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ebayでRAYTHEONの43という真空管を購入しました。ダブルヒーター(ダブルカソード)の4ピラーだからという理由だけです。結構安価に入手できました。規格はThe Valve Museumの43規格表を参照願います。25V0.3Aのヒーターは6.3V換算でしたら1.2Aとなり、このプレートのサイズに対して大変効率が悪いように思えます。でも大食漢な球は魅力的ですよね。etracerで特性を測定してみます。Ep=160VでIp+Ig2が30mA流れるところで測ります。【1本目】Ef=25.0V, If=0.31AEp=160V,Eg1=35.2VIp+Ig2=30.00mAIg2=5.16rp=1482Ωgm=1936μSμ=2.9V/V【2本目】Ef=25.0V, If=0.31AEp=160V,Eg1=33.5VIp+Ig2=29.87mAIg2=3.97rp=1471Ωgm=2099μSμ=3.1V/V直線性は、それほど良好ではありませんが素直なカーブという印象です。回路全体の構成(特に前段の真空管との組み合わせ)で美音に化ける可能性を秘めています。
Jun 22, 2023
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以前、ELEVAMの80(ラージプレート&M型フィラメント)を紹介しましたが、プレートの長い80を入手しました。写真右からHORIZONの80(シングルゲッター)、真ん中がHORIZONの80(ダブルゲッター)、左が比較ように用意したFUTABAの80です。比較すると明らかにHORIZONが長いです。つまりプレート面積が大きい。これらの差が電気特性に表れるでしょうか。etracerで特性を測定します。HORIZONの80(シングルゲッター)Ef=5.0V, If=1.83A45Vのとき、Ip1=204.39mArp1=145ΩIp2=178.94mArp2=155Ω内部抵抗も低く電流もよく流れます。HORIZONの80(ダブルゲッター)Ef=5.0V, If=2.07A45Vのとき、Ip1=229.23mArp1=66ΩIp2=249.33mArp2=55Ωこれはもはや80とはいえない別物です。参考までにFutabaの80の特性です。Ef=5.0V, If=2.07A45Vのとき、Ip1=117.96mArp1=247ΩIp2=104.52mArp2=255Ωこれが標準的な80の特性です。これは私の推測ですが、「整流管は寿命が短いので最後まで十分な性能を持たせるには初期性能を上げるしかないという判断をしたのではないか?」ということです。また、単純な挿し換えでは内部抵抗の低いほうがB電圧が上がりますので当然音量も上がります。ラジオに挿したとき何となくよく聞こえると感じるから、そういう特性を持たせたのかもしれません。さて、ここで問題になってくるのはB電圧です。当然ながら高くなりますので、前回紹介しましたELEVAMの80(ラージプレート&M型フィラメント)や今回のHORIZONも、使うときは抵抗を入れて電圧を抑えてあげたいところです。
Jun 21, 2023
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以前、AT20という真空管という記事を書きましたが、その続編です。実はまたAT20を買ってしまいました。(随分前に買ったのですが...)COSSORのAT20(細管)とSTCのAT20(フィラメント3点吊り)です。COSSOR細管はF410のようにプレート両側を押さえるような形の支柱になっています。AT20ではオーソドックスな2点吊り。STCのフィラメント3点吊りは太い針金の支柱でプレートを支えています。フィラメントの折り返しは1つ多く、3点吊りです。etracerで特性をみましょう。今回もEf=6.0Vと5.7V、Ep=480VでIp35mA流れるところで測定します。【細管1本目】Ef=6.0V, If=1.12AEp=480VでEg=-28.8Vのとき、Ip=35.34mArp=3339Ωgm=2977μSμ=9.9V/VEf=5.7V, If=1.10AEp=480VでEg=-27.2Vのとき、Ip=35.43mArp=3679Ωgm=2572μSμ=9.5V/V【細管2本目】Ef=6.0V, If=1.15AEp=480VでEg=-25.5Vのとき、Ip=35.12mArp=3899Ωgm=2599μSμ=10.1V/VEf=5.7V, If=1.11AEp=480VでEg=-23.8Vのとき、Ip=35.25mArp=4013Ωgm=2300μSμ=9.7V/V【三点吊り1本目】Ef=6.0V, If=0.99AEp=480VでEg=-30.1Vのとき、Ip=35.20mArp=2565Ωgm=4160μSμ=10.6V/VEf=5.7V, If=0.96AEp=480VでEg=-30.0Vのとき、Ip=35.00mArp=2574Ωgm=4121μSμ=10.6V/Vエミッションが高すぎる(強すぎる)印象です。たまにこういう高圧側でIpカーブの持ち上がる球を見かけます。構造上の問題でしょうか...?念のためEf=4.8VでのIpカーブを載せておきます。