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Western Electricの271Aという真空管を紹介します。また真空管を買ったのか!とか言わないでください...。(それを言われるとつらくて泣きます)6013とプリントされています。1960年13週の製造でしょうか...。見た目も新しいので、保守用として製造されたようにも思えますが、この6013がどういう意味なのかはわかりません。サイドにちょっとゲッターを飛ばしているだけ。これで十分のようです。とても綺麗な造りです。電極は円筒状ですね。そしてカソードが太いです。EU Valveの「W.E. tubes Part 2」252Aからほどなくして誕生した傍熱型三極管だそうですので、もし手持ちの271Aが960年代製造のものであれば、かなり新しい時代の製造といえましょう。最新のものであれば、カソードの完成度も高くエミッションも安定しているかと思います。(...と期待しています)規格は、Frankさんの資料室の「271A」規格表が参考になります。規格によるとグリッドは+20Vまで許容しているようです。プレート損失は直接書かれていませんが、動作例から約20Wあたりではないかと思います。(400Vの54mAですと約22W、450Vの57.5で約26W)ヒーターを灯すとこのような感じです。奥に鈍いオレンジ色に光る太いカソードが見えます。5V2Aといえば、6.3V換算ですと1.6Aくらいですね。etracerで特性を測定します。プレート損失のラインは前述の理由で、20Wに想定し設定しました。現実的な動作としては350V40mA(7kΩ負荷で出力1.3W)あたりでしょうか。これ以上高い電圧で動作させてもパワーは出るもののIpカーブが寝てきて歪みばかりが目立ちます。もう少し低い電流(35mAくらい)でも良さそうです。プレート損失とパワーと歪率の丁度良い落とし所かなと私個人は思っています。【1本目】5.0V, 1.98AEp=350VEg=22.2VIp=40.08mArp=2774Ωgm=3034μSμ=8.4V/V【2本目】5.0V, 1.99AEp=350VEg=22.0VIp=39.88mArp=2870Ωgm=2894μSμ=8.3V/V直線性はそれほど良くないです。感度は良いですがrpが高目です。理想的には負荷は8~10kΩですが7kΩで良いと思います。350V40mA7kΩ負荷で最大出力1.3W歪率4%。これで十分ではないかと思います。しっかりした構造の真空管で、ヒーター電力も大きく力強く感じますね。とても魅力的な真空管だと思います。
Oct 27, 2023
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SIEMENSのCaという真空管を紹介します。前回紹介しましたDaという真空管同様に、ドイチェポスト(ドイツの郵便会社)の型番です。ドイチェポストは電話の業務もやっていたので、電話の中継増幅器で使用されたものなのでしょうね。(現在は郵便のドイチェポストと電話のドイチェテレコムの別会社になっています)帯は...なんか貼り直していますね。良い状態ではないですが、Ca旧型自体が市場に出ている時点で「とりあえず買っておく」なので、円安の向かい風の真っ只中を強引にいきました。 構造は....2枚のプレートの間にグリッド、そして中心にフィラメントがハッキリ見えます。三極管らしい、とてもわかりやすい構造ですね。各部材も丁寧に加工され溶接されています。電極もガラス細工で支えられています。「芸術的」ともいえますが、当時はこのような手法が最も機械的・電気的に精度を出しやすい手法だったのでしょう。この後の世代からプレートを箱のように加工して電極一式を組み上げる近代真空管の手法が現れるのでしょうね..。とても興味深いです。規格は、Frankさんの資料室の「Ca」規格が参考になります。また、EU Valveの「German Post tubes (Part 2)」に詳しく書かれています。フィラメントは3.65Vが指定されています。(電流1.1A)妙に半端な電圧指定ですが、当時の電源事情から機器実働状態としては3.65V上下数パーセントが想定され製造されたのかもしれませんね。プレートは大型ですが最大プレート損失は5Wそこそこです。標準規格では、Ep=210V、Eg=-12V、Ip=20mA、gm=1.65mA/V、Ri=4.1kΩと書かれています。etracerで特性を測定してみましょう。(おそるおそる...)200Vで12mA流れるところで測ってみます。【1本目】Nr.10806Ef=3.7V(etracerでは3.65Vが出せず3.7Vとしました), If=1.09AEp=200VEg=-14.8VEp=11.84mArp=4703Ωgm=1347μSμ=6.3V/V【1本目】Nr.10806Ef=3.7V(etracerでは3.65Vが出せず3.7Vとしました, If=1.09AEp=200VEg=-15.8VIp=12.04mArp=4712Ωgm=1137μSμ=5.4V/Vエミッションは十分ある(Ipカーブは綺麗に伸びている)ようですが、何せ古い真空管(しかもゲッターが無い時代のもの)なので、高圧は200Vを超えたあたりから電流値がガタガタして怪しいです。多分ですが、私が入手したものはコレクターの選別から落ちたものかもしれません。もしくは、この時代のCaは現存する大半はこのような特性になっているのか...。一般的な真空管試験機ですと実働を想定した高圧側の電圧電流までは測定せず、動作中心付近(Caでしたら200~220V付近)しか見ませんので、高圧側の乱れまでは見えませんし予測もできません。