お友達とワインを飲みに行きます。場所は、京都の河原町六角通りを東に入って北側の『ロスコ』というワインバーです。ワインバー『ロスコ』僕のお客様でもあり、同士でもある笹山等さんが昨年末にオープンさせた、イタリアワインにほぼ特化したワインバーです。彼は、イタリアソムリエ協会のソムリエですしまた美術や音楽にも造詣の深い、おそらくこの業界では非常に珍しく、新しいタイプのオーナーソムリエではないかと思います。「ロスコ」という名前もアメリカ人アーティストのマーク・ロスコから取ったもので、いわゆるコテコテの「イタリア好き」からも解放されていて、クールな感じが良いです。今日はこれから笹山さんの世界を堪能してきたいと思います。京都に行くのは久しぶりなので、しばらく会っていない人にも声をかけました。理由付けはどうであれ、ワインを囲んでいっしょに過ごせる時間を慈しみたいと思います。では、行ってまいります(^^)ワインバー『ロスコ』イタリアワイン講座&ディナーは大阪の和食ダイニング&ワイン「じょうのや」さんで! 2月16日(土)「南イタリアのワインを愛でる」
2008/01/29
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極北イタリアのワインについて、ディナーを楽しみながら進めさせていただいたのが、1月のじょうのやワイン会 での「北イタリアワインセミナー」でした。前回じょうのや ワイン会1月「北イタリアワインを横断する」1本目!スパークリング! 2本目!バルベーラ!3本目!バルバレスコ!4本目!アマローネ!そして、来る2月16日(土)のワイン会は、私ヴィーテ・イタリア高岡が、再び、講師を勤めさせていただきます。っちゅうか、ワインを中心にした気軽なお食事会と理解してくださったほうが良いと思います。もちろん、スライドを駆使して、昨年のナポリ紀行、一昨年のシチリア紀行の模様もご紹介しながら、南イタリアワインの実像をお伝えできればと思っています。クイズ大会でも盛り上がりましょう!!イタリアの文化を知る。イタリアワインに親しむ。それは現在の私たちの立ち居地を知ることにも役立つでしょうし、情熱のベクトルを同じくする人たちとの新しいつながりを持つことによって、さらに豊かさがアップするはずです。 第二回 地中海のイタリアワイン講座 初級編 Vini mediterranei d'Italia ヴィーニ・メディテッラネイ・ディターリア 日時: 2月16日(土) 19:00~ 2時間から2時間半ぐらいでしょうか・・・ 内容: 太陽輝く地中海のイタリアワイン=中南部の ワインを一挙にご紹介します。灼熱の太陽と 肥沃の大地から生まれる南イタリアの凄みを 是非感じてみてください! ワインの楽しさが弾けます!!(^0^) 場所: じょうのやさんの地図です。⇒コチラ 講師: 僕 イタリアワインコーディネーター イタリアワイン販売コンサルタント イタリアワインスクール校長 ワイン: 4種類(ナイショ!) 参加費用: ¥7000(税込み) 定員: 30名様まで お申し込み: じょうのや 北浜店 電話番号 06-6208-6009お店のサイトはコチラ じょうのや北浜店
2008/01/28
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ロードス島攻防記『 イタリア語のカデットという言葉を、百科全書は次のように 解説している。 ---フランスはガスコーニュ地方に生まれ、中世以降全 ヨーロッパに広まった言葉。 封建貴族の二男以下の男子を意味した。中世の封土制下では 家督も財産も長男一人が相続する習慣であったので、二男 以下は、聖職界か軍事の世界に、自らの将来を切り開く 必要があったのである。 ただし、現代では、貴族の二男以下の子弟という本来の 意味は消え、軍事の面だけが残って、陸海軍の士官学校 の生徒、つまり士官候補生を指す名称として使われている。 CADET(仏) CADET(英) ------- これより語るのは、十六世紀に生きた、若い三人の カデットの物語である。 』この歴史小説の冒頭をそのまま抜粋してみましたがここを読んだ瞬間に、僕の脳裏では、坂本龍一の「ラスト・エンペラー」が鳴り始めたのでした(^^;)「ラストエンペラー」オリジナル・サウンドトラックまあ東洋調の音楽と地中海世界ではまるで感覚的に違うのですが、この冒頭の入り方は、まるで秀逸な映画のファーストシーンのようです。そして、エピローグの最後の最後の文章、『 聖ヨハネ騎士団は、九百年すぎて、アマルフィ の商人がイェルサレムに創設した当時の、使命に もどったのである 』を読み終えた瞬間にも、不思議なことに、全く意識しなかったにもかかわらず、坂本龍一の「ラストエンペラー」が壮大に、脳裏に鳴り響き始めたのです。(何故、「1900年」じゃなかったんだろう・・・)数日前に触れた「緋色のヴェネツィア」では、バスタルド=庶子に生まれた貴族の子の悲劇、それがヴェネツィア共和国を主人公とするこの小説の重低音のように流れているのですがこの「ロードス島攻防記」では、二男以下の男子を指す カデットが同じ役割を演ずることになります。「長男」の重さ、そしてそれ以下のカデットの軽さが奏でる短調のコンチェルト。まあ、それにしても、歴史の醍醐味と辛さ、激しさを思い知らされます。人間とはなんと行き難い状況を激しく生き抜いて来た事でしょう。一人ひとりの人物から勇気や覇気をもらいまいした。歴史物を読んでいる僕は、そういうものに飢えているのかもしれません。それにしても、歴史絵巻の映画をみているような展開には舌を巻くばかりです。でもハリウッド系のものではなく、やはりイタリアのクラシックともいえる淡々と時間を物語るようなものです。最後に主人公たちのホモセクシャルが露呈するのですが物語の大きなうねりの中に、埋没することもなくかと言って、前面を占めることもない、上手い距離感でそれでいて、人物描写には欠かせない一瞬を捉えていて素晴らしかったです。大使館で勤めていた経験のある僕としては、マルタ共和国の歴史を初めて、つぶさに体験して「アホか、そんなことも知らんとったんか!」悪態をつきたくなる気持ちにもなりましたが(^^;)イタリア国内、または周辺に存在する小国の、大きな歴史的な意味合いについて知れたことも有意義でした。ロードス島攻防記
2008/01/27
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妻からとても良い本をプレゼントされました。「医者いらず」の食べ物事典って、「家族の健康は任せたぞ!」ということでしょうか(^^;)でも、冒頭部分に戦後の日本人の食生活の変化に触れ食の欧米化がもたらした「病気の欧米化」の部分から引き込まれ、「すべての病気の元は”食べすぎ”である」という下りでは、日ごろの自分の食べすぎ傾向と意識下で相当に恐れている大病への対抗策をまたひとつ得たという満足感ではちきれそうになりました(^^;)そう!食べすぎが一番悪い!!一番簡単な解決策じゃないですか。食べ過ぎなきゃいいんです!ピラミッドの碑文にこういうのがあるそうです。「人は食べる量の4分の1で生きている、残り4分の3は 医者が食っている」何千年も昔にこういう言葉がちゃんと碑文として刻まれるということは・・・・、今よりも人間は格段に賢かったのではないかと思えます。自分の生活でも、良く噛んで腹八分目でごちそうさまができるときの仕事へのモチベーションと、しっかりと食べたときのモチベーション、そして仕事のはかどり具合を考えても、絶対に小食のほうが効率の良い仕事ができている場合が多いように思います。まあでも、食いたいときには食いたいですよね。目の前にあるんだもん!!(^^;)でも、こういう情報を持っているか持っていないかで人生って変わりそうです。生活って、「ほんの少し」「たったこれだけ」「ちょっとぐらい」の繰り返しですからね!!もちろん、ワインの効能についても、しっかりと触れられていますよ。「医者いらず」の食べ物事典
2008/01/26
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地元の量販店で、このワインがあったのですぐさま買いました(^^;)きょうび、百円台のワインがおそらく半数以上を閉めるような、そんな量販店ですが、中にはコストパフォーマンスも高いワインもあるはず、と覗いてみて、ちょっとラッキーな気持ちになりました。サンジョヴェーゼ・サン・ジョルジョ[2006]/ディ・マーヨ・ノランテこのワインは、南イタリアのアキレス腱の少し上にあるモリーゼ州のリーディングワイナリーのスタンダードラインと呼べるものです。醸造家は、リッカルド・コタレッラという、まあイタリアでも屈指の醸造家。とはいえ、ジョルジュ・デュブッフという醸造家もフランスにはいるくらいだから、決してコレクター好みのカルトワインだけを造るのが醸造家じゃなくって、大量生産でも堅実な味わいを作り上げるテクニックも問われるわけで、そういう意味でこのディ・マーヨ・ノランテ社の戦略は実に正しく土着の葡萄をいかにコストパフォーマンス良くリリースして、多くの人に南イタリアのワインを愛してもらえるかをミッションにしているようなワイナリーなのです。だからこのサン・ジョルジョは、イタリアワインのデイリー使用としては、最高クラスの味わいに属すのではないかと思えるほどに、果実味と熟成感がしっかり出た、飲み心地の良さと深みを兼ね備えたワインに仕上がっています。2006は比較的バランスの良いヴィンテージだったのでしょう。余韻にしっかりと残る果実香と酸の心地よさが、それを裏付けています。あれ?こんなもんだったっけ?といぶかしく思うような酸の鈍いサンジョヴェーゼ種のワインにお目にかかる機会が多くなりましたが、こちらは、そのストラクチャーの刺激を心地よい「個性」と感じることができるのです。何もかもが丸くなってちゃ、ダメなんです。出すところはしっかりと出さないと。無難に終わらせてはいけないんです、テイスティングの時間を。しっかりと酸とタンニンを感じられて、それでもってその構造物を覆う壁がしっかりとあって、しかも優美に彩られていれば、言うことなしですよね。このサン・ジョルジョにはそういうワインとしての品格が備わっています。え?ちょっと果実味の出方がニューワールド系じゃない?え?酸とタンニンは、ちょっと柔らか過ぎるでしょ!これはもっと尖ってないと私は認めない!なんて、意見は正しいかもしれませんが野暮です。だって、ワインが伝えるべきはやはりまずは「美味しさ」でしょう。ワインが好きになるからこそ、ワインに対する好奇心が芽生え、そのうちマニアになるのです(^^;)デイリーワインに、伝統やテロワールの極意を求めても仕方ないと思うんですが。僕も陥りやすいのですが伝統原理主義というのは排他的で、ワインビジネスの根幹ともいえる「売る」という面からみると百害あって一利なしです(^^;)とにかく、飲みやすい!美味しい!文句なしに納得できる南イタリアワイン。そう!テイスターに求められるマナーはこのワインを「イタリアワイン」として飲むのではなく「南イタリアワイン」として飲むこと。そして、できれば、それがモリーゼというイタリア屈指の貧困州の超リーディングワイナリーであるディ・マーヨ・ノランテのワインであることを頭の片隅にとどめておくことでしょう。そして、このワインの味わいを一つの基準点として色んなワインを試すと、味わいにしても、コストパフォーマンスを見極めるとしても、あなたの感性に磨きがかかること、間違いなし!です(^^)サンジョヴェーゼ・サン・ジョルジョ[2006]/ディ・マーヨ・ノランテ