【三点吊り2本目】Ef=6.0V, If=0.99AEp=480VでEg=-28.3Vのとき、Ip=35.00mArp=2731Ωgm=3957μSμ=10.9V/VEf=5.7V, If=0.96AEp=480VでEg=-28.3Vのとき、Ip=35.09mArp=2739Ωgm=3994μSμ=10.9V/VこちらもEf=4.8Vと4.0VのIpカーブをとってみます。今回はAT20という真空管という記事の続編として2種類のAT20を紹介しましたが、古い真空管はどれだけ使われているかわかりませんし、使われていなくても多かれ少なかれ劣化もあります。正確なデータどりは不可能ですが、なんとなく傾向はつかめると思います。STCの3点吊は、5Vのほうが都合が良さそうな印象を受けました。あまりフィラメント電圧を低くしてエミッションを抑えすぎても良くないのですが、Ipカーブが弛まない程度であれば良いのでは?とも思います。(さすがに4Vは低すぎる印象です)
Jun 19, 2023
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ご縁あってTUNGSRAMのPX2100という真空管を譲っていただきました。系統としては10族です。プレートの表面処理が若干異なりますので、製造ロットが異なっていると思われます。ソケットは欧州系のB4(UF4ピン)です。(前期型はUXだったようです)トップにも印字が薄く見えます。プレートは大きいのでSTCの4043Cクラスのプレート損失がありそうです。左がPX2100、右が4043Cです。そして魅力なのは3点吊りのフィラメント。ほら、VT52でも2点吊りだけでなく3点吊りのやつも両方買ってしまうでしょ?そういう心理です。わかりますよね?そういえば、電極はマイカやセラミックの支持が全くなく、全て金属棒で支持されています。箱にRISENCE RCAと書かれています。しかしRCAの10とは全く異なりますので、RCAの特許技術を使っているのかもしれませんね。余談ですが、TUNGSRAM社は2022年に破産したようです。規格はDoctsf内のTungsram真空管カタログにありました。Ef=7.5VでIf=1.25AEp=425VのEg=-39VでIp=18mA規格表上は10族といえます。(このあと実測で数値が異なることが判明しますが)10族に関してはEU Valveの「10の各種同等管」が参考になります。では、etracerで特性を測定しましょう。400Vをかけて25mAほど流れるところで...。【1本目】プレートが艶消しEf=7.5V, If=1.12AEP=400VでEg=46.5Vのとき、Ip=24.99mArp=2875Ωgm=2064Sμ=5.9V/V【1本目】プレートが艶有りEf=7.5V, If=1.12AEP=400VでEg=41.2Vのとき、Ip=25.02mArp=3369Ωgm=1895Sμ=6.4V/V一般的な10はEp400VのEg-25Vで25mAくらいですので、それに比べ随分と深いバイアスで動作します。プレートが大きいのでもう少し電流を流しても大丈夫かな。測定してわかったことは、一般的な10と比べると...・とにかくバイアスが深い(SYLVANIAの210は-25V前後、RAYTHEONの4ピラーは-35V前後)・rpは低い(SYLVANIAの210は4.5kΩ前後、RAYTHEONの4ピラーは3.8kΩ前後)・gmはSylとRayの中間(SYLVANIAの210は1800S前後、RAYTHEONの4ピラーは2400S前後)・μは低い(SYLVANIAの210は7.8V/V前後、RAYTHEONの4ピラーは7.2V/V前後)SYLVANIAの210ともRAYTHEONの10とも違います。そしてSTCの4043Cとも違います。電気特性が他の10族と異なるので、どの球とも簡単に差し換えとはいきません。バイアス抵抗を切り替えるスイッチと電流計が要りそうですね。しかもPX2100のソケットはB4(UF4ピン)なので、互換性がありません。PX2100はそういう球なので普通の人は敬遠しがちですが、こういう謎球こそ私たち謎球ファンの大好物です。
Jun 13, 2023
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NT62Aという見た目がPX25風な真空管を買いました。これも前回のVT46同様に五極菅です。NT62Aはムギスのひとりごと「正確な規格」でも紹介されています。規格は、The Valve MuseumのCV1238規格表PM24DやF443Nも同等管らしいのですが、不明です。あまり詳細な事が書かれていません。規格では最大プレート電圧500V、最大スクリーングリッド電圧200Vの制限があります。諸説ありますが、私は三結の場合はスクリーングリッド電圧がプレート電圧を確実に下回っていれば多少の電圧オーバーは問題ない気がしています。しかし、スクリーングリッド損失が問題になるので電圧オーバーしすぎは無理があるとは思いますが..。印字を見てみましょう。?↑Z(?は印時消え)NT62AA.P 3794AMADE&PATENTED IN ENGLANDNT62A11 26(もう1本は、11 27と印字)電極の構造しっかりしたボックスプレート。フィラメントを点灯。さて、このNT62Aはどんな特性なのでしょう??三結でEp=280VでIpが75mA流れるところを測定します。