スコシフシギな世界-藤子・F・不二雄ブログ

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2011.03.24
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バンダイが、かつて計画した
「リアル・ドリーム・ドラえもん・プロジェクト」ですが
やはり壁が高かったようで
実現されずに終わってしまいました。

ですが、世界では、ドラえもんの手(通称・ペタリハンド)は
完成しつつあるようです。
昨年の5月の記事なので
約1年遅れのニュースですが面白い内容です。

■ ユニバーサル・グリッパー



1:21で、生卵(raw egg)を持ち上げるのが
科学的に興味深い所ですね。
『生卵を割らずにつかむ』というのは
ロボットの動作では、難題とされています。
インチキ(ゆで卵)ではないという証拠として
この後、わざと落としてます。
殻が割れて、ちゃんと生卵だと分かります。
このグリッパーすごいなあ~

何より見事なのは、ペンを持って
描くこともできる、一番最後の映像ですね。
こうしてみると、ロボットの手は、指をつけるよりも
丸い手(ペタリハンド)の方が万能のようですね。
ドラえもんというのは、道具だけでなく
体の構造まで、未来(22世紀)の技術が
使われているんですね。

これは、アメリカの開発ですが、ぜひ
ロボット先進国の日本も、頑張ってほしいものです。
国民的(及び世界的)ロボットなのですから
バンダイだけでなく、複数のロボット研究所と
力をあわせて、リアル・ドラえもんへの
再スタートをしてほしいものです。
大山さんの声帯も完全に取り込むのも忘れないでほしいです。
いっそ、大山さんをドラえもんに・・・
それでは、サイボーグになってしまいますね(笑)

さて、ドラえもんの話ではないですが
進化する・・・というよりも
アクシデントで進化しすぎてしまったロボットが登場する
藤子・F・不二雄先生のスコシフシギな
SF短編『マイロボット』を紹介したいと思います。



 < 『マイロボット』 ストーリー >

■ 元気よく帰ってる主人公の富夫少年
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 ただいま


■ 何かが届いている
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 大きな小包

弟から、荷物が来たことを知らされる富夫くん。


■ エポック1という組み立てロボット
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 エポック1 組み立てキット

富夫くんは、この製品の到着を
楽しみにしていたようだった。


■ しかし用事があったのを思い出す
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 弟 手伝う

弟には、部屋に入らないよう告げるが
興味を持っている弟が手を出してしまう。


■ 弟には難しすぎるようだった
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 知能素子 イミクトロン フィードバック

分からないまま、勝手に
組み立てを始めてしまった・・・


■ 今度は父親が来てしまう
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 父親

富夫くんを呼びにきた父親だったが・・・


■ 目の前の組み立てキットが目に入る
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 父親 ロボット 熱中

ロボット工作に興味のある父親も
弟と同じく、勝手に進めてしまった・・・


■ ちょっと不安げに組み立てる父親
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 富夫 帰宅 怒る

ちょうど富夫くんが帰ってきたところに
父親の姿を見て、怒り出してしまう。



SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 名前 ゴンベ

ロボットには「ゴンベ」という名前をつけて
呼び続けるものの、反応がない。


■ 富夫くんは相談しに行く
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 坂田さん 富夫

夜遅かったが、ロボットに詳しい
親戚の坂口さんをたずねた。


■ 考え込む坂田さん
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 坂田さん 考え込む


■ 原因は2つあるという
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 知能素子 イミクトロン  未知の効果

アクシデントが重なり、知能素子(イミクトロン)に
未知の効果が表れたのかもしれないという。


■ さわがしいゴンベ
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 ゴンベ うるさい さわぐ

ゴンベは何もできず
ただ、うるさい音しか出さない。


■ しかし次第に成長していくゴンベ
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 ゴンベ 歩く しゃべる

騒がしかったゴンベも、やがて歩き出し
言葉も話すようになった。


■ 女の子友達のリカちゃんが来る
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 富夫 リカちゃん

富夫くんは、ゴンベに
お茶を持ってくるように頼む。


■ きちんとお茶を持ってくるが・・・
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 ゴンベ お茶 塩

リカちゃんのお茶には、塩が入っていた!!
これは、ミスなのか??


■ けれどもう一方には砂糖が
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 ゴンベ お茶 間違い

富夫くんのお茶(おそらく紅茶)には砂糖が。
なぜ、同じ飲み物なのに、間違えが起きたのか・・・?


■ 後日 またリカちゃんがやって来る
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 富夫 出かけてる

約束があり、富夫くんちにやってきたが
ゴンベに留守だといわれてしまう。


■ しかし富夫くんは留守ではなかった
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 テレビ電話 すっぽかし

リカちゃんが家に来ないので、今度は
富夫くんが電話をすると、話が食い違っていた・・・


■ 知り合いの坂田さんに再び相談をする
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 ロボットがうそ

ロボットには、嘘をつく能力はないという。
しかし現実に嘘をついている。いったい何が・・・


■ そして今度は事件が!!
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 ゴンベ リカちゃん クレイジーロボット

富夫くんちにやってきたリカちゃんは
ゴンベに攻撃されてしまう。暴走していた。


■ 今度は富夫くんに対し口出しを始めた
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 大事なとき 勉強すべきとき

そして、富夫くんはゴンベを捨てる。
家から追い出されるゴンベ・・・


■ やがて雨が・・・
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 雨 ロボット

製作者に見捨てられ
雨の中を、行くあてもなくさ迷うゴンベ。


■ 坂田さんが謎を解く
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 坂田さん 動機はねたみ


■ ゴンベは女性として富夫くんを好きになっていた
SF短編 マイロボット 藤子・F・不二雄 製作者を愛していた 女性化

やがて、テレビでニュースが流れ出す。
エポック1には重大な欠陥があり
製作会社が回収を始めたという・・・

果たして、ゴンベの行く先は・・・
そして製作者から見捨てられた
ゴンベと同じようなロボットたちの行く先は・・・


■ SF短編集『メフィスト惨歌』 - 「マイロボット」収録


藤子・F・不二雄 SF短篇集 2巻 中公文庫


元が欠陥だった上に、弟や父が
知識もないままに組み立てに加わったため
そこが「未知なる効果」につながったのでしょう。

ロボットが感情を持つという話は
アニメの元祖「鉄腕アトム」から始まっていますので
特別なアイデアではありませんが
本作の特徴は、最初から感情のあるロボットという
設定ではなく、アクシデントによってロボットが
特殊な感情を持ち、最後まで読者には分からない
ロボットに隠された秘密にあると思います。
'79年(昭和54年)の作品ですが、この時代に
『なぜか嘘をつく』というロボットを登場させたのは
画期的な発想だったのではないでしょうか。

P.S.「知能素子」のフリガナ『イミクトロン』はF先生の造語です





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Last updated  2011.03.26 01:16:14
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