全32件 (32件中 1-32件目)
1
![]()
『MOON』5巻で昴がオディールを踊っているのを読んでいるうちに、生身の肉体が踊っているシーンが観たくなって動画サイトを彷徨った挙句、パリ・オペラ座のブルメイスティール版のDVDを買ってしまう。あらら結構重症だわ(汗)。バレエはな~子どもの頃からだが弱かったのと、先に日本舞踊を始めていたので、ついに習うことができなかった。でも市内に結構大きなバレエ教室があって、クラスメートが習っていたりしたので、心躍らせて発表会を観に行ったり、ステージや映像も可能な限り観ていた。あれは幼少時の女子にとっては、大きな憧れのひとつだろう。とくにトウシューズとクラシックチュチュはね。チュチュへの憧れは、その後、ロータリークラブのパーティーに出るために社交ダンスの真似事をしたときに、ロマンチュチュみたいなダンスコスチュームをつくってもらって満たされた(笑)。いずれにしても小学校の時分だな。そしてバレエマンガのエポックメイキングだった「アラベスク」が始まる。トウシューズのリボンを描かない初のマンガ(笑)。バレエ用語はすべてアラベスクから学んだ。そのうち、「マーガレット」で「SWAN」が始まる。この頃、日本でも森下洋子さんという不世出のプリマが出てきて、海外ではヌレエフ、マーゴフォンティーンらの映像を眼にした。でも東北の田舎では来日公演など観る機会はなく、まだソビエト時代のボリショイ(プリセツカヤ)を労音が呼んだときの「白鳥」のハイライトと「瀕死」ぐらいしか観ていなかった。そのうち、2つ目の職場となった音楽系出版社でバレエのムックをつくることになり、監修の小倉重夫さんからバレエ史と基本を叩き込まれた(無論脳内で)。19世紀までだったけど。世はベジャール、ノイマイヤーなど振付家の時代となっていた。ジョルジュ・ドンやバリシニコフなど男性舞踊手がスターとなった時期とも重なった。仕事ではバレエ団やダンサーにも取材をさせてもらったけど、自分の好みは音楽同様、クラシカルな様式美が好きなので、モダンや斬新な創作系はにはついぞ馴染めなかった。そうそう、コンペティションの審査員もされていた今は亡き大屋政子さんのお話は面白かった。彼女はテレビのバラエティーにキッチュなスタイルで登場しているのを覚えている人は多いだろうけれど、独特の審美眼を持つバレエのパトロネージュだった。個人的には、タダ券がもらえたローラン・プティバレエ団の来日公演には述べ10回くらい通った。でも、同じ演出だと定型化したクラシックな演目は長すぎて飽きるし、かといって抽象的なものは今ひとつ印象に残らない。なので、白鳥なんて今更・・・と思っていたのに、このバスチーユの新オペラ座での白鳥は、斬新だった。パトリック・デュポンの最盛期をちょっと過ぎた頃の映像だけど、ダンサーよりも演出、美術、衣装、振付に目が釘付けだった。ええ、こんな白鳥知らないっ! と思ったら、これがブルメステイル版だった。普段見ているのはプティパやヌレエフ版の悲劇だけど、こっちはハッピーエンド。音楽も、一部チャイコの初版に戻しているので、オディールのコーダなんて馴染んだ音楽ですらなかった。こりゃ斬新! 面白い!舞台は、思い切って奥舞台まで使い切った、非常に奥行きのあるセットになっていて(おそらく30メートルはある)、俯瞰で観たほうが楽しめる。まるきり舞踏会のようだし、群舞なんて40匹以上の白鳥がっ!新国立劇場がこけら落としのときに、事前のプレス公開でバックステージまで見てきたけど、客席の奥行きとステージの奥行きがほぼ同じだった。そしてオペラの時は知らないけど、バレエのときはステージの奥から手前に向かって床が傾斜している! 知らないジャンルの取材は非常に面白いのだった。で、このオペラ座の舞台も、衣装デザインには毛利臣男氏を起用していて、これは衣装なのかと思えるような奇抜なドレスがわんさと出てきた。貴族の女性や后のドレスが左右に出っ張っていて、バックに長いトレーンを引いている。18世紀の宮廷衣装にもこういうのはあったけど(服飾史は自力で齧った)、明らかに日本の衣冠束帯みたいな宮廷装束の影響があった。ピンと糊をかけたようなマテリアルに、立体ではなく平面的なパターン。これ着るのも脱ぐのも難しそう。ましてや絶対に踊れない(笑)。面白いなあ。このセンスでトゥーランドットの衣装とかデザインしたらどういうことになるんだろう。 で、プリマのピエトラガラは知らなかったけれど、黒鳥のパトドゥは、ダブルを入れつつ、手を上に上げつつの見事なもので、オデットよりオディールのほうが合っているように思えた。いやあバレエってやっぱりいいよなあ。ちなみに直近で見た生の白鳥は、サーカスみたいなやつだった。 こんなの(爆)さてあとは懐かしのマンガを発掘しなくちゃ。追記:毛利臣男氏はやっぱりトゥーランドットの衣装も担当していた! 超見たい!
2010.01.31
コメント(0)
![]()
『タナトスの双子 1917』和泉 桂何度か登場する色っぽいシーンを読みながら、心のなかで「ヴィクトールってば深沢~~~っ!!!」と叫んだ。行方不明になっていた後編はベッドの下に落ちていた。猫がダッシュした際に押し込んでしまったのかも。いやあ読んでよかった。面白かった。だって深沢の前世がわかったんだもん(違う)。パラレルではなく時空と国境までをも超えた、これぞ和泉さんのスターシステム!もうヴィクトールが深沢だったことが最大の萌えツボだった。でもヴィクトールはもとより支配階級なので、本来上司であっても(家格的には知らないけど)あそこまで隷属しなくてもいいと思うんだよ。でもわかっていて敢えてやっているから人が悪い。一方、ユーリは調教の甲斐あって次第に和貴みたいになっていく(笑)。前編を読んだ時点での後編予想「マックスは生きている」は外れたけど、あんな魅力的で「いい人」に描いておきながら、あっさり殺しちゃう泉さんのサドっぷりに惚れ惚れする。最初からその程度のキャラとして設定したのか、VIPだけどちょっとここらで消してみようかと思ったのか、どっちなんだ!それにしても、和泉さんはほんとうに私好みの言葉をつむぐ。並みな単語は使わず、ちょっとひねってみせるから、ずっと印象に残る。痛苦とか怒火とか凝然とか。字訓とか字通をリファレンスにしていそう(白川静三部作はとっても欲しいが、もはや今の自分には豚に真珠)。毅然とした単語に酔うとういうトラップにはまると、時代設定、政治情勢の齟齬、当時のヨーロッパの描き方など多少違和感があっても瑣末なことに思えてくる。小説を読んで作家さんにだまされる快感ってこういうところだよね。さて、後半のストーリーは、ほぼ全編道行き譚だった。時代・民族を超えて古今東西共通の逃避行、つまり駆け落ちというのも、一つのマンネリズムの美学だろう。何かから逃れ、息を潜めるように寄り添う二人。そこに困窮やけがなどの病難辛苦が加わって被虐の美学が味わえる。そしてそして私をとりこにしたヴィクトールの敬語攻め!深沢との違いは、こっちの二人は命がけて逃げているから、さらに緊迫感は高まる。ちゃんと通過儀礼としてドS攻めもしつつ、その後にド・スポイルが待っているというのは、常套手段だが、設定次第で(言葉の使い方次第で)こうも高貴さを湛えたものになるのかと感心した。思ったとおりヴィクトールはいろいろと企んで、用意周到に先々まで計画を練っている策士だった。寝所でコトの最中に人間、そうそう冷静ではいられないから、敬語をつかって攻めてる時点で、ヴィクトールのほうが何倍も余裕がある。こういう超人的な人(まあ現実にはいない)をうまく使いこなせる作家さんは少ない。前編では、生き別れの双子が近くにいるのに写真を活用していないのが不満だったけど、後半ではうまく小道具として使われていたし、ロシア式暖炉(ペチカ)の説明はなかったけど、亡命先でのドイツ式ストーブの説明はあった(笑)。革命前後のロシアの情勢なんかも、俯瞰的ではなかったけど民衆史の視点でも描かれているので、この本読めばセンター試験に出てくるロシア近代史は正解とれるなと思ったり。最後の最後まで幸せだった子どもの頃の追想をフラッシュバックで挿入したり、視点変換とか、かなり凝った構成になっているのもすばらしかった。なにより、読者に結末をゆだねる最後は、BLでは稀有だ。ユーリはミーシャに成りすますといったけど、最後にヴィクトールの元に来たのはミーシャではなかったか。そのうちきっと同人誌で続きを書いてくれるのかもね。フィクションは所詮想像(妄想)の産物だから、和泉さんには、これからも史実以外の隙間はいかようにでも埋めてくれと思う。
2010.01.30
コメント(0)
![]()
