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『Spring has come!』月村奎月村さんの本は、もうどれが未読か既読か、わからなくなってきた。そして最初の頃はピュアピュアしてちゃんと成長していく青少年たちが新鮮で、どれも好みだったけど、次第にどれも同じように思えてきた。この人は、毎回井カラーの異なるエンタテイメントを追及するというよりは、自分の中にある確固たるものを永遠に書き続けたいタイプなんだろうな。で、この本は2001年発行だけど、なんと、つい数日前に読んだ『ビター・スイート・レシピ』と構造が激似だった。ラストの落とし方以外はほぼ同じといってもいいかも。ちょっとヒネた学生の受と、オチャラケた感じの年上の攻というカップル。性格も「ビター~」の二人と似通っているし、ゆえに攻のアプローチも、受の勘違いの設定も同じ。途中で攻のモトカレが出てきて、そこで初めて受が嫉妬して自分の気持ちを確認する、というプロットまで同じ。おいおい。でも、割と最近の作品である「ビター~」よりは、こちらの作品のほうがまだ月村さんっぽいな。朝チュンだし、攻を意識し始めてからの受クンの心の変化が丁寧に描かれている。ローカルな地方都市というのも月村さんらしい。高崎っぽいから、東松山インターとか利根川超えとか、伊香保とか佐野とか、ドライブのルートが手に取るようにわかって面白かった。蕎麦屋は赤城のふもとにもおいしいところがあるぞ(笑)。えーっと、受くんは苦労症の高校生で、母親代わりも努める長男。「なんで僕だけ」と不平不満を募らせながらも、全部自分でやらないと気がすまない。なにかというと皮肉っぽくつっかかるくせに、そのくせ言いたいことはちゃんと言わない。なんかすんごくヤな性格だなと思ったのは、たぶん自分の性格と似ているからだ(笑)。でもヒネた考え方をする自分を常に反省もしているけど、若さゆえに(笑)制御が利かない。攻は5歳年上で、昔は優等生だったのに男に告白して振られたショックから自殺未遂を図った過去があり、以来一転してエリートコースからドロップアウトして、地方都市の商店街でけなげに惣菜屋をやっている。「ビター~」は独立パティシェリだったし、日常に身近な職人を攻に設定するのが好きなんだな、月村さん。しかも食べ物関係。これは好みだ。でもやっぱり気になる「ビター~」との酷似。なにより年下の受へのアプローチが、子ども扱いというか、なだめすかすようにだましだまししながら落とす手法がそっくりだった。そのくせ、チャラけた言動ばかりが記憶に残って、なかなか本心を言わないところが信用ならない(笑)。自分の苦手なタイプだというのもあるけど、こういうアプローチで落ちるのは、相手がまだ未熟だからこそだよね。あああなんだか欲求不満だ。ここのところ小説で自分にフィットするものに出会えていない。そろそろストックしてある水原さんの過去作品にでも手を出すか。イラストは小説では初めて目にする人。新書館関係でよく目にする名前の人だけど、なんか下手だよ。好みに合わないというのもあるけど、10年近く前だと、こういう造形も受け入れられたのか。顔も身体も横幅が広い感じは苦手。目も生きてないし、あれれこの人こんなに下手だっけ?とちょっとびっくり。
2010.03.31
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青山のおしゃれなプチホテルで某省の会議を傍聴した帰りに食べた、ティーヌン青山店(表参道店?)のランチ。ここはスープとサラダ、タイカレーともう一品がセルフバイキングで好きなだけ食べられるのがいい。他のティーヌンでは見たことないから、青山仕様なのかも。今日は鶏肉とココナッツのバジル炒め定食をメインに、4種類全部いただく。はああ~タイ料理久しぶり。この辛くて甘くてしょっぱくて酸っぱい味はたまに猛烈に食べたくなる。ところで会議の会場は、青山のプラダとカルティエの間の反対側の路地を入っていくところにあって、こんな場所でくたびれたスーツ姿のおっさんたちが煮しめのようにぎっしり集まってくそまじめな会議をする、という構図に萌えた(笑)。だって会場なんて、披露宴以外には使えないだろっていう恥ずかしい装飾のはる宴会場だったんだ。もう一生の語り草。思わずニュース原稿につける写真の選択に力が入ってしまったよ。おおお~カルティエは紀伊国屋の入っているビルとおなじ、「オーバーハング」なんだな。(教えてもらったので早速使ってみる)となりのプラダもヘンな構造の名物ビルだが、競っているな。ブランド路面店は中で売っているものより、金のかかったその外観が面白いよな。 ちゃっかり青山アンデルセンでパンもパンも買ってきた。その日の夕食用。ダークチェリーデニッシュのミニサイズとオールドファッション。うまし。
2010.03.30
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『モーレツ!イタリア家族』『それではさっそくBuonapetito!』ヤマザキマリ「テルマエ・ロマエ」を読んで、あ、この人タダもんじゃないとビビッときたので、早速既刊を買って読む。きっと私のようなのが全国に数万人はいる(笑)。「テルマエ~」がデビュー作であるはずはなく、21世紀以降、少女~おねえさんマンガ雑誌(「Feel」とか「Kiss」とか)で描いてきた人だった。3巻完結のオリジナルストーリーは欠巻があったが、エッセイマンガが2冊手に入った。なにしろローマ風呂人気で、今後過去作品が発掘されるのは間違いないな。その証拠に2006年初版の「モーレツ!」は今回急遽重版したらしく、講談社にもかかわらず「テルマエ以外のヤマザキマリ」と惹句の入った帯がくっついていた。憎き角川系(エンターブレイン)に塩を送るとはあっぱれな。イタリア家族ものと食べ物ネタ。おおお~どちらも大好物!もともと異文化遭遇ものとか、比較文化論が大好きなので、亭主が外国人だったり外国暮らしだと、それだけで仕事のネタがあっていいよねえとか思っちゃう。エッセイはそれこそ中学くらいから、伊丹十三さんやら木村治美さんあたりをむさぼり読み、その後、国際結婚した人たちが続々とエッセイを書くようになった。マンガでも流水凛子さんのインドものとか、高橋由佳利さんのトルコものとか、欧米以外のものがあったりして、面白かった。旅するだけではわからない、現地の人の死生観とか日常習慣には興味がある。それでわかったことは、ヨーロッパの場合、アングロサクソン系は笑えない話が多いから文章で読んだほうが面白くて、ラテン系は笑えるネタが多いのでマンガで読んだほうが面白いってことだ。あと中東とかロシアとか東南アジアとか、日本と文化風習が違いすぎる国もマンガで読んだほうがいろいろと解る。イギリスで暮らしている人のエッセイは、それこそ貴族階級の男性と結婚した人から、象牙の塔で勉強した人のくそまじめに分析・批判したものまで山のようにあるし(元祖は夏目漱石だしな)、イタリアだってF1の記者をやっていた日本人女性がイタリア人と結婚してユニークなエッセイを書いていた。もう20年くらい前だけど。ヤマザキマリさんの『テルマエ・ロマエ』を読んだとき、ああこのこだわりは米原万里さんを彷彿とさせると思っていて、きっと10代で海外生活の経験ありだなと踏んだのだが、ビンゴだった。「モーレツ!~」のほうは、そんな彼女が嫁いだイタリアの大家族の日常を描いたもので、「それでは~」は、イタリア料理のレシピ付き食べ物本。「テルマエ・ロマエ」とは絵に格差がありすぎるんだが、基本的にエッセイマンガはデフォルメ+ギャグ路線なんだろう。そしてなぜか、このギャグ絵が羽海野チカさんのギャグ絵とよおく似ている。二人は知り合いなのかな?断然前者のほうが面白く、イタリア人に対する漠然とした思い込みの大半が当たっていたり(マザコン、女たらし、女はフェロモンが命)、ヤマザキさんのご主人が、まるきり須賀敦子さんのご主人のような学究肌で「暗くておとなしい」イタリア人で、やっぱり北イタリアは全然別だなと思った。そうそう、ご主人はルシウスなんだな。やっとわかった。そもそもヤマザキさんが渡欧するきっかけは、中2のときに「チケット余ったから行ってきなさい」と母から無理やり送り出されたようで、中学生の娘(ヤマザキさん)をなんの不安もなく一人でヨーロッパへ送り出すような家はどんなとこだと思ったら、やはり音楽家の家だった。多分現地に知り合いが多いんだろうな。子どもの自分に西洋音楽を叩き込まれると、とりあえずイタリア語はすごく親しみやすい言葉なので、上達も早いと思う。そして私もホンの少しはその恩恵にあずかっているが、音感がいい人は当たり前に耳がいい。だから言葉の違う国にいっても、割と日常会話はすぐに話せるようになるんだよね。私も中学くらいからリートやオペラに親しんでいたので、ドイツ語もイタリア語も抵抗なく受け入れられるし、習ってなくてもなんとなく単語の端々で言ってることが解ったりする。鬼門はフランス語だ。しかしラテンの国で生きる生真面目恥ずかしがりやなご主人のベッピーノ氏(イタリアではイギリス人に間違われるという)は私の理想の男性だなあ。発明家みたいなこれまた真性理系研究者肌のお舅さんとか、90歳を過ぎて「このロベルト・カバッリの新作は私に似合いそう」とか言っているセレブなおばあちゃま(大姑その1)とか、出てくる家族がみんなわんだほー!特に姑ご一行が日本旅行にやってくる回は、一こまごとに大爆笑してしまって、なかなか先にすすまなかった。すごいよイタリアン! でも旅先でのハイテンションは、割となるよね? 私も最初の頃は1週間寝なくても平気なくらい元気で遊びまわっていた。帰国後1週間ぐらい社会復帰できないんだけどね。そしてがんばれベッピーノ氏! 彼は日本で暮らしたほうが幸せになれる気がする。100ヘクタールくらいある敷地でニワトリやアヒルや犬猫たちと暮らし、常にお客がごはんを食べにきて十人以上の食事はザラ、50万はかかっていそうな日本全国を回る観光旅行に大挙しておしかけるとか、基本、かなり恵まれた階層らしい。舅方は貴族の血縁らしいし。でも、ロッセリーニのネオリアリズモ映画みたいな姑方のおかあさんの話とか、映画みたいで、そして女性も男性も♪アモ~レ(愛)、カンターレ(歌)、マンジャーレ(食べる)♪が人生の根幹というのは、よくわかる。それじゃあ基本、労働なんてしたかないだろう。だからこそギリシャと並んでユーロ諸国のお荷物になっちゃうんだよ。なにそろああいう顰蹙ものの首相だしな(ユーロ諸国首脳会議では、ほとんどイロモノ扱いらしいじゃないか)。あーひとつ、まじめに印象に残ったのは、学校は勉強を教えるところで、すべてのしつけは家でやるというのも当たり前の話だが、今の日本はもう「家族」を信じられなくなっているから、それが不可能なのが悲しい。
2010.03.29
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会社の引越しの日。明日から滞りなく業務が遂行できるようにと、日曜半日出勤して新しいオフィスでの荷解きやパソコンのセッティングをする。はああ~転職するとき、家から一番近いという条件で選んだ会社だったのに、わずか1年で引越しすることになろうとは。移転を知ったときは発作的に辞表を出したくなったよ。自分の身の丈には合っていた、中華料理を中心に安くおいしいランチが食べられた界隈とはもうお別れ。今度は朝日新聞のすぐそば。がんセンターのそばでもあるし、無論築地市場もすぐだが、ビルから出るにも、最寄のビルへ移動するにも、なんか徒歩での移動距離が長そう。とにもかくにも、小さなビルの一角から、眺めのいいインテリジェントオフィスへの引越しは、業績がいい証拠だから喜ばしが、このハイテクビルがまた。いやはや非常に面倒で。二重三重のセキュリティにいちいちIDをかざさなくては中に入れない。15階なので朝のエレベーターラッシュもある。もうビルのエントランスからオフィスのドアまで5分ぐらいかかりそうだ。やだこんなの。どんなに仕事環境がよくても通勤ストレスたまりそう。でもデスクも椅子も新品で、椅子はなかなかにハイクラスなものにしてもらったので、仕事中に腰痛に悩むことはなさそうだ。デスク幅も一回り広くなって、上で仮眠ができそうだわ(笑)。これまでのオフィスも、いままで数々の会社で仕事してきたなかでは一番使いやすい最新のオフィス什器だったけど、ちゃんと椅子の価値まで理解してくれる経営者は少ないから、これだけで「一生付いていきます!」って気分だ(まあ喉元過ぎれば忘れるが)。営業なんてフリーアドレスになって、実質「自分のデスク」がなくなった。いま上場企業でも直通電話は携帯番号のところが増えてきたけど、うちも営業はそうなった。いつでもパソコンもって出て、極端な話、移動中でもカフェでも仕事ができる(しろ)ということか。ビルの隣はやんごとないお方の離宮のあった公園で、ぐるっと周ると汐留のビル群がこんな具合に見える。いちばん右がコンラッド(超高級シティホテル)。日中、外出することが多いので電車には乗るけど、朝の満員電車に乗らなくてすむ生活をもう8年くらい続けているので、いまさら電車通勤はイヤだ。なんとかならんもんか。そこで。1)場所柄チャリがあれば毎日銀座でランチできる、2)満員電車に乗りたくない、3)運動嫌いなのでせめて通勤で運動不足解消したい、との理由から、自転車通勤を目論んでいるんである。とりあえず、本日初日なので、タイムを計って行ってみる。家からの距離は約5キロ。地理的には大通り一本道で非常に解りやすいけど、大きな交差点がたくさんあるとそれだけで信号待ちがロスになるので、慣れたら裏道を開拓する。どこにも立ち寄らず、早すぎず遅すぎずのペースで、坂道の有無や交通量の多さを確認。うーん往路片道27分、復路30分かあ。通えない距離じゃないな。電車だと乗り換えなしで乗車時間は10分ほどだが、地下へもぐるアクセスを考えたら、やはりドア・トゥ・ドアで30分弱はかかる。うーんどうしよう。雨の日は電車でも仕方がないとして、引き続きチャリ通勤できるかな?なんなら現在のオンボロチャリを買い換えてもいい。身近にチャリ通勤している知り合いが2人いたので、それぞれ聞いてみたら二人とも10キロ以上の距離を走行していて、女性なのにどっちもクロスバイクとか本格的なチャリに乗っていた。まあ二人とも若いし体力ありそうだもんね。相談を持ちかけたら、ロードレーサーとクロスバイクの違いとかを熱く語り始めてしまったので、とても「電動アシスト付きはどうだろう?」とは聞けなくなってしまったよ。あわわ。おばさんだから究極にラクして乗りたいんだよ~。ママチャリがデフォな自分には、一向にかっこ悪いとは思えないんだ。電動アシスト付スピードを出したいわけではないし、あんなドロップハンドルとか、到底私には無理だろうから、いいのおしゃれなママチャリで。しかもバッテリのついたやつ。ただいまパナソニックとブリジストンに絞り、購入検討中である。にしても往復1時間かあ……私には運動しすぎな気もする(笑)。朝、着いたら疲れて仕事ができなくなるんじゃ? でも慣れたら少しはこのぶよぶよの体が締まるかな? 最後の浅草橋ランチは日本語がほぼ通じないおいしいチャイニーズでの八宝菜。ここのメニューは爆笑もので、緑茶は「録茶」、八宝菜は「ハポサイ」、冷奴や「冷ぬ」と表記されている。日本なのに、だれも指摘しないらしいところがまたいいわ(笑)。
2010.03.28
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『ビター・スイート・レシピ』月村奎カバーかけっぱなしでおいてあったので、なぜか読み始めてから最後までずーっと砂原糖子さんだと思って読んでしまって、あとがき読んだら月村さんだったので驚いた。えええーっ何で? こんなことがあるの? 内容的に砂原さんでしょ、こういうの書くのは。と、なにやら自分の思い込みを恥じるあまりに、自己肯定に走ってみる。おいおい。イマドキな設定とレトロ感をうまく組み合わせて、年の差のやさしいパティシェ攻とひきこもりなうじうじくん受。どこをとっても砂原さんじゃない? というか月村さんではないというか。あー作家さんに失礼だな。攻は焼き菓子専門のケーキ職人で、独立開店のための店を探していた。受は大学受験に失敗して以来、祖母が残した商店街の一軒家に引きこもり、祖母が手芸店を営みながら講師もやっていたレース編みに没頭する。特に目的はなく単なる時間つぶしで。そこに攻が店を貸してくれとやってきて二人は出会うわけだが。レース編みが得意というのは、数年前にニットカフェが流行ったり、男子手芸部がブームになったことの発想だな。うじうじくんな受の気の弱さ、自信のなさ、でもプライドはあるというのが受け入れられない自分には、この受のあまりのマイナス志向についていけなかった。いや自分も大概マイナス志向なんだけど負けず嫌いだから微妙に違う。あれだけ家族からプレッシャーかけられたら、普通発奮しない? 多分この受くんは、親の期待どおりにがんばってきたのに、大学受験に失敗したことでプッチンと張り詰めていたいたものが切れちゃったんだろうな。なんで滑り止めを受けなかったのか謎だが(両親とも大学の教員なら経済的理由ではないだろうから、1校しか受けられなかったのか? 国立最高偏差値のとこしかダメとか?)、高校までそれなりに頭がよかったなら、これほどへなちょこなわけないと思うんだが。ていうかへたれている時間が長すぎる。立ち直りが遅すぎる。一方、攻のパティシェは焼き菓子専門というのがポイント高かったが、妙にさわやかさんで、こいつも苦手なタイプだった。こういう「いい人」っぽいやつには絶対裏がある(やだね、おばさんはこうしてすぐ勘ぐるから。反省)。なかなかじれったい愛で、表題作ではキスどまり、続くセミスイートレシピでやっと遂げるわけだが、受のうじうじは治るどころか、攻の昔の相手が登場するや、妙な疑心暗鬼に駆られて、みすみす狼のエサになりに行くという頭の悪さ。それにしてもなあ。引きこもりでも、なんか前向きなシュミなりなんなりあれば、まだ生産性があるんだが、能力はあるらしいのに、精神的な弱さだけでここまでグダグダになってる子を見ると、おかあさんは悲しいぞ(笑)。あの家が自分名義ということは、固定資産税が発生するよね。生活費だって年金だって払わなければならないだろうに(あれ?まだ10代だっけ?)、あの口の悪いお兄さんの気持ちがよくわかる。うーん。月村さんにしてはちょっと微妙な作品だったなあ。あ、そうか。イラストが佐倉ハイジさんだったのも砂原さんと間違った理由かも。佐倉さんって、人物単体でみるとデッサンゆがんでいたりかなり妙な絵なんだけど、トータルで見ると雰囲気があっていいよね。不思議。