【1本目】Ef=4.0V, If=2.12AEp=280VでEg1=61.5Vのとき、Ip+Ig2=74.75mAIg2=14.68mArp=802Ωgm=3716μSμ=3.0V/V【2本目】Ef=4.0V, If=2.03AEp=280VでEg1=61.5Vのとき、Ip+Ig2=74.77mAIg2=14.74mArp=803Ωgm=3770μSμ=3.0V/V特性はどちらも綺麗に揃っています。rpが800Ωくらいなので、最適負荷は2.7~3.5kΩくらいでしょう。rpだけで言えばPX4より低いです。直線性は今ひとつの感があります。G2電圧180V固定の五結特性も見ましょう。【1本目】【2本目】古い設計の五極菅ですが、ダイナトロンっぽい凹みはみあたりません。撫で肩の緩いながらも綺麗なIpカーブを描いています。五結なら5Wは出ます。Ig2は結構流れる印象です。今回の測定から以下のことがわかりました。・普通の三結なら240~280V程度が良さそう・三結での内部抵抗は結構低い・三結ではバイアスが結構深い・直線性はそれほど良くはない(悪くもないけど)・五結もそう悪くはなさそう三結ですとG2の抵抗は少し大きめの470Ω~1kΩくらいにしてあげたほうが無難かもしれません。総じて、「三結ではPX4のように振る舞う球」と考えて良いかもしれません。ただ、三結ですと思ったようにパワーは出ない感じで、パワーを求めると直線性の悪いところまで使ってしまいます。4V2Aのフィラメントを食う割に、美味しいところが少ない印象です。ただ、真空管は直線性だけが全てではなく、直線性の良くない球も多くのファンから好まれていたりもします。NT62Aはなかなか魅力のある真空管だという印象です。プアマンズPX25を求めてRD27ASから始まり、VT46(PT25H)も買って、そして今回のNT62Aに至りましたが、「やっぱり普通にPX25だけを買った方が安くあがったのではないか。」という結論に至ったことは内緒です。しかし時間は巻き戻すことは出来ません。旅は続きます。(続けるのかよ)
Jun 2, 2023
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PX25は高価過ぎて手が出せない真空管です。「余程お金のある銘球マニア」のみが楽しめる世界でしょう....。そこで、PX25同等管と言われるTESLAのRD27ASを購入して調べてみたら、PX25のrp1250Ω程度に対して1800Ω程度と、PX25とは異なる特性でした。そこで諦めず、プアマンズPX25を探し...「これは似ているんじゃないか」と思われたのがこのVT46です。でも五極菅ですが、三結特性がPX25に近いのでは...と云われています。同等管でPT25Hという型番もあります。PT25Hの規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベースのPT25H規格表があります。CV1046という型番もあり、規格はThe Valve museumのCV1046規格表を参照ください。10E/10558という番号もふられているようです。印字を見てみましょう。MADE&PATENTED IN ENGLANDVT4684 1(もう1本は、85 1と印字)V.T.464-2510E/10558MADE IN ENGLANDBY THEM.O.VALVE CO,LTD.GEC84(もう1本は、85と印字)A.M.は空軍でしょうか。フィラメントは4点吊りです。良い感じ。ガッチリしたボックスプレート。フィラメントを灯すとこんな感じ。この真空管、既に三結の特性を測定されている方が居られました。Friends of Valves 自作真空管アンプの「PT25H三極管接続測定結果」が参考になります。この測定結果によるとPX25よりややrpが高いようです。etracerで検証してゆきましょう。Epが350VでIpが64mA流れるところで測定します。【1本目】三結特性Ef=4.0V, If=1.90AEp=350VでEg1=15.9VIp+Ig2=63.92mAIg2=10.16mArp=1456Ωgm=8569μSμ=12.5V/V五結特性(Esg=350V)【2本目】三結特性Ep=350VでEg1=14.6VEf=4.0V, If=1.90AIp+Ig2=63.45mAIg2=10.74mArp=1595Ωgm=7725μSμ=12.3V/V五結特性(Esg=350V)2本目のほうがエミッションが低目ですね。古い球なので、これくらいはOKです。さて三結特性を測定した考察ですが、PX25はrpが1250Ωくらいと言われていますから、この球の1.5kΩ前後のrpは高めですね。TESLAのRD27ASの1800Ωよりは低いですので、PX25寄りではあります。(TESLAのRD27ASは、PX25とF410(BF25)の中間くらいですね...)完全互換ではないけど、類似管といって良いかな...程度です。悪くはないですね。私は気に入りました。しかし、ここまで来て、「真空管を何本も買ってPX25っぽいものを探すくらいなら、普通にPX25を買ったほうが安いのではないか」という結論に至りそうでガクガク震えております。
Jun 1, 2023
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