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難しかった。 村上さんの作品は、結構たくさん読んできたつもりだったが、 今回は、ちょっと自信喪失…… でも、これが村上ワールドの原点なのだろう。 『学校司書と先生のための すぐできるブックトーク』を読んで ショックを受けたことが、本書を読む切っ掛けとなったのだが、 読んでみると、さらにショックを受ける結果となってしまった。 なかなか皮肉なものである。目次の次のページに、村上さん自身が記しているように、本書は1980年から1982年にかけて発表された7つの短編が年代順に掲載されている。最初の4編が『1973年のピンボール』の発表後に書かれ、残りの3編が『羊をめぐる冒険』の発表後に書かれた。そして、4つめの短編(『カンガルー通信』)と5つめの短編(『午後の最後の芝生』)の間には、一年近くのブランクがある。『羊をめぐる冒険』を読んだ後、「文章は平易、しかし、ストーリーは難解」と書いたように、今回も、ストーリーの展開についていけなかった……それでも、最初の4編と残りの3編との間には、ハッキリとした違いがあったように思う。最初の4編は、作者に振り回されっぱなしで、全くついていけないまま見失ってしまったが、残りの3編は、ちょっとだけその背中を追いかけることに成功し、結局見失ってしまったけれど、それがどの方向に行ったのかという雰囲気は掴めた感じがする。しかし、それでも謎なのは、なぜ『学校司書と先生のための すぐできるブックトーク』に、この作品が掲載されていたのかということである。
2015.06.27
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ミンメイの誕生日のエピソードは、 オリジナルから大幅に変更されています。 でも、今巻の展開の方が、ホント大人っぽい。 オリジナルは、良くも悪くも、本当にオコチャマ。 「輝が早瀬中尉のために命懸けで頑張った証」というミンメイの一言は、 この時点での、既にトライアングル状態開始宣言。 そして、ミス・マクロスコンテスト開幕前に、 ミリア登場!!そして時を遡り、2009年10月10日。さらに遡って、2008年12月24日に。これは、オリジナルにはなかった、本編開始前の完全なる新エピソード。グローバルが、マクロス艦長に着任するまでの経緯が描かれます。未沙とブリッジ三人娘、フォッカー、クローディア達と共に、今、グローバル率いるマクロスが発進する!
2015.06.21
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「最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、 本書は全く違った物語に変貌する。」 『「必ず二度読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリ』。 本書の裏表紙に書かれた言葉である。 「最後の5分全てが覆る。あなたは必ず2回観る。」 「150万人が恋をした(が騙された)ラブストーリー」 『「映画化不可能」と言われた大ヒット小説がついに実写映画化』 現在公開中の映画のキャッチである。本作を読み終えた今、「なるほどな」と思う。「side-A」から「side-B」へのサイドチェンジは見事だったな、と思う。ただし「最後から二行目」に至らなくとも、「あれっ?そうだったっけ?」と思うところはあるけれど。私の場合、最初に「んっ?」と思ったのは、次の部分。 その中に一冊、講談社のブルーバックスの本が混じっているのが目を惹いた。 明らかに彼女の嗜好とは異なっているはずの、その本のタイトルは- 『アインシュタインの世界』。(p.97)まぁ、その前にも、今日は指輪を持ってきてないとか、色々あったと思うけど、私は、二度目を読んでいないので……そんなところかな。
2015.06.21
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「いいチーム、悪いチームの見分け方」について、 攻守の本質、攻守の切り替え、ゴールを決めるために大切なことから説明し、 「いい選手、悪い選手の見分け方」について、 FW、MF、DF、GKのそれぞれのポジションから説明している。 さらに「いい監督、悪い監督の見分け方」について説明し、 「プロのスカウトはどこを見ているか」と 「現時点の最も高度なサッカーとは」にも言及している。 結構サクサク読み進めることが出来る一冊。『サッカー「観戦力」が高まる』に比べると、内容的には基本的なレベルのようで、初心者にも分かりやすい。また、図を使って上手く説明してくれているのも有り難い。先にこちらを読む方が、順番的には正しいと思う。そして、『一生つかえる! サッカーのみかた 』を読んでから、『サッカー「観戦力」が高まる』の順に、読み進めるのが良いと思う。『宮本式・ワンランク上のサッカー観戦術』は、どの時点で読んでも、OKではないだろうか。 *** 第1章 攻 1.ボール保持者のまわりで、アクションを起こしている選手がいるか? 攻 2.クロスに対して、相手ゴール前にとび込む選手が何人いるか? 守 3.DFからFWまでをコンパクトに保てているか? 守 4.