しかし、これが100年前の真空管ですから、むしろこれだけの電気特性が出ているだけでも奇跡です。(因みに1930年代後半の真空管でも高圧側が一寸不安なものも多く存在しますので、古い真空管は「そういうもの」だと思います)増幅動作に関しては、Ep200V、Ip12mA、負荷7kΩ(4.7kΩのrpに対してロードラインを結構立ててます)で0.175Wが想定されます。(歪率が増えますが、プレート損失内でかつグリッドがプラス領域に入らない程度の出力が出る妥協点です)狭い部屋(自分に近い距離)に置いた93dB以上の高能率スピーカでリュート音楽を静かに楽しむのがせいぜいかと。グラフを見ての通り、高圧側は微妙ですので、いつ駄目になってもおかしくないです。しかし、この「いつか使えなくなる」儚さに魅力を感じるのも確かです。手持ちの旧Caはゲッターの無いタイプの真空管なので、測定していて心臓が止まりそうになりました。買ったはいいですが、怖くて使えません。(^^;しかし遠い将来、真空度が落ちて「ただのガラス球」になってしまいます。(100年も真空度を保っているというだけで奇跡です...)増幅するためこの世に生まれた真空管ですから、使ってあげないと...。今回、Caの構造から真空管の歴史を見ることができ、とても有意義です。買って後悔はして...いません!たぶん...(汗)もし、このブログをご覧の方で旧型Caをお持ちでしたら、今回の実測データを参考にされてください。
Oct 25, 2023
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英国マツダ製のAC/PENという真空管を紹介します。横はスクリーングリッドの端子です。サプレッサーグリッドがカソードに繋がっている五極菅構造であることが見てわかります。カソードの赤熱がハッキリと見える構造です。規格は、The Valve Museumの「AC/PEN」規格表が参考になります。因みに新型はB7Gのピンになって(横のスクリーングリッド端子も全て下のピンに含まれ)耐圧が250Vになっているそうです。今回紹介する手持ちのAC/PENは旧型で耐圧が200Vまでです。プレート損失がわかりませんが、ニッケルの裸のようなプレートですのでザックリ8Wくらいを想定しました。※規格がわかりましたFrankさんの資料室の「EDISWAN BROADCAST RADIO AND TELEVISION VALVES, TRANSISITORS & PICTURE TUBES 1960 Data Booklet」etracerで特性を測定しましょう。Ep200V,Eg200Vで25mA流れるところを測定しました。【1本目】Eh=4.0V, Ih=0.89A五結Ep=200V, Eg2=200VEg1=-9.7VIp=24.97mAIg2=4.94mArp=255132Ωgm=2079μSμ=530.4V/V三結Ep=200VEg1=-11.8VIp+Ig2=24.85mAIg2=4.12mArp=3531Ωgm=2256μSμ=8.0V/V【2本目】Eh=4.0V, Ih=0.90A五結Ep=200V, Eg2=200VEg1=-6.8VIp=24.99mAIg2=4.89mArp=179314Ωgm=1833μSμ=328.4V/V三結Ep=200VEg1=-9.0VIp+Ig2=24.93mAIg2=4.06mArp=4041Ωgm=2043μSμ=8.3V/V五結で1W前後ですが、三結ではrpが4kΩと高目でIpカーブが寝てしまい200V動作では実用になりません。三結であっても直線性は良くないので期待以下の数値になると思われます。(音質は数値ではないですが、ここではあくまで測定の数値を重視したいと思います)今回の測定結果から、この球は五結で使うのが最も良いと思います。2本目は感度が低いため、1本目のEg2を下げてIpを揃えてあげるのもひとつの手かと思います。2本目にIpを合わせるため1本目のEg2を175Vにした結果です。少し揃った感じがします。Ep=200V, Eg2=175VEg1=-6.6VIp=25.00mAIg2=4.76mArp=126773Ωgm=2161μSμ=274.4V/VIpは揃いA級の動作点も揃いますが、元々のgmが異なりますので左右の音量は異なってきます。Ehを少し下げればgmも下がりますので、上記のEg2を下げる動作とを併用すれば更に近づくと思いますが、そこまで神経質に揃える必要はないかと思います。アンプを作る場合は左右異なる設定で組むのもありかなと思います。(そもそもgmが異なる時点で音量だけで無く音質も異なるはずですので、動作点を揃える方が正解かと..)今回のAC/PENは比較的初期の五極菅で興味深いです。この真空管を設計された人は、今のオーディオ好きがKT150など大型でプレート損失が大きく高感度な真空管を気軽に挿せる時代が来るとは思ってもいなかったでしょうね。
Oct 22, 2023