2008/01/25
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緋色のヴェネツィア「海の都の物語」はローマ帝国瓦解以降、アドリア海の北端に生まれた、人類稀有の共和国ヴェネツィアの1000年以上にわたる歴史を描いた大作ですが、この「緋色のヴェネツィア」は、「サン・マルコ殺人事件」という複タイトルがついている小説仕立てで、東方より巨大な脅威としてヨーロッパに迫ったオスマン・トルコのスレイマン大帝に対峙したヴェネツィア共和国を描いた小品です。イタリア語のスラングの一つに バスタルド Bastardoという言葉があります。日本語に訳せば、「クソバカ野郎!」という感じで訳せる言葉ですが、正確に訳すなら 庶子ということになります。つまりは私生児、まあ「売春婦の子供」という悪態をつく言葉よりはマシかもしれませんが、貴族の正室ではない、妾とか行きずりの女とかに生ませた子供ですわな。今も昔も、貴族も庶民も、そういうことは日常茶飯事なんですね。そして、ヴェネツィア共和国では嫡子以外は貴族としても認められない、非常に厳格な階級社会と申しましょうか、たとえその庶子に様々な才能があったとしても、彼を元老院議員にすることは絶対できなかった。たとえ、それがドージェ=ヴェネツィア共和国元首の庶子であったとしても。その人間社会の現実が生む、壮大な歴史の縺れ(もつれ)といいますか、それを16世紀のヴェネツィアに、まるで塩野七生が降り立って描いたようなリアルさで、大きな歴史のうねりに翻弄される、いえ、むしろ人間こそが歴史のうねりをつくる様を、二人の若い青年の絆を綴ることによって描いていきます。「海の都の物語」で描かれた政治と生活のヴェネツィアがよりリアルな形で、具体的に描かれるので、ヴェネツィアに対する思いを深めるには恰好の書物でしょう。表紙の「灰色の目をした男」というティツィアーノの絵が素敵ですね。ルネッサンス期から近代への激動を生きたヴェネツィアの青年(?)の美しさがメラメラと充満したような絵です。でも、目が灰色というのは、まさしく灰色ではなくシベリアン・ハスキーのような水色なんですね。そして、その他はラテン系のようでもあり、ゲルマン系のようでもある・・・・これはいろんな血が混じらないではできえない人間です。様々な人種と民族が混じって、混じって、混じりまくって来たのがヨーロッパの歴史でしょう。その副産物として食が、そして葡萄が移動する時間の流れ。ついに21世紀。あらゆるイタリアの葡萄品種のワインが、ついに日本で消費され、一部、日本で耕作されワインになる時代も到来しようとしています。詳しくはコチラを!http://plaza.rakuten.co.jp/opiumvino/diary/200709250000/【日本を代表する蔵元!】丸藤葡萄酒工業[2004]ルバイヤート シャルドネ・旧屋敷収穫 720ml緋色のヴェネツィア
2008/01/24
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読売新聞で「水危機」というコラムが連載されていますが22日火曜日には、「牛丼一杯 風呂10杯分」というタイトルで、「仮想水」について触れられていました。要するにその食品なり食材を生産するために必要な水のことで、牛丼なら主に牛肉と米を生産するために必要な水量と食べる重量から計算するそうです。特に牛肉は、直接牛に与える水ばかりか、その飼料を作るための水も必要とするから、換算すると風呂10杯分、つまり1887リットルだそうです。その内、ご飯一杯で、風呂一杯弱だそうですから、やはり家畜を育てるのはものすごい資源を使うことにほかなりません。あと、輸入仮想水という言葉もあって、つまりは輸入品目の中の仮想水ということになりますが牛丼で70%弱、ハンバーグで87%、オレンジジュースで89%、などというデータもあります。知らず知らずのうちに、地球上の限られた資源を使いまくっている典型的な例ですね(^^;)一方でワインの世界はどうなのでしょう?100%雨水で作り上げるのがイタリアやフランス等の伝統国のあり方ですが、一部のDOC銘柄では灌漑もやむを得ず、というものがあります。僕も南から北までの生産者、それも超のつく優良生産者の畑で灌漑をみたことは幾度となくあります。ボルドーの一級シャトーやブルゴーニュのドメーヌなどはどうなのでしょう?とはいえ、降雨量は、ワインの品質におびただしく影響を与えますから、特にワイン法で定められたワインたちには、その点厳しい規制がなされています。その根本には、「自然は受け入れなければならない。それが ワインである」という思想があるように思います。一方、ニューワールドに行くと、灌漑だらけでしょう。もちろん、農民たちの生活があり、お金が必要なわけですから、これを批判することはできないしそれを意図しているわけではありません。ただ、灌漑がニューワールドに多く、伝統国でも増えている、ということは確かだと思います。仮想水という点だけを見れば、質を重視したワインは水をできるだけ必要とせず、最低限の量が確保さえできれば良い、という生産物は地球にとってはありがたいのかもしれませんね。とはいえ、コメと葡萄の仮想水を比べてみたところで意味があるわけではないのですが。ここ数年のイタリアワインを見ていると地球の温暖化による品質の影響は顕著に出ているように思います。フランスワインに比べるとネゴシアンなどの流通システムが確立していないイタリアワインは、リリースが早かったので、比較的「酸っぱい」ワインが、良いレベルのワインにも多かったように思いますが、温暖化の影響はワインに丸みを加えて飲み易く、安定したような気がします。とはいえ、ワインの命である味わいの「美しさ」の基調は酸ですから、これが温暖化の影響で大きく変化していくことは現在進行形で感じることができます。「酸が全体的に頼りなくなった」「すべてのワインが飲みやすくなった」そう感じているのは、僕だけじゃないはずです。ただ、その変化が単純な技術的な刷新や葡萄耕作の進歩とも違ったレベルのことが原因になっているのかどうかは100%確信できません。嗜好の変化、マーケットの変化、醸造技術の進歩は地球の温暖化と見事にセットとなって進行して、拍車がかかっているようにも思えます。不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディション久しぶりのイタリアワイン講座&ディナーは大阪の和食ダイニング&ワイン「じょうのや」さんで! 2月16日(土)「南イタリアのワインを愛でる」
2008/01/23
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不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディションDVDをTSUTAYAで借りていたのですが返却期限ギリギリになってしまったので朝早起きして観ました。地球の温暖化問題について、宇宙の視点から、我々人間一人ひとりの心の中までを丹念に描いた秀作ですね。この作品が契機になって、アル・ゴアさんはノーベル平和賞を獲得しました。経済界も政界もこの話題は極めて「不都合」ということで避けてきたものですが、つまるところ経済=金と地球のどちらが大切か?の選択をしなけらばならない時なんだと思います。当たり前の話ですが、これまで我々が享受してきた自然の恩恵=地球をないがしろにすれば、経済どころの話ではなくなります。誰の目で見ても自明のことなのですが、映画の中のアニメの挿入にもありますが、熱湯の中に放り込まれたカエルはすぐに脱出を試みますが、水の中に入れられ、ゆっくり暖めるお湯の中にいれば逃げ出そうとしません。でも我々全員がこのぬるま湯の中にいることを自覚しないと本当に取り返しの付かないことになるでしょう。他人事ではない。そう思って、日々の生活の中にある無駄について逐一チェックしたり、電気やガス、灯油などの無駄遣いがないか、そしてできればちょっと我慢して寒さを凌ぐ方法を考えるようにしています。だって、映画の最後のほうに、我々の日常生活の中での努力が実を結べば、1970年ごろの状態に戻せる、つまり、今のCO2産出量の半分まで抑えられるとゴア氏は断言しています。映画のラストで、自分にできることから先ずやろうと、具体的な提言を静かにテロップで流すことでこの映画は終わっています。秀逸なラストです。記録映画としてもよくできていますし、これはどの自治体、どの中学校、高等学校でも見せるべき映画でしょう。このブログを呼んでくださっている方々なら、ある程度は予想できる内容の映画だと思います。でも、実際にゴア氏に語りかけれられること、そして実際に被害にあった地球の状況を具体的に目の当たりにすることによって、「熱湯に放り込まれる」体験ができると思います。様々な異論、議論は呼んでいるようですが、まずは必見です。不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディション久しぶりのイタリアワイン講座&ディナーは大阪の和食ダイニング&ワイン「じょうのや」さんで! 2月16日(土)「南イタリアのワインを愛でる」
2008/01/22
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車で十分ほどの実家に帰り、元気な両親の顔を一瞬ですが、数週間ぶりに見て、野菜や甘いお菓子をたっぷりお持ち帰りでいただいて帰ってきました(^^;)子供たち二人が帰宅してから、食事の前だったのですが頂き物の一つのシュークリームを食べました。がっつく子供に僕が聞きます。「なあ、シュークリームには、牛乳を合わせたい? それとも ウーロン茶かあ?」子供たちは、味覚教育をしようとする父を無視して無言でがっついていました。繰り返し質問する僕に息子は目で何もいらないと首を振り、娘は無視を決め込んでいました(^^;)そういうガキは放っておいて、冷蔵庫の中から2本のワインを出して、しばし大人の楽しみに勤しみました。モスカート・ダスティ[2005]/ヴィッラ・ラナータシュークリームのシューは、ほのかなロースト香があり甘みがあって、これがマスカットの風味と実によくあいます。シュー生地は、口の中の唾液などを吸い込みますから口蓋が乾いて水分が必要になります。その時に、このモスカートの爽やかで軽快な液体を注ぎ込むと非常に心地よいのです。また、シュークリームのクリームは卵の風味が豊かで食感はべったりしていますから、モスカートの、弱いけれど確かに存在する微発泡が口の中を綺麗にしてくれます。あ、よく市販されている糊のようなクリームと干からびた、またはしなしなになったサモシイ生地のシューは、食べないようにしましょう(^^;)それなりにちゃんとしたシュークリームというレベルじゃないとワインにも失礼です。(最近工業製品系のパンやお菓子は化学的な匂いが 激しく鼻をつくようになってきました。僕が敏感に なったのか、それとも化学系物質の含有量が多く なってきたのか・・・・恐ろしいですね)食事前のあわただしい時間帯でしたが おおお~~~極楽極楽~~ うえ~~めっちゃ美味い!!と涙を流さんばかりに喜んでいる僕を見て、二人の子供がキョトンとしておりました(^^;)2本目のワインはコレです。ラ・カップッチーナ アルツィモ・パッシート・デル・ヴェネト [2004] 500ml 白甘これは、北イタリアヴェネト地方の陰干しした葡萄で作る濃厚なデザートワインです。スタンダードものには「レチョート・ディ・ソアーヴェ」というイタリアワイン法で最高峰のDOCGが存在しますがそのワイン法を省みずに独自の製法で独自のワインを表現するというポリシーで持って生産される、おそらくスタンダード「レチョート」よりも優れたワインだと思います。アーモンドやドライイチジク、レーズンやバニラなどの香りがとろとろの液体の中に溶け出しています(^^;)これは、シュークリームの上から、ハチミツを流し込むような感覚ですな。余韻のロースト香と果実香のなんと艶かしいこと!ややシュークリームの力を凌駕して、行き過ぎた力量を発揮してしまいますが、寒くなってきた冬にこのワインと合わせられるデザートは数多いでしょうね。モスカートはピシッと冷やしていただくワインですからシュークリームとの相性はやはり春か秋でしょう。夏場はシュークリームが腐りやすいから要注意です(^^;)(因みに、僕の住んでいる近江八幡を本拠地にする クラブ・ハリエのシュークリームは真夏は生産され ません)チョコレート系のケーキ、あるいは、ジャム等でつくる焼きがしには断然トロトロ系のレチョートでしょう!!この2つのタイプで、デザートの時間が至宝の時間になる。モスカートとアルツィモ、そしてシュークリームの幸福感のお陰で、その後寝るまで、ダラダラすることなく、充実した時間を過ごせたことは言うまでもありません。
