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2020.03.20
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​​​​ ​ 石塚真一「BLUE GIANT SUPREME 10」(小学館)


 10巻は 「ダイ・ミヤモト ナンバーファイブ」 がノーザンプトン・ロックフェスティバルに挑みます。野外に集まるロック・ファンの大観衆相手にジャズ・カルテットが通用するのか、というわけですが、そこは、まあ、マンガというか、当然、いかに通用し、いかなるドラマが起こるのかというのが第10巻の読みどころということです。
 なかなか良かったですね。 石塚真一 は音楽のマンガ化に、だから「音」をどうやって「絵」に書くかということに挑んでいると思うのですが、この巻の第75話 「SPECTRUM」 はステージのシーンですが、吹き出しが一カ所しか使われません。


 客席から投げ入れられたプラスチックのカップが ダイ の頭にあたるシーンから24ページにわたって、演奏シーンは「絵」だけで構成されています。「音」は読み手にお任せです。
 ちなみに、このページには三人のメンバーの顔が出ているので、紹介すると、左からピアにストの ブルーノ 、ベースの ハンナ 、ドラマーの ラファエル です。


 これが演奏シーン。演奏者から「音」が噴出して、観客に降り注ぎます。でも、飽きない理由は客たちのエピソードの書き込みです。子供が「音」に気付いて指さしている先に ハンナ の演奏があります。


 歓声に包まれる演奏シーンで、次の話にうつります。10巻の読みどころはもう一つありました。
ロック・フェスティバルでの成功の結果、主人公の 宮本大 だけでなく、他のメンバーたちの、覚悟と成長が描かれるシーンです。
 たとえばこのシーンです。


 家族から、そして誰よりも母からクラッシックの演奏家になることを期待されていた ハンナ が、ジャズのベーシストになる決意を描いたシーンだと思いました。
 ジャズというジャンルに対する石塚真一の、並々ならぬ思い入れがあふれるトーンで物語が描かれて行きます。11巻が楽しみですね。


 第9巻の感想を書いたと思っていましたが、どうも書き忘れているようです。 「ブルー・ジャイアント(全10巻)」 「ブルー・ジャイアント・シュープリーム」​ (8) の感想は書いているようです。こちらから行ってみてください。

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最終更新日  2021.05.25 12:22:28
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