ゴール前中央を空けていないか? 第2章 攻 1.攻撃の布石として、ボールの後ろに素早く戻れているか? 攻 2.「守備は狭く、攻撃は広く」ができているか? 守 3.各選手が2秒以内にプレーしているか? 守 4.ボールを使った休憩(攻撃の緩急)ができているか? 第3章 攻 1.縦パスが入っているか? 攻 2.DFを下がらせながら攻撃できているか?(p.79)これが、「いいチーム、悪いチームの見分け方」について示されたポイントをまとめたもの。 1.ボールが前に進んでいるか?(はじめに) 2.ボールを追い越していく選手がいるか?(第1章) 3.ゴール前にとび込む選手がいるか?(第1章) 4.DFラインの前をブロックできているか?(第1章) 5.1人あたりのプレー時間が2秒以内か?(第2章) 6.縦パスが入っているか?(第3章) 7.動いている選手の足元にパスをドンピシャで合わせているか?(第4章) 8.DFラインがペナルティエリアの幅にちょうど収まっているか?(第5章) 9.組み立ての種類が2つ以上あるか?(第7章) 10.飛び抜けた選手が1人以上いるか?(第7章)(p.182)そしてこれは、著者の「サッカーの見方」のベスト10。確かに、これらが出来ている状況ならば、その試合では優位を保てているだろうし、この状況を常に生み出せるチームなら、強いに違いない。5.や7.が出来るならば、本当にスゴイと思う。
2015.06.14
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システム、ドリブル、キック&トラップ、パス回し、中央突破、サイド攻撃、 攻守の切り替え、ディフェンス、プレッシング、ラインコントロール、 対バルセルナ戦術、GK、セットプレー、ゲームマネージメント。 これらについて、観るべきポイントとなる視点を示した一冊。 所々に写真は掲載されているものの、 各ポイントを説明する図は一切ない。 また実在の選手のプレイを例に説明することが多いので、 ある程度、そのイメージが思い浮かばないと、読んでもチンプンカンプン?それでも、そのレベルがクリアできるのなら、読んでいて「なるほど!」と、思わず手を打つこと間違い無し。そして、サッカー観戦に関する知識が増して、きっと、スタジアムに足を運びたくなるに違いない。 つまり『攻撃の広さ』と『守備の狭さ』をどのような優先度で追求するか。 そこにチームのコンセプトが現れるのだ。 このセオリーを知っておけば、全く知らないチームの試合を観戦するときでも、 パッとシステムの並びを観れば、ある程度の特徴は察しがつくようになる。 たとえば両サイドバックや両サイドハーフ、両ウイングFWといったサイドの選手達が タッチライン近くにポジションを取り、ピッチを広く使おうとする意図が見えれば、 そのチームはパスサッカーを志向する攻撃的なチームだろうと、 わずか数秒でチームの大枠を理解できる。(p.65) バルセロナのサッカーを観ていると、階層の多さが顕著に現れている。 サイドバックは高い位置を取り、メッシが下がり、セルヒオ・ブスケツが残って、 シャビとイニエスタは前へ。 彼らが織りなす階層は、2-1-2-2-1-2の6段か、 あるいはそれ以上に細かく分かれている。 そのような視点でバルセロナを観ると、彼らの陣形の奥深さが観えてくる。(p.69)この二つは、パス回しについて観るべきポイントだが、これらについて知っているか、知らないかでは、サッカーを観ているときに分かること、感じることに、大きな差が出てくるだろう。もちろん、この様子を観ようとすれば、スタジアムに足を運んだ方が良いに決まっている。 ガンバ大阪とオランダ代表の例は、 選手の長所を発揮するために優れたシステムを構築したといえるが、 一方では、システムに対して居場所がなくなる選手や、 自らの長所を発揮する機会を失う選手も出てくる。 ガンバ大阪であれば、当たりに強い空中戦タイプのセンターバックは 足元の技術の弱点が出やすくなってしまい、 オランダ代表はGKを使ったポゼッションを多用するので、 どんなにセービングがうまくても足元の技術がないGKは選出されない。 選手の能力をロスすることにもなり得るが、 チームに一定の枠組みを作る以上、仕方のないことでもある。 システムの構築は、 11人の個性の最大公約数を見つけ出す作業と考えればわかりやすいだろう。 システム構築の初期には、このようなロスが出やすい。(p.14)本著で最も心に残った箇所である。
2015.06.14
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冒頭「EXTRA GOOD BYE BOY」は、 オリジナルにはなかったスピンオフ・ストーリー、 ミンメイと渡部晄のお話。 本編の9年前の出来事。 そして、#9のサラ基地で展開するお話も、 オリジナルにアレンジが加えられている。 過去の時を生きているライバーと出会い、彼を追いかける未沙。 基地爆発寸前にも関わらず、彼が残したメッセージを受け取ろうとするが…… 「呑み込まれるのはアンタのロマンティシズムだけでたくさんだッ!!」輝によって危機を潜り抜け、マクロスに帰還する。そして輝は少尉に昇進し、柿崎とマックスが部下になる。が、敵に囲まれた輝を見事なテクニックで救ったのはマックス。オリジナル同様、突き抜けてカッコイイ!!