2008/01/21
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妻は朝から出勤です。息子は少年野球で夕方までみっちりです。となると、小さな娘と過ごすのは父のみということになります(^^;)晴れていれば、公園、山、びわ湖などいくらでも連れて行ってあげる場所がありますから苦労はないのですが、こう雨が降り続くと、家の中で何かをしなければなりません。手っ取り早いのは、大好きなビデオを見せることです(^^;)でも、これを中心に考えると大人の敗北でしょう。こちらの息継ぎ、一休み程度で利用するのは悪くないのですがダラダラになると、もう子育ての放棄!とはいえ、時々陥ってしまいます・・・。なので、今日は、とことん、つきあうことにしました。まず、ぬいぐるみのごっこ遊び。とにかく、無数のぬいぐるみを所有する娘の今のお気に入りは色んな登場人物になりきって、色んなシチュエーションを演じることです。それには相手役がどうしても必要です。普通の声でクマさんの台詞を僕がやると「ちがう!声を高くして!」という指示がいきなり飛びます。「こんにちは!クマしゃん、何をしようか?」「じゃー、かくれんぼしよう!」「うん!」「どっちがオニ?」「じゃー、私がやるね!」と、こういう風に進んでいきます。娘は、まだかくれんぼの要領が分かっておらず、自分が隠れながら「い~ち、に~い、さ~ん・・」と数え出して、「もういいかい!?」とこちらに聞いてきたりするので、こちらは微苦笑しながらつきあいます。その次は、ままごと。まあ、この手のことをさせるとその想像力の豊かさには舌を巻いてしまいます。カップケーキやお寿司、ハンバーグやスパゲッティにいたるまで、実物がなくても、または、何もなくても、一瞬にして、この場がレストランにも、家の台所にも、すし屋にもなります。電話でしゃべるのも大好きです。プルルルウルルルル・・・と擬音を出して、電話をかけると、携帯電話のおもちゃで「ハイ!クマしゃんです!」と電話に出てきます。受話器を下ろしながらしゃべるとまたお叱りが飛びます(^^;)「オイオイ!そんなハキハキ応対できるなら、実生活でも まともにやれよ!」というツッコミはなしです(^^;)まあ、他人がいる場所では絶対に出ないような、賢明さと突き抜けた明るさを持った娘がそこにいます。息子もそうでしたが、内弁慶というか、かなり人見知りが激しい方ですから、やはりどこかで発散しておきたいんでしょうね。基本、「調子のり」は父親譲りのようです(^^;)あとは、父の体力トレーニングにも付き合ってもらいました。ストレッチしたり、筋肉トレーニングしたり・・・・でも筋トレは子供とはできないですね。腕立て伏せや腹筋運動を隣で真似してくれるのですが、そのしぐさのかわいいこと!もう笑えて力がはいらんのですわ。あとピアノもいっしょに弾きました。僕もちょっとぐらいは弾けるので童謡などをやるといっしょに歌ってくれます。滅茶苦茶弾きしたり、音の応酬をやって遊びました。時々、外を見るのですが、雨が降り続いていたので散歩すらできませんでした。夕刻に買い物に出かけたのですが、あろうことか、車中でぐっすりと寝てしまって、ダッコをしながらの買い物でした。これがかなりつらい(^^;)レジのおば様が、「入れましょうか?」と持参した買い物袋に品物を入れながら、レジを打ってくれたので大助かりでした。また帰り際、別の店員さんが、「これ、お客様の?」と、靴を一足持ってきてくれました。買い物中に、寝ている娘の足から落ちたものでした(^^;)二つのサービスを受けて、とても嬉しい気分でアルプラザ平和堂を出ました。帰宅すると今度は、野球を終え、友人宅で遊んでいた息子が帰ってきました。今度は息子が娘の相手をしてくれます。ちょっかい出しながら泣かせたりするので、かえってイライラしたりしますが、こうでないと夕飯ができません。妻は深夜勤務入りですから、帰って来ません。週に2,3回、3人だけの夜があります。買い物で買ってきたこのビールを片手に用意していたらバスペールエール(イギリス) 355ml瓶 24入(送料込)(A)ポテチが食べたくなりました。厚めに包丁で切ったじゃがいもと薄くスライサーで切ったじゃがいもの2種類を揚げて、子供たちにテイスティングさせました。息子は、「分厚いほうが苦くて、薄いほうがパリパリしてる」と独特の感想を述べてくれました(^^;)でも、市販のものより厚いほうが、食感が面白く風味もしっかりして、美味しく感じるのか、早くなくなりました。ビールとの相性も、分厚いほうが、「持ち味」の出し合いで、旨く重なり合ったように思います。薄いほうはどうしてもロースト香が強くなるのですでにそういう香りを持っているビールですから意味がなくなるのです。おかげで仕事は手付かずのままでした(^^;)こうして貴重な時間が過ぎていきます。子供と触れ合う素晴らしい時間の連鎖、それと比例して仕事がはかどらない焦りがつのります。しゃーないですけどね。というか、子供との時間は人生の大きな投資ですから、もっと充実するようにがんばんなきゃと思います。それでも、仕事も大切なものです。リセットしてがんばろ!案じずに目の前のことをやるだけですね。
2008/01/20
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大阪淀屋橋 創作和食ダイニング&ワインじょうのや北浜店で開催されたワインセミナーを行ってきました。お出ししたワインに関しては、昨日までの日記で詳しく触れていますので、良かったら覗いて下さい。クイズと共に楽しめます。久しぶりにお客様の前でイタリアワインについてしゃべらせていただいて、嬉しさでいっぱいになりました。参加されたお客様は、歴史や文化的な話からテイスティングの要領に至るまでとてもとても熱心に聴いてくださって身に余る光栄を感じていました。全く違った場所の話になりますが、僕は映画館が好きです。そこに集まる人は、全く知らない人ばかりですし、公共の場に相応しくないことをする人もたまにはいますが、基本的に同じ映画を楽しみに、いろんな所から「わざわざ」来る人たちです。映画の上映中、笑う場面やしんみりする場面になると独特の空気が映画館に漂います。ピンと張ったような緊張感が走る場合もありますし、一気に砕けた笑いに包まれる時もありますよね。全く知らない者同士が、別に意識することなく集まって同じ映画を楽しんでいく空間は面白いと思います。普段のレストランや食堂では、同じお店に集まるところはいっしょでも食べるものが違っていたり席も時間もバラバラですから、映画館の時間と対象を共有しあう場というのとはやや違いますよね。むしろ音楽のコンサートとかが映画館に似ています。因みに、僕はロックやポップスのコンサートにもよく行きましたが、全員が一緒になって手拍子したり、同じアクションを繰り返すのが、どうしても苦手です(^^;)特に日本人のコンサートではこの点が著しく、非常に嫌なのです。一方で、北朝鮮のマスゲームとか見るのは滅茶苦茶好きなんですが、自分でやるのはまっぴらごめんです。その点では、バラバラな感じがむしろ好きなのです。ピエモンテ州ブラに始まったスローフード運動は現在やや商業的になりすぎたとして批判にもあっていますが僕はその運動の骨子は非常に正しく、好感が持てるものだと思います。そしてその中に、「共に食べ、共に飲むこと」の大切さも謳われています。リアクションはバラバラで良いんです。でも、その対象を同じ時間に共有しあう、せめてこの部分は時々味わうと生活に潤いが持てるように思います。美味しいね!面白いね!という共感は感動をさらに高い次元にしてくれるように思います。美味しいね!え?美味しいか?美味しくないやん!という相対する反応になってしまっても、さめざめとすることはない。別の反応を持つのは個性がある証拠ですからね。我々の感性って、意外にバラバラですから。美味しいね!うん!美味しいね!!という意見の一致はサッカーのゴールのように神がかり的な奇跡だと思ったほうが良い。とてもとても幸せなことなんだと思います。今回の皆さんの反応はいかがでしたでしょうか。その奇跡が本当に心の底から感じられるものであれば至極幸せだと思います。参加くださった皆様、そして呼んでくださったじょうのやさん本当にありがとうございました!!また次回もありますから、今回来れなかった方は是非是非!!久しぶりのイタリアワイン講座&ディナーは大阪の和食ダイニング&ワイン「じょうのや」さんで! 2月16日(土)「南イタリアのワインを愛でる」じょうのやさんは、淡路町に本店を構えてらっしゃる和食ダイニングとワインのお店です!じょうのや本店両店舗とも地下一階にあって、隠れ家的な感じがあってゆっくりとワインを楽しむには理想的な環境だと思います。お料理の質たるや!・・・・昨日までの日記でも触れましたが和風の創作料理を手がける竹中シェフの実力はかなり素晴らしいです!!(^^)
2008/01/19