サリンジャー死すの報を目にした。とりあえずその衝撃の大きさだけメモる。1960年代以降作品を発表していなかったので、文学史に名を残していても、ご本人の去就はなんら伝わってこなかった。90年代、NYに滞在していた時、若い小説家たちによるニューロストジェネレーションブームが起きていて、向うで知り合ったコロンビア大の留学生から、「サリンジャーはこのマンハッタンで誰とも接触を持たず世捨て人のような生活を送っている」と聞いたことがった(今回調べたら、ニュージャージーだったが)。サリンジャーは「ライ麦畑でつかまえて」と「フラニーとゾーイ」と「ナインストーリーズ」くらいは読んでいるはずだけど、あまりに大昔のことで、どれもあんまりよく覚えていない。でも青春小説という切り口だったので(多分「キャッチャー~」は課題図書かなんかだった気がする)、今読んでも楽しめないかもしれない。小説家としてのキャリアの初期に、あまりに大きな作品を書いてしまうと、その後の人生は苦しかったのではと察する。不良っぽい行動が独特の「傷つきやすい青少年像」として憧れの対象となる一方で、頑是ないピューリタニズムに囚われている主人公たち。宗教観がベースにあるとお手上げなので、敢えて避けてきたというか、私にはなんの影響を及ぼさなかったけれど、彼がその後のアメリカ文学に与えた影響は無視できない。子どもの頃、アメリカは憧れの対象ではなかったので、翻訳小説は英国から入った(無論ホームズだ)。マセた子どもだったので中学の頃には大人っぽい文学も読んでいて、クラスメイトのお姉さんの影響で、新潮だったかちくまだったかの「アメリカの現代文学」みたいなシリーズで出ていたフィリップ・ロスやブローティガンにはまった。大学時代はボコノン教の信者だった(笑。無論ヴォネガットである)。ヴォネガットの弟子のアーヴィングあたりから原書で読むようになって、でも苦労して読み終える前に翻訳が出て悔しい思いを何度もした。この人たちにサリンジャーの影響はないような気がする。ロストジェネレーションではないし、時代的にはビートジェネレーションど真ん中のはずなのに、どこにも属していない、いわゆる「孤高の作家」なのかもしれない。ピンチョンは難しくて最後まで読めたためしがないし、カポーティーの面白さから大衆小説に走った自分にとっては、サリンジャーは敷居の高い小説家だったけど、孤独な晩年は、ショーン・コネリーが演じた「小説家を見つけたら」みたいなものかとか、分野は違うけど、離人症っぽい変人ぶりはグレン・グールドみたいなものかと想像したことがあって、そんな神秘性には憧れた。合掌。あ、仏教徒じゃないだろうしレクイエムで合唱 村上春樹版は読んだことがないので、いっちょ読んでみようか。
2010.01.29
コメント(2)
![]()
『The end of youth あいの、うた』宮本佳野/木原音瀬(原作)一冊まるごと木原音瀬マガジンの「Ergo」に連載されていた蒼竜社から発行された木原作品のコミカライズ群の最後(かな?)。絵が怖くてマンガが読めない禾田みちるさんの「ROSE GARDEN」は読んでいないけど、あとは読んでいて、残念ながらどれも原作より面白いと思ったことはなかった。深井さんが描いた「さようなら~」ですら、ストーリーをなぞった程度の出来で不満だったけど、この作品は実は原作を読んでいないので、逆に楽しめるかもと思った。お話は木原さんらしい執着攻だが、年下でうざくて、中盤までは攻のジコチューな行動が「ありえねー!!」とか思っていて、邪険にできない受の弱さにイライラさせられたけど、しばらく関係が切れて成長タイムがあって、再会を果たした時には、立場が逆転していて、才能がなくて音楽で食い詰めた受が攻に執着する。ああ~どっちもウザイ! と読手をもブルーにさせてくれるのはさすが木原さん(笑)。しかも、音楽業界という華やかな世界に設定しても、全然かっこよくなくて、ヒエラルキーの底辺を描くのは木原さんの十八番。さらに相手の都合を一切考えない迷惑な攻が一方邸に執着するという構造も木原ワールドではすでにパターン化している。でもおもしろいわ。宮本さんの絵は、湿気の多い木原さんのお話には合っていると思う。あんまり色が感じられないお話が多いから、コントラストの強い絵柄のマンガはよく似合う。そうそう、今回の攻は高校の頃から発表を前提としない詩を書いていたりする。相変わらず時代感の希薄なお話で、どう転んでも、誰がコミカライズしようと、木原さんでしかありえない。その稀有さこそに萌える。
2010.01.29
コメント(0)

休日のある日、アボカドのサンドイッチが食べたくなって、隣駅の神戸屋まで買いに行った。いつものアボカドシュリンプがなくて、アボカドサーモンがあったので買ってみた。以前、アボカドシュリンプに「マヨネーズじゃなくてクリームチーズを入れてくれればいいのに」とブログでつぶやいたら、こっちにはこれでもかってぐらい分厚いクリームチーズが一緒に挟まっていた。そりゃ、シュリンプよりはサーモンのほうがクリームチーズとの相性はいいけどさ、アボカドだってクリーム系だからさ、モノには限度ってものがあるだろうに。したがって、見た目はおいしそうに思えたのに、全然おいしくないんだよ(悲痛)。塩気が足りないし、クリームチーズの分量に品がない(苦悩)。そして一番の問題はクリームチーズもサーモンも扱いがわるくて素材を生かしきれてない。質も上等なものではないような気がする。いや、クリームチーズに等級があるのかどうかは知らないけど。サーモンの色素がクリームチーズに移っているとげんなりする。あ、げんなりって久々に使ったわ。パンも全粒粉入りだけど、なんかパサパサしておいしくないよー。アボカドサンドはアボカド自体をクラッシュしてヴァカモーレ風にしたものが好きだから、サブウェイのフィリングのほうがずっと好みだ。でもサブウェイのパンはさらにおいしくない。最近、自分に合ったパンばかり選んで食べているせいか(主に全粒粉パンとドイツ風穀物パン)、神戸屋のパンですら食べられなくなってしまったんだろうか。こういうサンドイッチはイチから作るとコストパフォーマンスが悪いから買ったほうがいいのに、市販のものにあわせられない自分の舌が憎い(慟哭)。平日のある日は1時からのセミナーに間に合うように早飯しなくちゃならなかったので、アキバの駅そばの韓国料理屋で石焼ビビンバ。ずっとbi-bi-m-baだと思っていたのに、よく見ると看板やメニューの表示によってはbi-bi-m-paだったりbi-pi-n-paだったりするので、韓国語の音は正確に日本語変換できないのかと思ったり。でもWikiで見たらラテン文字ではBibimbapと表記するんだな。なんだびびんばでいいんじゃん。韓国料理は軽いトラウマがある。子供の頃、母方の祖母が「ごはんを汚して食べるのは品がない」とかやかましかったので、丼ものすら物理的にも生理的にも大人になるまで食べられなかった。なので味は好きなのにかき混ぜて食べるというのが馴染まなくて、長い間食べられなかった韓国料理。サムゲタンですら韓国人のおばちゃんにぐちゃぐちゃに混ぜて食べろといわれたもんな。どうしてせっかく美しく盛られたものを壊すのか。いや確かに混ぜたほうが美味しいんだけど。美意識と味覚のハザマで苦悩する日々(アホである)。チャングムってほとんど見たことないんだけど、宮廷料理はまた違うのかな。ビビンバは自分的には最初に出てきた5色のイメージを保持しつつ、かき混ぜるところはブラックボックスで覆い隠して、目をつぶって食べたい食べ物。野菜豊富だし栄養的にもバランス取れてて、石焼きのアツアツはとっても好みなのになー。たかが昼食ごときでこんなことを日々考えている愚かものだがブログのネタにはこと欠かない。さて、ここのはなんかトッピングで鶏のから揚げが出てきたが、こいつも混ぜて食えと? 一時、家で石焼ご飯を作りたくて器を買いにデパートまで行ったことがあるけど、高いうえに重い(当たり前だ)ので諦めた記憶が……。それに粗忽な自分は絶対、灼熱の器に手を触れてやけどしそうだったし、うちのメインのガスバーナーは空焚きするとすぐセンサーが感知して火が止まってしまうんだよなー。それともオーブン使って温めてから使うものなのかな。ああ今日はあったかいうどんが食べたい。ごっついコシのある讃岐うどんよりつるりんとした稲庭うどんがいいなー。釜あげにして京風だしのカキ玉をぶっかけて食べたい。
2010.01.28
コメント(0)

聞きたいことがあって、お友達のアートディレクターさんの携帯に電話したら、なにやら野外にいる気配。「あれ? 事務所じゃないの?」「いまね、塩釜にいるの」「なにいいい~? なんでまた?」「ふと思いついて、観光に来たの」「えええ~~っ! 塩釜って観光地だっけ?」東北人の自分には馴染みのある地だけど(実家からだと日帰りコースだ)、なんで東北に縁もゆかりもない彼女が塩釜なんかにいるんだろう。しかも仕事でもなく、突然思いついてふらりとやって来るなんて。しばらく用件を話していたら「あ~ごめん、充電切れちゃう」といい終わらないうちに切れちゃった。そして夜、自宅に戻ると、ホテルからかけてきた。なんで塩釜なのか根掘り葉掘り聞いちゃったじゃないか。だって冬場に妙齢の女性が一人で突然予約もなしに観光地でもないところに行ったら、自殺か犯罪者じゃないかと怪しまれること請け合いだよん。「あーやっぱり? どうもやけにスタッフが親切なんだよね。携帯の充電も部屋まで持ってきてくれたし、朝食もやたらしつこく時間と和洋のチョイスを確認したがるし。別にあとでもいいと思うのに、『いえ、今決めてください』とかって」と笑っていた。うん、それはね、警戒しているんだよ。部屋でくびでも吊られたらかなわないから(不謹慎発言)。彼女とは来月、ちょっとリッチな中国料理を食べにいく約束はしていたけど、旅行の話もしたかったので、旅行中ならちょうどよかった。今年の遷都1300年の奈良に一緒に行こうと誘うつもりだった。仏像に興味のない彼女を仏像フェチにしようと思って。まず法隆寺に行って百済観音と救世観音、法華寺と海龍王寺、秋篠寺の伎芸天、新薬師寺の十二神将、薬師寺と本道の落慶法要が済んだ鑑真、それからそれから、あー阿修羅さんはまだ興福寺にお戻りではないのかな。たくさん見せたい仏像がある。携帯を選ぶときは文字盤のフォントのデザインで決めると言った彼女のこと、きっと気に入ると思う(笑)。奈良ホテル、予約がとれるといいなあ。一昨年、仕事のついでに立ち寄っただけなので仏像成分足りてない(笑)。ここも泊まらず朝食だけだったし。なので今年こそ!
