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東芝の3P50という真空管を紹介します。写真左が東芝3P50(新品)、右は同等管のJRC3P41(使用出来ないジャンク)です。ピン配置ですが、UVソケット+センターピン+トップ2個+ベース側面となっています。真空管を下から見て、ガイドピンから時計回りに... 3番ピン :スクリーングリッド(G2) 4番ピン :ヒーター 1番ピン :コントロールグリッド(G1) 2番ピン :ヒーター センターピン:カソード トップG3 :サプレッサーグリッド(G3) トップP :プレート ベース側面 :サプレッサーグリッド(G3)G3をG2に接続するなどの高い電位にするときはベース側面の金属部は高圧になりますので要注意です。因みにヒーターは12.0V1.25Aです。(12.6Vではないのでご注意を!)etracerで特性を測定します。プレート損失のラインは60Wより控えめの40Wとしました。【3P50】三結(G3はカソード電位)Ep=280VでEg1=-32.0Vのとき、Ip=69.81mAIg2=25.37mArp=1108Ωgm=4731μSμ=5.2V/V三結(G3をG2を接続)Ep280VでEg1=-36.2Vのとき、Ip3=70.83mAIg2+Ig3=20.18mArp=1002Ωgm=4998μSμ=5.0V/V五結Ep=350V、Eg2=200Vで、Eg1=-18.0Vのとき、Ip=68.83mAIg2=4.76mArp=60843Ωgm=5019μSμ=305.3V/V70mA以上流してあげると調子が良い感じです。トランスは3.5kΩあたりが良さそう。電流少なめなら5kΩくらいかな。因みに3P41は完全ジャンクで使い物になりませんでした。3P41はソケット付きで出品されていて、ソケット目当てで購入したので、仕方ないかな。でもチョット悔しいので程度の良いモノを入手しようと思います。
Feb 12, 2023
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HYTRONのHY65という真空管を紹介します。規格表は見つからず、RadiomuseumのHY65資料ページくらいです。少なくともフィラメント6V0.9Aの送信管であることはわかりました。あとは手探りです。プレート損失は12W~15Wと思われますので、とりあえず12Wということで。自作アダプターを使ってetracerで三結の特性を測定します。etracerで特性を測るに際し、EpはTU-8200R(魔改造品)に合わせた280Vで測定します。因みに280Vで30mAが流れるところを測定します。フィラメントは1点吊りのΛ型。1本目Ep=280VでEg1=-30.9Vのとき、Ip=29.86mAIg2=0.92mArp=2275Ωgm=2373μSμ=5.4V/V2本目Ep=280VでEg1=-26.6Vのとき、Ip=29.82mAIg2=1.06mArp=2498Ωgm=2357μSμ=5.9V/V良い感じです。ご注意:私のTU-8200R(魔改造品)は、ヒーター回路を左右独立したスイッチング電源(6.3V管と6.0V管を共用するので6.0Vに設定)に変更してあり、マイナス側は8番ピンに接続しています。あと、電流検出抵抗の数値を変更し40mA程度が流れる様にしてあります。(もう少し流してやってもいいのですが、他の球も挿すので...)
Feb 11, 2023
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TelefunkenのRV258という真空管を紹介します。先日紹介したRS282同様に、なかなか良い動作品が少ないRV258ですが、状態の良いものをある個人セラーから入手することができました。以前紹介したRV218の後継型で、高電圧動作に対応しています。そして、Philipsの4624や、TUNGSRAMのP41/800と同等です。(電気的に完全な互換ではありませんが、電気特性としては近似しているといえます)つまり、ソケットのアダプタを作れば、手持ちの4624アンプに取り付けられます。規格はFrankさんの資料室のRV258規格表を参照ください。EU VALVEの「RV258系」記事やひま人の館の「ドイツ軍用管(増幅管)」も参考になると思います。管面には型番と製造番号がプリントされています。VI型ということでしょうか。フィラメントは2点で吊っています。シールドでしょうか?謎の電極構造。etracerで測定します。諸特性は650Vを掛けて38mA流れるところを測定。Efは7.2Vと7.0Vで測定しました。