2015.06.14
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いよいよ、輝と早瀬未沙中尉の本格的絡みの始まり。 ミンメイとデート後、輝は主任航空戦闘指揮官&ブリッジ三人娘に偶然出会う。 そして、ランジェリーショップで荷物持ちをさせられた上、 ミンメイとの仲を三人娘にからかわれ、後ずさって足を引っかけ、転倒…… そこで、思わず掴んだのが試着室のカーテンで、それを引きちぎってしまう。 中には、試着中の未沙がいた。 そして、上官は厳しい指導(をしたらしい)。 翌日、新入りパイロットの左頬は、大きく腫れ上がっていた。 ***ゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊の無法者、味方殺しのカムジンの奇襲を、デストロイド・トマホークのパイロット、マクシミリアン・ジーナスのテクニックと、ミンメイのアイディア、未沙のひらめきと決断、そして、輝の危機一髪の一撃で退ける。 ***未沙には、今も思い続けるライバー少尉という存在が。一方、輝はミンメイのことが気になってしようがない。そんな二人が、火星のサラ基地に、残留者の有無の確認のため上陸する。しかし、そこにはカムジンの罠が仕掛けられていた。この危機を、マクロスはどう切り抜けるのか?
2015.06.14
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こんな本が世に送り出されることを 決して望まない、いや心の底から拒絶する人がいるにも関わらず、 この本は出版されてしまいました。 そして、もう多くの人が読んだだろうし、これからも読まれるのでしょう。 私も読んでしまいました。 もちろん、それ以前に、彩花ちゃんのお母さんの書かれたものも、 淳君のお父さんが書かれたものも、 Aの父と母が書いたものも、既に読んでいました。さらに、この事件を担当した裁判官の書いたものも、元法務省東京少年鑑別所法務教官が書いたAの矯正記録も読んでいました。今の気分は、『百田尚樹『殉愛』の真実』を先に読んでから、直後に『殉愛』を読んでしまったような感じです。もし、第2部から読み始めていたら、初めて『殉愛』を読んだときのような気分になったかも知れません。けれど、当然のように第1部から読み始めましたから、第2部に記されている事柄が、何だか虚飾のように思えてしまいました。 よく見ると美しい猫だった。 僕は猫にも美醜があることを知った。 アメリカンショートヘアだろうか。 全体をシルバーグレイの毛が覆い、 細かくしなやかな身体のそこかしこにアクセントをつけるように、 部族的なトライバル・タトゥーを思わせる 左右対称のエッジの効いたストライプ模様が走っている。 野良猫とは思えぬほど毛並みは艶やかで、 なだらかな曲線を描くハート型の小さな顔に埋めこまれた 七宝焼きのような一対の眼はいちばん下が琥珀色、 その上にエメラルドグリーン、 最後に黒い瞳が載った三食構造で、 自分の全存在を賭けてこの世界から僕を締め出そうとするように 瞳孔を米粒大に細く小さく狭めていた。(p.60)Aは溶接工時代に、三島由紀夫と村上さんの作品を、まとめて読んだそうです。また、少年院時代には様々な作家の作品を読みふけっています。そんな日々が、『逮捕されるまで』とは趣の異なる文章を生み出させたのでしょう。しかし、この過剰なまでに飾り立てられて文章にこそ、彼の本質を見るような気がしました。何が本当なのか、私には判断することができません。また、こんなにも鮮明に、過去の様々な出来事を詳細に記憶し、風景画を描くように、修飾語満載の文章に綴ることが出来るということについても、とても人間の為せる技とは思えないのです。
2015.06.13