2010.03.27
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男子嫌いな我が家の猫が歓迎する数少ない男子の一人が、書庫の整理と整理ダンスの処分などの力仕事にやってきた。「お礼は飯で」が合言葉。しかし彼は口惜しいことにすんごく料理がうまいので、下手なことはできない。弁当男子などという単語は流行るずっと前から、自作の弁当を持参して仕事にいくようなやつなのだ。当然草食系だが、まあ猫よりは役に立つ。 夜は外でごちそうする約束なので、ひと仕事の合間のビールタイムの簡単なおつまみをつくる。 題して「春巻きの皮まつり」どこがどう違うのか、うまく説明できないけど、春巻きの皮と餃子・シュウマイの皮は全然違う。春巻きは上新粉が入っているのかな? とにかく包んで焼くだけのおつまみ2種・3アイテム。一つ目アスパラハーモニカと勝手に名づけたアスパラガスとチーズのはさみ焼き。メルテッドスライスチーズを半分にしてアスパラガスをサンドイッチして春巻きの皮で包んで焼くだけ。切り口がハーモニカみたいでかわいいの。チーズの塩味だけでおいしい。お皿の左上がそれ。 そしてもう一つはささみの包み焼き。ささみに塩降って日本酒かけてチン。練りゴマ・マヨ・味噌・酢を適量ブレンダーにかけてソースを作り、割いたささみと和えて、大葉とかキャベツとか、適当な野菜と一緒に包んで焼く。春巻きの皮は正方形に四等分。具を薄く平たく包むときれいに焼ける。辛口バージョンでテンメンジャンを塗りつけたものもつくる。ささみ2本で12個できる。これは食べるときにモルトビネガーをジャブジャブかけていただくとさっぱりしておいしいなりよ。モルト×モルトでビールにもよく合うよろし。 両方とも、オイルは極く微量で火は中~弱火。包むのだけが面倒だけどギョーザよりは簡単でほっといても絶対失敗しない。そしてなんとなくヘルシー。 皮が3枚残ったので、こないだなんの断りもなく勝手に膨張して余った古代小麦と豆と野菜のフィリングをカレー粉で炒めて包んで焼いたら、意外なおいしさにびっくり。食事代わりにもりもり食べられる。これはおとといの夕食だったけど、あっという間に食べちゃって撮りそこねた。いいな、スペルト小麦。スープとつまみと一石二鳥。包んで焼く」を教えてくれたnoraさんに感謝。これもモルトビネガーじゃぶじゃぶなりよ。 ねえねえなにつくってんの? と愚猫。なんでも一応ニオイは嗅ぎに来るが、滅多なことでは舐めもしない。なのにおでぶ。
2010.03.26
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『きみにあげる。』槇えびし表紙が独特の同系色・マットな色使いが珍しいと思ったのと、ひざの上に載った猫の脱力具合に魅かれて買った。初作家さん。ていうか作家さん自身、初コミックスかな? 挿絵のほうで見たことはあるけど。でも独特の描線と安定ぶりは、もう何年も描いてきた人っぽい。この人の絵が、大好きなタイプなんだよね。今はほとんど見かけなくなったけど、亀井高秀さんとか、別の次元に行っちゃった(笑)吉野朔美さんと同系列。なんつうかマンガというよりイラストチック。この人が挿絵した小説も読んだことがあると思うんだけど、さて誰のだっけな。そして、絵もそうだけど、センスもちょっと古い。ずっとちょっと昔の吉野朔美さんと似てるなあと思いながら読んでいた。猫のしぐさとか、老人や中年の顔なんかもすごくこなれていて、色使いも独特で、一度見たら忘れられない絵柄なのに、お話がなかなか頭に入ってこなくて、なんだが読むのにやたらと時間がかかった。絵がかもし出す雰囲気がストーリーにあっているのに、なんかストーリーマンガ描きなれてないっぽいんだよね。商業マンガ的な語法に慣れていないとか?えーっと、失踪した恋人(男)が残した借金に追われる、なにやら天然な気の弱い青年と、地域社会のはみ出し者なのにそこから出て行こうとせず公安みたいな元刑事が見守りがてらお茶を飲みに来るだけのお茶屋を営むわけあり青年と、彼を子どもの頃から見守っている秘書でありお世話係のサングラス男性の共同生活。こういう昭和なテイストのお茶屋は、いま古い民家を改装してシェアハウスするのが流行っているらしいから(昨日のガイアの夜明けでやっていた)、年齢を問わず好きな人は好きだろう。森ガールが住んでいそう。実際には古い家はメンテナンスが大変なんだが。この3人目のおにいさんが、アゴが張り出したコワモテ系で長髪を後ろで束ねていて、いつもサングラス姿で、寡黙で家事全般得意で運転手もやるというのがBL的にはポイント高いよね。子どもの頃からいつもそばで見守っていてくれて、いざとなったら適切なアドバイスをしてくれる、「逃げ場」になる美青年ってのも、乙女少女腐女子の永遠のアイテムだと思うのよ。なんだろう、おかあさんでおにいさんで恋人、みたいな。初めてこの存在に気づいたのは、一条ゆかりさんの「デザイナー」に出てきた、大矢ちきさんが描いていた謎の秘書・柾だったけど、後々児童文学にはよく見られる視点だと気づいて、ああこれは成長譚や通過儀礼ものの必須アイテムかもと思ったものだ。女子はこういう存在を信じられると、がんばれるのよね。現実にはいないんだけどさ。だって、この人誰から給料もらってんの?とか、仕事に対するキャリアパスはないの? とおか考えたらありえない職業だもん。先祖代々金庫番、とか父が住み込み運転手で母が料理人で、とか家族丸ごと依存する、みたいなものならありだけど、一生この身をささげて命がけでお世話をするのが仕事って、どんだけドリーム? と思う時点で狭量な自分に気づくんだけどさ。このお話も、商売あがったりで生活費はどうしてんの?謎のお世話係がデイトレーダーなの?とかいろいろ大人の事情を慮ってしまうんだが、この絵で現実離れした生活を描かれると、そんなものはどうでもよくなる。漢字一文字名前もツボ。昔、一緒に仕事をしていた女性が、5人姉妹全員漢字一文字名前で、彼女の名前は珍しいものだったけど、中には薫とか環とか、男名でも女名でもありえる名前もあって、かっこいいなあと思ったものだった。司ちゃんという女子もいたな。で、まあ、そんな具合に設定も舞台も、エピソードもどんぴしゃで好みなのに、なにかが合わなくて全然前に進まない。ちょっと途中で止めちゃうと、また最初から読まないと、お話が見えてこない。なんだろう。絵はうまいけどマンガが下手なのか? 時間の取り扱いがよろしくないというか、作者さん、わかってもらわなくてもいいと思っているというか。絵はすばらしく巧いのに、下手というより読者にわかってもらう努力を放棄している漫画家さんって、BLには結構いるなー。やっぱり編集の力が及んでいないんだろうな。
2010.03.25
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今日はレディースデイで映画が1000円の日だとハタと思い出し、雨で寒いから人でも少なかろうとそそくさとネットで席を押さえて、仕事帰りに「NINE」を観に行った。そしたら、うわーっと怒涛のごとく書きたいことがあふれてきて収拾が付かなくなった。まてまて。少し頭を冷やせ。というわけで、前にメモっていた徒然を吐き出してだして、頭がショートするのを防ぐ。3月10日最近、読み終わった証拠としてブログに書いてしまってから、まったりと読み返して面白さを反芻して新たな感想をもったりすることがしばしばある。まず西さんの『娚の一生』。この作品の面白さの大半は、ヒロインの性格設定にあると思う。考えていることをあんまり口に出さない、なに考えているかわからないタイプ。じっくり考えるタイプなので反応も鈍い。思考に没頭すると、他のコトがおろそかになる。最終巻でも、目玉焼きを作ろうとして、殻のほうを大量にフライパンに投入していた。こういうのは理系に多い。彼女はそもそも技術職だったっけ?あのヒロインくらいのビッグプロジェクトを手がける女性はいる。でも男性優位の中で仕事していると、はっきりものを言える、闘争心むき出しタイプの女性のほうが前に出やすいというか成功しやすくて、一見なに考えているかわからない無表情タイプが成功する率は低いと思う。どうも私は自分にまったくそういう適正がないせいか、「国家規模のプロジェクトや何百億も開発費を使うプロジェクトでリーダーを務める女性」に異様に憧れるんだけど、彼女は一見フツーのOLに見えて、そういうことができる人だよね。無論、皆無ではなく、何人かはそういタイプの成功者もいることは知っている。そんなことを考えていたら、過去に一緒に仕事をさせていただいた女性のなかで、稀有な能力をもち、並外れた努力もし、成功を手に入れたお二人の姿が鮮やかによみがえってきた。そこでマンガを離れてリアル女性の不思議な対比をば。一人目はバリバりタイプ。国立理系卒で製薬会社研究職→外資総合食品会社へ転職。ここでマーケティングを叩き込まれて、その後いくつか社内ベンチャーを手がけた後、古巣(誰でも知ってる上場企業)に執行役員として迎え入れられた。現在40代中盤。ダーリンは外国人で英語もぺらぺらだしで、一見順風満帆な成功者のように見えるが、実生活ではいろいろ苦労があることも知っている。外資のほうは会議資料も英語だったし、数人の外国人ボスのために数百人の日本人同士も英語で会話しているという不思議なところだった。彼女はあ・うんの呼吸が通じないアメリカ人(カナダ人だったかも)をご主人にしているだけあって、ズバズバはっきりものが言える人だった。最初に出会ったのは彼女が27歳くらいの時だったけど、当時からライフワークバランスを考えて、人生設計をきっちり立てて行動していた。じっとしていたり、ぼんやりしていることのない人生。これは私には無理。もう一人、今は大学教授になっちゃったけど、かつて仕事をもらっていた雑誌の編集長だった、女性管理職のハシリの女性は、おっとりしていていつもニコニコ笑顔でやさしげ。声も小さく、ゆっくりしゃべる。服装も暖色系の襟なしソフトスーツばかり。見た目、秘書タイプなのに、異様に頭が切れる。あっという間に役員になり、その後官民合同のプロジェクトのリーダーなどを歴任して、今は大学教授をしながら、いくつもの国のプロジェクトの諮問委員などをしているはずだ。この人は、一見おっとり天然に見えるから最初は必ず男性には舐められる。でもニコニコ笑顔の裏でとんでもない奇策を練っている。なんつうか肉を切らせて骨を断つタイプだった。仕事以外のところでがんばっていたんじゃないの?とやっかみ半分に悪口を言う人もいたけど、女を武器にしたぐらいじゃ日本企業はそうそう簡単に女性を役員にしたりしない。で、マンガに戻ると、このヒロインは後者なんだよね。理系かもしれないけど。全然キレそうに見えないけど、あの地熱発電反対派の狸オヤジを相手にしていたときの行動でわかったよ。理不尽なこと言われると反論するどころかだまっちゃって「いいもん協力してくれないなら、他の方法考えるもん」って、誰もが考え付かないような策に出るというか。こういう人がある意味一番こわい。そして自分がなりたかったタイプ(逆立ちしても無理だが)。でもやっぱりフィクションの世界でも、こういう女性は男との縁は薄いのね(笑)。35年待って、やっとめぐり合えた心を許せる男性はとうに50代で、銀婚式までいけるかどうかもわからないけど、それだけに淡々と濃密な生活を送っていくんだろうなあと思う。もうひとつ小ネタだけど。水壬さんの「卒業式」と中村明日美子さんの「卒業生」を同時期に読んでいて、あれれ?と何かがシンクロした。小説とマンガの違いはあるけど、卒業式ネタだからかなと思って反芻していたら、どっちも卒業式の当事者なのに、セレモニーをほっぽりだして教室とか生徒会室でヤらしいことをしていた(笑)。さすがBL!ハレの日の思い出作りは大事よね。
2010.03.24
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『指先で愛を語れ』深井結己前作『それは僕の愛じゃない』に出てきた、双子の片割れくんのお話。なんか前作ではいやーんな青年に思えたバドミントン青年が、やたらかわいいじゃないか。そうか、ガタイのでかい先輩に魅かれながらも、一見凡庸な兄が本命と思い込んじゃっているわけね。周囲がみんなほもほもしくて、ハッテンバまで出てくるのに、舞台が実業団バトミントン部って、危なすぎるだろ!で、実際コーチと選手が高校の頃から危ない関係になってるわけだが。えろえろしい受に比べて、立派な道具を持っているのにストイックにも耐えていた先輩(攻)がなんとも哀れで笑えてしまった。BLって、男性向けと違って、こうあまりからだの大きさを強調したり、体のパーツの大小にはこだわらない気がしたんだけど、深井さんはこだわっていた(笑)。いや、この作品がそうだったんだけどさ。きっと「麗人」でやっているゲイDVDの観過ぎだな。で、そういう視点があると、絵自体はゴージャスでもキラキラでもないのに、なんかやたらえろえろしくなるのね。深井さんの作品、好きなんだけど、なんでいつもこんなに早く読み終わってしまうんだろう。今回もバスタイムの20分一本勝負だった。別にコマ割が大きいとか台詞が少ないというわけでもないんだけど、なんだろう、やっぱりストーリーが浅いというか、エピソードが単調だからかなあ。これまでも議員秘書とかバスの運転手とか(笑)、ニッチな職業の大人のBLを描いてきた作家さんなので、新刊は逃さず面白がって読んでいたけど、だんだん宮本佳野さんばりに、どの話も同じように思えてきた。もともとレディコミの人だし、多分BL作家さんのなかでも年齢いっているほうだろうから、感性は古い少女マンガで育った自分ともよく合うんだけど、うまい人だけに、さら~っと読めちゃうと、本当はもっと深い話も描けるのに、手を抜いてるんじゃないかと思っちゃう。
2010.03.24
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金曜の夜、およそ半年ぶりに料理研究家の横浜マダムと関係者による「横浜マダムをいじる会」in 渋谷。このマダム、多才で本業がなんなのか本人にもわからず、ピアノと料理を自宅で教え、オペラを歌い、いい大人な息子ズと飼い犬のワンコを溺愛し、もちろんダーリンに対しては貞淑な妻であり、タイフリークが高じてタイの大学で日本料理まで教えている。タイではニューハーフに間違えられる美女。今回はぜひ一度、彼女を連れて行きたかった渋谷のChef'sVへ。ここは知る人ぞ知るモスバーガーの子会社が運営しているレストランだけど、十分おしゃれな雰囲気の店だが、やはり売りが野菜だけでは客が入らないのか、店名変えてリニューアルするそうだ。4月中旬以降、また行ってみよう。支店によってメニューが異なるけど、渋谷店はとにかく新種の野菜や、オーガニックでそれだけでおいしい野菜料理を食べたかったらここへ行け!と勝手に思っている店で、今日も「本日の野菜」には名前すら初めてみるような名前と、その生産者の名前がたくさん記載されていた。個人的には見た目がグロテスク(なんかフラクタルとかフィボナッチとか付きそう)な数学的な造形のロマネスクというのが食べてみたい。こないだタモリ倶楽部で試食していたな。メニュー名はどうでもよくて、アレンジとサーブの仕方がおしゃれなので、今時の若い娘さんにも是非食べてもらいたかったので、今回は若い娘(20代編集者)も2人参加。ほかに今回唯一の男性、カメラマンのSさんが参加。彼はいつも女子の中に男子一人でまったく浮かない、なんつうか中性的な元祖草食男子(いまは中年)で、おねえでもないけど女好きにも見えない。今回も女性4人に彼一人で、ガールズトーク全然オッケーなのだった。 さて。突き出しは紅芯大根とむかごとブロッコリーと2種のトマトとミニカブ。たまねぎ醤油ドレッシング。。続いてバーニャカウダ。ちょっと味噌が入っているアンチョビソースが、どんな野菜をもおいしくする。黒大根やら色とりどりのニンジンやら、初めての食感の根菜やら、いろいろ。 バーニャカウダとほぼ同じような野菜を篭盛りにして、三種のソースで。ソースはグリーントマトと、最近流行の甘いソース(ラズベリー?)ともう一種。女子はこういうのが大好きだけど、体育会系男子には不評であろうな。「青虫じゃない」とか「ウサギのエサか?」とか言われそう。マグロとアボカドと山芋の雑穀米ロール。赤米とか黒米とかいろいろ。づけにしてあるらしいマグロの風味で、何もつけずにそのままいただく。もっちりしておいしい。 季節野菜のぺぺロンチーノ。野菜でパスタが見えないよ。目の前で大量のパルミジャーノをおろしてくれる。これ、めちゃくちゃうまい。マグロのたたきとロースト野菜(ゼリー状の焦がし醤油がかかっている)。動物性のものはさっきの雑穀ロールとこれだけ? ヘルシーにもほどがある。見た目豪華で、冷凍マグロも外側炙るとうまし。 4種チーズとスモークベジタブルのピッツァ。野菜てんこ盛りでとてもピッツァには見えないが、ぱりぱりのチーズ風味のクラストがおいしい。そして目の前で巨大なパルミジャーノの穴にリゾットを投入してかき回してサーブしてくれる季節野菜贅沢パルメザンチーズ玄米リゾット。お兄さん、サービスでパルミジャーノのスライスを小皿におまけしてくれた。んまし。他にも写メ録り忘れたけど、アボカドのフリット。そしてデザートは契約農家野菜のアイス9種の盛り合わせ。これが面白かった。全部野菜の味のアイスクリーム。野菜ケーキは無粋だと思うけど、これはいい。安納芋というのをはじめて味わったけど、芋が好きではない私をも悩殺してくれた。なんつうか蜂蜜の味。えーと、どこまで覚えているかなあ。トマト、アボカド、安納芋、紫芋、ゆず、ビーツ、バジル、あと2つ……。なんだっけ。あああ撮った写真は食べかけ……。最後の名物リゾットには、麦や雑穀も入っていて、歯ざわりが面白い。この10キロくらいありそうな巨大なパルミジャーノ・レッジャーノは、固体ごとに出来に差があるそうで、3ヶ月前のはあまり香りが立たなかったが、今回のは最初から香りが立っていて時間が経過しても変わらないとか。サーブしてくれたスタッフいわく「今回はいい出来のパルミジャーノですよ」とのこと。こういうおしゃれなメニューは、家でつくるのは複数友達を呼んでパーティーでもしない限り難しいので(なにしろCPが非常に悪い)、この店はリーズナブルで好きなんだよね。でも私が気に入ったお店は次々潰れるというジンクスが(笑)。