【1本目】Nr.12892/0543/VIEf=7.2V, If=1.10AEp=650VでEg=65.9Vのとき、Ip=38.09mArp=3701Ωgm=1789μSμ=6.6V/VEf=7.0V, If=1.06AEp=650VでEg=65.9Vのとき、Ip=37.82mArp=3725Ωgm=1778μSμ=6.6V/V【2本目】Nr.110564/1042/VIEf=7.2V, If=1.10AEp=650VでEg=71.7Vのとき、Ip=38.00mArp=3814Ωgm=1605μSμ=6.1V/VEf=7.0V, If=1.06AEp=650VでEg=71.7Vのとき、Ip=37.79mArp=3834Ωgm=1602μSμ=6.1V/V大変綺麗なIpカーブを描いていますね。Efが7.2Vから7.0Vに落としても安定したgm値なので、2本とも良好だと思います。RV258の前身といわれるRV218よりrpも低く、より使いやすい仕様です。
Feb 10, 2023
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TelefunkenのRS282という真空管を紹介します。製造時期が異なり、右が黒色プレート、左が灰色プレートです。管面に色々と印字されています。黒色プレートは、Nr:35215/108VIII 35228 3001灰色プレートは、Nr:133496/1140/X 72225 3016kriegsmarine(海軍)と印字されています。軍用送信機に使われていたのでしょうか....。三極管ですが、どうやらスクリーングリッドのある四極管を三結にしているようです。凝った構造ですね。規格は、The Valve MuseumのRS282規格表を参照願います。ひま人の館の「ドイツ軍用管(大型送信管)」も参考になると思います。ヒーターは8V1.6A。(6.3V換算すると6.3V2.03Aくらいです)傍熱三極管で1000V掛けられ、プレート損失は100W、rpは3.3kΩですので、傍熱の211クラスの真空管のようです。グリッド電流も40mAまで流せるので、プラスまで振るA2級で使用する感じでしょうか。ただ、詳細なIPカーブなどが無いので、etracerで特性を測定したいと思います。ヒーター電圧は8.0Vと7.5Vで測定します。プレート損失のラインは75Wにしました。ヒーターを灯すと、薄暗く仄かな光。プレート損失100Wクラスとしては効率が良いほうだと思います。【1本目】Nr:35215/108VIII 35228 3001(黒色プレート)Eh=8.0V, Ih=1.56AEp=700VでEg=-20.5Vのとき、Ip=80.80mARp=3556Ωgm=3720μSμ=13.2V/VEh=7.5V, Ih=1.49AEp=700VでEg=-20.5Vのとき、Ip=79.99mARp=3593Ωgm=3700μSμ=13.3V/V【2本目】Nr:133496/1140/X 72225 3016(灰色プレート)Eh=8.0V, Ih=1.50AEp=700VでEg=-21.0Vのとき、Ip=80.22mARp=3554Ωgm=3739μSμ=13.3V/VEh=7.5V, Ih=1.47AEp=700VでEg=-20.8Vのとき、Ip=79.89mARp=3617Ωgm=3640μSμ=13.2V/Vこの結果から、傍熱の211と解釈しても良さそうな感じですね。プレート電圧を低目で600~700Vの80mA程度流して大出力時にグリッドがプラス領域に若干入るくらいの軽いA2級で数Wのアンプを組むと良さそうです。(高圧大電流になるほどアンプは大がかりになってしまいますので...)500V程度の低い電圧でもグリッドのプラス領域を使えるので、ドライブ能力があれば一般家庭で実用的なパワーが出せます。
Feb 8, 2023
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イタリアPHILIPSのZENITH TP4100という真空管を紹介します。ZENITHはMonzaに本拠地を置く真空管メーカで、ある時期からPHILIPSの傘下に入っているとのこと。(もしかしたら会社創設初期の頃にアメリカのZENITHと何かしらの提携をしたのかもしれませんが、詳細は不明です。)そんな経緯を経たメーカーと真空管。謎球魂がくすぐられますね。管面にはZENITH TP4100とプリントされているのが見えます。管壁に「PHILIPS ITALIA」のデカールが貼られています。見るからにイタリアっぽい感じが良いですね。フィラメントはオーソドックスな2点吊り。この球は譲っていただいたオーナーによるとオランダ・PHILIPSのE443N類似とのことです。E443Nの規格は、Frankさんの資料室のE443N規格表がありますが、「あくまで類似であって互換ではない」ものです。Esg=200V規定は五結時のことだと思います。五結の場合は増幅でEpがEsgより低いときがあり、ISgが多く流れSg損失的に厳しい方向になります。経験的に三結でEp>Esgであれば僅かなオーバーくらいでしたら許容してくれそうです。