LYNNのいたずら毎日
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先週、休みを利用して、埼玉は秩父の山奥にある温泉に泊りがけで行ってきた。埼玉に温泉が?と私も初めは思ったが、調べてみると沢山の温泉旅館が秩父にはあることがわかった。 私が選んだのは、秘湯を守る会会員の旅館。閑静で素朴な旅館というだけでなく、料理も地元の食材を使ったシンプルなものであることが売りのようだ。湯はもちろん温泉である。浴場はかやの木をふんだんに使ったものであるとのこと。ネットで調べてみると、非常に期待できる情報がいくつかある。 池袋から西武池袋線に乗り、飯能で秩父線に乗り換え一時間弱。つぎに御花畑で秩父鉄道に乗り、更に一時間。電車を乗り換えるたびに、駅の風情が変わっていく。複線が単線になり、電車の切符が薄い紙から厚い紙へと、また駅舎もだんだんと小規模になる。最寄駅で降りたときには、既に山の中。残雪のせいか2月であることを感じさせられる。 旅館そのものは、建て替えた新館に昔ながらの旧館がつながっている。泊まったのは旧館なので浴室はついていないし、窓ガラスがぴっちりと閉まらない。けれども炬燵にすっぽりと入ってお茶をいただいているうちに、その旅館を包む静寂に気づく。一般道から外れた山の中に位置するから、車の音もしない。ひっそりとした空気の中に、ときおり雪解け水が地面を穿つ音が聞こえる程度。日ごろから、いかに多くの無駄な音に接しているのか、実感させられる。 食事は、山・川の素材が並んだ。しっかりと身のある岩魚の塩焼きや刺身、山で採れる珍しい苔のこごりや猪鍋、茸のかぶら蒸、手挽きの蕎麦など、旅館料理に食傷気味の私には、嬉しいものばかりだった。連れとともに、湯上りにゆっくりと炬燵で食事を囲むのは、なかなか良いものだと実感。 この旅館のよさは朝食も部屋でとれることにもあるかもしれない。朝風呂をいただいたあと、再び炬燵に入ってシンプルで美味しい朝ご飯を食べていると、如何に日ごろ何かに追われている生活をしているのかわかる。私は仕事も多忙ではないが、日常生活を送るということだけでも、精神的に追われるものなのだろう。そういうわけで、束の間の休息を楽しんだ二日間だった。この旅館を近いうちに再び訪れるつもりでいる。
2003年02月18日
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