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General ElectricのPJ-21という真空管を紹介します。鉄道関連ではRelay(信号中継器?開閉リレー?)に使われたようで、Train control tubeという種別だそう。綺麗な造りです。メインの支柱2本と、上でフィラメントやグリッドなどを支えているガラスから伸びる支柱2本で構成されています。力強さを感じる造りですね。フィラメントは1点吊りのΛ型。フィラメント点灯時。規格・動作に関しては、Frankさんの資料室の「PJ21」規格によればA級の動作例も書いてあります。このPJ-21は、Radiomuseumの「PJ-21」によれば、5743という型番もあるようです。PJ-21(5743)は、特性は全く異なりますが以前紹介した5556という真空管(PJ-8)の仲間に近い関係のように思えます。etracerで特性を測定しましょう。【1本目】Ef=4.5V, If=1.08AEp=320VEg=-75.4VIp=18.08mArp=3277Ωgm=933μSμ=3.1V/V【2本目】Ef=4.5V, If=1.09AEp=320VEg=-83.2VIp=17.97mArp=3285Ωgm=858μSμ=2.8V/V2本目は古い真空管でよくある特性です。(下が浮いて全体的に詰まる)製造のバラツキによる物でしょうか..。経験的に、このIpカーブを描く個体は直線性があまり良くない(歪率が高い)です。測定した結果、gm900前後の低感度管らしい特性となり、深いバイアスに負荷14kΩで1W一寸です。それにしてもバイアス、深いですね。2段構成はほぼ不可能かと思います。(よほど高感度な球を使うとか)もう少し控えめにして0.3Wくらいのものを狙うのが無難かもしれません。これの類似管は見当たりません。なので、似たような球を色々挿し換えて遊ぶことは一寸難しいです。
Oct 21, 2023
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ARCTURUSのGAという真空管を紹介します。不思議な名前です。以前、6A4/LAという真空管を紹介しましたが、LA的な名前のつけかたですね。GA以外に類似した球が無いです。そして情報が殆どありません。Radiomuseumの「GA」を見ると、F-P-G1-G2-Fの並びです。構造を見ると...五極菅であることがわかります。上側から見るとこのような感じです。サプレッサーグリッド(G3)がフィラメント中点に接続されています。DC点火では2.5Vのバイアスが掛かりますが、G3の電流はフィラメント電流に比べれば無視出来ますし0Vに限りなく近い値ですから大丈夫かと思います。フィラメント点灯。D404F03さんの情報によりますと、規格は以下の通りです。Ef=5.0V, If=0.25AEp=180V, Eg2=180VEg1=-10VIp=35mA, Ig2=7.5mAgm=2.0mA/Vrp=30kΩRL=7kΩPo=800mW(0.8W)tubebooks.orgでも見つけました。実際はどのような特性なのでしょう?etracerで特性を測定してみましょう。今回は五結と三結の両方を測ります。何で両方測ったかは測定結果からお察しください..。(汗)【1本目】Ef=5.0V, If=0.26A五結Ep=180V, Eg2=180VEg1=9.3VIp=19.99mAIg2=4.43mArp=45181Ωgm=2229μSμ=100.7V/V三結Ep=180VEg1=9.3VIp+Ig2=19.96mAIg2=4.44mArp=3366Ωgm=2339μSμ=7.5V/V【2本目】Ef=5.0V, If=0.26A五結Ep=180V, Eg2=180VEg1=9.6VIp=20.20mAIg2=4.28mArp=42413Ωgm=2355μSμ=99.9V/V三結Ep=180VEg1=9.3VIp+Ig2=20.16mAIg2=4.27mArp=3284Ωgm=2325μSμ=7.6V/V五結の7kΩ負荷では設計値に近い0.7Wが余裕で出ます。しかし三結ではEg0VのIp特性がかなり高圧寄りで、振ってすぐEg0Vのところに当たってしまいます。最大出力0.15W程度で全く実用になりません。もしEpが250Vまであって三結でもう少しrpが下がれば実用になったと思いますが、それではただ47に限りなく近くなってしまうだけなわけで。(笑)互換性に乏しい球ですが、面白い真空管かと思います。
Oct 20, 2023
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TC05/25という真空管を紹介します。オークションを通じて譲っていただきました。上面の天使の輪がPhilipsのTC1/75を思わせますね。送信管らしい造り。そしてプレートが大きい。ガッチリしていて、放熱にも気を遣っているように思えます。フィラメントは2点吊りです。規格に関しては、Frankさんの資料室の「TC05/25」規格が参考になると思います。送信管でグリッドはプラスまで十分に振れる仕様です。プレート損失40Wと書いてありますが、常時電流を流すA級動作であればもう少し少なめにみておいたほうが無難かもしれませんね。(0.3Wで十分な環境なのでパワーは全然必要ありません)etracerで特性を測定しましょう。(500V28mAに合わせて測定します)【1本目】Ef=4.0V, If=2.10AEp=500VEg=-17.8VIp=28.50mArp=9884Ωgm=925μSμ=9.5V/Vややエミ減気味ですが、Ipカーブは垂れずに伸びていますので合格です。下のゲッターは薄くなっていますが、濃い色のゲッターは大丈夫。Philipsは複数のゲッターを使用しているというそうですが、この真空管もそのようです。放電が心配でしたが、50Vずつ上げながら様子をみましたが、測定限界の750Vまで放電はありませんでした。【2本目】Ef=4.0V, If=2.11AEp=500VEg=-19.8VIp=28.39mArp=8091Ωgm=1194μSμ=9.7V/Vうーん、悪くはないですが、どちらもエミ減気味で厳しいですね。やはり、送信管らしい高rpな特性で、14kΩくらいのトランスが必要です。500V28mA14kΩでマイナス領域のみ使うなら0.3Wです。プラスまで振るならもっと出ます。元々オーディオ用ではないので、見た目よりは出力は望めません。それでも、この力強い見た目は魅力的です。