2010.01.27
コメント(0)
![]()
『逃亡者』水原とほるタイトルから連想する内容とは著しく異なるお話だった。設定もストーリーも水原さんらしくないのに、やぱり面白かった。とってもありがちなヒューマンドラマで、2時間枠のテレビドラマにしてもいけるんじゃないかしらんとかね。なんだよ水原さん、Sもヤ○ザも登場させずに、いいお話がかけるんじゃないのよ。でもBLとしては失敗だよな。だって読み終わってみれば、おせっかいな年下の攻のことはほとんど覚えていなかった(笑)。でもこういうお話は好きだ。特に後半、報われない恋をしているアラフォー管理職の姉(不倫)と、ゲイの弟が、10数年前に家族を捨てて若い男と失踪した父の所在を探し当て、会いに行くシーンとラストまでは例によって涙腺の袋がプチンと破れてたいへんだったよ。主人公はアメリカ帰りのスポーツトレーナーで、ジムのなにやら難しそうな名前のマシンや筋肉がどうのこうのという専門的な話題がたくさん出てきて、さすがこだわりの水原さん、ちゃんと取材しまくって書いているなあとまずは安心。BLはさ、まずはホモであることが前提だからみんな悩まず明るく元気に男同士でいちゃついているのがデフォで、自分もうっかりこの世界に足を踏み入れて以来、それを当然のこととして受容していたけど、この作品はむしろ世間一般の世界観というか常識視点から書かれて、主人公は自分がゲイであることは致し方ないとしても、父と同じ性嗜好を持つことで周囲を不幸にする存在だと自分を思っている超ネガティブシンカー。うまくいっていた米国人のパートナー(プロテニスプレイヤー)の活躍の邪魔になると勝手に考えて身を引いて帰国したり、5歳くらいしか違わない年下の攻を子供扱いしたり(相手は企業家なのに)、なんとも世間知らずなおぼっちゃまに思える。彼の育ちがよいのは、父は銀行勤務で母とは見合い結婚で、と子供の頃ヴァイオリンを習っていた(姉はピアノ)という生い立ちからも伺い知れるけれど、結局この作品では二人のラブより、ある家族の崩壊の原因となった失踪した父と子どもたちの心のわだかまりをクリアにして落とし前をつける、みたいな話になっている。そこが自分にはツボだったけど、BL的には異端であることには変わりない。あ、月村さんがいつも家族を主軸にお話を書くけど、そういう成長譚とも違う、なんつうか、普段なら日常にまぎれてほったらかしにしてしまう大人ならではの人生における悩みについて、真剣に考えてみました、って内容になっている。水原さんがこういう淡々としたお話を書くというのも不思議な気がする。母を絶望の淵に追いやった憎いはずの父との10数年ぶりの再開シーンがいちばん好きだけど、なんだかほのぼのとした会話をしていて、笑った。どんなに心の準備をしていても、所詮こんなものよねってことは日常において多々あることだから、こういう視点をうまく表現してみせる水原さんは、すごい好みだ。虚勢を張りまくっていても、あわててへまするキュートな姉とか、ケアワーカーをしている父のパートナーが畳に頭をこすり付けて土下座するシーンとか、本当にどこにでもあるホームドラマっぽくて、そこがよかった。不思議だなあ。水原さんの普段の所業だからこそ、そんなふうに思えるのかもしれない(笑)。ただタイトルは、文中にちゃんと説明もあったけど(いつもなにかから逃げている=逃亡している人生)、狙いすぎて外している気がする。
2010.01.26
コメント(0)
![]()
『MOON (5)』曽田正人12月に5巻が出ていたなんて知らなかったよ『Moon』。普段立ち寄る書店は、腐売り場と男性向け売り場がきっぱり分かれていて、なかなか青年誌コミックスの新刊までチェックできないので見逃していた。こういうのはネット書店でRSS処理をしておけばお知らせしてくれるのかな。さて、ヴァルナの本番当日。パートナーであるニコと喧嘩した昴がどうなるか、の続き。コマわりがダイナミックという特徴もあるけれど、今回の巻はほとんどオディールのパドドゥのシーンだったので、10分くらいで読み終わってしまったよ...あーもったいない。また4~5カ月待たされるわけね。しかし昴ちゃん、踊りながらあんないろんなこと考えているんだな~。それに翻弄される盲目の元プリンシパル・ニコがどうなるのかハラハラした。体ごとぶつかるようなダンスをしていると、見えなくてもどんな表現をしているのか、昴のオーラが伝わってくるんだろうな。怒りのオディール(笑)。父・ロッドバルトのいいなりにならず、「自分のほうが魅力的だよ~ん」とウブな王子を手玉にとろうとする、というのは振り付けではなくストーリーにおける新解釈になるのか。近代的な女性の生き方を表明するようなお話で、バレエってオペラ同様に古典作品は固定化されているものと思っていたけど、ストーリー自体の解釈も自由に変えちゃっていいのだろうか。技術的なことを言うと、オディールのソロパートでのグランフェッテアントールナン(片足だけで32回転)のシーン。昴ちゃん、1センチもズレずに4回転って、それはもう人間ではありませんことよ。昔、有吉さんのアプローズだったか山岸さんのアラベスクだったかで、32回転の間にダブル(ドゥーブル)を織り交ぜて踊る天才プリマのお話が出てきて、すっごくよく覚えているんだけど(私の中では山岸さんの「アラベスク」で、男性のサポートなしでポワントで静止するシーンと双璧だ)、ついに時代は4回転ですことよ、奥様。フィギュアスケートですら女子の4回転は稀なのに、トゥでズレずにアップテンポのリズムに合わせて4回転って、もはやトウシューズの先に仕掛けがあるとしか思えない(笑)。実際のバレエのこのシーンでドゥーブル踊るのを見たのは数回程度だし、そんな人たちもポワントの位置は5センチくらいはズレていたと思う。でもこのマンガのすごいところは、「昴ならやりそうだ」と思えちゃうところだよな。強力なライバルが登場し、意識していなくても目の端にかかるし、ニコは死んでしまったパートナーの名前を口にするしで、満身創痍なメンタリティーでステージに立った割には、鬼神のごとき演技だったりね。昴はずっと逆境をプラスに換えて自分の肥やしにしてきたから、今回もそうなんだな。つまりひどい目にあえばあうほどいい踊りをする、と。BLにおけるSMプレイと同じだ(笑)。今回、ジークフリート=ニコになっちゃったから、ニコを好きだと自覚したけど、きっとニコは捨てられる運命(笑)。次巻に引っ張られているミンミンのジゼルも気になる。重力に逆らう精霊の踊りは、従来草食系の東洋人がうまいとされている(私なんかは子供の頃観た森下洋子さんとヌレエフ、もっと昔だとやっぱりマーゴ・フォンティーンを思い出す)けど、ミンミンの場合、昴と同様、踊る動機が純粋じゃないからなあ(笑)。そうだ、バレエといえば、年末だったか、不思議なドキュメンタリーを観たんだった。バレエリュスの絶頂から衰退までを追った話で、往年のプリマの現在(といっても2005年ころ)が出てきて、えええ~バレエリュスの人たちで生きている人がいるのか~と驚いたんだが、ディアギレフ亡き後、フォーキンやバランシン、レオニード・マシーンといったブロードウェイミュージカルにまで連なる振付師のストーリーや戦火のヨーロッパから逃れてアメリカに根をおろし、その後分裂して南米にまで行っちゃったとは知らなかった。『バレエリュス 踊る歓び、生きる歓び』そして戦中あたりから12、13歳で主役を競っていた「ベイビー・バレリーナ」たちは80歳を過ぎてもまだバレエを教えていたりする。そうか、そんなに幼いころから主役張ってたんだ。確か、山岸さんが「黒鳥」だったかでマンガにしたのは、バランシンとマリア・ニジンスカヤの話だったなーとか、いろんなことを思い出しながら見て、すんごい面白かった。ディアギレフの時代は、音楽史の系譜や森茉莉のエッセイにも出てくるし、ニジンスキーの映画も好きだったりするので知っていたけど、アメリカで初めて本物のバレエを人々に見せたのがバレエリュスだったというのは意外だった。ああ、昴の話をしていたのに。ピアノを弾いている最中は雑念なんて考える余裕もないけど、昴ちゃんはあんなん秒単位の音楽のなかでいろんなことを考えながら踊っていることに、ちょっとショックを受けたんだよね。技術的なことじゃなくて、人間関係とか自分がどう思われたいかを考えているうちに、それが踊りに昇華されていくって、本当にありえるのだろうか。あ、基礎力の違いだわ。そうか(しょぼーん)。そうだ、この『MOON』、前巻から帯に女流漫画家さんの賛辞コメントがイラストつきで入るようになったけど(4巻は安野さん、5巻は羽海野さん)、どれだけ効果があるんだろう?追記:そのうちオディールの32回転が観たくなって画像を探していたら、ATBのジリアン・マーフィーが軽々と3回転をやってのけていた。4,5回入れていたかなあ。曽田さんのプリシラ・ロバーツのモデルかもしれない。ポワントはズレていたけど、すんごいわ。もひとつ、ニコ動でパリオペラ座のパドドゥを見つけて観ているんだが、爆笑しいながらも涙が止まらないよ(爆)。ダンスは涙モノのすごさなのに、美術すごすぎ。みんなのつぶやきおかしすぎ! 「あ、デーモン閣下がいる!」とか「シャッター前で踊ってる」とか、ツッコミがおかしすぎてダンスに集中できない。そして次回、白鳥を観に行ったら、このつぶやきを思い出して客席で吹きそうだよママン!
2010.01.25
コメント(0)

土曜は夕方まで仕事でお茶の水にいて、その後、ピアノの今年初レッスン。お茶の水も聖橋側は2年ぶりくらいで降りたけど、いつのまにか駅前にあった日立の本社ビルがなくなっていた! どうしたんだ日立! JR沿いの飲食店も入れ替わりが激しくて、一度行ってみたかった老舗のおすし屋さんとか、KFCとかなくなっていたなあ。時は移る。 変わらないのはニコライ堂くらいかもさて、ピアノは12月まで見てもらっていたのは取り合えずほぼあがったので、全部初レッスンの曲ばかり。平均律は1巻があと数曲で全曲制覇となる。長い道のりだったなー。今回は18番なのでまあ楽勝。代わりに要求が細かい。プレリュードは全部レガート、全部ノンレガートを続けて弾かされる。レガートで仕上げていったんだけど、8分音符をノンレガートで弾くと、また表情が変わるのね。インベンションみたいなやさしい曲なのでエチュードとしては使えないけど、曲として仕上げてみよう。フーガも途中、ロマンティックな表現が出てきて面白い曲。先生はこの4声はかなり難しい曲だと思っていたらしく、「そうでもないのね」と思い出していたようだった。いや、私にとっては十分難しいけどな。ショパンのプレリュードはの16番のみ、プレストになりきれず挫折・・・。代わりにマズルカをかなり練習していったら、珍しくほめられた。やった~。2年ぶりくらいかも(どんだけダメ生徒なんだ)。「これまでずいぶんショパンやってきたじゃない? 舟歌もスケルツォもノクターンも、いろいろやったけど、マズルカはすごくあなたに合っていると思うわ。うーん、正直こんなに素敵に弾くとは思わなかったわ」(大意)もう、最大級のほめ言葉だわ。うれしい~!だけど、実はマズルカ自体、まだ良く理解していないんだが、あのウェットなメンタリティーは自分の好むところだ。なんか、踊りが見えてくるんだよね、円を描いて回るところと、対面で近づいたり離れたりする様子が。36番、37番はかようにうまく弾けたんだが、38番はまったく異なる要素が次々出てきてちょっと戸惑う。そうそう、今回の予習で仕事中に音源聴きながら書き物をしていたんだけど、平均律に初音ミクのスキャットバージョンというのがあって、激笑いした。それが意外にもいいんだよね。フーガとか4声にきれいに分かれていて、ピアノで聴くよりわかりやすい。打ち込み系もこういう風な利用の仕方があったか~とちょっとうれしかった。マズルカは昔のピアニストの音源はたくさんあって、どれも甲乙つけがたく、あまり差もないように思える。ツィメルマンのが顔から火が出そうに恥ずかしいルバートで(かなり若い頃の演奏だった)、さすがポーランド人は流れる血がマズルカだよな(意味不明)。