2010.03.23
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『テルマエ・ロマエ(1)』ヤマザキマリなんか意識の底のほうからふつふつと面白さがこみあげてくる。12月頃、書店の店頭で大量に平積みされていた頃から、気にはなっていたのよ。いくら古代ローマの彫刻素描とはいえ、表紙にあれはいいの? とか風呂場でタイムスリップってどんなマ王?とか(爆)。で、2月に買って、少しずつ読んでいたんだけど、面白すぎてなかなかに時間がかかる。約2000年の時を越えて、ローマの設計技師(浴場専門)が、なぜか現代日本のさまざまな風呂にタイムスリップするお話。ここでどら○もんが出てくれば児童向けファンタジーだし、美形の騎士が待っていれば○マだけど、迎えるものも送るものも、きわめて正常な反応を示す。移動した先で言葉が通じることもない。TOTOあたりのショールームにスリップしたときは爆笑したけど、ファンタジーやSF設定を敢えてとらない方法が新鮮。作者さんはポルトガル在住らしいけど、ちゃんと美術の基礎を学んだ、逆に言うとまったく遊び心のない絵柄で、あんまりデフォルメとか考えないで、ひたすらまじめ。個性がないとも言える。でも描くのは時間がかかりそうだ。おそらく、このテーマを選ばなければこんなにメジャーに取り上げられることもなかったかもしれない(作者はその後、イタリアの陶芸家と結婚していることがわかった)。なにが面白いって、当時文明の最先端を突っ走っていた向かうところ敵なしのローマ帝国の一技師という、まるで陽の当たらない人物を主人公に据え、風呂つながりで日本とリンクさせた時点で、この作品の成功は保障されたようなものだ。そして案の定、初版からわずか2ヵ月で5刷までいっていた。すごいなー。みたこともないプラスチックやビールや垢すりタオルに驚き、なんとかしてこれをローマの風呂で再現できないかと考えるドまじめさに萌えた。石油どころか石炭すら活用していない時代に、数学と建築術だけでどこまで日本の風呂文化に肉薄できるのか、ルシウスのこれからが楽しみだ(笑)。そして作者の探究心やるや、マンガだけでは収まらず薀蓄ページを作ってしまうほどで、歴史屋だったのではないかと思えるほど、ものの発祥にこだわるところは、なんか非常に自分と同じにおいを感じる。ほうっておいたらいつまででも話続けそうな人かもね。古代ローマにまさか垢すりの道具があったとは知らなかったし、なんであれほど風呂好きの文化が、その後継承されなかったのかが謎だ。着衣や化粧の歴史は面白かったので、がっこの授業とは関係なく類書を読んだりしていたけど(いわゆる「風俗史」。当然最古の女性の職業とかも出てくる)、ヨーロッパの風呂の文化史なんて完全に盲点だったよ。現在のヨーロッパは乾燥しているから、そもそも風呂に入る習慣すらなくて(大抵の中級ホテルにはバスタブがない)、療養のための温泉保養地はドイツ~オーストリアあたりにあるけど、古代ローマの浴場遺跡は一部の特権階級のものだと思っていたんだよね。でも違っていた。で、なんでローマにだけこれだけ風呂が発達したかとういうと、火山があったからだ。例のヴェスヴィオス火山。なるほど。だからどこかで歴史が間違っちゃったら、日本みたいな温泉文化が継承されていたはずだ(本当か?)。そのうち彼には、江戸時代の蒸し風呂やらソープランドにも降臨してほしいものだ。あと個人的な疑問としては、奴隷と女性がほとんど描かれないのが不満。私自身は奴隷制を敷いていた時点で実は古代ローマは許容できなくて、古代エジプトのほうが好みなんだけどね(あんなすごいピラミッドを奴隷による強制労働じゃなくて建設したと知った時には驚いた)。付記:作者の発想のユニークさは、10代からヨーロッパの空気の中で暮らしていることが大きいような気がする。なにしろ14歳でドイツ、フランスを一人旅して、17歳でイタリア人の陶芸家に出会って、そのままイタリアで美術学校出て、現地で所帯を持っている。若くはないし(そうだろうと思った)、北大でイタリア語の講師なんかもやっている。この作品を雑誌掲載してくれた編集者に感謝! クラシック界では今、ヨーロッパに音楽留学して、そのまま現地で音楽家と結婚した人たちの子ども世代が新風を巻き起こしまくっていて、評価の高い若手だけでもピアノ、指揮、ヴァイオリンと、10人以上いるんだが(オケ団員とかカウントしたらもっとすごいことになりそうだ)、純日本人であっても、子どもの頃からヨーロッパで育った人の演奏は、日本育ちのそれとは全然違うのは演奏を聴くとよくわかる。やっぱりもともとそれら(西洋音楽)が生まれた環境というのも大きいけど、アメリカみたいに便利すぎない国でひとつのことに取り組むことが、精神性の高い演奏をする音楽家を生み出しているような気がする。クラシック音楽の場合、両親の一方が日本人というのは、よき時代の日本人のDNA(勤勉)がゲルマン系の重厚さと結びついてうまいこと開花しているんだけど、美術の場合はラテンと結びついたほうがいいんだよね、やっぱり。でもイタリア人(特に南側)のちゃらんぽらんさを受容できる日本人は希少だと思うぞ。
2010.03.22
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久しぶりに料理で失態を犯す。先日、古代ローマより以前にイタリア半島を支配していたエトルリア人が食べていたスープ、として作ってもらった「スペルト小麦と白花豆の煮込み」がおいしかったので、見よう見まねで作ってみることにした。なにしろ、小麦の原種に近いというスペルト小麦が手に入ったので、新しい食材を使う楽しみもあって、3連休は家でいろいろな料理をしようと決めたのに。麦の膨張率を考えていなかった。まるで生まれて初めて鍋でご飯を炊いて失敗した人、みたいな気分だ。食べたときの印象から、なんとなく作り方は想像できたのよ。こうだろうと思って、たまねぎとにんにくとセロリ、ついでに冷蔵庫に残っていた蓮根も賽の目に切ってオリーブオイルで炒めて、白ワインを注いで風味をつけて、チキンブロスを注いで、スペルト小麦をひとつかみ、豆は手抜きで缶詰ドライパックの大豆を投入。ここまですべて目分量。沸騰したら塩加減を見て、あとはふたして弱火でコトコト。ヴィタクラフト使ったので蒸気シールで減圧されたら、あとは火を止めて放置。そして1時間後、フタをあけたらこの有様。麦が全部スープを吸って、なんか見るも無残な物体が。こんなに膨張するなんて予想していなかった。完全にミス!早速、分量を3分の1にしてブロスを注ぎなおして味を調え、またもしばらくコトコト。すると、スコッチブロスやアイリッシュシチューにバーリー(大麦)を入れたときのように、濁ってきてトロミが出てくる。さすが穀物。味見したら普通においしかったけど、谷本シェフがつくったものにはプロシュートが入っていたし、もう少し白っぽかったと思い、肉は今回使わないと決めたので、ミルクを投入。うん、おいしい。麦って丸のままではほとんど使わないから(というか、割り麦か押し麦しか手に入らない)、どんな感じになるんだろうと思ったら、スペルト小麦はもちもちしてなかなかよい感じにおなかにたまる。見た目が貧乏っぽいのと、ちょっと穀物臭が残るのは仕方がないけど、これはスープワンディッシュで立派な食事になるわ。SoupStockTokyoに売ろうかしら(笑)。なんか、こういうのいまでもアイリッシュの労働者食にありそうな気がする。それにしても、ほんの一掴みでこんなに膨張するなんて、びっくりだ。500gで1000円くらいだったから、普通の薄力粉の20倍くらいするけど、薄力粉の20倍くらいの腹持ちなら、元は取れそうな気がする(笑)。今度アイリッシュシチューにも入れてみよう。で、残った大量の、麦と豆と野菜(加熱済み)をどうしようか考えた。食べ物は失敗しても捨てるのはもったいないと思っちゃうので、なんとかしなくちゃ。キャベツの千切りと小麦粉で和えて焼いたらどうだろう(エトルリア風お好み焼き)とか、バーミックスでマッシュにしてつなぎに小麦粉入れて豆腐ハンバーグみたい植物性たんぱく質ハンバーグにしようとか(エトルリア風ハンバーグ)、あとはなにができるかなあ。料理好きのみなさんのアイデア募集。なんでも「エトルリア風」とつくと、なんか高級な感じが(爆)。とりあえず、このまま冷凍できるかな?
2010.03.21
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『DRは龍に乗る』樹生かなめ積読古書消化月間第3弾。樹生さんは、トンデモBL本を書く作家さんという認識。いろいろ既成概念をぶち破ってくれる作品が多いよね。僧侶もののノベルズも家にあるし(未読)、不細工ゆえに一度もイラストに描かれない主人公の話もあった(これはイラストが雪舟さんだったので余計覚えている)。この本もシリーズもので人気がありそうなので、ここのところ外してばかりいるので期待に胸を膨らませて読んだんだけど……これも合わなかった。あああこれで3冊連続で外した。2002年刊行だからけっこう古いよね。お耽美臭が完全に消えて、新時代の(笑)BLジャンルの旗手、という感じがする。基本はコメディなんだろうけど、なにもかもがありえなくて、医者がバカな行動をしまくる時点でダメだった。リアル医者の私生活なんて知りようもないけど、「必要とされている自分」という自意識があったら、フツーの医者は自ら危険には飛び込まないわけで。あ、普通じゃないから面白いのか。でも、自分と合わない病院に勤務しているのは大学からの派遣医だからとか、引きもきらない見合い話とか、妙なところでリアルなんだよね。文章も破綻がないし、構成もエピソードのつなぎも違和感ないし、小説作法としてはうまい人だと思うんだよね。だから問題は自分のほうにあって、この本を楽しく読めないなら、もうBLはいつもの作家さんだけでいいかなと思えてくる。だって、ここが面白い萌えどころなんだろうと思えるところが、ことごとく自分にはNGだった。ヤクザの後継者×医者。受DRは昔、母親にネグレクトされていつも公園で泣いていた近所のかわいそうな子ども(攻)を弟のように可愛がっていた、というおなじみの幼なじみ設定。その後、その子は父親側に引き取られ二人は離れ離れになる。一方DRは、子宝に恵まれない医者の家に施設からもらわれてきた養子で、実子ができるや養父母から疎まれ、医大までは出してもらったものの、上昇志向が皆無の勤務医。やたら発想が小市民で堅実すぎて医者にみえない。で、久しぶりに再会したら、近所の可哀想な子どもがヤクザになっていたので、なんとか更生させようとする。なんか、医者があまりに常識知らずなおバカさんで、いつまでも攻を子ども扱いで、読めば読むほどバカに思えてきてたまらなかった。医者にはある程度オレサマでいてほしいし、そんな傲慢なやつがメロメロになっていく過程は読みたいと思うけど、こんなおかあさんみたいな受は受け入れられなかった。攻はコワモテ実力者の割にはやさしい子で、DRを「女房にする」と宣言して、ほんとうに女子のように扱ったりと、BLではあるけど、今のトレンドとも違うような気がする。タイトルの龍というのは、この子が背中にしょっている紋々のことで、なるほど、キヨシローの♪こんな夜に おまえに 乗れないなんて♪と同じメタファーになっているのね。イラストは硝音あやさんとう、初めて眼にする名前の人。ああこういうエッジーな絵柄は90年代のトレンドだったと思い出す。南さん(BRONZの人)の亜流というか、この手の絵柄は銀英にもスラダンにもたくさんいた。円陣さんですら昔はこのくらいとんがったアゴの男子を描いていたな。どうも体格差がありすぎるカップルはショタにしか思えないのに、今回のは小さいほうがおかんだったという意味では衝撃だった。
2010.03.21
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ある日の午前中、新橋で会議があって、終わってちょうどお昼だったので、ニュー新橋ビルの禁断のオヤジ街(地下)へランチを食べに行く。こことJRをはさんで反対側にある新橋第一ビルの地下は、なんというかオヤジパラダイスで、いつ行っても焼き魚のにおいがする。でも安くておいしい地に足の着いたランチが食べられる。今回は、ちょっと前に食べた東京會舘のタンシチューと比較しようと、元祖牛たん焼き「利助」のたんシチュー定食(800円)をばいただく。 小片になっているけど、たんとニンジンがどっさり入っていた。ほろほろと口の中で崩れる肉のやわらかさと、ねっとり濃厚なソースがたまらない!ちゃんとクリームもかけまわしてあって、たぶん玉ねぎも同じだけ大量につかっているけどすでに溶けて形がなくなっている。だって玉ねぎの甘さがしっかり感じられる。そしてたんは、たん焼き用に成形したときにでるくず肉や端っこが投入されているっぽいけど、筋も固さも微塵も感じられない。大量につくるであろうこういう店で巨大な圧力釜を使うのは考えにくいので、ひたすら時間をかけて煮込んでいるのかもしれない。これはコストパフォーマンスの点では満点に近い。ていうか私には量が多すぎる(笑)。味がこってり濃いから、半分くらい食べると飽きてくる。たんって、赤みの肉よりカロリー低いと思っていたけど、なんか食べた時の印象は脂肪分が高そうに思える。ここの定食には、たっぷりの牛テールスープがつくのがポイント高いわ。テールスープ大好き! ねぎしの牛テールスープは、形ばかりの肉片がちょっぴり入っているだけだけど、ここのはたくさん入っている。無論オイルの一滴も浮かんでいない透明な澄んだスープだけど、ちょっとだけ化調の味がする。いつぞやのGPホテル赤坂のカフェランチ。時間がなかったので日替わりを頼んだらこんなのがでてきた。なんだっけ、石焼ロコモコビーフ丼? 石焼だし牛肉はシチュー用のものをやわらかく仕上げているしで、手は込んでいるけど、見た目もこんなだし、味に至っては濃くてくどくて到底食べられるものではなかった。くどいドミグラスソースっぽいのとマヨネーズって、どんだけジャンクなんだ。まるで非商業地のビジネスホテルに併設されたレストランで出すようなランチ丼だったよ。ロコモコはハワイで食べてこそうまいものだ。下のほうからこげたライスをほじくりだして、牛肉だけ丁寧にソースを落として3口くらい食べた。コーヒーつけて1380円。一方こちら、牛丼の松屋のスンドゥブチゲ定食。580円。みよこのコストパフォーマンス!何が入っているのか不明だけど、韓国キムチ味とお豆腐だけで十分おいしい。ひらひらの豚肉も入っていたな。B級ランチのほうが期待値低い分、当たりが多いわ。 KO病院行くついでに、信濃町駅前の満てんでの茶碗蒸し+小皿うどんのセット。ここは銀座にある(あった?)長崎の吉宗の直営で、皿うどんと蒸し寿司、茶碗蒸しはほぼ同じものを出す。ちゃんぽんが人気だけど、私は昔からここの皿うどん(といっても、揚げた細麺)が好きなんだよね~。銀座の吉宗は、安くておいしいので、目上の人たちとの夜ご飯によく使ったものだ。懐かしい味。たっぷりの茶碗蒸しもおなかにやさしくて、いくらでも食べられる。蛇足だけど、その後、長崎に行ったら吉宗は地元ではお寿司なんかも出す高級割烹だったので驚いた。東京ではあえてちゃんぽんと蒸し寿司だけのB級の仮面をかぶっているの?なんか若者男子につきあうと、月に1回くらいはラーメンを食べる羽目になる。いや好きなんだけど、スープ飲んじゃうほうなので自重したいなと。こちら、清澄白河の山小屋の黒ラーメン。しっかり豚骨しょうゆ味、油たっぷりだけど、麺が超細めんなので食べられた。780円。豚骨系を食べたのは10年ぶりくらいかも。味は嫌いじゃないけど、においがなあ。あ、丼に筑紫ラーメンと入ってる。筑豊と筑紫はちがうよね? 博多とも違うし。うーん複雑でよくわからん。B級に罪はないが、量が多いので(でもなるべく残さないようにしているので)、最近また体重が増えてきた。おそるべしB級!