Oct 18, 2023
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MajesticのG-59-Bという真空管を紹介します。ラジオ受信機メーカのMajesticが製造しているわけではなく、どこかの工場(例えばRAYTHEONとか?)が作ったものをラジオ用にMajesticブランドとして納品していたものだと思います。後日談:真空管の自社工場があったそうです。元箱です。ショップのデータが貼られています。剥がすと元箱の印刷が剥がれますので、このままにします。マジェスティックはシカゴにあったのですね。MajesticブランドのGrigsby-Grunow社の情報が掲載されているサイトを見つけました。Grigsby-Grunow Company前回紹介した59と同じくラージUT7ピンです。59との異なる点は、なんと直熱型です!!フィラメント点灯。そして当然ながらピン配置も6番(カソード)がありません。Radiomuseumの「G-59B」のピン配置図が参考になります。オンしてすぐ鳴るラジオのために作られた真空管なのでしょうか...。59の直熱バージョンはMajesticくらいしか観たことがないです。59と共用するのであれば、6番7番を接続し、フィラメントDC点火で1番プラスで7番はマイナスにすれば良いかと思います。etracerで特性を測定しましょう。前回紹介した59と同様に三結250Vで30mAのところを測ります。【1本目】Ef=2.5V, If=1.92AEp=250VEg1=20.5Vのとき、Ip+Ig2+Ig3=30.06mAIg2+Ig3=8.90mArp=2453Ωgm=2876μSμ=7.1V/V【2本目】Ef=2.5V, If=1.85AEp=250VEg1=19.1Vのとき、Ip+Ig2+Ig3=30.27mAIg2+Ig3=6.95mArp=2719Ωgm=2712μSμ=7.4V/V2本目は高圧側で少しガタつきがありますが、カットオフぎりぎりまでスイングしないとか負荷を10kΩくらいにすれば大丈夫です。0.3~0.4Wは低歪みで出ます。少し製造のバラツキも感じますが、「この時代の真空管」ですから、これで十分性能が出ていると思います。なかなか珍しい真空管を入手できましたので満足しています。
Oct 15, 2023
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59という真空管を紹介します。手持ちはRCAとRAYTHEONです。RCAはオーソドックスな造り。そしてダブルヒーター。ヒーター点灯。ダブルヒーターの球はついつい買っちゃいますね。RAYTHEONは4ピラーで、楕円プレートでRCAより細長い造りです。こちらもダブルヒーター。コントロールグリッド(G1)に放熱板が付いています。ヒーター点灯。規格は真空管(Electron tube) 規格表データベースの「RCA 59」規格表を参照ください。Ef=2.5V, If=2.0Aというものですから期待出来ますね。この球は、ラージUTのソケットが必要です。6WC5などのソケットよりひとまわり大きいサイズです。etracerで三結特性を測定しましょう。今回の三結でのサプレッサーグリッドはカソードではなくスクリーングリッドと接続します。(この接続で200~300Ωほど内部抵抗が下がります)Ip+Ig2+Ig3が30mAガッツリとなるところで測定します。【RCA 59】1本目Ef=2.5V, If=1.90AEp=250VEg1=23.8Vのとき、Ip+Ig2+Ig3=30.06mAIg2+Ig3=6.56mArp=2406Ωgm=2628μSμ=6.3V/V【RCA 59】2本目Ef=2.5V, If=1.92AEp=250VEg1=27.2Vのとき、Ip+Ig2+Ig3=30.30mAIg2+Ig3=7.09mArp=2189Ωgm=2644μSμ=5.8V/V【RAYTHEN 59】1本目Ef=2.5V, If=2.07AEp=250VEg1=22.3Vのとき、Ip+Ig2+Ig3=29.92mAIg2+Ig3=5.64mArp=2672Ωgm=2432μSμ=6.3V/V【RAYTHEN 59】2本目Ef=2.5V, If=1.96AEp=250VEg1=24.9Vのとき、Ip+Ig2+Ig3=30.00mAIg2+Ig3=5.49mArp=2246Ωgm=2770μSμ=6.2V/Vとても綺麗なIpカーブを描いていますね。rpが2.2kΩでgmが2300μSくらいなので、どことなく47という真空管の三結に似ている気もします。なかなか興味深い真空管だと思います。
Oct 13, 2023
