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ねっ… えっ? 何でもないよ。 あっ、そういうことか。 意味ないんだから。 以上の会話で人生なんか語れてしまうもの。 それなのに… ゴチャゴチャ理屈をつけて複雑怪奇にしている。 シンプルにいこうよ。 俺ら、学生の頃、 サルトルも読んだ、 ニーチェも読んだ、 幾多郎も読んだなあ。 それで何か得たか、ったら、 何も得てないよ。 得た得た、世界が見えた、 なんて言ってたのが、 鉄道自殺だもの。 頭はよかったよ。そうか、 世界が解ると生きてちゃいけないんだな、 変な悟りを開いてさ、 何とか今も生きてる。 生きてても何にも解ってないけれど、 変に解るよりちゃんと生きてる。 だって、この地球っていつも強い奴が正義の衣を着る。 俺に任せろよ。 悪い奴は懲らしめるからな、 って気どって、ついには裸の王様になる。 テロの根絶って言ったって、 そのときの正義の衣を着た連中が、 仏教徒さんもイスラム教徒さんも、 俺らに従って仲よくしましょ、 平和にしましょ…だもの。 欺瞞だよな。 俺はいっかいのゴキブリなの。 世界中の人類が目の敵にして、 様々な武器を開発して、 俺らを絶滅しようとしても、 俺らしぶとく生きてるだろ。 核じゃ俺らを絶滅できないよ。 天に唾して人類は滅んじゃうかもね。 でも、俺ら、どこかで生き延びて、 あいつらいなくなっちゃったぜ、 と這い出して繁栄するだろうな。 要らざるものは持たないからさ、強いのよ。 人類の後はお前らだよ、 ってキリだのモハだのホトだのといった 人類のお偉いさんは知らなかったろうが、 俺ら宇宙の太陽系の司政官から預託されてるの。 お前ら地球の清掃種なんだから、 地球をリニューアルするんだぞ、 ってことだから責任感いっぱいでゴソゴソ生きてる。 哲学や、貧困より俺らマンマだもの。 、
2015.11.21
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9・11テロのときは、 テロリストたちがいきなりアメリカ国内に入ってテロを行った。 その頃まではテロリストはその根拠地からテロを行う国や、 地域に入って起こすのが普通だった。 イスラエルのロッド国際空港で乱射事件を起こした日本赤軍も、 イスラエル国外の根拠地からイスラエルに乗り込んでいる。 今回のフランスで起きた同時多発テロは、 趣を大きくことにしている。 根拠地(アジト)をフランス国内に置いている。 テロリストのうちフランス生まれ、 フランスの隣国でフランスと自由に行き来できるベルギー生まれが、 かなりの割合を占めている。 テロの用意周到な準備はフランス国内で行っていた。 どうしてこういうことになったのかは、 9・11以降、各国が外国人入国者に厳しい目を注ぐようになったからである。 インターネットの発達により、 欧米のイスラム圏移民、またその子孫たちに、 過激思想を植えつけやすくなったからである。 つまり、今は欧米各国をはじめ、 世界のいたるところにテロリストが生まれる土壌がある。 根拠地のある国や、地域で訓練を受けて、 他国や、他地域に乗り込んでテロを起こすテロリストたちが再発型テロリストなら、 その他国や、他地域で生まれ、そこでテロを起こすテロリストは、 転移型テロリストと言えるだろう。 無論、地下の黒い血管を通して根拠地と緊密につながっている。 根拠地で本格的な訓練を受けてテロリストになり、 本来の国や、地域に戻り、 そこで生まれた者たちをテロリストに仕立てる。 がん細胞が血管で運ばれて原発病巣から遠く離れた臓器で増殖する、 のと似ている。 「イスラム国」はアメリカのニューヨークや、 ワシントンでテロを起こすと広言している。 黙って起こしたほうがやりやすいのに、 あえてネットで宣言したのは恐怖を募らせるためと、 転移型テロの準備が密かに進んでいるからかもしれない。 