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2008年1月19日(土)に大阪淀屋橋じょうのや北浜店で開催されたワインセミナーで出題したクイズです。ヴェネトワインには陰干しした葡萄を醸造する伝統的なワインが存在しますが、その陰干し葡萄ワインをヴェネト方言でどういうでしょうか?A. アッパッシメントB. レチョートC. アマローネAのアッパッシメントは、イタリア語で「葡萄の乾燥」を意味しています。つまりレーズンにすることですな。ということで、これはヴェネト方言ではなくイタリア語。レーズンから作るワインは、ヴィーノ・パッシートという表現がされます。Cのアマローネは、「めちゃ苦い」という意味です。日本語のイメージ的には甘そうな感じがしますが、語源は元々甘口ワインの入った樽が偶然消費されずにセラーで寝かされて、すべての発酵を終えたものを飲んだ人が「うえ~~苦い!!」といったことに由来するものでしょう。甘口ワインだと思って飲んだら、アルコール度の高い辛口ワインになっていたわけですから、アマローネ!というのもうなづける。でもアルコールというのは甘さを感じさせる要素ですよね。そしてゆっくりとした発酵、熟成は芳香性の太さといいますか奥行き、広がりが出ますので、非常に甘みを感じさせるワインになります。レーズン的な極甘の香りも持っています。そうでなければ果実を、特にチェリーをスピリッツに漬けたような香り。この辛口ワインをアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラと呼んでいますが、この「アマローネ」・・・ヴェネト方言ではありません、イタリア語です。B.のレチョートですが、これは、ヴェネト方言の「耳」=レチエに由来するものです。このアマローネを醸造するときに、収穫した葡萄を屋根裏部屋で乾燥させるのですが、その時に最も理想的な粒をつける部分が、葡萄の房の上部、つまり翼のように見える部分なのですが、ヴェネトの人たち、とりわけヴェローナの人たちは、この翼部分を「耳」と表現したのでした。そこから派生した言葉が、レチョートです。ということで、答えは、Bのレチョートです。「チョコレート」みたいですけど、もっと可愛らしくて歯切れの良い言葉ですよね。でも、文字通りチョコレートとの相性も楽しめるワインです。レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラといえば、アマローネの甘口ヴァージョンのことですし、白ワインならレチョート・ディ・ソアーヴェがあります。すべて、イタリアが世界に誇る偉大なワインだと思います。レチョート ディ ソアーヴェラ ペルラーラ2003 カ ルガーテレチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラクラシコ375ml[1993]/QUINTARELLIで、今回最後のワインとしてテイスティングしていただいたのは、このアマローネでした。高騰すぎるアマローネの救世主!アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラシコ・カピテル...非常に廉価ですので、是非一度お試しいただきたいのですがやはりアルコールの力が爆発しています。グラスをつたう涙の数!香りにはじけるアルコールの強い揮発香!!味わいに膨らむ分厚い肉のような感覚!!!余韻には、チョコレートのようで、シナモンのような素晴らしい熟成香が残ります!!このワインに合わせていただいたのが竹中シェフのお料理豚バラ肉とインカの目覚めのミント風味 トマト煮込みでした。じっくりと煮込んで柔らかく仕上げた肉料理には、ふくよかな赤ワインが似合います。ミントの香りもワインの重さを軽やかにします。アマローネのヘビーさがトマトの軽やかさでキュッとしまるような感じがしてユニークでした。このアマローネ、アルコールは15%と非常に強いものですが果実味そのものは控えめなものですから、料理の繊細な香りも潰さない良さがあるんですね。で、ここでトマトとワインの相性について思いを馳せました。僕は、トマトとワインの相性は典型的に優れた相性だと思うのですが、トマトにもワインにも色々とあってそのグラデーションをあわせることが、両者が旨く溶け合う条件だと思っています。フレッシュトマト ⇒ フレッシュワイントマトソースドライトマト ⇒ フレッシュ&フルーティワインドライトマト煮込みトマト ⇒ 熟成ワイン超煮込みトマト ⇒ 超熟成ワインつまり、酸と甘みのバランスの関係を合わせた方が両者の力強さの度合いもつりあって、結局良い相性になるんです。ご家庭での相性にも試してみてください。高騰すぎるアマローネの救世主!アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラシコ・カピテル...じょうのや北浜店
2008/01/18
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2008年1月19日(土)に開催された大阪のじょうのや北浜店でのワインセミナーで、クイズ大会をしたのですがその第二問がタイトルの問題です。Q.味わいの特徴として「力強さのバローロ」に対しお隣のバルバレスコは「○○○のバルバレスコ」と形容できます。○○○に当てはまるのは?A. 繊細さB. 優雅さC. 濃厚さもちろん、バローロも色々、バルバレスコも色んなタイプがあることは確かですし、その醸造法やスタイルによって、様々なヴァリエーションがあることは自明のことです。ここでは、イタリアワインジャーナリズムの権威とも言われるバートン・アンダースン氏の言葉を拝借してみました。「バルバレスコは純粋な力という点で最強のバローロ には及ばないし、ブーケを強くするための樽と瓶での 熟成(4~8年)もバローロより少ないが、しばしば バローロ以上の繊細さと調和の取れた品質を備えて いる」イタリア・ワインということで、答えは・・・・ A.繊細さでした。今回のセミナーで選んだバルバレスコは、次のものです。バルバレスコ・ブリッコ・スペッサ[1996](赤)グラッソ・フラテッリ上のワインのスタンダードライン98年でした。伝統スタイルですよ、大樽を使った。ですからこれ見よがしの色の濃厚さがなくって、香りも可憐。味わいも酸とタンニンがややぶっきらぼうに出ていますから、極一般的なテイスティングにあまり興味のない人にとってはひどく酸っぱくて渋いワインで終わってしまうようなワインだと思います。でも、我々はすでにバルベーラ・ダルバをテイスティングしていました。カッシーナ・キッコバルベーラ・ダルバ・ブリック・ロイラ [2004] 赤(詳しい味わいについてのコメントは昨日の日記を参照してください)あのアルコールと甘みの際立ったバランスの優れたバルベーラに比べるとこちらには突出したストラクチャーが感じられます。これは、非常に伝統的なスタイルでして、ネッビオーロ種という葡萄の面目躍如といえる味わいです。とはいえ、果実味も、こちらから近づこうと努力すれば赤い果実、ストロベリーやラズベリー系の香り、そして時間と共にミントや森の下草の香りも出てきます。(セミナーでは「サロンパスの匂い」とコメント しました^^;)廉価で良いバルバレスコだと思います。もちろんトップクラスに比べるとその洗練度、優雅さは比べようもありません。ガイア・バルバレスコ[2000]ガイアは帝王ですから・・・^^;、このくらいの価格でも十分に廉価かも・・・。いずれにしましても、ネッビオーロの世界の面白さはその味わいの特徴だけではありませんでした。セミナーでは、じょうのやさんの竹中シェフにワインにあわせた料理を作っていただいたのですが、昨日の日記に引き続き素晴らしい相性を堪能させていただいたのです。相性に関しては僕が事前に料理の方向性等を連絡していたのですが、実際的には竹中シェフの創造性豊かな世界が漂う素晴らしい料理でした。バルバレスコに合わせた料理は地鶏と下仁田葱のぬか漬け、諸味噌ソースでした。諸味噌ソースの深い甘みと香りの世界が地鶏のコクのある味わいをさらに力強く、印象深くする料理でしたがこの味わい全体の甘みにネッビオーロの酸が非常にバランスよく絡み、そして全体の味わいをキュッと引き締めていました。味噌と赤ワインの風味がお互いを消すことなく絡み合い、その甘みと酸がふわりと味わいをワンランク上の美味しさにいざないます。例えば、今回のバルベーラのような濃厚なワインとあわせることも可能だったでしょう。濃厚な味噌のソースと果実味溢れるヘビーなワインは良く重なって深みも増すでしょう。でも、バルバレスコとの相性は、それ以上の豊かさを獲得していたように思いました。なぜなら、果実味はじけるバルベーラは、料理の繊細さ、例えば、地鶏の風味だとか、葱の風味これらを越えて、潰してしまうのです。バルバレスコはすべてに絡み、すべてを包み込みすべてを生かし、共存していました。ここが素晴らしいところです。見事なマリアージュでした。こういう意外性のある、意表をつくような相性に出会うと本当に幸せな気分になれます。まさに「邂逅」という表現がぴったりです。これだけで人生が豊かになった、なんだか敬虔な思いが全身を覆って、勇気が湧いてくるようなのです。何故、我々はワインに惹かれ、美味しさを求めようと際限なく彷徨うのか。この勇気を欲しているからだと思います。じょうのや北浜店
2008/01/17
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2008年1月19日(土)に開催された大阪のじょうのや北浜店でのワインセミナーで、クイズ大会をしたのですがその第一問がタイトルの問題です。A. 北はアルプスから南はポー川までB. 北はアルプスから南はトスカーナ地方までC. 北はアルプスから南はローマまでもちろん、フィレンツェの人があなたは「南イタリア人」と言われたら、経済格差の南北問題著しいイタリアにあってはフィレンツェ人は怒るでしょう。地理的に見ても半島を半分に割れば、確実に北に入るのがフィレンツェです(^^;)では、ローマというのはどうか。ローマも半分に割れば北に入るでしょうか。でも微妙な位置にあるから、ミラノやヴェネツィアの人から見れば、「ローマは南だねえ。テッローネ(北の人が南の人を蔑んで指す言葉)だよ、ローマ人は!」ということになるでしょう。メンタリティー的な部分を見れば、余計に、怠惰で下品なローマ人を「南」と見なすことに、誰も異議はないでしょう(^^;)とはいえ、これはあくまでもイタリアの経済の問題であったり、メンタリティーであったりの心情的なことですので、ワインの話とはちょいと違います。「ワインの北イタリア」・・・・あくまでも独断で決めたのですが(^^;)やはり、西から東に横断するアルプスの麓のワインというのが妥当だと思います。西のアオスタ州、ピエモンテ州、ミラノのあるロンバルディア州とその西のアルト・アディジェ州、東のヴェネト州とフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の6州が「ワインの北イタリア」ということになるのではないでしょうか。アルプスの向こうのヨーロッパとの歴史における摩擦単一葡萄でのワイン作りDOC、DOCGワインの比率の高さ少なくともこの3つを兼ね備えるのは、上の6州ということになりそうです。でも、ヴェネトの場合は、「単一葡萄」というのは微妙にちょっと違うなあ・・・ヴェローナワインの伝統はブレンドだしね。まあでもその他の2つは完全に的中しています。トスカーナは、例えば、外来葡萄の耕作の歴史からも単一葡萄の醸造も、またDOC以上の比率の高さも伝統としては持たない州です。絶対「北」という範疇には入らないでしょうねえ。古代ローマの世界から見てれば、「北」は蛮族の世界なんですね(^^;)フィレンツェのトスカーナはローマ人に文明を教えた方のエトルスクの本拠地です。この辺、やや現代の感覚と逆転しますな。イベントでの一本目の赤ワインは、ピエモンテのバルベーラ種のワインをお出ししました。北イタリアワインとして、最もカジュアルにして、最も生産量も多く、最も「モダン化」に成功したワインだからです。 カッシーナ キッコバルベラダルバ ブリックロイラ04 750mlこの銘柄は本当にモダンものが多いですね。大体はバローロとかバルバレスコの生産者が作っていますから、ボディーもかなりしっかりしたものです。色が濃くて、果実味が富んでいて、口の中のふくよかさはバルベーラのワインとしては実に良くできています。口に含んだ瞬間「甘!」と思うんですよ。酸の突出した葡萄というイメージがバルベーラにはありますから、ちょっとギョッとするのですが、酸もタンニンもしっかりと存在しつつ、アルコールに丸め込まれていて、柔らか!余韻のジャムのような果実の香りと、リコリスやバニラを思わせる熟成香のバランスも秀逸。そして、なんと言っても「じょうのや」さんのお料理、竹中シェフが特別に合わせてくださった、アンキモと大根のステーキ、わさびの利いた焦がしバターにぴったりだったので、僕自身も驚いてしまったのでした(^^;)大根の風味は、実はワインに良く合うのですが、焦がしバターやアンキモのねっとりした感覚にフレッシュで深みもあるこの赤ワインが綺麗に重なるです。大根のローストされた焦げの部分と赤い果実の調和。アンキモのネットリ感とワインの細やかなタンニン分。甘辛い醤油の風味とワインのフレッシュな酸。これぞマリアージュ!そんな相性でした。アンキモというと、レバーですから、ワインとの相性ではやや金臭くなる恐れがあったのですが、ワインにアルコールや香味からくる甘みが非常に強く感じられたので、アンキモの味の強さと旨く交じり合いながらも、鉄臭さは甘さでコーティングしてしまうという部分まで素晴らしかったのです。久々に複雑な形での相性を堪能できました。ワインに、そして竹中シェフに感謝です!! カッシーナ キッコバルベラダルバ ブリックロイラ04 750ml