2010.01.24
コメント(0)
![]()
『海街Diary2 真昼の月』吉田秋生これも発売直後に2巻を買って、そのまま読み忘れていた。なんか最近そんなのばっかだな。「先を、続きをすぐにでも読みたい」と思わせるストーリー展開でないと、つい後回しにされて、えーっとこの本も1年以上放置されていたのか。かわいそうに。吉田さんはデビュー当時が自分の青春と重なってきて、ずっと彼女の漫画家人生と共に自分も成長してきたようなものだし(多分年齢もそう違わないだろう)、大好きなんだが、「YASHA」以降、明らかに作風を変えてきたので驚いた。絵もイケメン男子が出てこないし、丸くなった。このくらいの大御所になれば、何を書いても許されるだろうけど、きっと編集側からの要求とかもうあんまりうるさくないんだろうな。大和和紀さんも「西の魔女が死んだ」みたいなメルヒェンなYA小説みたいな作品描いていたし、吉田さんのこの作品も、たぶん「婦人公論」でも「家の光」にでも掲載できちゃうヒューマンドラマに仕上がっている。とても上質だけど、かつてのエッジの利いた吉田さんのファンだった自分には物足りないというか、こういうものが描ける、というか描きたくなる心境はわからなくもないけど、その変容ぶりに戸惑う。女ばかりの家庭の話は少女マンガにはたくさんあるけど、大抵は親娘の葛藤がメインで、このシリーズのように性格も考え方も違う4人姉妹という設定は珍しい。上からしっかりものの長女(ナース)、男を見る目のない次女(信用金庫勤務)、とらえどころのないスポーツウーマンの3女(スポーツ店勤務)、そして異母姉妹となる4女(中学生)と、これまたバラバラに見えて、いろいろ考え抜いて設定されたっぽい。鎌倉が舞台というのがいいよね。彼女たちの家のあるあたりはあまりよく知らないけど、一時ガイドブックつくる仕事で観光地・鎌倉は時期によってはほぼ日参していた。山で遭難しそうになったり、細く曲がりくねった道路でレンタカーで事故りそうになったり、ヘマもいっぱいしたけど好きな町だし、よくデートにも来た。暦女としてははずせない円覚寺の墓参りとか、一時は毎年やっていた。でも海側は車でしか行ったことなくて、実は江ノ電も1回しか乗ったことがなかったりするんだよな。でも、観光スポットを外れると小津さんの映画に出てくるような古い民家がまだたくさんあって、そんな民家(最寄り駅は江ノ電の極楽寺駅だった)でごく自然に暮らしている姉妹たちがうらやましい。歴史に興味がないと、鎌倉は意外と住むには不便(坂が多いし区画が古い)で住みにくい単なる地方都市(確か住民税が高くてゴミの分別がやたら細かい)で、そういう部分をことさら強調もせず、観光地であることを自慢するでもなく、ごく平凡な生活(でも丸いちゃぶ台はいくらなんでも昭和すぎる)がちゃんと描かれていて面白い。今回、上3人の母親(結局子どもたちを捨てて出て行った)との再開のシーンがあったけど、長女のキレっぷりは私のキレ方と同じだと思った(笑)。きっとA型だ。親子であっても血がつながっていても一生かみ合わない関係があるということを、ちゃんと描いてみせるあたりはさすが。あ、表紙は北鎌倉の明月院だよね。極楽寺からは遠そうだ。
2010.01.23
コメント(0)

今月は5日から仕事始めたのに、もう3回も某省の会議に出かけている。うち2回は外のホテルや貸し会議室での会議だった。霞ヶ関の庁舎はチェックが厳しくて面倒なので、外のほうがラクでいいけど、考えたら場所を借りるフィーも税金だよな。ちっ。しかもボスが登場したのは今年最初の会議だけで、あとはお偉いさんは局長と政務官のみで、ど真ん中の席が空席で写真の納まりガ悪い。政権交代したら、政務官はみんな現場を知る課長クラスに直に話をもっていくらしく、局長クラスがヒマになって、こないだ廊下ですれ違ったらゴルフのスイングしていたよ。で、知り合いのコンサルが12月に鳩山首相にレクチャーした話を聴きながら、なるほど役人の話を信用しないで民間のプロの話を聴くんだ~とちょっと驚いた。そして閣議後のぶら下がりに女性の政治記者が増えたねという話をしたら、「鳩山さんはレディファーストが身についている人だから、女性を邪険にはできないんだよね」とか言っていた。鳩山家はもしかしてクリスチャンだったりするのかな。先週、会議に行く途中、赤坂プリンス旧館の前を通ったら、なにやら黒塗りのハイヤーがみっしり停まっていて、要人が来ている気配。誰だ誰だ?なんだなんだ? (単なる野次馬)月曜は新橋の会議室だったので、半年ぶりくらいでビーフン東でランチ。麺にまでしっかりスープの味が滲みこんでいて(超薄味だけど)、相変わらず好みの味。今回はちまきをパスして普通の焼きビーフンにしてみたら、やっぱり量がてんこ盛りだった。昨日は3年ほど同じフロアで仕事した元同僚(といっても彼女は新卒入社でずっと後輩)が今はフリーになっているというので、記者仕事をお願いするために社までご足労願った。まだ20代なのに医事ライターとして着々とキャリアを積み上げ、昨秋、1冊の本を出したといって、献本していただいた。すごいなー。やっぱり専門分野を極めると人間強いわ。私が彼女の年齢の頃は死ぬほど仕事もしていたけど、死ぬほど遊んでもいたから何でも屋で専門を持つなんて考えもしなかった。理系のライターさんって、得てして成功しやすいような気がする。私は谷村志穂さんが雑誌ライターしていた頃、同じ雑誌で何度か書いていたが(親しくはないけど)、彼女もあっというまに小説家になってしまった。谷村さんは北大農学部卒だよね。そして昨日の彼女は情報工学が専門だ。だからうちみたいなIT関連の仕事なんて赤子の手をひねるようなものでお茶の子なんだな。うらやましい。そして今日は夜、2年ぶりにヨーロッパにスキーに行ってきたという友人と夕食を共にする。てんぷら屋のカウンターだったので写真は撮れなかったけど、いつも旅行土産といってもキヨスクで買ったようなチョコだのタダでもらえる絵葉書くらいしかくれない奴なのに、珍しくお土産をもらった。しかも香水。「どどどどうしたの?こんな」「安物だけど」「これって愛の告白?」「なに?」「や、なんでもない。なんかのついでに買ったの?」「まあ、頼まれたものとかあったから」というわけで、免税店でのついで買いだとしても、男から香水をもらうのはうれしい。使わないけど(笑)。でも名前がローズプリンセスって、なんかいやがらせのような・・・。料理屋のカウンターで香りを聞くわけにもいかず、帰宅してから試してみたら、まあ嫌いなにおいではない。名に反してローズ系ではなくフルーティーなのだった。天ぷらはこの時期ならではのふぐの白子が絶品だった。半生でまるで乳製品のよう。そして折半したけど高かった(涙)。
2010.01.22
コメント(0)
![]()
『タナトスの双子 1912』和泉 桂1週間くらい前に読み終わっていたのに、同時に買ったはずのもう一冊『タナトスの双子 1917』が見当たらない。一体どんだけ整理整頓が苦手なんだよ自分。これでも几帳面なA型なんだが。でもなんとなく下巻も予想がつくので、もう読まなくてもいっかーって程度に、和泉さんにしては設定が重い割にはお話は雑だった。タイトルは好みだけど、なんか最初からネタバレしていなくもないな。エロスとタナトスは大学時代に美学で習ったぞ。日露戦争で連合艦隊がバルチック艦隊を沈めてからのロシアの凋落はひどいもんだった。そんな帝政ロシア最末期からロシア革命までの短い期間、しかし世界史的に重要な事件史の中にBLを織り込むとは、さすが歴史設定得意な和泉さんだが、軽さが身上のシャイノベルズではちょっと設定が重過ぎるように感じた。その前のなんちゃって平安ものはすごく面白かったんだけどなあ。背景と社会情勢を説明するだけでかなりな大仕事。ロシア史は苦手だったけど、「オルフェウスの窓」は好きだった(笑)。その程度の知識だなー。そういやこないだBSでファベルジェのイースターエッグの特集をやっていて、思わず食い入るように見てしまった。あんなとんでもないものに血道をあげるからロマノフは滅びたに違いない、というのが自分の偏見(そして大方真実)。この本は、ほぼ表紙買いだったんだよなー。おおおこれが制服萌えというものか~と自分で納得したほどかっこいい。それに和泉さんなら、そんなにとんでもないことにはならないだろうと思ったし。双子の貴種流離譚はロムルス・レムスの昔からよくある設定だけど、再会時に敵対する立場にいるっていうのはちょっとツボ。でも一度見たら忘れられないほどの美形なそっくりさんが近くにいたら、周囲が気づいてしまうだろう。知れ渡らないほうがおかしいよ。だって写真はすでに相当一般化しているから、軍の幹部の顔写真なんて(おそらくモブで撮ったものとか)絶対出回っていそうなのになー。不自然だとおもったのはそこくらいかな。あと、記憶喪失ものも、BLでは頻出してもはやお約束だ。シチ(シチュー?)とか、ロシアならではのスローフードがいくつか登場するけど、あまりおいしそうに描かれていない。そしてサモワールもペチカも出てこない。政治的背景を調べるだけでせいいっぱいだったのか、生活様式とかがあんまり伝わってこないのが残念だった。貧民窟とかいっても、ペテルスブルクの冬はマイナス20度くらいにはなるだろうから、壁が分厚くてペチカの装備がないと死んでしまいそうだ。えーっと、ストーリーはまだ半分なんだけど、ヴィクトールがいろいろと怪しい。そして上巻の最後に撃たれたマクシムは実は死んでいない、というのが自分の予想。さて当たるかな? あ、なんか17年の革命で軍人のほうの双子の片割れが死んだりしたら面白いのにとおもうけど、BL的にはハッピーエンドにしなくちゃならないから無理かなあ。それともヴィクトールがユーリ(軍人)をかばって息絶える、に1000カノッサ(古っ!)。で、記憶の戻った兄が弟に入れ替わるとかもあるといいのに。とかバカな妄想してないで巻を探そう。ベッドのヘッドボードの後ろに落ちたかな?