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艦内で、二人きり取り残された輝とミンメイ。 その困難の中で、二人の仲は急接近。 一方、民間パイロットの輝を戦闘に巻き込んでしまったことに責任を感じ、 その行方を探し続け、過労で倒れてしまった未沙。 ミンメイは、とてもカワイイ。 まさに小悪魔。 そして、あの結婚式のシーン。 懐かしい。美樹本さんも、相当気合を入れて、ミンメイを描いてる。1巻に比べると、手慣れてきた感も漂い、本当に可愛くかけているコマが目白押し。それらを見るためだけに、本巻を入手するのもアリかも。
2015.06.07
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美樹本さんによる、元祖「マクロス」。 読みながら、テレビで観ていた頃を、とても懐かしく思い出しました。 なるほど、最初は、輝とミンメイは、まさしく運命の出会い。 普通なら、これで紆余曲折ありながらも、最後はハッピーエンド……ですよね。 でも、違った。 それは、当時としては、結構衝撃的なことでした。 そう、観ている自分も、最初はミンメイへの思い入れが強かったのに、 気付けば、未沙に感情移入……。で、今巻は、最初の最初、輝とミンメイの出会い。そして、ミンメイ、シーンによって、かなりイメージに違いが。特に巻頭のカラーページ、2012.8は、誰?っていう感じ。お話しは、原作にほぼ忠実に進んでいます。
2015.06.07
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サッカーの勝敗は88分間で決まる。 ボールは3割しか見ない。 この二つを意識するだけで、 試合の観方がおもしろいほど変わります。(p.5) これが、冒頭「はじめに」の締めくくり。 これは、サッカーの1試合90分のうち、 選手1人がボールに触れている時間は、たった2分前後と言われていて、 ボールがない状況の88分間の動きにこそ、その選手の本当の価値や質が出るから。なので、ボールの動きを7割見ながら、残りの3割はボールのないところを観る。ボールのない状況の選手が、どんな動きをしているのかを観ることが重要。そして、ピッチ全体を見るためには、ピッチを4つのゾーンに分けて観る。そうすると、そのチームが攻撃的かどうかも分かってくる。なるほどな、と思った。私は、以前はサッカーの試合は、ほとんど観ることがなかった。でも、ある時、実際に会場で試合を観てから、はまってしまった。テレビの中継では分からなかった世界が、そこにはあった。つまり、テレビの中継では、ボールの動きしか追うことができない。けれど、会場に行けば、ピッチ全体を見ることができる。そこで起こっていることに、初めて気付き、その面白さが分かった。そして、会場に行けば、4つのゾーンで観ることなんて、自然にやってしまっていた。 なでしこジャパンのサッカーは、非常にボールを大事にするサッカーです。 昨年のワールドカップ優勝で、各国の女子代表も、 パスワークを重視した日本のやり方にならい始めているようですが、 日本の方が一日の長があります。 さらに、パスを早くつないで崩すという戦術が、 より相手ゴールに近いゾーンでできるようになっている。 そのやり方は、まさにバルセロナなのです。 女子サッカーは、男子に比べてフィジカルとパワーの違いが明確です。 特に日本の女子選手はアメリカやドイツなどに比べて体格とパワーで劣るため、 多の国に比べて、よりボールを大事にしようとする。 ボールを相手に奪われたら、奪い返すのが難しい。 だからボールを奪われないように、早く動かす。 それがなでしこのチームづくりの原点だと思います。 それを高いレベルで実現できると、 相手のプレッシャーが男子ほど厳しくないため、 きれいなコンビネーションのサッカーが成立します。(p.144)これぞ、女子サッカーの魅力。そして、いよいよワールドカップが始まる。連覇は、そう簡単なことではないと思うが、ぜひとも頑張って欲しい。特にINAC神戸から選ばれた7人に!