ネットを探すと同様の意見の方がおられます。(勿論、極端なオーバーはマズいですが..)etracerでIsgを見て、もしIsgが相当流れるタイプの球でしたらEsgの規格は守った方が良いです。五結では当然ながら規格通りの200V以下を守った方が良いです。では、三結特性をetracerで測定します。Eg2電圧は40Vほどオーバーめになりますが240VでIp+Ig2が30mA流れるところで。(Eg2はEpを超えないので損失自体は大丈夫のはずです)Efは4.0Vと3.8Vで測ります。プレート損失のラインは12Wより少なめの10Wに設定しています。スクリーングリッド損失含め十分な余裕のはずです。【1本目】Ef=4.0V, If=1.01AEp=240VEg1=-35.6VIp+Ig2=30.15mAIg2=3.77mArp=1619Ωgm=2794μSμ=4.5V/VEf=3.8V, If=0.94AEp=240VEg1=-35.4VIp+Ig2=30.21mAIg2=3.73mArp=1660Ωgm=2734μSμ=4.5V/V【2本目】Ef=4.0V, If=1.12AEp=240VEg1=-34.9VIp+Ig2=29.90mAIg2=4.09mArp=1590Ωgm=2942μSμ=4.7V/VEf=3.8V, If=1.05AEp=240VEg1=-34.7VIp+Ig2=30.39mAIg2=4.17mArp=1601Ωgm=2923μSμ=4.7V/V240V三結なら0.9W近く出ます。200Vですと0.7Wくらいでしょうか。EP>Esgであればアイドリング時のIsgは6mAは超えないようです。2本目は製造上のバラツキだと思われますが、Ifが1.12Aも流れています。それゆえエミッションも高く、高圧側のIpカーブが浮き上がってますね。3.8Vにすると少し落ち着きます。三結のrpは低く、先日紹介したRES964とは、同じ直熱五極菅でも全く性格が違うことがわかります。
Feb 5, 2023
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小柄ながらとても綺麗な真空管を入手しました。テレフンケンのRES964です...が、測定したとたん私は泣きそうになりました。ebayにいる販売者の「tested, strong」はアテにならないです。(苦笑)etracerで測定したところエミ減で使い物にならない「飾り物」レベルの特性でした。でもメッシュプレートが美しいので許しちゃいます。フィラメントが透けて見えるというだけなのですが。(笑)トップの印字は綺麗に残っています。規格はFrankさんの資料室のRES964規格を参照ください。規格表には詳細な情報が無いですね...。三結にしてEp250Vで程々の27mA流れるところを測定します。Ip+Ig2のグラフに挿し換えました。(2023/12/31)【1本目】Ef=4.0V, If=1.00AEp=250VEg1=-11.8Vのときに、Ip+Ig2=27.19mAIg2=6.07mArp=4996Ωgm=1479μSμ=7.4V/V【2本目】Ef=4.0V, If=0.98AEp=250VEg1=-7.6VIp+Ig2=26.56mAIg2=5.17mArp=8323Ωgm=1032μSμ=8.6V/Vうわ、酷く疲れた様子ですね。特に2本目は低圧大電流領域が明らかにタレてきています。gmは半分です。2本目は特に酷く電流値も安定しません。セラーの言うところのStrongとは買った人のガッカリ度がStrongということでしょうか?まぁ、動くには動きますが、この状態なら「見て楽しむ物」と割り切ったほうが良いかもしれません。この状態での動作は歪みも多く、オーディオ用途としてどうなの?というレベルです。「私のような素人が中古真空管を買うとこういうこともある」と割り切るしかないですね。徐々に6V(150%)掛けて30秒ほどフィラメントを軽~く焼いてみましたが、変化は殆どありませんでした。ゲッターに火を当ててエミッションを回復する方法もあるようですが、失敗する確率も高そうなので実施しません。最期の手段的な動画がありまして、Junichiさんの「エミ減の球の電流を流す方法」というもの。これは寿命を犠牲にしてエミッションを高める危険な方法ですが....。ちょっと試しに測定してみましょう。4.4Vと4.8Vで測定してみます。【1本目】Ef=4.4V, If=1.09AEp=250VEg1=-16.8Vのときに、Ip+Ig2=27.19mAIg2=5.91mArp=3585Ωgm=2073μSμ=7.4V/VEf=4.8V, If=1.11AEp=250VEg1=-18.5V、Ip+Ig2=27.12mAIg2=5.86mArp=3107Ωgm=2309μSμ=7.2V/V【2本目】Ef=4.4V, If=1.05AEp=250VEg1=15.0VIp+Ig2=29.94mAIg2=5.02mArp=3570Ωgm=2135μSμ=7.6V/VEf=4.8V, If=1.11AEp=250VEg1=-16.2VIp+Ig2=26.94mAIg2=4.95mArp=3047Ωgm=2582μSμ=7.9V/V4.8V掛けて、ようやく実用ギリギリのところまでになりました。当然ながら著しく寿命が縮まります。使えない球を「見て楽しむだけで澄ませる」か、「短命でも使い切る」か、悩むところですね。私としてはこの子を使って最期を看取ってあげたい気もします。