2010.01.21
コメント(2)
![]()
『成澤准教授の最後の恋』高遠琉加高遠さんの初ルビー文庫だという。うーん期待していいものか、ルビーは鬼門なので読まざるべきか迷った。でもすんごい勢いで売れているらしく、楽天ではしばらく品切れだった。すさまじきはルビーなのか高遠さんなのか。あ、どっちもか。で、ちゃんとルビーだったし、高遠さんだった。過剰にスタイリッシュにかっこよすぎに造形された攻のフランス文学の准教授(31歳)は、いかにもルビーなキャラクターだけど、告白した直後に死んでしまった想い人を忘れられない新人編集者(受ちゃん)は、過去が重すぎたり過剰にウジウジくんだったりはするけど、高遠さんならではのキャラクターだった。そう、「天国が落ちてくる」のうさぎちゃんを思い出した。こういう性格、考え方、行動をする人はこの人にしか書けない、ってほど特徴があるんだよね。「こんなピュアピュアな男いないよ」とは思うんだけど、どこかでいてほしいと信じてしまうような。その時点で高遠マジックにまんまとひっかかっているわけだが。相変わらず心情が少しずつ変化していく過程が丁寧に描かれていて、最初、快楽のためなら誰とでも寝ちゃう、一見クールビューティーだけど、要は世の中が退屈でたまらないチャラい准教授がうざかったけど、自分でも知らないうちにウブな新人編集者が気になっていって、自分の美学に反する行動をとってしまうあたりが面白い。それにしても、BLではやたら若い「文学部」の教授だの助教授(今は多くが准教授)が常識だったりして驚いたんだけど、うかつなことは書かない高遠さんまでもが31歳帰国子女の准教授を設定するということは、今は文学部でも簡単に博士号が取得できて教授職になれるのかな。昔は文学部が一番なりにくかったものだけどなあ。まあ今は大学の数が増えすぎているし、院を出ていなくても教えている人なんてザラにいるから、特命教授とかスターをつくるのも教育サービス業には必要なのかもしれない。で、受くん以外はどうにもチャラいキャラばかりで、高遠さんにはもっと時間かけて泣けるお話を書いてもらいたいものだと角川の発注を恨んだが(笑)、おまけについていた受くん視点の短編が泣けるシロモノだった。本編ではレーベルのカラーに合わせたお話を書いてみせて、どんなに素性を隠そうとしても滲み出るオリジナリティー(笑)。これが意図したものだとしたら、やるなあ高遠さん。
2010.01.20
コメント(0)
![]()
今日は会社の健康診断の日だった。昨日の夜のうちから食断ちして、一通りの検査をしたら、視力は落ちてるわ、体重は増えてるわ、採血は全然血管が見えてこなくて横臥状態で蒸しタオルを当てられ、駆血帯でギリギリに締め上げられた挙句に3箇所失敗して手の甲から採られるわ、極めつけに胃のレントゲンでポリープまで見つかった。やれやれ。検査医がバリウム飲んでいる最中から自信をもって「ポリープ」というからには悪性ではないと信じたいが、あーあ次は内視鏡検査だな。やれやれ。年齢を重ねるということは、いろいろと支障が生じることを受け入れることでもあるんだな。さて、いい内視鏡医のショッピングをしなくちゃ。ついていないことに、3時間以上もペラペラの検査着で広い検査病棟をウロウロしているうちに偏頭痛がしてきて、薬は手元にないし、途中で気持ち悪くなって、採血後のベッドで30分ほど休ませてもらう。午後からオフィスに戻ったけど、やるべきことの半分も片付かない。しんどい。検査疲れ?でも帰ってきてWOWOWつけたら、まさに今、何やら典雅な英国英語のフォモフォモしい映画をやっていて、なにかと思ったら大好きなイヴリン・ウォーの「ブライズヘッド・リバイステッド」だった。「情愛と友情」なんて邦題つけられたらわかんないっつーの。こういうのはBL的にはどうなの? かなり危うい話なんだが。90年ころ、BBCでジェレミー・アイアインズ主役で長尺のドラマにしていたんだよね。あの映像はすばらしかった。手元に残していないのが悔やまれるけど、この映画もなかなかに好みっぽい。今日はもうこれ観てお風呂入って寝てしまおう。あ、偏頭痛は家かえってすぐにレルパックス飲んで、めぐリズムを目に当てて1時間ほど横になったらかなり直って食欲も出てきた。24時間ぶりの固形食。そうそう、検査の最後の診察で、腹部の触診をした医師が、「内臓脂肪のないみごとなおなかですねー。なにか運動してらっしゃる?」とかあてずっぽうにもほどがあるトンチキなことを言うのであきれたが(内臓脂肪はつきにくい体質)、腰だのうつだのポリープだの、生活習慣病以外のことで悩まされているんだから、全然うれしくない。腰痛がなくなるなら内臓脂肪ぐらい引き受けるつーの! なんか怒ってるぞ今日は。
2010.01.19
コメント(0)

いつぞや有楽町で打ち合わせをしていたときのおやつ。有楽町丸井に入っているシュシュのパン・ペルデュ。ここはフレンチトースト(パンペルデュ)の専門店かと思っていたら、ランチもあるし、夜は普通にビストロになるらしい。フランスに行って、カフェにフレンチトーストがなくて、教えてもらったのが「パンペルデュ」だった。直訳すると失われたパン? へんなの。簡単な料理なのに、なぜか日本のカフェで出しているところは少ないので、このお店は貴重。お値段もリーズナブルだし。ちゃんとサレ(食事になる塩味ベース)とシュクレ(砂糖ベースのデザート)から選べて、種類も多い。ひところ流行ったガレットのお店(ル・ブルターニュとか)も嫌いじゃないけど、原材料100円くらいものを1500円くらいで出すのはどうかと思っていたんだよ(笑)。コストパフォーマンスは大事だ。 おいしいフレンチトーストなら自分も作るの得意だけど、バゲットで作ることがほとんどだけど、ここのはバター分の多い角食を使っている。小ぶりでやや厚め。パン自体はそんなに甘くなくてミルクと卵の風味がたっぷり。熱々にバターまで載っていて、リッチすぎておやつにはどうかとおもうけど、おいしいわ。シュクレはもれなくバニラアイスつき。これがなければちょうど良かった(笑)。私はりんごのコンポートと蜂蜜がけ、お相手はクリームチーズ。うまうま。
2010.01.18
コメント(0)
![]()
『星が原あおまんじゅうの森(1)』岩岡ヒサエ暮れにヨドバシアキバの上の書店で、この人の原画展をやっていたんだよね。各社から同時期に3冊新刊が出たとかで。全然知らない漫画家さんだったけど、なんだかえらい手の込んだあったかい絵柄で、いっぺんで気に入ったので一冊読んでみる。そしたら、ものすごい「当たり!」だった。すごい作家さんが出てきたものだ。ここ数年、依然より俄然マンガを読む機会が増えてから、心底すごいと思った作家さんはそういない。BL風味では尚月地さん(今回の「Wings」でもなにやら実験的なすんごいカラーピンナップを描いていた)、少女漫画では小玉ユキさん、青年誌ではなんとも形容しがたい中村光さんあたりが、ここ数年注目している作家さんだけど、この人もすごかった。まずなんといっても絵柄がジブリなのに、すんなり受け入れられる。大人のための童話ってこういうものかもしれないと思う。残酷さはないし、擬人化というより、みんな人の形に擬態しているんだけど、精霊っぽい。しかも命あるものだけじゃなくて、ものの精霊も姿かたちを与えられていて、これってまるで神道のようだと思う。昨日今日、マンガを描き始めた人の力量ではここまで描けないだろうと思ってググってみたら、女子美大洋画家卒で、そんな若い人でもなかった。やっぱり基礎力のある人の絵は、どうデフォルメしても安定感があるよなあ。ジブリの森のようでもあるし、一瞬、「ピアノの森」のカイの子ども時代の森をも彷彿とさせる。すごい書き込み。引きもアップも緻密で、人物のアップは、こういう造形に決めるまで、何本線を引いたのかと思う。これだけシンプルなのにちゃんと表情があるのがすごいわ(笑)。俯瞰もあおりも、ちゃんとあるべきところに効果的に配置されていて、マンガとして美しい。犬のおかあさんを探すオンドリとか、おたまじゃくしの子どもたちを人間の子どもに取られちゃったカエルのおかあさんとか、大きな石のかけらから生まれたちっちゃな精霊とか、どの登場人物も、その言葉遣いも行動も、すんごく不思議なのにどれもすんなり入ってくる。すぐにこの森の仲間になりたいと思う。不思議な登場人物たちのいわれというか生い立ちも、回を追うごとに少しずつ明らかにされ、唯一人間の蒼一が、この森にやってくるモノたちを救済してハンコをもらうという設定は、まるきり「夏目友人帳」とかぶるけど、世界観がまったく違うから、かえって新鮮。なにかごほうびをもらって任務を達成していく、というのも神話素のひとつにありそうだし。お気に入りは、50年代のミセスのドレスのようなバイヤスの縞柄ドレスを着た「百科事典の精」! 百科事典の中に住んでいて、言葉の知識は誰よりもあるいき字引。あと、人間なんだけど過去に過ちを犯して、この「あおまんじゅうの森」に住んで、精霊を助けてハンコをもらう蒼一が、どうやって生計を立てているのかだけが気になる(笑)。カバー下の表紙が、大真面目に文庫本の表紙をやっていて笑った。そして朝日ソノラマはなくなったけど、「ソノラマコミックス」という名前は残してもらってよかったね。そう、この作品は読まなくなって久しい「ネムキ」に連載されているらしい。
2010.01.17
コメント(0)

白い子は黒い子の倍の体重がある。なので、小さなホットマットの上は取り合いになって、たいがい白い子が半分はみ出るか、黒い子の場所がなくなっている。で、たまに黒い子の場所を侵害すると、バシッと片手が頭に炸裂する。多分爪が出ている(笑)。これを我が家では「黒い子の教育的指導」と呼んでいる。白い子は一瞬いや~な顔をするけど、まったく怯まず。小憎らしいことに。
2010.01.16
コメント(0)
![]()
『吉田家のちすじ(4)』中島守男早くも4巻である。相変わらずぱっつんむちむちな後妻がナイス。今回、タイトルだけで吹いたのが「昼下がりの後妻」だった。なんかツボにはまってしばらく笑っていた。そして表紙のボンデージ風リボンからむっちりはみだすお肉が他人事とは思えない(笑)。そこいらへんにいそうなむっちり体型の巨乳妻(後妻)が男4代が住まう家で主婦をするという、男にとってはひとつのドリームなお話。今回、じいちゃんのボケぶりがあまり炸裂していなかったけど、多香子さんが家族のセクハラを日常として受け入れているところがすごい。東大がアカハラの准教授だかを処分したと発表していたけど、「妊娠されたら困る」(辞められるから?)とかアカハラの内容まで公開していても名前は出ていないとか、甘いっ!と思うが、これぐらいでも懲戒処分なのに、血がつながっていなくても家族だとどんなセクハラも受容されてしまうのか。セクハラって受ける側の感じ方次第のような気がする。多香子さんは菩薩のようだ。不思議なのはさ、すでに本当の祖父、父、息子のように夫の肉親と接していても、当の夫とはあまりいちゃいちゃしてないよね、多香子さん。女ざかりのアラサーで中学生の子持ちの後妻に入るというのは、愛がなければ不可能な気がするのに、意外や借金のカタに身売りしてきたとか、この男家系になにか弱みでも握られているのだろうか(笑)。奥付に筆書体のデザイナーの名前まで載っていて、そんな書体どこに?と思ったら、例の「むちむち」のフォントだったよ。これ、京極さんの「どすこい」あたりでも使われていそうだし、装丁も祖父江さんチックだけど、祖父江さんではないのね。マンネリなお話なのに、いつも表紙周りの装丁に魅かれて買ってしまう一冊だ。
2010.01.15
コメント(0)

寒い日だったな~朝、息が白かった。日本海側は大荒れらしいので、そんなことくらいで文句を言ったら怒鳴られそうだけど。通勤が自転車だとダウンコートが欠かせないけど、日中、アポイントがあって出かける時は仕事用のコート(会社においてある)に着替えて出かける。ジャケットも2着会社に置きっぱなし。なんかだんだんズボラなサラリーマンのようになっていくな。で、今日は有楽町で打ち合わせしていたので、帰りにイトシアの地下にもぐったら、珍しくドーナツ屋に行列ができていない。4、5人くらいしか並んでいなかったので、ついでに並んで買ってみた。さすがに3年もたつと人気も下火になるのか、クリスピークリームドーナツ。残念ながら私自身はドーナツという食べ物があまり好きではないので(アメリカ人に殴られそうだ)、編集部へのお土産に買ったダズンセット。これでも日本人受けするように色は控えめなんだろう。しかし油で揚げてある上に砂糖のコーティングというデブの二重奏だな。チョイスはおまかせだったので、どれがどれやらわからず、とりあえず自分も一個食べようとしたら、中からダラリと溶けたチーズが飛び出した。うええ~油と砂糖と乳脂肪ですか。トリプルファット成分だな。おなじトリプルならフレンチトーストとかのほうがいいな。ドーナツで食べられるのは砂糖のかかっていないオールドファッションだけなのに、そういうシンプルなものはなかったよ・・・。そして私にはミスドとの違いがよくわからないのに、離席していた人のデスク(男子)にポンとひとつ置いておいたら、戻ってドーナツを見るなり「クリスピー?」と当てた。すごいなー。こういうのもジャンクフードだし、やはり若人はジャンク好きなのね。そういえば北欧だったか、ヨーロッパのいくつかの国ではジャンクフード税というものがあるらしい。そうだよな、嗜好品にはもっと高額の消費税をかけてもいいと私も思う(笑)。加工食品全体にかけてもいいと思う。そうしたら自炊率が上がって健康的な食事をする人が増えるのではないかな?
