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2019.07.11
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​ 高村光太郎「レモン哀歌」「智恵子抄」(新潮文庫)より​
 ​​十代の終わりから、二十代の初め、詩と出会い、読みはじめる。そういう体験は、今の若い人たちにもあるのだろうか。​
​​​​​​​​​​​  「智恵子抄」 高村光太郎 「春と修羅」 宮沢賢治 「在りし日の歌」 中原中也 。やがて、 「わがひとに与ふる哀歌」 伊東静雄 を知り、 「荒地」派の詩人たち を知る。それが十代から二十代前半への、精神の成長のあかしのように思っていたころがある。 1970年代初頭 の高校生の 「青春」 だった。​​​​​​​​​​​
レモン哀歌      高村光太郎

 そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
 かなしく白くあかるい死の床で
 わたしの手からとつた一つのレモンを
 あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
 トパアズいろの香気が立つ
 その数滴の天のものなるレモンの汁は
 ぱつとあなたの意識を正常にした
 あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
 わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
 あなたの咽喉(のど)に嵐はあるが
 かういふ命の瀬戸ぎはに
 智恵子はもとの智恵子となり
 生涯の愛を一瞬にかたむけた
 それからひと時
 昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして
 あなたの機関はそれなり止まつた
 写真の前に挿した桜の花かげに
​ すずしく光るレモンを今日も置かう​
​ こんな詩句をこっそり口ずさんでいた少年は、やがて、四畳半の下宿の天井に貼り付けた詩句を呪文のように繰り返しながら、四年で出られる学校に八年も在籍する、怠惰で無為な青年になる。
 ぼくが真実を口にするとほとんど全世界を凍らせるだろうという妄想によって ぼくは廃人であるそうだ おうこの夕ぐれ時の街の風景は 無数の休暇でたてこんでいる 街は喧騒と無関係によってぼくの友である 苦悩の広場はぼくがひとりで地ならしをして ちょうどぼくがはいるにふさわしいビルディングを建てよう 大工と大工の子の神話はいらない 不毛の国の花々 ぼくの愛した女たち お袂れだ
​​(吉本隆明「廃人の歌」部分)​
 ​ ​​ ​ようやくもぐりこんだ、海の見える丘の上にあるキャンパスは明るい廃墟のようだった。神戸製鋼所の溶鉱炉が深夜になっても赤い炎を立ち昇らせていた。
 生協の書籍部に積み上げられた 「構造と力」 「チベットのモーツアルト」 「映像の召還」 。みんな眩しかった。40年近く過去の出来事になった。
 今でも、こんな詩を読む人はいるのだろうか。丘の上で大きく一つ深呼吸して、もう一度読みはじめるのも、悪くないのではないだろうか。(S)2019・07・11
追記2022・04・26
 半世紀前に出会った詩や小説を読み直そうかと思っています。 「読む」 というよりも 「書く」 、一つずつ手で書き写してみようかと。思い出をたどりたいわけではありません。なにか、新しいことが起きないか、そんな気持ちです。
 新しく目の前にやって来る作品群についていけない抵抗感の由来が知りたいという思い付きもあります。さあ、どうなることでしょう。
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最終更新日  2023.05.29 00:47:54
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