言ったことは必ずやるというしつこさを持つ「イスラム国」のことだから、 ハッタリだとは言い切れない。 彼らは日本も自衛隊に気に入らない動きでもあれば、 牽制の一矢くらい飛ばしてくるかもしれない。 日本にも欧米に比べればごく僅かだが、 イスラム圏出身の人達がいる。 長期にわたって滞在している人達もいる。 その人たちの1人2人は、 警察などの当局の知らない間に、 「イスラム国」の思想にはまっているかもしれない。 髭が目立つ日本では髭をきれいに剃るだろう。 茶髪など、髪も目立つ色に染めるかもしれない。 そのほうが無害な奴と思われる。 日本で本格的なテロを行うのは、 武器の入手などの制約があって難しいだろう。 だけど、組織から資金は送金されるはずだ。 カネさえあればダイナマイトぐらいは非合法で入手できるだろう。 起爆装置を施したダイナマイトを巻きつけて人混みに突っ込むかもしれない。 新幹線は監視が甘い。 複数で最前部や、最後尾の車両に乗り込み、 同時に自爆すれば転覆の大惨事を引き起こせるかもしれない。 こんな悪夢を現実のものにしてはならない。 しかし、本当の安全は今の世界にはどこにもないのだ、 という認識に立つ必要は大いにある。 いささか我々は平和に甘え過ぎた。 天災も戦災も忘れたころにやってくる。 それを肝に銘じる時代に入ったということだろう。
2015.11.20
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僕はついに貴方の「絶歌」は手に取ることさえしませんでした。 発売されると知ったときは中年域に入った貴方の心の軌跡を知りたくて、 そのうち読んでみようと思いました。 でも、読んだ人からの感想を電話や、メールで知らされるに従い、 読む気がしなくなりました。 後味が大変悪い、という評ばかりでした。 読んで後味が悪い本は読んでいいことは何もありません。 発売前後はメディアが総掛かりで、 これでもかこれでもかと取り上げてくれたので、 国民的な騒動と言っても過言でないほどの大騒ぎになりました。 広告料に換算したら軽く100億円単位の額に上るのではないでしょうか。 その割には本は売れませんでした。 40万部近くを刷ったと聞いていますが、 売れ行きが止まった頃から大量の返品があったのではないでしょうか。 モノ書きを40年もして零細出版社を経営している僕には、 そのあたりのことは見当がつくのです。 貴方の本が大騒ぎされている頃、 小説でじわじわ売れ行きを伸ばしていた本がありました。 又吉直樹さんの「火花」です。 新聞、雑誌等で売れ行きに相応しい広告はしばしば出ていたし、 お笑い芸人が書いた文芸作品ということでテレビや、 ネットでも取り上げられていましたが、 「絶歌」のように大騒ぎされていたわけではありません。 でも、その時点で70万部も売れていました。 「火花」は芥川賞を受賞し売れ行きに加速がついて、 200万部を超えました。 貴方は(おれの本がなんで40万部もいかないんだ) と心外だったのではないでしょうか。 「火花」の売れ行きが大きく陰って、 貴方は焦ったのでしょうか。 マスコミに某出版社の社長との間の少々の行き違いを、 勝手な、あるいは故意の思い込みでスキャンダル化した内容の手紙を 多数の新聞、週刊誌に送りつけました。 週刊文春をはじめいくつかのメディアが取り上げましたが、 話題の浮上はならず、 いつしか貴方はメディアからに姿を消しました。 今どうしているのですか。 かなりの印税が入ったので長期の海外旅行でもしているのでしょうか。 それとも「火花」を超える作品を書こうと、 どこかに閉じこもって執筆に専念しているのでしょうか。 貴方のホームページを覗けば少しは貴方の動静が知れるかもしれませんが、 開設したことを知って覗き、10秒で不気味さに襲われ閉じました。 2度と開くつもりはありません。 でも、気になるのです。 自己顕示欲が強く、 少年A当時にやったことをあまり反省していないかに見える貴方の動静が、 まったく知れないとなると何だか不安になるのです。
