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欧州鉄道の旅７～アンネ・フランクの隠れ家～

テーマ：ヨーロッパ旅行(4227)

カテゴリ：欧州鉄道の旅・愛・地球博

ドーバー海峡を渡るため、列車で港へ。

数時間の旅は夜間。
休む場所には明かりが煌々と。
よく揺れ、熟睡はできませんでしたが、荒波にもまれる中
いよいよ大陸に渡るという気持ちが高まってきました。

海峡を結ぶ「ユーロスター☆」

行ったのはトンネルが開通する直前のこと。
ユーロスターを使えば海峡を渡るのは数十分。

瀬戸大橋と横断フェリーの関係のようなものかもしれませんね。

着いたのは、オーステンドというベルギーの町。
円を少しベルギーフランに替え、ユーレイルパス使用開始の日付を記入してもらい、
列車で首都ブリュッセルへ。

まずは王立古典美術館に。
なにしろ、所蔵品が豊富、なのにうれしい入場フリー。
何の心構えもなく「マーラーの死」に出くわし、圧倒されます。

精緻で躍動感溢れる筆さばき

ベルギーといえばチョコレートとあのおちびさん。
「ジュリアン坊やの噴水」に行き、赤・青・黄と三種類も絵葉書を買ったあと、
「世界でもっとも美しい広場（ヴィクトル・ユーゴー）」グラン・プラス前で、

名前があったんです。

ふと、当時流行っていた「ランバダ」が聴こえてきます。
この曲、イギリスでは一度も耳にすることはなかったのですが、
大陸を渡ったとたん、国が変わる度に、駅に降り立つごとに、一度は
♪タラーララララ　タラララ　タララララー♪の哀愁の調べが。

曲名を見ると当時のことが走馬灯のように。
「青春歌年鑑　BEST　30　（2枚組）　1990」

まだ「東側」と呼ばれていたハンガリーでも。
壁崩壊直後のベルリンでも。
時代を飲み込む潮流とともにある曲。

その夜はオランダ・アムステルダムへ
とてもあっさりとした国境越えで、列車の中で、
車掌さんにユーレイルパスをみせるだけ。

欧州で乗った列車は一等も二等もほとんどコンパートメント。
三人がけの椅子が向かい合った、六人部屋といった趣き。
椅子は完全に前に押し出すことができ、部屋全体をフラットにすることも可能。
それゆえ、車内を宿代わりにする人も。
私たちは一等の１５日パスを持っていましたが、二等との違いはよくわからないまま。
どちらにしても、欧州人仕様なので、ゆったりと寛ぐことができました。

駅でギルダーを手に入れ、ユースホステルに泊まります。
夜についたせいか、ちょっと殺伐とした雰囲気。
朝になり、ここはかなり治安の悪いところだとききました。

Ｕさん「これから、アンネフランクの家に行くよ。」
え？何？
オランダ＝風車＆チューリップという回路しかなかった私、うかつでした。

何度も読み返した本の舞台へ行くための感動を用意する間もなく、
運河沿いの道を数分歩き、あっさりあの細長い建物へ。

「アムステルダムのプリンセン運河」

本棚の向こうにつづく部屋、部屋。
当時の家具もありましたが、それよりも、壁に残されたたくさんのブロマイドが印象的。
日記にも、隠れ家にきてすぐに、映画スターの写真を貼ったとありましたっけ。
「夢がいつのまにか、どんどん実現してゆくのは現実離れしている。」
こんな文章を、その日のノートに書き記してあります。