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RAYTHEONのVT-25という真空管を紹介します。以前、RAYTHEONの10という真空管を紹介しましたが、「また似たような球を買ったんですか」...と思われそうですが、造りに違いがあります。右の10はプレートが縦に長く、左のVT-25は横に広い感じですね。VT-25のベースはセラミックです。右の10はボックスプレートですが、左のVT-25は楕円のプレートです。そして電極への配線のしかたが異なります。左のVT-25のほうがプレートの配線を遠くして高電圧対策あるいはプレート~グリッド間容量に配慮しているようにも思えます。フィラメント点灯時の様子。太くて色味のあるフィラメントで、点灯しているのがわかりやすいです。etracerで特性を測定してみます。Ep=400VでIpが23mAくらい流れるところを測ります。(古典管ですので、常用なら370~380Vが良いかも)フィラメント電圧は7.5Vと低目の7.0Vでとります。一応、750Vまで引いていますが、400Vを中心にしたロードラインではフルスイングで最大570V程度です。【1本目】Ef=7.5V, If=1.24AEp=400VEg=31.8VIp=23.11mArp=3479Ωgm=2302μSμ=8.0V/VEf=7.0V, If=1.16AEp=400VEg=31.7VIp=22.99mArp=3523Ωgm=2281μSμ=8.0V/V【2本目】Ef=7.5V, If=1.23AEp=400VEg=29.1VIp=23.01mArp=4240Ωgm=1936μSμ=8.2V/VEf=7.0V, If=1.16AEp=400VEg=28.7VIp=23.08mArp=4387Ωgm=1875μSμ=8.2V/V2本目は1本目よりエミ減気味(Efを7.0Vに落とすとバイアスを結構浅くしないと23mAになりません。Ef7.5Vと7.0Vで同じIpになるEgの差が大きいほど疲れ気味と云えます)ですが、十二分に実用範囲内です。(Ipカーブは倒れず綺麗に伸びていますので)固定バイアスで、電流に合わせてバイアス電圧を掛けているので2本それぞれかけ離れて見えますが、自己バイアスですともう少し寄ってくると思われます。フィラメント電圧は...フィラメント電流1.25Aを信じるなら7.5Vが正しいと思います。フィラメント電圧範囲+5%~-10%説にあてはめると、7.0Vでもまぁ大丈夫な範囲内だとは思います。後日談:D404F203さんの情報によりますとこのVT25も7.0V指定だそうです今回のRAYTHEON VT-25は、以前紹介したRAYTHEONの10という真空管とは異なる構造でした。似ていません。違うからセーフです。
Oct 12, 2023
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TUNGSRAMのP28/500という真空管を紹介します。とても頑強な造りに見えます。先日ご紹介しましたP27/500という真空管と型番が僅か1番違いですが、全く違う球です。トップにうっすらと印字が残っています。TUNGSRAM P28/500 7.5V 600Vこのマイカ板の切り方は、いかにもTUNGSRAMですね。プレートからの配線は外側を通しています。放電対策でしょうか。フィラメントは2点吊りM型です。規格に関しては真空管(Electron tube) 規格表データベース「P28/500」規格表が参考になります。プレート損失35Wと書いてありますが、常時電流を流すA1級であれば25~28W程度とみて良いかもしれませんね。とにかく情報が少ない球です。ではこの謎球を、etracerで特性を測ってみます。抑えめの500Vで28mAあたりで。【1本目】うっすらトップの印字が残っているEf=7.5V, If=1.21AEp=500VEg=-26.9VIp=27.62mArp=9505Ω(この数値は疑問で、4000Ωくらいと思われます)gm=1386μS(この数値は疑問で、もっと高いと思われます)μ=13.6V/V【2本目】トップの印字は殆ど消えているEf=7.5V, If=1.21AEp=500VEg=-26.9VIp=27.76mArp=10158Ω(この数値は疑問で、もっと高いと思われます)gm=1349μSμ=13.7V/V実は、測定結果(Egに対する各数値)が全く落ち着きませんでした。何度か試しましたが、etracerの測定誤差なのかもしれません。rpはもっと低い(4000Ωくらい)ように思います。500V以上の大電流域で動作不安定ですが、プレート損失を抑えて使うなら全く問題無さそうです。古い真空管は測定結果がブレることがあります。実際に使っていると安定してくるという話もありますね。500Vで28mA、14kΩの負荷であれば1.2Wを得られます。フルスイングの上限は300V45mAで下限は680V16mA程度です。測定して色々わかってきました。古典管ゆえ、あまり高電圧も掛けられないことを前提にしますと、「大柄だけど出力1.2Wのアンプ」として組むしか道は無いという感じです。もっと負荷を重めにロードラインを立てて使えば歪みは多くなりますが1.6Wは出ます。でも1Wもあれば小さい部屋と95dB近い能率のスピーカーで静かに音楽を聴くには十分すぎます。また、rpは高いのでNFBは必須のように思えます。この球は規格表では35Wのプレート損失をもっていますが、実際はrpが高く且つEp最大600Vという規格のため、このプレート損失を使い切れる設計とは云えません。アイドリング少なめのAB級プッシュプルで使う用途に設計されたものかもしれません。A級シングルでは大変気難しい球ですが、これはこういうものだと割り切って(諦めて)使うしかないかもしれません...。見た目の格好良さに惹かれて勢いで買ったもの、A級シングルアンプには使いにくい変な球を買ってしまったなと後悔していますが、あまり出回らない珍しい球なのでよしとしましょう。追記:因みに4043C(CV1448)という真空管にも一寸似た特性という印象を受けました。
Oct 9, 2023