2008/01/16
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昨日からの続編です。極北トレンティーノから地図をやや南東に向かいましょう。ヴェネト地方。この州の南部は一大平地の大量生産地ですが、アルプスに続く穏やかな丘陵地も中北部に多く存在するのがヴェネト地方です。そこの代表格はなんといってもこれでしょう。辛口スプマンテ プロセッコ・ディ・ヴァルドッビアデーネ ブリュットトレヴィジオール(スパ...プロセッコ ディ コネリアーノカルペネ マルヴォルティ社 750ml美味しいパンをつまみながら、生ハムやサラミなどの豚加工品とあわせるには最適なワインだと確信します。このワインを愛でる生活を営んでいれば、心が荒ぶことがありません。プロセッコで、心のワイン療法ができるくらいです!心地よい控えめな果実味とわずかに余韻に残る苦味が食事とのマリアージュを誘います。決して洗練された域でないことが、かえって誰もを安心させ、会話を弾ませることでしょう。ヴェネト地方のコネリアーノ、ヴァルドッビアーデネの丘陵地に広がる、イタリアで最もポピュラーな辛口スパークリングワイン産地です。さらに東に進むと極東フリウリ地方です。ここには、白のハイパークオリティーの生産者がゴロゴロおります。「イタリア白ワインの聖地」とさえ呼ばれます。そういう生産者が、ポツポツとスパークリングワインの生産に勤しんでおりますので、生産地としてのうねりとか歴史はスパークリングワインとしてはありませんが、質の高いワインは結構多いのです。でも楽天でのヒットありませんでした。この生産者のものは素晴らしいです。ピノ・グリージョ モンスクラパデ [2001]ジロラモ・ドリゴタッツェレンゲ [1998]ジロラモ・ドリゴということで、今週土曜日には、昨日と今日でご紹介したワイン生産地の中から一つ選んで、いっしょにテイスティングして、じょうのやさんのお料理と共に楽しみましょう!武者震いするようなワクワクを感じてます(^^)久しぶりのイタリアワイン講座&ディナーは大阪の和食ダイニング&ワイン「じょうのや」さんで! 1月19日(土)&2月16日(土)
2008/01/15
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久しぶりのイタリアワイン講座&ディナーは大阪の和食ダイニング&ワイン「じょうのや」さんで! 1月19日(土)&2月16日(土)今週土曜日に、久しぶりのイタリアワイン講座を行います(^^)なんだかドキドキ!1月に北イタリア、2月に南イタリアのワインでお送りするのですが、そのワインセレクトの際に、脳裏を駆け巡るワインについて、ずらりとご紹介したいと思います。で・・・やはり1本目はスパークリングワインでしょ!ということになります。でも、何も年初めだからだとか、パーティーの一本目だからという以上に、北イタリア、つまりは東西を横断するアルプス山脈の麓そのものが、スパークリングワインの一大産地だから、ということがあります。まず西のフランスと国境を接し、常にフランス的な文化の影響を受けてきたピエモンテワインですが、ここにはイタリアで最初のシャンパン方式のワインが完成しています。残念ながら、そのワイナリーのスプマンテは輸入されていませんが、そうしたフランスとの強いつながりからも大量生産系のスプマンテの、イタリアで最も生産量の多いワインが造られています。その代表がアスティです(^^)アスティ・トスティ(白)マスカットを使用した甘口タイプのワインで、デザート時の乾杯などでは必須アイテムといえるワイン。マスカットの香りと甘み、少しハーブを含んだニュアンスの香り。優しい甘みと綺麗な酸味・・・一部、甘口の大量生産という肩書きから侮蔑を受けているワインかもしれませんが僕は好きですね。誰からも好かれる・・・そういうタイプがある種の人からは好まれないのかもしれない。でも、本当に心の綺麗な人で誰からも愛される人っているじゃないですか、あなたの周りに・・・・そういうワインです。西のピエモンテから内陸の西にいけば、まずお隣のロンバルディア州の南西部にオルトレポ・パヴェーゼDOCがおります。ピノ・ノワールの大量生産地というイメージが僕にはありますが、質の高い白赤も沢山あります。僕の知る範囲でのスプマンテではコレです。Non ピノ・ネロ スプマンテ ロゼ ブリュット カステッジョ 750mlブランド・ノワールの一大生産地ですね。まだ目を見張るほどのものは登場していないと思いますが比較的コストパフォーマンスもあって、良いと思います。さらに北東、ミラノを越えてブレーシャ県にに進みますと現在イタリアのスパークリングとしては名実共にナンバーワンといえるフランチャコルタDOCGが控えます。カ・デル・ボスコ/フランチャコルタ・ブリュットヌオヴァ・キュヴェ・NV750mlかつては2000円台で買えたものですが・・・やはり市場原理がモロに働いていますね・・・。それにしては、この価格。質とコストのバランスから言って、恐らく生産者もインポーターさんもワイン屋さんも相当に努力されているように思います。シャンパンのスタンダード的なものに比べると全然パフォーマンスがあります。特にこのカ・デル・ボスコのものには、風格すら感じさせるものがある。シャンパーニュに追いつけ、追い越せで成長してきた生産地であり生産者たちですから、その一大目標は完全に達成できているんじゃないでしょうか。あとは、トップクラスの実力でしょう。こういうのも出てきてはいます。フランチャコルタ キュヴェ・デチェンナーレ[1996]/カ・デル・ボスコそこから北東に足を進めますと、トレントDOCという素晴らしいスプマンテの生産地に出くわします。ここは、格付けこそDOCどまりですが、その歴史たるやフランチャコルタを遥かにしのぐものがありシャンパーニュの次に古い瓶内二次発酵スパークリングワインの格付けを誇ります。代表はコレ!もう誰もがご存知でしょう。 フェッラーリ・ブリュット マグナム N.V. 1500ml スプマンテ(スパークリングワイン) フェッラーリ・ブリュット N.V. 750ml スプマンテ(スパークリングワイン)トレンティーノ地方は、もう雪山猛々しいアルプスが聳え立つ風景を楽しめるところですが、特にシャルドネを主体としたスプマンテで有名です。イタリアで最高峰といえるブラン・ド・ブランもここで出来ます。【ブラインドテイスティングで5つ星】ジュリオ・フェッラーリ リゼルヴァ デル フォンダトー...まあ、思い出しただけでソワソワしちゃうようなワインです(^^;)香りのミクロな複雑さ、その整然とした香りの配置、酸、泡の至高のエレガントさ!嗚呼!!続きは明日!久しぶりのイタリアワイン講座&ディナーは大阪の和食ダイニング&ワイン「じょうのや」さんで! 1月19日(土)&2月16日(土)
2008/01/14
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本日は、妻が休日だったため、ランチに昨年オープンしたばかりの地元のイタリア料理屋さんに行って来ました。残念ながら、この日まで、近江八幡におけるイタリア料理のお店に惹かれるものはありませんでした。パスタ屋さんの域を出ないものとか、そういうレベルでも別に良いのですが、料理人の心意気、気概を感じさせる、こちらの感性に刺激を与えてくれるお店は、なかったと思います。ましてや、サービスなど語ることすらできない。料理を右から左に流すだけのサービスがあたかもサービスのように考えられているのが、近江八幡のお店のサービスレベルじゃないでしょうか。あ、もちろん、僕の数少ない経験からの意見ですので「この店はサービスが良い!」というお店があれば是非、教えて欲しいものです。で、今日お邪魔したお店は、バルベッタというお店です。http://barbetta.jp/壱製パン所のオーナーパン職人、谷さんによるとイタリア帰りのシェフなのだそうです。彼の勧めもあって、一度食べに行きたいと思っていました。近江八幡の官庁街にある小さなビルの1Fにあるトラットリアなのですが、落ち着いた色調のフローリングと梁は、イタリアの田舎の家を思わせるもので、全席禁煙席というのも、ワインや料理、そしてその時空を真摯に楽しみたい人にとっては何よりものサービスです。ランチはコースのみ(ディナーは知りません)。一番安い¥1575のプランツォAを選びました。前菜の盛り合わせとパスタ料理(3種から選べる)、そしてデザート、エスプレッソという内容です。最低価格のコースがこの価格というのは、恐らくレストランでお客様が過ごす時間の質をキープする上では、大切なことだと思います。そういう部分に自覚的に全体の質感を出そうとしているオーナーシェフ岡村さんの気概は、前菜の盛り合わせがサービスされた段階でしっかりと感じることができます。お料理をひとつひとつ説明するサービス。これ当たり前だとは思いますが、結構端折ってるお店も多いものです。パスタ料理のパスタのセレクトから、料理の実力、、、、すべて素晴らしいレベルだと思いました。もちろん最後には、ちゃんとしたエスプレッソが出てきました。当たり前のことが当たり前にちゃんとできている。そういう良いお店だと思います。「当たり前のこと」というのは、人それぞれで色々な概念があると思いますが、僕にとっては「お客様を楽しませながら、100%自分の やりたいことをやろうとすること」もしくは、それに近づこうと努力することだと思います。「一般大衆」を迎合した「生ぬるい店」がほとんどの世の中ですからね。お店は、お客様をリードし、導き、質の高い極みへといざなっていかなければなりません。近江八幡の官庁街は、お昼時でも、日中でも閑散としています(^^;)バルベッタさんを中心にして、この界隈が盛り上がること。つまりは商売への気概を持った人たちが集まり、人々の生活を潤していけばいいなあとバルベッタさんの登場に希望を感じた日でした。イタリア料理「バルベッタ」 近江八幡近江八幡にお越しの際は、ごいっしょしましょう!
