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夏休みも週明けからいよいよ中盤お盆休み前には小1から高校1年生までの生徒が参加する縦割りキャンプがあり、夏期講習、通常授業に加えてキャンプ準備が加わって一日中生徒達が教室に出入りして慌ただしい。買いものに出たついでに本屋を覗くと背中に進学塾のバッグをを背負った小学校高学年らしき子どもを連れたお母さんの声が聞こえてきた。「今年は塾の夏期講習も忙しいんだから この本で宿題をさっさとやってしまわないと」その親子が見ていたのは、実例作文が載っている読書感想文の本と自由研究のテーマや実例集が載っているいわゆるマニュアル本である。夏休み明けに提出される同じようなネタバレの読書感想文や自由研究を先生方はどのように評価するのだろうか?今回、私が買ったのはこの本10歳までに決まる!頭のいい子の育て方(vol.8)いわゆるお受験情報誌の類である。この本を購入したのは、花まる学習会の高濱氏やいつの間にか超名門となってしまったらしい小学校が実践しているという素読の付録が欲しかったのでも東大生の小学生時代に興味があったわけでもなく10歳までに読ませたい本100冊という特集の中で生徒が通う国立小学校の国語の先生が薦める本が掲載されていたからだ。お受験雑誌なので、受験に導く作りになっているのは仕方がないが明らかに読者に間違った認識を与えるような書き方をして、問題にならないのだろうかと首をかしげたくなる箇所がたくさんあった。その一つが12ページの中高一貫校の利点=「高校受験をパスできる」っておトク大学受験と高校受験はまったく別物。大学受験は志望校の出題傾向に合わせ、効率良く勉強する力が求められます。一方で高校受験は、全員が均一の問題を解くため総合力が求められます。さらに内申書の点数も加算されます。まったく異質な試験なので、大学受験をターゲットにするなら高校受験はパスできたほうが有利です。出題できる範囲が決められている高校受験より大学受験の方が広範囲にわたって出題できるので確かに出題傾向に応じて学習することが重要になる。(もちろんそれ以前に相応の学力を養っておくことが必須)しかし高校受験でも、高校によって出題傾向はあり、今、都立でも独自問題校が出てきていて、出題傾向に合わせて学習することが求められる。これは高校受験を対象とした進学塾の指導内容を見ればわかる。高校受験は、全員が均一の問題を解くため総合力が求められる、とは言えないはずそして更に言うならば、大学入試に重要なウェイトを占めるセンター試験こそ全員が均一の問題を解く試験である(笑)高校受験はパスできたほうが有利有利な点もあるが、利点を活かしている子が何人いるのかこれらの本では決して書かれることのない不利な部分を目の当たりにしている私にはとても声高に有利とは言い切れないのである。この本の購入者のほとんどが、大学受験は、遥か遠く先のこと、という状態だからこそこのような、あえて一つの結果に導くような書き方をするのだろう。お受験と子どもの英語どちらも親が業界が流す偏った情報に翻弄され右往左往している状態とてもよく似ている
2009年07月31日
実教室では、生徒の夏休み期間中も通常レッスンがありその上、小6(一部小5)から高3までの生徒を対象とした夏期講習があるので、教室は朝10時から夜10時までフル稼働となる。夏休みは、生徒にとってもその後の習得を左右する「夏の陣」だが私たち講師にとっても己の体力と戦う夏の陣だ。(笑)実教室の夏期講習は、同じ学年が集まって一つの授業を受けるのではなくそれまでの習得の凹を埋めたり、得意部分を伸ばしたりとひとりひとり違う到達目標を掲げテキストだけを進めていくのではなく個々の習得の状況を見て100冊近くある問題集から問題を選びテキストに加えるという完全個別対応になっている。