2015.11.19
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オバケを飼っています3 バケノスケはオバケだから食事はしない、 と思ったのですが、するんですよ。 できたての料理の匂いを嗅ぐ。 それがバケノスケの食事です。 好物の匂いはカレーで、 僕がルーから作るカレーを本当にいい匂いと喜んでくれる。 「お前、お世辞じゃないの?」 「キミね、オバケにお世辞はないんよ。 それは人間の悪しき慣習でしょう」 匂いだから嗅いでも排泄はないだろう、 と僕は素人考えで推測したのですが、 それがちゃんとあったんですよ。 バケノスケは外食が好きで、行こう行こうと僕を促します。 「パソコンと必死に向きあってるだろ。締め切りが過ぎてるんだよ。 今夜中に送んなきゃならない。夕飯はカップ麺ですますつもりなんだ」 「ソレガシ、カップ麺の匂いは嫌いでね。あれっ、添加物のてんこ盛りだろ。 体にも悪いよ」 「お前、贅沢だな。じゃ、食べんなよ」 すると、バケノスケは空中に静止して、つばで左右に羽を作り後ろに回すと、 先端のほうを目にも止まらぬ速さでこすりました。 「わあっ!!!」 と僕は叫んで両耳を塞ぎました。 クマゼミが1000匹も合唱したらこんな騒音になるでしょう。 バケノスケの騒音テロに屈し、僕は1時間だけと時間を区切って、 マンションから歩いて6,7分のところにある 隠れ家風のフレンチの店に連れていきました。 そして、そこでバケノスケは超想定外の事件を起こしたのです。
2015.11.13
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大切な時期だね。 貴方のところは33、4歳で課長になる。 貴方は今、32歳で、上層部から注目されているらしいじゃないか。 ところで、貴方の2年先輩で貴方に足を引っ張られたという人は、 どういう根拠でそう思い込んだの? 人事担当の役員にその先輩の仕事ぶりや、人間性について訊かれたのだね。 役付にする前にはよくやることだよ。 忌憚のないところを言ってくれと役員が言ったのは、 当然のことだよ。 それで…先輩の仕事の能力や、人間性について、 正直に答えたわけだ。 うん、貴方はその先輩の能力や、人間性を買っている。 だから、いっぱい褒めた。 「きみから見て彼の欠点は?」 そう訊かれて、 「仕事好きの方ですからめったにないんですが、 気が向かない仕事をやっているときは能力の半分ぐらいしか出していない気がします」 と、言ったって。 そうか、先輩は貴方のその一言で足を引っ張られた、と と誤解したんだ。 先輩は自分のことを貴方が役員から訊かれたことを知って、 何て答えたかとしつこく迫ったらしいじゃないか。 でも、役員と廊下ですれ違ったときに、 「彼は取引先としょっちゅう飲み歩いているらしいね」 と、耳打ちされたんだろう。 直属の上司にでも聞いたのだろうね。 役付になれなかったのはそれが原因だよ。 今の会社は自社の社員が取引先の社員とが必要以上に親しくして、 慣れ合いの仲になることを嫌うんだよ。 大丈夫、先輩は異動したんだね。 役付にする後輩の貴方がやりやすくなるよう事前に手を打った、ということだ。 仮に彼が足を引っ張ろうとしても、 会社はそれを無視するよ。 会社はちゃんと見ている。 つまらないことを気にしないで、 責任が重くなるから頑張っていこうよ。
2015.11.11