2010.03.20
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積読するにもほどがあるってほど何年も寝かせっぱなしの本を片端から読む強化月間(と突然宣言)。あまりに本と衣類の整理整頓ができないので、まず衣類のほうは古い木製の整理ダンスを処分して、半透明の「中身が見える」プラケースの引き出しを買った。まだダンボールに入ったままだけど。出した服はしまう、を徹底しよう(笑)。本のほうは物理的な量を減らすしかないと3連休のうちにペット1号クンが来て整理を手伝ってくれるんだが、なにしろ本と雑誌と資料がミルフィーユ状になって腰の高さまである。非常にまずい。そのうちなにかうごめくものがでてきそうだ。で、発掘を始めたら、袋に入ったままとか、通販の小さな箱に詰まったままの本が全部未読だった。BLにうっかり足をとられた頃に、自分の嗜好を探ろうと手当たり次第に買い集めた有象無象で、好き作家さんがほぼ決まった今は、もう読まなくてもいいかという気にもなるけど、本としての使命をまっとうして昇天させるために最後の読者になろうと決心。今日はその一冊をば。『恋情抄~昭和綺談』池戸裕子初めて読む作家さん。2006年刊だけど、休刊になったBL小説雑誌に掲載したもの、とあるから、書かれたのはかなり前だろう。驚いたことに「もうじき百冊目」とあるから、大ベテランさんだな。古書店で名前だけはよく目にするけど、最近も書いている人?多分、ノスタルジックでお耽美な雰囲気に魅かれて買ったものだったんだろう(自分で買っておきながらすでに忘却の彼方)。でも、非常に惜しいというか微妙な作品だった。100冊目になろうとする作家さんにしては、言葉の使い方がおかしい。主語と述語の関係がおかしかったり、慣用句が正しく使われてなかったり。誤記も多いし、人名の取り違えも複数あって、編集側が素読みすらまともにやってないような気がする。久々にこれは耐えられんと、途中から校正しながら読んじゃった。お話のムードは嫌いじゃないんだよ。菊花の契りというか、六条御息所というか、相手を思うあまり生霊となって夢に登場するとかさ、ちょっとオカルティックで、閉塞感もあって、時代感がよく出ている。古い因習と血筋による差別とか、横溝正史テイストがする。まあキャラクターはかなりステロタイプではあるけれど。でもなあ。曲がりなりにも書店で流通させる商品だったら、しかも雑誌の採録だったら手直しする時間もあっただろうに、あまりにうかつなミスが多すぎて、どんなにストーリーが好みでも、執筆途中の推敲していない作品を読まされている気分。編集さんの力量の問題もあるけど、ラノベの場合は少年少女が読む前提だから、もっと言葉の使い方は吟味されている。萌えの勢いだけで書かれるBLは、これでも以前よりはマシになったとはいえ、時折こういう「書きっぱなし」な作品が流通している気がする。もうこの作家さんを読むことはないわ。そういえば、水壬さんも書き下ろしではやたら校正ミスだらけのノベルズを出すことがあるけど、重版かかると直っているんだろうか。まあ村上春樹の「1Q84」ですら校正ミスがあったから、完璧さは求めないけどさ、あまりに誰にでもわかる誤表記はほんと、泣きたくなるからやめてほしい。こういうのは手書きの時代やちゃんと校閲を通す余裕のある版元ではありえないんだろうなあ。ああまた年寄りの冷や水になってしまった。
2010.03.19
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『Missing You』うえだ真由初読み作家さん。残念ながら全然合わなかった。だって27歳×23歳くらいの組み合わせだけど、受が全然男に見えない。そして会話の内容も行動もショタにしか思えない。名前なんか優奈(ゆうな)だよ? BLって女名前の受が多くて、それだけで萎えるんだけど、今回はもう最強。ある意味どんな女子より女らしい名前。攻は克冶と書いて「よしはる」と読ませるんだけど、最初に一回ルビ付きで出てきただけなので、以後はずっと自分の頭のなかでは「かつじ」としか認識できなくて、敏腕弁護士・かつじと薄幸の美少女・優奈の昭和枯れススキな話みたいだと思った。ヒロイン(とあえて呼ぼう)は、幼い頃の事故で脚が悪いんだが、それを兄の同級生で「近所のやさしいおにいちゃん」の攻が、もう姫のように扱う。事故った原因の一端が自分にもあるというしろめたさもあるけど、もちろん下心もある(まあラブだ)。弁護士という公的な職業についていながら、人間をここまでスポイルしちゃうところがすごい。常識を逸したレディーファースト。だって、時間はかかるけど受はちゃんと一人で歩けるし、社会人として仕事もしているのに、朝晩の送迎はもちろんのこと、荷物は持ってやる、やれ疲れてないか、脚は大丈夫か、暑くないか寒くないかおなかすかないか、と「大丈夫か大丈夫か」とうざい母親のように世話をやく。別に始終人の手を借りなければいけないほどの障害には全然思えないのに。23にもなって、弱弱しい受は、別に内部障害があるわけでもないのに、残されたほうを鍛えようとか、体力つけようとか思わなかったんだろうか。一言「心臓も悪くてリハビリができなかった」とかあれば納得するんだけどな。歩行障害は補装具や靴、杖である程度矯正できるはずだけど、そういうリハビリ的なコトは一切考えない、道具を使わない前提で造形したキャラクターらしいので、子どもが考えた架空のひ弱な少女になっちゃってる。リハビリやっていれば、人ごみの中での対処とかも習うはずなのに。まあBLはさ、二人の愛が描かれていれば、周辺設定なんてどうでもいいのかもしれないけど、新聞生活欄レベルの常識すら消化しきれていないと、読者をバカにしていると私なんかは考える。兄もなあ。27歳って、やっと臨床研修終わったかどうかで、まだドクターですらない可能性もあるんだが、偉そうに医者をやっていた。整形外科医ならPTにリハビリメニューつくらせるとか、体力つけて右でかばうような方法くらい教えてやれ! お願いだから医師ものを書く作家さんたちはさ、最低管轄官庁のHPぐらい熟読してほしい。攻は、思いを振り切るために一度は受から離れて留学までしておきながら、戻ってきてからのかまいようが異常。私生活を盛大に犠牲にして、相手の気持ちも考えず姫扱い。あ、こいつ頭おかしいと思った。一生守ると決めた途端に自分を頼ってくるように敢えて自立性を奪っている。受が子どもじゃないのに子どもに見えるのはこのせいだ。このヒロインがもっと自発的にトレーニングしたり、自分の意思をはっきりもって行動する子だったら自分的にはよかったのにと思う。男の子(23だけど)らしさがどこにもみられなくて、一人称が「俺」なのがかえって浮いている。全然男女の話でオッケーなのよ。あと、隣のお兄ちゃんを「克治くん」と呼んで丁寧語で接するのも妙だ。「~くん」というのは目下の人への呼称じゃないの? ニックネームで短縮形の名前にくんやちゃんをつけるのはいいけど、ずっと「克治くん」なんだよね。4歳年上の弁護士に対して。これもすごく違和感があって受け入れられなかった。常軌を逸した過保護が普通の社会生活のなかにあると、そのうち犯罪のにおいがしてくるんだよ~気をつけないと。アメリカ行ってからの話なんて、そのうちこの攻、嫉妬で頭がおかしくなって束縛・軟禁するなとか思った。相手が女子でもここまで過保護にしないよな。なんでも自己責任の国で。「危険だから10時以降は外出するな」って子どものように扱っておいて「おいおい中学生かよ」と思ったら、ちゃんと危険な目に遭わせていて、でもこれすら自由を奪うんじゃなくて危険に対応すべく策を練るのが大人のリスクマネージメントだろうって。せめてこれが100年くらい前の話とかファンタジーだったらよかったのに。受の脚には魔女の呪いがかかっているとか、攻は実は受の父親とかの不条理因縁ものとかね。でないと、あまりにもつらいショタで女子なBLだった。あ、それとも、これぐらいの甘やかしはいまや普通なのだろうか。ゆとり世代以降の傾向?イラストも、23と27のカップルには見えなくて、高校生かせいぜい大学生のカップルに見える。あーなんで読んじゃったんだろう。あーきっといいところもたくさんあったと思うのに、合わなすぎるものを読みきってしまった自分に自己嫌悪。作者はベタ話を書きたかったとあとがきで告白していたけど、ベタベタいちゃいちゃと甘やかすのは全然違うと思う。この二人はベタベタじゃ全然ないもんな。ツンデレ歓迎の昨今では、昔の少女漫画に出てくる理想のボーイフレンドみたいなやさしいだけの攻は退屈だ。
2010.03.18
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今日は午前様になる予感なので、二日分投稿しておいて、後で日付をスプリットさせとく。楽天ブログって未来の日付に投稿できないのが不便。で、まずは朝、海外のニュースのチェックをしていて拾った健康・肥満ネタ3本。【3月9日 AFP】アルコール摂取量と肥満リスクは逆相関 赤ワイン、ビール、または蒸留酒を1日あたりグラス2杯飲む女性は、全く飲まない女性よりも体重が増えにくいとする研究結果が、8日の米内科学会誌「Archives of Internal Medicine」に掲載された。 米ボストンのブリガム婦人科病院の研究チームは、39歳以上の標準体重の女性1万9000人以上を対象に、アルコール飲料の1日あたりの摂取量を尋ね、その後13年にわたり体重を調べた。 摂取量について最も多かったのは「一滴も飲まない」で、全体の38%の7346人だった。次に多かったのは「ワイン約47.2ミリリットルとビール約113ミリリットルを飲む」で、全体の33%程度の6312人だった。 13年間の追跡調査の結果、体重が最も増えたのは「一滴も飲まない」グループで、体重が最も増えなかったのは「1日2杯飲んだ」グループだった。 調査対象となった赤ワイン、白ワイン、ビール、スピリッツのなかで、最も体重の増え幅が小さかったのは赤ワインだった。しかしほかの3つにも同様に、「アルコール摂取量と過体重.肥満リスク」の「逆相関」が見られた。 だが研究者らは、「アルコール摂取には医学的な問題および精神・社会的な問題が絡んでいる可能性があるため」、アルコール飲料を肥満対策ツールとして推奨することには慎重な態度を示している。(c)AFPアルコールも拡大解釈すれば肥満防止になるってか? すでに「ポリフェノールたっぷり」という大義名分で赤ワインをがぶがぶ飲んでいる自分は、これでまた飲み続ける理由を見つけたことになる(笑)。うちの食事係は赤ワインばかり飲んでいるけどやせてないねえ【3月10日 AFP】コカコーラなど炭酸飲料に「脂肪税」課税? 甘味飲料は、米全土で急増する肥満の大きな要因になっているとして、米ニューヨーク州当局者らがソフトドリンクへの「脂肪税」課税を呼び掛けている。 Richard Daines同州衛生局長は8日、「公衆衛生において肥満は今後数十年間にわたり最大の問題となり続ける」とし、肥満税を創出する「千載一遇のチャンス」だと呼び掛けた。 積極的な禁煙活動で知られるMichael Bloombergニューヨーク市長も7日、週に1度行っているラジオ演説で、脂肪税という考えを絶賛した。 脂肪税課税の呼び掛けに対し、ニューヨーク州の関係者はじめ複数の州が、食生活を改善し、景気後退で激減した税収を回復する機会と見て、同調を示している。(c)AFP/Sebastian Smith炭酸飲料税は、とっくにやっているのかと思った。以前、テキサス州だったか、太った人はレストランに入れない条例をつくった州があったけど、炭酸飲料(要は発泡砂糖水)こそ、高額消費税かけて貧困層は飲めないようにすればいいと思う。でないといつまでたっても、貧困と肥満は切り離せないものになる。水より安いから問題なんだけどね。【3月9日 AFP】第6の味覚は「脂(あぶら)味」? オーストラリアの研究者らがこれまでに知られている5つの味覚、「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」に加えて、第6の味覚「脂(あぶら)味」が存在する可能性があるとの論文を発表した。人間がポテトチップやチョコレートケーキなど脂質を多く含む食べ物を好む理由はここにあるのかもしれない。 オーストラリアのディーキン大学、アデレード大学、ニュージーランドのマッセイ大学、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の共同研究で、研究者らは30人の被験者に溶液に溶かした複数の脂肪酸の味を感じるか調べる実験を行った。その結果、味を感じる濃度に違いはあったものの、全員が「脂味」を感じることができた。 次に、被験者50人を対象に「脂味」に対する感度の違いを調べる実験を行ったところ、「脂味」を感じる敏感さは体重と関連していることが分かったという。この結果は肥満対策に活用できる可能性がある。 研究を主導したディーキン大のRussell Keast博士はAFPに対し、「脂の味に敏感な人は、微量でも脂肪の存在を認識するため、脂の味に鈍感な人よりも結果的に脂質の摂取量が少なくなる」と説明。脂の味に敏感な人はBMIが低いことも分かったという。「人びとが脂っこい食べ物を好むわけは、食べる行為を中止させる(体の)メカニズムと関連していると考えられる。人間の体は十分に食べ物を摂取したと感じれば、食べることを止める信号を出して知らせるようにできている。この感覚が鈍ければ、食べることを止めさせる信号は送られない」(キースト博士) 脂肪を含む食品は人びとのまわりにあふれ、大量に消費されている。このため、人びとが「脂の味」に鈍感になっていき、高カロリー食品の摂取量が増える可能性もあるとキースト博士は指摘する。 「脂味」が味覚と認められるには、口にある味覚細胞に受容体があることを証明する必要がある。今回の研究はそれには至っていないが、キースト博士は「脂味」の存在を支持する証拠は続々と見つかっているとしている。論文は英医学誌「British Journal of Nutrition」に掲載された。(c)AFP 五味につづく第6の味「脂味(あぶらみ)」って……。たしかにイベリコ豚とかある種のバターとか高品質のオリーブオイルとか、脂肪分自体が異様においしく感じることはある。でも名前までつけて認知しちゃうと、それだけ強調するような料理とかどんどん生まれそうで(いまでもたくさんあるのに)、おいしいものが止められない自分はでぶまっしぐらになりそうだ。でも脂味に敏感な人はやせているというのが……なあ。ほんの少しで満足するなら解せない。わしも中年になってメタボってきたので日々こうして腹筋しとるんじゃそしてニューヨーク市の公式コンドームのニュースも笑えたが、もう時間切れ。わざわざニュースにするほどものかと思ったけど、考えたらニューヨークって、公式○○とかつくるの好きだよね。確かおととしくらいのNY市公式フードは寿司だった(笑)。
2010.03.17
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『卒業式 ~祝辞~』水壬楓子先月読んだ「答辞」同様、これまたすいーっとランチタイムに読了。いろんなカップルが登場してお得といえばお得だけど、みんな短編~中編なので、どうしても小粒な印象。くっつくまでの一時期を切り取ってみせているので、大きな流れのなかでのドラマ性にはどうしたって欠ける。こういうのも面白いけど、水壬さんにはやはり長編を書いてほしい。で、出てくるカップルが多すぎて3組目あたりまでは識別できたけど、そのうち誰が誰やらわけがわからなくなる。卒業式ネタだけで引っ張りすぎだよ水壬さん!でも相変わらずさわやか系で、やることはやっているのに、妙に潔癖でまじめな高校生やら養護教諭やらがでてくる。で、途中で、あ、シリーズの真の主役は実は高校であり、卒業式そのもで、入れ物は変わらなくて、中身だけがどんどん入れ替わる話なんだと気づく。前の巻(答辞)の最初のカップルが、この高校のほも伝説を確立した二人で、以後、いろんな男カップルがうたかたのように現れては消えていく(笑)。今回の最初のカップルはもと同級生で、現在は受が保健室の先生で攻は県職員という地味で堅実な二人なんだが、なんと5年くらい会っていなかったのに、突然「家も買ってあるからいつでも嫁に来い」的なアプローチでドン引いた。なんだこの唐突さ。若気の至りを引きずり続けるにもほどがある。でもおもしろい(笑)。先生になっちゃった「となりのおにいちゃん」が好きすぎる高校生編は、学校ではごくまじめな普通の生徒なのに、お兄ちゃんの前でだけ駄々っ子になるというBLにありがちなドリームで、男が男にべたべたとショタっぽく甘えるのは勘弁してほしい。今時の女子はあえておばかな振りをする子はいるけど、すべて駆け引きだからこんなふうには甘えないよな。男同士の場合打算なんてないから、本能だけで甘えられるんだろうか。こういうのが出てくると、いつも生温かい気分になってしまう。このカップルだけが自分的にはNGだった。あとは7年後とかに再び高校を訪れる伝説のカップルとか、結構大人になって落ち着いちゃうカップルとか。卒業式にいろんな思いを仮託して、高校も大学も卒業式自体あんまり覚えていない自分には、みんなメモリアルメイキングがうまいなあと関心する。あ~でも高校生はもういいや。