2008/01/11
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ヴィーテ・イタリアとしてのワインセミナー、またはワインイベントは、例年通り4月からの開催となりますが素敵な赤ワインが欲しくなる冬のこの時期、やはりイタリアワインをじっくり飲みたいわけですが、家で飲むのとは違って、普段とは違う雰囲気の中に自分を解放して、皆で集まって、じっくりワイワイとやりたいなあ・・・。そんな風に思っていたら、素晴らしいお店からワインセミナー開催をお誘いを頂きました。大阪を本拠地に「和食ダイニング&ワイン」で今、人気急上昇中のお店です!1月と2月の2回に分けてお送りするイタリアワインセミナー&ディナーです(^^)場所は大阪北浜にある「じょうのや北浜店」 昨年オープンしたオーナーご夫妻のワインへの愛情たっぷりの雰囲気が味わえます。 お店のサイトはコチラ じょうのや北浜店ワインセミナーの詳細は以下のとおり! 第一回 北イタリアを横断するワイン講座 初級編 Attraversare Nord d'Italia del vino アットラヴェルサーレ・ノルド・ディターリア・デル・ヴィーノ 日時: 1月19日(土) 19:00~ 2時間から2時間半ぐらいでしょうか・・・ 内容: アルプス山脈の麓 西のピエモンテから東のフリウリのワインを じょうのやさんのお料理と共に楽しみます。 「ワイン神髄」ともいえる五感を刺激して やまない、魅力溢れる北イタリアワインで あなたもイタリアワインにはまっちゃって ください(^^) 第二回 地中海のイタリアワイン講座 初級編 Vini mediterranei d'Italia ヴィーニ・メディテッラネイ・ディターリア 日時: 2月16日(土) 19:00~ 2時間から2時間半ぐらいでしょうか・・・ 内容: 太陽輝く地中海のイタリアワイン=中南部の ワインを一挙にご紹介します。灼熱の太陽と 肥沃の大地から生まれる南イタリアの凄みを 是非感じてみてください! ワインの楽しさが弾けます!!(^0^) 場所: じょうのやさんの地図です。⇒コチラ 講師: 僕 イタリアワインコーディネーター イタリアワイン販売コンサルタント イタリアワインスクール校長 ワイン: 4種類(ナイショ!) 参加費用: ¥7000(税込み) 定員: 30名様まで お申し込み: じょうのや 北浜店 電話番号 06-6208-6009 ※ 2回連続お越しくださったほうが、セミナーの 理解度、お愉しみ度の深みが違います! 是非 続けてお越しください!! イタリアワインや料理の文化的、歴史的な知識から テイスティングのスキルまで、イタリアのこと、ワインの ことを知らない初心者向けに分かりやすく説明しながら 共に飲み、共に食べ、共に楽しみたいと思います。 もちろん、自称「ツウ」の方も大歓迎! また、お一人の方も大歓迎です。イタリアワインを 通じて、共に知り合えたら幸せに思います。ということで、ヴィーテ・イタリアの2008年が始動します!! どうぞ、よろしくお願いいたします<(_ _)>
2008/01/09
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塩野七生ルネサンス著作集(4)塩野七生ルネサンス著作集(5)12月の中旬から読み始めていた本を読み終えました。思えば、バブルの時期に書かれた本なんですね。僕が初めてイタリアに長期滞在した時期ですが、あの頃の自分なら読破できなかったでしょう。史実と今の関連性について、興味を抱くことにまだまだ人間性が付いてきていなかったでしょう。「ローマ人の物語」も含めて、頭に入る史実はどんどんと忘れていきます(^^;)それでも、何かを頭に入れ続けることでエッセンスは残るでしょう・・・・・(^^;)塩野七生さんの史観は、あくまでも「その当時生きた人間の感性に重なってみる」ということと、やはりマキャベリズム的な冷徹な人間洞察に立脚しています。そして、ローマ帝国にせよ、ヴェネツィア共和国にせよ1000年以上長い年月を生き続けたということは、決して強圧的な政治制度が存在していたからではなく、人民にとっても為政者にとっても「旨みのある」政体が存在していたに違いない、ということ。そして、歴史の激動の中で長く生き長らえたと言うことは、決してすべてが順風満帆だったわけではなくむしろその逆で、無数の逆境を乗り越えたからこそ続いた国であったということになると思います。「海の都の物語」では、ローマの物語同様に、為政者のメンタリティーについての記述が多く、もちろん彼女が「これこそが歴史である」と書いている通り触れられているにせよ、文化、芸術面は二義的なものとして扱われています。もちろん、これらの事柄というのは、無数の別の書物があるわけですから、それに頼りなさいということなんでしょうが、それだけに文化、芸術を「表舞台」として捉える観光的世界の、その裏舞台、もしかしたら裏表が逆なのかもしれませんが、恐らくは、文化芸術の「根元」としての歴史と政治という舞台をじっくりと味わって、改めてヴェネツィアの華やかな芸術世界の見方が深まっていくように思えます。読破してからすぐ、ヴィヴァルディの音楽を聴きました。イ・ムジチ合奏団/ヴィヴァルディ/協奏曲集<四季>ヨーロッパ的なエレガントさの極みともいえるヴェネツィアのバロック音楽。ヴィヴァルディもマルチェッロもアルビノーニも大好きですが「海の都の物語」を読んで、あの繊細にして美しさと明朗さ、そして優雅さを感じさせる音楽とはすさまじいまでの強国との摩擦、近代外交の礎ともいえるヴェネツィア外交やCIAの源ともいえるCDX(十人委員会)などの、激烈、熾烈な歴史と表裏一体だという風に感じて、鳥肌が立ちました。元々ヴェネツィアは人口の島なわけで、あの「四季」を自然豊かな四季折々の抒情詩と表面的に捉えるのももちろんありですが、ヴェネツィア共和国が邂逅した緊迫感溢れる歴史について知ったほうが、あの音楽の感性に近づけるように思います。ローマ帝国瓦解以降は都市国家に分かれて、複雑極まりないイタリア史ですが、知れば知るほど、面白みがどんどんと膨らんでいく面白さがあります。それは、歴史そのものが、ありとあらゆる場所で今も存在し、大切に保存され、見ることができることが興味の可能性をさらに広げてくれることになります。惹かれる場所に行かなければ!!当分、塩野七生さんのごやっかいになると思います(^^;)塩野七生ルネサンス著作集(4)塩野七生ルネサンス著作集(5)イ・ムジチ合奏団/ヴィヴァルディ/協奏曲集<四季>
2008/01/08
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息子が約2週間ぶりに学校に行ってくれました。娘も久しぶりの保育園、半泣き状態ですが何とか送ってきました。っっっっっっふぅ~~~!でも、今だからこそ!今の子育てを楽しまなくっちゃ!って、いつも思うのですが、その次の瞬間あれやらなきゃ、これやらなきゃ!!って、仕事家事を含めて、あせっちゃいます。でも、その次の瞬間、あせっても仕方ないから落ち着いて、ひとつひとつこなしていこう!人生は長い!!と落ち着くのですが、また次の瞬間、あれもできてへん!これもできてへん!となります(^^;)あっちへおろおろ、こっちでおろおろ、まるで吉本新喜劇の平参平かあほの坂田のようです。どうしょうもない大人やな、と自画自賛するわけですが(^^;)この煩悩とは、これからも適当に付き合って行かざるを得ないんでしょうね。ま、よろしく頼んまっさ!という感じです・・・・。あ!でも、息子は今日は始業式だけだから昼にも帰ってくるんだっけ、忘れてた!やばい!あの元気な声で「ただいま!お父さん、キャッチボールしよう!」と言われたら、抗えへんからなあ。ともあれ、妻は職場、息子は小学校、娘は保育園でそれぞれ今現在と闘っているのです。僕もがんばろう!!皆々様も仕事初めだったのでしょうか。極上イタリアワインで、祝杯を挙げましょう!!清らかでエレガントな2008年を願うならフランチャコルタのサテンで!! フランチャコルタ・ブリュット NV(2003) エンリコ・ガッティ(スパークリングワイン)力強くも美しいタフな一年に挑むためにはフランチャコルタの最上級物を!!カボション フランチャコルタ ブリュット2001 モンテ ロッサ近々にヴィーテ・イタリアも2008年行動計画を発表します!!