2010.01.14
コメント(0)
![]()
『月に笑う(上)(下)』木原音瀬毎度おなじみの木原節。今回は痛さは炸裂していなかったけど、これもいいお話だった。暮れに発行されていたオヤジもののほうが20ページ目くらいで止まったままなのに、こちらの上下巻は1段組のせいか、サクサク読めた。そして後半泣いた。あいかわらずお互い以外なにも必要としないカップルだった。系統としては水商売・ヤクザ系ということで「薔薇色の人生」と同系列かな。薔薇色は前科持ちの不細工デリヘル店長×警官で涙ダダもれだったが、今回も普通だったら何の接点もないようなヤクザの三下×学生というカップル。時間は学生が中学生の時に出会って、ずうっと金魚のフンしていて、やがて大学生になって、その後一旦会えない時期が数年あって再び会ったときには学生は立派な社会人になっている。おそらく10年以上経っている設定だ。気が長いというか息が長いというか、どうしていつもいつも木原さんの受(初期設定)は、他のことには目もくれず相手一筋でいられるのか。なんにもほしがらず、なんの打算もなく無防備な自分を晒せる相手との出会いは、むしろ同性同士だから継続するのかもしれないと思った。だって、あんまり他人が介入する余地がないものね。今回、当初一方がまだ中学生で、頭はいいのに苛められっ子というのが結構耐えられなかった。やはり木原さんの作品で、すんごい嫌われものになつかれる転校生の話があったけど、あれをちょっと思い出した。心にいや~な感情が広がる。でも、どんなに相手がバカでも社会的なはみ出し者でも、一度救ってもらった(命というより気持ちを)恩義を忘れないというか、初めてみた動く物体を親と認識する小鴨のようにインプリンティングされてしまうところがありえなくていい。これぞ木原さんの真骨頂。なんで好きな相手の前ではおばかになってしまうのか。そして、どうして木原さんはいうもこんなふうに心に飢餓感を抱えているだけでなく、本当に貧しくて愛情に飢えているような最底辺の人間を描くのがうまいのか。ヤクザ設定のBLは多いけれど、みなかっこよすぎるかコメディになっちゃっていて、いわばドリームの国の人たちなのに、木原さんのヤクザは同情したくなるほどかっこ悪い。なのに面白い。あ、それと今回、後半立場が逆転してもてあそばれてばかりいた学生が攻に転じる。考えたら本気で行くとこまで行くのは、形勢逆転してからだったんだな。時の流れを意識する瞬間。そして相変わらず命がけで、クライマックスでは学生のほうが本当に命かけちゃうところがすごい。相手が銃刀法違反で服役していても、連絡を取ることもせず、でも絶対また会えると信じている。その思い込みはどこから? 多分良太くんのせいね(笑)。今回、脇もいろんな意味で魅力的で、ヤクザだろうが頭悪かろうが人は恋をして結ばれて生活を営んでいくものなんだなあとか、人の多様性に思いを馳せてみたり。でも全体にちょっと設定古いかな。木原さんのはいつもそうだけど、季節感はあるのに時代感がない。ステロタイプな経済ヤクザ(組長の息子)と、そいつに飼われて違法取引しているデイトレーダーは、もうちょっとなんとかなりそうだったけど。あと、タイトルの意味もとても好きなエピソードだけど、意外や言及が少なくて物足りない。
2010.01.13
コメント(0)
![]()
『ダメなくらいが丁度いい』文月あつよあー許可証のイラストの人だ~。5年くらい前の単行本はたまに古書店でみかけるけど、新刊でストーリーマンガも出ている人なのね(失礼だな)。掲載誌の「GUSH」はまったく知らないからなあ。でも小説のイラストでもそう頻繁には見かけないし、本業じゃないのかとか思っちゃう。いかにもPC塗りなカラーの色使いは、ちょっちあんまりうまくない(笑)。精進してくれ。あまり頻繁に作品発表しない人なのかな~とか思って読んでみたら、がっつり子供が絡んでくる話だった。表紙で攻の背中になんで画板が乗ってんの? インク瓶まであるし・・・と思ってひっくり返すと、背中に子供が乗っていたよ。親のプライバシーのこととはいえ、小学生の子を持つ父親が、子供の担任とデキちゃう話は、いかなコメディといえちょっと自分には無理っぽいかな。全体はコメディで面白いんだけど。冒頭の2本(表題作ではないやつ)の、受と見せかけて実は魔性のド攻、というのがうざくて面白い。こういうのが腐男子力というものか? 絵は好みのタイプではあるけど、瞳孔がタテに長い猫目系なのがちょっとアニメっぽいなあ。許可証とはまた違う絵柄に見える。
2010.01.12
コメント(0)
![]()
月曜、やっと時間ができたので腐本の初買いに行った。そうしたら、毎年恒例になりつつある宙出版から出ている『このBLがやばい!』の企画棚ができていて、マンガ、小説それぞれのベスト10が並んでいた。この機に乗じて増刷した本もあろう。「このミス」を真似たこうした企画は、06年か07年の初年度に読んで、その内容の薄さに思わず本を投げ捨てそうになったので、本自体はもう買わないけど、こうして本屋に行けばいやがうえでも情報は目に入る。で、小説とマンガ、両ジャンルともベスト10にランクインされた作品をざっと見たら、マンガは2冊、小説は4冊読んでいなかった。まあ、自分はそんなに数をこなしていないし、マンガは雑食だけど小説はほぼ読む作家さんが決まっているから、半分も読んでいれば上出来だ。こういうのをブログといえど中身バラすのは仁義に反するので書かないけど、どうも小説はシリーズものが2冊入っていたりと組織票が多いっぽいし、こういうアンケートと実売数と巷の人気とは得てして合致しないものだからなあ。読者カードを送ったりするのは、どんなジャンルでも「若くて熱いファン」と相場が決まっている。ところで宙出版はBLからは撤退したんじゃなかったのかな? 雑誌は休刊にしたよね。この本だけは採算が取れるというわけかな。そしてこの本のキャラクターにもなっている「となりの801ちゃん」は、自分的にはその面白さにさっぱり共感できない。やはりBL自体が中高生向き(ただしえろあり)なんだろうかと己のシュミの幼さ(というか腐れ具合)を嘆いてみたり。まあ今さらだけど。 さて書店で目立ったのが擬人化コミックス。昨今の擬人化ブームがついに商業をも席巻しつつある。その本屋では非BLのコーナーの棚に表紙を見せて数種類並んでいた。3年くらい前からサイトは覗いていた「ヘタリア」がブームの端緒であることは明らかだが、鉄道とか地下鉄(大江戸線)とかBLの世界にもカレンダー(祝日)とか都道府県とか、さまざま出ていて驚いた。同人誌の世界ではとっくの昔にさまざまな擬人化萌えがあって、笑ったのは調味料擬人化だった(笑)。商業では夏水さんが単行本のおまけ書下ろしでブルボンのお菓子擬人化をやっているよね。あれは好き。脆くて壊れやすいアマンド兄さんとかね(笑)。でもこういうお遊びは、ハマッてしまえたら面白いけど、考えるほうも読むほうも妄想する時間がたっぷりないと難しいな。それに歴史や故事由来を問われるものは突っ込みたくなる性分だから、ストーリーのない擬人化萌えはできないかも。あ、今ふと思ったんだけど、擬人化ってBLだと要するにいろんなタイプの男子がモブで登場するというわけで、言ってみりゃギャルゲー、女子向けゲームのアンジェリークと同じ趣向かもしれない。いい男に囲まれて、その中から自分の好みを選ンでも選ばなくても天国という逆ハーレム状態。でもそれがなんで無機物なのかがわからない。
2010.01.11
コメント(0)

あああ~3日も更新サボると、このままサボり続けたくなる。しかも3連休の土日は久しぶりに小商いの原稿書きをしていて、目が疲れている。そんなときにはめぐりズム(笑)。もうこれの気持ちよさにはまって、でもなかなか近所のドラッグストアで安売りしていないので、ネットで大人買い(グロス単位)しようか思案中。で、ネタもないので年末に一人で小料理屋で食べたあん肝と突き出しと牡蠣釜飯。もう一人でビール注文して、2、3品おつまみ頼んでフィニッシュにご飯(さすがに釜飯は量が多すぎたけど)を頼むのも全然平気になっちゃったな。あと制覇すべきはおひとりさま高級旅館ぐらいか。 正確には牡蠣釜飯とセットになっているちまちまおかずとあん肝。あん肝はフォアグラより好きだが、最近、コレステロールの塊に思えてきたよ。牡蠣ご飯も好物。半量は最初から炊き込んであって、残りは蒸らしの時点で乗っけてある。
2010.01.10
コメント(0)
![]()
『月館の殺人(上)(下)』作画:佐々木倫子/原作:綾辻行人年末に、物置にしている部屋に積み重ねた荷物の一番下から、リサイクルに出す掛布団を引っ張り出そうとした。ところが屈んで引っ張っていたら腰にきそうだったので断念した。これはまた、誰かに来てもらわねば、家の中の始末もつけられないよ。とか思ってふと見ると、本屋のビニールに入った物体が。なにやら大判で分厚い。誰かに貸してた本かな? と思って中をみたら、この本が入っていた。どうりで。佐々木さんの単行本を読み逃すわけはないのに、絶対買ったはずなのに、全然内容が思い出せないはずだよ。買ったまま5年近くも放置されていたなんて。どうやら、買ったまま納戸に入って他の用事をするうちに本の存在を忘れ、そのままその上にどんどん荷物が置かれて忘れていたらしい。というわけで、祖父江慎さんならではの凝った装丁の、マンガにしては豪華な上下巻のミステリを、発行から丸4年以上たって初めて読んだ。綾辻さんのミステリって男子好みの本格ミステリだから苦手なんだよなーと、「メフィスト」を毎号読んでいたころを思い出したが、このお話は原作なしのマンガ用書き下ろしなのかな?ミステリは大好きだけど、本格ミステリは苦手。犯人を先に知っておきたいほうなので、種明かしだけに大枚使うお話は読むのに骨が折れるんだ。でもこの作品は読み終わってみれば、普通のミステリだったが、てっちゃん(鉄道オタク)にはたまらんかも。自分の周囲にも、気がつくとてっちゃんは何人かいて、この作品にも出てくる撮りテツと時刻表テツは筋金入りのがいる。不定性のものをコレクションするという心理はあまりよくわからないんだけど(だって、いつまでたっても完結しないじゃない?)、誰よりも知っていたい(そしてそれを自慢したい)という気持ちはなんとなくわかる。そしてこの作品のストーリーを仕掛けた鉄道王みたいな究極のテツヲタも、きっと現実にいそう。でもさ、このお話の枠組みは、70年代のハリウッド映画「名探偵登場」そのものだよね。なんでこんな古い映画を覚えているかというと、トルーマン・カポーティーが主人公を演じていたからだ。そして子供だった自分は本気で、カポーティーの本職は俳優だと思っていた(笑)。ストーリーは1巻の終わりで、そのミラクル設定で脅かしておいて、2巻でさらなる謎解きで、鉄道初乗りのヒロインが、仮定の積み重ねで解決してみせる。ちょっとわくわくしたけど、少年漫画での連載だけに、ヒロインがまだ高校生(だか卒業したてだか)だったのが弱いよね。他は有職者ばかりだし、仕掛け人は老人だし、とにかくヒロイン以外全員男性(お屋敷に中年のメイドが一人いたけど)という密室状態でお話が進むのに、えろくならないのは不満だ(笑)。そして、祖父江さ~ん、作者あとがき、発見するのに時間がかかったよ~(泣)。こういうお遊びはどこかで一言断って種明かしをしてほしいものだ。それにしても、この佐々木さんの絵に力がないのが気になった。特にヒロインの目が死んでいる。あまりに忠実に写真からトレースしすぎると、人物に魂込めるの忘れるのかな。残念ながら、佐々木さん、私にはどんどんつまらなくなってる。「ヘブン?」までは好きだったけどなあ。