Feb 3, 2023
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幸運にも英国MAZDAのP.650(P650)という真空管を3本入手しました。(本当に幸運です)オークションで「RE604と同等」と平然と書かれている人が居られますが、誤解を招く書き方は如何なものかと思います。(電気特性がどことなく似ているように感じるというだけです)管面トップにプリントがあります。P.650BVAMAZDAMADA IN ENGLAND造りが綺麗ですね。ニッケルプレートなので、見た目よりプレート損失は低い(せいぜい10から12W)と思われます。フィラメントは2箇所を吊ったM型です。規格の詳細はあまり見かけません。The Valve MuseouのP650規格や、ひま人の館の「欧州の真空管(PX4属)」で紹介されています。ここではPX4族として紹介されていますが、素のニッケルプレートなので見た目よりずっとプレート損失が小さいはずです。(たぶん10~12W)測定結果でも、PX4のようにrpは低いわけでもないです。なので、どちらかといえばRE604に近いように思います。P.650は、一応規格はあるもののIpカーブなどの詳細は不明なので、私の中では謎球に認定です。(笑)規格のフィラメント6V0.5Aと出力1.1W、プレートは結構大きいのですが、裸のニッケルプレートであるという事から、プレート損失は12W程度と仮定して測定することにしました。(いやもっと小さいかも)Epは規格の200Vで。フィラメント電圧は6.0Vと5.8Vで測定しました。【1本目】Ef=6.0V, If=0.51AEp=200VでEg=40.1Vのとき、Ip=22.02mArp=1660Ωgm=1952μSμ=3.2V/VEf=5.8V, If=0.49AEp=200VでEg=40.1Vのとき、Ip=21.96mArp=1680Ωgm=1937μSμ=3.3V/V【2本目】Ef=6.0V, If=0.49AEp=200VでEg=39.7Vのとき、Ip=22.03mArp=1662Ωgm=2016μSμ=3.4V/VEf=5.8V, If=0.47AEp=200VでEg=39.7Vのとき、Ip=21.96mArp=1664Ωgm=2010μSμ=3.3V/V【3本目】Ef=6.0V, If=0.49AEp=200VでEg=37.2Vのとき、Ip=22.02mArp=1747Ωgm=1942μSμ=3.4V/VEf=5.8V, If=0.47AEp=200VでEg=37.2Vのとき、Ip=21.82mArp=1763Ωgm=1902μSμ=3.4V/V規格の200V22mA時rp1.3kΩからは程遠い1.66kΩ~1.76kΩですしgmも低い(特に3本目は疲れているかも)ですが、Ip特性は美しいカーブを描いています。低電圧大電流側でのタレもありません。古い球ですので、これくらい性能が出ていれば私には十分です。出力を欲張らず7kΩ負荷で0.6W、10kΩでも0.4Wは出ます。高能率のスピーカーでフラウトトラヴェルソやリュートの音楽などを楽しむならOKですね。実際は200Vの30~40mA(プレート損失6~8Wでの動作)くらいまでは大丈夫かと思います。試しに1本目と2本目のEp=200VのIp=40mA(プレート損失8W動作)で測定してみました。(Ef=6.0V)【1本目】Ep=200VでEg=31.9Vのとき、Ip=40.03mArp=1348Ωgm=2444μSμ=3.3V/V【2本目】Ep=200VでEg=31.9Vのとき、Ip=39.94mArp=1306Ωgm=2545μSμ=3.3V/Vこの2本は良く揃ってますね。Ip40mAくらい流すとrpもgmも規格に近い感じになり、増幅動作もIpカーブの綺麗なところを使えるので歪率も良くなります。40mAも流していますが、Epは200Vなので8W程度です。念のためもう少し少ない電流が良いかもしれませんね。負荷はパワーより美音を求めるなら5kΩより7kΩが最適と思われます。皆さんももしP.650を見かけたら是非購入して可愛がってあげてください。とても魅力的な真空管だと思います。
Feb 2, 2023
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