2008/01/07
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ローマに滞在していたい頃、つまり15年ほど前の話ですがスーパーマーケットはもちろん、場末の鄙びたアリメンターリ=食材屋さんにも、マグナムでずらりと並んでいたワインがありました。一度それを飲んだら、二度と手を出すどころか、怒りや激しい憎悪すら感じるような、ひどい代物のそのワインはラツィオ州(州都ローマ)がいかにワイン後進地区であるかを如実に物語る証拠とでもいえるようなワインでした。ゴット・ドーロ・・・・【送料無料】ゴット・ドーロ・ビアンコ ケース販売【送料無料】ゴット・ドーロ・ロッソ ケース販売これはローマ周辺のカステッリ・ロマーニと呼ばれる法王さんの別荘や要塞がある、今ではとてもとても和やかで、天気の良い日にはティレニア海の様子も観られる丘陵地の生産者共同組合ワインなのでした。まあ、輸入されることもないと思っていたら僕の地元の業者さんが輸入されていました。やはり近年のワインバブルを考えれば、これだけ廉価に買える、しかも安定供給できるイタリアワインを売り手としては欲しいわけですね。恐る恐る十数年ぶりに手にとって、そして購入しテイスティングしました。白赤ともに試飲してみて、かつての「えげつなさ」がなくなっていることに、一面ホッとしたのですが一抹の寂しさも感じたのです。あ~~、ラツィオもやはり変わり始めてる。伝統とか新しいスタイルとかそういう問題じゃないんです。ようするにクリーンなワインが当たり前のように作れるようになった、それだけ醸造システムのレベルがあがったということでしょう。そして、クリーンなワインしか売れないという消費者側からのニーズを受け入れざるを得ない、この特大協同組合ワイナリーの動向は、ワイン消費の底辺の嗜好を探る上ではとても有効に思えました。つまり、皆、ワインの飲み手は洗練されてきている。料理との相性だとか、ワインへの意識が上がってきていると断定せざるを得ません。とはいえ、それはあくまでもグローバリズムの流れに身を任す側の嗜好でしょう。そして、あえてテロワールだとか伝統とかを重視した上でのワインの個性となると話は全く別問題という気がします。ゴット・ドーロのワインは、酸も苦手、タンニンも苦手というある意味「稚拙な」消費者のためのデイリーワインとしては優れた代物かもしれません。おそらく、この主張のない味わいの構成要素のベクトルはラツィオらしさ、ローマらしさが滲み出たものということもできるかもしれません。つまり、畑での仕事は何も変わっておらず、工場でのテクニック、金の力でアップできるスキルだけを向上させた感じ。だから、ワインの個性、味わいの主張、全体像の風格というワインが持ちうる、インスピレーションに富んだ「素敵さ」というものは、かけらも持っていない。僕は、このワインを飲んで、自分が不感症になってしまうことを恐れます。昔のゴット・ドーロは、もっと不味く、もっと穢れたワインで、しかし、これをキュッと冷やして夏に頂くと、最高の高揚感が得られたものです。ほとんど自虐的ですが(^^;)、ワインの古き良き(?)、マイナスだったかもしれないけれど何かしら心を高揚させる部分がなくなったゴット・ドーロは、しかし、価格面からも、使い勝手の良さからも消費は伸びるのだろうと思います。同じ地方の同じ地区のワインにも、優れた、そしてワインとしての心の宝物を送ってくれる廉価なワインがあるにもかかわらず、です。例えば、僕が好きなラツィオワインはこんなんです。火山灰質の土壌特有のミネラル感と後味の苦味・・・果実味とは、ミネラルと酸とそしてグリセリンの力の総体であると、さらりと分からせてくれるワインです。フォンタナ・カンディダ・テッレ・デ・グリーフィ・マルヴァジア・デル・ラツィオ 2006ポッジオ・レ・ヴォルピ・フラスカーティ・スーペリオーレ・セッコ 2006
2008/01/06
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ファンヒーター全盛時代にあって、我が家は石油ストーブを導入しています。昨年まではファンヒーターで暖かな風を床のほうから出して比較的周辺が暖まるのも早かったのですが、石油ストーブではそういうわけにもいきません(^^;)大きな部屋で小さな石油ストーブを使っているので、長時間使っていても、やや暖かい程度に暖められるだけです。でも、石油ストーブを使うのには、他に重要な使い道を考えてのことでした。そう、料理です。そもそも、フランス語である「シチュー」は、イタリア語では、 ストゥファート stufatoです。イタリア語には、このストゥファートには、もう一つ形容詞としての意味があって、これが うんざりする、飽き飽きするという意味になります。そして、ストゥーファという名詞形の言葉の意味をたどるとストーブとなります。つまり、シチューとは「コトコトとストーブで長時間煮込んだもの」という意味があるわけです。そう分かれば、日本のインスタント系ビーフシチューだの、クリームシチューだのが、いかにでたらめなものかが分かります。面白くも可笑しくもないでたらめですね。さて、そのストーブを使って、毎日色々と料理に精を出しております。といってもストゥファートだけに、暖かなストーブの横で本を読んだり、書き物をしていれば良い訳です(^^)トマトソース、ラタトゥイユ、おでんなどあらゆる肉や野菜の煮込み料理、そして正月は、お餅をのせて、プワ~ンと膨らませておりました。冬にコッテリした煮込み料理を頂いたりするのは、ストーブがあるから、そういう文化が生まれたのでしょうか?それとも、その逆でしょうか?今、チャップリンの「キッド」という映画の一場面を思い出しました。親子二人で食事を取るシーンですが、あそこにも確かストーブがあって、お湯か何かが沸かされていたと思います。我が家は築120年ほどの古い木造住宅なので、やはり火の元が心配ではありますが、それでも食の面からの魅力から、ストーブを手放すわけにはいきません。また雰囲気も、暖炉や囲炉裏ほどではないにしろ、良いものがあります。確かに、小さな子供がいる家庭では細心の注意が必要になりますが、その注意さえ怠らなければ、ガスコンロを使わなくとも、様々な煮込み料理が楽しめますし、料理の面白さやストーブの便利さ、そして、エネルギーの有効な活用をも教えられます。僕は、家族と共にストーブの冬を楽しんでおります。
2008/01/05
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在庫限りの得しまっセール!THE 有頂天ホテル スタンダード・エディション(DVD) ◆30%OFF!ホテル内を縦横無尽に走るキャメラと長回しを強調したまさに演劇的演出。ほぼ100%セットで撮られた映画で、思い出したのは当然ヒッチコックの「ロープ」。ヒッチコック・コレクション::ロープ(すんません、この映画の中に言葉としてだけ引用される グランドホテルは観たことがありません^^;)ならば、密室劇と切っても切り離せない「サスペンス性」というものを突き詰めても良さそうなものですが、三谷幸喜が突き詰めるのは、あくまでも「自分の夢をあきらめない」「自分らしく生きれば、それで良い」「自分のささやかな人生にもっと自信を持とう!」という、やや「おセンチ」な(死語か!?)テーマでなんだがテレビ向けという気もしないでもない。それだからこそ、映画全体に緊迫感がなく、喜劇的な部分も随所随所に現れてるのですが、微笑を誘って、それで終わりです。ただ、多彩な群像、それに合ったキャスティングでヴァラエティーに富んだ役者を配し、軽快な小道具の移動によってスリリングさとテーマ的感情の高揚を映画の流れに盛り込んだ脚本の練りは流石!まさに三谷ワールドの爆発といえる楽しさ溢れる映画!この人は、自分のスタイルというものを相当に自覚して、それを具現化することにかけて、天才だと思う。でも、、、、でもなんです。やはり演劇の人、映画の人ではない。などといえば「当たり前だろ!」と怒られるかもしれません。本末転倒、みもふたもない意見だとは分かっているのですが、やはり書きたくなる。この色気のなさは何だ!と。長回しは、役者に緊迫感を与えますし、映画を観ている我々にも、「さあ、いつカットが入る?」とジリジリする楽しみが約束されていて、それはそれで面白いし、脚本的な要求としても正しいと思います。でも、映画全体からにじみ出る躍動感や人間の艶かしさがからきしない。どうして映像からムンムン来るような「色気」とか、力強さが感じられないのだろうって不思議です。脚本も悪くないし、リズム感も悪くないし、もちろん演技陣も悪くない。単なる三谷幸喜のマンネリ的なものによるものか?多分、思うのですが、三谷幸喜は、当たり前なんですが「現代の日本人に楽しんでもらえばそれで良いんだ」という感覚で映画作りに臨んでいるのではないかと思うんです。もちろん、海外受けを狙う必要もないし、特定の観客を意識して作るのは当たり前ですし、あるべきものですが、やはりその域からまるで出ない、いわば「現状維持」「既得権益に満足」した感覚が映画にみなぎってしまってるんですよ。さあ、みんなで楽しもうよ!現実は厳しいけど、自分らしさを大切にがんばろうよ!って、なんら真新しい感性も吹き込まずに、映画作りに徹している。そんなイメージを持ってしまうのです。例えば、三谷幸喜の映画を息子に見せるのには、全く憚りません。いっしょに笑って、楽しく年を越せそうなそんな映画です。エンターテイメントとしての映画としてはとてもとても良くできている。でも、それだけで良いんか、という一抹の居心地の悪さを覚えるんです。テレビじゃねえんだよ!(って、テレビがすべて悪ではありませんが、やはり 大方の番組はスポンサーとの兼ね合いで成り立ってて 真に個性的なもの、既存の社会性を刺激するものは あまりありませんよね。)まあ、そんなで、この映画は、僕がイタリアに生活していた頃、憧れに感じた日本のヌクヌクした世界を体現しています(^^;)皆が、所詮は、手をつないで生きている。そうした者を対象にした映画に、色気や艶かしさが出るわけがないし、出てはいけないのかもしれません。いいんですけどね。でも、「ケッ」て、思っちゃう(^^;)で、この映画を観て、飲むイタリアワイン・・・。ボディーとしては、ミディアムボディーからライトボディのワインで良いでしょう。重厚感はありませんから。いくつものエピソードを軽快につむいでいく脚本の妙に敬意を払いつつ、ワインの中にヴァラエティーの豊かさを感じさせる、複数のブドウ品種を使った楽しいワインをご紹介しましょう!!コルヴォ ロッソ 2005ドゥーカ ディ サラパルータシチリアを代表するメーカーで、最も古いワイナリーの一つでもあるコルヴォのシチリア土着ブドウを駆使したフルーティーにしてまとまりのある秀逸なデイリーワイン!コルヴォ ビアンコ 2006ドゥーカ ディ サラパルータ白も赤も、軽快に食前酒として、またパーティーの席でも楽しめ、十二分に美味しさが味わえるレベルの高いワインだと思います。三谷幸喜の軽快な楽しさとの相性は抜群でしょう!!