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TUNGSRAMのP27/500という真空管を紹介します。製造時期が異なるためか、ゲッターを飛ばす方向が180度異なりますが中身は同じです。先日ご紹介しましたF704という真空管のように元箱入りで同ロットのMINTコンディションは奇跡に近いと思いますので、古典管はピッタリ揃えるのは困難であると私は思っています。(故障せず十分なエミッションを保っている古典管は年々減り続けていますし、一部のコレクターの放出にのみ頼っている状態です)最初はこの印字に気付きませんでした。MADE IN ENGLANDです。つまり、Marconi-Osram Valve(MOV)などの真空管工業会(BVA)に関連する工場で製造された可能性がとても高いわけです。それはPX25を絶対買わない主義の私にとっては割とショックです。(笑)でもPX25と書いていないからセーフです。フィラメントは4点吊り。フィラメント点灯。etracerで特性を測定しましょう。320V48mAくらいになるよう測ります。Efは4.0Vと3.8Vの2点です。【1本目】TUNGSRAMの印字ありEf=4.0V, If=1.98AEp=350VEg=-27.3VIp=48.08mArp=1365Ωgm=6270μSμ=8.6V/VEf=3.8V, If=1.95AEp=350VEg=-27.3VIp=47.71mArp=1380Ωgm=6203μSμ=8.6V/V大変コンディションが良いです。【2本目】印字消えEf=4.0V, If=1.91AEp=350VEg=-25.3VIp=48.08mArp=1578Ωgm=6015μSμ=9.5V/VEf=3.8V, If=1.83AEp=350VEg=-24.3VIp=48.05mArp=1784Ωgm=5293μSμ=9.4V/V2本目はエミッションがやや低目ですが、実用範囲内です。たぶん実動作では殆ど聞き分けられないかと。因みに、何をもって「やや低いと感じる」かですが... ・Ipカーブの大電流域が下にしなりかけている ・Efを少し下げただけでgmが大きく低下するということをを「これは低いかも」と私は判断していますぱっと見でおおよその傾向を察知出来るetracerはとても便利です。PX25同等管や類似管にいえることですが、大変高感度です。バイアスを深くせず内部抵抗もさほど高くないので扱いやすいと思います。
Oct 8, 2023
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MullardのDO24という真空管を紹介します。意地でもPX25は買わないです。(笑)以前DO25という真空管(片方はエミ減)を紹介しました。DO25とDO24では番号が1番違いですがrpなど諸々の性格は異なります。今回のDO24はフィラメント電圧が4Vなので使いやすいと思います。フィラメントは4点吊り。点灯しても写真に写らないほど暗いです。逆に言うと、それくらいの温度で十分に電子が放射できるということです。DO24の規格はThe Valve Museum「DO25」規格が参考になります。DO24の情報ですが、結構あります。持って居られる方が多いです。EU Valve「PX25の各種同等管」ひま人の館「欧州の真空管(PX25とDA30属)」球球コレクション「DO24の悲劇」こころの畔「MULLARD DO24 規格」が参考になると思います。最終型(私のやつ)はフィラメント電流が少なめに設定され、高効率型になっているようですね。etracerで特性を測定しましょう。320V48mAくらいになるよう測ります。Efは4.0Vと3.8Vの2点です。【1本目】黒色プレートEf=4.0V, If=1.75AEp=350VEg=-27.9VIp=47.93mArp=1315Ωgm=6696μSμ=8.8V/VEf=3.8V, If=1.66AEp=350VEg=-27.7VIp=48.33mArp=1336Ωgm=6688μSμ=8.9V/V【2本目】灰色プレートEf=4.0V, If=1.77AEp=350VEg=-31.7VIp=48.08mArp=1206Ωgm=6685μSμ=8.1V/VEf=3.8V, If=1.70AEp=350VEg=-27.7VIp=47.93mArp=1222Ωgm=6683μSμ=8.2V/V2本目(灰色プレート)は高圧側が不安定なので500Vまでの測定としました。このあたりからおかしいということはEp320Vくらいで動作させ最大出力2Wそこそこで済ませるのが無難かもしれません。アイドリング時の特性(一般的な元気度)だけ見れば問題ない真空管も、スイングしたとき(アンプ動作時)の具合の良し悪しはカーブトレーサーでないとわかりません。古典管は常にこういう問題がつきまといますが、「そういうもの」と割り切る覚悟が必要かもしれません。この球はフィラメント電流から、間違いなく後期型ということがわかります。エミッションはEfを0.2V下げてもgmが殆ど落ちませんので大変良好です。ただ、2本のバラつきはあるようで、特に2本目(灰色プレート)は高電圧低電流域でガタつき(放電の予兆のような不穏な動き)という問題がありましたので、320V50mAを中心として5kΩ~7kΩの負荷で振って最大2Wというのが無難そうです。2Wという出力は高能率スピーカー相手なら十分すぎる数値です。
Oct 7, 2023