そして、このような講習はさまざまなカリキュラムで学ぶ6年生(一部5年生)から高校3年生までの生徒が机を並べて学習することで指導者側にとっては、習得度を比較、確認できるという大切な機会であり、生徒たちにとっても自分が目指している高校に通う上級学年の生徒達の指導を垣間見たり、数年後の自分の姿や学習内容がわかることで現在の自分の学習の大切さを意識し、今後の学習の具体的なイメージを持つことができる機会でもある。年少から実教室で英語を始めた生徒を含む現在4クラスに分かれて学習している小学校低学年から実教室で英語を習い始めた生徒達が6年生になり、今回、夏期講習を受けているのだが、その習得の差はもちろんだが、学習姿勢の差に驚かされた。3年生まで同じクラスで笑い合って同じような習得を見せていた生徒たちであってもその後の歩き方で学習に対しての姿勢が大きく異なりその習得の差はポテンシャルで考えれば数年分に匹敵する。今後その姿勢の違いが英語だけではなく他教科の習得にも影響を与えることは、中学、高校生の生徒達を見ていても明らかである。英語力の向上を追い求めていた指導から年齢の情緒レベルに応じた指導へとシフトしたことで子どもがその年齢に応じて体験しておかなければならないこと成長過程を活かし、損なわない指導、というものを考えるようになった。夏休みは、通常できない経験ができる貴重な機会でもある。その年齢だからこそ吸収できる体験、将来に活きてくる経験を積極的にさせて、太い幹を作る。8月中旬に実教室で行う異学年混合の合同キャンプも年齢に応じて吸収できるものにしていきたい。
2009年07月24日
渋滞を避けて昨夜から南房総の研修所に来ています。今回は昨年小学校と入学と同時に英語を習い始めた小学2年生がメインのフォニックス研修で同時期にスタートした同学年の他のクラスより半年以上早い実施である。小学校1年生から学習を開始した生徒たちは、言語習得能力に優れた幼児期に学習を開始した生徒たちと比べると語彙数だけではなく運用力に大きな差が見られ、その運用力を使って英語力を伸ばしていく生徒達と同じ学習をしていたのでは、その差は縮まらない。少しでもその差を縮める方法はないものだろうか熱心に前向きに学習に取り組む生徒達の姿にこのクラスの為に新たなカリキュラムを立て、指導内容もアクティビティに加え教材も新しいものを加えた。そして、学習経験に乏しい状態での導入に備えて力を入れたのが、phonix awarenessである。その甲斐あってか、幼児から学習を開始した生徒達と比べると語彙の絶対量が少ないので、定着レベルが異なることは明らかであるが、ほぼ、同じくらいの早さでphonixを理解し一日目を終了した時点で、基本的なphonixの7割を習得していた。予想以上の早さである。明日も天気次第では、大渋滞になる可能性も高く午前中、熱心に学習するようであれば、これ以上、日焼けはしたくないが、午後は近くの海岸にある子どもプールで生徒達を遊ばせて、ゆっくりと帰ることにしようと思う。昨夜の出発時に、見送りに来ていた参加者の妹(園児)に「あんた何人?」と言われた私(爆)日本語を上手に話す外国人も多いのでそのような発言が飛び出たと思われるがこの黒さもきっと一因に違いない…トホホ…
2009年07月19日
中だるみ状態から脱出しようともがき始めた私立の中高一貫校に通う中3のA君。予習をし計画を立ててテスト勉強をしているわりにはテストの結果が芳しくない。実教室の夏期講習は時間も内容も個別対応なのでA君の夏期講習の内容をどうしたものかと悩んでいた。学校の成績を上げる為には、夏期講習の内容に教科書の予習を入れなければならない。通常レッスンでは他の中高一貫校の生徒も中学範囲の英語力を強固なものにする為に高校受験をする生徒と同じ内容をやっている。しかし、教科書の予習に夏期講習の時間を取られては、今までA君が取りこぼしている中学での学習範囲の立て直しが十分にできず、脆弱な基礎力の上に高校範囲の学習が乗ることになってしまう。大学受験に直結する高校範囲の学習をより高いレベルで時間をかけずに習得するには中学範囲の基礎部分の習得レベルの高さがものを言う。