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1918年4月30日21歳の宮沢賢治は盛岡高等農林学校を退学になり明治大学に行った親友の保阪嘉内にあてて、葉書を出しました。
御手紙ありがたう存じます
また私の古い手紙などを
御読み下さったり
ありがたうございます。
どうかどうかあんな私の
かたよった語を過信しないで下さい。
あなたみづからかゞやく波の
たゞなかに進み入り
深くその底をも究め
やがては人天集って
あなたの説法を希ふやうに
おなりになるのを祈ります。
けれどもそれが喜びではないのでせう。
さうならうとしてのみ
私共は進むのではない筈です。
どうか私のやうながさつなものをも
あなたと一諸に行かせて下さい。
さよなら