2010.01.09
コメント(0)
『日経W○MAN online』(伏字になってない!)を眺めていたら、「ホモソーシャル」の文字が目に飛び込んできて、誤解もあって過剰反応した(笑)。記事は「働く女子の恋愛社会学」というゆるめのエッセイなんだが、「男子たちの先輩・後輩関係」というテーマで、職場や合コンの場で仲のよすぎる男子同士の連帯関係は、「学術的には“ホモソーシャル”とも言われ、いわゆる“体育会系”にありがちな文化」らしい。「学生時代に“本物”の体育会に所属していなくても、日本の男子たちは小さいころから部活文化、先輩・後輩文化にもまれて育ってきています。そして、ザ・部活とも言うべき会社組織の中で、その傾向はさらに強固なものとなっていきます。」体育会系に縁のない自分は、そんなもんか?とも思ったけど、考えてみれば女子にも「おねえさま」的な百合文化が大昔からあって、私が子供の頃も、中学ぐらいまで「一緒にトイレ」に行っちゃう女子は多かった。そして母親の女学生時代の寄宿舎生活の交換日記はまるきり「おねえさま」「かわいい妹!」が接頭語にある「百合」だった(ああ読んだとも。だって形見でもあるし)。だからそれが男子同士だって別段珍しくはないんだが、気がつくと今の職場に、やたらいちゃいちゃとなつく営業部のボスがいる。高圧的なくせに、なにかとつまんない雑談で部下に絡んで、返事をしないと「シカトかよ」とがっかりする。お昼もやたらと一緒にいきたがる。別にそっちの道の人では全然なくて、ツマも子もある今時の30代なんだが、やたら声がでかくて、細マッチョイケメンの体育会系。ブースで区切られているとはいえ、隣の島なのでうるさくてかなわない。お願いだからブランド物のスーツのジャケットやコートの内側のタグをわざわざ見えるようにハンガーにかけるのは、はずかしいからやめてくれ!記事によると、 「男性たちが自ら進んでその関係に身を置きたがるのは、オスとしての本能があると思われます。放っておくとすぐ「どちらが優れているか」を張り合う傾向のある彼らは、平等な関係で扱われるとつい頑張りすぎて疲れてしまうのです。敬語関係という(表面的には)明確な序列に組み込まれているほうが、ストレスなくゆったりと各自の役割を果たし、自分のキャラを発揮できるというわけです。 男性陣が同列関係(大学の同期や会社の同期)の合コンと比べると、その違いがよく分かります。“同期合コン”では、常に「どっちがモテるんだ?」という水面下の小競り合いがおこなれ、表面的には仲がよさそうでも、殺伐とした空気が流れがちです。もちろん、そういう“本気合コン”を好む女性もいるかもしれませんが、少なくとも、“先輩・後輩合コン”に流れるどこかまったりした「お食事会」的な空気は損なわれます。」ふーん。でも同性同士、一目をはばからずいちゃいちゃするのって、体育会系とか関係なく女子は全然平気だよねえ。男子って同学年・同僚同士だと牽制しあうくせに、どうして先輩・後輩だととたんにホモソーシャルになるのか不思議だったんだ。日本男子には「タテ社会・体育会系イチャイチャ」の本能がDNAにすり込まれている、というのが結論だったが、んじゃあイマドキの草食系はどうなるんだ? 彼らは滅多なことでは心を開かないし、誰ともイチャイチャなんてしないぞ。そして私はなぜかそういう年下草食系に異様に懐かれる(笑)。
2010.01.08
コメント(2)

今日はセミナー取材で渋谷に行ったので、1年ぶりにシェフズヴイでランチ。ここにくると、とにかく旬の野菜がたくさん食べられるのがいい。あまりに久しぶりなので、ちょっと張り込んで9種の前菜プレートがつく贅沢ランチにした。このランチは2年ぶりくらいかも。構成は、9種の前菜、スープ、パン、メインディッシュ、デザート、ドリンクのフルコース。これで1800円はかなりリーズナブル。これこれ、八寸スペシャルみたいな前菜たち。今日は豚肉のリエット、レンコンのフリット・バルサミコソース、下仁田葱のスチーム+生ハム、カリフラワーのフリット、大根のマリネ、ラタトゥイユのグリッシーニ添え、プチオニオンのコンソメ蒸し、ビーツケーキ、ブラウンマッシュルームのマリネの9種。ブラボー、芋がない! 缶詰でないビーツは久しぶり。下仁田葱がトロトロで甘い。ポアロネギのコンソメ煮の和野菜バージョンだな。リエットも一口程度なら大好き。そして、ここのシェフはフリットがうまい。カリフラワーなんてふわふわで夢のようにおいしい。もっと食べたい(笑)。自家製のパンは今日はドライパセリ入りの全粒粉ドイツパン。リエットを塗って食べる。スープは以前もおいしかったカリフラワーのスープ。これを家で作ろうと思っているのに、カリフラワーが高くて腰がひける(笑)。それでついつい蕪で代用してしまうわ。 メインは魚をチョイス。今日は鯛のグリエにハマグリと魚介のソース。そしてたっぷりの野菜たち。一人なので、人目をはばかることなく野菜を前面に出してみると、このとおり。香りづけのディルとイタリアンパセリを除いても10種類。にんじんは2種、カリフラワーも2種、ブロッコリー、ベルギーピーマン、芽キャベツ、紅芯大根、甘いさつまいものオレンジ煮、スナップえんどう、青梗菜、食べたことはあるけど名称不明の葉野菜。あら12種類だわ。もう大満足!もちろん鯛も皮がパリッと焦げ目がついていて中はしっとりでおいしいけど、どうみたって主役は野菜だ。そしてこの1食で2日分の野菜を食べた気分(いや、栄養素の食いだめはできないけどさ)。たっぷり時間かけて食べていたらセミナーに遅れそうになって焦る。デザートはプリンとブラマンジェのハーフみたいなのに、大根の葉っぱからとったソースがかかっている、茶碗蒸しのようなスイーツ。いつもはハーブティーを頼むんだけど、本日のハーブティーがローズヒップだったので、この食事のあとに飲むには合わないと思い紅茶にしたら、ものの見事にリプトンの青缶の味だった(笑)。子供の頃飲んでいた紅茶の味で、なんつうか郷愁を誘う渋さだ。シェフズヴイ、丸ビルにも入っていたけど、渋谷店とは全然メニューが違う。渋谷店のほうが断然好きだ。イケメンスタッフが多いのもポイント高いわ(爆)。そして、この店はモスバーガーが出資していることを知っている人は少ない。
2010.01.07
コメント(0)
![]()
『上海』かわい有美子名作との誉れ高いかわいさんの「上海」が、大好きな竹美家ららさんの挿絵で文庫化されたと知って、さっそく読んだ。新書版のほうは時折古書店で見かけたけど、挿絵が本仁戻さんだったか、その系統のくっきりした主線のイラストで、どうもイメージじゃなかった。今回は、玄上八絹さんの挿絵で初めて認識して、雰囲気のある絵が好みだったので古いマンガまで集めた竹美家さんだったの読む気になったけど、最近になって玄上さん以外の人の挿絵もやっているようだったので、うれしかった。で、『上海』は年末に読み始めて、30ページぐらいのところでバッグに入れっぱなしで年を越してしまったので、あしかけ2年かかったことになる(笑)。いまどきのBLに比べると、いらいらするほど丁寧な描写や動きの少ないじれったいラブなんだけど、時代も設定も登場人物の行動も、めっちゃ好みだった。自分はやっぱりこういう、ちょっと古いタイプのつつましやかなラブが好きなんだな。上海租界は、マンガでは昔、森川久美さんが描いていたし、BLでも水原とほるさんや和泉桂さんが舞台にしている。映画でもたびたび登場していて、「上海の伯爵夫人」はマーチャント=アイヴォリー=カズオ・イシグロのトリオにしては駄作だったが、設定はむちゃくちゃ好きだった。かわいさんも観ているだろうとは思うけど、映画よりこの小説のほうがずっと先に書かれているし、歴史的な背景をかなり調べて書いているのがわかる。上海租界に暮らす裕福な英国人伯爵家(絹織物の輸出とかのビジネスもしている)の嫡男と、親に捨てられた名もなき中国人の子供の運命の出会い。上に立つ者として生まれついた人間特有の大らかさと寛容さで中国人の召使をそばに置く主人がクセがなくて、ほんとうにいいやつだった。普通のBLなら、こんな「いい人」に魅力は感じないんだが、これだけ立場が異なる二人だと、上位者がいい人でないと接点が生まれない。そしてまた、受けるほうも、幼い頃一緒に遊んだ、そしてかばってくれた将来の自分の主への思慕を心に秘めつつ仕える。なんとストイックな愛。このまま何も起きなくても、十分面白いと思えたのは、ひとえにかわいさんの筆力の成せる業だろう。出てくる人間がみんな魅力的。攻の両親や、執事のウォレスや料理長の王まで。親の一存で婚約を破棄させられたアメリカの成金令嬢が、嫌っていた中国人のエドワードに声をかけるシーンでまず泣けた。こういう、時としてプライドも立場も超えてしまう人の思いというものを、ナチュラルに書ける作家さんは好きだ。後半、戦渦が激しくなって二人が離ればなれになってからは、先の予測がつくだけに泣かずにはいられない感じだった。ハンカチ準備オッケー、てな感じだったな。ラストまでがちょっとあわただしかったけど、すれ違いのまま6年がたち、受は大切な指輪を主人に届けるために命がけの旅をしてイギリスにたどり着く。なにやらディ○ニーの「三匹荒野を行く」みたいに思えたのは、人がまだ平等でなかった時代の話だったから、どうしても受がアクセサリーとかペットのように思えてしまうからなんだな。いい話だったよ。こんな人のいい中国人にはお目にかかったことがないし、こんな素敵な性格の伯爵ばかりだと英国の上流階級はあっという間に死に絶えてしまうがな(笑)。あーそうだな、「上海の伯爵夫人」の映画のセットをそのまま使って、この小説を映画化したいとぼんやり思う。無論、エドワード(受の中国人)は若い頃のジョン・ローンでお願いしたい。
2010.01.06
コメント(0)
![]()