そもそもA君が通う学校の英語の授業は、検定外教科書と私が実教室の上位カリキュラムで学ぶ高学年の生徒達に使用している準2級レベルのテキストを副教材として使用し、テストの問題もA君の兄であるアイン君が通う御三家のテストより高校範囲の問題など語彙レベルの難度が高く、問題量も多い。設問も丸暗記していなければ答えられないような、知識量を問う記述問題がほとんどで御三家レベルの生徒を集めている特別特待クラスと帰国子女の国際クラスも長文問題が2問加わるだけで問題用紙は全クラス同じである。これら特別な2クラスを加えても学年全体の平均点は、50点以下だ。完全に取り残された消化不良の状態に置かれているA君より悪い状態の生徒が少なくないことが平均点から想像できる。実教室の英語力がある生徒であれば、めきめきと力をつけることができる指導内容テスト内容だが、1年生から実教室に通い始めたものの中学受験準備でほぼ2年間休会していたA君は、中学から英語を始めたのと同じ状態で、中学に進学。そこに中だるみが加わったので、もともとじっくりと時間をかけて理解していくタイプの彼多少の努力をしても、成果を感じられる状態にはならずテスト後に意気消沈という状態が昨年の冬から続いている。昨日ちょうどA君のお母さんが、予備校に拘束(笑)されている兄であるアイン君に代わって夏期講習の書類を提出しに教室にいらしたので、A君の学校のテストや授業について尋ねてみた。父母会でも授業が難しくて理解できない、ついていけないという声があがったことがあるそうだが、学校側の返事は、ついて行けないなら塾に通ったらどうですか?それでも無理なら他校に行かれては?だったと言う。A君のお父さんも、高校受験をして他校に行くという選択肢を考え始め、お母さんもこれから先を考えるとこのまま今の学校に通い続けることはマイナスではないかと思い、本人に内部進学せずに他校へ進んでもいいのではないかと話したがクビを縦に振らないとのこと。レッスンが終わった後、A君を残して気持ちを尋ねてみた。「僕に(高校受験が)できますかね?」「もちろんよ。 高校受験は、中学受験と違って、志望校も自分で選択する 自分の決めた目標に向かって、努力する、自分へのチャレンジ。 恐いかもしれないけど、達成感も大きい。 貴重な経験だと先生は思うよ。」A君の顔が少し和らいだ。理解の早さは生徒によって異なり体力、気力も一人一人違う。努力は無限にできるものではなく限界がある。あまりにレベルが高すぎても早い流れについていけず、力尽きて沈んでしまうしかし、学校が持つ流れは、入学してみなければわからない。来週から始まる夏休みや学校生活がA君にとって前向きに充実して過ごせるものになることを願ってやまない。
2009年07月14日
実教室では、単語やセンテンスを積み上げて英語を理解させ習得させていくという指導法ではなく聞き取った文脈から状況を丸ごと吸収させるという方法を取っている為に、初めて英語を習うお子さんの受け入れは小学校1年生までを原則とし2年生以上のお問い合せをいただいた場合には近くの大手や個人の他教室を紹介している。しかし、もちろん例外的にお預かりさせていただく場合がある。兄弟の入会に伴って…というケースである。今回の3年生も年少の妹、親子英語で家庭で英語を学んでいた6年生の姉それぞれ兄弟の実教室の入会に伴って、英語を習い始めることになり、先月末に教室にやってきた。一応、レッスンの形を取ってはいるが、英語で語りかけて反応を見ながらどの程度の英語が既に認識されていて受け入れることが可能なのかなどのチェックをしどのような指導カリキュラムを組むことができるかを探っていく。その結果、現時点での既存のクラスへの編入は難しく又、二人の英語吸収力に違いが見られ学習を進めていくに従ってその違いが習得の大きな差として現れてくることは明らかであり二人を同じクラスで指導していくことはマイナスだと判断。