2010.03.16
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『娚の一生(3)』西炯子えええ~っ、もう完結? 早すぎるよ西さん! しばらくぶりにBL以外で萌える作品に出会えたと思ったのに、終わっちゃっうなんて。あの50代枯れたえろ教授がどんどんいい男に見えてきたところだったのに(笑)。なんか、すべてのアラサーアラフォー、負け犬女子の気持ちを代弁してくれるようなお話だった。もう泣けて泣けて困った。そして教授の京都弁がはんなりしていてえろくて胸を恋の矢で貫かれた(笑)。あ~あ私にもこういうもののわかったくたびれたおっさんが現れて、どこかへさらって行ってくれないかしら(爆)。強引にプロポーズしたものの(公式の場で妻だと紹介しちゃったのに)未だ煮え切らないヒロインのために、中年のおっさんが密林で「ゼクシィ」を買っちゃうところに激しく萌えた(笑)。そして35歳にふさわしい、あんまりひらひらしてないウエディングドレスまで! こんなことされたら私だったら即嫁に行くぞ(笑)。ドレスの入った薄いギフトボックスを「まな板の入った箱」と勘違いする時点で、ヒロインの「女」の部分がどれだけ磨り減っているかはわかるけど(私もきっとそうだ)、でも昔の男には未練がある。なんだよこの展開!おもしろすぎるじゃないか。まな板をプレゼントする男性なんているのかよ!要するに彼女は頭がよすぎて、仕事が出来すぎて、まじめすぎるから、恋愛に対して自由になれない。自分で自分をぎっちぎちに縛っているんだよね。うーんなんで彼女の気持ちがこんなにわかるんだ、自分。でもそこにダークホース登場!いまだに思いを振り切れないかつての不倫相手。振り回され傷つけられ、その挙句田舎に蟄居する原因となった相手が、妻と離婚して迎えにきちゃう。かぼちゃの馬車に乗って(魔法処理済)。こんな直接話法は西さんしか描けないよなあ。もう笑った笑った。大笑い。かなり強引なプロポーズと命の危機をも救ってくれたかつての男は、結局最後まで顔が描かれないので、もう彼女にとってこいつはどうでもいい存在なんだとわかるんだけどね。もう深い台詞の応酬でわが身のことを言われているのかとおもった。彼女が手がけようとしている地域活性化プロジェクト(地熱発電)は案の定、頓挫しそうになる。インフラ整備だから何百億もかかるし、行政も商工会も全面協力しないといけないのに、なかなか進まない。でもここで「そんなの想定の範囲内」と平然としているヒロインを見て、ああ、このタイトルの「娚」というのは、彼女のことなんだなとやっと気づく。どこにでもいる保守派のおやじや親戚の叔父たちに「家をもつような女は結局男だよ」とか言われ、あれほど「早く結婚しろ」とか言ってたくせに、相手がヒロインの祖母と因縁のある(プラトニックだと私は思っているけど)大学教授だと知ると、途端に「結婚しなくてもいいんじゃないか?」とかいっちゃう。いるいる、こういうの。私の周りのシングルウーマンにも、いきそびれてアラフォーになった途端、親は将来、自分たちの介護要員にすればいいとひらめいたらしく「結婚しなくていいぞ」と言われている子とかいるからなー。大人の都合で自分の将来をつぶすなよって怒り心頭だ。仕事が仕事だから、地元の実力者とか百戦錬磨の狸オヤジを説得しなくちゃならない。すると「結婚してない人間は信用できない」とか言われる。でも彼女はそんな古い考えには屈しない。そのうち、相手も狸だからなんとか懐柔or脅迫しようと、彼女のプロフィールを調べ上げ、その実績を知るや「結婚してない人間にも立派な人はおる」とか言っちゃう。あほすぎて話にならない。ビジネスというのは、そういうレベルで進めちゃいけないのに、田舎にいくと避けて通れなかったりするんだな。結局この狸オヤジを屈服させるのは、教授だったりするんだよね。もう教授のポイント高すぎ!そして、2巻の最初のほうまでは超強力ライバルだった完璧な秘書の西園寺さんが、ヒロインの欠点をズバリ指摘する。きゃーすてき!こういうこと言ってくれる人とは友達になれるぞ。そしてまさかの天災によるクライマックス! かぼちゃの馬車との別れ。ヒロインの最後の台詞でぶわあーっと涙が出た。こんなかっこいいこと言ってみたい。いや自分の場合は口に出していえる数字じゃなくなっているけどな。トーストとか、彼女が育てている野菜の下ごしらえとか、庭で七輪で焼く秋刀魚とか、普通のお惣菜がとってもとってもおいしそう。ちゃんと生活している人間は信用できる(どんなバイアスだよ)。そんなわけで私も今日は、うどと根みつばのぬた、小松菜としめじと蓮根と焼豆腐のオイスターソース炒めとかつくっちゃったよ。あ、あと冬キャベツの硬いところと塩こんぶで塩もみした浅漬けも。こんなに料理が好きなのに(まあ滅多にしないけど)、欲しいのは嫁さんだというのはどういうわけだろうか。あ、料理以外の生活能力がないからか。
2010.03.15
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昨日は、三越で岩合さんのねこ展をTちゃんと一緒に観て、その後我が家でデパ地下惣菜食べながら、HDに録っておいたアカデミー賞を一緒に観るというガールズトークナイトだった。彼女とは先週一緒に古代イタリアンの宴に行ったので、高級イタリアン食材を売っている新館地下で、あの時おいしかったスペルト小麦もみつけて、シェアして買うことに。見た目はなんか鳥のエサのようだなあ。お豆もイタリア産のが瓶入りで売っていたけど、豆料理ってしたことがないので、とりあえずTちゃんに先に作ってもらうことにして、古代小麦だけ買ってみる。そうそう、100万円とかするものもあると知って驚いた年代モノのバルサミコ酢、さすが三越、ちゃんとアチェートバルサミコトラディショナーレを売っていた。箱入り100MLで25年ものが25000円くらい。100万円のを見せられた後では「意外に安い」とか思った(笑)。12年ものだと1万くらいだったので、買うべきかどうか悩む・・・なーっ!! 1000円くらいのを煮詰めて使えー!どうせ味の違いなんてわかんないんだからな(自戒)。おおお楽天でも買える! これは50年もの52,500円也。一舐め1000円くらいか?アイスクリームにかけて食べたいほどのバルサミコ好きではないけど、こないだ食べた生ハム+バルサミコは絶品だった。昨日はたまたまイタリア人のおにいちゃんがパルマ産のプロシュートをスライスして売っていて、2パック買うとフォカッチャをおまけにくれるというのでそれも買い込む。あとはサラダとかチーズとかいろいろ。フォカッチャを小さく切って、ちょっと高級なエキストラバージンをつけて食べると、なんか身悶えるほどおいしい。フォカッチャ自体、大量のオリーブオイルを使って焼いているような気がするので、さらに油をつけて食べるって、なんてハイカロリーなんだろう。地中海諸国の女性たちが、中年になると一気に肥満になる理由がここにあるのかもしれない。男の気を引く必要がなくなると(結婚しちゃうと)、すぐにマンマになっちゃうのかも。私はマンマじゃないから、食べすぎには気をつけよう。でも年に1、2度なら神様もゆるしてくれるかも。というわけで、油食だった昨日を反省して、今日は和食の日。
2010.03.14
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『枯れない花』京山あつきぶちゃな野球部員BLの完結巻。野球まんがって全然興味がなかったのに。なにしろ細かいルールもよく知らないし、あのユニフォームがかっこいいと思ったことが一度もない。私が学生の頃は部員は問答無用で丸刈りだったし、根性と忠誠と服従という軍隊並の体育会系ノリは、もっとも自分と相性の悪いジャンルなので、これまで読んで面白かったスポコンものは「エースをねらえ!」くらいなんだよね。しかし京山さんのこのシリーズは「BL」ジャンルだからして四の五の言わずに読む。なにしろ京山作品大好きだし。そういや、前作もテニスボーイだったから、スポーツBL(というジャンルがあるかどうかは知らない)の第一人者なのかもしれない(笑)。さて、ストーリーは、どこを切っても平凡な(レギュラーになれない)野球好き少年が、先輩に憧れ、それが恋心に変わっていくお話。普通だったらここから道を踏みはずして禁断の恋に溺れるところを、このぶちゃくん(だんだんかわいく思えてくるから不思議)は、道を踏み外すことなくちゃんと野球にまい進しながら成長もしちゃう。このピュアピュアさ加減が、本来ならそんなにえろくないシーンを余計えろえろなものに修飾する効果があるよね。なにしろこの後輩くんは、何事も分相応で高望みなんてしない。野球に対してストイックなところがおかあさん年齢の自分にはキュンキュンくる。あこがれの先輩のようになりたくて一生懸命練習するけど、結局一度もレギュラーになれず、練習試合でのたった一度の登板のチャンスも、緊張しちゃって力をだしきれなかったという、だれもが経験済みの甘酸っぱい失敗とか、悔しさがすっごく伝わってくる。そばに行って慰めてやりたいほど(笑)。もう京山さんてばうますぎる。この作家さんは、まじめな野球少年とか、まじめであるべき小学校教師とかを容易にファンタジーなBLにしちゃう掟破りの作品が多いので、これからもこのジャンルで(笑)楽しい作品をたくさん描いてほしい。
2010.03.14
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なんか、設定してあるブログテーマが最近、BLとマンガと食とピアノ(か映画)とその他の5種類でフィックスしちゃったなあ。ぴったりフィットするテーマを探すのが面倒くさいというのもあるけど、要はこのパターンに分類されちゃうほど自分の人生は単純なんだな。で、しばらくピアノについて書いていなかったので、練習しなくちゃという自戒も込めてダラダラと。今年はショパンとシューマンの生誕200年なんである。ショパンはあちこちで生誕記念コンサートが開催されるけど、シューマンの無視のされ具合はどうなの?確かに華々しい人生じゃなかった。ライン川だったかに入水自殺(未遂)したり、最後は精神を病んでそうテの病院で死んじゃったはずだ。ヴィーク家(クララの実家)の大反対に遭いながら恋女房のクララを手に入れたものの、もしかしたら彼女のほうが才能あったんじゃないかという嫉妬に一生さいなまれていた(これは私の妄想)。晩年はロベルト自身は知っていたかどうかは不明だけど、弟子のブラームスがクララに岡惚れしてた。そしてなにより、詩人であり評論家であり作曲家という背反する創作活動にのめりこんでいて、絶対精神的にはマゾだったと思う(笑)。シューマンの歌曲はことによっちゃシューベルトのそれより私は好きだし、ピアノ曲だってショパンの曲より好きだ。好きなのに弾きにくくて身悶える。マゾっ気を刺激するんである。シンフォニーも室内楽も、珍しい管楽器のための小品も(演奏してみたくてクラリネットに手を出したことがあった)、ほとんど全部が好きなのに、世間一般の評価が低いのはなぜ? とっちらかってるから? 主題が壮大で単品で弾いても意味がないから? 確かに謝肉祭とかノヴェレッテンとか、リートのシリーズは、全曲演奏しないと意味がないから、演奏される機会自体が少ないだろうし、30分以上かかる曲を悠長に聴いていられる時代ではないのかもしれない。でもさ、背後の意味を探っていったらそれだけで、弾かなくても一生遊べるほどの中身がつまっているんだけどな。あ、時間切れだ。今日はこれから岩合光昭さんのねこ展を観に行くんだよ~。 ポスターくらいならいいよね。隣は最近はまっているダンボールでつくる3D動物シリーズのねこ。帰ってきた。すごい人だった。さてレッスンのほうは今年に入って、平均律は18番。4声フーガで1箇所、たった1小節半が弾きにくくてあがらない。テナーに出てくるテーマを左手右手のリレーでとるところがムズい。しかもここだけ調性が革新的(笑)でついてけない。久々に先生に指番号まで書かれてしまう。恥ずかしい・・・。何度も練習していたら、グールドの数少ない発表曲、So you want to write a Fuge? がよく似ていることに気がついた。マズルカは38番。これだけだと飽きちゃうのでシベリウスをもっていった。全然音楽的な語法が違うので簡単なはずなのにてこずる。樅の木が寒々しくて好きだ。あと家では最近やたらショパンの1番のコンチェルトを弾いている。1、2楽章はなんとなく形になるんだけど、問題は終楽章だ。弾ける気がしない。
2010.03.13
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先週の金曜は、携帯を家に置き忘れて、外出仕事に出かけた。久しぶりに池袋のサンシャインまででかけ、シュミ分野ではこのあたりは腐の聖地なんだよな~(一度も足を運んだことがないけど)とつぶやきながら、眞逆のお堅い医療系団体主催の展示会に向かう。ビッグサイトでやるHCRなんかと比べると小さな展示会だったので、あっという間に顔見知りにつかまる。あちゃこちゃ紹介してくれるのはありがたいけど、クライアントの記事用の写真も撮らなくちゃならないのに、なんか全然予定通りに進まないじゃないかっ!でも5時前には一通り役目を果たして、石の大根になりかかった足を休めるべく入り口付近のカフェに行ったら、「タイムサービス ビール300円!」の看板が。一人だからいいよね、と明るいうちに禁断のアルコールをば飲んでしまう。昼はカフェ、夜はバールの店だったので、つまみにトリッパなんか食べながら、最近、サボっているBLなんか読んじゃったりして。ああ幸せ(爆)。わずかグラス1杯(300cc)のビールなのに、昼から飲んでいるという後ろめたさであっという間に足をとられるほど回ってしまう。多分まだ交感神経全開なので、血液のめぐりも異常によくなっているからだな。顔に出ないタチので分からないらしいけど、酔っている自覚はあるんだよ。そんなこと言っておきながら、翌日は例の晩餐会で、もうどれくらい飲んだのか覚えていない。赤ワイン4杯、白ワイン3杯までは覚えているけど、なにしろビュッフェスタイルだったから、立ったり座ったりするうちに血中アルコール濃度がガンガン上がってくるのがわかった。血圧も下がってくるとすぐわかるので、私の血管内センサーはどうやら敏感らしい。でも大人だから、絶対人前では乱れないと30歳ころに誓った。それまではいっぱい怪しい行動もしたから、酔っ払って醜態をさらすことだけはすまいと帰りに一緒に行ったTちゃんとカフェで酔いを醒まし、まだ電車があったので珍しくタクシーに乗らずに帰ってきた。今月あとまだ3回、宴会予定が入っているし、エンゲル係数? なあにそれ? ってな日々なので、ほかで節約するしかないのだよ。来週末の飲み会なんて、いつの間にかメンバーに入れられて、メールで一言「君は強制参加だからよろしく」とか書かれているし。せめてスケジュールを確認してからにしてほしい。月曜は佐伯チズさんのセミナーの取材だった。テレビでさんざんご主人のことや自分のこれまでのキャリアの浮沈について語っていて、あらかた知っている気になっていたけど、この人のトークは面白い! 綾戸智恵さんに通じるMCのうまさがある。やっぱり人を愉しませるおばちゃんは最強だ。彼女のサロンは、物販しない、機械を使わないことで有名だけど、当然数がさばけるわけはなく、私はエステは行かない人なんだが、エステ好きの友人は行きたいけど3カ月待ちだとか言っていたな。フェイシャル一回31500円かあ。整体に3回行けるな(笑)。会場となったホテルのランチがひどいもんで、こんなものホテルで出すな~って怒り心頭。写真載せたらわかっちゃかな? シティホテルを標榜しておきながら、庶民的すぎて私の中では格落ちのホテルなんだが、ホテルとしてのプライドを捨てちゃだめだと思うよ、赤坂のPホテル!