『家賃半分の居場所です。』麻生海BLの挿絵は好みだったけど、マンガはどんなもんだろうと、去年の秋ごろ、初めて麻生さんのマンガを読んで、結構淡白な主人公だなーと思ったんだが、さらに半年前に出ていたこの単行本を読んでみて、より一層はっきりした。麻生さんの描く登場人物はみんな高井戸マンガのごとき低体温系で表情にでないタイプばかりなんだ。そしてもひとつ、絵は好みだし、ときおり色っぽい造形の男子を描くんだが、この作家さん、マンガのスキルは高くないんじゃないかと思う。この本、連作の2本と短編一本で、計3本の全然別のお話が収録されているんだけど、どいつもこいつも性格と顔の見分けがつかない(笑)。同じ顔で同じ性格で違う名前だったり、同じ顔・同じ名前で別人性格だったり。「えっ? これ前の話と同じ人だよね?」とか、「なんでいきなり性格変わるの?」と思いつつ読んで、かなり混乱した。そうそう、舞台装置が「同居」メインで、そこからエピソードを引き出す手口も全部同じだった。引き出しが狭いのか、そういうオーダーで描いたのかは謎。で、共通性格が無口無表情な攻め、浮気性の年上・家主が登場するっぽいところ。お話も設定も違うのに、ぜんぶ同じ役者が演じているように見えてしまうのは、マンガ描きとしてのスキル不足なのかな。ちょっと残念。受がみんな、好きだけど浮気性の攻から逃げてくる、みたいな設定で、同居していながら下半身のモラルのない設定は結構自分的には地雷だったことに気づいた。でも、麻生さんくらいの画力の人は、実はBL漫画家さんにはワンサといて、この本の表紙は上手になった夏水りつさんのようでもある(笑)。そして、2006年ころの作品の絵柄は九州男児さんが丁寧に描いたような絵だった(失礼!)。そういえば、「Wings」の最新号を読んでいたら、夏目イサクさんが巻頭カラーを描いていたんだけど、その男子の造形が日高ショーコさんとそっくり。アウトラインとか全体の顔の雰囲気が。目をパッチリさせてちょっと雑にすると夏目さんになることに気がついた。テイストは全然違うのに、不思議。
2010.01.05
コメント(0)

今日は仕事初めの日だけど、年末年始は3日まで予定があって、家でゆっくり体を休める日がなかったので、代休をもらっていた。昨日の渋滞疲れがまだ残っていて、久々に爆睡すること8時間。のろのろ起き出して、不精して寝巻きにガウンを羽織ったままコーヒーを入れようとしたら、右腕は捲って濡らさないよう気をつけていたのに、左腕の袖に蛇口から盛大に水が入る。冷たっ! やれやれ。コーヒーをリビングのローテーブルにおいてソファに座ったら、ちょうどテーブルの上に陽が差してきて明るくなったとたんに猫が乗ってどっかり横になってマグカップを蹴りやがった。落下は免れたもののコーヒーがこぼれてラグの上に落ちる。バカ猫ーっ! 自身もなにやら熱かったらしく、しきりに後ろ足を舐めている。自業自得じゃ。この愚猫めっ!休日の間、一人でなかったのでBL読書はできず、岩波・中公・講談社新書を読んで無聊を慰めていたため、そろそろフィクションに浸りたいと、午前中から小説を読む決意をしていたのに、年末に美容院に行きそびれたことを思い出し、今日しか時間がないしなあと思って電話したら休みだった……。とほほ。あああ正月早々何をやってもうまくいかない。おみくじは吉だったのになあ。とか考えてるうちに夕方になったので、飲み残しのサンテミリオンと黒豆と、生ハム+りんごでポリフェノール三連発(笑)。今日の食事はこれで終わり。さて、明日からまた日常が戻ってくる。今年もワクワクするような本に出合えますように。
2010.01.04
コメント(0)

つつつ疲れたあああ~~!浅はかなことに、帰路の渋滞のことをまったく考慮に入れていなかった。宿で昼食まで出していただいてのんびりしている場合ではなかったよ。ここ数年、お正月は房総方面へドライブしていたので、行き場のない高速の渋滞は久しぶりで焦った。本当は、今日は芦ノ湖で海賊船に乗って某海洋ファンタジー(but BL)でも妄想しようと時間まで調べてもらったのに、すでに昼過ぎから大渋滞が始まっていた。芦ノ湖の海賊船はまるきりディ○ニー風味のデコラティブなシロモノだが、就航時には取材に来た記憶がある。ほぼ一昔前くらいだが。当時は西武が仕切っていたと記憶しているが、今は違うのね。あ、それともホテルは西武だが観光船は系列会社なんだろうか。まあ、船には昨日も乗ったし、海のうまいもんも山のうまいもんも、手をかけた和食も、好みのワインも朝のおいしいコーヒーも(豆まで指定した)、全部好みのものを出してもらえて大満足。おもてなしはこうでなくてはねって、今回は自分で払ってないからこそできた贅沢でした。ちゃんちゃん。明るいうちに東京に戻って来たかったが、全然無理だった。ノロノロ渋滞が一番疲れる。助手席で寝られると腹立つ(笑)。あ、そうか! レンタカーなんだから最寄の営業所で乗り捨てて小田急で帰ってくればよかったんだと気づいたときはも高速に乗っていた。馬鹿馬鹿馬鹿~~! 次回はこんなヘマはしないぞ(って次回があればだけどな)。お宿は指定文化財扱いで、お料理の写真も遠慮してほしいと言われてしまった。うーん残念。京風ではないけど、十分うす味の焚き物と、相模湾で獲れた鯛ごはんが絶品だった。黄身酢でいただくまぐろのぬたとか、お酒のアテも生ものなのに赤ワインにも合う。不思議。車中では暮れにNHK教育で放映したクラシックハイライトの音だけ聴きながら渋滞に飲み込まれていたが、ランランの弾く、ピアノ線切れそうなバルトークに「やっぱりランランすごいかも」とか、中村紘子がデビュー50周年リサイタルとかで弾くシューベルトを、同乗者が「この人は昔からいるが、うまくならないね」とか核心を突いたり、言いたい放題。で、シャイーの巨人すごくて、ゲヴァントハウスは行っとけば良かったと後悔した。ここ数年、ずっとショパンばかり弾いているので、もはやそんじょそこらのロマンティシズムではビクともしないが、煮詰まりきって蒸発寸前(というか焦げ付く寸前)のカルメラみたいなロマンティシズムだよな、世紀末ウィーンの音楽って。女性奏者の多いオーケストラは信用ならないが(迫力不足という浅はかな素人判断)、座付き楽団はどうしても女性の比率が多くなりがちで、スカラ座もゲヴァントハウスもそうだった。でも結局、一流のオケ団員は指揮者次第なんだな。うーん久々に生で上等のマーラーが聴きたくなった。1番か4~6番。今年は、去年ドタキャンされたポゴレリッチがやっと来るらしいし、もっとコンサートに行こう。画像ないので年末のふだんのごはん絵。ネパール料理屋でのランチと、九段会館のカツサンド。 ネパールもインドも自分には違いがよくわからない・・・。カツサンドは10年ぶりくらいに食べたけど、甘くてダメだった。
2010.01.03
コメント(0)

年末年始は1日まで東京にいて、いつも年末に帰国する海外在住の友人と遊んで、2日からレンタカーで箱根の温泉泊。もうさ、人数少ないのにおせちだのお雑煮だの用意するのも疲れるので、今年はやめた。念願かなって、一般には非公開のお宿がとれたので、そちらで1日遅れの創作おせちを用意していただくことにした。連れを東京駅でピックアップするために、早朝の丸の内あたりを車で流していたら、駅伝の団体と、皇居の新年参賀の団体が大挙終結していた。そして皇居のお客さんたちの多くが黒字に白抜きの文字で愛国心を訴える車に乗って軍歌を流している方々だと知る(笑)。すんごい数の○翼の方々のアジカーがいて驚いた。すんごい晴天で富士山くっきり。お宿は箱根だけど、久々にターンパイクをブイブイいわせたかったので「峠走ってもいい?」と連れに聞いたら、「海がいい」というのと、どうせオートマ車で峠を走ってもつまらないとの判断から、海へ向かうことにする。途中、ランチ休憩で風祭の鈴廣のあたりを通ったら、こちらも駅伝関係者でいっぱい。かまぼこ博物館にかまぼこ板アートなるものが展示されていて、村上隆のかまぼこ板絵まであった。以前はこんなのなかったぞお。かまぼこ板も進化するんだな。そして、おそるべし鈴廣の財力! 信心深い連れがどこかに詣でたいと申告するので三嶋大社で初詣。参詣待ちで20分ほど並ぶ。海といったら船でしょうと、三津で観光船に乗ってかもめと戯れる。でもあいつら結構凶暴。ここまで来るなら、お昼は沼津でお寿司にすればよかったと後悔。 246走っていると、三茶あたりからもくっきり見えた富士山だけど、これは小田原近く。観光バスの後をついていったら、吊るし雛が見られた(笑)。カラフルな縮緬でちまちまつくる金魚や猿ぼぼみたいな赤ん坊とか、かわいい。 かもめたちを撮ったつもりだったがよくわかんないわ。 こっちは船の上からの富士山。駿河湾からの眺め。7時に宿着。一見客は採らず、私も代々使っているという友人に連れて行ってもらって気に入った箱根某所の宿は、最初に行ったときには梨園の一家が別棟に泊まっていた。豪華さとは無縁なシンプルな、でも最上級のおもてなしをするところ。部屋のしつらいも女将の所作もお庭もすごく上質。紹介したくてうずうずしているが、暗黙の約束事があるからダメなんだよね。お料理だけは予約すれば別の棟で食べられるみたいだが。あーでも大正期の建物だけに、部屋に無線LANはない(笑)。モバイルPC持ってきてよかったよ。
2010.01.02
コメント(0)
![]()
『花は咲くか(1)』日高ショーコ久しぶりの日高さん。おおう今回は広告業界ですか。なんと身につまされるワーカホリック中年!今やこの業種は憧れでもなんでもなくなった、凋落していくばかりの業界だが、とりあえず映像はまだ最先端なので、そういうフロントな世界と、古民家みたいなお屋敷に住むなぞの大学生という新旧の対比が面白い。オリエン出席者の人数バランスの悪さなんてリアルすぎて吹いた。もう、人数多いだけで負けてるよね(笑)。今回、主役二人のやりとりが、出会い頭からしてつんけんしていて「双方ツンデレかよ!」と思ったら、そのうちどっちもヤンデレなことがわかって、しかも性格真っ向違う男子があと2人と、曰くありげな50代くらいのオヤジまでからんできて、すでに1巻目にして次の展開が待ち遠しい。あの二人のつっけんどんな会話は、どっちが不愉快と感じるかで世代がわかるような気がする。去年出た日高さんの本の、もう一冊の続き物は大正ロマンっぽいけど、こっちもあの広いお屋敷とかは焼けちゃった大磯の吉田茂邸とか、「百鬼夜行抄」の律が暮らす家とか(たしか明治村にある誰かの邸宅を模していたはず)を彷彿とさせて、なかなかよい感じ。でもあの超和風な家で、いまどきの若者がどう暮らしているのか、詳細が全然見えなくて残念。名前だけ出てきて、登場しない人物とかもいるし、早く続き出ろ! つーか、2006年から描いていてまだ1巻って…。待たされ過ぎると忘れちゃうよ~!
2010.01.01
コメント(0)
全32件 (32件中 1-32件目)
1