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6A3Bという真空管を紹介します。左は一寸緑色っぽいガラスですね。製造時期が異なるようです。6A3Bは傍熱型でUYソケットです。一般的な真空管規格表には載っていない謎球で、マツダの規格表には載っているそうです。マツダだけが作っていた可能性も高いですね。しかも短い期間しか製造されていないようです。Gallery on Tubes/真空管展示室この情報によると高い値のグリッドリーク抵抗は鬼門なので、トランスドライブ一択になりそうですね。ちょっと気難しい球です。音声用途というよりもレギュレーター用途なんでしょうね。ピン配置を解析したところ、1番:ヒーター2番:プレート3番:グリッド4番:カソード5番:ヒーターというオーソドックスな並びでした。譲って頂いた元オーナーに問い合わせたところ、1951年の「マツダハンドブック」にのっているそうで、プレート損失は15Wだそうです。ヒーターの電力高くそれだけでも発熱が結構あるので、少し低く見たほうがが良いかもしれません。プレートに放熱器が付いています。これでプレート損失15Wをクリアしているようです。ヒーター電力が高いので、バルブとしては相当高温になりますから、動作としてはもう少し控えめが良いかもしれません。カソードが4本通っています。ヒーターを点灯すると、上側はこんな感じ。下側は...これはカッコいいです!RK-25やARCTURUSの42など、ダブルヒーター(ダブルカソード)のものは片切れしているのがたまにありますから、4本きちんと生きているのは凄いです。etracerで特性を測定しましょう。とりあえずEp=250VでIpが50mA流れるところで測定してみます。ただし、アンプとして作るときは長期間使用を前提に電流を抑えたいところです。【1本目】Eh=6.3V, Ih=1.61AEp=250VEg=-47.8VIp=49.87mArp=1049Ωgm=3692μSμ=3.9V/V【2本目】緑色っぽいガラスEh=6.3V, Ih=1.66AEp=250VEg=-44.7VIp=49.83mArp=1040Ωgm=3957μSμ=4.1V/V6.3Vで1.6Aも消費する、大変効率の悪い球です。この6.3Vで1.6A消費する真空管で有名なのはKT90です。因みにKT90のプレート損失は50Wです。6A3Bは15Wの小さなプレートです。この小さな中で大電力でカソードを熱し、必死に電子を放出させようとしているわけです。もしかしたら..ですが、当時の日本ではこれくらい食わせないとエミッションが確保出来なかったのかもしれません。この球がカラーテレビ全盛期に作られたらもっとヒーター電力が抑えられているのでは?と勝手に思っています。直線性は2A3や6B4Gのより良くありません。高圧低電流側(動作としてはカットオフ側)でロードラインがIpカーブの寝ているところに近づきますので、最高出力に向かって歪率が一直線に悪くなる感じかもしれません。ちょっとR120に近いですね。しかし直線性が悪いからといって音が悪いとは言い切れません。たとえばおんにょさんの89Yシングルアンプの記事のように、直線性が悪くても大変良い評価のものもあります。「ヒーター電力が高い」「グリッド電流が流れやすい」「直線性が悪い」というキワモノ的な球ですが、この4本並んだカソードだけで全てが許されます。(笑)
Oct 4, 2023
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今回も謎球ではありません。2A3とともによく知られている6B4Gという真空管を紹介します。手持ちはLEWIS AND KAUFMANとRAYTHEONとRCAです。以前、たまたま安く出ていたので購入しましたが、測定をしていませんでした。前回紹介した2A3を6.3V点火にしてオクタルピンにしたものと言われています。主に電源レギュレーター用途だったようですが、今はオーディオ用途が主流ですよね。トップから見ると.....LEWIS AND KAUFMANは、たぶん自社製ではないです。見た目はソヴィエト製(6S4S/6C4C)っぽいのですが...。Zaerix(商社)もこのマイカ板です。ロット番号は78年43週ですが、どうなんでしょうね...。元箱は朱色と黒のお馴染み山猫印です。RAYTHEONは2枚のプレートは繋がっていません。まさに45×2って感じですね。RCA製も2枚が繋がっていないタイプです。ただ、フィラメントはマイカ板に掛けてあり簡素化されています。etracerで特性を測定しましょう。2A3同様にEp=250V、Ip=50mAでみてゆきます。(少々高過ぎるので、実際にアンプを組むときはもっと下げた方が良いです)【LEWIS AND KAUFMAN 1本目】製造番号:78-43(2本目と同じロット)Ef=6.3V, If=1.03AEp=250VEg=-41.1VIp=50.08mArp=839Ωgm=5008μSμ=4.2V/V【LEWIS AND KAUFMAN 2本目】製造番号:78-43(1本目と同じロット)Ef=6.3V, If=1.04AEp=250VEg=-41.4VIp=50.24mArp=805Ωgm=5296μSμ=4.3V/Vバラツキがないですし、gmも高い。性能としては手持ちの中で最高かも。【RAYTHEON 1本目】製造番号:59-50Ef=6.3V, If=1.00AEp=250VEg=-37.5VIp=50.21mArp=1545Ωgm=2415μSμ=3.8V/V大ハズレです。Ipが寝ていてエミ減です。430V以上はIpが急に流れて測定できず、ゲッターを暖めて何度か測定しましたが430V以上は無理でした。測定結果も一寸不安定でgmも低いです。相当疲れてますね。結構安く買ったので、まぁ諦めましょう。【RAYTHEON 2本目】製造番号:消えEf=6.3V, If=1.01AEp=250VEg=-45.4VIp=49.78mArp=881Ωgm=4366μSμ=3.8V/Vこっちは生きてます。よかった...。【RCA 1本目】製造番号:不明Ef=6.3V, If=0.91AEp=250VEg=-41.0VIp=50.16mArp=895Ωgm=4674μSμ=4.2V/V【RCA 2本目】製造番号:不明Ef=6.3V, If=0.96AEp=250VEg=-41.0VIp=49.91mArp=885Ωgm=4833μSμ=4.3V/VRCAはバラツキが少ないですね。安心しました。当たり前ですが2A3同様のIpカーブとなりました。アンプにUXとオクタルのソケットを付けて2A3と6B4Gが使えるようにすると便利かもしれませんね...。1本ハズレでしたが...他は大丈夫なので、まぁよしとします。