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休んだんだってね、ついに今日。 昨日のメールでそんな気配を感じたんだけどね、 あえて返信はしなかった。 1日ぐらい出社拒否をしてもらったほうが早く悟れる、 と思ったからなんだ。 無断欠勤じゃないだろ、 理由は何にしたのかな? 烈しい偏頭痛か。 心因性の頭痛になってもおかしくない状況のようだけど、 貴方の表情はすっきりしている。 ということはね、 そんなにまいっていないってことなんだよ。 自分では気づいていないと思うけど、 半分は我儘からきている。 前の上司とはとてもうまくいっていたそうだけど、 その上司は貴方が気に入り甘やかしていたのかもしれないよ。 実績あげてよく褒められていたらしいじゃないか。 それで気をよくして頑張ったからまた結果を出せた。 今の上司がどうして苦手になったの? 上司が今何をしているのか気になって見たら、 向こうも顔を上げて貴方を見たんだね。 目があって手招きされて行ってみると、 書類の不備を注意された… えっ、それだけのことなの。 別の日のこと、トイレでボックスに入って、 あんちくしょう! とつい声に出してつぶやいて、 出てみると、上司が小用を足しながら、 じっと貴方を見ていたというんだね。 あんちくしょう、と罵った相手は上司ではなく、 通勤電車で勢いよく乗ってきたサラリーマンの肩で、 メールをチェック中のスマホを弾き落とされたんだ。 そのときのことを思い出して、 あんちくしょう、と声に出してしまったんだ。 上司は自分があんちくしょうと言われたと思ってる? 貴方の思い過ごしだよ。 気に入られていない、 自分に対し苦々しい思いを抱いている、 反りが合わない、 すべて貴方の一人相撲だよ。 貴方がそうだから上司は扱いづらいと思ってるだろうね。 貴方が心を閉ざしているんだ。 さあ、明日は元気よく堂々と胸を張って出社し、 その上司に開口一番、 「ご心配かけました。頭痛は完全消滅です」 と、大声で言ってごらんよ。 それですべて解決だ。
2015.11.10
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オバケを飼っています2 普通に言えばオバケと名乗ったオバケは、 黒いゴマ粒のような両目を艶々と輝かせながら、 「ソレガシ、今はマンションになっているけれど、 もともとここに建っていたお屋敷の屋敷霊だったのよ」 と、つばの左側をひらひらさせて言いました。 「ああ、このマンションを管理している不動産屋の人も言ってたな。 江戸時代は大身のの旗本が住んでたって」 僕はうなずきました。 港区南麻布の高台に断つ8階建てのマンションの3階の、この305号室に、 僕が入居して3年目に入っています。 「そうよ、ソレガシはその頃からいる」 「お前、何歳なの?」 「オバケに年齡は関係ない」 頭部とつばだけのオバケは頭部を少し上へ伸ばして首を作ると、 その首を強く振りました。 「ソレガシ、屋敷が取り壊しになってから、しばらく、そこのカシノキの洞で熟睡していたのよ。 このマンションは築7年目か。7年目に目覚めたってことよ」 このマンションは30メートルほど間をとって、 もう1棟、作りがまったく同じマンションと並び立っています。 どちらもお屋敷時代の敷地内に建てられ、その工事が始まる前、 鬱蒼としていた屋敷森の木々が伐り倒されていきました。 しかし、樹齢約400年と推定されるカシノキの巨木だけは、 チェーンソーを当てても歯が立たず、なおも当てようとすると、 枝々が怪しく揺れ騒いだそうです。 そのとき、チェーンソーを当てていた作業員は、 突然、心臓発作を起こして昏倒し、そのまま息を引き取りました。 これはカシノキの祟りだということになり、 伐り倒すのをやめて当初大規模棟1棟の建設計画を、 カシノキを挟んで中規模棟2棟にした、 とこっちの棟の管理人のおばさんに聞いたことがありました。 「工事のとき、そのカシノキの祟りで作業員が1人亡くなっているんだ。 もしかしたら、お前が悪さしたんじゃないの?」 「ソレガシ、熟睡していて何にも知りません」 オバケはつばを左右に両手のように長く伸ばして小首を傾げました。 「ところで、なぜおれの部屋に侵入したんだ。 「侵入?」 