2008/01/04
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座頭市(DVD) ◆20%OFF!スタイル、ここに極まれり!そんな言葉が鑑賞後、口をついて出てきます。これほど切って、切って、切りまくるシーンを見せられるとまるでトラウマのように何度も思い出してしまうから怖いです。北野武のある種の作品群に通低する暴力の刺激がもたらす「恐怖」とか「悪」の概念というものをあまりにも直接的に映像化したものなのですが、彼特有のユーモアと共存しているところが、これまたあまりにもユーモラスなのです。おそらく彼の哲学には、暴力という悪は、必ず人情という良と共存していて、実は、分けて考えることの不可能なものなのでしょう。それは、頭と身体、頭と心が分けられないのと同じように。だから暗さと明るさは、常に共存している。しかもその比重は常に暗さが多く、明るさは一刹那に過ぎずそれでいて、明るさは、暗さを凌駕しながら、あたかも別次元の甘美な世界へと我々を誘うとても怪しい魅力と怖さを持ってる。だから、北野武の映画では、ユーモラスなシーンはどこかしら怖さを孕み、暴力のシークエンスを喚起しヴァイオレンスは、どこかしら明るく、荒唐無稽なギャグシーンと一体化する。その魅力たるや・・・やはり北野武しか出せない極めて個性的な世界になる。(イタリアに北野武のファンクラブがあって、映画祭の たびに登場する怪しいグループがありますよね。まるで イタリアのたけし軍団です。なんというグループなの でしょう・・・。)映画を本当に愛してやまない映画ファンを刺激し続けるからこそ得られる賞賛なんですね。コンピューターで処理された血しぶきの出鱈目な美しさは微笑を含むものです。そして刺青の背中を、なんとアップで、右から左、上から下へ、文字通りバッサバッサと切りまくるカットは、人を切ること、暴力の怖さ、恐れがみなぎっています。また武映画の面白さの一つに、「説明的じゃない」ところが挙げられると思います。どうこうしたから切るとか、こういう気持ちだから切らないとか、そういう説明、ある意味、人情的な部分はうっちゃっておいて、とにかく切りに行く。どう切るか、どう見せるかに、自分のスタイルを集約していく。エネルギーの使い方が実にスマートです。人は「暴力的過ぎる」と敬遠するでしょう。正直、この映画、隣に息子がいたので、冷や冷やしたのですが、映画で暴力が描けなくなったら終わりだと思うんです。(「映画は嘘の世界で血は絵の具だったり、肉は 牛の肉だったり、とにかくその嘘をいかに 本当らしく作るか、その嘘を嘘と分かりながらも 楽しむのが映画」ということを”やばいシーン” を観る度、必ず子供に伝えようとする父ですが、 妻はこんな僕に非常に批判的です・・・ あ、でも小さな子供に見せることとは別問題 かもしれませんね・・・・^^;)暴力を理解しないと本物の暴力を抑えることすらできない。だから、ヒューマニズムが映画を抑圧してはいけない。北野武はそれが分かっていて、あからさまにコレでもか!と描いているようにさえ思えます。それほどに切るシーンは、久しぶりにショッキングな映像を見せられた思いが強かったです(^^;)かつて、大島渚が「愛のコリーダ」でセックス描写について同じような、あからさまな表現を試みましたが、日本映画いえ、映画そのものが担っている「タブー」への挑戦は今も続いている、ということでしょうか。それにしても時代劇でタップダンスですか。これには、面食らいました。座頭市が田舎道を歩いているときに、農夫たちが踊っている短いシーンが途中で挿入されますが、映画全体を軽いステップとリズム感が躍動して、そしてラストの盛り上がりへと結ばれている作品全体の流れも実に圧巻でした。これに合わせるイタリアワインです(^^)やはり、この映画はヴェネツィアで監督賞を取りましたしね。やはりヴェネツィア=ヴェネトのワインを探してみましょう。切れ味の鋭さと深み、そして一抹のユーモアを秘めた、映画中の映画。ならば、酸の切れ味と、アルコールの深み、そしてニュアンスに富んだ、ワインの中のワインで選んで見ましょう。あまり重厚でなくて良いと思うんです。重さよりやはりタップのリズム感が印象的な映画ですから。ならば、こんなんは?ヴァルポリチェッラ[1999]ダル・フォルノ・ロマーノかつてのヴェネツィア共和国の内陸部でもっとも繁栄し商人の国ヴェネツィアの恩恵に浴したヴェローナの代表的ワインにして、代表的ワイナリーです。え?アマローネじゃないのにこの値段?と思われるかもしれませんが、ダル・フォルノ・ロマーノのヴァルポリチェッラは、他の並みのアマローネよりも余程パワフルにして繊細です。ワインの中のリズム感とは一体なんだろうと思ったんです。映画のリズムとはモンタージュであり、色彩であり脚本という骨格に当たる部分だと思うのですが、ワインにおいても、酸とタンニンという骨格と色彩といえる果実味があると思います。その持てるポテンシャルを十二分に引き出し、ワインの面白さを十二分に伝えてくれるこのワインは北野武の「座頭市」鑑賞後のワインにぴったり!!え?高すぎる?ならば、と探すのですが、やはりこのワインに匹敵するヴァルポリチェッラは、なかなか「コストパフォーマンスの優れた」域に行かないですね・・・・。ジュゼッペ・クインタレッリ ヴァルポリチェッラ スペリオーレ [1999] 赤 750mlややブランド志向に走りすぎてしまったかな・・・。クインタレッリとダル・フォルノ・ロマーノは双璧ですね。もちっと努力してみましょう!!マアジ カンポフィオリンやや格落ちしてしまうことは承知の上でご紹介します(^^;)アマローネの深みとシンプル・ヴァルポリチェッラの軽快さを併せ持つワイン。抜栓後、時間をかけて楽しめば、深みもニュアンスの楽しさも十二分に出ることでしょう。ただ、上二本の強烈なインパクトと、類稀な全体像に比べると見劣りは否めないでしょう。でも、少し大きめのちゃんとしたグラスで、適温で頂けば素晴らしいワインであることに違いはありません!!座頭市(DVD) ◆20%OFF!マアジ カンポフィオリン
2008/01/03
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花よりもなほ「誰も知らない」をこよなく愛す僕としてはこの監督の時代劇というものがどんな作品になるのか、ワクワクするような、それでいて「え?大丈夫?」と一抹の疑いを持つような気持ちで、今の今まで観ず仕舞いだったのでした。誰も知らない「誰も知らない」は本当に素晴らしかった。現代日本の都会に住む家族から親がいなくなったら、一体どういうことが起きるのか、という視点で、ドキュメンタリータッチの映像と抽象的で象徴的な映像を旨くミックスさせながら、生々しいまでのリアル感で徹頭徹尾「映画」を完成させていました。何気ない日常生活を切り取ったような映像に緊張感が漂っていました。それだけに、人間社会の怖さ、厳しさと人間性の深みと冷たさが浮き彫りになっていたのです。でも、幕末の赤穂浪士の討ち入りという史実と、一人のからっきし弱い侍の仇討ちとをスリリングに描いたこの「花よりもなほ」には、前作とは一転した優しさと温かみが満ちていました。まず一番驚かされたのは、セットの見事さと映像美の連なりです。竹を割ったような明るい原色の色合いと、それだけに深みを増す黒、そして、まるで熟成度の高い赤ワインのような、グラデーションを持った黒と他の色との間に存在する奥行きのあるニュアンスとしてのグレーゾーン。ある意味、エタ卑民の住居は、貧しさこの上ない家なのですが、映像の世界として、江戸の街に広がる緑の美しい風景と一体化している、つまり一つ一つのカットに相当な手間隙をかけた、重厚感が出ています。(美術監督の一人に黒澤や溝口映画を支えた馬場正男 がいるのですね。うなりますねぇ。)タブラトゥーラが担当した音楽が、この映画全体を覆っている素朴さと優しさをさらに深めているように思います。この映画としての佇まいを見ると、時代背景は異なりますが、黒澤明の「どですかでん」を思い出しました。どですかでん優しくも清清しい、それでいて一抹の悲しみをたたえた武満徹の音楽が秀逸でしたが、あそこに散りばめられた虚勢を張ったような色彩の爆発ともいえる黒澤明のカラー映像に比べて、是枝作品のなんと洗練されたことか!「どですかでん」は、確か1965年の作品ですが、学生運動時代末期の時代背景と今の時代の雰囲気というのが、色濃く出ているようにも思えます。良くも悪くも「丸く洗練された」世界であり、映画ということができるでしょう。キャスティングも楽しめますし、美術から映像そして音楽と、この映画には総合芸術としての映画の楽しめる要素が満載です。唯一、やや物足りなさを感じたのが、是枝監督自身の脚本と演出です。彼の持ち味、少なくとも「誰も知らない」で感じた大仰さのかけらもないストイックで、それでいて切れ味鋭い演出は感じられないでもないのですがそれだけに、人間群像の持つ優しさや愛おしさに包まれた生きていく上での厳しさと、共に生きることの素晴らしさの謳歌というテーマ的な部分との相性の悪さを感じてしまったのです。「花よりもなほ」は、いわば時代群像劇なのですが僕としては演出や脚本上の重さがもう一つ欲しかった。つまり、「人を切れない」侍が手練手管を駆使して「切らずして」目的を達成し、他の「旨み」も手に入れる話ですが、僕としては、「やっぱ切らなあかんのちゃうん?」と思えてしまうのです。時代背景が時代背景だけに精神的世界だけ都合よく現代に置き換えられたような気がしてしまうのです。(最近、「血を流したくない」という映画が多い ですね。分からないでもないですが、それで いいのでしょうか?)だから脚本が、それと共存する音楽や美術そしてキャメラに比べて、物足りない。そういう風に感じた作品でした。やや本末転倒的な意見でしょうかね・・・・(^^;)とはいえ、もう一度観てみたい作品です。というのも、映画とは映像の連なりですし、そのカット一つ一つを鑑賞するだけでも堪能できる映画でもあるからです。鑑賞後に飲むイタリアワインはコレです。ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ[2002]年 ヴァルディピアッタ 750ml江戸時代という時代劇と、街文化というこの映画が醸し出す雰囲気は、イタリア都市国家のもつ雰囲気にどことなく似ているような気がします。フィレンツェ共和国?ヴェネツィア共和国?それともジェノヴァ?ミラノ?限りなく明るいヴェネツィア共和国や、他国に蹂躙されまくったジェノヴァやミラノ、またトリノなどの北イタリアの都市国家よりは、やや南に位置する、一抹の暗さを持ったフィレンツェが合うように思います。めっちゃ、無理やり~~(^^;)良くできた映画的構成、脚本の弱さを天引きすれば一級のワインに匹敵しますし、作家の持ち味もワインの個性同様に表現されているように思います。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのような大仰さ重厚感ではなく、キャンティ・クラッシコほどのモダンさも出さない、持ち味に忠実なワインに焦点を合わせるとヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノに行き着きました。モダン性や洗練度としては、やや「引き」のある佇まいですが、このワインの酸とタンニン、そして果実味の落ち着きや素朴さに、僕はいつも敬意を評したい気持ちになります(^^)ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ[2002]年 ヴァルディピアッタ 750ml花よりもなほ
2008/01/02
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新年、明けましておめでとうございます。今年もあなたにとって素敵な年になりますように!そしてこのブログがあなたの一年をちょっぴり豊かなものにできるよう、自分自身も刺激的な一年になるようにがんばりたいと思います。さて、一年の幕開けは、実家での「かに鍋パーティー」でした(^^)リオンド・プロセッコ・スパゴ・ヴィーニョ・スプマンテ果実味、泡の質、ともに非常にスタンダードなワインだと思います。つまり、出すぎたフルーツがなく、料理との相性で料理の素材の味を越えることなく、「共生するワイン」の典型的なもの。だから、ここには出すぎた酸もありませんし、木目細やかな泡もない。だからこそ、色んな料理との付き合いが可能なコミュニケーションの多彩な奴です。ポン酢でいただく野菜などとの相性は素晴らしい!!野菜の甘みと酸のレベルが同程度なので、それぞれに生かしあうのです。カニとの相性も、そのプルプルした食感に、シュワシュワの泡がよく合いますし、ワインの酸と泡のタッグチームはカニの豊かな甘みに肉薄するものがあります。贅沢を言えば、やはりカニには、鋭角的な酸を持つシャンパーニュ系のものが理想です。例えば、フランチャコルタでもシンプルで清楚なタイプ。ベッラヴィスタ フランチャコルタ キュヴェ ブリュットエレガント系の代表ベッラヴィスタのものなら甲殻類の奥深い甘みに対応する綺麗な酸がある。例えば、同じフランチャコルタでも、カ・デル・ボスコ/フランチャコルタ・ブリュットヌオヴァ・キュヴェ・NV750mlパワフルかつ艶やかなカ・デル・ボスコのものならシンプルな味わいに、お化粧した姿を味覚に付け加える面白さがある。確かに、一般的には、というか、カニ料理の場合にはビールや日本酒が何気なく付き合わされるものなのかも知れませんが、カニの甘みにビールの苦味は、ややカニの喜びをストイックに味わう感じがするし、カニの甘みに日本酒の甘みと深みには、「甘さ信仰」へのよく言えば清らかな敬虔さ、悪く言えば、疑いのない無垢さを感じます。ワインには酸と果実、という味覚を大いに刺激してやまない要素があって、それぞれに料理の甘み、料理の素材の香味というペアとなる要素がって旨くいけば「バランス」や「膨らみ」を生んで1+1=2以上の世界を作り上げます。もちろん、ビールや日本酒でも同じような世界はあるのですが、そこに果実が加わることによってその味覚的要素が顕著に現れるように思います。結果的にプロセッコと鍋の野菜類は大成功!思わずガッツポーズをとりたくなる相性に2008年の成功を確信しました。肝心のカニは・・・・・ちょっぴり予算をケチったことがやや悔やまれます(^^;)カニの味わいに皆無言になってしまうような贅沢感や究極の旨みにやはりプロセッコではついて来れないのでした・・・。2008年、また沢山の相性でワインと料理を楽しんでいきたいですね!!
2008/01/01
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