Oct 2, 2023
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今回は謎球ではありません。2A3という真空管を紹介します。左からWestinghouseの2本、HORIZONの2本、FUTABAの2本(右が明るいガンメタ、左が暗いガンメタ)、そしてTENの3本(一番右は艶消し黒のプレート)です。実は、昔ヤフオクで買った2A3を測定していませんでした。結構使用感があるのでエミ減かもしれない...などと考えながら見ていきます。今回は2A3の紹介というよりも、自分がオークションで入手した2A3が大丈夫か確認するという内容です。Westinghouseは状態が良さそうだったのと、カナダ製のWestinghouse6V6が気に入っていることもあって手を出しました。Westinghouseの製造はカナダMarconiの製造で造りは良いです。(吊りフィラメントではない近代的な造りですが)この球は新品または新品同様の大変良好な状態でした。オークションの2A3は結構使い込まれているものが多いそうですね。Junichiさんの「オークションで購入した真空管2A3の測定」が参考になります。これは測ってみないとわかならいです。いや、測らないほうが幸せかも..。知らずに済むので。(笑)2A3を上の方から見ると...結構様々な表情を見ることが出来ます。Westinghouseは簡易的な造りで、マイカ板にフィラメントを掛けています。HORIZONはコイルバネ。FUTABAはコイルバネで放熱板が付いています。TENは、製造時期で全く異なります。製造番号:DD4製造番号:GB4PとGC3P(プレートの色は若干違います)2A3の規格は真空管(Electron tube) 規格表データベース「RCA 2A3」規格表を参照ください。2A3族に関しては、銘球列伝「2A3」が詳しいと思います。etracerで特性を測定しましょう。とりあえずEp=250VでIpが50mA流れるところで測定してみます。ただし、アンプとして作るときは長期間使用を前提に電流を抑えたいところです。(私の場合は0.5~1Wで十分なので)【Westinghouse 1本目】製造番号:不明Ef=2.5V, If=2.24AEp=250VEg=-45.0VIp=49.84mArp=816Ωgm=5058μSμ=4.1V/V【WESTINGHOUSE 2本目】製造番号:不明Ef=2.5V, If=2.31AEp=250VEg=-46.2VIp=49.75mArp=774Ωgm=5250μSμ=4.0V/V2本のバラツキはあるものの良好です。【HORIZON 1本目】製造番号:ろ-IEf=2.5V, If=2.39AEp=250VEg=-47.0VIp=50.21mArp=835Ωgm=4563μSμ=3.8V/Vややお疲れ気味ですが、いいんです!HORIZONのが欲しかったんです!!【HORIZON 2本目】製造番号:は-BEf=2.5V, If=2.72AEp=250VEg=-45.3VIp=50.49mArp=802Ωgm=5086μSμ=4.1これは良い感じですね。【FUTABA 1本目】プレートは明るいガンメタEf=2.5V, If=2.30AEp=250VEg=-44.8VIp=50.08mArp=811Ωgm=5090μSμ=4.1V/Vまずまず良好なほうです。【FUTABA 2本目】プレートは暗いガンメタEf=2.5V, If=2.42AEp=250VEg=-44.0VIp=50.04mArp=793Ωgm=5433μSμ=4.3ほぼ新品かも。【TEN 1本目】製造番号:DD4(マイカ板が丸ではなく長細い)Ef=2.5V, If=2.36AEp=250VEg=-44.4VIp=50.26mArp=909Ωgm=4569μSμ=4.2ちょっとお疲れ気味??【TEN 2本目】製造番号:GB4PEf=2.5V, If=2.37AEp=250VEg=-45.3VIp=49.81mArp=764Ωgm=5363μ=4.1V/V良好です。ほぼ新品?【TEN 3本目】製造番号:GC3P(艶消し黒)Ef=2.5V, If=2.32AEp=250VEg=-43.8VIp=50.07mArp=788Ωgm=5361μSμ=4.2V/V良好です。ほぼ新品?rpやgmをそろえるなら、製造番号GB4PとGC3P(艶消し黒)ですね。以前オークションで入手した2A3を測定しましたが、物凄いエミ減はありませんでした。古典管は同ロットが揃わないのが常ですが、細かいことは抜きにすれば気が楽です。Westinghouseは安価に入手できたので嬉しいです。同じ工場でもMarconiと書かれていると値段が上がります。特にMarconiが特別仕様なわけでもないのに印字一つで値段が変わるのは不思議ですね...。(私は気にしません)
Oct 1, 2023
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