オバケはいかにも心外だと言わんばかりにつばをゆらゆら揺らし、 黒いゴマ粒のような両目を黒糸のようにして少し釣り上げました。 二重丸の口はへの字に結ばれました。 「キミこそ侵入者なんだよ。お屋敷時代、 ここは天井裏でソレガシの安住の場だったんだ。 今日からソレガシ、ここに住む」 オバケは二重丸に戻した口をピクピク忙しく震わせました。 「おいおい、オバケなんかと一緒には住めないぞ。 客がきたらどうするんだ?」 「ソレガシの姿はキミにしか見えないって」 「えっ、そうなの」 僕がポカンとなると、オバケは虚を突くようにまくしたてました。 「共に住めば同志じゃないの。キミのお役に立つことも多いと思うよ。 だから、ルームメイトのキミのことをよく知りたい。姓名、 年齡、職業は?」 「佐倉宗之助、35歳、職業はラノベ作家…」 僕はやけくそ気味に答えました。 「ラノベって?」 「ライトノベルという分野の作品を書いているんだよ」 「ほう、キミは作家の先生なの。じゃ、威儀を正して…」 オバケはつばの左右部分を真下にスススーッと伸ばして、 両足のようにして先端を少し折って床に立ちました。 「よろしゅうお願いします」 体を直角に折ってお辞儀をしました。 成り行き上、僕も「よろしく」と応じ、 「お前の名は?」 と、訊いたんですよ。 「名はない」 「それじゃ困るんだよ。じゃ、バケノスケと呼ぼう」 そんなこんなでバケノスケとの同居生活が始まったのでした。
2015.11.10
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オバケを飼っています1 オバケを飼っています。 そのオバケとの出会いはこうでした。 そろそろ寒くなってきて、外出時にマフラーを使いだして2,3日後のことでした。 僕はスチール製の机を2つ使っています。 1つの机にはパソコンを置いています。 もう1つの机は手紙、はがきを書いたり、何かをメモるときに使っていたつもりですが、 今は雑多なものが収拾がつかない感じでひしめきあっています。 その机の椅子の背もたれにマフラーをかける癖があるのです。 ひと仕事終えパソコンを閉じてそろそろ外出しようと、その椅子の背もたれを見て、 僕は、あれっ、と呟きました。 去年の冬から気に入っているグリーンのモヘヤのマフラーは、 床へ滑り落ちていました。 それはいいのですが、マフラーの代わりに薄気味悪くて、 とてもとても変なものがかかっていたからです。 かたちは…麦わら帽子がグニャグニャ柔らかくなって、 内側と外側に分かれてダラリと垂れているようでした。 色は透明感がある乳白色で、何だかとても生々しいのです。 (何だろう、こいつは?) もっと離れたいのに、僕の手はその変なものに近づいていきます。 指先が触れるか触れないかのとき、 その変なものは物音1つたてず椅子の背もたれから飛び上がりました。 ああ、やはり、かたちは麦わら帽子だぞ、と想いました。 色は透明感のある乳白色のままでした。 変なものはつばを波打たせて、ゆらゆらと天井近くまで上昇し、 すぐにゆらゆらと下降してきて僕の目の高さで静止しました。 彼我の距離は1メートルほど。 そのときに僕は初めて山型の帽子部分に眼と口があるのに気づきました。 両目は本当にちっちゃくて、黒ゴマをくっつけたようでした。 口はこれも小さく直径1センチぐらいの二重丸のようでした。 ごくほんのりと紅色でした。 鼻がないのか、と僕は想いました。 すると、鼻があっていいところが盛り上がりました。 団子鼻で、大きさは大豆ほどでした。 「何だい、お前は?」 僕は思わず訊きました。 「普通に言うと」オバケだよ」 二重丸のおちょぼ口をピクピクさせて彼は答えました。 不思議な発音で、耳を通さず澄んだ声が僕の頭の中で響きました。 それが彼との会話の始まりでした。
2015.11.09
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