2010.03.12
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『つづきはまた明日(2)』紺野キタほぼ1年ぶりに出たのかな? これ、楽しみにしてたんだよね~。自分が透明な存在になって、ご近所の二組の家庭とその周辺の人たちを俯瞰で覗き見している気分になる。ファミリーまんがは、吉田秋生さんの鎌倉四姉妹も面白いけど、こっちは小さなこどもと大人の組み合わせで、心の変化というより毎日の生活のどたばたを描いているだけなんだけど、ひたすら面白い。何気ない日常点景なんだけど、心があったかいゼリーで満たされていくような感覚を覚える。かわいい服を着せられているかわいくない子どものやるせないプライドとか、誰もが通る肉食への嫌悪感とか(この発症時期を誤ると拒食症になるような気がする)、書きにくいテーマをよく書くなあとまたもや紺野さんのうまさに舌を巻く。親だけが自分の子をひたすらかわいいと思って飾り立てるけど、学校では「ブース」と苛められちゃう子どもって、長じてどんなトラウマを背負っちゃうんだろう。女の子の自我の目覚めって本当に早いから、自分がどう見られているか、着ているものと容姿がちぐはぐだとか、敏感に悟っちゃうよね。迷子になったりして人目もはばからず大泣きするのは大抵坊ちゃんで、嬢ちゃんは泣きたくてもそれが「みっともないこと」と思っているから我慢する(笑)。相変わらず生活能力皆無なリカコおばちゃんとか、仕事命みたいなお父さんが一生懸命子育てしているところとか、小学校からの連絡網で子どもの送迎が必要になって仕事とのやりくりができずにあわてちゃうとか、よくあることが私には普通ではないのでいちいち新鮮。今、会社でスケジュール管理をしてくれている女性が、まさに共働きで時短で働いていて、2歳児の息子がしょっちゅう熱を出したりして保育園から電話がかかってくる。仕事も忙しいから時短で帰れたためしがなく、保育園の延長料金で家計は赤字だとぼやいていた。子どもの自慢じゃなくて、子育ての苦労話は、私は結局経験できなかったから、話を聴くと面白い。先週、来期の計画を話し合っている会議の席で、新規プロジェクト発信でますます忙しくなると危機感を抱いた彼女が、上層部に直接「私、今年妊娠する予定ですから。その先のことちゃんと考えてくださいね!」と高らかに宣言して、男性陣はビビっていた。産休育休で1年とか休まれたら、うちの部署は立ち行かなくなる(笑)。閑話休題。子どもがピュアに描かれすぎている点や大人がみんな善人なところはうそくさいけど、あ、でもこれは童話なのね、と思うことにする。もう子どもたちがひたすらかわいい。そして完璧じゃない大人たちがたくさんでてきて安心する。きょうだいがいるって、子どもがいるっていいなあと、こういう作品を読むと思う。あ、あとあのマニッシュな書道の先生が気になる。この作品はファミリードラマに擬態した百合になっていくのかも(笑)。
2010.03.12
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『グーグーだって猫である(5)』大島弓子3巻までは発売直後に買って読んでいたのに、4巻以降はもう発売されたことすらあとで知るという状態。大島さん、今世紀にはいってほぼ、この毎月4ページの猫エッセイマンガしか書いていないのに、映画化効果やマンガ賞受賞効果もあって累計70万と帯に入っていて、大判のほうの印税が1冊100円換算としてざっと7000万かあ……と瞬時に計算してしまったじゃないか。そのほかに微々たるものでも毎月の原稿料もあるだろうし、旅行も贅沢もしない大島さんなら、医療費と猫の養育費だけで、一軒家ももう払い終わっているんだろうから、寿命が尽きるまで何もしないで暮らせるんじゃ?とか思ってしまった。いやマジで。24年組の文脈で語られる人のなかで、現役といえるのは萩尾さんくらいで、大島さんはもう7年以上、このエッセイまんがを淡々と現在も書き続けているけど、とっくにご隠居の絵日記のようになっていて、しかも内容が次第に狭量な年寄りみたいになってきた。人が老いていく過程のなかで物理的な老いより精神構造の老いのほうが見ていてつらいので、あまり刺激のなさそうな生活していると認知症になるのになあ、大丈夫かなあと心配してみる。それとも、もともと持っていた資質を、作品のなかで表現するようになっただけなのかな。猫しか見えていない大島さんを見ていると、もうこれは無理かもと思ったりもする。あと、今回ものらちゃん(社会猫)を救いきれずに死んでしまうシーンがあったけど、こういうシーンが悲しくて読めなくなってきた。「グーグー」だったかサヴァシリーズだったかに、テレビで見る動物生態ドキュメンタリーが悲しくて見られない、というようなことを書いていたけど、その気持ちが今ならわかる。弱肉強食で食物連鎖の下位にある動物が捕獲されるシーンは思わず目をそむけてしまうし、想像するだけで涙が止まらなくなる。必死で捕獲しようとして不慮の事故にあったり、何日も狩りが出来ずに飢えていく動物も同様。まだ魚や昆虫には愛情が移らないけど、哺乳類や鳥類は本当にもう、どんなドキュメンタリーも見られなくなっている。別に大島さんのように、すべての動物が家の飼い猫とシンクロするわけではないんだけど、命あるものが、本来平穏無事な一生なら与えられたであろう寿命を全うせずに死んでいくシーンは、どんなに迫力のある名シーンであろうと、もう見られないんだよなあ。以前はそんなことなかったから、それだけ年をとったからなのか、自分が猫という動物と暮らし始めたからなのかはわからない。というわけで、5巻の内容は2004年時点の話で、もう大島さんは可能なら世界中の野良猫や保護動物の世話をしたいほどの猫おばさんになっている。野良猫にえさをあげていることを、市役所職員にとがめられたときの驚きの反応が、もはや常識人を逸脱している。世の中には子どもや小動物なんて全然可愛いと思えない人たちだっているんだよ。ご近所の猫嫌いの奥様が大島さんに子どもを生んだ野良猫の捕獲を依頼するときも、なんだか悪いのは猫嫌いの人だという雰囲気がただよっていて、大島さん、動物愛護派とそうじゃない人たちの心理とか、余計なことを一切書かないだけに微妙な気分になった。たまには人に会ったりもしているようだけど、ここまで動物保護にのめりこむのはちょっと怖い。私の場合はよそ様の猫も可愛いとは思うけど、外で出会う猫まで世話しようと思ったことはないし、第一捨て猫とか見つけたためしがないからなあ。好きな人はなぜか捨て猫を見つけてしまう運命にあるらしいけど、今飼っている黒い子が親に見捨てられて死に掛かっていたのを助けて以来、そういう状況に陥ったことはなあいからなあ。基本、バーチャルの世界ではっちゃんブログを見てにやにやしているのがせいぜいだ。大島さん、犬まで飼ってた時期もあったようだけど、大手術をして免疫が弱っている還暦ちかい人間が、14匹の猫の世話をしながら毎日犬の散歩なんて、元来インドアな体力しか持ち合わせていない身には無理だって思わなかったのかな。2匹の猫の世話だけでも精一杯な自分は、尊敬もするけどあきれもした。もうかなり行くところまで行っちゃってる猫好きになったように思えてならない。
2010.03.11
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やっとメインにたどり着いた。ハァハァSecondi Piattiは3品。そしてすでにおなかいっぱい・・・。でも食べる。【ルネサンス期】素材はどれおおなじみのものだけど、さすが、大人数でないとつくれないレシピで、演出もなかなかすばらしい。 コジモ一世スズキのミント風味(左)、スズキの塩釜風味コジモ・ディ・メディチはカテリーナ・スフォルツァの息子だったかな。ウフツィのパトロンとして記憶している。白身魚にミントかあ。なんか不思議な味。おそらくもう胡椒は伝来していたと思うけど、肉には使っても魚には使っていなかったんだろうか。で、代わりのにおい消しにミント。塩釜焼きは見事だった。普通の塩釜は塩と卵白を合わせてつくるので、カチカチになっちゃうんだけど、なんかホロホロと崩れるほど目が粗い。蜂蜜と卵黄も使っているとか言ってたな。なんか塩も食べたらおいしそうだ。乾燥避けの青菜の下には、60センチはあろうかという大降りのスズキが。香草をほとんど使わないのに、いいかおり。シェフが丁寧に身をほぐして、エキストラバージンをたっぷりかけまわしてくれた。何の小細工もしていないのに、もう身の中央までしっかり味が滲みこんでいておいしいのなんの。塩釜焼きは茅場町にあったリストランテでよく食べたけど、小ぶりな魚だとしょっぱくなりすぎるんだよね。やはりこのくらい大きくなくちゃ。この当時、王侯貴族の食卓では詰め物料理が流行ったそうで、豚の中にホロホロチョウ、その中にウサギ、ニワトリ、さらにハト、ウズラ……と、まるでマトリョーシカのように入れ子にした料理まであったという。すごいなー手品のようだったろうな。子羊もも肉のロースト ルネサンス風 美食家のソースお肉は子羊一匹丸ごとつかったグリル。おおお~薔薇色のスライスはほとんどローストビーフのようではないか!うつくしー。ソースが不思議なもので、ゆで卵やハーブやアーモンド粉やなにやら、10種類くらいの素材をみじん切りにして和えたもので、ソースというより卯の花とか白和えに近い形状。これをスプーンでお肉にかけていただく。お肉は霜降り牛肉というわけにはいかなかったが、子羊大好きだから堪能した。そして美食家のソースを「おいしい」と感じられてよかった~と思った庶民なのだった。次、ドルチェいきます。これでラスト。ゼイゼイ実はデザートの頃はもう相当酔っ払いだったので、せっかくシェフが解説してくれたのに、レシピも素材も覚えてないよ~。味はしっかり覚えているけど。どどどどれがどれ? 推測しよう。 【中世】カンタレッレ イチジクのソース(左)、【ルネサンス期】クレーマコッタ白っぽいスライス状のがイチジクソース。ミルクプリンに似ているけど、お豆腐とお麩の食感だった。でもカンタレッレを調べると「きのこ」と出てくる。ど、どこが?3つ並んだ円形状のものは、クリームとチーズを加熱圧縮して固めて蜂蜜をかけたもの。これがクレーマコッタだな。【中世】ズッパ・イングレーゼ真っ赤なドーム型のは、フランボワーズでもダークチェリーでもなく、なんとかいう虫の幼虫の色素からつくったリキュールだと言っていたような。色がほんどうにどぎついマゼンダで、最初食べ物とは思えなかった。でもシェフはどうしてもこのリキュールをを使いたくて、どうやらイリーガルな方法でその元となるものを日本に持ち込んで自分でつくっちゃったらしい(酔っ払って聞いたので嘘かもしれない)。あとで正式な解説が出たら、もう一度書き直そう。しっとりしていて、でもこれまで食べたことのあるどんなスイーツとも違う不思議な味がした。全体にドルチェは現在のもののほうがはるかにおいしさも多彩で見た目も華やか。だけど、600年くらい前からイタリアの王侯貴族はドルチェまで楽しんでいた事実に、西洋の食文化の多彩さがうかがえる。日本だって将軍や朝廷で食べていた料理はあったろうけど、ちゃんと現在に伝わっているんだろうか? もともと食事のほうに砂糖を使う日本料理では、デザートは水菓子程度で、ヨーロッパの食は料理にほとんど砂糖を使わないので、最後にがっつり甘いものを食べる習慣が定着したらしい。さてこの赤い物体の元、リキュールを自分でつくるシェフというのも珍しいが(蒸留酒は密造になるんじゃなかったっけ?)、考えたらイタリアンのシェフって、素材から自分でつくるひとが多い。ハム、ベーコン、ソーセージの肉系は当然のこと、自家製アンチョビ、自家製カラスミ、ドライトマトやらドライポルチーニやら。乾物使うところとか、どことなく中華料理と似たところがある。ちなみにちゃんとしたイタリア料理が日本で普及したのはバブル期の80年代後半からで、それ以前はアメリカ経由のピザパイやケチャップ料理がほとんどだったと谷本シェフ。なあるほど、パイね。だから手でつまんで食べるのか(ああいうデリバリーのようなビザはイタリアでは見たことない)。バターをほとんど使わない、軽く仕上がった料理は、フレンチよりは自分は好きだったりするけど、あの国民気質は例によって努力からは程遠く、100年に一回出てくるかどうかの天才をひたすら寝て待つので、いつの間にかいろいろ教えてもらっていたはずのフランスに抜かれちゃったのね。中国と日本の文化史のようだわ。でも今回、ペレグリーノ・アルトゥージという19世紀にイタリア料理の基礎を築いた人物を初めて知った。またひとつおりこうになった(笑)。そうそう、メディチ家のおかかえ料理人、スカッピの話を聞いているうちに、「宮廷料理人ヴァテール」を思い出したんだった! あの映画はすばらしかった。チャングムのブルボン王朝編(笑)。あ、ヴァロア朝だったかも。冷蔵庫のない時代に、大人数の大晩餐会を取り仕切った天才料理人の話。また観たいなあ。ともかくもセッティングしてくださった協会の方々、谷本シェフとスタッフのみなさん、ごちそうさま~!Cooked by 谷本英雄氏 アルトゥージ司厨士協会日本支部長 イタリア政府司厨士協会・名誉賞受賞 Pasterante Ginza Nonnino オーナーシェフ
2010.03.10
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夢の晩餐プリモピアット編。さくさくいくぞ。Primi Piatti(なるほど、どっちも複数形にするのか!序数は単数形のままかと思った)1皿目はパスタ尽くし。パスタ自体が中世以降アラビアからもたらされたもので、しかもわれわれがスパゲッティと読んでいるロングパスタを食べ始めたのはごく近代以降で、現在でも地域によってはロングパスタは常食じゃないという。そして、小麦粉を練って茹でたものは全部パスタなので、場合によってはデザートだってパスタなんだって! ひええ~知らんかった。【中世】タリオリーニ スズキとダイストマトのタイム風味きしめん状の細いタリオリーニにスズキを組み合わせた、想像の範囲内のパスタ。本来は中世はまだトマトがなかったようだけど、われわれの胃袋を慮ってのことかも。生パスタなのでアルデンテというよりはもっちりしていた。これは家で再現可能かな。【中世】ペンネ 生ハムとサラミのフリット バルサミコ風味これおもしろ~い。初めて食べる形状と味! なんつうかイタリアの佃煮? 保存食みたいなものかな? 見た目は遠目だとイナゴの佃煮みたいだけど(笑)。味はガルムとバルサミコの味付けで甘辛しょっぱい。そしてペンネは揚げてあるので外側は固めでもっちりで、中までしっかり味が滲みていてうまい~! 家でつくりたい~! 【ルネサンス】メディチ家のクレスペッレのリコッタとほうれん草うわわわああん可愛い! これって巾着! 散らし寿司を錦糸玉子でこんな風につくったものを子どもの頃食べていたぞ。料理のアイデアは時空を超える(笑)。これが教皇をも意のままに操ったメディチ家のメニューなのね。クレープ(クレスペッレ)の中はリコッタチーズとほうれん草。やさしい味だなあ~これは家でつくれる。【?】フェットチーネ コン シブレット ボンゴレビアンコ4つめのパスタは、谷本シェフが「まだ食べられる? 余裕ある?」と全員に尋ね、全員が「YES!」と回答したら出てきた、メニューにはなかった番外パスタ。名前も聞いたけど忘れちゃって、グリーン色のフェトチーネがほうれん草やバジルのグリーンではなくシブレットだということだけ覚えていたので、あとはあさりのビアンコだったから適当につけた名前。これは現在われわれが食べているパスタにいちばん近い。