2015.06.07
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村上さんの『アンダーグラウンド』と『約束された場所で』を読み、 森さんの『A3』を読んだ。 そして、本著。 真打ち登場と言ったところか。 特殊な環境で育ち、かわいがってくれた父に特別な思い入れを持つ娘。 しかし、その父の娘であることから、様々な場面で攻撃の対象となり、 いわゆる普通の生活を営むことが出来なくなってしまった少女。 その心の葛藤と父親への思い、周囲への様々な感情の吐露には、思わず引きこまれる。 「事件」前、わたしの外見はすでに高校生でしたが、 中学卒業程度の学力もありませんでした。 そんなわたしが、正大師として負えもしない責任を負っているつもりになって、 何もわかっていないことにすら気づかず、 狭い世界の中で自分を賢いとさえ思っていました。(p.180) もう一つのコンビニエンスストアでのアルバイトは、時給の高い早朝勤務を希望しました。 こちらは一年あまり続きました。 最初の頃は、どの仕事も新しいことばかりで、覚えるのがとても大変でした。 覚えが悪く回りから白い目で見られることもあり、非常に苦労したのですが、 同時に、人に使われるのはなんと楽なんだろうとも感じました。 自分で判断する必要がなく、 リストに書いてあることをすればいいだけなので、気が楽でした。 何かミスをしても、怒られたらいいだけの立場、 勤務時間が終われば開放される立場に 今までの立場との違いを感じざるを得ませんでした。(p.186)彼女が、自分の状況や立場について、どのように認識し、それがどのように変化していったのかが、よく分かる。 でも、父に会いたいという思いを抑えることはできませんでした。 いつか父の接見禁止が解けたら、個人的な悩みをたくさん相談したい。 そして、そのとき父に聞こう。 「お父さんが事件を指示したのですか。 指示したとしたら、事件とは何だったのですか」と。(p.204)父という存在が、彼女にとってどれ程のものであり、また、そんな父を信じ続けたい気持が、よく表れている。 4月28日、裁判所からわたしの学生の地位を仮に定める決定が下されました。 裁判所は「当時11歳であった債権者(わたしのこと)が上記のような地位にあったことは 債権者が自ら望んでなったものではなく、 債権者が松本智津夫の子として生まれた故に逃れられなかった事実であり、 日本国憲法の精神を体した教授研究を標榜する債務者(文教大学のこと)が、 現在の債権者の姿に目を向けず、 債権者の逃れられない過去を理由に錯誤無効を主張することは、 出自による差別であり、憲法14条に反し許されないといわなければならない」として、 入学拒否が憲法違反だという判断をしたのです。(p.209)これは、大学だけの問題ではない。行政もマスコミも、そして社会全体も、その行為について、同じことを問われている。 わたしはずっと、人からの期待に応えるよう、嫌われないようにして生きてきました。 そのため、批判されることは生を脅かされるほどの恐怖でした。 しかし、相手の価値観や期待通りでないことによりなされる批判は、相手の問題であり、 わたしが脅かされる必要はないものだと理解していきました。 同時に、わたしも人に「価値観」や「期待」を押しつけ、 相手の権利を脅かしていたのだと気づきました。(p.247)もちろん、ここに書かれていることが真実かどうかは分からない。『殉愛』と『百田尚樹『殉愛』の真実』を読んで間もない今は、特に、そういう思いが強い。それでも、ここに記された言葉には、重みを感じた。
2015.06.06
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かき氷だけを扱った本は珍しい(と思う)。 しかも、写真を見ただけで「美味しいに違いない」と分かる。 使ってる氷の違いが伝わってくる。 たかが「かき氷」、されど「かき氷」である。 もちろん、かけられるシロップや練乳、きなこ、 添えられるフルーツやあずき、白玉、クリーム、プリンも美味しそう。 でも、氷そのものが美味しそうなのが、本当にスゴイ。 天然氷を切り出したものを、業務用の氷削機で、マイスターが腕を振るう。それらの作品とも言えるかき氷を目の前にした蒼井さんの表情も最高。髪が長かった頃も、短くなってからも、とにかくかわいい。『蒼井洋菓子店~大好きスイーツ・ベスト88~』も良かったですが、こちらは、それを上回る完成度です。
2015.06.06
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