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監督・脚本 三木 聡 出演 オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子、ふせえり、松重豊、岸部一徳、 笹野高史 、石原良純、広田レオナ、麻生久美子、ボランティアコスプレイヤー 原作 藤田宜永 『転々』(新潮社刊) サラ金に追われる大学生に、取り立て屋は奇妙な提案をする。「百万やるから、俺と東京の街を散歩しろ」 井の頭公園から霞ケ関まで、東京を転々と歩く二人に降り掛かる様々な事件と人との出会い。 主人公の文哉(オダギリジョー)が借金取り立て屋の福原(三浦友和)に、意味もわからずいつ終わるとも知れない長いお散歩に付きあわされてしまうという展開の物語で本当に面白かった。 (ところどころコメディタッチ) サスペンスなんだけど全然サスペンスタッチじゃなくて、むしろ全編ユル~イ感じの脱力系で、とても単純なストーリーなのに深く胸にくる不思議な映画だった。 ストーリー中盤、福原によって偽の家族ごっこに付きあわされてしまう文哉。 「カレーを作るから文哉、チャツネ買ってきて。」 母親の言葉に快く買物に出る文哉。 ありきたりの風景なんだけど孤独で不幸な人生を歩んできた文哉。 夕飯の食卓で、家族という温かい原点を垣間見て涙ぐむ。 散歩ロケ地で面白かったのが、日暮里にある「愛玉子」(オーギョーチイ)という看板のお店。福原が奥さんとケンカした後、仲直りする為に食べにくる台湾デザートのお店。「愛玉子」(オーギョーチイ)という台湾の果実から作るゼリーを出してくれる。福原が思い出に浸りながら文哉とオーギョーチイを食べていると、店の奥で壮絶なわめき声と大きな破壊音が聞こえ、暴力息子(石原良純)がふたりの前に飛び出してくる。一瞬お客を見て茫然とするが暴力息子はそのまま勢いよく店を出ていく。おばさんが奥から出てきて、ばつが悪そうに 「ごゆっくり」 と言って息子を追いかけて外へ出る。 役者の三浦友和さんとオダギリジョーさんは、よく笑わずに演技できると感心する。 石原良純さんの茫然とした顔がめちゃめちゃ面白かった。 あと、面白かったのが、三浦友和さんがすね毛をクルクルクルってきつくこすって黒く小さく丸まった箇所を指さして 「蟻」 って言ったシーン。 それから、スナックのママで福原の偽の妻役をした小泉今日子さんのセリフ。 「おかしい人のことを肛門の筋が一本少ないって言うでしょ。」 ・・・言わないし。 いろんなシーンで何回も吹いた。 こんなに面白くてミステリーで哀愁のある日本映画を私は今まで知らずにいた。 三浦友和さん、髪型も面白いし演技もとても面白かった。
2011.07.07

監督・脚本 マーク・ハーマン出演 ピート・ポスルスウェイト ユアン・マクレガー タラ・フィッツジェラルド 英国北部グリムリーの炭鉱労働者たちのブラスバンド「グリムリー・コリアリー・バンド」が、地方予選を勝ちぬき全英選手権(ロンドンのロイヤル・アルバートホール)で優勝を果たすという物語。(実在の楽団、グライムソープ・コリアリー・バンドをモデルにしている) 伝統あるブラスバンドのメンバーたちは、貧しいながらも日々資金を集め練習を重ね全英選手権に出場するという夢を持っていた。ところが1992年、英国政府はエネルギーの政策転換の為、大量の炭鉱閉山計画を発表する。激しい閉山反対闘争の末、閉山が決まり、失業へと追い込まれるメンバーたちのもとへグロリアという若い女性が現れる。演奏曲「アランフェス協奏曲」でグロリアの奏でるフリューゲルはメンバーの沈んだ心を再び活気付ける。そんな時、指揮者のダニーが肺の病気で倒れ、トロンボーン奏者のフィルは妻子が家出し自殺未遂する。フィルは炭鉱で首をつる前、アルバイトのピエロ姿で教会のキリスト像に向かって叫んでいた。「あんたは俺たちになにもしてくれないじゃないか。してくれる気があるなら、どうしてジョン・レノンを殺したのか、若い坑夫を二人も死なせたのか、なぜサッチャーだけが生きているのか」 *・゚゚・*:.。. .。.:*大きな苦難を乗り越え強い絆で結ばれてゆくメンバーたちは、明日への希望と、自分たちの誇りを賭けてロンドンへの決選に挑んでいく。 ♪ ♪ ♪ 演奏曲「ウィリアム・テル序曲」は迫力があってすばらしかった。 この映画のなかで、もうひとつ印象的だったのが、病院から抜け出したダニーが喝采に湧く客席に向かって言ったことば。「あなたがたはクジラやイルカの保護には立ち上がるが、我々の困難には手を貸さない」「優勝トロフィーなんていらない」けれど、ダニーがステージから立ち去った後、メンバーのひとりがしっかりとトロフィーを持って帰る場面がとてもユーモラスで面白かった。帰りのバス。ひときわ輝く大きなトロフィー。ロンドンの夜空に奏でる行進曲が、「音楽一筋」で闘いぬいた男たちの爽快感を伝えていてとても良かった。 1997年東京国際映画祭審査員特別賞受賞作品
2011.07.05
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