2010.03.09
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『甘い運命』高遠琉加気がついたら毎月高遠さんの新刊(再販含む)を読んでいる。幸せすぎる。今回のは「愛と混迷のレストラン」の脇を固めていた無口で長身のパティシェ、一のお話。通常、ほもの連鎖にはあんまり興味がないんだけど、やっぱりうまいよなあ。3巻完結みたいな長編ではないけれど、ルビーとは明らかに違うカラー。同じ作家さんとは思えないほど。毎度のことだけど、鼻の奥がツーンとしてくる波が都合4回ほど襲ってきた。禁じ手の子どもを登場させたり、親子間の断絶があったり、なにしろどっちもノンケな二人だったりと、これでどうやって恋愛に持ち込むんだ?と思ったら、一般的な恋愛でもなかった。一の行動原理、ものの考え方の因って立つところを、幼い頃の母親との関係にもってくるのはかなりリスキーなことだと思うのに、当時の様子は少ない枚数でサラッと書いてみせて、でも一が周囲にも自分にも期待しない、関心のない子どもになっている理由をちゃんと説明している。お菓子作りが特に好きなわけじゃないのに、「家族」の喜ぶ顔が見たいからお菓子をつくるとか、なんかデジャヴュって、なんだったろうと記憶の糸を手繰ってみたら、木原さんの「コールド」シリーズだった。社会に対して閉じている登場人物って、木原さんの専売特許じゃなかったのか(笑)。そういや一の生い立ちはいかにも木原作品に出てくる登場人物のようにも思える。体格に恵まれた一が破壊行動のほうへ走っていないところとか(一回走っちゃってそれが彼の人生に影を落としているんだけど、それは善悪を超えて「やむにやまれぬ行為」だったのも説得力があった)、当然正当防衛になるところを全部自分でかぶっちゃうところとか、母をあんなにしたのは自分だという(間違った)負い目があるから、悲しい思いをする女性をこれ以上増やしたくないという思いなのはわかるけど、18歳にして出来すぎの精神構造だ。この家族は、心弱い母親と、自分の妻が壊れていくのに気づかなかった父親が悪いよな。とにかく、生きていることに価値を見出さないで生きている不思議な青年そだった一に対して、一方的に絡んでくるのが高校時代の生物教師。なんでこんなにかまうのかが理解不能だったけど、その後、一挙に肉親を失った空虚感を、行き場のないかつての教え子で埋めて、ついでに一緒に子育てしようとしたんだな(笑)。ちゃっかりさんなんだよな、この先生。天然でお人よしだし。教師がこんなに日和見でいいのかと思わせておいて、実は日和見自体が大いなる武装だという(笑)。で、高遠さんらしいと思ったのは、子どもと暮らしているうちは、大人二人には物理的にはなにもなくて、最初の涙の決壊ポイントだった「姪との別れ」というエピソードを挟んで、やっと一は自分の気持ちを自覚する。子どもが登場して、でも男同士いちゃいちゃもするBLにはいまだに抵抗のある自分には、ストイックな二人バンザイ!と思うけど、考えたらこの作品、BLである必要は全然なくて、ラノベでも一向に構わないと思うんだけど。だって、一と先生は、お互い心のスキマを埋める相手であることに気がついてくっついたように見えるし、それは愛だの恋だの妄執だのという恋愛至上主義なBLとは全然違う感情なんだよな。子どもが戻ってきたらいつでもまた、彼女を中心に回る家庭になりそうだもの。一のようなキャラクタは、木原さんがうまく使いこなすけど、両者が根本的に違うのは、木原さんは「相手のためなら死んでもいい」的な究極の愛だけど、高遠さんのこの作品は、「相手がいるから自分は生きられる」的な、どっちかというと自分探しの延長みたいで、ゆえにビルドゥングロマンスに近いと思うんだ。一が「自分は必要のない人間」だと思うのは、根本的に「誰かに必要とされていたい」ことの裏返しなんだけど、あまりそんなふうに思ったことのない自分は、過剰なほどの親の愛に育まれていたからなんだろうか。うざったいほど必要とされると、逆に拒絶したくなるんだよね。誰かといると完全に素の自分になれないような人間(自分)は、どうせそのうち野垂れ死に(でも本望)。てなことを、登場人物一人ひとりの感情と重ねて、自分を投影してみたりした。ところで、高遠さんはつくづく長編の人だと思う。1月、2月に読んだルビーの1冊ものは、もはや読んだのかすら記憶があいまいなのに、「愛と混迷のレストラン」や1年前に読んでいた「天国が落ちてくる」なんて、いまだにはっきりくっきり覚えている。プロットがしっかりしていてブレがないし、エピソードが印象的で飽きさせない。一の物語は中編だけど、でも「~レストラン」の頃から断片的に注目させられていたし、なんか大きな物語のなかの劇中劇のようにも思えたのだった。高遠さん、BLじゃなくても私は全然オッケーなので、もっといろいろ書いて欲しい(なんつーわがままなファン!)。じっくり読んでいくと、万葉集の恋歌を台詞にしたような会話とかあって、偶然なのか恣意なのかが気になる。あ、おまけの短編はこれから読む。
2010.03.08
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土曜の晩餐の記録のために大量に撮った写真の整理をしていたら、カメラのモード選択を失敗して、いつもよりさらにピンボケばかりなことに愕然とする。滅多にないチャンスだったのに悔しい。でも終わってしまったものは仕方がないので、せめてメニューと印象だけでも。古代から中世~ルネサンスまでのイタリア史と料理の変遷のレクチャーを聴きながら、われわれが「イタリア料理」としてすぐに思い浮かべるトマトは、16世紀に新大陸からもたらされたものであることに驚く。考えたらそうだよな。香辛料もポテトもトマトもとうもろこしも、新大陸経由だから、今のイタリア料理とは全然違うものをルネサンスまでは食べていた。そして現在はフランス料理のほうが格上だけど、当然のことながら野蛮なフランス人に料理とマナーとテーブルウエアを伝えたのはカトリーヌ・ド・メディシスだ(これは知っていた)。現在のイタリア半島に古代ローマが成立する以前、この当たりはエトルリア人が暮らしていた。地の食物になにがあったかというと、たまねぎ、ローレル、オリーブオイル、チーズ、蜂蜜、肉。そしてスペルト小麦。果物はオリーブ、イチジク、ブドウ。つまりパンとワインとオリーブとチーズという基本は紀元前から変わらず。チーズ以外はキリスト教の必須アイテムだ。でも小麦はあったけど、パスタはまだない。驚いたことにパスタは11世紀にアラビアから乾燥した形で持ち込まれたのだった。ああもう面倒くさい。歴史は頭の中には入ったので、とりあえずメニューの数々をば。前菜7品、パン3品、パスタ4品、メイン3品、デザート3品。ビュッフェスタイルじゃなければ、到底こんなに食べられないけど、いつもはホテルビュッフェですら行きたくない自分が、我先にと写メを採り、お皿を手にすべてのメニューを取り合えずは一口だけでも食べたのだった。だってさ、周囲がみんな食いしん坊なので、うかうかするとあっという間になくなる!まさに食べることが目的の饗宴なのだった。古代~中世まではレシピが残っているわけではなく、世界中どこにでもいる食物史家という人たちが、遺跡から出土したものから想像して再現したもの。それではAntipastiのはじまりはじまり~【エトルリア】 フェンネルとインゲンのミルク煮(左)、スペルト小麦とスペイン豆の煮込みどっちも初めて食べるけど、不思議と懐かしい味。とんがったところがどこにもないお袋の味的な汁物。古代からこんな結構なもの食べてたの?フェンネルってういきょうだよね。不思議な甘さはそのせい?豆とスペルト小麦の煮込み、おいしい~!お豆がこんなにおいしいなんて!豆はどちらかというと苦手で、お正月の黒豆くらいしか食べないけど、このお豆とスペルト小麦のスープはもう幸せになれる味!スペルト小麦は小麦の原種で、玄そばのように外皮を取っただけの胚芽つきの極少丸麦。zuppa de farroというスープのfarroがそれ。スコッチブロスに入れるバーリーとも違う、不思議な食感の穀物。だめだおいしい~~~!!スペルト小麦は日本でも手に入るそうなので、今度自分でつくってみよう。豆は白花豆。【古代ローマ】 アスパラガスとトリュフのスクランブルエッグ(左)、イワシのブルスケッタ高級ホテルの朝食で同じメニューがあったけど、トリュフは極微量しか入っていなかった。なのにこれは……見よ!このトリュフの量! うはあ~幸せ。生きてて良かった! 谷本シェフ、ありがとう!イワシもビスケット部分を酢めしに換えれば、そのままお寿司といっても通用しそう。新鮮で美味~。古代ローマでは本当にほぼ生のこんな魚を食べていたの? トッピングはなにやらアーモンド粉となんとかとなんとか(失念)。古代ローマの食べては吐き、吐いては食べ、という習慣は、うつぶせに寝転がった姿勢で(五体倒地みたいな格好で)食べ続けたらしい。画像も見せてもらったけど爆笑ものだった。どんだけ食中心主義だったんだ!【中世】 カルチョフィとイカのマリネ ガルム風味(左)、アナゴとズッキーニのアグロドルチェカルチョフィってなにかとおもったらアーティチョークだった。日本でこれだけ大量のアーティチョークを食べたのは初めてかも。好きなのになかなか売ってないし、調理が面倒くさいし、缶詰はまずいし(笑)。このお料理は芯の部分を茹でて使っていた。ああんまいっ! ガルムというのは古代の調味料で、なんと魚醤である。ナンプラー・ニュクマム・しょっつるだけじゃないんだな。あ、でもアンチョビつくる文化圏ならありだな。アナゴとズッキーニもはじめての組み合わせ。フリットしたアナゴと茹でたズッキーニを甘辛酸っぱいマリネにしたもの。普通におかずにしたい。唐辛子が入っていたら中華でも通用するな。【ルネサンス】 パルマ産生ハムノアチェートバルサム風味(左)、パーネパルミジャーノとピアディーナ アッラ ロマニョーラやっとおなじみのものが出てきた。アチェートバルサム風とは、超高級なバルサミコ酢のことらしい。それを半量になるまで煮詰めて生ハムにかけると、あ~ら不思議。ゼラチン状に凝固してくるのだった。バッテン形のかわいいパンが、パルミジャーノレジャーノがどっさり入ったパン。そしてチャパティに良く似たクレープ状のパン。ピザのように三角形に切ってあった。これは中世のパンCooked by 谷本英雄氏 アルトゥージ司厨士協会日本支部長 イタリア政府司厨士協会・名誉賞受賞 Pasterante Ginza Nonnino オーナーシェフ
2010.03.07
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土曜の夜は25人ほどの食にまつわるパーティーに参加した。イタリア料理の歴史を文化的に振り返り、古代から現代までのイタリアの食についてのセミナーを聴講し、その流れで古代ギリシャ・エトルリア時代~古代ローマから始まって、中世~ルネサンス、もちろんメディチ家の料理まで、その数、およそ20種類ほどを次々味わうという。基本、イタリア好きの人たちの集会だけど、イタリアの食材輸入業者やら生産流通業者やら料理研究家にまじって、何の関係のない私のようなただの食いしん坊も参加。まるで古代ローマの元老院の晩餐のごとく、次々出てくるごちそうに溺れた夜だった。銀座で小さなイタリアンのお店を出しているシェフは、とても研究熱心なイタリア食物史家でもあった。日本人で持っている人は二人というイタリア政府から贈られた勲章まで持っていた。料理の画像はあまりうまく撮れてなくて(だってほとんどはじめて食べる料理ばかりで興奮してたし、会場暗めだし、誰もが競って撮影しようとするから、酔っ払いで足元不如意の自分は手が震えてたんだよ~)数も多いので一度にアップできない。正式なメニューカードもあるけど、料理名だけ見ても味が想像できないものがほとんど。詳細な解説はアルコールと共に記憶の彼方に消えてしまった(涙)。とりあえずこんなのも見せてもらった。60年以上前のバルサミコ酢。約100ccでお値段ひゃくまんえん~!!下手なワインよりずっと高価なのだった。さて、以下はここ10日ばかりの画像。近所のパン屋さんで売っている、限定品でいつも買えない両国あんパン。初めて買えた。四角いのも珍しいけど、なかはあんこと生クリームの二段重ねになっていて、あんパンはちょっと温めて食べるのが好きなのでやってみたら、切った途端にクリームが流れ出した。失敗。おいしかったけど。 器が白いのでわかりにくいけど、クリームスープにパンが浮かんでいるみたいになった森アカデミーが入っているほうのビルの5Fにあった、居酒屋での久々魚づくしランチ。ブリの煮物(ナスの素揚げ付き)とちっちゃいお刺身(ヤリイカとカジキマグロ)。冷奴、香の物、あとなんかもう一品小鉢がついていた。家ではスピーディーにふっくらジューシーにならないので、ほとんどつくらないけど、煮魚好き~にはたまらない。カジキは中トロだった。味噌汁はけんちん汁。これで味噌がもっといいもの使っていたらなあ~。1200円あ、思い出した! 上等な焼き海苔がついていたんだ! これポイント高いわ。おすし屋さんで使うランクの海苔だった。お刺身は上等の焼き海苔に巻いて食べるのが好きなので、なんか超うれしいんですけど。実家ではデフォなこの食べ方、東京では「なんで海苔?」と不思議がられたけど、金沢出身の子が、やはり家では海苔巻きお刺身だったと言っていた。お次は外出予定のない日の会社近くの中華屋さんの定食。いつも20種類くらいランチがあって、安くておいしい。お客さんの半分はチャイニーズだから味は確かっぽい。コーヒーが飲み放題(セルフだけど)なのがうれしい。スープ、漬物、生野菜がついて700円これはナスと豚肉の味噌炒め。八丁味噌の味と色なんだよね。この味のナス味噌は初めて食べる。それとも中国の味噌って、八丁味噌に似ているのかな?男子営業マンと仕事の帰りに食べた日高屋(激安ラーメンチェーン)の五目あんかけラーメン。若者の胃袋に合わせるとこんなところばかりになる。でも野菜たっぷりでまあまあ。ここのは以前、タンメンを食べたことがあって、これも野菜たっぷりでうれしかった。ラーメンの麺がいまひとつ好みじゃないのが残念。安かった。具を一生懸命食べているうちにおなか苦しくなって麺を残してしまった。もったいないったら。目の前では23歳草食男子がこれに半チャーハンとギョーザがセットになったものを食べていた。ガリガリでも量は食べられるのね。胃下垂なのか? うらやましい。……なんか最近、小じゃれたところでランチ食べてないなあ・・・。だから反動でたまに5000円くらいのランチしちゃうのか。しかも一人で。今年はエンゲル係数漸減プロジェクトを発動しているんじゃなかったっけ?