今後二人は実教室で全く別の習得の道筋を辿ることになる。この二人の差は、家庭内に英語環境があったか、ないかで生まれた。妹には教えたことがない、とお母さんはおっしゃったが、お姉ちゃんがリスニングを主体とした英語教材をお母さんと又は一人でコンスタントにやることで、家庭内に英語環境が生まれる。当然、同じ空間にいる妹もその環境に触れ、吸収し英語を受け入れる土壌、最近の流行で言えば、英語脳をお姉ちゃんが英語を家庭で英語を始めた時から構築し始めるのである。年齢が低いほど、その高い言語修得能力を使って多くを吸収することができる。彼女が英語を受け入れる土壌をすでに持っていることはオールイングリッシュでの問いかけに対して聞き取った英語でイメージを作ろうとくるくると頭を働かし日常生活で習得できるレベルの英単語(カタカナで表記される名詞)を使って反応に近い状態で答えてきたことからもわかる。この土壌のあるなしが、吸収力という英語習得の可能性としての力となり、その後の習得に影響を与えていく。英語教室や英語サークルに通うことができないと諦めるのでなく幼児期から日常生活の中に、10分から15分、英語番組やDVDを毎日見せるなど、お金をかけなくてもできるほんの小さな英語環境を存在させることを一人でも多くのお母さんに試みて欲しい。
2009年07月06日
我が子を叱りながら、将来、この子に殺されるのではないかと思っていると口にした小学生の息子を持つお母さんが私の周りに何人かいる。そんな不安を持っているお母さんに是非 読んでいただきたいのがこの本14歳の子を持つ親たちへ大学教授の内田 樹氏と精神科医で思春期精神医療に携わり中高生を多くカウンセリングしている名越康文氏との子どもと親との係わりについての対話が収められている。親殺しについては、人間的葛藤がないが故の親殺し親を殺すのは、殺したいほど憎いのでも嫌っているのでもないと名越氏は言う。憎しみとか怒りとか「こいつを殺したい」という執念は人間的感情ですよ。非常に深い関わりがあるからこそ起こってくる愛憎劇でしょ。でも、彼らが親を殺すのはそれが原因ではない。彼らには、人間的な関わりが全然芽生えていないんです。あるいは発達していない。人間的感情を経験していないからこそ親を殺すわけです。極端な言葉として名越氏が口にしたのは、臭いゴミがたまらなく嫌だから排除するのと同じ感覚、という言葉だった。恐ろしい感覚ではあるが、逆にどのように子どもに接すればいいかがわかるので言いようのない不安は軽減されるのではないだろうか?子どもはいろいろなシグナルを発信しているのに母親がそれをほとんどシステマティックに無視する。でも、その子の中の「承認可能な部分」についてだけは反応する。成績がいいとか、スポーツがうまいとか。でも、子どもが弱っていたり、苦しんでいたりするシグナルには反応しない。そういうメッセージは母親の子育ての失敗に対する言外の非難を含んでいるから。(中略)この間、養老先生(バカの壁の著者)に聞いた話しですけれどある講演会で「子育てにマニュアルはない」ということを話された後に聞いていた母親が先生のところに来て「あの~マニュアルがない場合には、 どうすればいいんでしょうか?」と訊いたという(笑)とにかく話しを終わらせたいんですよ、簡単に。だから子どもがノイジーなメッセージを発信しても「要するにあんたは、こう言いたいわけね」と端数を切り捨てて、整合的だけど限定的に理解してしまう(中略)でもそういう母親は(子ども自身何を言いたいのかわからない雑多なざわめきが含まれている)メッセージを聞き取ることができない。知性とは情緒である。「利口組」「バカ組」の二極化学校崩壊そして、「おばさんの真実」あかします(爆)など、辛口ながらも読み終わりが爽やかカレーのような本(笑)カバーにも少しだけ元気が出る子育て論と書かれていた。
2009年07月01日
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