2010.03.06
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月に一度、九段会館での仕事の日は、必ず神保町で降りてランチを模索する。当然第一候補は七條だけど、これまでにに2度行って、いずれも行列になっていて諦めた。だってわが辞書に「並ぶ」という文字はないんだもん。というのは嘘だけど、たとえ数人でも並んでいると、仕事に遅れるわけにはいかないので終わりの時間が読めないリスクは犯せない。なので夜は年に1、2度食べにいくけど、昼は幻だった七條のランチ。11時45分に行っても、1時過ぎに行っても並んでいるので、逆転の発想で12時半に行ってみたらやっぱり行列だったけど、今日は時間があるのでとりあえず最後尾に並んでみたら、2分くらいで8人が4人になったので、これはいけるとそのまま並んでいたら、まもなくメニューを渡されて席に着く前にオーダーをすることになった。ランチはカレーかエビフライと決めているのに、エビフライ、カキフライ、カニクリームコロッケのミックスフライの誘惑に負けそうになる。いやいやここで屈してはなるまい。エビに関しては前世は名古屋人じゃなかったかと思うほど好きなので、迷いを振り切り「エビフライ!」やってきました。これこれ~。夜もコースを頼むと無理やり一本付いてくる、ヤマモトマスヒロ氏絶賛の自慢のエビフライ。タルタルソースのお代わりまでメニューにあった(笑)。でも私はソース派なんだよねー。端っこまでみっちりエビが詰まった薫り高いエビは、確か解凍法にコツがあるとかマスヒロ御大が書いていたな。揚げ方も絶妙でう~んデリシャス。でもこれ一食で一日分のカロリーくらいありそう・・・。スープがついて1200円 歩いて九段会館向かう途中でみつけた古建築。どっちも戦前っぽい。ビルのほうは京極堂の妹が働いている出版社とか、薔薇十字探偵のオフィスとかが入っていそうな雰囲気。あれもたしか神保町だった。千代田区ど真ん中にあるこういう物件は、メンテナンスの手間と固定資産税がかかりそうだが、この区は法人税だけで潤っているから、歴史的建造物にはなにか減免措置があるのかもとか疑ってみる。 九段会館2階に架けてある平山郁夫さんのリト。タイトルは入っていないけど、奈良シリーズだな。左が薬師寺で、右は新薬師寺。さすが奈良通、すぐわかる(自画自賛!)。あっ、セットになっているのか!仕事終わってドトールで一休み。おっ、チャイがあるじゃないか珍しい。前からあったっけ?ブックオフがTポイントカードから離脱するかと思えばドトールは新規参加。CCCよどうなっているんだ。カップの右は、最近そのおいしさに目覚めたドライマンゴーがレジ脇で媚態を晒していたので誘惑に屈した。残業時のおやつにする。後日談:ドトールのドライマンゴーは全然おいしくなかった。小島屋さんに買いにいかなくちゃ。
2010.03.05
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先週の水曜は確定申告からプチ下町観光やら美術館やらデパートやらで忙しかったけど、下町めぐりのバスに乗れたのがうれしかった。 まずは税務署のすぐ近く、国際通り沿いに建設中のスカイツリータワー。これはでかいわ。でも長方形と対角線の組み合わせって、なんか見た目は平凡。1個の長方形の比が黄金分割だとか、上に行くほどにフィボナッチ数列になっているとか、そんな遊びが仕込まれているんだろうか。ちょうどクレーンからなにやらパーツがゆ~っくり降りて来るのを目撃。ここに鳶の職人さんとかが乗っかっていたら楽しかった。右は浅草雷門付近から見るスカイツリー。ど真ん中ですな。 あまり人のいない上野公園では、若いパフォーマーが練習中。このおにいさんはヨーヨー。ほかに一人で黙々とパーカッションを叩く人とか、二人で漫才やる人とか。バスで上野公園下に着くと飲食店ビルのエレベーターを利用してそのまま公園に上がる。ちょうど文化会館の裏側に出るんだな。これは使える。そしてこの道はじめて通る。上野公園なのに両サイドは銀杏並木。そして左側に「正岡子規記念野球場」とか。へええ~病床六尺の人は野球を最初にやった人? 噴水脇の美術館への誘導看板。これはどっちに行こうか悩むよね。公園内ではちょうど、佐賀物産展のテントが。伊万里がピンからキリまでごちゃごちゃ展示されていたけど、欲しいものはなかった。で、ボルゲーゼ展の売店では、イタリア野菜の種まで売っていた。なんというたくましい商魂!見たこともない気味悪い造形の野菜もあった。こんなのマンションのベランダでもつくれるのかしら。帰りは三越前から上野~浅草を経由して両国までの下町めぐり。三越のヴィトンのウィンドウ。鳥かごに入れるディスプレイは平凡だけど、さすがに格調高い。表参道店とは大違い。 28日に終わった東京マラソンのコースに当たっているらしく、それを祝った下町らしい造型イルミネーションを車窓より。ワイヤで浅草寺の五重塔を作って電飾化するなんて、すごい技。右は、早くもスカイツリーか?と思ったら、関東大震災で折れちゃった浅草十二階凌雲閣だな。100年前は十二階でも超高層建造物だった。あ、ついでにこれも。金曜のセミナー後立ち寄った森美術館帰り。六本木ヒルズからの東京タワー。生憎の雨模様で残念だけど、曇っていても東京湾までくっきり。お江戸は狭い(笑)。
2010.03.04
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『レジーデージー』月村 奎レジーデージーってなんだっけ? マザーグース? 子どものおまじない? と、思い出せないまま読んだら、刺繍の名前か。こういう、シンプルで「?」なタイトルは印象的。月村さんは好きな作家さんだけど、長編というか巻数を重ねている秋霖高校シリーズがどうにもダメだった。そしてこの本も、苦手なタイプの男二人でどうにもやるせない。舞台は東京から車で1時間で田んぼもある田舎って、埼玉の奥まあのほう(深谷とか)か群馬だよね。月村さん、群馬在住だし。「大手自動車メーカーの工場があった」のは太田市だな。なんか、イラストレーターが依田さんのせいもあって、依田さんのマンガみたいだと思ったのは内緒だ。それはさておき。芸能人年下攻×岡嶋二人みたいなミステリ作家の片割れ受なんかね、どっちも性格があからさまにわかりやすくて、特に生い立ちと過去の素行から人前では自分を下げてみせて親しみやすさをアピールしている芸能人というのはありえないだろ。あんなに安易に怪我なんてして、プロ意識希薄すぎるだろ。一人で努力しているシーンを書かないと、ゲーノージンに対するイメージはますます悪くなるぞ(笑)。あ、黄身しぐれを20個食べた、というのは努力なのか?でも攻の強引なところや、「何を言われても平気」というポーズは、決して自然体なわけではなく、誰からも期待されないどころか、存在を否定されていることの裏返しだから、無神経とは真逆の行動だってわかってしまうと、この若さでこんなに人間関係に気を使って気の毒に・・・とか思っちゃう。そういう意味では年上で頭脳労働者のはずの受のほうが子どもだ。そして受の作家のひねくれぶりは自分とよく似ている(笑)。ほめられても素直に受け取らないところとか、物事否定的に考えるところとか。そんなに裏を読むな!と思いながら読んでいた。それにしても、田舎の一軒家に単身引っ越してくるなんて、一人になりたい人間の行動としては非常に浅はかで、本当に作家かと思う。なので、23歳×26歳というカップルの割に、いつもの月村さんの作品に出てくる高校生みたいな思考回路なんだよね。腐女子が憧れる大人の男たちではない。それよりそれより月村さん! 朝チュン作家かと思っていたら、この作品にはちゃんとえっちがあった(笑)。しかもしりとりしながら!これは新しいぞ。作品は12年前のだけど。夫婦の間に今夜はオーケーの符牒があるように、この二人はしりとりが符牒なのか! こんなにやかましく喋りながらってできるものなのか?ちょっとミステリ要素もあり、出てくる人間が生かしきれていない(月村さんには珍しく、ちょっとヤな性格の女性たちが出てきて、最後に完全にいい人にはなってない印象)ところもあり、いろいろ若い作品だけど、相変わらず心の動きとか、受が自分の性格的な弱点をよくわかっているところとか、リアルで他のBLにはないテイストがあるので、やっぱり止められないよ。この環境、このテイストでゲーノージンは無理だよな~という印象が最後まで払拭しきれなかったのは、二人の年齢が高め(といっても20代中ごろ)なところと依田さんの絵柄にあると今わかった。
2010.03.03
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丁寧に梱包する作業を見ながら会話続行。「わたくしもこちらに15年ほどおりますけれど、創業250年以上の古いラインはまったく変わらなかったのですが、今世紀に入って新作が出るようになったんですよ!」営利企業にとって新作出すのはもはや当たり前なのに、やっぱり新作出すこと自体がすごいことなのか。だから伝統に胡坐かいてるブランドは凋落しちゃうんだな。「核家族が多くなりまして、以前のようにフルセットでお求めになるお客様も少なくなりましたし、新しいものを創っていかないと、なかなか大変なようでございまして」むこうのフルセットって数の単位は1ダースだよね。それでフルコース分になったら数メートル幅の食器棚が要るよ。それ以前にフルセット分の客が来る家ってどんなだよ! カトラリーならまだしも(まあカトラリーだけフルで持っているのもヘンだけど)、食器のフルセットは今田美奈子先生に任せておけばいいと思うよ。「一枚ずつ愉しみながらお揃えになられる方も多くいらっしゃいますから」私がまさにそうなんですけど。庶民ですから。「時代に合わせて変わっていく努力をしておるようでございますね。タイの工房もそのような流れの一貫かと」よおくわかりました。ありがとう。その後、フローラダニカをべたべた触らせてもらいながら、制作過程の面倒くささを教えてもらう。あの色を出すには、色を重ねるたびに焼く過程を何度も繰り返すそうである。単に絵付けの職人がすごいだけではないんだな。 プレートはバブルの頃は1枚60万だったが随分安くなっていた。スープポットは柄違いが売り場にあってうっとり眺めてあけたり閉めたり触りまくった。お値段315万円そして二人ともコペンハーゲンの王宮博物館にあった王室使用のフローラダニカを見ていたものだから、ついそっちの話題になって、「あれは植物図鑑的な価値もあることはわかっているけど、きのことか苔とか、なんでこんなものを皿にっていうのもありますよね? ああいうのは今でも作っているんですか?」「さすがに人気のないものはつくっていないと思いますよ。あ、でも数年前鮮やかなきのこのシリーズは発売されていましたね。日本でお求めになった方がいるかどうは存じませんが」鮮やかなきのこって、ど、毒キノコ・・・?あと、長年の一つナゾが解けた。昔、ロンドンのポートベローで、17世紀の絵付けの小皿を買ったんだけど、あまりに小さくて用途が不明だった。直径7~8センチで日本でいったらお寿司屋さんでしょうゆ受けに使う豆皿サイズ。大航海時代の沈没船から引き上げたものだとか、なにやらいっぱい講釈がついてきてやたら高かった。そしたらフローラダニカのシリーズにほぼ同じ大きさのプレートがあって、「バタープレート」となっていた。そうか! 切ったバターを個別にテーブルに供するための皿! 確かにフレンチ行くとたまに出てくるな。まだまだ深いぞテーブルウエア。いろんなもんがあるんである。ボックスに堂々と「メイド・イン・タイランド」シールが一時間ほど油を売ってお皿三枚を丈夫なペーパーバッグに入れてもらって、フォートナムで一休みしたあとはフィニッシュのデパ地下詣で。今日は懸案だったお皿が手に入ったのでうれしくなって三越しか入れていないシャンピィのお安いブルゴーニュを1本買う。「この空いたスペースに入りませんか?」とペーパーバッグをカウンタに載せたら、「まあ、ありがとうございます。ワインのための場所をとっておいていただいて!」と返してきた。こういう会話が楽しくて止められない。練れているなあ三越のリカーソムリエ! 若いスタッフじゃこうはいかないんだよね、やっぱり。なんか外商担当がいて店舗にくると上げ膳据え膳されるのがうれしい気持ちがわかってきた。月に1回、高級品を買うことは脳にいいとか、消費促進策みたいなことを某医師がテレビで喋っていたが、お買い物がストレス解消になる意味をちょっと実感。さて、明日からまた一生懸命働こう。
2010.03.02
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先週、お皿を買うために日本橋のデパートに行ったときのはなし。ここの家庭用品売り場には日本人が好きなウェッジウッドやミントンだけじゃなく、ヘレンドもマイセンもコーナーをもっているので、普段使いにできない食器はもう買わないと決めているので買わないけど(それ以前にヘレンドなんて買えないけど)、眺めていろいろとスタッフと会話する分には楽しい。その前にいつもリッチなごはんをご馳走してくれる喫煙者の友人のために、日ごろの感謝を込めてお礼をしようと、バカラで灰皿を買おうと思った。以前、森瑤子さんだったか林真理子さんのエッセイで、「小さいけれど手ごろなお値段のバカラの灰皿はプレゼントにぴったり!家には複数ストックしてある」みたいなことを書いていたので、よしっ、灰皿だと売り場のスタッフに相談したら、準礼装に近いダークスーツ姿の男性スタッフが、「お客様、ちょうど本日入荷したものにすばらしいお品がございます!」と満面の笑みで見せてくれたのが、直径10センチくらいの丸いフォルムでさすがバカラと思わせるすばらしいカットのクリスタル。うわっいい、ずっしりと手に馴染むし、カットがほんとうにキレイ!でもお値段46000円・・・。高いよっ!うーむ。ネットだと2割は安い...。頭のなかでイメージしていたのは2万円以下だったので、こんなの買えないよ!まあねバカラを普段使いにしている人にとっては、これぐらい「ちょっとしたプレゼント」なのかもしれないけれど、庶民には無理ですから!でもこのキャメルと名のついた小さな灰皿、とても人気があってすぐ売れてしまうそうである。まあそう言いながらも下のボードを空けると在庫がぎっしりあっても、それはセールストークの常套手段だから話半分に聞いているが、なぜわざわざ正価のデパートで買うかというと、修理が可能だからだ。器もそうだけど、ブランド生活雑貨はデパートで買うと大抵ちょっとの欠けとか破損はきちんと直してくれる。バカラも小さな欠けなんかはグラインダーで削りなおしてくれるそうな。そうなると「形あるものは壊れても直す」という付加価値がつくから、消費者はそこにデパートの価値を見出す。と、これはそういう暮らしをしている友達の受け売り。彼女たちは家具も食器も時計も万年筆も靴も洋服も直し倒して長く使っている。以前呉服売り場で、年代物の半襟の染み抜きをお願いしていたご婦人がいて、見積もり値段が2万とかだったよ。私はカウンターの隣に座って帯締め選んでいたので会話の内容が筒抜けだった。たかが染み抜きされど染み抜きしかも半襟! でもお気に入りのものは長く大切に使いたいという気持ちは私にだってわかる。三越の中には白洋舎も入っていて、当然ボタンはアルミホイルで包んで返される。レザーやファーのクリーニングはここに頼むと仕上がりに間違いがないそうだ。でも私なんかが持っている服じゃ、クリーニング代のほうが高くなりそうな予感がする。結局バカラは要再考じゃと諦めて、当初の目的だったロイヤルコペンハーゲンでお皿を買う。ここで店長さんと話していてようやく「東南アジア製ヨーロッパの名窯」のナゾが解けた。ウソじゃなかった。パルメッテやメガは現在タイで生産している。もちろん描き手もタイ人。やっぱりそうなのか・・・。 左がパルメッテ。右がメガ。メガなら自分にも描けそうだ(笑)。そしてメガサイン(爆)理由はいろいろあろうが、要は「現地生産ではすでにニーズに対応できないから」(訳:もっと高くしたいけどそうすると売れないから人件費の安い東南アジアでつくります)だそうで、もちろんフローラダニカやフルレースのブルーフルーテッドみたいなフラッグシップブランドは他国では作らないそうだが、パルメッテやメガみたいな安価で大雑把な柄(笑)は、デンマークから指導者が行って、絵心のあるタイ人を募集して研修かけてイチから教えて養成しているそうである。あああ~このウラの波模様と3文字のサインもタイ人かあ...でもロイヤルコペンは好きだから買っちゃう。東洋人は器用だからさ、ヨーロッパ現地の職人さんにもアジア人はいたに違いないんだけど、タイでの職人の候補には国立美術大卒とか既にプロの画家として活躍している人とか、すごい人も大勢いたそうである。「でも、上手すぎてもだめなようでございますよ。このシリーズは一生同じ柄を書き続けるものですから、個性を殺していただける方でないと...」はあ。さすがに奥が深い。例えば、フローラダニカなんかどれだけ原画に忠実に写せるかを重視するので、職人の技としてはブルーフルーテッド描いている人のほうが上だそうである。へええ~知らなかった。ところでタイ産ロイヤルコペン、メガなんてサインも超メガで思わず吹きそうにになった。これはあまりにも品がないので買うのはパルメッテにしたんだけどね。あと、メガはなんか全体に重い。重さの分だけ(?)メガのほうが高い。(今、めがって入れたら女鹿と変換された。すごいな)。「以前は同じ製品ラインをデンマークとタイと2カ所で生産していてお客様にもご不興をかってしまったのですが、現在はそういうことはございません。メガやパルメッテのシリーズは現在、タイでしか生産しておりません」と言い切った。本当だな?仕方がない。買うよ。安いし。ロイヤルコペン丈夫だし。使い勝手いいし。ブルーフルーテッド大好きだし(メガもパルメッテも意匠はブルーフルテッドのアレンジだよね?)金彩以外は電子レンジもオーケーだし、(持ってないけど)食洗使えるし。どうせ急須だの中華丼だの作り始めた時点で私のなかでのロイヤルコペンハーゲンはロイヤルが落ちているから、普段使いにはちょうどいいわ(笑)。 急須は以前からあったけど、ブルーパルメッテはタイ製らしくレンゲまである。お値段1個3150円!しかし落とし穴はまだあって、30センチの大皿を買おうと決めていったのに、いざテーブルに並べてもらうと、やはりかなり大きい。「天井の高いデパートの売り場ですら大きく見えるんだから、家のちゃっちいダイニングテーブルに載せたらもっと大きく感じるでしょうね」とつぶやくと「はい。それはもう。わたくしも何度も失敗しています」とのこと。あーあ。小心者なので結局26センチのパスタ皿に使えるサイズを2枚買う。このサイズなら他にも持っているのに...だめだめなチキンぶりであった。あと、これは全然予定外の買物で、ブルーじゃなくてモスグリーンのラインのパルメッテとも違うシリーズがあって一目で恋に落ちたので、そのスープパスタ皿にもつかえるサラダボウルも買う。珍しいなあモスグリーン。食事の器にグリーンは人気がないのか(じゃあアウガルテンはどうなのよ!)、私が持っている数少ないジャスパーウェアのモスグリーンのシリーズもすぐに廃盤になっちゃった。実は国内でロイヤルコペンを買うのは初めてで、ブルーフルーテッドはフルとハーフをいくつか持っているけど、コペンハーゲンで買ったものがすべて。あそこだと色目を選ばせてくれるんだけど(手書きなので焼き具合によって色合いが異なる)、日本ではどうなのかと思ったら、さすが腐っても三越。在庫を全部並べてくれた。選び放題!(といっても各々3~5枚程度だけど) うちにあるのはフルレースとハーフレース。この手描きの職人技をコペンハーゲンの工房で見ているうちに魅入られた。ティーカップは薄くて丈夫で大好きなんだけど持ちにくい(爆)
2010.03.02
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ある日の自炊飯。いつもテーブルに並べてしまうと写メを忘れてしまうので、カウンターに携帯をスタンバっておいてつくっている途中で手が空く都度撮る。ここ一週間、仕事で遅かったり夜遊びしたりで、全然自炊していないから食材も買っていない。すべて冷蔵庫にあった残りでつくったので、トマトとかニンジンとか、いろいろとあるべきものが足りない。カニ缶があったので、半分はきのこと一緒に切り昆布と合わせて炊き込みご飯にして、残りはキャベツとスナップエンドウとあわせてクリームドレッシングで春色サラダに。これは製作過程のボウルの中。盛り付けてからピスタチオをクラッシュしてトッピングしたらなかなかよかった。 メインは子牛肉のミラノ風カツレツ。100gも残っていなかったので、一口大にして塩コショウ、パセリとパルミジャーノと食パンをバーミックスで粉々にしてまぶしてフライパンで焼いてみた。子牛にはホワイトペッパーと岩塩がよく合う。付け合せが貧弱だが、お客さに食べてもらうわけでもないから、ま、いいか。子牛おいしゅうございました。 汁物の肉なし白ポトフの仕込み過程。白ポトフというのは単に赤と緑がないからだ(笑)。白っぽい素材のみで栄養がなさそう。冷蔵庫にあったたまねぎ、キャベツ、大根、じゃがいも、冷凍庫にあったカリフラワーを煮込んで、ここに帝国ホテルのコンソメを2缶投入。普通のコンソメキューブでもいいんだけど、実家からお歳暮の余りを送ってきたのでちょっと贅沢仕様に。これでおいしくならないはずがない。あ、たんぱく質がないと思って、冷凍してあった軽井沢デリカテッセンの白ウインナーも投入。白物づくしでまさに白ポトフ。でもスープが透明だと、どうしてもキャベツとか青っぽくなって、真っ白シチューや真っ白カレーみたいに白くはならなかった(涙)。ウインナーに火を入れすぎて一部爆発していたが、お味はよかった。でも上等のコンソメを油膜やアクが浮くようなものに使って「ごめんなさい」な気分。明日の夜もこれ。
2010.03.01
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